JP6037483B2 - イヤーピースパッシブノイズ減衰 - Google Patents

Description

本発明は、耳内イヤーピースによってパッシブノイズ減衰を実現するための、そして耳内でイヤーピースを位置決めしかつ保持するための構造を開示する。

ある態様において、耳内イヤーピースは、音響ドライバーと、ユーザーの外耳道へと音響ドライバーによって放射される音波を導くための音響通路と、イヤーピースの外部の構造体を伴わずにイヤーピースを位置決めしかつイヤーピースを適所にて保持するためにユーザーの耳の側面の特徴部と係合するための位置決め・保持構造体と、略円錐構造体であって、この円錐構造体の小端部はユーザーの外耳道への入口よりも小さくかつ円錐構造体の大端部はユーザーの外耳道への入口よりも大きいように構成され、外耳道を密閉するために外耳道への入口に適合する素材から形成された略円錐構造体とを備える。素材は３０ショアＡ以下の硬さを有することができる。素材は２ｇｆ／ｍｍ以下の弾性率を有することができる。素材はシリコーンゴムであってもよい。素材は熱可塑性エラストマーであってもよい。素材は熱可塑性ポリウレタンであってもよい。位置決め・保持構造体は、チップを形成するためにアタッチメント端部において互いに取り付けられかつ他方の端部においてイヤーピースの本体に対して取り付けられた第１の脚部および第２の脚部を含むことができる。位置決め・保持構造体は、回転ポジションを通過するイヤーピースの時計回りの回転を阻止するための少なくとも三つのモードを提供し得る。このモードは、チップの末端が耳輪の底に当接すること、チップの末端が耳甲介舟領域における対耳輪の下で押し込まれた状態となること、そして内側脚部が耳輪の底に当接することを含み得る。位置決め・保持構造体は内側脚部と外側脚部とを含むことができる。内側脚部および外側脚部は、本体に対して取り付け端部において取り付けられ、かつ、互いに接合端部において取り付けられてもよい。その意図されたポジションに存在するイヤーピースによって、外側脚部は耳殻の後方において対耳輪に対して押しやられてもよく、本体は外耳道と係合し、そしてチップの少なくとも一つは対耳輪の下に存在し、あるいは本体および外側脚部の少なくとも一方の一部は対耳珠の下方に存在する。位置決め・保持構造体は、互いに取り付け端部においてかつイヤーピース本体に対して第２の端部において取り付けられた内側脚部および外側脚部を含むことができる。内側脚部および外側脚部は、イヤーピースの時計回りの回転を阻止するための少なくとも三つのモードを提供するように配置されてもよい。当該モードは、チップが耳輪の底に接触すること、チップが対耳輪の下方に押し込まれた状態となること、そして内側脚部が耳輪の底に接触することを含み得る。内側脚部および外側脚部は、さらに、その意図されたポジションに存在するイヤーピースによって、外側脚部が耳殻の後方において対耳輪に対して押しやられ、本体が外耳道と係合し、そしてチップの少なくとも一つが対耳輪の下に存在し、あるいは本体および外側脚部の少なくとも一方の一部が対耳珠の下方に存在するように配置されてもよい。略円錐構造体は、外耳道に対して音響ドライバーからの音波を導くために、それを貫通する開口を含んでいてもよい。開口は断面に関して略楕円形であってもよい。略円錐構造体は大端部から小端部へと略直線的に先細となっていてもよい。略円錐構造体は略均一な厚みを有していてもよい。ユーザーの位置決め・保持構造体の素材は、略円錐構造体とは異なる硬さを有していてもよい。ユーザーの外耳道へと音響ドライバーによって放射される音波を導くための構造体の素材は、ユーザーの位置決め・保持構造体の素材とは、そして略円錐構造体の素材とは異なる硬さを有していてもよい。

別の態様では、耳内イヤーピース用のイヤーチップは、イヤーピースの外部の構造体を伴わずに、イヤーピースを位置決めしかつイヤーピースを適所にて保持するために、耳の側面の特徴部と係合するための位置決め・保持構造体と、略円錐構造体であって、この円錐構造体の小端部はユーザーの外耳道への入口よりも小さくかつ円錐構造体の大端部はユーザーの外耳道への入口よりも大きいように構成され、外耳道を密閉するために外耳道への入口に適合する素材から形成された略円錐構造体とを含む。位置決め・保持構造体および略円錐形構造体は同じ素材を含んでいてもよい。位置決め・保持構造および略円錐形構造体は単一構造体であってもよい。

