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JP3680147B2 - 電源装置 - Google Patents

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JP3680147B2
JP3680147B2 JP2001131561A JP2001131561A JP3680147B2 JP 3680147 B2 JP3680147 B2 JP 3680147B2 JP 2001131561 A JP2001131561 A JP 2001131561A JP 2001131561 A JP2001131561 A JP 2001131561A JP 3680147 B2 JP3680147 B2 JP 3680147B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は外部交流電源に基づいて電源を供給する電源装置に関し、特に突入電流を防止する機構を備えた電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は第1の従来技術の構成を示す回路図である。ダイオードブリッジ1の一対の入力端には外部交流電源100が接続され、一対の出力端の間には平滑用容量素子3が接続されている。そして平滑用容量素子3の両端の電圧が主回路電源として外部の負荷へと供給される。例えば負荷としては三相モータ200を駆動する三相インバータ10が例示されている。
【0003】
インバータ10は制御回路7によってその動作が制御される。例えば三相インバータ10は各相に高電位側と低電位側にそれぞれトランジスタを有しており、総計6個のトランジスタの動作が、制御回路7からの6個の信号群である制御信号13によって制御される。
【0004】
絶縁式電源回路30及びその一対の入力端の間に接続された平滑用容量素子5の両端の電圧は、制御回路7の動作電源たる制御電源として機能する。但し、平滑用容量素子3,5の低電位側の端は、共通して接地されている。そして絶縁式電源回路30の一対の入力端は、自身の一対の出力端とは絶縁されていずれも接地とは絶縁されており、従って平滑用容量素子4の低電位側の端も接地とは絶縁されている。
【0005】
ダイオードブリッジ40の一対の入力端には外部交流電源100が接続され、一対の出力端の間には平滑用容量素子4が接続されている。そして平滑用容量素子4の両端が絶縁式電源回路30の一対の入力端に接続されている。
【0006】
外部交流電源100の投入時において平滑用容量素子3への突入電流、即ち平滑用容量素子3の充電の初期において過渡的に大きく流れる電流の発生を抑止するため、ダイオードブリッジ1の一方の入力端と外部交流電源100との間には抵抗素子8が設けられている。
【0007】
制御回路7の動作電源を得るために、ダイオードブリッジ40、平滑用容量素子4,5を設けているので、制御回路7の動作電源(制御電源)は負荷へと供給される主回路電源とは独立して得ることができる。そして制御電源が確立して制御回路7の動作が開始してから所定期間(いわゆる「限流期間」)経過後には、制御回路7からの制御信号14に基づいて導通するスイッチ9によって抵抗素子8の両端が短絡する。
【0008】
抵抗素子8の両端の短絡は、限流期間を適切に設定することにより、平滑用容量素子3の充電がほぼ完了した後に実行することができる。これにより、突入電流の虞のない、定常的な動作時において抵抗素子8での無駄な消費電力を回避することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に用いられる絶縁式電源回路30ではその内部に変圧器を備えることになる。従って絶縁式電源回路30を採用する電源装置のコストは高く、配置に要求される領域も大きくなる傾向にある。
【0010】
図6は第2の従来技術の構成を示す回路図である。図5に示された構成とは制御電源を得るための構成が異なっている。即ちダイオードブリッジ40、平滑用容量素子4、絶縁式電源回路30を省略し、非絶縁式電源回路6を採用している。非絶縁式電源回路6は例えば降圧チョッパで構成され、図中「+」で示された入力端と、入出力共通端Nと、出力端12とを有している。
【0011】
非絶縁式電源回路6の入力端及び入出力共通端Nはそれぞれ平滑用容量3の高電圧側の端及び低電圧側の端に接続されている。また出力端12と入出力共通端Nとの間には平滑用容量素子5が接続されており、図5に示された電源装置と同様、平滑用容量素子5の両端の電圧が制御回路7の動作電源たる制御電源として機能する。
【0012】
しかしながら、非絶縁式電源回路6は、その入力端と入出力共通端との間に主回路電源が供給されている。主回路電源は比較的に大容量に設定される平滑用容量素子3によって供給されるので、外部交流電源100が停電しても非絶縁式電源回路6の動作は速やかには停止せず、従って制御回路7の動作も速やかには停止しない。そのため以下に述べるように外部交流電源100が停電から速やかに復帰する、いわゆる瞬停と呼ばれる現象が生じた場合、突入電流の発生する可能性がある。
