JP6163463B2 - 繊維製品用の液体洗浄剤 - Google Patents
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近年、環境負荷に対する意識の高まりから、輸送費の低減やごみの削減等が求められている。このため、洗浄成分の含有量を多くすること(濃縮化)で、樹脂容器のコンパクト化を図り、環境負荷の低減を図った液体洗浄剤が提案されている。しかし、液体洗浄剤は、単に濃縮化を図られると、流動性が損なわれたり、部分的にゲル化したりしやすい(液安定性が低い)。
こうした問題に対し、特定のノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤と、水混和性有機溶剤と、を含有する液体洗浄剤が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の発明によれば、洗浄力及び液安定性の向上が図られている。
例えば、特定のノニオン界面活性剤と、第3級アミンと、水溶性シリコーンと、特定のアニオン界面活性剤と、を含有する液体洗浄剤が提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2の発明によれば、柔軟性の付与と、液安定性の向上とが図られている。
そこで、本発明は、被洗浄物の柔軟性を損なわずに、被洗浄物に乾いた触感を与えられ、かつ液安定性の良好な繊維製品用の液体洗浄剤を目的とする。
前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比は0.002〜0.2であることが好ましい。
本発明の繊維製品用の液体洗浄剤(以下、単に液体洗浄剤ということがある)は、特定のノニオン界面活性剤(A)((A)成分)と、特定の化合物(B)((B)成分)と、グリコール系溶剤(C)((C)成分)とを含有する。
(A)成分は、下記一般式(1)で表されるノニオン界面活性剤である。液体洗浄剤は、(A)成分を含有することで、優れた洗浄力を発揮できる。加えて、(A)成分は、被洗浄物に対して柔軟性を付与できる。
Rの炭化水素基における炭素数は、10〜20であり、12〜18が好ましく、12〜14がより好ましい。Rの炭素数が上記下限値以上であれば、洗浄力が高まる。Rの炭素数が上記上限値以下であれば、液安定性が向上し、特にゲル化が抑制される。
tは、PO(オキシプロピレン基)の平均繰返し数を示す。即ち、tはプロピレンオキシドの平均付加モル数である。tは、1〜5の数であり、2〜4が好ましい。tが上記範囲内にあると、液体洗浄剤のゲル化が抑制されやすくなり、また、すすぎ時に良好な泡切れ性が得られやすい。
(1)式中、EOとPOとは、ブロック状に付加していてもよく、ランダム状に付加していてもよい。EOとPOとがブロック状に付加している場合の付加方法としては、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加する方法、プロピレンオキシドを付加した後にエチレンオキシドを付加する方法、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加し、さらにエチレンオキシドを付加する方法等が挙げられる。特に、全自動洗濯機での洗濯におけるすすぎ性がより良好なことから、エチレンオキシドを付加した後にプロピレンオキシドを付加し、さらにエチレンオキシドを付加する方法(末端が−O−CH2CH2O−Hである)が好ましい。
例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の一般的なアルカリ触媒を用いてアルキレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、比較的広い付加モル数分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載されたAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いてアルキレンオキシドを疎水性原料に付加させた際には、比較的狭い付加モル数分布となる傾向にある。
(B)成分は、下記一般式(10)で表される化合物であり、いわゆるトリグリセリド成分である。液体洗浄剤は、(B)成分を含有することで、被洗浄物の柔軟性を維持しつつ、被洗浄物に対して乾いた触感を与えられる。
a+b=7〜19であり、a+b=11〜15が好ましく、a+b=13〜15がより好ましい。
c+d=7〜19であり、c+d=11〜15が好ましく、c+d=13〜15がより好ましい。
e+f=7〜19であり、e+f=11〜15が好ましく、e+f=13〜15がより好ましい。
