JP6359323B2 - リチウムイオン二次電池正極用の表面修飾リチウム含有複合酸化物 - Google Patents
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Description
しかしながら、リチウムコバルト複合酸化物のコバルト源となる原料化合物が希少であり、また高価であるという問題がある。
また、LiCoO2を正極活物質として用いた非水系二次電池の場合、放電容量、加熱時の熱に対する安定性(以下、単に安全性ともいう)及び正極電極層の単位体積あたりにおける容量密度(以下、単に体積容量密度ともいう)などの更なる向上が望まれるとともに、特に、高い充電電圧では、充放電サイクルを繰り返し行うことにより、正極活物質界面と電解液との反応による、電池放電容量の減少や膨化などの充放電サイクル耐久性などの問題があった。
しかし、これら2種類以上の遷移金属元素を含む正極活物質でも、放電容量、充放電を繰り返すことによる放電容量の減少に係る充放電サイクル耐久性、短時間で放電できる電気容量に係るレート特性、及び充電後の加熱時における安全性といった各特性を全て満足するものは得られていない。特に、高い充電電圧で使用する際の各特性は不十分である。
また、リチウムコバルト複合酸化物中のCoの一部をMgとAlで置換することで、高い充電電圧での充放電サイクル耐久性、安全性を向上させることが提案されている(特許文献2、3)。
例えば、特許文献1には、具体的にLiCo0.95Mg0.05O2、LiCo0.90Mg0.05Ni0.05O2、LiCo0.85Mg0.05Ni0.10O2、LiCo0.85Mg0.05Al0.10O2などの組成が記載されている。Coの一部をMgで置換することにより、結晶構造を安定化させて充放電サイクル耐久性を向上させ、さらにNiまたはAlで置換することにより、安全性を向上させることが記載されている。このように、Coの一部をMgのみ、またはMgとNi、MgとAlで置換した場合、高い充電電圧での放電容量や充放電サイクル耐久性などの電池特性が不十分であった。
[1]一般式(1)で表わされるリチウム含有複合酸化物の表面が、グループS1およびグループS2の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む表面修飾化合物で修飾されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極用の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
Li1+x(Co(1−a−b−m)NiaAlbMm)1−xO2−(f/2)Ff (1)
(ただし、グループS1はAl、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、Mo、Ta、W、及び希土類からなる群であり、グループS2はF、P、及びSからなる群である。Mは、Co及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Ga、Bi、第2族の元素、並びに希土類からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、−0.05≦x≦0.05、0<a≦0.25、0<b≦0.05、0≦m≦0.04、0≦f≦0.05である。)
[2]MがCo及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Y、La、Ce、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である上記[1]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[3]グループS1がAl、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、W、Y、La、及びGdからなる群である、上記[1]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[4]一般式(1)において、f=0であり、MがCo及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Zn、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、グループS1がAl、Zr、Ti、及びMgからなる群であり、表面修飾化合物はグループS1から選ばれる少なくとも1種の元素を含む上記[1]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[6]0.005≦b+m≦0.07である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[7]0<m≦0.04である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[8]Mが、Mg、Ca、Sr、Ti、Zr、Nb、W、Ge、Sn、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
Li1+x(Co(1−a−b−m)NiaAlbMgcZrdTie)1−xO2 (2)
(ただし、−0.05≦x≦0.05、0<a≦0.25、0<b≦0.05、0<m≦0.04、0≦c≦0.02、0≦d≦0.02、0≦e≦0.02、m=c+d+eである。)
[10]0<c≦0.02、0<d+e≦0.04である上記[9]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[11]0<c≦0.02、d=e=0である上記[9]に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[13]前記表面修飾化合物に含まれるグループS1の元素の合計のモル数の、前記リチウム含有複合酸化物のモル数に対する比((グループS1の元素の合計のモル数)/リチウム含有複合酸化物のモル数)が0.0001〜0.03である上記[1]〜[12]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[14]前記表面修飾化合物が、グループS1から選ばれる少なくとも1種の元素と、グループS2から選ばれる少なくとも1種の元素とを含み、さらに、グループS2の元素の合計のモル数の、前記リチウム含有複合酸化物のモル数に対する比((グループS2の合計のモル数)/リチウム含有複合酸化物のモル数)が0.0001〜0.03である上記[1]〜[13]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[15]前記表面修飾化合物が、Zr(CO3)2、ZrOCO3、ZrO2、Li3PO4、LiF、Li2SO4、Al2O3、AlPO4、TiO2、LiTiO2、及びMgOからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]〜[14]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[17]前記表面修飾化合物が、TiO2及び/又はLiTiO2である上記[1]〜[14]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[18]前記表面修飾化合物が、Al2O3及び/又はAlPO4である上記[1]〜[14]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