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JP6496654B2 - プーリ装置 - Google Patents

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JP6496654B2
JP6496654B2 JP2015216448A JP2015216448A JP6496654B2 JP 6496654 B2 JP6496654 B2 JP 6496654B2 JP 2015216448 A JP2015216448 A JP 2015216448A JP 2015216448 A JP2015216448 A JP 2015216448A JP 6496654 B2 JP6496654 B2 JP 6496654B2
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Description

本発明は、プーリ装置に関するものである。
スクータ型の自動二輪車などでは、ベルト式の無段変速機が採用されている(例えば、特許文献1)。この無段変速機は、駆動プーリ装置と、従動プーリ装置と、ベルトとを備えている。ベルトは、駆動プーリ装置と従動プーリ装置との間に架けられている。
駆動プーリ装置及び従動プーリ装置は、固定シーブ、可動シーブ、固定ボス、及び可動ボスを有している。固定シーブと可動シーブとによって、ベルトを挟持している。可動ボスは可動シーブに固定されており、固定ボスは固定シーブに固定されている。可動シーブが固定シーブに対して接近及び離間するように、可動ボスは、固定ボス上を摺動する。
特許第3651628号公報
プーリ装置において、固定ボスに対して摺動する可動ボスが安定して動作することが好ましい。そこで、本発明では、可動ボスが安定して動作するプーリ装置を提供することを課題とする。
本発明のある側面に係るプーリ装置は、固定シーブと、固定ボスと、可動シーブと、可動ボスと、コーティング膜と、第1及び第2シール部材と、を備えている。固定ボスは、固定シーブから軸方向に延びる。可動シーブは、軸方向において固定シーブに対して接近及び離間するように移動可能である。可動ボスは、固定ボスの径方向外側に配置され、可動シーブから軸方向に延びる。コーティング膜は、固定ボスの外周面に形成されている。コーティング膜は、固定ボスよりも摩擦係数が低い。第1シール部材は、可動ボスの第1端部において、可動ボスの内周面に取り付けられている。第2シール部材は、可動ボスの第2端部において、可動ボスの内周面に取り付けられている。
この構成によれば、第1及び第2シール部材が取り付けられているため、可動ボスと固定ボスとの間にダストが入り込むことを防止することができる。この結果、可動ボスは、固定ボス上をスムーズに摺動し、安定して動作することができる。また、可動ボス上にコーティング膜が形成されている。このため、固定ボスと可動ボスとの間にグリスを介在させなくても、第1及び第2シール部材が固定ボス上の摺動によって摩耗することを抑制できる。
好ましくは、プーリ装置は、摺動部材をさらに備えている。摺動部材は、可動ボスの内周面に取り付けられている。摺動部材は、可動ボスよりも摩擦係数が低い。この構成によれば、可動ボスは、摺動部材を介して、固定ボス上をよりスムーズに摺動することができる。
好ましくは、コーティング膜は、固体潤滑剤によって形成される。
本発明に係るプーリ装置によれば、可動ボスが安定して動作することができる。
プーリ装置の側面断面図。 固定ボスとコーティング膜の拡大断面図。 スプリングシートの平面図。 図3のIV−IV線断面図。 カム機構の動作を説明するための概略図。 ドライブプレートの平面図。 図6のVII−VII線断面図。 変形例に係るダストシールの拡大断面図。
以下、本発明に係るプーリ装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態に係るプーリ装置100は、従動側のプーリ装置100である。この従動側のプーリ装置100には、駆動側のプーリ装置(図示省略)からベルト101を介してトルクが伝達される。ベルト101は、トルクを伝達するための部材である。
