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JP7252012B2 - 塗布装置 - Google Patents

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JP7252012B2
JP7252012B2 JP2019037509A JP2019037509A JP7252012B2 JP 7252012 B2 JP7252012 B2 JP 7252012B2 JP 2019037509 A JP2019037509 A JP 2019037509A JP 2019037509 A JP2019037509 A JP 2019037509A JP 7252012 B2 JP7252012 B2 JP 7252012B2
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Description

本発明は、ロールツーロールで搬送する長尺フィルムに連続的に塗液を塗布して、精度よく回路パターンを形成する塗布装置に関するものである。
従来、回路パターンを形成するために、スパッタリング、CVD、フォトリソグラフィー等の技術が知られていたが、近年、低コスト、省エネ、省資源に貢献するために、各種の印刷技術を用いた回路パターンの形成技術(プリンテッドエレクトロニクス)が注目されている。中でも、金属インクをインクジェットノズルから基材に滴下して回路パターンを形成した後、絶縁層をインクジェットノズルから基材に滴下し、さらにその上に金属インクをインクジェットノズルから基材に滴下して回路パターンを形成するようにして、多層の回路パターンを形成する技術が開発されている。
また、長尺フィルムに塗液を塗布するためには、生産効率の観点から長尺フィルムをロールツーロール搬送して連続的に塗布することがよく行われている。
特許文献1には、ロールツーロールで搬送されるフィルムへの塗布および乾燥を連続して実施する製造装置が記載されている。
特許文献1:特願2005-030682号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成の製造装置では、ロールツーロール搬送でフィルムに蛇行が生じた場合にフィルム上に位置精度良く回路パターンを形成することができないという問題があった。ここで、仮にフィルムへの塗布の際にはフィルムの搬送を止め、塗布ユニットの方を移動させて塗布を行う方法、いわゆる間欠搬送にすると、乾燥ユニット内に留まる時間にフィルムの位置によって差異が生じるため、乾燥ムラが生じるおそれがあった。また、乾燥ユニットの前後の境界部には、フィルムに熱伸びによる変形が生じるおそれがあった。
本発明は、上記問題点を鑑み、ロールツーロールで連続搬送しながら長尺フィルムに塗液を精度良く塗布し、乾燥させることができる塗布装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の塗布装置は、帯状の基材が巻き付けられており、回転することにより当該基材を送り出す送り出しロールと、回転することにより前記送り出しロールから送り出された基材を巻き取る巻き取りロールと、基材の搬送経路において前記送り出しロールと前記巻き取りロールとの間に位置し、基材を固定して基材に塗液を塗布する塗布部と、基材の搬送経路において前記塗布部と前記巻き取りロールとの間に位置し、一定速度で搬送されている基材上の塗液を乾燥させる乾燥部と、基材の搬送経路において前記塗布部と前記乾燥部との間に位置し、基材が折り返す状態を、その状態を形成する基材の長さが可変であるように維持する第1のバッファ部と、前記送り出しロールと前記塗布部との間に位置し、基材が折り返す状態を、その状態を形成する基材の長さが可変であるように維持する第2のバッファ部と、を備え、塗布動作時において、前記塗布部では基材を固定している一方、前記乾燥部では前記第1のバッファ部における基材の折り返し部の長さを消費するように基材を引き出すことによって、基材の搬送を続けていることを特徴とする。
本発明の塗布装置によれば、塗布部が基材を固定して基材に塗液を塗布することにより基材に高精度に塗液を塗布できると同時に、第1のバッファ部を有することによって乾燥部では基材の搬送を止めずに塗液を乾燥させることができるため、乾燥ムラおよび熱によるフィルムの変形も防ぐことができる。
