〔実施の形態1〕
以下、本発明の実施の一形態について図1〜10に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本実施の形態では、遠隔操作される家電としてエアコン(空気調和機)を例示する。
(遠隔操作システム100の構成)
図1は、本実施の形態に係る遠隔操作システム100の概略構成を示す図である。図1に示すように、遠隔操作システム100では、ユーザ宅50に設置されている家電(電子機器)であるエアコン10(10−1,10−2,10−3,10−4)と、クラウドサーバ(サーバ装置)20と、通信端末装置30(30−1,30−2,30−3)とが、広域通信ネットワーク62を介して接続されている。
エアコン10は、広域通信ネットワーク62に接続され、広域通信ネットワーク62を介して制御できるいわゆるネットワーク家電である。本実施の形態では、広域通信ネットワーク62への接続機能を持たないエアコン10に、遠隔操作を可能とする通信機能部分を有する家電アダプタ5(5−1,5−2,5−3,5−4)を接続することで、ネットワーク家電としている。遠隔操作を可能とする通信機能部分を外付け構成としてオプション化することで、共通の家電アダプタ5を型番の異なるエアコン10や、エアコン10以外の家電にも適用でき、コストを抑えることができる。もちろん、エアコン10内部に通信機能部分が予め組み込まれている構成(エアコン10と家電アダプタ5と一体化した構成)であってもよい。
クラウドサーバ20は、通信端末装置30と家電アダプタ5とを対応付けて、その組み合わせを登録管理している。クラウドサーバ20に組み合わせが登録されることで、通信端末装置30は、クラウドサーバ20を介して、対応付けられた家電アダプタ5と接続されているエアコン10を遠隔操作することができる。通信端末装置30には、対応付けられた家電アダプタ5と接続されているエアコン10に関する情報が、クラウドサーバ20を介して送信される。以下、対応付けられた家電アダプタ5と接続されたエアコン10を操作することを、単にエアコン10を遠隔操作すると記載する。
1台の通信端末装置30につき、このような遠隔操作の対象のエアコン10を複数台対応付けることができる。また、1台の家電アダプタ5につき、複数台の通信端末装置30をエアコン10の遠隔操作元として対応付けることができる。通信端末装置30としては、遠隔操作のためのアプリケーションがダウンロードされているスマートフォンやタブレット端末などを挙げることができる。
一方、ユーザ宅50には、狭域通信ネットワークである無線LAN(Wireless Local Area Network)が整備されている。無線LANの中継局40は、インターネットを含む広域通信ネットワーク62と接続されている。中継局40は、例えばWiFi(登録商標)ルータやWiFi(登録商標)アクセスポイントなどの通信機器である。本実施の形態では、広域通信ネットワーク62としてインターネットを含む構成を例示しているが、電話回線網、移動体通信網、CATV(CAble TeleVision)通信網、衛星通信網などを利用することもできる。
クラウドサーバ20とユーザ宅50に設置された家電アダプタ5とは、広域通信ネットワーク62および無線LANの中継局40を介して通信可能となっている。また、クラウドサーバ20と通信端末装置30とは、広域通信ネットワーク62を介して通信可能になっている。通信端末装置30と広域通信ネットワーク62におけるインターネットとの間は、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)や、宅内あるいは公衆のWiFi(登録商標)アクセスポイントなどを利用して接続される。また、家電アダプタ5および通信端末装置30は、いずれも無線通信機器であり、広域通信ネットワーク62を介することなく、中継局40を介して相互に通信することもできる。
なお、図1では、10−1〜10−4の4台のエアコン、30−1〜30−3の3台の通信端末装置、3つのユーザ宅50を例示しているが、これらは一例に過ぎない。
(クラウドサーバ20の構成)
図2は、遠隔操作システム100におけるクラウドサーバ20の概略構成を示すブロック図である。クラウドサーバ20は、各ユーザ宅50に備えられた各エアコン10を管理するサーバであり、図2に示すように、制御部21、記憶部22および通信部23を備えている。
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるコンピュータ装置からなり、クラウドサーバ20の各部の動作を制御する。記憶部22は、クラウドサーバ20で用いられる各種情報(データ)を記憶する。通信部23は、広域通信ネットワーク62を介して、家電アダプタ5および通信端末装置30と相互通信を行う。
また、上記制御部21には、対応付管理部21a、優先度設定部(設定部)21b、動作制御部21cおよび操作内容通知部(通知部)21dが構築される。
対応付管理部21aは、遠隔操作を可能とする通信端末装置30と家電アダプタ5との対応付けを管理する。記憶部22には、対応付管理部21aが作成して管理に用いる、通信端末装置30と家電アダプタ5の対応テーブルが格納されている。なお、ユーザと家電アダプタ5とを直接対応付ける構成であってもよい。
優先度設定部21bは、1台の家電アダプタ5に対応付けられた複数の通信端末装置30間に優先度を設定する。記憶部22には、図3に示すような、通信端末装置30と優先度の対応テーブル(以下、優先度テーブル)22aが格納されている。このような優先度テーブル22aは家電アダプタ5毎に設けられる。
