JP6030842B2 - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
[1](A1)式(I)で表される構造単位を有する樹脂、
(A2)アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂及び
(B)アルカリ現像液の作用により開裂する構造を有する酸発生剤を含有するレジスト組成物。
[式(I)中、
R1は、水素原子又はメチル基を表す。
A1は、−(CH2)m1−、−(CH2)m2−O−(CH2)m3−又は−(CH2)m4−CO−O−(CH2)m5−を表す。
m1〜m5は、それぞれ独立に、1〜6の整数を表す。
R2は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
[2]R2が、炭素数1〜6のフッ化アルキル基である[1]記載のレジスト組成物。
[3]A1が、メチレン基である[1]又は[2]記載のレジスト組成物。
[4]酸発生剤において、アルカリ現像液の作用により開裂する構造が、式(Ba)で表される基又は式(Bb)で表される基である[1]〜[3]のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(Ba)中、R3は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
[式(Bb)中、R4は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又はフッ素原子を表す。]
[5]アルカリ現像液の作用により開裂する構造を有する酸発生剤が、式(II−a)で表される酸発生剤又は式(II−b)で表される酸発生剤である[1]〜[4]のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(II−a)又は式(II−b)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、単結合又は2価の炭素数1〜17のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、炭素数3〜18の2価の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
R3〜R6は、上記と同じ意味を表す。
Z+は、有機カチオンを表す。]
[6]さらに溶剤を含有する[1]〜[5]のいずれか記載のレジスト組成物。
[7](1)上記[1]〜[6]のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
本発明のレジスト組成物は、
(A)樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)及び
(B)アルカリ現像液の作用により開裂する構造を有する酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)を含有する。
ここで、樹脂(A)は以下の樹脂を含む。
(A1)式(I)で表される構造単位を有する樹脂(以下「樹脂(A1)」という場合がある)及び
(A2)アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂(以下「樹脂(A2)」という場合がある)。
本発明のレジスト組成物は、さらに、溶剤(E)(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有していることが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)を含有していることが好ましい。
〈樹脂(A)〉
本発明のレジスト組成物に含有されている樹脂(A)は、上述した樹脂(A1)及び(A2)を含む。また、後述するような、樹脂(A1)及び(A2)以外の樹脂が含まれていてもよい。
樹脂(A1)は、上述した式(I)で表される構造単位(以下「構造単位(I)」という場合がある)を有する。
[式(I)中、
R1は、水素原子又はメチル基を表す。
A1は、−(CH2)m1−、−(CH2)m2−O−(CH2)m3−又は−(CH2)m4−CO−O−(CH2)m5−を表す。
m1〜m5は、それぞれ独立に、1〜6の整数を表す。
R2は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及びイソボルニル基が挙げられる。
フッ素原子を有するアルキル基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,1,2,2,3,3−ペプタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等のフッ化アルキル基が挙げられる。
フッ素原子を有する脂環式炭化水素基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロアダマンチル基等のフッ化シクロアルキル基が挙げられる。
R2は、フッ化アルキル基が好ましく、炭素数1〜6のフッ化アルキル基がより好ましい。
[式(I’)中、R1、A1及びR2は、上記と同じ意味を表す。]
[式中、R1、A1及びR2は、上記と同じ意味を表す。]
式(I’−1)で表される化合物と式(I’−2)で表される化合物とを、溶媒中、触媒の存在下で反応させることが好ましい。溶媒としては、ジメチルホルムアミドなどが用いられる。触媒としては、炭酸カリウム及びヨウ化カリウムなどを用いられる。
式(I’−2)で表される化合物は、例えば、式(I’−3)で表される化合物と式(I’−4)で表される化合物とを反応させることにより製造することができる。この反応は、溶媒中、塩基触媒の存在下で行なわれる。この反応で用いる溶媒としては、テトラヒドロフランなどである。塩基触媒としては、ピリジンなどが用いられる。
式(I’−3)で表される化合物は、A1の種類に応じて適当なものを用いることができる。
A1がメチレン基である場合の式(I’−2)で表される化合物は、式(I’−3)で表される化合物として、例えば、クロロアセチルクロリドなどを用いることにより製造することができる。このクロロアセチルクロリドは市場から容易に入手できる。
式(I’−4)で表される化合物は、R2の種類に応じて適当なアルコールを用いることができる。
R2がフッ素原子で置換された脂肪族炭化水素基である式(I’−2)で表される化合物は、式(I’−4)で表される化合物として、例えば、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノールなどを用いることにより製造することができる。この2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノールは市場から容易に入手できる。