また、前記第1のバッファ部は基材を保持する空間である基材保持空間を形成する底面部および側壁部、および当該基材保持空間を減圧する減圧手段を有すると良い。
こうすることにより、基材をばたつかせることなく基材が折り返す状態を維持することができる。
また、前記乾燥部は、基材上の塗液を乾燥させる乾燥炉と、基材の搬送経路において当該乾燥炉のすぐ上流側およびすぐ下流側に設けられた駆動ロールを有し、当該駆動ロールは、基材と当接し、当該駆動ロールが基材と当接する箇所の上流側と下流側とで基材の張力を遮断していても良い。
こうすることにより、乾燥炉内では基材がたわんだ状態とし、加熱によって基材が伸びることを防ぐことができる。
前記乾燥部は、前記乾燥炉と前記駆動ロールの間に設けられた、基材のたわみを測定もしくは検知するセンサを有していても良い。
こうすることにより、適当な基材のたわみを維持することができる。
また、前記塗布部は、基材の短手方向の端部を挟持し、基材を引っ張って移動させるグリップフィーダを有し、当該グリップフィーダの移動速度は、前記送り出しロールによる基材の送り出し速度および前記巻き取りロールによる基材の巻き取り速度よりも速いと良い。
こうすることにより、基材が速く、また、精度良く搬送でき、塗布全体の工程の中の搬送にかかる時間を比較的短くすることができる。
本発明の塗布装置により、ロールツーロールで連続搬送しながら長尺フィルムに塗液を精度良く塗布し、乾燥させることができる。
本発明における塗布装置を説明する図である。 本発明における塗布装置の塗布動作中の動きを表す図である。 本発明における塗布装置の塗布動作の中断時の動きを表す図である。 本発明における他の実施形態の塗布装置を説明する図である。
本発明の塗布装置について、図1を用いて説明する。
塗布装置1は、ロールツーロール方式により帯状の基材Wを一方向に搬送し、基材WにTFT回路パターンなどの印刷を行うものであり、送り出しロール2、塗布部10、乾燥部20、巻き取りロール3を有しており、これらがこの順に基材Wの搬送経路に並べて配置されている。この塗布装置1では、送り出しロール2から送り出された基材Wが巻き取りロール3で巻き取られることにより搬送される。そして、送り出しロール2から送り出された基材Wは、巻き取りロール3で巻き取られるまでに塗布部10における塗液の塗布および乾燥部20による塗液の乾燥が実施される。これにより、所定の回路パターンが印刷された基材Wを得ることができるようになっている。
また、本実施形態では、基材Wの搬送経路における塗布部10と乾燥部20との間にはバッファ部30が配置されており、また、送り出しロール2と塗布部10との間にはバッファ部40が配置されており、バッファ部30およびバッファ部40において基材Wの折り返しが形成、維持されている。
なお、本説明では、鉛直方向をZ軸方向、水平方向のうち基材Wの幅方向をY軸方向と呼び、水平方向においてY軸方向と直交する方向、すなわち基材Wの搬送方向をX軸方向と呼ぶ。
送り出しロール2は、基材Wを下流側に供給するためのものである。送り出しロール2は、図示しない制御装置により回転を駆動制御されることにより、基材Wを所定の速度で送り出すことができるようになっている。
ここで、基材Wは、帯状に形成されたワークであり、例えば、透明のPETフィルムなどが用いられる。
巻き取りロール3は、供給された基材Wを巻き取るものである。巻き取りロール3は、送り出しロール2と同様に、図示しない制御装置により回転を駆動制御されることにより基材Wを巻き取ることができるようになっている。
塗布部10は、送り出しロール2と巻き取りロール3による基材Wの搬送経路上に位置し、基材Wに塗液を塗布するものであり、本実施形態では、インクジェット法によって所定のパターンの形状(たとえばTFT回路パターンの形状)にしたがって塗液の液滴が吐出されることにより、基材Wの上面(塗布面)に所定の塗布パターンが形成される。
塗布部10は、吸着ステージ11、塗布ヘッド12、撮像部13、およびグリップフィーダ14とを有している。
吸着ステージ11は基材Wを吸着固定するものであり、基材Wと対向する面は、略平坦であり複数の吸引孔の開口部を有している。この吸引孔は、真空ポンプなどの図示しない減圧手段と接続されている。この減圧手段が動作することにより、吸引孔から気体が吸引され、基材Wが吸着固定される。