図3の(a)に示す例では、通信端末装置30の識別に、通信端末装置30を所持するユーザのユーザIDが使用されている。ユーザID「0001」およびユーザID「0002」のユーザが所持する通信端末装置30に、優先度「1」が設定され、ユーザID「0003」およびユーザID「0004」のユーザが所持する通信端末装置30に、優先度「2」が設定されている。ここでは、優先度は数字が小さい程高くなる。
また、図3の(b)に示す例では、通信端末装置30の識別に、クラウドサーバ20が通信端末装置30のアドレス情報やUUIDなどの固有情報に対応付けて設定したクラウドIDが使用されている。クラウドID「スマホ_1」の通信端末装置30に優先度「1」が設定され、クラウドID「スマホ_2」の通信端末装置30に優先度「3」が、クラウドID「スマホ_3」の通信端末装置30に優先度「2」が設定されている。なお、優先度テーブル22aは、各家電アダプタ5に対応付けられた複数の通信端末装置30間での優先順位が特定できるものであればよい。
本実施の形態では、対応付管理部21aが、通信端末装置30と家電アダプタ5とを対応付けて管理する構成であったため、優先度を通信端末装置30間に設定した。しかしながら、要は、1台の家電アダプタ5に対応付けられた複数のユーザ間に優先度が設定されていればよい。
動作制御部21cは、通信端末装置30よりエアコン10に対する操作指示を受信すると、操作対象のエアコン10と接続された家電アダプタ5に、受信した操作指示の内容にてエアコン10を駆動させるための制御コマンドを送信する。詳細については後述するが、家電アダプタ5は、制御コマンドを受信するとエアコン10にこれを送信し、エアコン10は受信した制御コマンドに従って動作する。記憶部22には、操作指示と制御コマンドの対応テーブルも格納されている。
また、動作制御部21cは、エアコン10を動作させるにあたり、優先度設定部21bが設定した優先度に従い、優先度の高い通信端末装置30からの操作指示を優先度の低い通信端末装置30からの操作指示よりも優先させる。
例えば、図3の(a)に示す優先度テーブル22aを有する場合、優先度「1」のユーザID「0001」の通信端末装置30からの操作指示によってエアコン10を動作させている状態で、優先度「2」のユーザID「0003」の通信端末装置30から操作指示を受けても、これを無効とする。優先度「2」のユーザID「0004」の通信端末装置30から操作指示を受けた場合も同様である。一方、優先度「2」のユーザID「0003」の通信端末装置30からの操作指示によってエアコン10を動作させている状態で、優先度「1」のユーザID「0001」の通信端末装置30から操作指示を受けた場合は、指示された操作内容でエアコン10を動作させる。優先度「1」のユーザID「0002」の通信端末装置30から操作指示を受けた場合も同様である。
このように、優先度の高い通信端末装置30からの操作指示を優先させることで、優先度の高い通信端末装置30を所持するユーザ(優先度の高いユーザ、例えば親)によって指示された、変更することが望ましくない操作(例えば、電力逼迫時におけるエコ運転モード)が、優先度の低い通信端末装置30を所持するユーザ(優先度の低いユーザ、例えば子供)によって勝手に変更されるといった好ましくない事態の招来を回避することができる。
なお、本実施の形態では、先に操作を指示した通信端末装置30と後に操作を指示した通信端末装置30それぞれの優先度が等しい場合、動作制御部21cは、時系列的に後の操作指示を優先させる構成である。但し、これとは逆に、先の操作指示を優先させるようにしてもよいし、操作内容によって優先させる方(後か先か)を切り換えるようにしてもよい。
操作内容通知部21dは、優先度の低い通信端末装置30から操作が指示されると、その操作内容を優先度の高い通信端末装置30に通知する。例えば、図3の(a)に示す優先度テーブルを有する場合、優先度「2」のユーザID「0003」の通信端末装置30から操作が指示されると、優先度「1」のユーザID「0001」とユーザID「0002」の各通信端末装置30に、指示された操作内容を通知する。優先度の高い通信端末装置30が複数存在する場合には、それら全てに操作内容を通知してもよいし、最も優先度の高い通信端末装置30にのみ通知してもよいし、予め定められた1台にのみ通知してもよい。エアコン10を複数の家族メンバーで使用する状況を当てはめると、操作内容の通知を受ける通信端末装置30の所持者は、宅内のエアコン10の稼働を管理する母親や父親などとなる。また、操作内容が通知される優先度の低い通信端末装置30のユーザは子供などとなる。
このように、優先度の低い通信端末装置30から指示された操作内容を、優先度の高い通信端末装置30に通知して、優先度の高い通信端末装置30を所持するユーザ(優先度の高いユーザ)が確認できるようにすることで、優先度の高いユーザは、通知された操作内容に問題がなければ(例えば、冷房中の温度を上げる操作や、暖房中の温度を下げる操作)、自身が先に行った操作を解除するなどして、優先度の低いユーザが指示した操作が反映されるように便宜を図ることができる。これにより、優先度の高いユーザからの操作指示を優先させながらも、優先度の低いユーザの利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、操作内容通知部21dは、予め定められた優先度の高い特定の通信端末装置30を操作内容の通知先とし、かつ、当該特定の通信端末装置30からの操作指示にてエアコン10を動作させている状態で、優先度の低い通信端末装置30から操作が指示された場合にのみ通知する構成としている。つまり、エアコン10を複数の家族メンバーで使用する状況を当てはめると、母親が自身の通信端末装置30(特定の通信端末装置)を用いてエアコン10を遠隔操作している場合にのみ、子供が自身の通信端末装置30から指示した操作内容が、母親の通信端末装置30に通知されることとなる。