その他の特徴、目的および利点は、添付図面と共に以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。

ヒトの耳の側面図である。 ヒトの耳の例示的な断面図である。 ヒトの耳の例示的な断面図である。 イヤーピースの斜視図である。 イヤーピースとヒトの耳の側面図である。 二つの典型的なヒトの耳の断面図である。 イヤーピースを示す図である。 イヤーピースを示す図である。 イヤーピースを示す図である。 イヤーピースを示す図である。 二つの典型的なヒトの耳の断面図である。 図２および図５Ａ〜５Ｄのイヤーピースの一部を示す図である。 図２および図５Ａ〜５Ｄのイヤーピースの一部を示す図である。 図２および図５Ａ〜５Ｄのイヤーピースの一部を示す図である。 図７Ａ〜７Ｃのイヤーピース部分の断面図である。 図７Ａ〜７Ｃのイヤーピース部分の断面図である。 イヤーピースの代替実施形態を示す図である。 イヤーピースの代替実施形態を示す図である。 イヤーピースの代替実施形態を示す図である。

本明細書では、右耳にフィットするように設計された耳内イヤーピースについて説明する。左耳にフィットするように設計されるイヤーピースは、以下で説明するイヤーピースのミラーイメージであり、同じ原理に基づいて機能するので、本明細書では説明しない。

図１Ａは、特定された、いくつかの特徴部と共に、ヒトの右耳の側面を示している。多くの異なる耳のサイズおよび形状がある。いくつかの耳は、図１Ａに示されていない付加的な特徴部を有する。いくつかの耳は、図１Ａに示されている特徴部のいくつかを欠いている。いくつかの特徴部は、図１に示されるよりも、多かれ少なかれ、顕著であってもよい。図１Ｂおよび１Ｃは、特定された、いくつかの特徴部と共に、ヒトの耳の二つの代表的な断面を示している。外耳道は、不規則な形状の円筒であり、変化する断面積と直線ではない中心線を備えている。これら特徴部のなかでも、外耳道への入口および外耳道の主要部が特定されている。本明細書では、外耳道への入口とは、外耳道の壁が外耳道の中心線に対して実質的に非平行である耳殻付近の外耳道の一部を指す。ヒトの耳の正確な構造は、個人個人で大きく異なる。例えば、図１Ｂの断面においては、外耳道の中心線３０−１Ｂに対して実質的に非平行な外耳道壁から、外耳道の中心線に対して実質的に平行な壁に至る比較的鋭い移行部が存在し、それゆえ外耳道への入口３２−１Ｂは相対的に短い。図１Ｃの断面においては、外耳道の中心線に対して非平行な壁から、外耳道の中心線３０−１Ｃに対して実質的に平行な壁に至る、より緩やかな移行部が存在し、それゆえ外耳道への入口３２−１Ｃは相対的に長い。

図２はイヤーピース１０を示している。イヤーピース１０は、位置決め配線などのためのステム５２と、音響ドライバーモジュール１４と、チップ６０とを含むことができる（図５Ａ〜５Ｄにより分かりやすく示されている）。いくつかのイヤーピースはステム５２を欠いていてもよく、だが、外部装置との無線通信のための（図示しない）電子モジュールを含んでいてもよい。別なイヤーピースはステムおよび音響ドライバーモジュールを欠いていてもよく、そしてパッシブイヤープラグとして機能してもよい。チップ６０は位置決め・保持構造体２０を含み、これは、この例では、外側脚部２２と内側脚部２４とを含む。チップはまたシーリング構造体４８を含む。

使用時、イヤーピース１０は耳の中に配置され、そして、位置決め・保持構造体２０およびイヤーピースのその他の部分によって適所において方向付けられかつ保持される。チップ６０は、外耳道へと音響ドライバーモジュール１４の音響ドライバーにより放射される音波を導く通路を含む。チップ６０から延びているのが位置決め・保持構造体２０であり、これは、外耳道と係合するイヤーチップの一部からの顕著な寄与を伴わずに、かつ、イヤーチップの外部の構造体を伴わずに、イヤーピースを適所で保持する。位置決め・保持構造体２０は少なくとも外側脚部２２および内側脚部２４を含み、これらは、一端においてイヤーチップの他の部分に結合され、かつ、他端において互いに結合されている。外側脚部は、耳殻の後方において、対耳輪および／または耳甲介舟の湾曲に概ね従うように湾曲している。概して、位置決め・保持構造体全体のコンプライアンス／剛性は、位置決め・保持構造体が作られる素材のコンプライアンス／剛性あるいは位置決め・保持構造体の、あるコンポーネントのコンプライアンス／剛性よりもさらに重要である。外側脚部２２および内側脚部２４は平面内に存在してもよい。