a+b、c+d、e+fがそれぞれ上記下限値以上であれば、疎水基部分の体積が十分に嵩高くなり、被洗浄物に乾いた触感を与えられる。a+b、c+d、e+fがそれぞれ上記上限値以下であれば、疎水基部分の体積が嵩高くなりすぎることに起因する、乾いた触感の付与効果及びすすぎ性が低下するのを防止できる。
(B)成分としては、Z1〜Z3の少なくとも1つがヒドロキシ基の化合物が好ましく、化合物(b1)がより好ましく、ヒマシ硬化油がさらに好ましい。
(B)成分としては、市販品を用いることができる。例えば、化合物(b1)としては日油株式会社製の「カスターワックスAフレーク」、(b2)としては新日本理化株式会社製の「パーム極度硬化油A」等が挙げられる。
(B)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)成分が化合物(b1)の場合、液体洗浄剤中の化合物(b1)の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましく、0.3〜1質量%がさらに好ましい。
また、(B)成分が化合物(b2)の場合、液体洗浄剤中の化合物(b2)の含有量は、0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有量が上記下限値以上であれば、被洗浄物における乾いた触感をより良好に付与できる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であれば、液安定性をより高められる。
(B)成分が化合物(b1)の場合、B/A比は、0.002〜0.04が好ましく、0.005〜0.02がより好ましく、0.008〜0.01がさらに好ましい。
(B)成分が化合物(b2)の場合、B/A比は、0.02〜0.2が好ましく、0.04〜0.1がより好ましく、0.06〜0.08がさらに好ましい。
B/A比が上記下限値以上であれば、被洗浄物における乾いた触感をより高められる。B/A比が上記上限値以下であれば、液安定性をより高められる。
(C)成分は、グリコール系溶剤である。液体洗浄剤は、(C)成分を含有することで、液安定性を高められる。
これらの中でも、配合適合性の観点から、(ポリ)アルキレングリコール(モノ又はジ)アルキルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(=ブチルカルビトール)がより好ましい。
これらの(C)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤は、任意成分として、分散媒;(A)成分以外の界面活性剤(任意界面活性剤);パール剤、ベントナイト、カルボキシメチルセルロース等の水溶性又は水不溶性の粒子;パラトルエンスルホン酸等のハイドロトロープ剤;安息香酸ナトリウム等の安定化剤;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリアエタノールアミン等のアルカリ剤;マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸及びこれらの塩等の金属イオン捕捉剤;シリコーン等の風合い向上剤;防腐剤;蛍光剤;移染防止剤;ジブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤;プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、リパーゼ等の酵素又は酵素製剤;着色剤;着香剤;乳濁化剤;硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等のpH調整剤等が挙げられる。
分散媒としては、水道水、イオン交換水、純水等の水が挙げられる。
液体洗浄剤中の分散媒の含有量は、例えば、5〜49質量%が好ましい。上記下限値以上であれば、液安定性を高めやすい。上記上限値以下であれば、液体洗浄剤中の(A)〜(C)成分の含有量を高めて、濃縮化しやすい。
任意界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖又は分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
また、アニオン界面活性剤としては、上述した以外にも、例えば、高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したもの(即ち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩の炭素数は10〜20であり、14〜17が好ましく、2級アルカンスルホン酸塩がより好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
これらのアニオン界面活性剤は市場において容易に入手することができる。また、アニオン界面活性剤は、公知の方法により合成されたものでもよい。
