以下、本発明に係るエレベータ制御装置の一実施形態について説明する。まず、本発明に係るエレベータの概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、エレベータの全体構成を示す斜視図である。図1は、機械室を有していない、いわゆるマシンルームレスタイプのエレベータを例示する。
エレベータは、図1に示すように、かごドア1を有するかご2と、各乗場3に設けられる乗場ドア4とを備える。また、エレベータは、かご2を上下方向に案内するガイドレール5,5と、釣合い錘(カウンターウェイト)6と、かご2と釣合い錘6とを連結するロープ7と、該ロープ7を巻き上げる巻上機8と、を昇降路9内に備える。
さらに、エレベータは、ロープ7を巻きかけるために、昇降路9の上部に配置されている返し車10を備える。エレベータは、巻上機8を制御するための制御盤11と、エレベータの速度を調速するための調速機12と、緩衝器13と、を昇降路9の下部に備える。また、エレベータは、かご2の上部にエレベータ制御装置21を備える。
エレベータは、巻上機8を駆動することにより、かご2をガイドレール5に沿って昇降させる。巻上機8は、トラクションシーブ14を備える。巻上機8は、トラクションシーブ14を介してロープ7を動かすことにより、かご2を昇降させることができる。
釣合い錘6は、ロープ7を介してかご2に連結されているため、かご2の昇降に応じて、かご2の動きとは逆に昇降する。釣合い錘6がかご2に連結されることにより、巻上機8は、小さな動力で、かご2を昇降させることができる。調速機12は、かご2の昇降の速度が規定以上になったときに、かご2を停止させることができる。緩衝器13は、かご2に接触したときの衝撃を緩和することができる。
このようにして、かご2は、昇降路9をガイドレール5に沿って昇降するとともに、建物の各階床に設けられる乗場3に停止できる。
また、エレベータは、該エレベータの利用者の特性に応じてかごドア1及び乗場ドア4(以下、単に「ドア1,4」と総称する)の開閉を制御する特別仕様に対応している。本実施形態におけるエレベータの特別仕様は、車椅子利用者の特性に応じてドア1,4の開閉を制御する車椅子仕様とする。具体的には、車椅子利用者が降車する階床では、ドア1,4の開閉速度が、一般利用者が降車する階床におけるドア1,4の開閉速度よりも遅く設定されている。また、車椅子利用者が降車する階床におけるドア1,4が全開から閉じる動作を開始するまでの時間(以下、単に「戸開時間」と称する)が、一般利用者が降車する階床におけるドア1,4の戸開時間よりも長く設定されている。
かご2は、図1に示すように、乗降口15を有するかご本体16と、該かご本体16の乗降口15を開閉可能なかごドア1と、該かごドア1を駆動して開閉するかご側ドア開閉装置17とを備える。
各階床の乗場3には、乗降口18と、該乗降口18を開閉可能な乗場ドア4が設けられている。
エレベータには、ドア1,4を開閉させるために、かご側ドア開閉装置17を制御するエレベータ制御装置21が設けられている。
次に、本発明に係るエレベータ制御装置の一実施形態について、説明する。図2に示すように、エレベータ制御装置21は、利用者の行先階を設定するための行先階設定部22aを有するかご操作部22と、利用者のかご2への乗降の有無、及び、利用者が(特別仕様としての)車椅子仕様を適用する車椅子利用者Pであるか若しくは該車椅子利用者P以外の一般利用者であるかを検出する利用者検出部23と、該利用者検出部23が利用者のかご2への乗車を検出したときの利用者の組み合わせによって、行先階設定部22aで行先階として新たに登録された新規登録の行先階又は行先階として既に登録されていた既登録の行先階を、車椅子仕様を適用する行先階に登録する制御部24とを備える。
具体的には、図3に示すように、エレベータ制御装置21は、かご2の昇降を制御するかご制御装置25と、ドア1,4の開閉を制御するドア制御装置26とを備える。かご制御装置25は、行先階設定部22aで設定された行先階にかご2が昇降されるように、巻上機8(図1参照)を制御する。ドア制御装置26は、かご2が行先階に到着した後にドア1,4が開閉されるように、かご側ドア開閉装置17(図1参照)を制御する。
かご制御装置25には、かご操作部22と、利用者検出部23と、制御部24とが設けられる。
かご操作部22は、かご2の内部に設けられるかご操作盤22A(図2参照)と、各階床の乗場3に設けられる乗場操作盤22B(図1参照)とに設けられる。かご操作盤22A及び乗場操作盤22Bは、車椅子利用者Pの手の届く高さに配置される。かご操作部22は、図2及び図3に示すように、行先階設定部22aの他に、ドア1,4の戸開時間を延長する戸開延長操作部22bと、ドア1,4を開閉する開閉操作部22cとを備える。行先階設定部22a、戸開延長操作部22b及び開閉操作部22cは、押しボタンスイッチである。なお、戸開延長操作部22bは設けられなくてもよい。