また、吸着ステージ11のすぐ上流側およびすぐ下流側にあるロール(リフトアップロールと呼ぶ)は図示しない鉛直方向(Z軸方向)の移動手段に取り付けられており、塗布部10において基材Wが搬送される間は、この移動手段によってリフトアップロールが上昇して基材Wが吸着ステージ11から離間し、搬送される基材Wとの干渉が防止されている。
塗布ヘッド12は、インクジェット法により塗液を吐出するものであり、基材Wと対向する面は、略平坦であり複数の吐出孔の開口部を有している。この吐出孔は、塗液が貯蔵された図示しないタンクと配管を経由して接続されており、各吐出孔に塗液が充填される。
また、各吐出孔にはピエゾアクチュエータから構成される駆動隔壁が備えられており、図示しない制御部からの命令によって駆動隔壁が動作することによって、吐出孔の開口部から液滴が吐出される。
また、複数の吐出孔は、等間隔に直線状に配列されている。また、塗布ヘッド12は、Z軸方向を回転軸とする回転手段に取り付けられており、この回転手段によって塗布ヘッド12が回転し、基材Wの幅方向(Y軸方向)に対する複数の吐出孔の配列方向の傾きが調節されることにより、各吐出孔のY軸方向の間隔が調節される。
ここで、塗布ヘッド12は、塗布ヘッド12を基材Wの長尺方向(塗布部10においてはX軸方向)に移動させる図示しない走査方向移動手段に取り付けられている。
なお、本説明では、塗布動作時に走査方向移動手段によって塗布ヘッド12がX軸方向に移動することを「走査する」と呼ぶ。
吸着ステージ11によって固定された基材Wの上方を塗布ヘッド12が走査しながら液滴の吐出を行うことにより、X軸方向の寸法がこの走査による塗布ヘッド12の移動距離(走査距離と呼ぶ)と同等であり、Y軸方向の寸法が複数の吐出孔が配置されている領域のY軸方向の寸法と同等である、塗布パターンが基材W上に形成される。
また、本実施形態では、塗布ヘッド12は、塗布ヘッド12を基材Wの幅方向(Y軸方向)に移動させる図示しないシフト方向移動手段に取り付けられている。塗布ヘッド12が走査しながら一連の塗布動作を実施した後、シフト方向移動手段によって塗布ヘッド12がY軸方向に移動し、その後、また塗布ヘッド12が走査しながら一連の塗布動作を実施する。なお、本説明では、一連の塗布動作を実施した後に塗布ヘッド12がY軸方向に移動することを「シフトする」と呼ぶ。なお、シフト動作時には塗布ヘッド12から塗液は吐出されない。
このように走査とシフトとが繰り返されることにより、複数の吐出孔が配置されている領域のY軸方向の寸法を超えるY軸方向の寸法の塗布パターンが基材Wの塗布面に形成される。
撮像部13は、本実施形態では1つもしくは複数のCCDカメラであり、X軸方向およびY軸方向に撮像部13を移動させる図示しない移動手段に取り付けられている。
この撮像部13によって、吸着ステージ11によって固定された基材Wの塗布面に形成されている特徴的なマーク(アライメントマーク)を撮像し、図示しない制御部がこのアライメントマークの座標を解析する。たとえば、吸着ステージ11によって固定された基材W上の4つのアライメントマークの座標が解析されることによって、制御部は基材Wの位置を把握することができる。
ロールツーロールで搬送される基材Wは必ずしも所定の方向に精度良く搬送されるとは限らず、少なからず蛇行をともなって搬送される。そのため、基材Wは吸着ステージ11によって固定された際に所定の位置からずれて固定される可能性もあるが、撮像部13による撮像結果をもとにアライメントマークの座標が解析されることによって、基材Wの固定位置のずれを把握することができる。
そして、塗布ヘッド12が塗液を塗布する前に基材Wの固定位置のずれが把握され、たとえば塗布座標が補正されるといったように塗布動作に反映されることにより、仮に基材Wが蛇行していても基材Wの塗布面に位置精度良く塗布パターンが形成される。
グリップフィーダ14は、基材Wの塗布面側と当接する上側部材と下面側と当接する下側部材とを有し、上側部材と下側部材の両部材が同時に基材Wに接触することによって基材Wを挟持するものである。
なお、グリップフィーダ14によって挟持される基材Wの領域は、基材Wの幅方向(短手方向)の端部であり、塗布パターンが存在しない範囲であり、グリップフィーダ14が塗布パターンを破壊することは無い。