図1は、プーリ装置100の側面断面図である。なお、以下の説明において、回転軸Oとは、プーリ装置100の回転軸を意味する。径方向とは、回転軸Oを中心とした円の径方向を意味する。径方向の外側とは、径方向において回転軸Oから離れる側を意味し、径方向の内側とは、径方向において回転軸Oに近付く側を意味する。軸方向とは、回転軸Oに沿った方向を意味する。軸方向の第1側とは図1の左側を意味し、軸方向の第2側とは、図1の右側を意味する。周方向とは、回転軸Oを中心とした円の周方向を意味する。
図1に示すように、プーリ装置100は、固定シーブ1と、固定ボス2と、コーティング膜3と、可動シーブ4と、可動ボス5と、第1及び第2ダストシール(シール部材の一例)7a、7bと、スプリング8と、スプリングシート9と、カム機構10と、遠心クラッチ12と、を備えている。
固定シーブ1は、回転軸Oを中心に回転するように配置されている。固定シーブ1の中心軸は、回転軸Oと実質的に同軸上に配置されている。固定シーブ1は、軸方向において、可動シーブ4の第2側に配置されている。固定シーブ1は、軸方向に移動しないように固定されている。
固定シーブ1は、円板状である。固定シーブ1の対向面11は、径方向の外側にいくにしたがって、可動シーブ4から離れるように傾斜している。すなわち、対向面11は、径方向の外側に向かって、軸方向の第2側に傾斜している。なお、固定シーブ1の対向面11は、可動シーブ4に対向する面である。すなわち、固定シーブ1の対向面11は、軸方向の第1側を向いている。
固定ボス2は、固定シーブ1と一体的に回転する。本実施形態では、固定ボス2と固定シーブ1とは一つの部材で形成されている。なお、固定ボス2と固定シーブ1とは、別部材によってそれぞれ形成されており、互いに固定されることによって、一体的に回転してもよい。固定ボス2は、円筒状であって、固定シーブ1から軸方向に延びている。詳細には、固定ボス2は、固定シーブ1から軸方向の第1側に延びている。固定ボス2の中心軸は、回転軸Oと実質的に同軸上に配置されている。
固定ボス2の第1端部21に、遠心クラッチ12が取り付けられている。また、固定ボス2の第2端部22から、固定シーブ1が径方向外側に延びている。なお、第1端部21は軸方向の第1側の端部であり、第2端部22は軸方向の第2側の端部である。この第1端部21は、互いに平行に延びる取り付け面を外周面に有している。第1端部21は他の部分よりも外径が小さいため、肩部23が形成されている。
出力軸(図示省略)は、固定ボス2の内部を、軸方向に延びている。出力軸は、例えば後輪にトルクを伝えるための軸である。出力軸と固定ボス2とは相対回転可能である。なお、出力軸と固定ボス2との間に、ベアリング102,103が配置されている。
図2に示すように、コーティング膜3は、固定ボス2の外周面に形成されている。例えば、コーティング膜3は、固定ボス2の外周面全体に形成されている。なお、コーティング膜3は、第1及び第2ダストシール7a、7bが摺動する範囲のみに形成されていればよい。コーティング膜3の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、20〜50μm程度である。
コーティング膜3は、固定ボス2よりも摩擦係数が低い。例えば、固定ボス2は、金属製である。具体的には、固定ボス2は、鋼製又はアルミニウム合金製である。より具体的には、固定ボス2は、炭素鋼及び合金鋼よりなる群から選ばれる少なくとも一種によって形成される。これに対して、コーティング膜3は、固体潤滑剤によって形成される。具体的には、コーティング膜3は、二硫化モリブデン、有機モリブデン化合物、グラファイト、及びポリテトラフルオロエチレンよりなる群から選ばれる少なくとも一種によって形成される。
図1に示すように、可動シーブ4は、回転軸Oを中心に回転するように配置されている。可動シーブ4の中心軸は、回転軸Oと実質的に同軸上に配置されている。可動シーブ4は、回転軸Oに沿って移動するように配置されている。すなわち、可動シーブ4は、軸方向に移動するように配置されている。可動シーブ4は、軸方向に移動することによって、固定シーブ1に対して接近及び離間する。可動シーブ4は、軸方向において、固定シーブ1の第1側に配置されている。