利用者検出部23は、図2に示すように、かご2に乗車する利用者の通路上における乗場3側の第一位置P1にいる利用者を検出する第一検出部27と、通路上における第一位置P1よりもかご2側の第二位置P2にいる利用者を検出する第二検出部28とを備える。
また、利用者検出部23は、更に、図3に示すように、かご2を乗り降りする利用者を検出する少なくとも第一検出部27及び第二検出部28のいずれかの検出部が利用者を検出した検出時間が所定時間未満であるとき、利用者が一般利用者であると識別する利用者識別部29であって、検出時間が所定時間以上であるとき、利用者が車椅子仕様を適用する車椅子利用者Pであると識別する利用者識別部29を備える。
第一検出部27及び第二検出部28は、光電式センサである。例えば、本実施形態における第一検出部27は、図2に示すように、かごドア1側の乗降口の上方フレーム16aに設置される。第一検出部27は、乗場3に存在する物体に赤外線ビームなどを照射して該物体を検出する。また、第二検出部28は、かごドア1の一対のパネル間に存在する物体に多光軸の赤外線ビームなどを照射して該物体を検出する。なお、物体には、エレベータを利用する利用者の他に、カートなども含まれる。
本実施形態における利用者検出部23は、車椅子利用者Pがかご2に乗車し始める位置からかご2に乗車し終える位置までの間のいずれかの位置にいる車椅子利用者Pを検出できるように構成されている。車椅子利用者Pがかご2に乗車し始める位置とは、具体的には、かご2に乗車しようとしている車椅子利用者Pの足の先端位置又はフットサポート(プレート)の先端位置である。また、車椅子利用者Pがかご2に乗車し終える位置とは、具体的には、かご2に乗車した車椅子利用者Pの車椅子の後輪の後端位置であり、本実施形態では、乗降口の下方敷居16bの位置である。
第一検出部27は、図3に示すように、赤外線ビームを照射する第一照射部27aと、該第一照射部27aが照射する赤外線ビームからの反射光量の変化を検出する第一受光部27bとを備える。
第一照射部27aは、発光ダイオードであり、第一受光部27bは、フォトトランジスタである。第一照射部27aは、かご2の乗降口の上方フレーム16aに設置されている。第一照射部27aは、かご2の乗降口の上方フレーム16aから乗場3の床面に向かって赤外線ビームを照射する。第一照射部27aは、ドア1,4が戸開後に有効となり、赤外線ビームの照射を開始する。第一受光部27bは、赤外線ビームの反射光量の変化を検出していないときに信号を出力する(出力信号:ON)。しかし、第一受光部27bは、赤外線ビームの反射光量の変化を検出しているとき、信号を出力しない(出力信号:OFF)。
第二検出部28は、多光軸の赤外線ビームを照射する第二照射部28aと、該第二照射部28aが照射する多光軸の赤外線ビームを検出する第二受光部28bとを備える。
第二照射部28a及び第二受光部28bは、かご2の乗降口15の間口方向(幅方向)に対向して配置される。具体的には、第二照射部28aは、かご2におけるかごドア1の一対のパネルのうちの一方のパネルにおける間口方向の端面に配置されている。第二受光部28bは、かご2におけるかごドア1の一対のパネルのうちの他方のパネルにおける第二照射部28aと対向する端面に配置されている。なお、第二照射部28a及び第二受光部28bのいずれか一方は、第二照射部28a及び第二受光部28bのいずれか他方を備えたかごドア1のパネルの端面に対向するかご2の乗降口15を形成する面に配置されていてもよい。
第二照射部28aは、第二受光部28bに向かって多光軸の赤外線ビームを照射する。第二照射部28aは、ドア1,4が戸開後に有効となり、多光軸の赤外線ビームの照射を開始する。第二受光部28bは、多光軸の赤外線ビームの遮断を検出していないときに信号を出力する(出力信号:ON)。しかし、第二受光部28bは、多光軸の赤外線ビームの遮断を検出しているとき、信号を出力しない(出力信号:OFF)。
利用者識別部29は、第一検出部27の第一照射部27aが照射する赤外線ビームが遮断されて、第一受光部27bに赤外線ビームの反射光量の変化が検出された第一遮断時間を計測する第一計測部29aと、第二検出部28の第二照射部28aが照射する多光軸の赤外線ビームの遮断が検出された第二遮断時間を計測する第二計測部29bと、第一検出部27が第二検出部28よりも先に利用者を検出したときに、かご2に乗車する利用者が検出されたと識別する乗車識別部29c(図3参照)と、第二検出部28が第一検出部27よりも先に利用者を検出したときに、かご2に降車する利用者が検出されたと識別する降車識別部29d(図3参照)と、第一計測部29aが計測した第一遮断時間及び第二計測部29bが計測した第二遮断時間により利用者が一般利用者であるか、車椅子利用者Pであるかを判定する判定部29eとを備える。
乗車識別部29cは、第一検出部27の第一受光部27bからの信号が第二検出部28の第二受光部28bからの信号よりも先に検出したときに、利用者が乗車したと識別する。
降車識別部29dは、第二検出部28の第二受光部28bからの信号が第一検出部27の第一受光部27bからの信号よりも先に検出したときに、利用者が降車したと識別する。
