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JP5841880B2 - 蓄電装置 - Google Patents

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JP5841880B2
JP5841880B2 JP2012080049A JP2012080049A JP5841880B2 JP 5841880 B2 JP5841880 B2 JP 5841880B2 JP 2012080049 A JP2012080049 A JP 2012080049A JP 2012080049 A JP2012080049 A JP 2012080049A JP 5841880 B2 JP5841880 B2 JP 5841880B2
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Description

本発明は、系統電源と蓄電部との間に介挿される蓄電装置に関わり、詳しくは、停電等による系統電源の異常電圧低下の発生時に系統電源に代わって蓄電部に蓄電された電力を制御用電源に供給するようにした充放電・給電経路形成部について、その消費電力を低減するための技術に関する。
かかる蓄電装置の先行技術(非公知)として、図10〜図14に示すものがある。これらの図において、1は系統電源、2は負荷、3は蓄電部、4は主開閉部、5は主開閉部4に接続された双方向電力変換部、6は双方向電力変換部5に接続された平滑コンデンサ、7は系統電源1の停電等による異常電圧低下を検出するための電圧低下検出部、8は系統電源1に接続された制御用電源、9は電圧低下検出部7による検出動作に応答して各部に対する制御を行う制御部、10xは双方向電力変換部5と蓄電部3との間の充放電経路に介挿された充放電・給電経路形成部である。この充放電・給電経路形成部10xは、系統電源1の異常電圧低下時に制御用電源8に対する給電を系統電源1に代わって蓄電部3から行う機能と、蓄電部3の充電状態から放電状態への切り替え時に双方向電力変換部5や平滑コンデンサ6への突入電流を回避する機能も備える。
充放電・給電経路形成部10xは、メイン開閉器21、限流用開閉器22、限流用抵抗器23および給電経路形成用のダイオード24を備えている。メイン開閉器21、限流用開閉器22は、リレーコイルとリレー接点の組み合わせからなる電磁リレーで構成されている。充放電・給電経路形成部10xにおいては、メイン開閉器21が平滑コンデンサ6の高電位側端子と蓄電部接続端子T3との間に直列に挿入され、そのメイン開閉器21に対して限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路が並列に接続されている。さらに、限流用開閉器22と限流用抵抗器23との接続点にダイオード24のアノードが接続され、そのダイオード24のカソードが制御用電源8のダイオード接続端子T5に接続されている。制御部9は、主開閉部4、双方向電力変換部5および充放電・給電経路形成部10xのメイン開閉器21、限流用開閉器22のオン/オフ制御を司るものとして構成されている。この蓄電装置にあっては、系統電源1または蓄電部3から電源電力を受けて活性状態となる制御用電源8を起点として、蓄電装置の各部すなわち主開閉部4、双方向電力変換部5、電圧低下検出部7、制御部9その他へ電源電力を供給するようになっている。
次に、上記構成の先行技術の蓄電装置の動作を、(a)通常の充電状態からの系統切断時の動作と、(b)通常の放電状態からの系統切断時の動作とに分けて説明する。
図示はしていないが、蓄電装置の待機時すなわち非駆動状態にあっては、メイン開閉器21および限流用開閉器22は開成状態に保持されている。それは、蓄電部3からの放電による電力消費を防止するためである。蓄電装置を起動したときは、メイン開閉器21および限流用開閉器22は閉成状態へ切り替えられる(図10参照)。
(a)通常の充電状態からの系統切断時の動作
図10は蓄電装置の通常の充電状態を示している。すなわち、系統電源1が正常状態にあり、制御用電源8に対しては系統電源1から給電が行われている(系統電源1から制御用電源8に向かう太い矢印および○印参照)。このとき、系統電源1からの交流電力が負荷2に供給されているとともに、閉成状態にある主開閉部4を介して双方向電力変換部5にも供給される。系統電源1の正常状態では、制御用電源8から給電を受けている制御部9は、その制御機能として、充放電・給電経路形成部10xにおけるメイン開閉器21を閉成状態にしているとともに限流用開閉器22も閉成状態としている。
負荷2が系統電源1から交流電力を受けて動作している状態において、系統電源1からの交流電圧は双方向電力変換部5および平滑コンデンサ6によって所定電圧の平滑化された直流電圧に変換され、閉成状態にあるメイン開閉器21を介して蓄電部3が充電される。閉成状態にあるメイン開閉器21は、限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路を短絡するため、限流用開閉器22が閉成状態にあっても、平滑コンデンサ6からの出力電流はすべてメイン開閉器21に流れる。 なお、双方向電力変換部5から蓄電部3に流れ込んで蓄電部3を充電し、元の双方向電力変換部5に逆潮流させる電流は太い矢線で示されている。
図11は、図10の通常の充電状態において異常電圧低下により系統電源1が切断された直後の放電開始時の様子を示している。系統電源1が切断されると、電圧低下検出部7が動作して電圧低下検出信号を生成し、制御部9に送出する。電圧低下検出信号を受け取った制御部9は、メイン開閉器21を閉成状態から開成する。なお、制御部9から各部に向かって描かれた、あるいは制御部9に向けて描かれた破線の矢線は制御系統の信号ラインを表している。
系統電源1が切断され、系統電源1から制御用電源8への電力供給が遮断されると(制御用電源8に向かう破線の矢印と×印参照)、蓄電部3からの放電電流が閉成状態にある限流用開閉器22およびダイオード24を介して制御用電源8のダイオード接続端子T5に流入し、系統電源1の切断にもかかわらず、制御用電源8を活性状態に保持する。制御用電源8が活性状態に保持されているので、制御部9も活性状態に保持され、正常時と同様の制御が可能となっている。
