JP6095394B2 - 基板処理システム及び基板処理方法 - Google Patents
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この場合、送り装置(第二搬送機構)が有する前記保持部は、第一搬送機構による基板の搬送範囲と重なる位置まで移動可能となる。そして、基板を保持したこの保持部を移動させることにより、基板の前端部が浮上板上に差し掛かってから基板の全体が浮上板上に位置するまで途中停止することなく基板を浮上板上に搬送することが可能となる。
この場合、第二搬送機構は、前記保持部と、この保持部を移動させる駆動部とを有した構成となる。そして、コンベア装置(第一搬送機構)によって基板を搬送している途中でその基板を保持部が保持し、この保持部を駆動部によって移動させることで、基板を保持するために基板を停止させずに済み、そして、基板の前端部が浮上板上に差し掛かってから基板の全体が浮上板上に位置するまで途中停止することなく基板を浮上板上に搬送することが可能となる。
図1は、基板処理システムの概略構成を示す斜視図である。この基板処理システムは、浮上搬送する薄板状のガラス基板(以下、基板Wという)に対して薬液やレジスト液等の液状物である塗布液Lを塗布する塗布装置10と、基板Wに塗布された塗布液Lを乾燥させる乾燥装置20とを備えている。また、この基板処理システムは、塗布装置10(後述の浮上板12)と乾燥装置20(後述の浮上板21)との間に、塗布液Lが塗布された基板Wを位置管理して搬送する連結コンベア(第一搬送機構)を有している。本実施形態の連結コンベアは、複数のローラ31を有するローラコンベア30であり、本実施形態における前記位置管理は、基板Wの少なくとも一部がローラ31に乗った状態となることにより行われ、これにより、基板Wが不測的に位置ずれするのを防ぐことができる。なお、これら塗布装置10、ローラコンベア30及び乾燥装置20の各部の動作は、基板処理システムが備えている制御装置(コンピュータ)9によって制御される。
基板Wは、図1の矢印X方向に搬送され処理が行われる。この基板搬送方向(矢印X方向)を前方向、その反対が後方、基板搬送方向と水平面上で直交する方向を幅方向、基板搬送方向および幅方向の双方に直交する方向を上下方向と呼ぶ。この基板処理システムでは、基板Wは、その上面(表面)が上方を向いた姿勢で直線的に搬送(平流し)される。
更に、塗布装置10は、浮上搬送する基板Wの上面に対して塗布液Lを吐出する口金16を備えている。図外のタンクから塗布液が口金16へと供給され、口金16から塗布液が吐出され基板Wに塗布液Lを塗布することができる。口金16は、幅方向に長く水平であるスリットが形成されており、このスリットから塗布液Lが吐出され、基板Wの幅方向のほぼ全長に対して塗布液Lを塗布する。また、塗布液Lは、基板Wの前側の一部(前端部t)から後側の一部(後端部e)まで、基板搬送方向のほぼ全長に対して塗布される。
また、浮上板21は、その下方に設置された図外のヒータにより加熱され昇温する。浮上板21の温度は全体が均一となるよう管理される。この昇温させた浮上板21により、浮上板21から浮上させた基板Wに熱を与え、基板W上の塗布液Lを乾燥させる。つまり、浮上板21をホットプレートとして用いている。また、基板W上の塗布液L全体を均等に乾燥させるために、基板Wの下面全体を浮上板21に対面させる必要があり、このために、浮上板21は、基板Wよりも基板搬送方向及び幅方向に広く構成されている。
この送り装置22によれば、基板Wは、その下面全体が浮上板21に対面する第一位置P1(図4(A)で一点鎖線により示す基板W)から、次の工程のための所定位置となる第二位置P2(図4(A)で二点鎖線により示す基板W)まで移動可能となる。つまり、送り装置22による基板Wの搬送範囲には、第一位置P1から第二位置P2までの範囲が含まれる。なお、後に説明するが、この送り装置22による基板Wの搬送範囲には、更に、第一位置P1から塗布装置10側の延長位置P0までの間も含まれる。