また、グリップフィーダ14は、上記両部材をX軸方向に移動させる図示しない移動手段を有しており、基材Wの短手方向の端部を挟持した状態で両部材がX軸方向に移動することによって基材Wを引っ張って移動させることができる。このときの両部材の移動距離を上記塗布ヘッド12の走査距離と同等とすることにより、塗布パターンの丁度1つ分基材Wを進めることができ、前後の塗布動作によって形成される塗布パターンを隙間および重複が無いように形成することができる。また、このようなグリップフィーダ14が設けられていることにより、塗布部10において基材Wを精度良く一気に搬送させることができる。
乾燥部20は、基材Wの搬送経路において塗布部10よりも下流側に位置し、熱風により基材W上の塗布パターンを加熱乾燥するものであり、乾燥炉21、駆動ロール22、駆動ロール23、およびセンサ24を有する。
乾燥炉21は、基材Wが通過する空間を内部に備え、また、基材Wの入口および出口となる開口を有する箱状の装置である。乾燥炉21の内部空間を形成する面であり基材Wの上面と対向する面には、熱風を吹き出す複数の通風孔が設けられており、基材Wの塗布パターンが形成されている塗布面に対し、図1に矢印で示すように熱風を吹きつける。これにより塗布パターン内の溶剤の揮発が促進され、塗布パターンが乾燥、硬化する。
ここで、基材Wの長尺方向にわたって乾燥炉21による乾燥ムラおよび熱によるフィルムの変形が生じることを防止するために、乾燥炉21内は基材Wは一定速度で搬送されている。これにより、基材Wの全体にわたって熱風が当たる時間は均一となる。
なお、本実施形態では乾燥炉21では基材Wに熱風を当てているが、熱風により基材Wのばたつきが生じる場合には、熱風に代え、赤外線を基材Wに照射する乾燥手段であっても良い。
駆動ロール22および駆動ロール23は、図示しない駆動源によって回転するロール体であり、基材Wの塗布面と当接し、基材Wを下側から支えるフリーロールとで基材Wを挟持する。これにより、基材Wの搬送経路において駆動ロール22が基材Wと当接する箇所の上流側と下流側とで基材Wの張力を遮断することができ、駆動ロール22の上流側と下流側とで基材Wの張力を独立して制御することができる。それと同様に、駆動ロール23が基材Wと当接する箇所の上流側と下流側とで基材Wの張力を遮断することができ、駆動ロール23の上流側と下流側とで基材Wの張力を独立して制御することができる。
駆動ロール22は、基材Wの搬送経路において乾燥炉21のすぐ上流側に設けられ、また、駆動ロール23は、基材Wの搬送経路において乾燥炉21のすぐ下流側に設けられており、乾燥炉21における基材Wの搬送速度および張力は、駆動ロール22および駆動ロール23の回転速度に依存する。
なお、Y軸方向において駆動ロール22が基材Wの塗布面と当接する領域は、基材WのY軸方向の両端部の塗布パターンが形成されていない部分であり、駆動ロール22が塗布パターンを破壊することは無い。
また、駆動ロール23が基材Wの塗布面と当接する時は、乾燥炉21によって塗布パターンが硬化した後であるため、駆動ロール23はY軸方向において基材Wの全体と当接しても構わない。また、駆動ロール22と同様に基材WのY軸方向の両端部の塗布パターンが形成されていない部分とのみ当接しても構わない。
センサ24は、本実施形態では測定対象物に向かって光を出射し、測定対象物によって反射した光を受光する、いわゆる反射センサであり、乾燥炉21の入口近傍および出口近傍、すなわち乾燥炉21と駆動ロール22の間および乾燥炉21と駆動ロール23の間において基材Wの高さ(Z軸方向の位置)を計測する。
基材Wが張った(過度のテンションがかかった)状態で加熱されると、基材Wが伸びるように変形する。そこで、乾燥炉21内では、図1に示すように基材Wは若干撓んだ状態で搬送される。そのため、センサ24によって基材Wの高さを計測することにより、乾燥炉21内での基材Wのたわみを推測し、その結果を駆動ロール22および駆動ロール23の回転動作にフィードバックさせている。仮に基材Wが張っていたり過度にたわんでいたりして、基材Wのたわみ量が所定の範囲から逸脱した場合、図示しない制御部によって駆動ロール22および駆動ロール23の回転速度が調節され、適度なたわみ量に戻される。
バッファ部30は、基材Wの搬送経路において塗布部10と乾燥部20との間に位置し、基材Wに折り返しを形成させる装置である。なお、本説明では塗布部10と乾燥部20との間に位置するバッファ部30を第1のバッファ部と呼ぶ。