判定部29eは、赤外線ビームが照射された第一位置P1を利用者が通過するのにかかる通過時間と、多光軸の赤外線ビームが照射された第二位置P2を利用者が通過するのにかかる通過時間を記憶している。判定部29eは、第一計測部29aが計測した第一遮断時間がこの通過時間以上であり、且つ、第二計測部29bが計測した第二遮断時間がこの通過時間以上であれば、赤外線ビームを遮断した利用者を車椅子利用者であると判定する。一方、判定部29eは、第一計測部29aが計測した第一遮断時間及び第二計測部29bが計測した第二遮断時間のいずれか一方がこの通過時間未満であれば、赤外線ビームを遮断した利用者を一般利用者と判定する。
そして、判定部29eは、乗車識別部29c及び降車識別部29dからの信号に基づいて、一般利用者の乗車であるか、一般利用者の降車であるか、車椅子利用者の乗車であるか、若しくは、車椅子利用者の降車か否かを判定する。
制御部24は、利用者検出部23からの出力信号を受信する受信部24aと、かご操作部22の行先階設定部22aから行先階として設定された行先階を取得する階床情報取得部24bと、該階床情報取得部24bから取得した行先階を記憶する行先階記憶部24cと、利用者検出部23から車椅子利用者が検出された旨の出力信号を受信したときに階床情報取得部24bから取得した行先階を、特別仕様を適用する行先階として記憶する車椅子仕様階床記憶部24dとを備える。
具体的には、制御部24は、利用者検出部23がかご2に乗車する車椅子利用者を検出したときに行先階設定部22aに設定された行先階を、車椅子仕様を適用する行先階に登録する。または、制御部24は、利用者検出部23がかご2に乗車する車椅子利用者を検出した階床で行先階設定部22aに行先階が登録されなかったときに、既に行先階として登録されている既登録の行先階を、車椅子仕様を適用する行先階に再登録する。
更に、制御部24は、利用者検出部23がかご2に乗車したすべての車椅子仕様を適用する車椅子利用者がかご2から降車したことを検出したときに、車椅子仕様を適用する行先階として登録されていたすべての行先階を、車椅子仕様を適用する行先階から取り消し、一般仕様を適用する行先階として再登録するように構成されている。
ドア制御装置26は、図1に示すように、ドア1,4が開閉するために、かご側ドア開閉装置17を制御する。ドア制御装置26は、利用者が乗場3にかご2を呼ぶための乗場側操作部19を乗場操作盤22Bに備える。
次に、かご2に乗車する利用者の検出について図面を参照しつつ説明する。図3及び図4の(a)に示すように、車椅子利用者Pが乗場3に設けられた乗場ドアの前にいる。このとき、第一検出部27及び第二検出部28の出力は、それぞれON状態にある。そして、図3及び図4の(b)に示すように、車椅子利用者Pがかご2の手前の第一位置P1を通過すると、車椅子利用者Pは、第一照射部27aが照射する赤外線ビームの第一照射領域A1を遮断して、第一受光部27bの出力がOFFに遷移する。第一受光部27bの出力がOFFに遷移するのと同時に、第一計測部29aは、第一遮断時間の計測を開始する。このとき、第二検出部28(の第二受光部28b)の出力は、ON状態のままである。
車椅子利用者Pが更にかご2側に進み、図3及び図4の(c)に示すように、第二位置P2を通過すると、車椅子利用者Pは、第二照射部28aが照射する多光軸の赤外線ビームの第二照射領域A2を遮断して、第二受光部28bの出力がOFFに遷移する。第二受光部28bの出力がOFFに遷移するのと同時に、第二計測部29bは、第二遮断時間の計測を開始する。このとき、第一検出部27の出力は、OFF状態のままである。
そして、図3及び図4の(d)に示すように、車椅子利用者Pが第一位置P1を超えて、かご2に乗り移ると、第一照射部27aが照射する赤外線ビームの遮断状態が解消されて、第一検出部27の第一受光部27bの出力がONに遷移する。第一受光部27bの出力がONに遷移するのと同時に、第一計測部29aは、第一遮断時間の計測を終了する。このとき、第二検出部28の出力は、OFF状態のままである。
そして、図3及び図4の(e)に示すように、車椅子利用者Pが第二位置P2を超えて、かご2に完全に乗車し終えると、第二照射部28aが照射する多光軸の赤外線ビームの遮断状態が解消されて、第二検出部28の第二受光部28bの出力もONに遷移する。第二受光部28bの出力がONに遷移するのと同時に、第二計測部29bは、第二遮断時間の計測を終了する。このとき、第一検出部27の出力は、ON状態のままである。
次に、本発明に係るエレベータ制御装置の動作について、図面を参照しつつ説明する。まず、かご2の利用者の行先階の登録処理について説明する。
かご2が行先階に到着すると、ドア制御装置26は、ドア1,4を開く。図5に示すように、ドア1,4の戸開後、第一検出部27及び第二検出部28が有効となり、赤外線ビームの照射が開始される。そして、第一検出部27及び第二検出部28は、利用者の有無の検出を開始する(ステップS1)。
第一検出部27及び第二検出部28が利用者を検出すると(ステップS1でYES)、利用者識別部29に信号を送信する。