そして、図3(A)及び図4(B)に示しているように、このローラコンベア30は、基板Wのうちの後端部eを除く前端部Fを浮上板21上へ位置管理して搬送可能である。図3(A)及び図4(B)に示す状態は、最も前方のローラ31b上に基板Wの後端部eが乗った状態であり、この状態が、ローラコンベア30が基板Wを位置管理して搬送することが可能となる搬送限界である。この搬送限界を超えて基板Wを搬送すると、基板Wの後端部eとローラ31bとの縁が切れ、この基板Wは浮上板21上で浮上することから、基板Wの慣性によって浮上板21上でどこに位置するか定まらず、正確に基板Wを乾燥装置20へ渡すことができなくなる。
そこで、基板処理システムは、塗布液Lが塗布された基板Wを、ローラコンベア30上から浮上板21上へと移し替える際に機能する第二搬送機構40を備えている。
塗布ステップが終了すると、基板Wをローラコンベア30に渡す。図2(A)に示すように、基板Wの前端部tがローラコンベア30の上流端のローラ31aに乗ると、吸着手段14の移動を停止させ、基板Wを一旦停止させる。さらに、吸着手段14による吸着を解除し、ローラコンベア30を駆動させて基板Wを乾燥装置20側へと搬送する。なお、吸着手段14による前記吸着の解除とローラコンベア30による搬送開始とを同時に行い、基板Wを一旦停止させずに連続搬送してもよい。
ローラコンベア30の駆動により、基板Wの前端部tが浮上板21へ到達する手前の位置まで基板Wを搬送し、この位置で基板Wを一旦停止させる(図2(B)参照)。この基板Wの位置が、前記延長位置P0となる。
なお、図2(B)に示すように、基板Wが延長位置P0に位置する際(停止する際)、浮上板21の基板搬送方向上流端から、その基板Wは、基板搬送方向上流側へ離間しており、浮上板21と全く重なっていない。すなわち、基板Wが延長位置P0に位置した状態では、その基板Wの搬送方向上流端と、浮上板21の搬送方向上流端とが、基板Wの搬送方向の長さ寸法以上、離間している。このため、基板Wが延長位置P0に位置する際、その基板Wの一部が、浮上板21により加熱されることを防ぐことができる。
この補助搬送では、ローラコンベア30による基板Wの搬送開始の際の加速度と同じ加速度で保持部25(26)は同じ方向に移動を開始し、さらに、ローラコンベア30による基板Wの搬送速度が等速となれば、保持部25,26の移動速度も、その搬送速度と同じ一定速度で移動する。
そして、ローラコンベア30と送り装置22との協働により、基板Wの前端部tを先頭としてその基板Wを浮上板21へと搬送し、しかも、この基板Wの下面全体が浮上板21に対面する位置まで、送り装置22による搬送が継続される。基板Wが前記第一位置P1に到達すると(図3(B)参照)、保持部25(26)の移動が停止し、基板Wの搬送が中断される。
このように搬送することで、ローラ31と基板Wとの摩擦を最小限にすることができ、摩擦によるパーティクルの発生や基板Wの割れ(損傷)を防ぐことができる。
そして、浮上板21上に浮上させた基板Wの塗布液Lを、昇温させたこの浮上板21によって乾燥させる(乾燥ステップ)。この乾燥ステップでは、浮上させた基板Wは、保持部25,26により位置決めされた状態にあり、停止している。この乾燥ステップは所定時間(例えば数十秒)行われ、その後、保持部25,26が移動して基板Wを次のステップへ搬送する。
そして、浮上板21上に浮上させた基板Wの塗布液Lを、昇温させたこの浮上板21によって乾燥させる(乾燥ステップ)。この乾燥ステップでは、浮上させた基板Wは、乾燥装置20が備えている別の保持部により位置決めされた状態にあり、停止している。この別の保持部は、図4に示す実施形態の保持部25,26と同様の構成であってもよい。
なお、保持部27,28は、基板Wの後端をその後方から押す部分を更に備える構成としてもよいが、この場合、ローラコンベア30によって搬送される基板Wを追いかけるようにして保持部27,28を前方へ移動させ、保持部27,28が基板Wに追いつくために加速し、追いつくと基板Wと等速になる制御が必要となり、その制御がやや煩雑となる。これに比べて、図5の場合、保持部27,28の移動速度が基板Wの搬送速度と等しくなるまでの、保持部27,28の加速形態に大きな制約はなく、保持部27,28は、基板Wと等速となってから、この基板Wを幅方向両側のみから挟んで保持するため、その制御は容易である。
この搬送動作によれば、図8に示す従来のような「塗布液Lが塗布された基板Wの後端部eが浮上板96上に位置せず加熱されない状態で、かつ、この後端部eを除く前部分Fが浮上板96上に位置して加熱される状態で、基板Wが一旦停止してしまう」つまり「基板Wが、ローラコンベア98と浮上板96との間を跨いで停止してしまう」ことを防ぐことができ、後端部eと前部分Fとの間に、塗布液Lの乾燥開始の時間差に起因して、乾燥痕が発生するのを抑制することが可能となる。この結果、品質の良い基板Wを得ることができる。