優先度の低い通信端末装置30から操作指示がなされる度にその内容が優先度の高い通信端末装置30に通知されてくる構成とした場合、優先度の高い通信端末装置30を所持するユーザが煩わしく感じる恐れがある。しかしながら、このように、優先度の高い通信端末装置30を用いてエアコン10を操作している場合にのみ、優先度の低いユーザによる操作内容が通知される構成とすることで、優先度の高い通信端末装置30を所持するユーザが煩わしさを感じないようにできる。
しかも、本実施の形態においては、操作内容通知部21dは、操作内容の通知と共に、当該操作(優先度の低い通信端末装置より指示された操作)の実行の可否の問い合わせを行うように構成されている。そして、動作制御部21cは、優先度の高い通信端末装置30から、操作の実行を許可する通知を受け取ると、優先度の低い通信端末装置30による操作指示にてエアコン10を動作させる。具体的には、動作制御部21cは、優先度の低い通信端末装置30より受信した操作指示の内容にてエアコン10を駆動させるための制御コマンドを家電アダプタ5に送信する。
このように、優先度の低い通信端末装置30から指示された操作の実行の可否を、優先度の高い通信端末装置30側で決定できる構成としておくことで、優先度の高いユーザの許可は必要であるが、優先度の低いユーザにおいて、比較的自由にエアコン10を操作することができる。これにより、優先度の高いユーザからの操作指示を優先させながらも、優先度の低いユーザの利便性をより一層向上させることができる。
なお、以下においては、各ユーザが、優先度が設定された自身の通信端末装置30を用いてエアコン10の遠隔操作を行うことを前提として、優先度の高いユーザが優先度の高い通信端末装置30を用いてエアコン10を遠隔操作することを、単に優先度の高いユーザが遠隔操作(操作指示)すると表現し、優先度の低いユーザが優先度の低い通信端末装置30を用いてエアコン10を遠隔操作することを、単に優先度の低いユーザが遠隔操作(操作指示)すると表現する。
(通信端末装置30の構成)
図4は、遠隔操作システム100における通信端末装置30の概略構成を示すブロック図である。通信端末装置30は、図4に示すように、制御部31、記憶部32、表示部33、通信部34および操作部35を備えている。
制御部31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるコンピュータ装置からなり、通信端末装置30の各部の動作を制御する。記憶部32は、通信端末装置30で用いられる各種情報(データ)を記憶する。表示部33は、ユーザに提示するための各種情報を表示する。通信部34は、広域通信ネットワーク62を介した通信と、無線LANの中継局40を介した装置間の相互通信とを行う。操作部35は、ユーザからの操作入力を受け付けるユーザインターフェースである。
また、制御部31には、エアコン10を遠隔操作するための遠隔操作部31aが構築される。遠隔操作部31aは、通信端末装置30にダウンロードされた専用のアプリケーションなどにより構築される。遠隔操作部31aは、図5に示すような操作画面を表示部33に表示して、エアコン10に対する遠隔操作を受け付ける。“この内容で送信”のボタンを押すと、操作画面で受け付けた操作指示の実行を命じる制御コマンドが、通信端末装置30からクラウドサーバ20に送信される。
また、遠隔操作部31aは、クラウドサーバ20より操作内容が通知されると、新着情報受信一覧に含めるなどして通信端末装置30のユーザに、確認すべき情報の存在を知らせる。例えば、図6に示すように、通信端末装置30におけるホーム画面の上部や、図7に示すように、通信端末装置30におけるホーム画面の中央に、「○○さんが暖房運転をリクエストしています。」などの操作内容を知らせるメッセージを表示する。○○さんとは、操作を指示した優先度の低いユーザである。
ここで、優先度の高いユーザが、当該メッセージの表示部分をタップ(選択)すると、遠隔操作部31aは、ログイン画面などの最初の画面を表示し、その画面に「○○さんが暖房運転をリクエストしています。許可しますか?」などのメッセージと共に、優先度の低いユーザによる操作指示(この場合は暖房運転)を許可するか否かを決定するボタンをポップアップ表示する(図6、図7参照)。
また、遠隔操作部31aは、操作画面を起動している状態で、クラウドサーバ20より操作内容が通知されると、図8に示すように、操作画面に上記メッセージと共に、操作指示を許可するか否かを決定するボタンをポップアップ表示する。
ここで、優先度の高いユーザが、“はい”ボタンをタップ(操作)すると、許可を知らせる通知(可否結果)が、通信端末装置30からクラウドサーバ20に送信される。一方、“いいえ”ボタンをタップ(操作)すると、不許可を知らせる通知(可否結果)が、通信端末装置30からクラウドサーバ20に送信される。
(家電アダプタ5およびエアコン10の構成)
家電アダプタ5は、エアコン10をネットワーク通信可能にする機器である。家電アダプタ5は、クラウドサーバ20からの操作信号(命令)を含む各種データを受信する。クラウドサーバ20から受信するデータには、クラウドサーバ20自体からのものに加え、クラウドサーバ20を介して送信される通信端末装置30からのものも含まれる。また、クラウドサーバ20から受信するデータは、家電アダプタ5自体を制御するものである場合もあれば、家電アダプタ5を介してエアコン10に伝達してエアコン10を制御するものである場合もある。さらに、家電アダプタ5は、エアコン10から伝達されたエアコン10に関する情報をクラウドサーバ20に送信する。