バッファ部30は、本実施形態では上方に開口を有する箱体であり、底面部31および側壁部32を有している。基材Wは、底面部31および側壁部32により形成される空間内に折り返しを形成するように収容される。なお、この底面部31および側壁部32により形成される空間を基材保持空間と呼ぶ。
底面部31は複数の吸引孔を有し、真空ポンプなどの図示しない減圧手段と接続されている。この減圧手段が動作することにより、図1に矢印で示すように吸引孔から気体が吸引され、基材保持空間が減圧される。
基材保持空間に基材Wが収容された状態で基材保持空間が減圧されることにより、基材Wに張力が付与されつつ折り返しが形成、維持される。すなわち、基材Wに適度な張力を付与することにより、基材Wを撓ませることなく安定して走行させることができる。
なお、基材Wに付与される張力は、減圧手段の吸引力を調節することにより調節することができる。
ここで、側壁部32のうち、収容した基材Wの面と対向する側壁部32には、複数のエア噴出孔および複数のエア吸引孔が形成されており、エア噴出孔からエアが噴出され、また、エア吸引孔からエアが吸引されるように構成されていても良い。こうすることにより、基材Wと側壁部32との間に所定の隙間を設けて離間させることができ、基材Wがバッファ部30と接触することを防止できる。また、バッファ部30内での基材Wのばたつきを生じさせにくくすることができる。
バッファ部40は、基材Wの搬送経路において送り出しロール2と塗布部10との間に位置し、基材Wに折り返しを形成させる装置である。なお、本説明では送り出しロール2と塗布部10との間に位置するバッファ部40を第2のバッファ部と呼ぶ。
バッファ部40は、バッファ部30と同様に、上方に開口を有する箱体であり、底面部41および側壁部42により基材保持空間が形成され、基材Wはこの基材保持空間内に折り返しを形成するように収容される。
底面部41は複数の吸引孔を有し、真空ポンプなどの図示しない減圧手段と接続されている。この減圧手段が動作することにより、図1に矢印で示すように吸引孔から気体が吸引され、基材保持空間が減圧される。
基材保持空間に基材Wが収容された状態で基材保持空間が減圧されることにより、基材Wに張力が付与されつつ折り返しが形成、維持される。すなわち、基材Wに適度な張力を付与することにより、基材Wを撓ませることなく安定して走行させることができる。
以上の構成の塗布装置1の動作について、図2および図3を用いて説明する。特に、基材Wの動きに注目し、基材Wが移動している箇所を太線で表示している。
図2は、塗布動作中の塗布装置1の動きを示す図である。
塗布動作時は、塗布部10のリフトアップロールが下降し、吸着ステージ11が基材Wを吸着固定した状態において塗布ヘッド12が走査しながら所定のパターンの形状にしたがって液滴15を吐出することにより、基材Wの塗布面に塗布パターンを形成する。なお、このときグリップフィーダ14の上側部材および下側部材は、基材Wから離間している。
このように吸着ステージ11が基材Wを吸着固定し、塗布ヘッド12の方が移動しながら塗布を行うことにより、上記の通り位置精度良く塗布パターンを形成することができるが、塗布動作が実施されている間は塗布部10において基材Wは動いていない。これに対し、乾燥部20においては乾燥ムラおよび熱によるフィルムの変形を防止するために駆動ロール22、駆動ロール23、および巻き取りロール3が回転駆動して一定速度で基材Wが搬送され続ける。
ここで、本発明では、塗布部10における基材Wの搬送停止および乾燥部20における基材Wの連続搬送を同時に実現するために、塗布部10と乾燥部20との間にバッファ部30が設けられている。これにより、塗布部10で基材Wの搬送が停止している間は、バッファ部30から基材Wを引き出し、バッファ部30における基材Wの収容長さを減少させながら(消費しながら)、乾燥部20における基材Wの搬送を続けることができる。
そのため、塗布を実施するために吸着ステージ11が基材Wの吸着を開始した時点においてバッファ部30内で折り返しを形成している基材Wの長さは、少なくとも吸着ステージ11が基材Wの吸着を開始してから吸着を解除するまでの間に乾燥部20において基材Wが進む距離と同等である必要がある。ただし望ましくは、塗布動作に何らかの不具合があり、基材Wを吸着固定する時間が長引く可能性があることを考慮し、吸着ステージ11が基材Wの吸着を開始した時点においてバッファ部30内で折り返しを形成している基材Wの長さは、吸着ステージ11が基材Wの吸着を開始してから吸着を解除するまでの間に乾燥部20において基材Wが進む距離より長いことが好ましい。