構造単位(I)とは異なる構造単位としては、後述する酸不安定モノマー(a1)に由来する構造単位、酸安定モノマー(a4)に由来する構造単位、式(IIIA)で表される構造単位、当該分野で用いられる公知のモノマーに由来する構造単位などが挙げられる。好ましくは式(IIIA)で表される構造単位である。
[式(IIIA)中、
R11は、水素原子又はメチル基を表す。
環W2は、炭素数6〜10の炭化水素環を表す。
A12は、−O−、*−CO−O−又は*−O−CO−(*は環W1との結合手を表す。)を表す。
R12は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
飽和の脂環式炭化水素環としては、例えば、以下の環が挙げられる。
R12のフッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、下記の基が挙げられる。
上記の構造単位において、R11に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も、構造単位(IIIA)の具体例として挙げることができる。
中でも、式(IIIA−1)で表される構造単位又はR11に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が特に好ましい。
樹脂(A1)が構造単位(IIIA)を有する場合、樹脂(A1)中の構造単位(IIIA)の含有割合は、樹脂(A1)の全構造単位に対して、1〜95モル%の範囲が好ましく、2〜80モル%の範囲がより好ましく、5〜70モル%の範囲がさらに好ましく、5〜50モル%の範囲がとりわけ好ましく、5〜30モル%の範囲が特に好ましい。構造単位(IIIA)を有し、その含有割合が前記の範囲内であると、優れたCD均一性(CDU)を有し、欠陥の発生が少ないレジストパターンを製造できる。
このような含有割合で構造単位(I)及び/又は(IIIA)を有する樹脂(A1)は、樹脂(A1)製造時に用いる全モノマーの総モル量に対する化合物(I’)、構造単位(IIIA)を誘導するモノマーの使用モル量を調節することにより製造することができる。
樹脂(A1)を構成する各構造単位(I)及び/又は(IIIA)は、1種のみ又は2種以上を組み合わせて、さらに、任意に、後述する酸安定モノマー(a1)、酸安定モノマー、当該分野で公知のモノマーの1種以上を組み合わせて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によって製造することができる。
樹脂(A1)の重量平均分子量は、好ましくは、5,000以上(より好ましくは7,000以上、さらに好ましくは10,000以上)、80,000以下(より好ましくは50,000以下、さらに好ましくは30,000以下)である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものであり、該分析の詳細な分析条件は、本願の実施例で詳述する。
樹脂(A2)は、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る。ここで、「酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る」とは、酸に不安定な基(以下「酸不安定基」という場合がある。)を有し、酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にアルカリ水溶液に可溶となることを意味する。
従って、樹脂(A2)は、後述する酸不安定基を有するモノマー(a1)(以下「酸不安定モノマー(a1)」という場合がある)の1種又は2種以上を重合することによって得ることができる。また、樹脂(A2)は、上述した性質を備える限り、後述する酸安定モノマーに由来する構造単位、当該分野で公知のモノマーに由来する構造単位、上述した構造単位(I)及び式(IIIA)で表される構造単位を含んでいてもよい。
樹脂(A2)は、樹脂(A1)と互いに異なる別個の樹脂であってもよいし、式(I)で表される構造単位及び式(IIIA)で表される構造単位を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であってもよい。
「酸に不安定な基」とは、脱離基を有し、酸と接触すると脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、式(1)で表される基、式(2)で表される基などが挙げられる。
[式(2)中、Ra1'及びRa2'は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3'は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2'及びRa3'互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、前記炭化水素基及び前記2価の炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O―又は―S−で置き換わってもよい。]
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、下記のような基等が挙げられる。
式(1)においては、Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜16である。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
Ra2'及びRa3'が互いに結合して形成する2価の炭化水素基としては、例えば、式(I)におけるR2の炭化水素基から水素原子を1個取り去った基が挙げられる。
式(2)においては、Ra1'及びRa2'のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
式(2)で表される基の具体例としては、例えば、以下の基が挙げられる。
La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CH2)k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。Ra6及びRa7のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。
Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、下記のような基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下、より好ましくは6以下である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
酸安定モノマーとしては、好ましくは、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するモノマーが挙げられる。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下「ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)」という場合がある)又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下「ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)」という場合がある)に由来する構造単位を有する樹脂を使用すれば、レジストパターンの解像度及び基板への密着性を向上させることができる。
レジスト組成物をKrFエキシマレーザ露光(248nm)、電子線又はEUV光などの高エネルギー線露光に用いる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、好ましくは、ヒドロキシスチレン類であるフェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーを使用する。短波長のArFエキシマレーザ露光(193nm)などを用いる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、好ましくは、式(a2−1)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用する。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
式(a2−1)中、
La3は、−O−又は*−O−(CH2)k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、好ましくは、γ−ブチロラクトン環、又は、γ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が挙げられる。
La4〜La6は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CH2)k3−CO−O−を表す。
k3は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
Ra18〜Ra20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra21は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。p1、q1又はr1が2以上のとき、それぞれ、複数のRa21、Ra22又はRa23は、同一又は相異なる。
Ra18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1〜r1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
アダマンチル基を有するモノマーに由来する構造単位(特に、式(a1−1)で表される構造単位)の含有率は、好ましくは酸不安定モノマー(a1)に由来する構造単位の合計に対して15モル%以上である。アダマンチル基を有するモノマーに由来する構造単位の比率が増えると、レジストパターンのドライエッチング耐性が向上する。
樹脂(A2)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上(より好ましくは3,000以上、さらに好ましくは4,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。
本発明のレジスト組成物の樹脂(A)としては、上述した樹脂(A1)及び(A2)以外の樹脂、例えば、上述した酸不安定モノマー(a1)に由来する構造単位、酸安定モノマーに由来する構造単位の他、当該分野で用いられる公知のモノマーに由来する構造単位からなる樹脂等が含有されていてもよい。
本発明のレジスト組成物が、樹脂(A1)及び(A2)以外の樹脂を含む場合、これらの含有率は、本発明のレジスト組成物に含まれる樹脂(A)の合計量に対して、通常0.1〜50質量%であり、好ましくは0.5〜30質量%であり、より好ましくは1〜20質量%である。
酸発生剤(B)は、アルカリ現像液の作用により開裂する構造を有する。
アルカリ現像液の作用により開裂する構造とは、レジストパターンを製造するための現像工程において、アルカリ現像液の作用により開裂する構造をいう。言い換えると、アルカリの作用により分解し、アルカリ可溶性基に変換される塩基解離性基をいう。
このような酸発生剤(B)は、現像工程において、アルカリ現像液と接触すると、この構造が開裂して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する。
なお、本願でいう「開裂」とは、結合が切断されて複数の分子に分かれることを意味し、開環反応は含まない。
[式(Ba)中、R3は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
[式(Bb)中、R4は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又はフッ素原子を表す。]
このような構造(塩基解離性基)を有する酸発生剤(B)は、以下の方法で、開裂したことを確認できる。
例えば、塩基解離性基を有する酸発生剤を、溶剤に溶解させ、ここにアルカリ現像液を添加し、混合する。これによって、塩基解離性基を、アルカリ可溶性基(ヒドロキシ基又はカルボキシ基)に変換させることができる。アルカリ可溶性基の確認方法としては、生成した化合物の酸性度測定、NMR測定及びMS測定などが挙げられる。
溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。
アルカリとしては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、単結合又は2価の炭素数1〜17のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、炭素数3〜18の2価の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
R3〜R6は、上記と同じ意味を表す。