アニオン界面活性剤としては、上記のなかでも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩及び高級脂肪酸塩よりなる群から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好ましい。
これらのアニオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤は、アニオン界面活性剤を含有することで、洗浄力をより高められる。
中でも、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド又はその塩が好ましく、これらの混合物でもよい。
また、カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等でもよい。
これらのカチオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤は、カチオン界面活性剤を含有することで、被洗浄物に対してより良好な柔軟性を付与できる。
液体洗浄剤中の全界面活性剤量の下限値は、45質量%以上であり、51質量%以上が好ましい。全界面活性剤量が上記下限値以上であれば、液体洗浄剤に高い洗浄性能を付与でき、かつチキソトロピー性を発揮でき、被洗浄物に対して乾いた触感を付与しやすい。
液体洗浄剤中の全界面活性剤量の上限値は、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。全界面活性剤の上記上限値超では液安定性が低下する場合がある。
液体洗浄剤のpHは、特に限定されず、例えば、25℃においてpH6〜9が好ましく、pH7〜8がより好ましい。上記範囲内であれば、液安定性のさらなる向上を図りやすい。液体洗浄剤のpHは、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、「HM−30G」)等により測定される値を示す。
液体洗浄剤の粘度は、25℃の条件下で、B型粘度計により測定される値である。
液体洗浄剤は、従来公知の製造方法により製造される。例えば、溶媒である水に、(A)〜(C)成分及び必要に応じて任意成分を加え、これを混合する方法が挙げられる。
液体洗浄剤の使用方法(洗浄方法)は、一般的な液体洗浄剤の使用方法と同様である。例えば、液体洗浄剤を被洗浄物と共に水に入れ、洗濯機で洗浄する方法、液体洗浄剤を被洗浄物に直接塗布する方法、液体洗浄剤を水に溶解して洗浄液とし、この洗浄液に被洗浄物を浸漬する方法等が挙げられる。また、液体洗浄剤を被洗浄物に塗布し、適宜放置した後、洗濯機等を用いて洗浄してもよい。
被洗浄物である繊維製品としては、例えば、衣料、布巾、シーツ、カーテン等の繊維製品が挙げられ、中でも、衣料が好ましい。
(A)〜(C)成分を含有することで、本発明の効果を得られる理由は定かではないが、次のように推測する。
(B)成分が被洗浄物に付着することで、被洗浄物に乾いた触感を付与できる。ここで、(A)成分は、POを有するために、比較的疎水性が高い。このため、(A)成分が介在して、被洗浄物に対する(B)成分の付着量が高まっているものと考えられる。
加えて、(C)成分を溶剤として含有するため、液安定性が高まっている。
<(A)成分>
A−1:EOPO。炭素数10〜14の1級アルコールに、平均9モルのエチレンオキシド、平均2モルのプロピレンオキシド、平均9モルのエチレンオキシドを順にブロック付加させたもの。上記(1)式中におけるRが炭素数12、14のアルキル基、sが18、tが2のもの。
<(A’)成分:(A)成分の比較品>
A’−1:天然アルコールに12モル相当のエチレンオキシドが付加したもの(LMAO)。下記合成例1で合成されたもの。
≪合成例1≫LMAOの合成
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名)861.2gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器中に仕込み、容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、A’−1(LMAO)を得た。
B−1:カスターワックスAフレーク(商品名、ヒマシ硬化油、日油株式会社)。
B−2:パーム極度硬化油A(商品名、パーム硬化油、新日本理化株式会社製)。
<(C)成分>
C−1:ブチルカルビトール(日本乳化剤株式会社製)。
<(C’)成分:(C)成分の比較品>
C’−1:エタノール(特定アルコール95度合成、日本アルコール販売株式会社製)。
・直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(LAS−H):ライポンLH−200(商品名、LAS−Hの純分=96質量%、ライオン株式会社製)。液体洗浄剤製造時に、pH調整剤である水酸化ナトリウムにより中和され、ナトリウム塩となる。