利用者識別部29の第一計測部29aは、第一検出部27から受信された信号が検出されている第一遮断時間(第一検出時間)を計測する。第一計測部29aは、利用者がかご2を乗り降りするごとに第一遮断時間を計測する。つまり、第一遮断時間は、利用者ごとに計測される。
利用者識別部29の第二計測部29bにおいても第一計測部29aと同様に第二検出部28から受信された信号が検出されている第二遮断時間(第二検出時間)を計測している。
判定部29eは、第一計測部29aによって計測される利用者ごとの第一遮断時間及び第二計測部29bによって計測される利用者ごとの第二遮断時間から利用者が車椅子利用者であるか、一般利用者であるかを判定する。具体的には、判定部29eは、第一計測部29aが計測した第一遮断時間が所定時間以上か否かを判定し、第二計測部29bが計測した第二遮断時間が所定時間以上か否かを判定する。なお、第一計測部29aが計測する第一遮断時間は、図4における(a)から(b)に変わるときから、(c)から(d)に変わるときまでの時間であり、第一検出部27の出力状態がOFF状態にあるときの時間である。第二計測部29bが計測する第二遮断時間は、図4における(b)から(c)に変わるときから、(d)から(e)に変わるときまでの時間であり、第二検出部28の出力状態がOFF状態にあるときの時間である。
判定部29eは、第一遮断時間が所定時間以上になり、且つ、第二遮断時間が所定時間以上になったときに、利用者が車椅子利用者であると識別する。一方、判定部29eは、第一遮断時間及び第二遮断時間のいずれか一方が所定時間を超えなかったとき、利用者が一般利用者であると識別する。このように、判定部29eは、第一遮断時間に基づく判定結果と第二遮断時間に基づく判定結果との両方の判定結果により利用者が車椅子利用者であるか否かを判定するため、一般利用者が乗場で滞留していることにより第一遮断時間のみが所定時間以上となっても、利用者が車椅子利用者であると誤って検出するようなことはない。
乗車識別部29cは、第一検出部27から受信した信号が第二検出部28から受信した信号よりも先に検出したときに、利用者がかご2に乗車したと識別する。一方、降車識別部29dは、第二検出部28から受信した信号が第一検出部27から受信した信号よりも先に検出したとき、利用者がかご2から降車したと識別する。
そして、判定部29eは、降車識別部29dから利用者が降車した旨の信号(利用者降車信号)を受信し、利用者が車椅子利用者であると判定したとき、制御部24は、車椅子利用者が降車したと判定して(ステップS2でYES)、車椅子仕様の行先階の登録が残されているかを判定する。つまり、制御部24は、車椅子仕様階床記憶部24dに車椅子仕様としての行先階の登録が残されているかを判定する(ステップS3)。
制御部24が車椅子仕様の行先階の登録が残されていると判定したとき(ステップS3でYES)、階床情報取得部24bは、車椅子仕様の行先階として登録された残りの行先階をすべて一般仕様の行先階に変更する(ステップS4)。一方、制御部24が車椅子仕様の行先階の登録が残されていないと判定したとき(ステップS3でNO)、ドア1,4が戸閉していなければ(ステップS10でNO)、第一検出部27及び第二検出部28による利用者の有無の検出に戻る(ステップS1へ)。
また、判定部29eは、降車識別部29dから利用者が降車した旨の信号(利用者降車信号)を受信し、利用者が一般利用者であると判定したとき、制御部24は、一般利用者が降車したと判断して(ステップS2でNO、ステップS5でYES)、ドア1,4が戸閉していなければ(ステップS10でNO)、第一検出部27及び第二検出部28による利用者の有無の検出に戻る(ステップS1へ)。
また、判定部29eは、乗車識別部29cから利用者が乗車した旨の信号を受信(利用者乗車信号)し、利用者が車椅子利用者であると判定したとき、制御部24は、車椅子利用者が乗車したと判断して(ステップS2及びS5でNO、ステップS6でYES)、階床情報取得部24bは、車椅子利用者の乗車を記憶する(ステップS7)。その後、ドア1,4が戸閉していなければ(ステップS8でNO、ステップS10でNO)、第一検出部27及び第二検出部28による利用者の有無の検出に戻る(ステップS1へ)。
また、判定部29eは、乗車識別部29cから利用者が乗車した旨の信号(利用者乗車信号)を受信し、利用者が一般利用者であると判定したとき、制御部24は、一般利用者が乗車したと判断して(ステップS2,S5及びS6でNO、ステップS8でYES)、階床情報取得部24bは、一般利用者の乗車を記憶する(ステップS9)。その後、ドア1,4が戸閉していなければ(ステップS8でNO)、第一検出部27及び第二検出部28による利用者の有無の検出に戻る(ステップS1へ)。
また、利用者がかご操作部22の行先階設定部22aを操作して、行先階を設定すると、行先階設定部22aは、行先階に関する情報を階床情報取得部24bに送信する。階床情報取得部24bは、行先階設定部22aから行先階に関する情報を取得すると、ドア1,4が戸閉するまで、行先階設定部22aから行先階に関する情報を記憶して保持する。