ここで図３を参照すると、イヤーピースチップは耳内に配置され、内部にやさしく押し込まれ、そして好ましくは矢印４３で示すように反時計回りに回転させられている。耳内に本体を押し込むことで、外側脚部２２は対耳輪の下方で適所に着座させられ、そしてチップ４８の出口セクション（簡便のために図示していない）は、外耳道への入口の寸法および形状に依存して、僅かな量だけ外耳道内に進入させられる。

本体は続いて、この本体がそれ以上回転させることができなくなる状況が生じるまで、矢印４１で示すように時計回りに回転させられる。この状況としては以下が挙げられる。チップの末端３５が耳輪の底に接触し得る；内側脚部２４が耳輪の底に接触し得る；あるいは末端３５が耳甲介舟領域における対耳輪の背後で押し込まれた状態となり得る。位置決め・保持構造体は全ての三つの状況（以下、「モード」と呼ぶ）を実現するが、全ての 三つの条件が全てのユーザーに関して生じることはなく、このモードの少なくとも一つが、ほとんどのユーザーに関して生じる。どの状況が生じるかは、ユーザーの耳の大きさおよび形状に依存する。

イヤーピースを時計回りに回転させることによってまた、上記末端および外側脚部は耳甲介舟領域と係合し、かつ、対耳輪の下方に着座する。本体および位置決め・保持構造体２０が適所に存在する場合、この位置決め・保持構造体および／または本体は、さまざまな様式（外側脚部２２の長さ４０が耳殻の後方において対耳輪に接触する；位置決め・保持構造体２０の末端３５が対耳輪の下方に存在する；外側脚部２２の一部あるいは（先の図の）チップ６０あるいは両方が対耳珠の下方に存在する；チップ６０は耳珠の下方で外耳道への入口に接触する）の少なくとも二つ（そして多くの人々に関してはさらに多く）で、ほとんどの人々の耳に接触する。二つ以上の接触ポイントはイヤーピースを適所で保持し、より優れた安定性を実現する。力の分散、および耳に接触する本体の一部と外側脚部とのコンプライアンスは耳への圧力を軽減し、より快適なフィット感を実現する。

それが適切に方向付けられるように、それが安定する（すなわち耳内に留まる）ように、それが快適であるように、そしてある用途に関しては、それが周囲ノイズの著しいパッシブ減衰を実現するように、イヤーピースを耳内に配置することが望ましい。安定性および適切な配置を実現する一つの手法は上述した通りであり、（この引用によってその全体が本明細書に組み込まれる）米国特許出願第１２／８６０，５３１号明細書において、より完全に説明されている。

顕著なパッシブ減衰を実現するための一つの装置は、外耳道の主要部内にフィットし、かつ、図４の矢印７０，７２および７４で示すように、外耳道の主要部の壁に半径方向圧力を加えることによって外耳道それ自体に対して密着する構造体（例えば、米国特許出願第２００４／０１６３６５３号明細書に開示された「クリスマスツリー」構造体、米国特許第５，９５７，１３６号明細書に開示された「マッシュルーム」構造体、あるいは米国特許第６，１２９，１７５号明細書に開示されたようなディスク状フランジ、あるいは類似の構造体）である。半径方向圧力は、内向きクランプ圧力から生じてもよく、あるいはそれによって補足されてもよい。この装置は、シール不良、不快感、あるいは痛みといった、いくつかの望ましくない副作用を有するであろう。というのは、外耳道の形状およびサイズは個人個人で大きく異なり、しかも当該装置は、ある個人に関して望まれるよりも外耳道内にさらに遠くへと進入することがあるからである。特に中耳に近い外耳道の主要部は非常に敏感なので、構造体が耳内で遠くに延びれば延びるほど、ますます不快になりがちである。顕著なパッシブ減衰を実現するためのその他の装置は、イヤーピースそれ自体とは別の、頭の側方あるいは耳の側方に適合する構造体を押し付ける内向きクランプ圧力を提供する構造体である。例としては、従来型ヘッドホンのヘッドバンド、および、例えば米国特許第４，０５５，２３３号明細書に記載された聴診器のヨークが挙げられる。だが、耳内イヤーピースに関して、軽量および小型サイズは望ましい特徴であり、ヘッドバンドおよびヨークは重量および構造物を付加する。