また、本実施形態では、送り出しロール2と塗布部10との間にバッファ部40が設けられており、塗布部10において基材Wの搬送が停止している間も送り出しロール2は巻き取りロール3の巻き取り速度と同等の送り出し速度で基材Wを送り出しており、その間、バッファ部40内の基材Wの収容長さは増加し続ける。
図3は、一連の塗布パターンの形成が完了し、塗布動作が中断された時の塗布装置1の動きを表す図である。
このとき、塗布部10において吸着ステージ11は基材Wの吸着を解除し、基材Wから離間している。そして、グリップフィーダ14が基材Wを挟持し、X軸方向に移動することにより、次に塗布パターンを形成する基材W上の領域が吸着ステージ11の真上に位置するように、塗布部10内の基材Wを移動させる。
ここで、グリップフィーダ14による基材Wの移動速度が送り出しロール2による基材Wの送り出し速度および巻き取りロール3による基材の巻き取り速度よりも速いことにより、基材が速く、また、精度良く搬送でき、塗布全体の工程の中の搬送にかかる時間を比較的短くすることができると同時にバッファ部30内に基材Wを補充し、収容長さを長くすることができる。
一方、バッファ部40からは基材Wは引き出されるため、収容長さは短くなるが、バッファ部40において基材Wの折り返しが形成されている以上、送り出しロール2には過剰な負荷はかからない。これに対し、仮に送り出しロール2と塗布部10との間にバッファ部40が無かった場合、送り出しロール2は動力を持たないフリーロールであり、グリップフィーダ14が移動した分だけ基材Wが送り出しロール2から引き出される、いわゆるストップ&ゴーの形態となるが、たとえば30m/分のような高速搬送になった場合には基材Wが送り出しロール2から引き出された際に慣性力が働き、ストップ&ゴーの動作の精度が悪くなるおそれがある。そのため、本実施形態のようにバッファ部40が設けられていることが好ましい。
次に、本発明における他の実施形態における塗布装置1を図4に示す。
図4に示す実施形態では、液受け部16が設けられており、たとえば塗布ヘッド12の吐出孔に塗液の詰まりを生じにくくするため、塗布ヘッド12は液受け部16の上方まで移動し、吐出孔にて塗液が乾燥し、固まって詰まることを防止するために連続して液滴の吐出動作を行う、いわゆるフラッシングが実施される。
ここで、塗布パターンの形成の途中でフラッシングが行われる場合には、フラッシング実施後に塗布パターンの形成を中断した箇所から塗布パターンの形成を再開させる必要があるため、塗布部10において基材Wを搬送させることはできない。これに対し、本発明のようにバッファ部30が設けられていることにより、塗布部10における基材Wの搬送は停止させつつ乾燥部20における基材Wの搬送を続けることができる。
以上の塗布装置により、ロールツーロールで連続搬送しながら長尺フィルムに塗液を精度良く塗布し、乾燥させることが可能である。
ここで、本発明の塗布装置は、以上で説明した形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。たとえば、上記の説明では、塗布部10において基材Wを固定する手段として吸着ステージ11における気体の吸引が行われているが、これに限らず、他の固定手段が採用されていても良い。たとえば、静電気により基材Wを吸着固定する静電吸着であっても良い。
また、グリップフィーダ14の1回の移動距離は塗布ヘッド12の走査距離よりも短くても良く、走査距離の1/n(nは2以上の整数)であっても良い。この場合、グリップフィーダ14がn回続けて基材Wを移動させることによって、走査距離分基材Wを移動させることができる。
また、塗布部において基材Wを搬送する機構は、グリップフィーダ14以外でも構わない。たとえば、基材Wを吸着させるサクションロールで基材Wを把持し、このサクションロールが回転駆動することにより基材Wを送り出す機構であっても良い。また、駆動ロールニップロールとで基材Wを挟持し、当該駆動ロールが回転駆動ことにより基材Wを送り出す機構であっても良い。
また、塗布パターンがたとえば紫外線照射により硬化する塗液から構成されるものである場合、乾燥炉21は熱風を吹き出すものでなく、基材Wの塗布面に紫外線を照射する装置となる。