そして、ドア1,4が戸閉する(ステップS10でYES)と、図6に示すように、階床情報取得部24bは、利用者が乗車したか否かを判定する(ステップS11)。階床情報取得部24bは、利用者が乗車したと判定したとき、乗車した利用者の組み合わせを判定する(ステップS11でYES)。なお、階床情報取得部24bは、利用者が乗車していないと判定したとき、つまり、利用者が降車のみしたと判定したとき、又は、乗車も降車もしていないと判定したとき(ステップS11でNO)、行先階の登録処理は、終了される。
階床情報取得部24bが、乗車した利用者が一般利用者のみであると判定したとき(ステップS12で「一般利用者のみ」を選択)、行先階設定部22aから行先階に関する情報が記憶されているか否かにより、行先階の新規登録があるか否かを判定する(ステップS13)。階床情報取得部24bが行先階の新規登録があると判定したとき(ステップS13でYES)、新規登録された行先階を、一般仕様を適用する行先階として行先階記憶部24cに記憶して(ステップS19)、行先階の登録処理は、終了される。なお、階床情報取得部24bが行先階の新規登録がないと判定したとき(ステップS13でNO)、そのまま、行先階の登録処理は、終了される。
また、階床情報取得部24bは、乗車した利用者が車椅子利用者のみであると判定したとき(ステップS12で「車椅子利用者のみ」を選択)、行先階設定部22aから行先階に関する情報を取得したか否かにより、行先階の新規登録があるか否かを判定する(ステップS14)。階床情報取得部24bが行先階の新規登録があると判定したとき(ステップS14でYES)、新規登録された行先階を、車椅子仕様を適用する行先階として車椅子仕様階床記憶部24dに記憶して(ステップS19)、行先階の登録処理は、終了される。
しかし、車椅子利用者の行先階が既にかご操作部22の行先階設定部22aに設定されているなどして、行先階設定部22aが操作されなかった場合(行先階が追加されなかった場合)、行先階設定部22aは、行先階に関する情報を階床情報取得部24bに送信しない。この場合、階床情報取得部24bは、行先階設定部22aから行先階に関する情報を取得できず、行先階に関する情報を記憶していないため、新規登録の行先階がないと判定し(ステップS14でNO)、既登録の行先階があるか否かを判定する(ステップS18)。階床情報取得部24bが既登録の行先階があると判定したとき(ステップS18でYES)、既登録のすべての行先階を、車椅子仕様を適用する行先階として車椅子仕様階床記憶部24dに記憶して(ステップS21)、行先階の登録処理は、終了される。なお、階床情報取得部24bが既登録の行先階がないと判定したとき(ステップS18でNO)、乗車した利用者の組み合わせの判定(ステップS12)に戻り、行先階の新規登録を待つことになる。
また、階床情報取得部24bは、乗車した利用者が一般利用者と車椅子利用者の両方であると判定したとき(ステップS12で「一般利用者と車椅子利用者」を選択)、行先階設定部22aから行先階に関する情報を取得したか否かにより、行先階の新規登録があるか否かを判定する(ステップS15)。階床情報取得部24bは、行先階の新規登録があると判定したとき(ステップS15でYES)、既登録の行先階があるか否かを判定する(ステップS16)。階床情報取得部24bが既登録の行先階があると判定したとき(ステップS16でYES)、既登録の行先階を、車椅子仕様を適用する行先階として車椅子仕様階床記憶部24dに記憶する(ステップS17)とともに、新規登録された行先階についても車椅子仕様を適用する行先階として車椅子仕様階床記憶部24dに記憶して(ステップS22)、行先階の登録処理は、終了される。なお、階床情報取得部24bが既登録の行先階がないと判定したとき(ステップS16でNO)、新規登録された行先階を、車椅子仕様を適用する行先階として車椅子仕様階床記憶部24dに記憶して(ステップS22)、行先階の登録処理は、終了される。
しかし、利用者の行先階が既にかご操作部22の行先階設定部22aに設定されているなどして、行先階設定部22aが操作されなかった場合(行先階が追加されなかった場合)、行先階設定部22aは、行先階に関する情報を階床情報取得部24bに送信しない。この場合、階床情報取得部24bは、行先階設定部22aから行先階に関する情報を取得されず、行先階に関する情報を記憶していないため、行先階の新規登録がないと判定し(ステップS15でNO)、既登録の行先階があるか否かを判定する(ステップS18)。階床情報取得部24bが既登録の行先階があると判定したとき(ステップS18でYES)、既登録のすべての行先階を、車椅子仕様を適用する行先階として車椅子仕様階床記憶部24dに記憶して(ステップS21)、行先階の登録処理は、終了される。なお、階床情報取得部24bが既登録の行先階がないと判定したとき(ステップS18でNO)、乗車した利用者の組み合わせの判定(ステップS12)に戻り、行先階の新規登録を待つことになる。