また、各実施形態においてローラコンベア30を省略し、塗布装置10の搬送装置11を第一搬送機構として機能させてもよい。
21:浮上板 22:送り装置 25:保持部
26:保持部 27:保持部 28:保持部
30:ローラコンベア(第一搬送機構) 40:第二搬送機構
45:駆動部 46:駆動部 W:基板
L:塗布液 e:基板の後端部(基板の後側の一部)
t:基板の前端部(基板の前側の一部) F:前部分
Claims (4)
- 基板の上面に塗布液を塗布する塗布装置と、
前記基板よりも広くかつ塗布液が塗布された前記基板を浮上させる浮上板を有し、浮上させた前記基板の前記塗布液を、昇温させた当該浮上板によって乾燥させる乾燥装置と、
塗布液が塗布された前記基板を乗せた状態とすることで位置管理して搬送可能であり、当該基板の前側を先頭として、かつ、当該基板のうちの後側の一部を除く前部分を、前記浮上板上へ搬送可能とする第一搬送機構と、
前記第一搬送機構により前記前部分を前記浮上板上に搬送し終える前又は搬送開始する前に当該基板を保持する保持部を有し、かつ、前記基板を保持した前記保持部を、前記基板を乗せた状態での前記第一搬送機構による搬送と併せて、移動させることにより、当該基板の前端部が前記浮上板上に差し掛かってから当該基板の全体が前記浮上板上に位置するまで途中停止することなく当該基板を当該浮上板上に搬送する第二搬送機構と、
を備えていることを特徴とする基板処理システム。 - 前記乾燥装置は、前記浮上板上の前記基板を保持して次の工程へ搬送可能な送り装置を有しており、
この送り装置による前記基板の搬送範囲が、前記第一搬送機構による前記基板の搬送範囲と重なるように前記塗布装置側へ延長して設定されていることにより、当該送り装置が前記第二搬送機構として機能する請求項1に記載の基板処理システム。 - 基板の上面に塗布液を塗布する塗布装置と、
前記基板よりも広くかつ塗布液が塗布された前記基板を浮上させる浮上板を有し、浮上させた前記基板の前記塗布液を、昇温させた当該浮上板によって乾燥させる乾燥装置と、
塗布液が塗布された前記基板を位置管理して搬送可能であり、当該基板の前側を先頭として、かつ、当該基板のうちの後側の一部を除く前部分を、前記浮上板上へ搬送可能とする第一搬送機構と、
前記第一搬送機構により前記前部分を前記浮上板上に搬送し終える前又は搬送開始する前に当該基板を保持する保持部を有し、かつ、前記基板を保持した前記保持部を移動させることにより、当該基板の前端部が前記浮上板上に差し掛かってから当該基板の全体が前記浮上板上に位置するまで途中停止することなく当該基板を当該浮上板上に搬送する第二搬送機構と、
を備え、
前記第一搬送機構は、前記基板を乗せて搬送するコンベア装置からなり、
前記第二搬送機構は、前記コンベア装置の幅方向両側に設けられ当該コンベア装置による前記基板の搬送方向と同方向に前記保持部を移動させる駆動部を、更に有し、
前記コンベア装置によって前記基板を搬送している途中で当該基板を前記保持部が保持することを特徴とする基板処理システム。 - 基板の上面に塗布液を塗布する塗布ステップと、
塗布液が塗布された前記基板を当該基板よりも広い浮上板上に浮上させ、昇温させた当該浮上板によって前記基板の前記塗布液を乾燥させる乾燥ステップと、
塗布液が塗布された前記基板を乗せた状態とすることで位置管理して搬送可能な第一搬送機構により、当該基板の前側を先頭として、かつ、当該基板のうちの後側の一部を除く前部分を、前記浮上板上へ搬送する搬送ステップと、
を備え、
前記搬送ステップでは、前記第一搬送機構により前記前部分を前記浮上板上に搬送し終える前又は搬送開始する前に当該基板を保持し、かつ、保持した前記基板を、前記基板を乗せた状態での前記第一搬送機構による搬送と併せて、移動させ、当該基板の前端部が前記浮上板上に差し掛かってから当該基板の全体が前記浮上板上に位置するまで途中停止することなく当該基板を当該浮上板上に搬送する補助ステップが、第二搬送機構により並行して行われることを特徴とする基板処理方法。
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