一方、系統電源1が切断状態になると、系統電源1から双方向電力変換部5への電力供給が無くなる。そこで、制御部9は双方向電力変換部5の駆動を一旦停止する。また、蓄電部3は充電状態から放電状態へと切り替えられる。すなわち、蓄電部3からの放電が開始され、その放電電流が平滑コンデンサ6へ流入する。このとき、メイン開閉器21が開成状態に切り替えられているため、蓄電部3から平滑コンデンサ6に流れる電流は、限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路を通ることになる。この放電電流はメイン開閉器21の経路(開成状態)は通らず、限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路のみを通ることになり、限流用抵抗器23が限流作用を発揮するので平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5に対する突入電流が回避される。
以上のようにして、停電等による系統電源1の異常電圧低下の発生初期における蓄電部3の放電動作が安全に開始される。
図10の通常の充電状態にあって限流用開閉器22を閉成状態にしているのは、図11に示す系統電源1の異常電圧低下が何時如何なるときに発生しても、制御用電源8への給電状態の持続を即応的に確保するためである。もし、通常の充電状態で限流用開閉器22を開成していれば、その給電持続の即応が間に合わず、制御用電源8が非活性化され、充電状態から放電状態への安全な遷移が確保されなくなってしまうからである。
図12は放電動作開始直後に通常の放電状態へ移行した状態を示している。ここでは、制御部9は、双方向電力変換部5の駆動を再開するとともに、開成状態にあったメイン開閉器21を閉成している。主開閉部4は閉成状態とされている。したがって、双方向電力変換部5で生成された交流電力が閉成状態にある主開閉部4を介して負荷2へ供給される。
メイン開閉器21を閉成するのは、図11の段階で平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5に対する突入電流の流れ込みがすでに回避されており、蓄電部3からの放電電流が平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5に対して安定的に供給されるようになったためである。メイン開閉器21を閉成しても、最早、突入電流とはならないからである。また、メイン開閉器21を閉成しなければ、限流用抵抗器23に電流が流れ続け、限流用抵抗器23での電力消費が増大化することになるが、それを阻止するためにメイン開閉器21を閉成することとしている。メイン開閉器21を閉成すれば、限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路がバイパス的に短絡され、限流用抵抗器23には電流が流れなくなる。
制御部9によってメイン開閉器21を閉成すると、蓄電部3からの放電電流は、メイン開閉器21を通る経路と限流用開閉器22およびダイオード24を通る経路とに分岐する。限流用抵抗器23の両端の電位は同電位となるため、限流用抵抗器23には電流は流れず、限流用抵抗器23による電力消費は抑制される。制御用電源8のダイオード接続端子T5には蓄電部3からの放電電流が限流用開閉器22およびダイオード24の給電経路を介して流れ込むので、系統電源1が切断状態となっているにもかかわらず、制御用電源8の活性状態は維持される。メイン開閉器21を通る放電電流は平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5に供給され、双方向電力変換部5によって生成された交流電力が系統電源1に代わって負荷2に供給され、負荷2は引き続き正常に動作する。
以上の図10から図12までの遷移でみたように、系統電源1の切断にもかかわらず、負荷2への電力供給は継続される。これが蓄電装置による補償動作である。
(b)通常の放電状態からの系統切断時の動作
図13は蓄電装置の通常の放電状態を示している。蓄電部3からの放電電流がメイン開閉器21を通って平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5に供給されている状態で、系統電源1が正常に回復し、太い矢印および○印で示すように系統電源1から制御用電源8に給電が再開される。
この図13に示す通常の放電状態において、不測の系統電源1の異常電圧低下に即応する態勢を確保するために限流用開閉器22は閉成されている。ただし、メイン開閉器21は、限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路を短絡しているため、蓄電部3からの放電電流はすべてメイン開閉器21に流れ、限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路には電流が流れない。
図13の通常の放電状態において、異常電圧低下により系統電源1が切断されると、図14に示す状態へ移行する(破線の矢印と×印参照)。異常電圧低下によって系統電源1が切断されると、制御部9は双方向電力変換部5の駆動を一旦停止する。その結果、蓄電部3からの放電電流が閉成状態にある限流用開閉器22およびダイオード24を介して制御用電源8のダイオード接続端子T5に流入し、系統電源1の切断にもかかわらず、制御用電源8を活性状態に保持する。メイン開閉器21が継続して閉成状態にあるため、限流用抵抗器23には放電電流は流れない。制御用電源8への給電が確保された後、制御部9は双方向電力変換部5の駆動を再開する。
この(b)の図13から図14にかけての通常の放電状態からの異常電圧低下による系統電源1の切断時の動作にあっては、平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5への突入電流の問題は生じないため、(a)の通常の充電状態からの系統切断時の場合のような、メイン開閉器21と限流用開閉器22との交互の開成/閉成の動作は必要でない。