・高級脂肪酸:ヤシ脂肪酸(液体洗浄剤製造時に、pH調整剤である水酸化ナトリウムにより中和され、ナトリウム塩となる。)、日油株式会社製。
・パラトルエンスルホン酸(PTS酸):テイカトックス300(商品名、テイカ株式会社製)。
・クエン酸:液体クエン酸(一方社油脂工業社製)。
・安息香酸Na:安息香酸ナトリウム(東亞合成株式会社製)。
・モノエタノールアミン(MEA):モノエタノールアミン(三井化学株式会社製)。
・香料A:特開2008−7872号公報の実施例に記載の香料組成物a−1−1。
・水:精製水。
表1〜4の組成に従い、500mLのビーカーに、(A)成分(又は(A’)成分)と、任意成分(水を除く)と、(C)成分とを投入し、これらをマグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.製)で攪拌した。全体量が90質量%となるように、ビーカー内に水を加え、25℃でのpHが7.0になるようにpH調整剤(水酸化ナトリウム又は硫酸)を適量添加した。
さらに攪拌した後、(B)成分の融点まで加温した。これに、融点まで加温した(B)成分を添加し、全体が均一になるまで攪拌した。次いで、全体量が100質量%になるように水を加え、全体が均一になるまで攪拌し、液体洗浄剤を得た。
なお、表中の組成は、純分換算量である。
<触感>
「柔軟性」と「乾いた触感」との両方の触感について、下記の手順で触感を評価した。
全自動洗濯機(製品名:JW−Z23A、Haier社製)に、15℃の水道水12Lと、液体洗浄剤4gとを入れた。そこに、タオル(綿100%、株式会社東進社製、220片ボーダー FT)2枚と市販Tシャツ(綿100%、B.V.D.)を投入した。さらに、20cm片の人工汚垢布3枚と、チャージ布(綿100%、B.V.D.の断片)を用い、浴比を20倍にした。その後、標準コースで洗浄した(洗浄操作)。洗浄後、前記洗浄操作で処理したタオルを室内で12時間乾燥させた。乾燥したタオルを25℃、50%RHの恒温恒湿室に2日間放置して試験布とした。試験布の触感について、パネラー(10人)が試験布と対照布とを比較し、「柔軟性」及び「乾いた触感」を総合して下記評価基準により採点した。
対照布としては、各例の液体洗浄剤に代え、標準洗浄剤(プロクター・アンド・ギャンブル社製の天然アルコールCO−1270に対し、1モル当たり平均15モルのエチレンオキシドを付加させたアルコールエトキシレートの20%水溶液)を用いて、上記と同じ洗浄操作で処理したタオルを用いた。
パネラー10人の採点結果の平均値を求め、4.5点以上を「◎◎」、4点以上4.5点未満を「◎」、3.5点以上4点未満を「○」、3点以上3.5点未満を「△」、3点未満を「×」とした。「○」「◎」「◎◎」を合格とした。
1点:対照布と同等の触感である。
2点:対照布よりやや良い触感を感じる。
3点:対照布より良い触感を感じる。
4点:対照布よりかなり良い触感を感じる。
5点:対照布より非常に良い触感を感じる。
各例の液体洗浄剤10gをドラム式洗濯機(TW−4000VFL(S)、株式会社東芝製)の投入口トレイに入れ、1晩静置(16時間)した。その後、特殊設定9.9kg、洗浄時間20分間の設定で洗濯を行い、洗濯後の投入口トレイの洗浄剤の溶け残りについて、下記評価基準に従って目視で評価した。△、○であれば、液体洗浄剤の流動性は良好であり、液安定性が良好であると判定した。
○:投入口トレイに洗浄剤の残りはなかった。
△:投入口トレイに、微量の溶け残りがあった。
×:投入口トレイに、明らかに溶け残りがあった。
(A)成分を含有しない比較例1、4、(A)成分に代えて(A’)成分を含有する比較例6、7、(B)成分を含有しない比較例2は、触感の評価が「△」であった。
(C)成分を含有しない比較例3、5、(C)成分に代えて(C’)成分を含有する比較例8は、液安定性の評価が「×」であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、被洗浄物の柔軟性を損なわずに、被洗浄物に乾いた触感を与えられ、かつ液安定性を良好にできることを確認できた。
Claims (2)
- 下記一般式(1)で表されるノニオン界面活性剤(A)と、下記一般式(10)で表される化合物(B)と、グリコール系溶剤(C)とを含有し、全ての界面活性剤の含有量の合計が45質量%以上であり、前記(A)成分/全界面活性剤量で表される質量比が0.6〜1.000である繊維製品用の液体洗浄剤。
- 前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比は0.002〜0.2である、請求項1に記載の繊維製品用の液体洗浄剤。
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