[19]前記表面修飾化合物が、ZnO、Nb2O5、WO3、Y2O3、La2O3、Gd2O3、及びGd2Zr2O7からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[1]〜[14]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[20]Li+/Li基準で、4.6Vから2.75Vまで、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たり40mAの電流密度で放電したときの、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たりの容量が185mAh/g以上である上記[1]〜[19]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[22]Li+/Li基準で、4.6Vから2.75Vまで、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たり100mAの電流密度で50回放電したときの、表面修飾リチウム含有複合酸化物質1g当たりの容量が、1回目の75%以上である上記[1]〜[21]のいずれかに記載の表面修飾リチウム複合酸化物。
[23]平均粒径が5〜25μm、比表面積が0.5m2/g以下である上記[1]〜[22]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[24]Cu−Kα線を使用したX線回折において2θが65±0.5°の(110)面の回折ピークの半値幅が0.15°以下である上記[1]〜[23]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
[26]上記[1]〜[25]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物を含有するリチウムイオン二次電池用正極。
[27]平均粒径の異なる2種類以上の上記[1]〜[25]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物の混合物を含有するリチウム二次電池用正極。
[28]上記[1]〜[25]のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有酸化物と、該表面修飾リチウム含有酸化物と異なるリチウム含有複合酸化物(I)との混合物を含有するリチウムイオン二次電池用正極。
[30]正極密度が3.5g/cm3以上である上記[26]〜[29]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極。
[31]上記[26]〜[30]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極、負極、セパレータ、及び電解液を含有するリチウムイオン二次電池。
[32]正極の充電電位がLi+/Li基準で4.5V以上である上記[31]に記載のリチウムイオン二次電池。
[34]セパレータが、不織布又は樹脂製の多孔質膜の少なくとも1種である上記[31]〜[33]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
[35]セパレータが、融点の異なる多孔質層の積層体である上記[31]〜[33]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
[36]セパレータが、耐熱性の無機微粒子を含有する上記[31]〜[33]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
[37]電解液が、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する上記[31]〜[36]のいずれかのいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
[38]電解液が、添加物として、VC、シクロヘキシルベンゼン、フルオロベンゼン、リン酸エステル類化合物、4−フルオロエチレンカーボネート、プロパンスルトン、スクシノニトリル、及びエチレンサルファイトからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する上記[31]〜[37]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
グループS1、グループS2、一般式(1)中のM、x、a、b、m、及びfは上記した通りである。
一般式(1)において、Niの量であるaの範囲は、0<a≦0.25である。
Niの量が多いほどサイクル耐久性が向上するため、aの下限は、0.02が好ましく、0.05がより好ましく、0.07がさらに好ましい。
一方、Niの量が多いと、放電電圧、熱的安全性が低下する。また、遊離アルカリ量が増加するため、電極を作製する際のスラリーの安定性が低下する。そのため、aの上限は、0.20が好ましく、0.17がより好ましく、0.15がさらに好ましく、0.13が特に好ましい。上記範囲であると、サイクル耐久性に優れ、放電電圧、熱的安全性も高く、電極作製時のスラリーが安定である。
Alの量が多いほど構造が安定化し、サイクル耐久性が向上するため、bの下限は、0.002が好ましく、0.005がより好ましく、0.007がさらに好ましい。一方、Alは充放電に寄与しないため、Alの量が多いと放電容量が低下する。そのため、bの上限としては、0.03が好ましく、0.02がより好ましく、0.015がさらに好ましい。上記範囲であると、サイクル耐久性と放電容量のバランスがよい。
リチウム含有複合酸化物がフッ素を含む場合、発熱開始温度が向上して、安全性がさらに向上する傾向が見られる。そのため、安全性を重視する場合、fは、0<f≦0.05が好ましく、0.0005≦f≦0.03がより好ましく、0.001≦f≦0.01が特に好ましい。一方、f=0の場合、すなわちリチウム含有複合酸化物がフッ素を含まない場合、放電容量が高くなる傾向がある。そのため、容量を重視する時はf=0が好ましい。
NiはCoとイオン半径も近く、相溶性がよいため、LiCoO2結晶内に均一に固溶することができる。そのため、Niを置換することで構造を安定化し、サイクル耐久性を向上させるものと考えられる。さらに、Ni自身も酸化還元し、充放電に寄与するため、放電容量を減少させずに置換量を増やすことができる。
また、AlとNiは相溶性がよいため、Niが存在することでAlが結晶内により均一に固溶することができると考えられる。
さらに、NiとAlを置換したLiCoO2を、異なる化合物で表面修飾することによって、電解液との接触面積を減らし、電解液の分解による正極活物質の表面変質や、金属イオンの溶出等を抑制し、サイクル耐久性を向上させることができ、ガス発生も抑制できると考えられる。
サイクル耐久性を重視する場合は、表面修飾化合物はグループS1から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいると好ましい。グループS1の元素は、Al、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、W、Y、La、及びGdであると好ましく、Al、Zr、Ti、及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であるとより好ましく、Al及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であるとさらに好ましく、Zrであると特に好ましい。