Z+は、有機カチオンを表す。]
Q1及びQ2は、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の2価のアルカンジイル基を表す。
Lb3は、単結合又は炭素数1〜12の2価のアルカンジイル基を表す。
Lb4は、炭素数1〜13の2価のアルカンジイル基を表す。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
Lb5は、炭素数1〜15の2価のアルカンジイル基を表す。
Lb6は、単結合又は炭素数1〜15の2価のアルカンジイル基を表す。
Lb7は、炭素数1〜15の2価のアルカンジイル基を表す。但しLb6及びLb7の合計炭素数の上限は16である。
Lb8は、炭素数1〜14の2価のアルカンジイル基を表す。
Lb9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11のアルカンジイル基を表す。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は12である。
Lb11は、単結合又は炭素数1〜13の2価のアルカンジイル基を表す。
Lb12は、炭素数1〜14の2価のアルカンジイル基を表す。但しLb11及びLb12の合計炭素数の上限は14である。
Yとしては、多環の脂環式炭化水素基が好ましく、アダマンタン環を含む多環の脂環式炭化水素基がより好ましい。
Rb4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の炭化水素基を表し、この炭化水素基は、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基及び炭素数6〜18の芳香族炭化水素基が好ましい。前記アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を有していてもよく、前記脂環式炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよく、前記芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を有していてもよい。また、Rb4とRb5が一緒になってヘテロ原子を有してもよい環を形成してもよい。
Rb7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表し、m2が2以上であるとき、複数のRb7は同一でも異なってもよ、n2が2以上であるとき、複数のRb8は同一でも異なってもよい。
Rb9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表すか、Rb9とRb10とは、それらが結合する硫黄原子とともに互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成する。該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。
Rb11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
Rb11とRb12は、それらが結合する−CH−CO−とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよい。該環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わってもよい。
Rb12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
Lb11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一でも異なってもよく、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一でも異なってもよく、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一でも異なってもよく、r2が2以上のとき、複数のRb16は同一でも異なってもよく、s2が2以上のとき、複数のRb17は同一でも異なってもよく、t2が2以上のとき、複数のRb18は、同一でも異なってもよい。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、下記のような基等が挙げられる。*は、アダマンタン環又はシクロヘキサン環との結合手を表す。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基などが挙げら
れる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
Rb9〜Rb11の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12であり、特に、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキル基及びイソボルニル基などが好ましい。
Rb12の芳香族炭化水素基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基などが好ましい。
Rb12の芳香族炭化水素基とアルキル基が結合したものは、典型的にはアラルキル基である。
Rb11とRb12とが結合する−CH−CO−とともに形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環などが挙げられる。
式(b2−1−1)中、
Rb19〜Rb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。また、Rb19〜Rb21から選ばれる2つが一緒になってヘテロ原子を有してもよい環を形成してもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は同一又は相異なり、w2が2以上のとき、複数のRb20は同一又は相異なり、x2が2以上のとき、複数のRb21は同一又は相異なる。
カチオン(b2−3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
例えば、式(II−a)で表される塩は、式(II−a−a)で表される化合物と式(II−a−b)で表される化合物とを、塩基性触媒下で反応させることにより、製造することができる。溶媒としては、クロロホルム等が挙げられる。塩基触媒としては、N−メチルピロリジン等が挙げられる。
[式中、X1は、ハロゲン原子又は−O−CO−R1を表す。その他の符号は、上記と同義である。]