特開平06−46571号公報 特開平08−331870号公報 特開2002−320390号公報 特開2004−112954号公報 特開2004−222456号公報
上記の先行技術(非公知)の蓄電装置にあっては、通常の動作時(通常の充電状態および通常の放電状態)において、限流用開閉器22を常時的に閉成状態に保持している(図10および図13参照)。この場合、電磁リレーからなる限流用開閉器22において、そのリレーコイルへ通電してリレー接点を強制的に閉成する必要がある。そのため、限流用開閉器22を強制的に閉成しておくための電力消費が累積的に大きなものとなってしまうという問題がある。
限流用開閉器22をリレーコイルとリレー接点からなる電磁リレーで構成する場合、そのリレー接点はノーマリオフ(常開)方式とするのが一般的である。
もしノーマリオン(常閉)方式であれば、待機状態(非駆動状態)でリレー接点を閉成状態に保持しておくのに、リレーコイルを励磁するための電力を消費する。待機状態であるにもかかわらず、励磁電力を消費するのは不合理である。そこで、一般的にノーマリオフ方式とする。
ノーマリオフ方式とすれば、待機状態(非駆動状態)でリレー接点の開成にはリレーコイルを励磁する必要はなく、励磁電力の消費はない。
しかし、ノーマリオフ方式の場合、稼働状態(駆動状態)でリレー接点を閉成状態に保持しておくには、リレーコイルに励磁電流を流し続ける必要がある。この稼働状態での限流用開閉器の閉成状態保持に要する電力は、累積すると非常に大きなものとなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みて創作したものであり、系統電源の異常電圧低下時において、蓄電部の充電状態から放電状態への切り替わり初期に双方向電力変換部などに対する突入電流を回避するとともに、突入電流回避のために設けてある限流用開閉器と限流用抵抗器との直列回路における限流用開閉器につき、その強制的閉成に起因する電力消費をなくすことができるようにすることを目的としている。
本発明は、次のような手段を講じることにより上記の課題を解決する。
本発明による蓄電装置は、双方向電力変換部と制御用電源と充放電・給電経路形成部と制御部とを備えている。前記の双方向電力変換部は、蓄電部への充電状態において、系統電源からの交流電力を直流変換し、充放電経路を介して蓄電部に給電するように構成されている。双方向電力変換部はまた、蓄電部からの放電状態において、蓄電部の直流電力を交流変換し前記の充放電経路を介して系統電源へ逆潮流させるように構成されている。
前記の制御用電源は、系統電源または蓄電部から電源電力の供給を受けるように構成されている。
前記の充放電・給電経路形成部は、蓄電部と双方向電力変換部との間の前記の充放電経路を形成するとともに、停電等による系統電源の異常電圧低下に際して蓄電部から制御用電源への給電経路を形成するように構成されている。
前記の制御部は、制御用電源から駆動用の電力を受け、系統電源の異常電圧低下の検出に応答して充放電・給電経路形成部の制御を行うように構成されている。
さらに、前記の充放電・給電経路形成部は、前記の充放電経路内のメイン開閉器と、そのメイン開閉器に並列に接続された、限流用開閉器と限流用抵抗器との直列回路と、前記の限流用開閉器が接続された限流用抵抗器の一端側と制御用電源との間に接続された第1の一方向性素子と、限流用抵抗器の他端側と制御用電源との間に接続された第2の一方向性素子とを備えている。
また、前記の制御部は、蓄電部に対する通常の充電状態および通常の放電状態で、メイン開閉器を閉成状態とし、かつ、限流用開閉器を開成状態とし、通常の充電状態からの系統電源の異常電圧低下時には、双方向電力変換部の駆動を停止させた後に限流用開閉器を閉成し、次いでメイン開閉器を開成させるとともに双方向電力変換部の駆動を再開させ、その後にメイン開閉器を閉成し、さらにその直後に限流用開閉器を開成する制御を実行するように構成されている。
通常の充電状態において系統電源に異常電圧低下が発生すると、充放電・給電経路形成部における第2の一方向性素子が自動的に導通し、蓄電部から制御用電源への給電経路(第2の給電経路)が1つ確保される。次いで、制御部が限流用開閉器を閉成するので、第1の一方向性素子も導通し、蓄電部から制御用電源への給電経路(第1の給電経路)がもう1つ確保される。さらに制御部がメイン開閉器を開成するので、蓄電部から双方向電力変換部への電流の流れが限流用開閉器と限流用抵抗器との直列回路を通る経路へと切り替えられ、蓄電部からの放電電流は限流用抵抗器による限流作用を受けるため、双方向電力変換部に対して突入電流が流入することが回避される。その直後に制御部はメイン開閉器を再び閉成するので、放電電流は限流用抵抗器を流れなくなり、電力消費の増大が回避される。さらにその直後に制御部が限流用開閉器を開成する。以上のように、限流用開閉器が閉成状態となるのは、系統電源の異常電圧低下に起因する充電状態から放電状態への切り替わり初期時のみであり、通常動作時(平常時)および充電状態から放電状態への切り替わり後においては、限流用開閉器は開成状態のままでよいので、限流用開閉器につき、その強制的閉成に起因する電力消費をなくすことができる。
上記の構成における本発明の好ましい一態様として、前記の制御部は、通常の放電状態からの系統電源の異常電圧低下時には、メイン開閉器を閉成状態に保持するとともに、限流用開閉器を開成状態に保持した状態で、双方向電力変換部を一旦停止させることで蓄電部からの電源電力をメイン開閉器から第2の一方向性素子を介して制御用電源に給電し、その後双方向電力変換部の駆動を再開させる制御を実行するように構成されているという態様がある。通常の放電状態からの系統電源の異常電圧低下時の制御としては、上述の通常の充電状態からの系統電源の異常電圧低下時の制御とは異なり、放電状態から充電状態への切り替えはなく、放電状態を継続する。この場合、蓄電部からの放電電流突入の問題は生じない。したがって、限流用抵抗器を機能させる必要がなく、限流用開閉器も閉成する必要がなく、したがってまた、メイン開閉器も開閉する必要がない。系統電源の異常電圧低下に伴って第2の一方向性素子が自動的に導通するので、制御用電源に対する給電は、系統電源からの給電に代わって蓄電部から給電に切り替えられる。