安全性や膨化抑制を重視する場合は、表面修飾化合物はグループS2からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいると好ましい。中でもF及び/またはPを含んでいるとより好ましく、Pを含んでいると更に好ましい。
F、P、及びSを含む表面修飾化合物の状態は特に限定されないが、酸化物、リチウム塩、グループS1の元素との化合物であると好ましく、リチウム塩またはグループS1の元素との化合物であるとより好ましい。
上記表面修飾化合物としては、例えば、Al(OH)3、Al2O3、LiAlO2、AlPO4、AlF3、Al2(SO4)3、Zr(OH)4、ZrO2、Zr(CO3)2、ZrOCO3、Li2ZrO3、Zr3(PO4)4、ZrF4、Li2ZrF6、Zr(SO4)2、Ti(OH)4、TiO2、LiTiO2、Li2TiF6、Mg(OH)2、MgO、Li3PO4、LiF、Li2SO4、ZnO、Nb2O5、WO3、Y2O3、La2O3、Li0.35La0.55TiO3、Gd2O3、Gd2Zr2O7、又はそれぞれの混合物が挙げられる。
なかでも、表面修飾化合物としては、Zr(CO3)2、ZrOCO3、及びZrO2からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがより好ましい。
さらに、表面修飾化合物としては、Zr(CO3)2及び/又はZrOCO3であるのが特に好ましい。
表面修飾化合物としては、MgOであるのがより好ましい。
表面修飾化合物としては、Li3PO4、LiF、及びLi2SO4からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがより好ましい。
表面修飾化合物としては、ZnO、Nb2O5、WO3、Y2O3、La2O3、Gd2O3、及びGd2Zr2O7からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがより好ましい。
表面修飾リチウム含有複合酸化物について、Cu−Kα線を使用したX線回折において、2θが65±0.5°の(110)面の回折ピークの半値幅は、0.15°以下であると好ましい。下限は、0.05であると好ましい。(110)面の半値幅は結晶成長の度合いを表し、小さいほど結晶成長が進んでいることを示す。結晶の成長度合いは、平均粒径や比表面積に影響を及ぼすため、上記範囲であるとバランスがよい。
また、表面修飾リチウム含有複合酸化物は、小さい1次粒子が多数凝集した2次粒子タイプ、やや大きい1次粒子が数個から10個程度集まった1次粒子タイプ、1次粒子が成長した単粒子タイプのいずれでもよいが、上記した電解液との接触等の観点から1次粒子タイプまたは単粒子タイプが好ましい。
本発明の表面修飾リチウム含有複合酸化物を使用した電池は、正極の電位がLi+/Li基準で4.6Vから2.75Vまで、表面修飾リチウム含有複合酸化物1g当たり40mAの電流密度で放電したときの初回放電容量は、185mAh/g以上であることが好ましく、190mAh/g以上であるより好ましい。また、初回放電時の放電平均電圧は、Li+/Li基準で4.00V以上であることが好ましく、4.02V以上であるとより好ましく、4.05V以上であるとさらに好ましい。
Co、Ni、Al、及びMを含む化合物(本明細書において、単に原料と言うことがある)とLiを含む化合物(本明細書において、単にLi原料と言うことがある)と必要に応じてFを含む化合物を混合し、焼成、解砕、分級することで母材であるリチウム含有複合酸化物を得る。
得られたリチウム含有複合酸化物に表面修飾する元素を固体または液体の状態で混合し、熱処理することで表面修飾リチウム含有複合酸化物を得ることができる。
Ni、Al、及びM元素は、それぞれの単独の化合物でもよいし、コバルトとともに共沈させた共沈複合化合物でも良い。
共沈複合化合物の場合は、共沈水酸化物、共沈オキシ水酸化物、共沈酸化物、または共沈炭酸塩が好ましく、中でも共沈オキシ水酸化物または共沈酸化物がより好ましい。
フッ素化合物としては、特に限定されないが、フッ化リチウム、AlまたはM元素のフッ化物を使用することが好ましく、フッ化リチウムがより好ましい。
上記したCo原料、Ni原料、Al原料、M元素原料、Li原料、及びF原料を各元素が所望の原子比となるように混合した後、焼成、解砕、及び分級することでリチウム含有複合酸化物を得る。焼成温度は800〜1100℃が好ましく、なかでも900〜1080℃がより好ましく、950〜1050℃がさらに好ましい。焼成前に仮焼する場合は、仮焼温度は、300〜600℃が好ましく、なかでも350〜600℃がより好ましく、400〜550℃がさらに好ましい。また、仮焼及び焼成の雰囲気は、酸素含有雰囲気下で処理されることが好ましく、大気中で処理されることがより好ましい。
表面修飾に使用するSの化合物としては、特に限定されないが、金属硫酸塩、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウムなどが使用できる。中でも、金属硫酸塩または硫酸アンモニウムが好ましい。
本発明でリチウムイオン二次電池用の正極を製造する場合に用いる表面修飾リチウム含有複合酸化物は、平均粒径の異なる2種類以上の活物質の混合物であると好ましい。平均粒径の異なる2種類以上の活物質を混合することで、正極の充填密度が高くなり、電池の単位体積あたりの容量を高くすることができ、高容量な電池を提供できる。
上記のように、2種類以上の活物質を混合する場合には、本発明の表面修飾リチウム含有複合酸化物のみを混合使用してもよく、また、他のリチウム含有複合酸化物(I)を混合して使用することもできる。他のリチウム含有複合酸化物(I)を混合することで、それぞれの特性を補完しあい、特性のバランスを取れた電池を提供できる。
正極の密度は、3.5g/cm3以上であると好ましく、3.6g/cm3以上であるとより好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池において、セパレータとしては、その材質や形状は特に限定されず、絶縁性があり、イオン透過性が高く、電気抵抗が低く、保液性が高いものが好ましい。
本発明では、電池の有する電解液、及び電解質に対して安定であり、かつ、電気化学的に安定な材料で構成された不織布、樹脂製の多孔質膜、またはそれらの両方を用いることができる。中でも、安全性の観点から、融点が80℃〜150℃の不織布や多孔質膜を用いることが好ましい。さらに、融点が異なる多孔質膜を積層して使用することもできる。
また、本発明の電池において、耐熱性の無機微粒子を含有しているセパレータを使用することもできる。耐熱性の無機微粒子を含有することで、電池内で発熱が起こったときの安全性がより高くなる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池には、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水電解液又は固体電解質が用いられる。
炭素材料としては、種々の熱分解条件で有機物を熱分解したものや人造黒鉛、天然黒鉛、土壌黒鉛、膨張黒鉛、鱗片状黒鉛などが使用できる。また、リチウムチタン含有酸化物としては、特にスピネル構造を有するものが好ましい。またリチウムと合金化可能な金属としては、Si、Pb、Sn、Al、Ag、Geなどが挙げられる。。