図9は、遠隔操作システム100における家電アダプタ5およびエアコン10の概略構成を示すブロック図である。家電アダプタ5は、制御部41、記憶部42、通信部43および接続部44を備えている。
制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるコンピュータ装置からなり、家電アダプタ5の各部の動作を制御する。制御部41は、クラウドサーバ20から受信したデータが、エアコン10を制御するもの、例えば、エアコンの動作を命じる制御コマンドである場合に、これをエアコン10に送信する。記憶部42は、家電アダプタ5で用いられる各種情報を記憶する。通信部43は、広域通信ネットワーク62を介してクラウドサーバ20と相互通信を行う。接続部44は、エアコン10の接続部15と相互通信する。接続部44とエアコン10の接続部15との間の接続は、例えば、USB(Universal Serial Bus)コネクタによる接続などであってもよい。
エアコン10は、空気調和運転を行う装置であり、図9に示すように、制御部11、記憶部13、運転動作部14、接続部15、通信部16および環境検知部17を備える。制御部11は、エアコン10の各部の動作を制御する。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるコンピュータ装置からなり、エアコン10の各部の動作を制御する。制御部11には、家電アダプタ5を介して、クラウドサーバ20からの制御コマンドが入力され、また、通信部16を介して、リモコン19からの制御コマンドが入力される。制御部11は、受け取った制御コマンドに応じて運転動作部14を動作させる。記憶部13は、エアコン10にて用いられる各種情報を記憶する。接続部15は、家電アダプタ5の接続部44との間で相互通信を行う。
運転動作部14は、制御部11による制御の下、エアコン10の各種運転動作を実行する。運転動作の例としては、冷房運転、暖房運転、除湿運転、送風運転などがある。イオン発生器を備えた機種であれば、冷房運転、暖房運転、除湿運転、送風運転と併用されるイオン発生運転、空気清浄機能を有する機種においては、空気清浄運転などがある。
環境検知部17は、ユーザ宅50の気温(室温)およびユーザ宅50の湿度を測定(検知)する。環境検知部17は、温度センサおよび湿度センサから構成される。さらに、宅外の気温(外気温)を測定するように構成されていてもよい。環境検知部17は、温度および湿度のうちの一方を検知できるようになっていてもよい。また、環境検知部17は、温度および湿度以外のユーザ宅50の環境条件について検知できる構成を備えていてもよい。
通信部16は、リモコン19を用いた赤外線による近距離通信による操作指示を受信する。通信部16が受信した操作指示は、制御部11に送られ、制御部11による制御の下、各種運転動作が実行される。本実施の形態では、赤外線にて通信するものとしたが、他の近距離通信を行える無線あるいは有線にて通信してもよい。
(遠隔操作における処理の流れ)
遠隔操作システム100における各装置の処理を、図10の具体例を用いて説明する。図10は、エアコン10−1を、優先度の高いユーザαが優先度の高い通信端末装置30−1(以下、通信端末装置A)にて遠隔操作(操作指示a)している状態で、優先度の低いユーザβが優先度の低い通信端末装置30−2(以下、通信端末装置B)にて遠隔操作(操作指示b)を行った場合である。
優先度の高いユーザαが通信端末装置Aを用いてエアコン10に遠隔操作にて操作aを指示すると、通信端末装置Aからクラウドサーバ20に操作指示aが送信され(S1)、クラウドサーバ20がこれを受信する(S2)。クラウドサーバ20は、受信した操作指示aをエアコン10−1に接続されている家電アダプタ5−1に送信する(S3)。
家電アダプタ5−1は、クラウドサーバ20から操作指示aを受信すると(S4)、これをエアコン10−1に送信する(S5)。エアコン10−1は、家電アダプタ5−1から操作指示aを受信すると(S6)、操作指示aに対応した動作を実行する(S7)。
このようにして、エアコン10−1が優先度の高いユーザαによって遠隔操作されている状態で、優先度の低いユーザβが通信端末装置Bを用いてエアコン10−1を遠隔操作して操作bを指示すると、通信端末装置Bからクラウドサーバ20に操作指示bが送信される(S11)。
クラウドサーバ20は、操作指示bを受信すると(S12)、エアコン10−1が既に通信端末装置Aにて遠隔操作されている状態であるので、通信端末装置Aと通信端末装置Bの優先度を、優先度テーブル22a(図3参照)を参照して判断する(S13)。本例では、通信端末装置Bの優先度が通信端末装置Aの優先度よりも低いため、クラウドサーバ20は、優先度の高い通信端末装置Aに、通信端末装置Bからの操作指示bの操作内容を通知すると共に、当該操作の実行の可否を問い合わせる(S14)。
通信端末装置Aは、クラウドサーバ20より操作指示bの操作内容等を受信すると(S15)、確認すべき通知が存在することをユーザαに通知する。その後、ユーザαが該情報を確認する操作を行うと、ユーザβが操作指示bへの変更をリクエストしている旨を表示する(S16)。また、本実施の形態では、操作指示bへの変更を許可するかどうかを決定する可否ボタンも表示する。通信端末装置Aは、ユーザαが可否ボタンを操作して可否結果を決定すると、可否結果をクラウドサーバ20に送信する(S17)。