さらに、本発明の好ましい一態様として、前記のメイン開閉器および限流用開閉器は、ノーマリオフタイプの電磁リレーで構成されているという態様がある。電磁リレー以外に、パワーMOSFETで構成してもよい。
さらに、本発明の好ましい一態様として、前記の第1および第2の一方向性素子は、ダイオードで構成されているという態様がある。これら両方の一方向性素子をダイオードで構成する代わりに、ダイオード構造のトランジスタで構成してもよい。それは、MOSFETの場合はゲートとドレインとを短絡接続したものであり、バイポーラトランジスタの場合はベースとコレクタとを短絡接続したものである。
さらに、本発明の好ましい一態様として、前記の双方向電力変換部は、系統電源から負荷への給電ラインに接続される正弦波コンバータおよび昇降圧チョッパで構成されているという態様がある。ここでの正弦波コンバータとしては、系統電源側から蓄電部側へは交流‐直流変換を行い、蓄電部側から系統電源側へは直流‐交流変換を行うブロックが好ましい。また、昇降圧チョッパとしては、系統電源側から蓄電部側へは降圧チョッパ機能をし、蓄電部側から系統電源側へは昇圧チョッパ機能をするブロックが好ましい。
本発明によれば、系統電源の異常電圧低下時の充電状態から放電状態への切り替わり初期における双方向電力変換部等への突入電流の回避はもちろん、通常動作時(平常時)および充電状態から放電状態への切り替わり後においては、限流用開閉器を開成状態にしておくことにより、限流用開閉器につき、その強制的閉成に起因する電力消費をなくすことができる。
本発明の実施例の蓄電装置の構成および動作説明図(その1) 本発明の実施例の蓄電装置の動作説明図(その2) 本発明の実施例の蓄電装置の動作説明図(その3) 本発明の実施例の蓄電装置の動作説明図(その4) 本発明の実施例の蓄電装置の動作説明図(その5) 本発明の実施例の蓄電装置の動作説明図(その6) 本発明の実施例の蓄電装置の動作説明図(その7) 本発明の実施例の蓄電装置の動作説明図(その8) 本発明の他の実施例の充放電・給電経路形成部の構成図 先行技術(非公知)の蓄電装置の構成および動作説明図(その1) 先行技術の蓄電装置の動作説明図(その2) 先行技術の蓄電装置の動作説明図(その3) 先行技術の蓄電装置の動作説明図(その4) 先行技術の蓄電装置の動作説明図(その5)
本発明による蓄電装置は、その大きな構成要素として、双方向電力変換部と制御用電源と充放電・給電経路形成部と制御部とを備えている。
前記の双方向電力変換部は、外部要素である系統電源と同じく外部要素である蓄電部との間で系統連系を行うものであり、蓄電部への充電状態において系統電源からの交流電力を直流変換し充放電経路を介して蓄電部に給電する一方、蓄電部の放電状態においては蓄電部からの直流電力を充放電経路を介して受け、交流変換して系統電源へ逆潮流させるように構成されている。
前記の制御用電源は、系統電源または蓄電部から電源電力の供給を受けて駆動し、さらに前記の制御部に対して駆動用の電力を供給するようになっている。
前記の充放電・給電経路形成部は、蓄電部と双方向電力変換部との間の充放電経路を形成するとともに、停電等による系統電源の異常電圧低下に際して、制御部からの制御によって、蓄電部から制御用電源への給電経路を形成するものである。系統電源に異常電圧低下が生じても、蓄電装置の動作を通常通り継続させるためには、制御部の動作継続が必要であり、その補償のために蓄電部から充放電・給電経路形成部を介して制御用電源に電源電力を供給するようにしている。
この充放電・給電経路形成部は、充放電経路内のメイン開閉器と、このメイン開閉器に並列に接続された、限流用開閉器と限流用抵抗器との直列回路と、限流用開閉器が接続された限流用抵抗器の一端側と制御用電源との間に接続された第1の一方向性素子と、限流用抵抗器の他端側と制御用電源との間に接続された第2の一方向性素子とを備えている。詳しくは次のとおりである。
限流用開閉器と限流用抵抗器との直列回路はメイン開閉器に対して並列に接続されている。第1の一方向性素子は、限流用開閉器と限流用抵抗器の接続点から制御用電源へ向かう給電経路を形成するもので、系統電源の正常時には非導通状態とされるようになっている。第2の一方向性素子は、限流用抵抗器とメイン開閉器の接続点から制御用電源へ向かう給電経路を形成するもので、これも系統電源の正常時には非導通状態とされるようになっている。
前記の制御部は、制御用電源から駆動用の電力を受け、系統電源の異常電圧低下の検出に応答して充放電・給電経路形成部の制御を行うものである。すなわち、この制御部は、蓄電部に対する通常の充電状態および通常の放電状態で、メイン開閉器を閉成状態とし、かつ、限流用開閉器を開成状態とする制御を実行する。さらに、制御部は、通常の充電状態からの系統電源の異常電圧低下時には、限流用開閉器を一時的に閉成し、次いでメイン開閉器を開成し直後に閉成し、さらにその直後に限流用開閉器を開成する制御を実行する。
詳しくは次のとおりである。
通常の充電状態において系統電源に停電等による異常電圧低下が発生すると、制御用電源に対する系統電源からの電源電力供給が低下することから、制御用電源の内部状態が変化し、その結果として、充放電・給電経路形成部における第2の一方向性素子がそれまでの非導通状態から導通状態へと遷移する。これに対して、第1の一方向性素子は非導通状態のままである。この差異が生じるのは、通常の充電状態にあっては、第2の一方向性素子のアノード側に接続のメイン開閉器が閉成状態にされているのに対して、第1の一方向性素子のアノード側に接続の限流用開閉器は開成状態にされているからである。
異常電圧低下の発生時には、第2の一方向性素子が直ちに導通状態に切り替わり、蓄電部からメイン開閉器および第2の一方向性素子を介して制御用電源に電源電力が供給される。つまり、蓄電部から制御用電源への給電経路(第2の給電経路)が確保される。この動作は、制御部による制御で行われるのではなく、系統電源の異常電圧低下に伴って生じる蓄電部と制御用電源との間の電位差変化に基づいて自動的に行われる。