また、上記の説明では、駆動ロール22および駆動ロール23は、基材Wを下方から支持するフリーロールとで基材Wを挟持する、いわゆるニップロールであるが、これに限らず、基材Wを吸着させるサクションロールであって基材Wの下面と当接するようにしても良い。基材Wの下面と当接することにより、塗布パターンを破壊する心配無くY軸方向において基材Wの全体と当接させることができる。また、駆動ロール22はニップロール、駆動ロール23はサクションロールというように、ニップロールとサクションロールの組み合わせであっても良い。
また、上記の説明では、バッファ部30およびバッファ部40は減圧により基材Wの折り返しを維持する、いわゆるエアダンサーであるが、それに限らず、たとえばダンサーロールを基材Wに当接させて基材Wの折り返しを形成するものであってもよい。この場合、特に塗布部10と乾燥部20との間にあるバッファ部30に用いられるダンサーロールが塗布パターンと接触することが無いよう、Y軸方向における基材Wの両端部にのみ当接する形態のダンサーロールである必要がある。
また、センサ24は、発行部と受光部とが基材Wを挟んでY軸方向に並んで配置されたセンサの組であり、フィルムのたわみ量が所定範囲にあることが検知できるものであっても良い。
1 塗布装置
2 送り出しロール
3 巻き取りロール
10 塗布部
11 吸着ステージ
12 塗布ヘッド
13 撮像部
14 グリップフィーダ
15 液滴
16 液受け部
20 乾燥部
21 乾燥炉
22 駆動ロール
23 駆動ロール
24 センサ
30 バッファ部
31 底面部
32 側壁部
40 バッファ部
41 底面部
42 側壁部
W 基材

Claims (6)

  1. 帯状の基材が巻き付けられており、回転することにより当該基材を送り出す送り出しロールと、
    回転することにより前記送り出しロールから送り出された基材を巻き取る巻き取りロールと、
    基材の搬送経路において前記送り出しロールと前記巻き取りロールとの間に位置し、基材を固定して基材に塗液を塗布する塗布部と、
    基材の搬送経路において前記塗布部と前記巻き取りロールとの間に位置し、一定速度で搬送されている基材上の塗液を乾燥させる乾燥部と、
    基材の搬送経路において前記塗布部と前記乾燥部との間に位置し、基材が折り返す状態を、その状態を形成する基材の長さが可変であるように維持する第1のバッファ部と、
    前記送り出しロールと前記塗布部との間に位置し、基材が折り返す状態を、その状態を形成する基材の長さが可変であるように維持する第2のバッファ部と、
    を備え
    塗布動作時において、前記塗布部では基材を固定している一方、前記乾燥部では前記第1のバッファ部における基材の折り返し部の長さを消費するように基材を引き出すことによって、基材の搬送を続けていることを特徴とする、塗布装置。
  2. 前記第1のバッファ部における前記折り返し部は、基材の垂れにより形成されることを特徴とする、請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記第1のバッファ部は基材を保持する空間である基材保持空間を形成する底面部および側壁部、および当該基材保持空間を減圧する減圧手段を有することを特徴とする、請求項1もしくは2に記載の塗布装置。
  4. 前記乾燥部は、基材上の塗液を乾燥させる乾燥炉と、基材の搬送経路において当該乾燥炉のすぐ上流側およびすぐ下流側に設けられた駆動ロールを有し、当該駆動ロールは、基材と当接し、当該駆動ロールが基材と当接する箇所の上流側と下流側とで基材の張力を遮断することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の塗布装置。
  5. 前記乾燥部は、前記乾燥炉と前記駆動ロールの間に設けられた、基材のたわみを測定もしくは検知するセンサを有することを特徴とする、請求項4に記載の塗布装置。
  6. 前記塗布部は、基材の短手方向の端部を挟持し、基材を引っ張って移動させるグリップフィーダを有し、当該グリップフィーダの移動速度は、前記送り出しロールによる基材の送り出し速度および前記巻き取りロールによる基材の巻き取り速度よりも速いことを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の塗布装置。
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