可動シーブ4は、円板状である。可動シーブ4の対向面41は、径方向の外側にいくにしたがって、固定シーブ1から離れるように傾斜している。すなわち、対向面41は、径方向の外側に向かって、軸方向の第1側に傾斜している。
可動シーブ4の対向面41は、固定シーブ1に対向する面である。すなわち、可動シーブ4の対向面41は、軸方向の第2側を向いている。固定シーブ1の対向面11と、可動シーブ4の対向面41とは、間隔をあけて対向している。固定シーブ1の対向面11と、可動シーブ4の対向面41とによって、V溝が形成されている。可動シーブ4が軸方向に移動することによって、V溝の溝幅が変わる。このV溝内において、ベルト101が配置されている。なお、固定シーブ1の対向面11と、可動シーブ4の対向面41とによって、ベルト101を挟持している。
可動シーブ4は、軸方向の第1側に突出する環状の支持壁部42を有している。この支持壁部42は、可動ボス5の径方向外側に配置されている。この支持壁部42と可動ボス5との間に、スプリング8の端部が配置される。
可動ボス5は、可動シーブ4と一体的に回転する。また、可動ボス5は、可動シーブ4と一体的に軸方向に移動する。本実施形態では、可動ボス5と可動シーブ4とは一つの部材で形成されている。なお、可動ボス5と可動シーブ4とは、別部材によってそれぞれ形成されており、互いに固定されることによって、一体的に回転及び軸方向に移動してもよい。
可動ボス5は、円筒状であって、可動シーブ4から軸方向に延びている。詳細には、可動ボス5は、可動シーブ4から軸方向の第1側に延びている。すなわち、可動ボス5は、固定シーブ1から遠ざかる方向に延びている。可動ボス5の中心軸は、回転軸Oと実質的に同軸上に配置されている。可動ボス5は、固定ボス2の径方向外側に配置されている。すなわち、固定ボス2は、可動ボス5内を延びている。可動ボス5は、グリスを介さずに、固定ボス2上を摺動可能である。
可動ボス5は、その端部に複数のカム部51を有している。各カム部51は、周方向において間隔をあけて配置されている。各カム部51は、軸方向の第1側に延びている。すなわち、各カム部51は、可動ボス5の軸方向の第1側の端部に設けられている。この各カム部51は、カム機構10を構成する。
可動ボス5は、例えば、金属製である。具体的には、可動ボス5は、鋼製又はアルミニウム合金製である。より具体的には、可動ボス5は、炭素鋼及び合金鋼よりなる群から選ばれる少なくとも一種によって形成される。
摺動部材6は、可動ボス5の内周面に取り付けられている。摺動部材6と可動ボス5との間に、金属層、及び焼結体層が介在していてもよい。摺動部材6は円筒形状である。摺動部材6の内周面は、固定ボス2の外周面上に形成されたコーティング膜3と接触している。
摺動部材6は、可動ボス5よりも摩擦係数が低い。例えば、摺動部材6は、ナイロン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、及びポリフェニレンサルファイド系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種によって形成される。このように、摺動部材6は、可動ボス5よりも摩擦係数が小さいため、固定ボス2上をスムーズに摺動することができる。
第1及び第2ダストシール7a、7bは、可動ボス5の内周面に取り付けられている。詳細には、第1ダストシール7aは、可動ボス5の第1端部52において、可動ボス5の内周面に取り付けられている。第2ダストシール7bは、可動ボス5の第2端部53において、可動ボスの内周面に取り付けられている。なお、可動ボス5の第1端部52は、軸方向の第1側の端部であり、可動ボス5の第2端部53は、軸方向の第2側の端部である。
図2に示すように、第1及び第2ダストシール7a、7bは、固定ボス2の外周面上に形成されたコーティング膜3と当接している。このため、固定ボス2と可動ボス5との間は、第1及び第2ダストシール7a、7bによって密閉されている。第2ダストシール7bは、軸方向の第2側に突出する第1リップ部71bと、軸方向の第1側に突出する第2リップ部72bとを有している。第1ダストシール7aは、軸方向の第1側に突出する第1リップ部と、軸方向の第2側に突出する第2リップ部とを有している。