制御部は、系統電源の異常電圧低下に応答して次の4つのステップの制御を実行する。
〈1〉制御部はまず、開成状態にあった限流用開閉器を閉成する。この閉成は、後記〈4〉までの一時的なものである。この限流用開閉器の閉成により、第1の一方向性素子も導通状態に切り替わり、蓄電部から制御用電源への給電経路(第1の給電経路)がもう1つ確保される。これで、次の〈2〉のメイン開閉器の開成切り替えの準備が整ったことになる。
〈2〉次いで制御部はメイン開閉器を開成する。メイン開閉器が開成されると、蓄電部から双方向電力変換部への電流の流れは、それまでのメイン開閉器を通る経路から〈1〉で閉成状態に切り替えられた限流用開閉器と限流用抵抗器との直列回路を通る経路へと切り替えられる。そうすると、蓄電部からの放電電流は限流用抵抗器による限流作用を受けるため、双方向電力変換部に対して突入電流が流入することが回避される。すなわち、突入電流を回避した状態で、蓄電部から双方向電力変換部への放電が開始されることになる。
この放電電流に対する限流作用のためにはメイン開閉器を開成する必要があるが、メイン開閉器を開成すると、メイン開閉器および第2の一方向性素子を介しての蓄電部から制御用電源への第2の給電経路が消失し、もし〈1〉の限流用開閉器の閉成を抜きにしてメイン開閉器を開成してしまうと、蓄電部から制御用電源への給電経路が無くなって、制御部が動作不能状態に陥ってしまうことになる。この不都合を回避するために、あらかじめ〈1〉の限流用開閉器の閉成を行っているのである。
〈3〉制御部は上記の〈2〉の直後にメイン開閉器を再び閉成する。蓄電部から双方向電力変換部への突入電流の回避は瞬間的に実現される。そこで、メイン開閉器を閉成状態に戻す。もし、この動作を行わないとなれば、蓄電部からの放電電流は限流用開閉器と限流用抵抗器との直列回路を流れ続けることになり、限流用抵抗器での電力消費が続くことになる。また、〈4〉の限流用開閉器の開成が行えないことになってしまう。限流用開閉器は原則開成状態に保持しておくのが本発明での前提となっている。したがって、突入電流の回避がなされた直後には、メイン開閉器を再び閉成するのである。メイン開閉器の閉成により蓄電部からの放電電流は限流用抵抗器を流れることはなく、電力消費の増大が回避される。
この〈3〉の状態では、蓄電部から制御用電源への給電経路は、第1の給電経路と第2の給電経路の2つが確保されている。
〈4〉制御部は〈3〉の直後に限流用開閉器を開成する。この状態は、蓄電部から双方向電力変換部への放電状態が安定的に開始された状態である。したがって、系統電源の正常時と同様に、限流用開閉器は元の開成状態に戻してよいことになる。すると、〈1〉〜〈3〉での限流用開閉器の閉成に要した電力は必要でなくなる。限流用開閉器を開成状態に戻すと、蓄電部から制御用電源への第1の給電経路が消失するが、蓄電部から制御用電源へは〈3〉で閉成状態に戻ったメイン開閉器と第2の一方向性素子とによる第2の給電経路が残っているので、異常電圧低下による系統電源の切断にもかかわらず、制御用電源を活性状態に保持することが可能である。
以上の一連の制御動作の結果、本発明によれば、系統電源の異常電圧低下に起因する充電状態から放電状態への切り替わり初期において、双方向電力変換部等に対する突入電流の回避はもちろん、通常動作時(平常時)および充電状態から放電状態への切り替わり後においては、限流用開閉器を開成状態にしておくことにより、先行技術で必要とした、リレーコイル励磁電力のような限流用開閉器につき、その強制的閉成に起因する電力消費は、これを確実に防止することが可能となった。
以下、本発明にかかわる蓄電装置の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、構成要素を列挙する。図1において、Aは蓄電装置、1は系統電源、2は負荷、3は蓄電部、4は主開閉部、5は双方向電力変換部、6は平滑コンデンサ、7は電圧低下検出部、8は制御用電源、9は制御部、10は充放電・給電経路形成部である。
充放電・給電経路形成部10の構成要素として、21はメイン開閉器、22は限流用開閉器、23は限流用抵抗器、24は第1の一方向性素子としての第1のダイオード、25は第2の一方向性素子としての第2のダイオードである。なお、メイン開閉器21、限流用開閉器22は、ノーマリオフタイプの電磁リレーにより構成されるが、半導体スイッチその他の開閉手段でもよい。
次に、上記の構成要素をもつ蓄電装置Aの構成を説明する。
蓄電装置Aは、その双方向入出力端子T1,T2が系統電源1と負荷2とを接続する主線路部に接続され、その蓄電部接続端子T3,T4に蓄電部3が接続されている。双方向入出力端子T1,T2には、系統電源1から見て、電圧低下検出部7、主開閉部4、双方向電力変換部5および平滑コンデンサ6がこの順に接続され、平滑コンデンサ6が蓄電部接続端子T3,T4に接続されている。平滑コンデンサ6の高電位側端子と蓄電部接続端子T3とを結ぶ充放電経路中に充放電・給電経路形成部10が介挿されている。
双方向電力変換部5は、系統電源1の交流電力を直流電力に変換し降圧して平滑コンデンサ6に出力する動作と、平滑コンデンサ6の直流電力を昇圧し交流電力に変換して負荷2へ出力する動作とが切り替え可能に構成されたもので、例えば正弦波コンバータと昇降圧チョッパおよび正弦波コンバータと昇降圧チョッパとの間の平滑コンデンサから構成される。
また、双方向入出力端子T1,T2と主開閉部4との間に電圧低下検出部7が介挿されている。これとは別経路で双方向入出力端子T1,T2に制御用電源8が接続され、制御用電源8の出力側に制御部9が接続されている。電圧低下検出部7は、系統電源1の停電を含む瞬間的な基準電圧以下の電圧低下を検出するもので、その電圧低下を検出したときは制御部9に電圧低下検出信号を送出するように構成されている。