クラウドサーバ20は、通信端末装置Aから可否結果を受信し(S18)、可であれば、エアコン10−1に接続されている家電アダプタ5−1に操作指示bを送信する(S19)。家電アダプタ5−1は、クラウドサーバ20から操作指示bを受信すると(S20)、これをエアコン10−1に送信する(S21)。エアコン10−1は、家電アダプタ5−1から操作指示bを受信すると(S22)、操作指示bに対応した動作を実行する(S23)。一方、S18において、不可であれば、クラウドサーバ20は、家電アダプタ5−1に操作指示bを送信しない。
なお、本例とは異なるが、ユーザβの方がユーザαよりも優先度が高い(通信端末装置Bの方が通信端末装置Aよりも優先度が高い)場合は、クラウドサーバ20は、通信端末装置Aに操作指示bの操作内容を通知することなく、受信した操作指示bをエアコン10−1に接続されている家電アダプタ5−1に送信する。
以上のように、本実施の形態の遠隔操作システム100では、動作制御部21cが、優先度の高いユーザからの操作指示を優先度の低いユーザからの操作指示よりも優先させ、操作内容通知部21dが、優先度の低いユーザが指示した操作内容を優先度の高いユーザの通信端末装置30に通知する構成である。
これにより、優先度の低いユーザが希望する操作については、優先度の高いユーザが操作内容を確認して、問題なければ自身が先に指示した操作を解除することで、優先度の高いユーザによる操作指示を優先させつつ、優先度の低いユーザの希望する操作指示をエアコン10において反映させることができる。
また、優先度の低いユーザが指示した操作内容が通知されるのは、優先度の高いユーザ自身が遠隔操作している場合のみであるので、優先度の高いユーザが煩わしさを感じないようにできる。
さらに、優先度の高いユーザに、優先度の低いユーザから指示された操作の実行可否を問い合わせ、操作の実行が許可されると、優先度の低いユーザによる操作指示にてエアコン10を動作させる構成としている。したがって、優先度の高いユーザによる許可は必要であるが、優先度の低いユーザにおいて、比較的自由にエアコン10を操作することができる。
このように、本実施の形態の遠隔操作システム100によれば、1台のエアコン10を複数のユーザが各々の通信端末装置30を用いて遠隔操作する仕組みにおいて、優先度の高いユーザの操作指示を優先させつつ、優先度の低いユーザの利便性を向上させることができる。
〔実施の形態2〕
本実施の形態の遠隔操作システム101(図1参照)と、実施の形態1の遠隔操作システム100とは、優先度の低いユーザからの操作指示をエアコン10にて実行させる時期が異なる。実施の形態1の遠隔操作システム100では、優先度の低いユーザからの操作指示は、優先度の高いユーザが許可することで初めて反映される。これに対し、本実施の形態の遠隔操作システム101においては、優先度の高いユーザによる許可を待つことなく優先度の低いユーザからの操作指示を反映させ、優先度の高いユーザが許可しなかった場合に、操作を取り消して前の動作状態に戻す構成である。
遠隔操作システム101における各装置の処理を、図11の具体例を用いて説明する。図11も図10と同様に、エアコン10−1を、優先度の高いユーザαが優先度の高い通信端末装置30−1(以下、通信端末装置A)にて遠隔操作(操作指示a)している状態で、優先度の低いユーザβ(優先度の低いユーザ)が優先度の低い通信端末装置30−2(以下、通信端末装置B)にて遠隔操作(操作指示b)を行った場合である。
優先度の高いユーザαが通信端末装置Aを用いてエアコン10−1を遠隔操作して操作aを指示すると(S1)、図10におけるS2〜S6と同様の処理を経て、エアコン10−1が操作指示aに対応した動作を実行する(S7)。
このようにして、エアコン10−1が優先度の高いユーザαによって遠隔操作されている状態で、優先度の低いユーザβが通信端末装置Bを用いてエアコン10−1を遠隔操作して操作bを指示すると、通信端末装置Bからクラウドサーバ20に操作指示bが送信され(S11)、クラウドサーバ20がこれを受信する(S12)。
クラウドサーバ20は、操作指示bを受信すると、エアコン10−1に接続されている家電アダプタ5−1に操作指示bを送信する(S41)。これにより、家電アダプタ5は、クラウドサーバ20から操作指示bを受信して(S20)、図10のS21〜S22と同様の処理を経て、操作指示bに対応した動作を実行する(S23)。
また、クラウドサーバ20は、エアコン10−1が既に通信端末装置Aにて遠隔操作されている状態であるので、図10のS13〜S18と同様の処理を行って、ユーザαに、ユーザβから指示された操作の実行の可否を問い合わせる。クラウドサーバ20は、通信端末装置Aから受信した可否結果が可であれば、既に操作指示bを送信済みであるので、家電アダプタ5−1に対して何も送信しない。一方、不可であれば、家電アダプタ5−1に対して先の操作指示(操作指示b)の取り消しを指示する取消指示を送信する(S42)。
家電アダプタ5−1は、クラウドサーバ20から取消指示を受信すると(S43)、これをエアコン10−1に送信する(S44)。エアコン10−1は、家電アダプタ5−1から取消指示を受信すると(S45)、実行中の先の操作指示(操作指示b)に対応した動作を、元の動作(操作指示aの動作)に戻す(S46)。
本実施の形態の遠隔操作システム101では、優先度の低いユーザが指示した操作への変更を、優先度の高いユーザによる許可を待たずに実行する。そのため、遠隔操作部31aは、操作内容通知として、図12に示すような「○○さんのリクエストで暖房運転中です。承認しますか?」などのメッセージを、優先度の低いユーザによる操作指示(この場合は暖房運転)にて変更された動作を承認するか否かを決定するボタンと共にポップアップ表示する。