図２のイヤーピースは、過大な半径方向圧力を伴わずに、かつ、イヤーピースに含まれないソースによってもたらされる内向きクランプ力を伴わずに、定位置、安定性、および外耳道への入口に対する、そして外耳道の外側の耳構造体に対する良好なシーリングを実現するチップを含む。

図５Ａ〜５Ｄはチップ６０をさまざまな方向から見て示している。チップ６０の全ての要素は、図の全てにおいて特定されていない。チップ６０は、位置決め・保持構造体２０と、本体２３と、通路２１と、シーリング構造体４８とを含む。本体は、ドライバーモジュール１４につながるための係合面２５を含む。通路２１は、本体およびシーリング構造体を介し、そして外耳道内へとドライバーモジュールからの音を導く。シーリング構造体４８は円錐台形の構造体を含む。円錐台形の構造体は、（図７Ｂ，８Ａおよび８Ｂにおいて下方を見たときに）実質的に直線状に先細になる壁と共に、（図７Ａにおいて下方を見たときに）楕円形または長円形の断面を有していてもよい。ある実施形態では、シーリング構造体の構造ならびにそれを形成する素材によって、弾性率は、図５Ｂの矢印３４の方向に測定したとき０．２ないし２ｇｆ／ｍｍの範囲のものとなる。適切な素材の例としては、シリコーン、ＴＰＵ（熱可塑性ポリウレタン）およびＴＰＥ（熱可塑性エラストマー）が挙げられる。

チップの小端部６２は、それが僅かな量だけ、ほとんどのユーザーの外耳道の内側にフィットし、かつ、シーリング構造体４８が外耳道への入口と接触するが外耳道の内側とは接触しないような寸法とされている。チップの大端部６４は、それが、ほとんどのユーザーの外耳道への入口よりも大きなものであるような寸法とされている。

位置決め・保持構造体２０およびシーリング構造体４８は、３０ショアＡ以下の硬さを備えた、同じ素材、例えば非常に柔らかいシリコーンゴムからなる単一部材であってもよい。シーリング構造体４８の壁は均一な厚みであってもよく、これは非常に薄くても、例えば壁の最も厚い部分で１ｍｍ未満であってもよく、そして、壁が容易に撓むように円錐台形構造体の側へと先細になっていてもよく、これによって、耳の輪郭に容易に適合し、かつ、外耳道に大きな半径方向圧力を加えることなく良好なシールおよび良好なパッシブ減衰が実現される。イヤーピースの異なる部分は異なる役割を果たすので、イヤーピースの異なる部分は異なる素材、あるいは異なる硬さあるいは弾性率を備えた素材から形成されるのが望ましいであろう。例えば、保持構造体２０の硬さ（デュロメータ）は快適性のために選択でき（例えば１２ショアＡ）、チップ４８の硬さは、より良好なフィット感およびシールのために僅かに高くてもよく（例えば２０ショアＡ）、そして音響モジュール１４に対して機械的にイヤーチップを結合するイヤーチップの一部の硬さは、より良好な保持ならびに音響モジュール１４に対して機械的にイヤーチップを結合するイヤーチップの一部に対するシールのために、そしてある場合には、音波が移動する通路がより調和した形状および寸法を有するように、より高くてもよい（例えば７０ショアＡ）。

図５Ａ〜５Ｄに記載されたイヤーチップは、パッシブ減衰を提供するために外耳道の入口を密閉し、そして外耳道の主要部に対しては僅かな半径方向圧力しか加えないか、あるいは図６に示すように外耳道の主要部には全く接触しない。