【0013】
図7は瞬停によって突入電流が発生する状態を示すタイミングチャートである。同図(a)は外部交流電源100の電圧を包絡線で示し、同図(b),(c)はそれぞれ主回路電源及び制御電源の電圧を示し、同図(d),(e)はそれぞれ制御回路7及びスイッチ9の動作を示している。
【0014】
時刻t0において外部交流電源100が投入されると、抵抗素子8を経由して平滑用容量素子3が充電され、主回路電源の電圧は比較的緩やかに上昇する。そして主回路電源の電圧が時刻t1(>t0)において所定のしきい値電圧VTH1に達すると、非絶縁式電源回路6のチョッパ動作により、制御電源の電圧が上昇し始める。更に制御電源の電圧が時刻t2(>t1)において所定のしきい値電圧VTH2に達すると、制御回路7の動作電源が確立され、それまで停止していた制御回路7の動作が開始する。時刻t2から限流時間τが経過した後の時刻t3において、制御信号14によってスイッチ9が導通する。これにより抵抗素子8の両端が短絡されるので、主回路電源の電圧は比較的急速に上昇する。
【0015】
主回路電源の電圧が安定した後、時刻t4(>t3)において外部交流電源100が停電し、その後速やかに時刻t5において復帰した場合を考える。平滑用容量素子3は比較的大容量であるので、外部交流電源100の停電によって平滑用容量素子3が放電しても、時刻t5に至るまでにしきい値電圧VTH1よりも低下しない場合がある。この場合、非絶縁式電源回路6の動作は継続しており、よって制御回路7の動作も継続している。既に時刻t3を経過しているのでスイッチ9は時刻t5においてもONしたままである。従って時刻t5において突入電流が発生する可能性がある。
【0016】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、電源装置のコストを高くしたり配置に要求される領域を大きくすることなく、しかも突入電流の可能性を小さくする電源装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1にかかるものは電源装置であって、外部交流電源(100)が接続される第1電源線(101)及び第2電源線(102)と、前記第1電源線に接続される第1端と、第2端とを有する抵抗素子(8)と、前記抵抗素子の前記第2端に接続された第1入力端と、前記第2電源線に接続された第2入力端と、第1出力端(11)及び第2出力端(103)とを有する第1整流回路(1)と、前記第1整流回路の前記第1出力端と前記第1整流回路の前記第2出力端との間に接続された第1容量素子(3)と、前記抵抗素子の前記第1端に接続された入力端と、前記第2電源線に接続された第2入力端と、出力端(21)とを有する第2整流回路(2)と、前記第2整流回路の前記出力端と前記第1整流回路の前記第2出力端との間に接続され、前記第1容量素子よりも容量値の低い第2容量素子()と、前記第2整流回路の前記出力端に接続された入力端と、出力端(12)と、前記第1整流回路の前記第2出力端に接続された入出力共通端(N)とを有する電源回路(6)と、前記電源回路の前記出力端と前記入出力共通端との間から動作電源が供給され、第1の制御信号(14)を出力する制御回路(7)と、前記抵抗素子と並列に接続され、前記第1の制御信号によって前記制御回路の動作開始後から所定期間経過後に導通し、前記制御回路の動作停止によって非導通するスイッチ(9)とを備える。
【0018】
この発明のうち請求項2にかかるものは、請求項1記載の電源装置であって、前記第1整流回路(1)は、前記第1整流回路の前記第1入力端に接続されたアノードと、前記第1整流回路の前記第1出力端(11)に接続されたカソードとを有する第1ダイオード(1a)と、前記第1整流回路の前記第2入力端に接続されたカソードと、前記第1整流回路の前記第2出力端に接続されたアノードとを有する第2ダイオード(1d)とを有する。
【0019】
この発明のうち請求項3にかかるものは、請求項2記載の電源装置であって、前記第2整流回路(2)は、前記第2整流回路の第1入力端に接続されたアノードと、前記第2整流回路の出力端(21)に接続されたカソードとを有する第1ダイオード(2a)を有する。
【0020】
この発明のうち請求項4にかかるものは、請求項3記載の電源装置であって、前記第2整流回路(2)は、前記第2整流回路の前記第2入力端と前記第2整流回路の前記第1ダイオード(2a)の前記アノードとの間に直列に介挿される抵抗素子(81)を更に備える。
【0021】
この発明のうち請求項5にかかるものは、請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載の電源装置であって、前記第1整流回路(1)は、前記第1整流回路の前記第2入力端に接続されたアノードと、前記第1整流回路の前記第1出力端に接続されたカソードとを有する第3のダイオード(1b)と、前記第1整流回路の前記第1入力端に接続されたカソードと、前記第1整流回路の前記第2出力端(103)に接続されたアノードとを有する第4のダイオード(1c)とを更に有する。
【0022】