負極集電体としては、銅箔、ニッケル箔などが用いられる。かかる負極は、上記活物質を有機溶媒と混練してスラリーとし、該スラリーを金属箔集電体に塗布、乾燥、及びプレスして得ることにより好ましくは製造される。
炭酸リチウム粉末、オキシ水酸化コバルト粉末、塩基性炭酸ニッケル粉末、水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、及び酸化ジルコニウム粉末を、Li:Co:Ni:Al:Mg:Zrがモル比で0.98:0.949:0.03:0.01:0.01:0.001となるように混合し、混合粉末を大気雰囲気中1010℃で14時間焼成し、リチウム含有複合酸化物を得た。得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.949Ni0.03Al0.01Mg0.01Zr0.001)1.01O2であった。以下、本明細書中では、表面修飾前のリチウム含有複合酸化物を、母材ということもある。
得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウム(NH4)2[Zr(CO3)2(OH)2]を水で希釈したZr含量2.4重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中400℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrを検出した。また、加熱時の発生ガスをTPD-MSで測定し母材と比較したところ、CO2の発生が確認され、NH3及びNOxは発生しなかった。このことから、表面修飾化合物は、Zr(CO3)2、ZrOCO3、又はZr(CO3)2とZrOCO3の混合物のいずれかであると推測される。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の平均粒径D50は13.9μm、比表面積は0.23m2/g、(110)半値幅は0.09°、遊離アルカリ量は0.23mol%であった。
次に、前記の正極体シートを正極に用い、厚さ500μmの金属リチウム箔を負極に用い、負極集電体にはSUS板を使用し、セパレータには厚さ25μmの多孔質ポリプロピレンを用い、さらに電解液には、濃度1MのLiPF6/EC+DEC(1:1)溶液(LiPF6を溶質とするECとDECとの体積比(1:1)の混合溶液を意味する。)を用いてステンレス製簡易密閉セル型リチウム電池をアルゴングローブボックス内で組み立てた。
この電池について、充電を正極活物質1gにつき200mAの電流値でCCCVモード3時間、放電を正極活物質1gにつき100mAの電流値とした以外は初回と同じ条件で充放電サイクルを50回行った。50回充放電後の容量維持率は78.8%であった。
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.899:0.08:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.899Ni0.08Al0.01Mg0.01Zr0.001)1.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を1.02:0.899:0.08:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.01(Co0.899Ni0.08Al0.01Mg0.01Zr0.001)0.99O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.849:0.13:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.849Ni0.13Al0.01Mg0.01Zr0.001)1.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.799:0.18:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.799Ni0.18Al0.01Mg0.01Zr0.001)1.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.749:0.23:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.749Ni0.23Al0.01Mg0.01Zr0.001)1.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を1.03:0.90:0.07:0.01:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物混合粉末中を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.015(Co0.90Ni0.07Al0.01Mg0.01Zr0.01)0.985O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mgのモル比を0.97:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.985(Co0.90Ni0.08Al0.01Mg0.01)1.015O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mgのモル比を0.97:0.88:0.08:0.03:0.01とした以外は、実施例8と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.985(Co0.88Ni0.08Al0.03Mg0.01)1.015O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
水酸化マグネシウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Zrのモル比を1.03:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.015(Co0.90Ni0.08Al0.01Zr0.01)0.985O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化チタンの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Tiのモル比を1.03:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.015(Co0.90Ni0.08Al0.01Ti0.01)0.985O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウムを水で希釈したZr含量2.4重量%の表面修飾溶液4gと、リン酸二水素アンモニウムを水に溶解したP含量3.2重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、P表面修飾量は母材に対して0.4mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrとPを検出した。また、モデル的にZrとPの表面修飾量を10倍にした表面修飾リチウム含有複合酸化物の粉末X線回折スペクトルを測定したところ、ZrO2とLi3PO4のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はZrO2とLi3PO4の混合物であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、六フッ化ジルコニウム酸アンモニウムを水で希釈したZr含量2.4重量%、F含量3.