図７Ａ〜７Ｃ、そして図８Ａおよび８Ｂは、典型的な実施形態からの寸法と共に、チップ６０の外観、ならびにその断面を示している。図７Ａ〜７Ｃおよび図８Ａ，８Ｂの実施形態において、シーリング構造体４８は楕円形であり、小端部において７．６９ｍｍの長軸と５．８３ｍｍの短軸とを有し、かつ、大端部において１６．１ｍｍの長軸と１４．２ｍｍの短軸とを有する。こうした寸法を有するシーリング構造体は、小端部が少ない量だけ外耳道内に突出しかつ外耳道の壁と接触せず、大端部が外耳道内にフィットせず、そしてシーリング構造体４８が外耳道へと入口と係合するように、多くのユーザーの外耳道内にフィットする。より小さいか、より大きなバージョンを、子供を含む、平均サイズ以下あるいは以上の耳を持つユーザーのために使用することができる。類似の全体サイズを有するが長軸と短軸との間でアスペクト比が異なるバージョンが、平均よりもさらに円形であるかあるいはほとんど円形ではない外耳道入口を持つユーザーのために提供されてもよい。

ある例では、シーリング構造体４８および本体２３は全体として、保持構造体２０を含むことを必要とせずに、ユーザーの耳内でイヤーピースを位置決めしかつ保持するのに十分である。このような設計６０’は図９Ａ〜９Ｃに示されている。本体２３と耳殻との間の摩擦および干渉がイヤーピースを保持する。位置決めは、本体２３とシーリング構造体４８との間の幾何学的関係によって補助され、本体は、シーリング構造体が外耳道への入口に正確に配置されかつそれに密着ときに耳殻内に嵌合する。シーリング構造体４８に本体２３または（例えば図２から）保持構造体２０の少なくとも一つを追加することによって、シーリング構造体は、イヤーピースそれ自体を保持する必要がなくなり、これによってシーリング構造体をより従順かつ変形可能なものとすることが可能となるが、これは、それがまたイヤーピースの保持についての任を負っている場合に必要となるものである。

その薄い壁および楕円形断面と組み合わせた、シーリング構造体の略円錐台形状、すなわち、その実質的に直線状の斜面によって、シーリング構造体を、丸みを帯びた、すなわち円錐ではなくマッシュルーム形状の壁を持とうとする従来型のシーリング構造体よりも、さらに変形しやすいものとすることができる。丸みを帯びた壁は、より大きなフープ強度を有し、それが一つの横軸（すなわち構造体の長さを通る軸に対して垂直な軸）に沿って圧縮される場合、構造体は直交する横軸に沿って外向きに膨らむ。第１の横軸に関する変形へ応答によって、壁は他の横軸に沿ったコンプライアンスが低下し、複数の半径方向からの圧縮が壁の曲線に沿ったバックリングを引き起こし、シーリング構造体と耳との間のシールにおけるギャップ、あるいは側壁が全ての方向に圧縮できない圧力ポイントを生じることがある。対照的に、シーリング構造体６０の薄い円錐形壁は、バックリングやその他の場所での圧力の増大を伴わずに、同時に複数の方向に圧縮することができる。

本明細書に開示された特定の装置および技術の多様な利用およびそこからの展開は、本発明の概念から逸脱することなくなし得る。したがって、本発明は、本明細書に開示された各および全ての新規な特徴ならびに当該特徴の新規な組み合わせを包含するものと解釈すべきであり、特許請求の範囲に記載された趣旨および範囲によってのみ限定される。

１０ イヤーピース
１４ 音響ドライバーモジュール
２０ 位置決め・保持構造体
２１ 通路
２２ 外側脚部
２３ 本体
２４ 内側脚部
２５ 係合面
３２−１Ｂ 入口
３２−１Ｃ 入口
３５ 末端
４８ シーリング構造体（チップ）
５２ ステム
６０ シーリング構造体（チップ）
６２ 小端部
６４ 大端部

Claims (20)