このような構成によれば、優先度の高いユーザから問い合わせに対する回答を受け取るまでの期間において、優先度の低いユーザからの操作指示がエアコン10に取り敢えず反映されるので、優先度の低いユーザの利便性をより一層向上させることができる。
〔実施の形態3〕
本実施の形態の遠隔操作システム102(図1参照)は、実施の形態1の遠隔操作システム100において、優先度の高いユーザへの問い合わせに回答期限(有効期限)が設定されており、回答を受信しないうちに期限に達すると、可否結果が可であった場合と同様に、エアコン10を優先度の低いユーザからの操作指示にて動作させる機能が付加されている。
遠隔操作システム102における各装置の処理を、図13の具体例を用いて説明する。図13も図10と同様に、エアコン10−1を、優先度の高いユーザαが優先度の高い通信端末装置30−1(以下、通信端末装置A)にて遠隔操作(操作指示a)している状態で、優先度の低いユーザβが優先度の低い通信端末装置30−2(以下、通信端末装置B)にて遠隔操作(操作指示b)を行った場合である。
図13においては、S50が追加されている。S50では、クラウドサーバ20は、優先度の高い通信端末装置Aに、通信端末装置Bによる操作指示bの操作内容を通知した後、S18にて可否結果を受信することなく回答期限に達すると、家電アダプタ5−1に操作指示bを送信する。
上記構成によれば、優先度の高いユーザが、通信端末装置Aを鞄に入れているなどして問い合わせに気が付かない場合にも、回答期限が過ぎると、エアコン10−1は、優先度の低いユーザからの操作指示に応じた動作を実行するので、優先度の低いユーザの利便性をより一層向上させることができる。
また、このように、優先度の高いユーザからの回答(可否結果)を受信しない場合にも、優先度の低いユーザからの操作指示に応じた動作を実行する構成では、遠隔操作部31aは、操作内容通知として、図14に示すような「○○さんが暖房運転をリクエストしています。却下しますか?」などのメッセージを、優先度の低いユーザによる操作指示(この場合は暖房運転)による変更を却下するボタンと共にポップアップ表示することが好ましい。
つまり、このような問い合わせ方とすることで、優先度の高いユーザが“却下”のボタンを押して、変更を禁じる意思を明確に伝えない限り、優先度の低いユーザからの操作指示が実行されることとなり、優先度の低いユーザの利便性をより一層向上させることができる。
また、このような回答期限を設ける構成を、実施の形態2の、優先度の低いユーザの操作指示を取り敢えず反映させる構成と組み合わせることもできる。その場合は、図示してはいないが、「○○さんのリクエストで暖房運転中です。却下して基に戻させますか?」などのメッセージを、却下”のボタンと共にポップアップ表示する。このような構成では、却下”のボタンが押されない限り、優先度の低いユーザによる操作指示(この場合は暖房運転)が、指示したときから反映され続けるため、優先度の低いユーザの利便性をより一層向上させることができる。
〔実施の形態4〕
本実施の形態の遠隔操作システム103(図1参照)は、実施の形態1〜3の遠隔操作システム100〜102におけるエアコン10に、通信端末装置30からの操作指示にて動作している状態であることを、リモコン19にて操作指示したユーザに知らせる機能が付加された構成である。
遠隔操作システム103では、エアコン10が、リモコン19から操作指示がなされると、当該操作を無効とすると共に、リモコン19を操作したユーザに対して、通信端末装置30による操作指示にて動作していることを報知し、当該報知を行ってから所定の期間内に再度、リモコン19から操作指示がなされた場合にこれを有効とする。
図15に示すように、制御部(報知部)11は、通信端末装置30からの操作指示にて動作している状態で、リモコン19から操作指示がなされると、制御部11は、スピーカ等からなる音声出力部18より、例えば、「△△さんからの遠隔操作にて運転中です。変更してよろしいでしょうか?」というような音声メッセージを出力して、リモコン19を操作したユーザに、通信端末装置30による操作指示にて動作していること知らせる。制御部11に構成されるリモコン操作受付部11aは、通信端末装置30からの操作指示にて動作している状態で、リモコン19から操作指示がなされてもこれを無効とする。そして、リモコン操作受付部11aは、上記音声メッセージを出力してから所定の期間内に再度、リモコン19から操作指示がなされるとこれを有効として、当該操作指示に対応した動作を運転動作部14に命じる。報知部は、音声出力部18と、これを制御する制御部11にて構成される。
遠隔操作システム103における各装置の処理を、図16の具体例を用いて説明する。図16は、エアコン10−1を、ユーザxが通信端末装置30−3(以下、通信端末装置C)にて遠隔操作(操作指示c)している状態で、別のユーザyがリモコン19を用いて遠隔操作(操作指示ir)を行った場合である。
ユーザxが通信端末装置Cを用いてエアコン10−1を遠隔操作して操作cを指示すると(S51)、図10のS2〜S6の処理と同様のS52〜S56の処理を経て、エアコン10−1が操作指示cに対応した動作を実行する(S57)。
このようにして、エアコン10−1がユーザxによって遠隔操作されている状態で、ユーザyがリモコン19を用いてエアコン10−1を遠隔操作して操作irを指示する(S58)と、エアコン10−1がこれを受信する(S59)。
リモコン19からの操作指示irを受信したエアコン10−1は、既に通信端末装置Cにて遠隔操作されている状態であるので、上記のような音声メッセージを出力して、通信端末装置Cからの遠隔操作によって動作中である旨を、ユーザyに報知する(S60)。