ここで、行先階の登録処理について、具体例を基に説明する。例えば、車椅子利用者のみが3階でかご2を待っている。車椅子利用者の行先階は、6階である。かご2には、既に一般利用者が乗車しており、一般仕様の行先階として4階と5階が既に登録されている。かご2が3階に到着して、車椅子利用者がかご2に乗車する。車椅子利用者の行先階である6階は、行先階として登録されていないため、車椅子利用者は、行先階設定部22aを操作して、行先階として6階を設定する。制御部24は、利用者識別部29により、車椅子利用者のみが乗車したと判定して、6階を車椅子仕様の行先階として登録する。
また、他の例を説明する。車椅子利用者のみが3階でかご2を待っている。車椅子利用者の行先階は、4階である。かご2には、既に一般利用者が乗車しており、一般仕様の行先階として4階と5階が既に登録されている。かご2が3階に到着して、車椅子利用者がかご2に乗車する。車椅子利用者の行先階である4階は、行先階として既に登録されているため、車椅子利用者は、行先階を設定しない。制御部24は、利用者識別部29により、車椅子利用者のみが乗車したと判定して、既登録の行先階である4階と5階を車椅子仕様の行先階として再登録する。
そして、かご2が4階に到着して、車椅子利用者がかご2から降車する。制御部24は、利用者識別部29により、車椅子利用者が降車したと判定して、既登録の行先階である5階を一般仕様の行先階として再登録する。
また、他の例を説明する。車椅子利用者と一般利用者が3階でかご2を待っている。車椅子利用者の行先階は、5階である。一般利用者の行先階は、6階である。かご2には、既に一般利用者が乗車しており、一般仕様の行先階として4階と5階が既に登録されている。かご2が3階に到着して、車椅子利用者と一般利用者とがかご2に乗車する。車椅子利用者の行先階である5階は、行先階として既に登録されているため、車椅子利用者は、行先階を設定しない。一般利用者の行先階である6階は、行先階として登録されていないため、一般利用者は、行先階設定部22aを操作して、行先階として6階を設定する。制御部24は、利用者識別部29により、車椅子利用者と一般利用者が乗車したと判定して、既登録の行先階である4階と5階を車椅子仕様の行先階として再登録し、更に、新規登録の6階を車椅子仕様の行先階として登録する。
そして、かご2が5階に到着して、車椅子利用者がかご2から降車する。制御部24は、利用者識別部29により、車椅子利用者が降車したと判定して、既登録の行先階である6階を一般仕様の行先階として再登録する。
このように、エレベータの利用者が共通の行先階設定部22aを操作して行先階を選択しても、車椅子仕様の適用を受ける車椅子利用者の行先階に対して車椅子仕様を適用できる。
次に、利用者が乗場操作盤22Bに設けられた乗場側操作部19を操作して、かご2を乗場3に呼び、乗場3からかご2に乗車するときについて、図3及び図7を参照しつつ説明する。かご2が乗場3に到着して、ドア制御装置26は、ドア1,4を開く。このとき、ドア1,4は、一般仕様の戸開時間(例えば、初期値として5秒間)で開かれる(ステップS31)。
そして、この戸開時間の間に、第一検出部27又は第二検出部28が利用者を検出すると、第一検出部27又は第二検出部28は、制御部24の受信部24a及び利用者識別部29に利用者検出信号を送信する。なお、ドア制御装置26は、第一検出部27のみが利用者を一定時間以上検出しているとき、利用者はかご2に乗車する意思がないと判断して、ドア1,4を戸閉する。
利用者識別部29に利用者検出信号が受信されると(ステップS32でYES)、かご制御装置25は、ドア制御装置26に戸開時間初期化信号を送信して、ドア制御装置26は、戸開時間を初期値(5秒間)に戻し、つまり、戸開時間を延長する(ステップS33)。
ドア制御装置26は、第一検出部27又は第二検出部28から受信部24aへの利用者検出信号の受信が途切れると(ステップS32でNO)、ドア1,4の戸開時間が設定された戸開時間を経過したか否かを判定する(ステップS34)。ドア制御装置26は、ドア1,4の戸開時間が設定された戸開時間を経過したと判断するまで(ステップS34でNO)、ドア1,4の戸開を継続する(ステップS35)。
そして、ドア制御装置26は、ドア1,4の戸開時間が設定された戸開時間を経過したと判断すると(ステップS34でYES)、ドア1,4の戸閉動作を開始する(ステップS36)。
このように、利用者が乗場側操作部19を操作して、かご2を乗場3に呼び、かご2に乗車する場合(利用者のいる階床が車椅子仕様を適用する行先階である場合を除く)、ドア1,4の戸開時間は、一般仕様の戸開時間に設定されている。一般的に、一般仕様の戸開時間は、約5秒間であり、車椅子仕様の戸開時間は、約10秒間であるため、一般仕様の戸開時間は、車椅子仕様の戸開時間より短い。このため、車椅子利用者がかご2に乗車する場合、車椅子利用者にとっては戸開時間が短いが、一般仕様の戸開時間の間に、車椅子利用者が第一検出部27又は第二検出部28の何れかの利用者検出部23に検出される位置P1,P2まで移動できれば、ドア制御装置26は、戸開時間が延長されるように構成されている。よって、ドア制御装置26がドア1,4を一般仕様で戸開する場合であっても、車椅子利用者がかご2に乗車する間は、ドア1,4は、戸開し続ける。従って、車椅子利用者は、ドア1,4が車椅子仕様の戸開時間で戸開するときと同様にかご2に乗車することができる。