式(II−a−b)で表される化合物としては、ヘプタフルオロブチリルクロリドなどが挙げられる。
その他の酸発生剤としては、非イオン系とイオン系とに分類されるが、本発明のレジスト組成物においては、いずれを用いてもよい。
非イオン系酸発生剤には、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が含まれる。イオン系酸発生剤は、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等がある。
Qb1及びQb2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Y’は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、前記アルキル基及び前記脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Z1+は、有機カチオンを表す。]
Qb1及びQb2は、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基及びプロパン−2,2−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
直鎖状アルカンジイルに、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、1−メチルブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
Lb2’は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb3’は、単結合又は炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb4’は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb3’及びLb4’の炭素数上限は13である。
Lb5’は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb6’及びLb7’は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb6’及びLb7’の炭素数上限は16である。
Lb8’は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb9’及びLb10’は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb9’及びLb10’の炭素数上限は12である。
中でも、Lb1は、好ましくは式(b1−1’)〜式(b1−4’)のいずれか、より好ましくは式(b1−1’)又は式(b1−2’)であり、さらに、好ましくは式(b1−1’)で表される2価の基である。特に、好ましくは、Lb2’が単結合又は−CH2−である式(b1−1’)で表される2価の基である。
式(b1−6’)で表される2価の基としては、式(b1−6)で表される2価の基に加え、例えば以下のものが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、以下の式(Y1)〜式(Y11)で表される基が挙げられる。
Y’の脂環式炭化水素基における−CH2−が−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(Y12)〜式(Y26)で表される基が挙げられる。
ヒドロキシ基含有脂肪族炭化水素基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、トリチル、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
Y’は、アルカリ現像液の作用により開裂する構造は含まないものが好ましい。
また、式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、特開2010−204646号公報に記載されたアニオンであってもよい。
また、酸発生剤(B1)等のその他の酸発生剤を含有する場合には、酸発生剤(B)とその他の酸発生剤との合計含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは40質量部以下(より好ましくは35質量部以下)である。
レジスト組成物が酸発生剤(B)及びその他の酸発生剤を含有する場合、酸発生剤(B)とその他の酸発生剤との含有量の比(質量)は、例えば、5:95〜95:5、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは15:85〜85:15である。
本発明のレジスト組成物に含有される溶剤(E)の含有率は、例えばレジスト組成物中90質量%以上、好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上であり、例えば99.9質量%以下、好ましくは99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
塩基性化合物(C)はクエンチャーとして作用する化合物である。
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)で表される化合物〜式(C8)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
Rc4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は同一又は相異なる。]
Rc9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9は同一又は相異なる。]
Rc14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。o3が2以上であるとき、複数のRc14は同一又は相異なり、p3が2以上であるとき、複数のRc15は、同一又は相異なる。
Lc1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。q3が2以上であるとき、複数のRc18は同一又は相異なり、r3が2以上であるとき、複数のRc19は同一又は相異なり、及びs3が2以上であるとき、複数のRc20は同一又は相異なる。