音声メッセージを報知後、ユーザyが、再度、リモコン19を用いて同じ操作irを指示し、エアコン10−1がこれを受信(再度受信)すると(S62)、エアコン10−1は、操作指示irに対応した動作を実行する(S63)。
なお、ここでは、音声メッセージ出力後の所定の期間内(例えば20秒以内)に、リモコン19にて同じ操作指示がなされた場合に、リモコン19からの操作指示を有効としたが、例えば、音声メッセージ出力後の所定期間内に、リモコン19に設けられた決定ボタンを押す構成などでもよい。
また、リモコン19を操作したユーザへの報知は、音声メッセージの出力に限らない。例えば、エアコン10に備えられた所定のランプを点灯させたり、リモコン19が表示部を有する構成であれば、該表示部にメッセージを流したり、あるいは、リモコン19を振動させたりしてもよい。
このような構成では、通信端末装置30を持っていないユーザに、エアコン10が通信端末装置30を用いて遠隔操作にて操作されていることを気付かせることができる。これにより、通信端末装置30を用いて遠隔操作しているユーザ(例えば親)の意図に気が付かず、別のユーザ(例えば子供)が勝手に操作を変更してしまうといった事態の招来を回避できる。
なお、ここでは、制御部11のリモコン操作受付部11aが、通信端末装置30にて遠隔操作されている状態で受け付けたリモコン19から操作指示を無効としていた。しかしながら、操作指示はそのまま有効とし、リモコン19に操作取消ボタン等を設ける構成としてもよい。この場合、音声メッセージを聞いたユーザ自身が、必要に応じて、該取消ボタンを操作して先の操作指示を取り消す。
本実施の形態では、実施の形態1〜3の遠隔操作システム100〜102と組み合わせているが、通信端末装置30にて遠隔操作されている状態であることをリモコン19を操作したユーザに報知する機能は、通信端末装置30を用いた遠隔操作システム全般に、独立して設けることができる。
〔実施の形態5〕
実施の形態1〜4の遠隔操作システム100〜103においては、通信端末装置30による遠隔操作の対象をエアコン10としていたが、空気清浄機や加湿器、イオン発生器、給湯器、照明装置などであってもよい。図17は、エアコン10と空気清浄機60を遠隔操作の対象とした遠隔操作システム104を示す。
また、クラウドサーバ20は必ずしも必要ではなく、エアコン10等の操作対象の家電と、通信端末装置30とが、通信ネットワークを介して直接に通信しあって、遠隔操作を行う構成であってもよい。その場合、上記した、優先度設定部21b、動作制御部21cおよび操作内容通知部21dの機能は、遠隔操作対象の家電もしくは家電アダプタ5に搭載されることとなる。また、クラウドサーバ20が介在する構成においても、優先度設定部21b、動作制御部21cおよび操作内容通知部21dの機能を、遠隔操作対象の家電もしくは家電アダプタ5に搭載させることもできる。
さらに、優先度の低いユーザが行った操作指示であって、操作内容が通知される操作指示の対象は、通信端末装置30を用いて遠隔操作できる全ての操作(エアコンであれば、設定温度の切り替えや、風量の強弱、風向きなどの全て)であってもよいし、駆動開始と停止、運転モード(冷房、暖房、除湿など)の切り替えや、エコ運転モードの解除などの、予め定められた操作指示のみを対象としてもよい。
〔実施の形態6〕
実施の形態1から5にて説明した遠隔操作システム100〜103における、対応付管理部21a、優先度設定部21b、動作制御部21cおよび操作内容通知部21dはそれぞれ、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、遠隔操作システム100〜103における、エアコン10、家電アダプタ5、クラウドサーバ20は、それぞれ、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)又は記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、コンピュータ(又はCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
また、クラウドサーバ20は必ずしも必要なく、クラウドサーバ20が所持していた機能を、家電に具備させてもよい。また、実施の形態におけるクラウドサーバ20の機能の一部を家電に持たせてもよい。
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る遠隔操作システム(100)は、複数のユーザが通信端末装置(30)から通信ネットワーク(62)を介して電子機器を遠隔操作する遠隔操作システムであって、前記複数のユーザ間に前記電子機器(エアコン10)を遠隔操作する際の優先度を設定する設定部(優先度設定部21b)と、前記優先度に従い、優先度の高いユーザからの操作指示を、優先度の低いユーザからの操作指示よりも優先させて前記電子機器を動作させる動作制御部(21c)と、優先度の低いユーザから操作が指示されると、その操作内容を優先度の高いユーザの通信端末装置(30)に通知する通知部(操作内容通知部21d)と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、動作制御部(21c)は、電子機器(エアコン10)を駆動するにあたり、優先度の高いユーザによる操作指示を優先度の低いユーザによる操作指示よりも優先するが、その際、通知部(操作内容通知部21d)は、優先度の低いユーザから操作が指示されると、その操作内容を優先度の高いユーザの通信端末装置(30)に通知する。