制御部9は、主開閉部4、双方向電力変換部5および充放電・給電経路形成部10を制御するものとして構成されている。すなわち、制御部9は、電圧低下検出部7から電圧低下検出信号を受け取ったときは、それまで活性状態(駆動状態)にあった双方向電力変換部5を一時的に非駆動状態に切り替える制御、および充放電・給電経路形成部10の状態を変更する制御を実行するように構成されている。
充放電・給電経路形成部10は次のように構成されている。すなわち、平滑コンデンサ6の高電位側端子と蓄電部接続端子T3との間にメイン開閉器21が挿入され、そのメイン開閉器21に対して限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路が並列に接続されている。さらに、限流用開閉器22と限流用抵抗器23との接続点に第1のダイオード24のアノードが接続され、その第1のダイオード24のカソードが制御用電源8のダイオード接続端子T5に接続されている。さらに、限流用抵抗器23と平滑コンデンサ6あるいはメイン開閉器21との接続点に第2のダイオード25のアノードが接続され、その第2のダイオード25のカソードが制御用電源8のダイオード接続端子T5に接続されている。
制御用電源8は、系統電源1の正常時も切断時も制御部9に電源電力を供給するものとして構成されている。また、この制御用電源8を起点として、蓄電装置Aにおける主開閉部4、双方向電力変換部5、電圧低下検出部7その他へ電源電力を供給するようになっている。
上記の構成において、限流用抵抗器23と平滑コンデンサ6との接続点と制御用電源8のダイオード接続端子T5との間に第2のダイオード25を挿入するのは、限流用開閉器22を常時的に開成していても、かつ、図2に示す停電等による異常電圧低下が何時如何なるときに発生しても、制御用電源8への給電状態が持続されることに対して、即応的に対処するためである。
次に、上記構成の蓄電装置Aの動作を、(A)通常の充電状態からの系統切断時の動作と、(B)通常の放電状態からの系統切断時の動作とに分けて、以下に説明する。
いま、系統電源1と蓄電部3とが蓄電装置Aを介して連系状態にあるとする。蓄電装置Aは、蓄電部3の電圧が相対的に低いときは双方向電力変換部5から蓄電部3への充電を行う通常の充電状態を呈し、蓄電部3の電圧が相対的に高いときは蓄電部3から双方向電力変換部5への放電を行う通常の放電状態を呈する。系統電源1の正常状態では、蓄電装置Aは、この通常の充電状態と通常の放電状態のいずれかの状態となる。
この通常の充電状態および放電状態にあっては、図1や図7に示すように、充放電・給電経路形成部10における限流用開閉器22は、先行技術(図10、図13参照)とは異なり、常時的に開成状態となるように構成されている。この限流用開閉器22はノーマリオフタイプであり、開成状態とするのに、そのリレーコイルに電流を流す必要はない。すなわち、系統電源1の正常時にあっては、限流用開閉器22につき、その強制的閉成に起因する電力消費は生じない。
(A)通常の充電状態からの系統切断時の動作
〔1〕通常の充電状態(図1参照)
上記の構成の説明に用いた図1は蓄電装置Aの通常の充電状態を示している。すなわち、系統電源1が正常状態にあり、系統電源1からの交流電力が負荷2に供給されているとともに、閉成状態にある主開閉部4を介して双方向電力変換部5にも供給されている。
また、制御用電源8に対して系統電源1から給電が行われており(太い矢印および○印参照)、制御用電源8は活性状態にある。
系統電源1の正常状態では、制御部9は、その制御機能として、主開閉部4を閉成状態に保ち、双方向電力変換部5を活性状態に保つとともに、充放電・給電経路形成部10におけるメイン開閉器21は閉成状態に保つ一方、限流用開閉器22は開成状態に保つように機能している。
以上の結果、系統電源1が正常状態にあるとき、蓄電装置Aの動作状態は次のようになっている。
負荷2は、系統電源1から交流電力を受けて動作している。双方向電力変換部5は、系統電源1から交流電力を受け、その交流電力を直流電力に変換し降圧し、その直流電力を閉成状態にあるメイン開閉器21を介して出力し、蓄電部3を充電している。
なお、蓄電装置Aの駆動開始初期(起動時)にあっては、双方向電力変換部5を活性化するのに先立って平滑コンデンサ6にあらかじめ充電しておくものとする。それは、駆動開始初期の蓄電部3等への突入電流を回避するためである。双方向電力変換部5からの直流電圧が平滑コンデンサ6で平滑化された上で蓄電部接続端子T3,T4に出力され、この直流電力によって蓄電部3が充電される。

〔2〕系統切断時(図2、図3参照)
図2は、図1の通常の充電状態において異常電圧低下により系統電源1が切断された直後の放電開始時の様子を示している。異常電圧低下により系統電源1が切断されると、そのことを電圧低下検出部7が検出し、電圧低下検出信号を制御部9に送出する。電圧低下検出信号を受け取った制御部9は、それまで活性状態にあった双方向電力変換部5の駆動を一旦停止する。これにより、双方向電力変換部5から蓄電部3への充電状態が停止され、代わって、蓄電部3から双方向電力変換部5への放電の状態へと移行する準備が整えられることになる。
この図2の状態では、メイン開閉器21は閉成状態のままであり、限流用開閉器22は開成状態のままである。したがって、蓄電部3からの放電電流が閉成状態にあるメイン開閉器21および第2のダイオード25からなる第2の給電経路を介して制御用電源8のダイオード接続端子T5に流入し、系統電源1の切断にもかかわらず、制御用電源8を活性状態に保持する。制御用電源8が活性状態に保持されているので、制御部9も活性状態に保持され、正常時と同様の制御が可能となっている。
図2の状態となった直後に図3の状態へと移行する。すなわち、制御部9は、充放電・給電経路形成部10における限流用開閉器22を開成状態から閉成状態に切り替える。
この切り替えの制御は、次の〔3〕で説明する図4の突入電流回避のためのメイン開閉器21の開成の準備動作である。もし、前もって限流用開閉器22を閉成せず開成状態のままとするなら、次の〔3〕でメイン開閉器21を開成した瞬間に制御用電源8のダイオード接続端子T5への放電電流の流入が消失し、制御用電源8が不測に非活性状態に切り替わってしまい、制御不能に陥る。この不都合を未然に回避するため、図4のメイン開閉器21を開成する前に図3のように限流用開閉器22を閉成しておくのである。