第1及び第2ダストシールは、合成ゴム又は天然ゴムによって形成されている。具体的には、第1及び第2ダストシール7a、7bは、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、及びフッ素ゴムよりなる群から選ばれる1種によって形成されている。
スプリング8は、軸方向において可動シーブ4を固定シーブ1に向かって付勢する。すなわち、スプリング8は、可動シーブ4を軸方向の第2側に向かって付勢している。これによって、固定シーブ1と可動シーブ4とが、ベルト101を挟持する。スプリング8は、例えばコイルスプリングとすることができる。スプリング8は、可動ボス5を囲むように、可動ボス5の径方向外側に配置されている。
スプリングシート9は、スプリング8を支持するように構成されている。図3及び図4に示すように、スプリングシート9は、円筒部91、フランジ部92、及び複数のカム受け部93を有する。スプリングシート9は、例えば樹脂製である。具体的には、スプリングシート9は、ナイロン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、及びポリフェニレンサルファイド系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。円筒部91、フランジ部92、及び各カム受け部93は、1つの部材によって一体的に形成されている。
円筒部91は、可動ボス5の径方向外側に配置されている。また、円筒部91は、スプリング8の径方向内側に配置されている。すなわち、円筒部91は、径方向において、可動ボス5とスプリング8との間に配置されている。円筒部91は、スプリング8を径方向において支持している。
フランジ部92は、円筒部91から径方向外側に延びている。詳細には、フランジ部92は、円筒部91の軸方向第1側の端部から径方向外側に延びている。フランジ部92は、環状である。フランジ部92は、スプリング8の軸方向の第1側の端面を支持している。すなわち、フランジ部92は、スプリング8を軸方向において支持している。
各カム受け部93は、円筒部91の径方向の内側に配置されている。詳細には、各カム受け部93は、円筒部91の内周面に形成されている。各カム受け部93は、周方向に延びている。各カム受け部93は、周方向において、互いに間隔をあけて配置されている。なお、この周方向において隣り合うカム受け部93の間を、カム部51が延びている。各カム受け部93は、可動ボス5の各カム部51と係合する。この各カム受け部93は、カム機構10を構成する。各カム受け部93は、凹部931を有している。凹部931は、径方向に延びている。この凹部931は、後述するドライブプレート121の一部を収容する。
スプリングシート9は、固定シーブ1と一体的に回転する。詳細には、スプリングシート9は、軸方向の第1側に突出する突出部94を有している。この突出部94が、後述するドライブプレート121の貫通孔1214(図6参照)に嵌合する。突出部94は、貫通孔1214の外周縁に沿った形状をしている。このドライブプレート121は、固定ボス2を介して固定シーブ1と一体的に回転する。このため、ドライブプレート121に取り付けられたスプリングシート9は、固定シーブ1と一体的に回転する。
図1に示すように、カム機構10は、可動ボス5とスプリングシート9とに設けられている。詳細には、カム機構10は、複数のカム部51と複数のカム受け部93とから構成される。カム機構10は、スプリングシート9に対する可動ボス5の相対回転を、可動ボス5の軸方向推力に変換するように構成されている。すなわち、可動ボス5がスプリングシート9よりも速い速度で回転すると、カム機構10は、可動ボス5を固定シーブ1に向かって移動させる。
詳細には、図5に示すように、可動ボス5の各カム部51は、カム面511を有している。カム面511は、回転方向を向き、且つ軸方向の第1側を向くように傾斜している。このカム面511が、スプリングシート9のカム受け部93に当接する。なお、回転方向とは、車両が前進する際に、可動ボス5が回転する方向である。