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、F表面修飾量は母材に対して0.6mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50は15.2μm、比表面積は0.19m2/g、(110)半値幅は0.10°、遊離アルカリ量は0.23mol%であった。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウムと硫酸アンモニウムを水に溶解したZr含量2.4重量%、S含量3.3重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、S表面修飾量は母材に対して0.4mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にZrとSを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、ZrO2とLi2SO4のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はZrO2とLi2SO4の混合物であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、塩基性乳酸アルミニウムを水で希釈したAl含量0.7重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Al表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子内部より粒子表面にAlを多く検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Al2O3のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾物質はAl2O3であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、塩基性乳酸アルミニウムとリン酸二水素アンモニウムを水に溶解したAl含量0.7重量%、P0.8重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Al表面修飾量は母材に対して0.1mol%、P表面修飾量は0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面に粒子内部より多くのAlとPを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、AlPO4のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はAlPO4であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、乳酸チタンを水で希釈したTi含量1.2重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Ti表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にTiを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、TiO2とLiTiO2のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はTiO2とLiTiO2の混合物であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、水酸化マグネシウムを水に溶解したMg含量0.6重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Mg表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子内部より粒子表面にMgを多く検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、MgOのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はMgOであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、フッ化アンモニウムを水に溶解したF含量3.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。F表面修飾量は母材に対して0.6mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にFを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、LiFのピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はLiFであると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、リン酸二水素アンモニウムを水に溶解したP含量3.2重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。P表面修飾量は母材に対して0.4mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中600℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にPを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Li3PO4のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はLi3PO4であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、酢酸亜鉛を水に溶解したZn含量1.7重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zn表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gを、酸化ニオブとクエン酸を水に溶解したNb含量0.2重量%の表面修飾溶液40gに浸漬させ、混合したのち乾燥して表面修飾前駆体原料を得た。Nb表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にNbを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Nb2O5のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はNb2O5であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、メタタングステン酸アンモニウムを水に溶解したW含量4.7重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。