また、車椅子利用者も利用するエレベータであるにも関わらず、ドア1,4を一般仕様の戸開時間で戸開することができるため、かご2が乗場3に到着したときに、利用者が他のエレベータのかご2に乗車するなどして不在であるときであっても、一般仕様の戸開時間でドア1,4を閉じることができる。つまり、車椅子利用者の利用に備えて、車椅子仕様の戸開時間で戸開する必要がないため、かご2に乗車する利用者が不在のときの戸開時間を短縮することができる。よって、エレベータの運用効率を上げることができる。
次に、かご2のドア1,4の開閉制御について図3及び図8を参照しつつ説明する。かご2が行先階に到着して(ステップS41)、ドア制御装置26は、ドア1,4を開く。このとき、行先階が車椅子仕様を適用する行先階の場合(ステップS42でYES)、ドア1,4は、車椅子仕様の戸開時間で開かれる(ステップS43)。一方、行先階が一般仕様を適用する行先階であり、車椅子仕様を適用する行先階ではない場合(ステップS42でNO)、ドア1,4は、一般仕様の戸開時間で開かれる(ステップS44)。
このように、利用者検出部23は、エレベータの利用者の中から車椅子仕様を適用する車椅子利用者と一般利用者とを区別して判別できる。そして、車椅子利用者の行先階は、利用者検出部23が車椅子利用者を検出した階床で車椅子利用者により若しくは車椅子利用者と共にかご2に乗り込んだ利用者により新たに登録された新規登録の行先階又は他の階床で設定されて既に登録されていた既登録の行先階のいずれかの行先階に含まれる。制御部24は、これらのすべての行先階に車椅子仕様を適用する。よって、一般利用者と車椅子利用者とが共通の行先階設定部22aを操作して行先階を選択しても、制御部24は、車椅子利用者の行先階に車椅子仕様を適用できる。そして、常に車椅子仕様を適用する場合と比べて、エレベータの運用効率の低下を抑えられる。
しかし、車椅子利用者がかご2に乗り込んだ際に既に車椅子利用者の行先階が行先階設定部22aに行先階として登録されている場合、車椅子利用者は、行先階設定部22aに行先階を設定しない。このため、利用者検出部23が車椅子利用者を検出した階床で行先階設定部22aに行先階が設定されなかったときは、既に行先階として設定されている既登録の行先階に車椅子仕様を適用する。よって、一般利用者と車椅子利用者とが共通の行先階設定部22aを操作しない場合においても、制御部24は、車椅子利用者の行先階に車椅子仕様を適用できる。そして、常に車椅子仕様を適用する場合と比べて、エレベータの運用効率の低下を抑えられる。
また、制御部24は、車椅子利用者の行先階である可能性のあるすべての行先階に車椅子仕様を適用するため、車椅子利用者の行先階以外の行先階にも車椅子仕様が適用されている。しかしながら、利用者検出部23は、かご2に乗車したすべての車椅子利用者がかご2から降りたことを検出できるため、すべての車椅子利用者がかご2から降りた後、制御部24は、車椅子仕様を適用する行先階として登録されたすべての行先階を取り消す。よって、エレベータは、一般用のエレベータとして運用できるようになる。従って、車椅子利用者に車椅子仕様を確実に提供しつつ、エレベータの運用効率の低下を抑えることができる。
また、利用者識別部29は、少なくとも第一検出部27及び第二検出部28のいずれかの検出部が利用者を検出した遮断時間(検出時間)から、利用者が検出部の検出位置を通過するのに要する時間を検出する。そして、利用者識別部29は、遮断時間が所定時間以上であれば、利用者が検出位置を通過するのに時間のかかる適用者であると識別できる。一方、利用者識別部29は、遮断時間が所定時間未満であれば、利用者が検出位置を通過するのに時間のかからない一般利用者であると識別できる。
また、第一検出部27及び第二検出部28がかご2に乗車する利用者又は降車する利用者の通路上の第一位置P1及び第二位置P2を通過する利用者を検出することができる。そして、乗車識別部29cは、第一検出部27及び第二検出部28が利用者を検出する順序を検出することにより、利用者がかご2の外側から内側に向かっているか否かを識別することができる。つまり、乗場側の第一位置P1にいる利用者を検出する第一検出部27が第二検出部28より先に利用者を検出すると、利用者は、乗場3側の第一位置P1からかご2側の第二位置P2に向かっていることが判断できる。よって、利用者の進行方向が特定でき、乗車識別部29cは、かご2に乗車する利用者を検出することができる。
また、降車識別部29dは、第一検出部27及び第二検出部28が利用者を検出する順序を検出することにより、利用者がかご2の内側から外側に向かっているか否かを識別することができる。つまり、かご2側の第二位置P2にいる利用者を検出する第二検出部28が第一検出部27より先に利用者を検出すると、利用者は、かご2側の第二位置P2から乗場3側の第一位置P1に向かっていることが判断できる。よって、利用者の進行方向が特定でき、降車識別部29dは、かご2に降車する利用者を検出することができる。