1. 耳内イヤーピースのためのイヤーチップであって、
   着用者の耳の下側耳殻内にフィットするような形状を備えた本体であって、前記本体は、前記耳殻の表面に対して着座する平坦面を有する、本体と、
   前記着用者の耳の外耳道に向って前記本体から延在するノズルであって、前記ノズルは、前記着用者の前記外耳道へと音波を伝達するための音響通路を含む、ノズルと、
   前記ノズルから延在する外耳道密閉構造体と、
   前記本体から、前記着用者の耳の対耳輪に向って延在する保持構造体と、
   を備え、
   前記密閉構造体は、前記ノズルを取り囲む中空円錐台形状をなす素材の薄い層を備え、
   前記密閉構造体は、前記円錐台形状の小端部において前記ノズルに接続され、前記円錐台形状の大端部は、典型的な外耳道の大きさよりも大きなものであり、前記イヤーチップが耳内に配置されたとき、
   前記保持構造体は前記対耳輪を押圧し、これによって前記本体および前記ノズルを前記外耳道に向って押圧し、
   前記密閉構造体は前記外耳道への入口を密閉し、
   前記本体は、前記ノズルおよび密閉構造体が前記入口を越えて前記外耳道内に突出するのを抑える、イヤーチップ。
2. 前記密閉構造体は、前記外耳道に対して押し付けられたとき、前記外耳道への前記入口に対して適合することによって、前記外耳道への前記入口を密閉する、請求項１に記載のイヤーチップ。
3. 前記素材の薄い層は３０ショアＡ以下の硬度を有する、請求項２に記載のイヤーチップ。
4. 前記素材の薄い層は２ｇｆ／ｍｍ以下の剛性を有する、請求項２に記載のイヤーチップ。
5. 前記本体は、さらに、前記イヤーピースに対する接続のための、前記平坦面と対向する係合面を備え、前記ノズルの前記音響通路は、前記イヤーピースからの音波を受けるために前記本体の前記係合面に開口を含む、請求項１に記載のイヤーチップ。
6. 前記音響通路は断面に関して楕円形である、請求項１に記載のイヤーチップ。
7. 前記円錐台の構造体は、前記大端部から前記小端部へと直線的に先細となっている、請求項１に記載のイヤーチップ。
8. 前記円錐台の構造体は均一な厚みを有する、請求項１に記載のイヤーチップ。
9. 前記保持構造体は、前記密閉構造体とは異なる硬度を有する材料からなる、請求項１に記載のイヤーチップ。
10. 前記ノズルは、前記保持構造体の素材とは異なる硬度および前記密閉構造体の素材とは異なる硬度を有する素材からなる、請求項９に記載のイヤーチップ。
11. 耳内イヤーピースのためのイヤーチップであって、
    ディスク形状のベースであって、前記ディスク形状は平面内に存在するベースと、
    前記ベースから延在するノズルであって、前記ノズルは、前記ディスクが存在する前記平面から離れる方向に、前記ベースの表面から前記ノズルの端部へと滑らかに移行するように先細化されている、ノズルと、
    前記ノズルを取り囲む円錐台フラップであって、このフラップの小端部は前記ノズルの前記端部に接続されており、前記フラップは、このフラップと、外力を受けていない前記ノズルとの間にギャップを維持するための剛性を有する、円錐台フラップと、
    前記ベースの一部から延在すると共に前記ベースの前記一部の周りで湾曲している保持脚部と、
    を具備する、イヤーチップ。
12. 前記ノズルを貫通する通路は前記ベースを貫通して延びており、前記イヤーピースの係合面に対して係合するような形状を備えた接続面において終端する、請求項１１に記載のイヤーチップ。
13. 前記イヤーチップは単一構造体であり、かつ、前記フラップと、前記ベースの外側部分と、前記イヤーピースの係合面に対して係合するような形状を備えた前記ベースの接続面とは、全て、互いに異なる硬度を有する、請求項１１に記載のイヤーチップ。
14. 前記保持脚部は、前記ディスクが存在する前記平面内で湾曲する、請求項１１に記載のイヤーチップ。
15. 前記円錐台フラップは、前記イヤーチップが耳の中に配置されたとき、外耳道への入口を密閉する、請求項１１に記載のイヤーチップ。
16. 前記円錐台フラップは３０ショアＡ以下の硬度を有する素材の層を備える、請求項１１に記載のイヤーチップ。
17. 前記円錐台フラップは２ｇｆ／ｍｍ以下の剛性を有する素材の層を備える、請求項１１に記載のイヤーチップ。
18. 前記通路は断面に関して楕円形である、請求項１２に記載のイヤーチップ。
19. 前記円錐台フラップは、前記フラップの大端部から前記フラップの小端部へと直線的に先細となっている、請求項１１に記載のイヤーチップ。
20. 前記円錐台フラップは均一な厚みを有する、請求項１１に記載のイヤーチップ。

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