この発明のうち請求項6にかかるものは、請求項5記載の電源装置であって、前記第2整流回路(2)は、前記第2整流回路の第2入力端に接続されたアノードと、前記第2整流回路の出力端(21)に接続されたカソードとを有する第2ダイオード(2b)を更に有する。
【0023】
この発明のうち請求項7にかかるものは、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の電源装置であって、前記制御回路(7)は、前記第1容量素子と並列に接続される負荷(10,200)を制御する第2の制御信号(13)を更に出力する。
【0024】
この発明のうち請求項8にかかるものは、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の電源装置であって、前記電源回路には降圧チョッパが採用される。
【0025】
例えば前記スイッチは、自身が動作しない場合において開放する接点を有するリレーによって実現される。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態にかかる電源装置の構成及びその外部との接続関係を示す回路図である。
【0027】
当該電源装置は、外部交流電源100に接続される電源線101,102を有している。これら一対の電源線が当該電源装置の入力端として機能する。
【0028】
電源線101には抵抗素子8の一端が接続されている。そして抵抗素子8の他端と電源線102とに、全波整流回路1の一対の入力端が接続されている。具体的には全波整流回路1はダイオード1a,1b,1c,1dを有していて、抵抗素子8の他端にはダイオード1aのアノードとダイオード1cのカソードとが共通に接続されている。また電源線102にはダイオード1bのアノードと、ダイオード1dのカソードとが共通に接続されている。つまり、全波整流回路1の一対の入力端の一方は抵抗素子8を介して電源線101に、他方は電源線102に、それぞれ接続されていることになる。なお、抵抗素子8には並列にスイッチ9が接続されている。
【0029】
全波整流回路1の出力端は一対存在し、その一方である出力端11に与えられる電位は、接地された他方に対して高電位となり、主回路電源の電圧として機能する。具体的には出力端11にはダイオード1aのカソードとダイオード1bのカソードとが共通に接続されている。またダイオード1cのアノードとダイオード1dのアノードとは共通に接続され、いずれも接続点103において接地される。
【0030】
出力端11と接続点103の間には平滑用容量素子3が接続され、その両端には外部負荷として三相インバータ10及び三相モータ200が接続されている。三相インバータ10は例えば各相に高電位側と低電位側にそれぞれトランジスタを有しており、総計6個のトランジスタのスイッチング動作により、モータ200に対して主回路電源の電圧が印加されるか否かが設定される。
【0031】
一方、電源線101,102には抵抗素子8を介さずに整流回路2が接続されている。整流回路2はダイオード2a,2bを有しており、ダイオード2a,2bのアノードが、それぞれ電源線101,102に接続されている。つまりダイオード2a,2bのアノードが整流回路2の一対の入力端として機能する。ダイオード2a,2bのカソードは共通して、整流回路2の出力端21に接続される。
【0032】
整流回路2の出力端21と接続点103との間には平滑用容量4が接続される。但し、平滑用容量3,4の容量値をそれぞれC1,C2としてC1>C2の関係がある。
【0033】
電源線101が電源線102よりも高電位の場合、全波整流回路1のダイオード1a,1dを介して、全波整流回路1の出力端11側が高電位となるように平滑用容量素子3が充電される。一方、電源線102が電源線101よりも高電位の場合、全波整流回路1のダイオード1b,1cを介して、全波整流回路1の出力端11側が高電位となるように平滑用容量素子3が充電される。
【0034】
電源線101が電源線102よりも高電位の場合、整流回路2のダイオード2aと、全波整流回路1のダイオード1dとを介して、整流回路2の出力端21側が高電位となるように平滑用容量素子4が充電される。一方、電源線102が電源線101よりも高電位の場合、整流回路2のダイオード2bと、全波整流回路1のダイオード1cとを介して、整流回路2の出力端21側が高電位となるように平滑用容量素子4が充電される。
【0035】
この発明では電源装置のコストを高くしたり配置に要求される領域を大きくすることが無いように、非絶縁式電源回路6が採用される。非絶縁式電源回路6は図中「+」で示された入力端と、入出力共通端Nと、出力端12とを有している。入出力共通端Nは非絶縁式電源回路6の入力端としても、出力端としても機能する。即ち、入出力共通端Nは入力端と共に一対の入力端として機能し、かつ入出力共通端Nは出力端12と共に一対の入力端として機能する。
【0036】
そして非絶縁式電源回路6の入力端と入出力共通端Nとは、それぞれ整流回路2の出力端21及び接続点103に接続される。また非絶縁式電源回路6の出力端12と入出力共通端Nとの間には平滑用容量5が接続される。出力端12に与えられる電位は、接地に対して高電位となり、後述する制御回路の動作電源として扱われる制御電源の電圧として機能する。従って、接続点103を介して、平滑用容量3,4,5の低電圧側の端が接地されることになる。