よって、本実施形態に係るエレベータ制御装置21によれば、エレベータの利用者が共通の行先階設定部22aを操作して行先階を選択しても、車椅子仕様の適用を受ける車椅子利用者の行先階に対して車椅子仕様を適用できるとともに、エレベータの運用効率が低下しにくい。
なお、本発明に係るエレベータ制御装置は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係るエレベータ制御装置は、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明に係るエレベータ制御装置は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、車椅子利用者の特性に応じてドア1,4の戸開時間が長い車椅子利用者仕様を有するエレベータのエレベータ制御装置21を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、高齢者、子供などのエレベータの利用者の特性に応じてドア1,4を開閉する特別仕様を有していてもよい。
上記の実施形態では、車椅子利用者がかご2を降車するのに適した戸開時間でドア1,4を開閉する特別仕様を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、利用者ごとに設定された戸開時間でドア1,4を開く特別仕様であってもよい。また、エレベータ制御装置は、適用者がかご2に乗車するのにかかる時間を計測する計測手段を備え、かご2に乗車するときにかかった時間を戸開時間として、ドア1,4を開く特別仕様であってもよい。
上記の実施形態では、かご2の入口と出口とが同じであるエレベータを例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明に係るエレベータ制御装置は、かご2の入口と出口とが異なるエレベータに適用されてもよい。
上記の実施形態では、かご操作盤22Aは、かご2内に一つ設ける例を説明したが、これに限定されるものではない。つまり、かご操作盤22Aは、かご2の内部に複数設けられていてもよい。そして、これらの複数のかご操作盤22Aは、互いに同じ機能を有するものであってもよい。
上記の実施形態では、行先階設定部22aは、押しボタンスイッチである例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、行先階設定部22aは、タッチパネル上に表示されたアイコンにタッチして行先階を選択するものであってもよい。また、行先階設定部22aは、利用者の音声を認識して、行先階を選択するものであってもよい。
上記の実施形態では、行先階設定部22aは、かご制御装置25のかご操作部22に設けられる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、行先階設定部22aは、乗場操作盤22Bに設けられていてもよい。
上記の実施形態では、適用者検出部としての利用者検出部23は、車椅子利用者を検出するものである例を説明したが、これに限定されるものではない。つまり、適用者検出部は、特別仕様を適用する適用者を検出できるものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、適用者が子供のとき、適用者検出部は、かごに乗車する利用者の背丈を認識可能な認識部と、該認識部が認識した利用者の背丈から利用者が子供か否かを識別する識別部とを備えるものであってもよい。または、適用者検出部は、かごに乗車する利用者の顔を認識可能な認識部と、該認識部が認識した利用者の顔年齢から利用者が子供又は高齢者か否かを識別する識別部とを備えるものであってもよい。更に、適用者検出部は、かごに乗車する利用者の姿を撮像可能な撮像部と、該撮像部が撮像した利用者の姿の特徴部分から利用者が子供又は高齢者であるか否かを識別する識別部とを備えるものであってもよい。
上記の実施形態では、適用者検出部としての利用者検出部23は、車椅子利用者がかご2に乗り込んだことを検出するために、第一検出部27と第二検出部28とを備える例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、適用者検出部は、適用者と該適用者の進行方向とが検出できる画像処理装置であってもよい。
上記の実施形態では、判定部29eは、第一計測部29aが計測する第一遮断時間及び第二計測部29bが計測する第二遮断時間が所定の通過時間以上であれば、利用者が車椅子利用者であると判定する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第一計測部が計測する第一遮断時間又は第二計測部が計測する第二遮断時間のいずれか一方が所定の通過時間以上であれば、利用者が車椅子利用者であると判定してもよい。