限流用開閉器22を閉成することにより、蓄電部3の放電電流は、メイン開閉器21および第2のダイオード25からなる第2の給電経路と限流用開閉器22および第1のダイオード24からなる第1の給電経路との2経路を介して制御用電源8のダイオード接続端子T5に流入する。したがって、制御用電源8の活性状態は保持される。
〔3〕放電開始時(図4参照)
図3の状態となった直後に図4の状態へと移行する。すなわち、制御部9は、充放電・給電経路形成部10におけるメイン開閉器21を閉成状態から開成状態に切り替える。このときすでに、限流用開閉器22が閉成状態となっており、制御用電源8の活性状態の保持はあらかじめ確保されている。メイン開閉器21を開成すると、蓄電部3からの放電電流は、限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路を通って平滑コンデンサ6や双方向電力変換部5に流れ込む。この放電電流は限流用抵抗器23による限流作用を受けるため、平滑コンデンサ6や双方向電力変換部5に対して突入電流が流入することが回避される。ここでの制御により、突入電流を回避した状態で、蓄電部3から双方向電力変換部5への放電が開始されることになる。
〔4〕通常の放電状態(図5、図6参照)
図4の状態となった直後に図5の状態へと移行する。すなわち、制御部9は、双方向電力変換部5の駆動を再開するとともに、充放電・給電経路形成部10におけるメイン開閉器21を開成状態から閉成状態に切り替える。双方向電力変換部5で生成された交流電力が閉成状態にある主開閉部4を介して負荷2へ供給される。
メイン開閉器21が閉成状態になると、蓄電部3からの放電電流は、限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路の経路に流れる状態からメイン開閉器21の経路に流れる状態へと切り替えられる。
放電電流がもっぱらメイン開閉器21の経路にのみ流れるのは、それと並列の限流用開閉器22と限流用抵抗器23との直列回路での抵抗値に比べてメイン開閉器21の経路の抵抗値が充分に小さいからであり、放電電流はメイン開閉器21を短絡的に流れることになる。すなわち、放電電流が限流用抵抗器23を流れるのは図4の一瞬のみであり、突入電流が回避されるに至った直後からは限流用抵抗器23には放電電流は流れないため、限流用抵抗器23での電力消費の増大は回避されることになる。換言すれば、限流用抵抗器23での電力消費は最小限のもので済ませることができる。なお、これについては先行技術でも同様のことが言え、このこと自体は本発明のポイントではない。
このとき、蓄電部3から制御用電源8のダイオード接続端子T5に流入する電流の経路は、図3と同様、2経路に戻る。
このようにして、蓄電部3からの放電電流が閉成状態のメイン開閉器21を介して平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5に供給される通常の放電状態が開始される。メイン開閉器21を通る蓄電部3からの放電電流は平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5に供給され、双方向電力変換部5によって生成された交流電力が主開閉部4を介して、系統電源1に代わって負荷2に供給され、負荷2は引き続き正常に動作する。
図5の状態となった直後に図6の状態へと移行する。すなわち、制御部9は、充放電・給電経路形成部10における限流用開閉器22を閉成状態から元の開成状態に切り替える。制御用電源8のダイオード接続端子T5へはメイン開閉器21および第2のダイオード25の第2の給電経路を介して放電電流が流入し続けるため、制御用電源8の活性状態は保持される。蓄電部3からの放電電流は、図5の状態に引き続き、メイン開閉器21を介して平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5に供給される。
以上のようにして、停電等による異常電圧低下の発生初期における蓄電部3の放電動作が安全に開始される。すなわち、系統電源1の切断にもかかわらず、負荷2への電力供給は継続され、負荷2は切断前と同様に安定的な動作を継続する。
図1の通常の充電状態および図6の通常の放電状態にあって、限流用開閉器22が開成されているため、限流用開閉器22を強制的に閉成しておくための電力消費をなくすことができる。これは、図10〜図12に示した限流用開閉器22が常時的に閉成されている先行技術に比べて、消費電力抑制の観点で大きな効果をもたらす。すなわち、本発明実施例の蓄電装置Aによれば、系統電源1の切断時における制御用電源8の活性状態保持と、蓄電部3からの放電開始時における平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5への突入電流の確実な回避とを達成しつつ、系統電源1の正常時には限流用開閉器22は常時的に開成状態としておいてもよいことから、先行技術の場合のような限流用開閉器22を強制的に閉成しておくための電力消費をなくすことができる。
図3の状態から図5の状態にかけて限流用開閉器22を強制的に閉成状態に切り替え保持しておくためのリレーコイルへの通電が必要となるが、その期間はきわめてわずかなものであり、必要な電力もきわめてわずかなものですむ。
(B)通常の放電状態からの系統切断時の動作
〔1〕通常の放電状態(図7参照)
図7は本発明実施例の蓄電装置Aの通常の放電状態を示している。蓄電部3からの放電電流がメイン開閉器21を通って平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5に供給されている図6の状態で、系統電源1が正常に回復し、図7で太い矢印および○印で示すように系統電源1から制御用電源8に給電が再開される。