W表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、酢酸イットリウムを水に溶解したY含量2.3重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Y表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にYを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Y2O3のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はY2O3であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、酢酸ランタンを水に溶解したLa含量3.6重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。La表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にLaを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、La2O3のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はLa2O3であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに、酢酸ガドリニウムを水に溶解したGd含量4.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Gd表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にGdを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Gd2O3のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はGd2O3であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物100gに対し、炭酸アンモニウムジルコニウムを水で希釈したZr含量2.4重量%の表面修飾溶液4gと、酢酸ガドリニウムを水に溶解したGd含量4.0重量%の表面修飾溶液4gを噴霧し混合して表面修飾前駆体原料を得た。Zr表面修飾量は母材に対して0.1mol%、Gd表面修飾量は母材に対して0.1mol%とした。この表面修飾前駆体原料を大気雰囲気中500℃で12時間熱処理し、表面修飾リチウム含有複合酸化物粉末を得た。
得られた表面修飾リチウム含有複合酸化物の断面をEDXで分析した結果、粒子表面にGdとZrを検出した。また、実施例12と同様にモデル的に粉末X線回折スペクトルを測定した結果、Gd2Zr2O7のピークを検出した。このことから、本実施例の表面修飾化合物はGd2Zr2O7であると推測される。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化スズの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Snのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Sn0.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ゲルマニウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Geのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Ge0.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ホウ素の粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Bのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01B0.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末の代わりにリン酸二水素アンモニウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Pのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01P0.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化亜鉛の粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Znのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Zn0.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化イットリウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Yのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Y0.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ランタンの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Laのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01La0.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末の代わりに酸化ニオブの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Nbのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Nb0.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
炭酸リチウム粉末、オキシ水酸化コバルト粉末、塩基性炭酸ニッケル粉末、水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、及びフッ化リチウムの粉末を用い、混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Fのモル比を1.00:0.90:0.08:0.01:0.01:0.01とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。Liは、炭酸リチウムとフッ化リチウムの合計とした。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.08Al0.01Mg0.01O1.995F0.01であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
オキシ水酸化コバルト粉末と塩基性炭酸ニッケル粉末の代わりに、Co:Niのモル比が92:8の共沈オキシ水酸化物を用い、混合粉末中のLi:(Co+Ni):Al:Mg:Zrのモル比を1.02:0.979:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例2と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li1.01(Co0.901Ni0.078Al0.01Mg0.01Zr0.001)0.99O2であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:(Co+Ni):Al:Mgのモル比を1.02:0.98:0.01:0.01とした以外は、実施例37と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li1.01(Co0.902Ni0.078Al0.01Mg0.01)0.99O2であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