Lc2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリン等が挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A1)及び樹脂(A2)を含む樹脂(A)、酸発生剤(B)、並びに必要に応じて用いられる溶剤(E)、その他の酸発生剤、塩基性化合物(C)及びその他の成分(F)を混合することにより調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂などの種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
加熱後の組成物層を、現像装置を用いて、通常、アルカリ現像液を利用して現像する。
ここで用いられるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスし、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、特に液浸露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に有用である。
装置:HLC−8120GPC型(東ソー社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
式(H−1)で表される化合物25部、テトラヒドロフラン175部及びピリジン11.86部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、5℃に冷却し、式(H−2)で表される化合物14.82部を30分かけて添加した。5℃で1時間攪拌した後、酢酸エチル340部、5%塩酸66部及びイオン交換水85部を添加し、攪拌後、分液を行った。回収された有機層に、10%炭酸カリウム水溶液55部を添加し、攪拌後、分液を行った。回収された有機層に、イオン交換水85部を添加し、攪拌後、分液を行った。この水洗の操作を5回行った。回収された有機層を濃縮することにより、式(H−3)で表される化合物28.62部を得た。
式(H−4)で表される化合物10.69部、ジメチルホルムアミド53.47部、炭酸カリウム8.58部及びヨウ化カリウム1.03部を仕込み、40℃で1時間攪拌した後、式(H−3)で表される化合物28.62部及びジメチルホルムアミド57.24部の混合溶液を30分かけて添加した。40℃で6時間攪拌した後、23℃まで冷却した。得られた反応マスに、クロロホルム670部及び5%シュウ酸水溶液166部を添加し、攪拌後、分液を行った。回収された有機層に、イオン交換水265部を添加し、攪拌後、分液を行った。この水洗の操作を6回行った。回収された有機層を濃縮した後、得られた濃縮マスに、アセトニトリル7.58部及び酢酸エチル26.53部を添加、3時間攪拌した後、ろ過することにより、式(H)で表される化合物32.13部を得た。
MS(ESI(−)Spectrum):M− 535.1
MS(ESI(−)Spectrum):M− 435.1
式(II−45−a)で表される塩10.00部及びクロロホルム80.00部を仕込み、これを攪拌して溶解させた。これに式(II−45−b)で表される化合物7.97部(純度97.1%)を仕込み、次いで、リチウムアミド0.15部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。さらに、モレキュラーシーブ(5A;和光純薬工業(株)製)13.00部を添加し、60℃で8時間加熱攪拌した。23℃まで冷却し、濾過して、濾液を取り出した。濾液にイオン交換水24.53部を添加、攪拌し、分液を行って有機層を回収した。回収された有機層を、水洗する操作を2回行った。水洗後の有機層に活性炭1.33部を添加、攪拌し、濾過して濾液を回収した。この濾液を濃縮することにより、淡黄色オイル20.20部を得た。得られた淡黄色オイル20.20部にアセトニトリル60.60部を添加して溶解し、濃縮した。更にこれに、酢酸エチル81.80部を添加した。得られた溶液を濃縮し、メチル−tert−ブチルエーテル76.60部を添加し、これを攪拌した。その後、2層に分離したので、上澄み液を除去して下層を取り出し、これを濃縮した。得られた濃縮液に、酢酸エチル66.00部を添加して、攪拌した。2層に分離したので、上澄み液を除去し、下層を取り出してこれを濃縮することにより、式(II−45ーc)で表される塩11.96部を得た。
式(II−45ーc)で表される塩6.60部、クロロホルム40.00部、1N塩酸水溶液7.70部とメタノール7.70部の混合溶液を仕込み、23℃で15時間撹拌した。その後、1N炭酸水素ナトリウム水溶液40.00部を仕込み、これを攪拌後、分液した。イオン交換水40.00部を仕込み、これを攪拌し、分液した。有機層を、水洗する操作を3回行った。水洗後の有機層に活性炭1.00部を添加、攪拌し、濾過して濾液を回収した。この濾液を濃縮することにより、淡黄色オイルとして、式(II−45ーd)で表される塩7.71部を得た。
式(II−45ーd)で表される塩3.09部、アセトニトリル15.50部及びカルボニルジイミダゾール0.89部を仕込み、50℃で2時間攪拌した。その後40℃まで冷却し、式(II−45ーe)で表される化合物1.00部をアセトニトリル9.00部に溶解した溶液を滴下し、40℃で3時間反応した。反応後冷却し、クロロホルム30部、イオン交換水30部を加えて攪拌し、分離した。有機層をイオン交換水30部で水層が中性になるまで水洗を繰り返した。有機層に活性炭1.00部を加えて攪拌し、ろ過した。ろ液を濃縮し、酢酸エチル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。残渣にtert−ブチルメチルエーテル10部を加えて攪拌し、上澄液を除去した。残渣をクロロホルムに溶解し、濃縮して、式(II−45)で表される塩 2.24部を得た。
MS(ESI(−)Spectrum):M− 535.1
樹脂の合成において使用したモノマーを下記に示す。
モノマーとして、モノマー(H)及びモノマー(I)を用い、そのモル比(モノマー(H):モノマー(I))が90:10となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを72℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.4×104の樹脂A1−1(共重合体)を収率75%で得た。この樹脂A1−1は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(H)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のn−ヘプタンに注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過し、重量平均分子量1.8×104の樹脂A1−2を収率75%で得た。この樹脂A1−2は、以下の構造単位を有するものである。