したがって、優先度の高いユーザは、優先度の低いユーザが指示した操作内容を確認することが可能となり、確認した結果、優先度の低いユーザが指示した操作への変更が問題なければ(例えば、冷房中の温度を上げる操作や、暖房中の温度を下げる操作)は、先に行った操作を解除するなどして、優先度の低いユーザが指示した操作が電子機器(エアコン10)反映されるように、便宜を図ることができる。
これにより、1台の電子機器(エアコン10)を複数のユーザが、各々が所持する通信端末装置(30)を用いて遠隔操作する仕組みにおいて、優先度の高いユーザの操作指示を優先させつつ、優先度の低いユーザの利便性を向上させることができる。
本発明の態様2に係る遠隔操作システム(100)は、さらに、前記通知部(操作内容通知部21d)は、前記電子機器(エアコン10)が優先度の高いユーザからの操作指示で動作している場合のみ操作内容を通知する構成である。
優先度の高いユーザが電子機器を操作しているか否かに関わらず、常に、優先度の低いユーザが指示した操作内容が通知されてくる構成では、優先度の高いユーザが煩わしさを感じる恐れがある。
上記構成によれば、優先度の高いユーザには、当該ユーザが通信端末装置(30)を用いて電子機器(エアコン10)を操作している場合にのみ、優先度の低いユーザが指示した操作内容が通知されるので、優先度の高いユーザが煩わしさを感じないようにできる。
感じ難くることができる。
本発明の態様3に係る遠隔操作システム(100)は、さらに、前記通知部(操作内容通知部21d)は、操作内容の通知と共に、優先度の低いユーザから指示された操作の実行の可否を優先度の高いユーザに問い合わせ、前記動作制御部(21c)は、前記優先度の高いユーザから優先度の低いユーザから指示された操作の実行を許可する通知を受けると、前記優先度の低いユーザからの操作指示にて前記電子機器(エアコン10)を動作させる構成である。
上記構成によれば、電子機器(エアコン10)が優先度の高いユーザからの操作指示で動作している状態で、優先度の低いユーザから操作が指示されると、指示された操作の実行の可否を優先度の高いユーザに問い合せされ、実行が許可されると、優先度の低いユーザによる操作指示が電子機器にて反映させる。
したがって、優先度の高いユーザによる操作指示を優先させながらも、優先度の低いユーザによる操作指示を許可するか否かを優先度の高いユーザに決めさせる術を設けておくことで、優先度の低いユーザの利便性を一層向上させることができる。
本発明の態様4に係る遠隔操作システム(101)は、さらに、前記通知部(操作内容通知部21d)は、操作内容の通知と共に、優先度の低いユーザから指示された操作の実行の可否を優先度の高いユーザに問い合わせ、前記動作制御部(21c)は、前記問い合わせに対する回答を待つことなく優先度の低いユーザからの操作指示にて前記電子機器(エアコン10)を動作させ、前記優先度の高いユーザから優先度の低いユーザから指示された操作の実行を許可しない通知を受けると、前記電子機器(エアコン10)の動作を、優先度の低いユーザからの操作指示にて動作させる前の状態に戻す構成である。
上記構成によれば、優先度の高いユーザから問い合わせに対する回答を受け取るまでの期間、取り敢えず優先度の低いユーザによる操作指示にて電子機器(エアコン10)が動作するので、優先度の低いユーザの利便性をより一層向上させることができる。
本発明の態様5に係る遠隔操作システム(102)は、さらに、前記問い合わせには有効期限が設定されており、前記動作制御部(21c)は、前記優先度の高いユーザから問い合わせに対する回答を受け取るまでに有効期限に達すると、優先度の低いユーザによる操作指示にて前記電子機器(エアコン10)を動作させる構成である。
上記構成によれば、優先度の高いユーザから問い合わせに対する回答を受け取るまでに回答期限に達すると、優先度の低いユーザによる操作指示にて電子機器(エアコン10)が動作する。したがって、優先度の高いユーザが、問い合わせに気が付かなかった場合にも、優先度の低いユーザによる操作指示にて電子機器(エアコン10)が動作するので、優先度の低いユーザの利便性をより一層向上させることができる。
本発明の態様6に係る遠隔操作システム(101〜104)は、さらに、前記複数の通信端末装置と前記1台の電子機器との間に、少なくとも1つのサーバ装置を備え、前記設定部、前記通知部、又は前記動作制御部のうちの少なくとも1つが、前記サーバ装置に備えられている構成である。
本発明の態様7に係る電子機器(エアコン10)は、複数のユーザによって通信端末装置(30)から通信ネットワークを介して遠隔操作される電子機器であって、前記複数のユーザ間に前記電子機器を遠隔操作する際の優先度を設定する設定部(優先度設定部21b)と、前記優先度に従い、優先度の高いユーザからの操作指示を、優先度の低いユーザからの操作指示よりも優先させて前記電子機器(エアコン10)を動作させる動作制御部(21c)と、優先度の低いユーザから操作が指示されると、その操作内容を優先度の高いユーザの通信端末装置に通知する通知部(操作内容通知部21d)と、を備える構成である。
本発明の態様8に係る電子機器(エアコン10)は、さらに、通信端末装置(30)からの操作指示にて動作している状態で、リモコン(19)から操作指示がなされると、操作したユーザに対して、前記電子機器(エアコン10)が通信端末装置(30)による操作指示にて動作していることを報知する報知部(制御部11,音声出力部18)を有する構成である。
このような構成では、通信端末装置(30)を持っていないユーザにも、電子機器(エアコン10)が通信端末装置を用いて遠隔操作されていることがわかるので、通信端末装置(30)を用いて遠隔操作したユーザの意図に気が付かず、操作を変更してしまうといった事態の招来を回避できる。