図1に示すように、遠心クラッチ12は、ドライブプレート121、複数のクラッチシュー122、及びクラッチハウジング123を有している。遠心クラッチ12は、固定シーブ1及び可動シーブ4の回転を、出力軸に伝達したり遮断したりするように構成されている。詳細には、遠心クラッチ12は、固定ボス2の回転を、出力軸に伝達したり遮断したりするように構成されている。
ドライブプレート121は、固定ボス2の第1端部21に取り付けられている。ドライブプレート121は、固定ボス2と一体的に回転する。図6及び図7に示すように、ドライブプレート121は、ボス部1211と、円板部1212とを有している。
ボス部1211は、円筒状であって、軸方向に延びている。ボス部1211は、固定ボス2に取り付けられる。詳細には、ボス部1211は、中心部に貫通孔1213を有している。この貫通孔1213は、固定ボス2の第1端部21と係合するような形状である。具体的には、貫通孔1213の外周縁は、固定ボス2の外周縁とほぼ同じ形状である。
円板部1212は、ボス部1211から径方向外側に延びている。円板部1212は、平板状である。すなわち、円板部1212は、実質的に段差部を有していない。なお、円板部1212は、平板状でなくてもよいし、段差部を有していてもよい。円板部1212は、複数の貫通孔1214を有している。各貫通孔1214は、軸方向に貫通している。また、各貫通孔1214は、周方向に延びている。各貫通孔1214は、周方向において、間隔をあけて配置されている。この貫通孔1214に、上述したスプリングシート9の突出部95が嵌合する。また、上述した可動ボス5の各カム部51は、円板部1212と干渉しないよう、貫通孔1214内を延びている。なお、隣り合う貫通孔1214の間に配置される円板部1212の一部が、上述したカム受け部93の凹部931に収容される。
ドライブプレート121は、金属製である。具体的には、ドライブプレート121は、鋼製又はアルミニウム合金製である。より具体的には、ドライブプレート121は、炭素鋼、及び合金鋼よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。ドライブプレート121は、固定ボス2の肩部23と当接することによって、軸方向の第2側への移動が規制される。また、第1端部21に取り付けられた止め輪104によって、ドライブプレート121は軸方向の第1側への移動が規制される。
図1に示すように、各クラッチシュー122は、円周方向の一端部がドライブプレート121に揺動可能に取り付けられている。各クラッチシュー122は、その外周面に摩擦材(図示省略)を有している。各クラッチシュー122の他端部には、各クラッチシュー122を径方向の内側に付勢するようにリターンスプリング(図示省略)が取り付けられている。
クラッチハウジング123は、各クラッチシュー122を径方向の外側から覆うように配置されている。クラッチハウジング123は、固定ボス2に相対回転である。詳細には、クラッチハウジング123は、ボス部1231を有している。ボス部1231には、スプライン孔1232が形成されている。このスプライン孔1232に、出力軸がスプライン係合することができる。
遠心クラッチ12が伝達状態になると、各クラッチシュー122の摩擦材は、クラッチハウジング123の内周面と摩擦係合する。また、遠心クラッチ12が遮断状態になると、各クラッチシュー122の摩擦材は、クラッチハウジング123の内周面から離れる。なお、遠心クラッチ12の伝達状態とは、遠心クラッチ12が、固定シーブ1及び可動シーブ4の回転を出力軸に伝達する状態を意味する。また、遠心クラッチ12の遮断状態とは、遠心クラッチ12が、固定シーブ1及び可動シーブ4の回転を出力軸に伝達しない状態を意味する。
上述したように構成されたプーリ装置は、次のように動作する。
駆動側のプーリ装置において、固定シーブと可動シーブとによって構成される溝の幅が狭くなった場合、ベルト101の巻き付け径が大きくなる。すなわち、ベルト101は、駆動側のプーリ装置において、径方向の外側に移動する。
図1に示すように、従動側のプーリ装置100において、固定シーブ1と可動シーブ4とによって構成される溝の幅は、駆動側のプーリ装置における溝幅と逆に動作する。すなわち、駆動側のプーリ装置においてベルト101が径方向の外側に移動すると、従動側のプーリ装置100においてベルト101が径方向の内側へ移動する。