酸化マグネシウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:(Co+Ni):Al:Zrのモル比を1.03:0.98:0.01:0.01とした以外は、実施例37と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li1.015(Co0.902Ni0.078Al0.01Zr0.01)0.985O2であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
オキシ水酸化コバルト粉末、塩基性炭酸ニッケル粉末、水酸化アルミニウム粉末および水酸化マグネシウム粉末の代わりに、Co:Ni:Al:Mgのモル比が90:8:1:1の共沈オキシ水酸化物を用い、混合粉末中のLi:(Co+Ni+Al+Mg)のモル比を1.02:1.00とした以外は、実施例8と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成は、Li1.01(Co0.90Ni0.08Al0.01Mg0.01)0.99O2であった
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
塩基性炭酸ニッケル粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Al:Mg:Zrのモル比を1.02:0.979:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.01(Co0.979Al0.01Mg0.01Zr0.001)0.99O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mg:Zrのモル比を0.98:0.699:0.28:0.01:0.01:0.001とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.99(Co0.699Ni0.28Al0.01Mg0.01Zr0.001)1.01O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
水酸化アルミニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Mg:Zrのモル比を1.03:0.90:0.07:0.015:0.015とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.015(Co0.90Ni0.07Mg0.015Zr0.015)0.985O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Mgのモル比を0.97:0.86:0.08:0.01:0.05とした以外は、実施例8と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi0.985(Co0.86Ni0.08Al0.01Mg0.05)1.015O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
混合粉末中のLi:Co:Ni:Al:Zrのモル比を1.03:0.86:0.08:0.01:0.05とした以外は、実施例10と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.015(Co0.86Ni0.08Al0.01Zr0.05)0.985O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積、(110)半値幅および遊離アルカリ量の測定と電池性能評価を行った。
水酸化アルミニウム粉末および酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Ni:Mgのモル比を1.00:0.90:0.05:0.05とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.90Ni0.05Mg0.05O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積の測定と電池性能評価を行った。
塩基性炭酸ニッケル粉末および酸化ジルコニウム粉末を混合せず、混合粉末中のLi:Co:Al:Mgのモル比を1.00:0.85:0.10:0.05とした以外は、実施例1と同様にして、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物の組成はLi1.00Co0.85Al0.10Mg0.05O2であった。
このリチウム含有複合酸化物を母材とし、実施例1と同様に表面修飾を行い、表面修飾リチウム含有複合酸化物を得た。
実施例1と同様に、得られた表面修飾リチウム複合酸化物の平均粒径D50、比表面積の測定と電池性能評価を行った。
実施例2で得られたリチウム含有複合酸化物において、表面修飾を行わず、母材をそのまま正極活物質として実施例1と同様の方法で、電池性能評価を行った。
Claims (28)
- 一般式(1)で表わされるリチウム含有複合酸化物の表面が、グループS1およびグループS2の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む表面修飾化合物で修飾されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池正極用の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
Li1+x(Co(1−a−b−m)NiaAlbMm)1−xO2−(f/2)Ff ・・・(1)
(ただし、グループS1はAl、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、Mo、Ta、W、及び希土類からなる群であり、グループS2はF、P、及びSからなる群である。Mは、Co及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Ga、Bi、第2族の元素、並びに希土類からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、−0.05≦x≦0.05、0<a≦0.25、0<b≦0.05、0<m≦0.04、0≦f≦0.05である。) - MがCo及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Na、K、B、C、Si、P、S、Zn、Y、La、Ce、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である請求項1に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- グループS1がAl、Zr、Ti、Mg、Zn、Nb、W、Y、La、及びGdからなる群である、請求項1に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- 