モノマー(D)、モノマー(E)、モノマー(K)、モノマー(C)及びモノマー(F)を、そのモル比〔モノマー(D):モノマー(E):モノマー(K):モノマー(C):モノマー(F)〕が50:5:4:33:8となるように混合し、全モノマー量の1.2質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.8mol%及び5.4mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量4.7×103の樹脂A2−1(共重合体)を収率71%で得た。この樹脂A2−1は、以下の構造単位を有するものである。各構造単位のモル比は、モノマー(D):モノマー(E):モノマー(B):モノマー(C):モノマー(F)=40.6:5.1:4.8:39.7:9.8であった。
モノマー(A)、モノマー(E)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(F)を、そのモル比〔モノマー(A):モノマー(E):モノマー(B):モノマー(C):モノマー(F)〕が45:5:9:33:8となるように混合し、全モノマー量の1.2質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、2.0mol%及び6.0mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量4.2×103の樹脂A2−2(共重合体)を収率80%で得た。この樹脂A2−2は、以下の構造単位を有するものである。各構造単位のモル比は、モノマー(A):モノマー(E):モノマー(B):モノマー(C):モノマー(F)=35.2:5.4:9.8:39.8:9.8であった。
モノマー(A)、モノマー(B)及びモノマー(F)を、そのモル比〔モノマー(A):モノマー(B):モノマー(F)〕が、50:25:25となるように混合し、さらに、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを80℃で約8時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収し、再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を3回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約9.2×103である共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2−3とする。
モノマー(D)、モノマー(E)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(F)を、そのモル比〔モノマー(D):モノマー(E):モノマー(B):モノマー(C):モノマー(F)〕が、30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.0×103の共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、モノマー(D)、モノマー(E)、モノマー(B)、モノマー(F)及びモノマー(C)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2−4とする。
モノマー(D)、モノマー(L)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(F)が、30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量8.2×103の共重合体を収率68%で得た。この樹脂A2−5は、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2−5とする。
モノマー(D)、モノマー(L)、モノマー(K)、モノマー(C)及びモノマー(F)が、35:15:3:27:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.9×103の共重合体を収率73%で得た。この共重合体は、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2−6とする。
モノマーとして、モノマー(G)、モノマー(F)及びモノマー(B)を用い、そのモル比(モノマー(G):モノマー(F):モノマー(B))が35:45:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.0mol%及び3.0mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.0×103の樹脂X1(共重合体)を収率75%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有するものである。各構造単位のモル比は、構造単位(G):構造単位(F):構造単位(B)=34.7:45.4:19.9。
モノマーとして、モノマー(J)及びモノマー(G)を用い、そのモル比(モノマー(J):モノマー(G))が80:20となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.5mol%及び1.5mol%添加し、これらを70℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量2.8×104の樹脂X2(共重合体)を収率70%で得た。この樹脂X2は、以下の構造単位を有するものである。各構造単位のモル比は、構造単位(J):構造単位(G)=80.2:19.8であった。
表2に示す各成分を混合して溶解することにより得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、レジスト組成物を調製した。
樹脂の合成で合成したA1−1、A1−2、A2−1〜A2−6、X1、X2
II−1:上記合成例で合成した式(II−1)で表される塩
酸発生剤II−1の50mgをジメチルスルホキシド0.7924gに溶解し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.25gを添加し、23℃で1時間攪拌したあと、酸発生剤II−1の分解物を確認したところ、塩基解離性基が開裂して以下の化合物が生成されていることを確認した。