ベルト101が径方向の内側へ移動すると、スプリング8の付勢力に抗して、可動シーブ4が固定シーブ1から離れる方向に移動する。すなわち、可動シーブ4が、軸方向の第1側に移動する。この結果、固定シーブ1と可動シーブ4との間の溝の幅が広がる。
また、駆動側のプーリ装置において、固定シーブと可動シーブとによって構成される溝の幅が広がった場合、ベルト101の巻き付け径が小さくなる。すなわち、ベルト101は、駆動側のプーリ装置において、径方向の内側に移動する。
駆動側のプーリ装置においてベルト101が径方向の内側に移動すると、従動側のプーリ装置100において、ベルト101が径方向の外側へ移動する。そして、スプリング8の付勢力によって、可動シーブ4が固定シーブ1に近付く方向に移動する。この結果、固定シーブ1と可動シーブ4との間の溝の幅が狭くなる。
次に、カム機構10の動作について説明する。発進時のように急加速したとき、可動シーブ4が固定シーブ1よりも速い速度で回転する。すると、図5に示すように、可動ボス5がスプリングシート9よりも速い速度で回転する。すなわち、可動ボス5は、スプリングシート9に対して回転方向に相対的に回転する。すると、カム機構10は可動ボス5に軸方向の推力を付与し、可動ボス5は軸方向の第2側に移動する。詳細には、カム面511がカム受け部93から軸方向の第2側への反力を受け、可動ボス5が軸方向の第2側に移動する。この結果、可動シーブ4は固定シーブ1側へ移動し、ベルト101を強固に挟持する。
以上、本実施形態に係るプーリ装置100は、次の特徴を有する。
固定ボス2の外周面にコーティング膜3が形成されているため、可動ボス5がコーティング膜3を介して固定ボス2上を安定して摺動することができる。また、第1及び第2ダストシール7a、7bが取り付けられているため、可動ボス5と固定ボス2との間にダストが入り込むことを防止することができ、この結果、可動ボス5が固定ボス2上をよりスムーズに摺動することができる。また、可動ボス5上にコーティング膜3が形成されているため、第1及び第2ダストシール7a、7bの摺動による摩耗を抑制することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、カム機構10は、可動ボス5に形成されたカム部51とスプリングシート9に形成されたカム受け部93によって構成されているが、カム機構10の構成はこれに限定されない。例えば、カム機構10のカム受け部は、ドライブプレート121に形成されていてもよい。さらには、プーリ装置100はカム機構10を備えているが、プーリ装置100はカム機構10を備えていなくてもよい。
また、図8に示すように、第2ダストシール7bは、第1リップ部71bのみを有しており、第2リップ部72bを有していなくてもよい。また、第1ダストシール7aも、第1リップ部のみを有しており、第2リップ部を有していなくてもよい。
1 :固定シーブ
2 :固定ボス
21 :第1端部
22 :第2端部
3 :コーティング膜
4 :可動シーブ
5 :可動ボス
52 :第1端部
53 :第2端部
6 :摺動部材
7a :第1ダストシール
7b :第2ダストシール
100 :プーリ装置

Claims (3)

  1. 固定シーブと、
    前記固定シーブから軸方向に延びる固定ボスと、
    軸方向において前記固定シーブに対して接近及び離間するように移動可能な可動シーブと、
    前記固定ボスの径方向外側に配置され、前記可動シーブから軸方向に延びる可動ボスと、
    前記固定ボスの外周面に形成され、前記固定ボスよりも摩擦係数の低いコーティング膜と、
    前記可動ボスの第1端部において、前記可動ボスの内周面に取り付けられた第1シール部材と、
    前記可動ボスの第2端部において、前記可動ボスの内周面に取り付けられた第2シール部材と、
    を備えた、プーリ装置。
  2. 前記可動ボスの内周面に取り付けられ、前記可動ボスよりも摩擦係数の低い摺動部材をさらに備えた、請求項1に記載のプーリ装置。
  3. 前記コーティング膜は、固体潤滑剤によって形成される、
    請求項1又は2に記載のプーリ装置。
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