メイン開閉器21は閉成状態にあり、限流用開閉器22は開成状態にある。蓄電部3からの放電電流は、閉成状態にあるメイン開閉器21を通って平滑コンデンサ6および双方向電力変換部5に流れ込む。双方向電力変換部5は、蓄電部3から供給される直流電力を昇圧および直流‐交流変換して交流電力を生成し、生成した交流電力を系統電源1に代わって負荷2に供給し、負荷2を正常に動作させている。
〔2〕系統電源切断後の放電状態(図8参照)
図7の通常の放電状態において、停電等による異常電圧低下により系統電源1が切断されると、図8に示す状態へ移行する。停電等による異常電圧低下によって系統電源1が切断されると、制御部9は双方向電力変換部5の駆動を一旦停止する。その結果、蓄電部3から閉成状態にあるメイン開閉器21および第2のダイオード25を通って制御用電源8のダイオード接続端子T5に放電電流が流入し、系統電源1の切断にもかかわらず、制御用電源8は、その活性状態が維持される。制御用電源8への給電が確保された後、制御部9は双方向電力変換部5の駆動を再開する。
以上の図7から図8にかけての状態遷移で分かるように、系統電源1の正常状態、切断状態のいかんにかかわらず、限流用開閉器22は常時的に開成状態となっているため、限流用開閉器22を強制的に閉成しておくための電力消費は起こらない。
図9の(a)〜(d)は充放電・給電経路形成部10に関して別の実施例の構成を示す。
図9(a)に示す充放電・給電経路形成部10では、第1および第2の一方向性素子24,25として、ダイオード構造のNチャンネル型のパワーMOSFETを採用している。すなわち、Nチャンネル型のMOSFETにおいて、そのゲートとドレインとを短絡接続したものであり、これはダイオードと同様に一方向性素子となる。
図9(b)に示す充放電・給電経路形成部10では、第1および第2の一方向性素子24,25として、Pチャンネル型のパワーMOSFETにおいて、そのゲートとドレインとを短絡接続したものであり、これも一方向性素子となる。
図9(c)に示す充放電・給電経路形成部10では、第1および第2の一方向性素子24,25として、ダイオード構造のバイポーラ型でNPN型のパワートランジスタを採用している。すなわち、NPN型のトランジスタにおいて、そのベースとコレクタとを短絡接続したものであり、これも一方向性素子となる。
図9(d)に示す充放電・給電経路形成部10では、第1および第2の一方向性素子24,25として、バイポーラ型でPNP型のパワートランジスタのベースとコレクタとを短絡接続したものであり、これも一方向性素子となる。
本発明は、無停電電力供給システム等における蓄電装置において、系統電源の切断時の蓄電部の充電状態から放電状態への切り替わり初期における双方向電力変換部への突入電流を回避するとともに、突入電流回避のための限流用開閉器につき、その強制的閉成に起因する電力消費をなくし、消費電力を低減する技術として有用である。
1 系統電源
2 負荷
3 蓄電部
4 主開閉部
5 双方向電力変換部
6 平滑コンデンサ
7 電圧低下検出部
8 制御用電源
9 制御部
10 充放電・給電経路形成部
21 メイン開閉器
22 限流用開閉器
23 限流用抵抗器
24 第1のダイオード(第1の一方向性素子)
25 第2のダイオード(第2の一方向性素子)

Claims (5)

  1. 蓄電部への充電状態において系統電源からの交流電力を直流変換し充放電経路を介して前記蓄電部に給電するとともに、前記蓄電部からの放電状態において前記蓄電部の直流電力を交流変換し前記充放電経路を介して前記系統電源へ逆潮流させる双方向電力変換部と、
    前記系統電源または前記蓄電部から電源電力の供給を受ける制御用電源と、
    前記蓄電部と前記双方向電力変換部との間の前記充放電経路を形成するとともに停電等による前記系統電源の異常電圧低下に際して前記蓄電部から前記制御用電源への給電経路を形成する充放電・給電経路形成部と、
    前記制御用電源から駆動用の電力を受け、前記系統電源の異常電圧低下の検出に応答して前記充放電・給電経路形成部の制御を行う制御部とを備え、
    前記充放電・給電経路形成部は、
    前記充放電経路内のメイン開閉器と、
    前記メイン開閉器に並列に接続された、限流用開閉器と限流用抵抗器との直列回路と、
    前記限流用開閉器が接続された前記限流用抵抗器の一端側と前記制御用電源との間に接続された第1の一方向性素子と、
    前記限流用抵抗器の他端側と前記制御用電源との間に接続された第2の一方向性素子とを備え、
    前記制御部は、
    前記蓄電部に対する通常の充電状態および通常の放電状態で、前記メイン開閉器を閉成状態とし、かつ、前記限流用開閉器を開成状態とし、
    前記通常の充電状態からの前記系統電源の異常電圧低下時には、前記双方向電力変換部の駆動を停止させた後に前記限流用開閉器を閉成し、次いで前記メイン開閉器を開成させるとともに前記双方向電力変換部の駆動を再開させ、その後に前記メイン開閉器を閉成し、さらにその直後に前記限流用開閉器を開成する制御を実行するように構成してあることを特徴とする蓄電装置。
  2. 前記制御部は、通常の放電状態からの前記系統電源の異常電圧低下時には、前記メイン開閉器を閉成状態に保持するとともに、前記限流用開閉器を開成状態に保持した状態で、前記双方向電力変換部を一旦停止させることで前記蓄電部からの電源電力を前記メイン開閉器から前記第2の一方向性素子を介して前記制御用電源に給電し、その後前記双方向電力変換部の駆動を再開させる制御を実行するように構成されている請求項1に記載の蓄電装置。
  3. 前記メイン開閉器および前記限流用開閉器は、ノーマリオフタイプの電磁リレーで構成されている請求項1または2に記載の蓄電装置。
  4. 前記第1および第2の一方向性素子は、ダイオードで構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の蓄電装置。
  5. 前記双方向電力変換部は、前記系統電源から負荷への給電ラインに接続される正弦波コンバータおよび昇降圧チョッパで構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の蓄電装置。
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