酸発生剤II−9の50mgをジメチルスルホキサイシド0.7924gに溶解し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.25gを添加し、23℃で1時間攪拌したあと、酸発生剤II−9の分解物を確認したところ、塩基解離性基が開裂して以下の化合物が生成されていることを確認した。
酸発生剤II−45の50mgをジメチルスルホキサイシド0.7924gに溶解し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.25gを添加し、23℃で1時間攪拌したあと、酸発生剤II−45の分解物を確認したところ、塩基解離性基が開裂して以下の化合物が生成されていることを確認した。
酸発生剤B1の50mgをジメチルスルホキシド0.7966gに溶解し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.25gを添加し、23℃で1時間攪拌したあと、この溶液を確認したが、酸発生剤B1の分解物は確認できなかった。
酸発生剤B2の50mgをジメチルスルホキシド0.7998gに溶解し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.25gを添加し、23℃で1時間攪拌したあと、この溶液を確認したが、酸発生剤B2の分解は確認物できなかった。
酸発生剤B3の50mgをジメチルスルホキシド0.7981gに溶解し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液0.25gを添加し、23℃で1時間攪拌したあと、この溶液を確認したが、酸発生剤B3の分解物は確認できなかった。
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成工業(株)製)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
2−ヘプタノン 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。次いで、この有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、シリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表2の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、組成物層を形成した。組成物層が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表2の「PEB」欄に記載された温度で60秒間、加熱(ポストエキスポジャーベーク処理)した。次いでこのシリコンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
実効感度において、ホール径70nmのマスクで形成したパターンのホール径を、一つのホールにつき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の、ホール径70nmのマスクで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集団として標準偏差を求め、
標準偏差が1.85nm未満の場合を「◎」、
標準偏差が1.85nm以上2.00nm未満の場合を「○」、
標準偏差が2.00nm以上の場合を「×」として判断した。
その結果を表3に示す。カッコ内の数値は、標準偏差(nm)を示す。
12インチのシリコン製ウェハ(基板)に、レジスト組成物を、乾燥後の膜厚が0.15μmとなるように塗布(スピンコート)した。塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、表2のPB欄に示す温度で60秒間プリベーク(PB)し、ウェハ上に組成物層を形成した。
このようにして組成物層を形成したウェハに、現像機[ACT−12;東京エレクトロン(株)製]を用いて、60秒間、水リンスを行った。
その後、欠陥検査装置[KLA−2360;KLAテンコール製]を用いて、ウェハ上の欠陥数を測定した。結果を表3に示す。
Claims (6)
- (A1)式(I)で表される構造単位を有する樹脂、
(A2)アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂及び
(B)酸発生剤を含有するレジスト組成物であって、
前記酸発生剤は、少なくともアニオンにおいて、前記レジスト組成物を現像し得るアルカリ現像液の作用により開裂する構造を有する基として、式(Ba)で表される基又は式(Bb)で表される基を有する酸発生剤であるレジスト組成物。
[式(I)中、
R1は、水素原子又はメチル基を表す。
A1は、−(CH2)m1−、−(CH2)m2−O−(CH2)m3−又は−(CH2)m4−CO−O−(CH2)m5−を表す。
m1〜m5は、それぞれ独立に、1〜6の整数を表す。
R2は、フッ素原子を有する炭素数1〜10の炭化水素基を表す。]
[式(Ba)中、R 3 は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
[式(Bb)中、R 4 は、フッ素原子を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
R 5 及びR 6 は、それぞれ独立に、水素原子又はフッ素原子を表す。] - R2が、炭素数1〜6のフッ化アルキル基である請求項1記載のレジスト組成物。
- A1が、メチレン基である請求項1又は2記載のレジスト組成物。
- アルカリ現像液の作用により開裂する構造を有する酸発生剤が、式(II−a)で表される酸発生剤又は式(II−b)で表される酸発生剤である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。
[式(II−a)又は式(II−b)中、
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、単結合又は2価の炭素数1〜17のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、炭素数3〜18の2価の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
R3〜R6は、上記と同じ意味を表す。
Z+は、有機カチオンを表す。] - さらに溶剤を含有する請求項1〜4のいずれか記載のレジスト組成物。
- (1)請求項1〜5のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、を含むレジストパターンの製造方法。
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