一般式(1)において、f=0であり、MがCo及びNi以外の遷移金属、Sn、Ge、Zn、並びに第2族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、グループS1がAl、Zr、Ti、及びMgからなる群であり、表面修飾化合物はグループS1から選ばれる少なくとも1種の元素を含む請求項1に記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- 0.05≦a+b+m≦0.30である請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- 0.005≦b+m≦0.07である請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- Mが、Mg、Ca、Sr、Ti、Zr、Nb、W、Ge、Sn、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- Mが、Mg、Ti、及びZrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、前記リチウム含有複合酸化物が、一般式(2)で表わされる請求項1〜4のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
Li1+x(Co(1−a−b−m)NiaAlbMgcZrdTie)1−xO2 ・・・(2)
(ただし、−0.05≦x≦0.05、0<a≦0.25、0<b≦0.05、0<m≦0.04、0≦c≦0.02、0≦d≦0.02、0≦e≦0.02、m=c+d+eである。) - 前記表面修飾化合物に含まれるグループS1の元素の合計のモル数の、前記リチウム含有複合酸化物のモル数に対する比((グループS1の元素の合計のモル数)/リチウム含有複合酸化物のモル数)が0.0001〜0.03である請求項1〜8のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- 前記表面修飾化合物が、グループS1から選ばれる少なくとも1種の元素と、グループS2から選ばれる少なくとも1種の元素とを含み、さらに、グループS2の元素の合計のモル数の、前記リチウム含有複合酸化物のモル数に対する比((グループS2の合計のモル数)/リチウム含有複合酸化物のモル数)が0.0001〜0.03である請求項1〜9のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- 前記表面修飾化合物が、Zr(CO3)2、ZrOCO3、ZrO2、Li3PO4、LiF、Li2SO4、Al2O3、AlPO4、TiO2、LiTiO2、及びMgOからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜10のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- 前記表面修飾化合物が、ZnO、Nb2O5、WO3、Y2O3、La2O3、Gd2O3、及びGd2Zr2O7からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜11のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- 平均粒径が5〜25μm、比表面積が0.5m2/g以下である請求項1〜12のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- Cu−Kα線を使用したX線回折において2θが65±0.5°の(110)面の回折ピークの半値幅が0.15°以下である請求項1〜13のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- 遊離アルカリ量が0.5mol%以下である請求項1〜14のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物を含有するリチウムイオン二次電池用正極。
- 平均粒径の異なる2種類以上の請求項1〜15のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有複合酸化物の混合物を含有するリチウム二次電池用正極。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の表面修飾リチウム含有酸化物と、該表面修飾リチウム含有酸化物と異なるリチウム含有複合酸化物(I)との混合物を含有するリチウムイオン二次電池用正極。
- 前記リチウム含有複合酸化物(I)が、層状構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物、スピネル構造を有するリチウムマンガン含有複合酸化物、オリビン構造を有するリチウム鉄含有リン酸化合物、又はyLi2QO3・(1−y)LiRO2(ここで、0<y<1であり、Qは平均酸化数が4+である1種類以上の金属元素であり、Rは平均酸化数が3+である1種類以上の金属元素である)である請求項18に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
- 正極密度が3.5g/cm3以上である請求項16〜19のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極。
- 請求項16〜20のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用正極、負極、セパレータ、及び電解液を含有するリチウムイオン二次電池。
- 正極の充電電位がLi+/Li基準で4.5V以上である請求項21に記載のリチウムイオン二次電池。
- 負極が、炭素材料、リチウムチタン含有複合酸化物、リチウム、リチウムと合金化可能な金属及び、それら金属の合金、または、それらの金属を含む酸化物、窒化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項21または22に記載のリチウムイオン二次電池。
- セパレータが、不織布又は樹脂製の多孔質膜の少なくとも1種である請求項21〜23のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
- セパレータが、融点の異なる多孔質層の積層体である請求項21〜23のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
- セパレータが、耐熱性の無機微粒子を含有する請求項21〜23のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
- 電解液が、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項21〜26のいずれかのいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
- 電解液が、添加物として、VC、シクロヘキシルベンゼン、フルオロベンゼン、リン酸エステル類化合物、4−フルオロエチレンカーボネート、プロパンスルトン、スクシノニトリル、及びエチレンサルファイトからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項21〜27のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池。
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