【0037】
制御回路7は上記の制御電源によって動作電源が供給され、制御信号13,14を出力する。制御信号13は三相インバータ10の6個のトランジスタの動作を制御するための6個の信号群からなる。一方、制御信号14はスイッチ9の開閉動作を制御する。
【0038】
スイッチ9は制御信号14によって制御回路7の動作開始後から限流期間τ経過後に導通し、制御回路7の動作停止によって非導通となる。スイッチ9は、例えば自身が動作しない場合において開放する接点を有するリレーによって実現される。制御信号14が活性化することによって当該接点が導通する。
【0039】
全波整流回路1の一方の入力端は電源線101に対して抵抗素子8を介して接続されており、制御回路7の動作が開始する前にはスイッチ9は非導通である。従って外部交流電源100の投入によって全波整流回路1の出力端11と接続点103との間に接続された平滑用容量素子3が充電される際、抵抗素子8によって当該充電に起因する突入電流を低減することができる。
【0040】
その一方、整流回路2の一方の入力端であるダイオード2aのアノードは、電源線101に対して抵抗素子8を介さずに接続されている。従って、整流回路2の出力端21と接続点103との間に接続された平滑用容量素子4は、外部交流電源100の投入によって急速に充電される。これにより制御回路7は動作を開始し、制御信号14によってスイッチ9が抵抗素子8の両端を短絡し、突入電流の危惧が無くなった期間での抵抗素子8における余分な電力消費を回避する。
【0041】
ここで平滑用容量素子3の容量値C1よりも平滑用容量素子4の容量値C2の方が小さいので、平滑用容量素子4への突入電流は小さい。また全波整流回路1の接続点103と非絶縁式電源回路6の入出力共通端Nとが接続されており、トランスが不要であり、非絶縁式電源回路6を小型化、低コスト化することができる。
【0042】
また外部交流電源100が停電した場合、平滑用容量素子3の放電は迅速であり、よって制御回路7の動作が速やかに停止する。これにより、外部交流電源100に瞬停が生じた場合にも、復帰時にはスイッチ9が非導通となり易く、突入電流の発生する可能性が小さくなる。図2を用いて以下にこの効果を詳細に説明する。
【0043】
図2は瞬停が生じた場合の種々の電圧、動作を示すタイミングチャートであり、従来の技術の図7に対応している。同図(a)は外部交流電源100の電圧を包絡線で示し、同図(b),(c)はそれぞれ主回路電源及び制御電源の電圧を示し、同図(d),(e)はそれぞれ制御回路7及びスイッチ9の動作を示している。
【0044】
時刻t0〜t3の動作は図7で示された動作と同様である。しかし主回路電源の電圧が安定した後、時刻t4(>t3)において外部交流電源100が停電し、その後速やかに時刻t5において復帰した場合には、様相が異なる。
【0045】
平滑用容量素子3は比較的大容量であるので、外部交流電源100の停電によって平滑用容量素子3が放電しても、時刻t5に至るまでにしきい値電圧VTH1よりも低下しない場合がある。しかしながら、本発明では非絶縁式電源回路6の一対の入力端は、比較的小容量の平滑用容量素子4の両端に接続されているため、制御電源の電圧は速やかに下降する。よって従来の技術と比較して、時刻t41(>t4)においてしきい値電圧VTH2よりも低下し、制御回路7の動作が停止する可能性が高い。従ってスイッチ9が時刻t41において非導通となる可能性も高い。
【0046】
従って時刻t5(>t41)において外部交流電源100が復帰した場合には抵抗素子8の両端は短絡されておらず、従来の技術と比較して突入電流が発生する可能性は低い。外部交流電源100の復帰により制御電源の電圧も上昇し、時刻t51(>t5)でしきい値電圧VTH2に到達することにより、制御回路7の動作も開始する。そして時刻t51から限流期間τ経過後の時刻t52において、再び制御信号14によってスイッチ9が導通する。
【0047】
本実施の形態において制御回路7は外部負荷たる三相インバータ10の制御をも行っているが、これは本発明において必須ではない。しかしながら、本発明では例えば時刻t2以降では、主回路電源の電圧が負荷の動作に充分な大きさに達していない状態でも、制御電源の電圧は制御回路7の動作電源が確立するに充分な大きさに達する。よって外部負荷の制御を制御回路7で行うことにより、主回路電源の電圧が負荷の動作に充分な大きさに達していない状態で、外部負荷の誤作動を回避する制御が行われる。制御回路7は例えばマイクロコンピュータで構成され、制御電源の電圧は数V〜十数Vのオーダーである。一方、主回路電源の電圧は外部負荷にも依存するが、数百Vのオーダーである。
【0048】
図3は非絶縁式電源回路6の構成を例示する回路図である。非絶縁式電源回路6は例えば降圧チョッパで構成することができる。即ち、非絶縁式電源回路6はトランジスタQ、ダイオードD、コイルLを有している。そしてトランジスタQのコレクタは非絶縁式電源回路6の入力端に接続され、エミッタはダイオードDのカソードとコイルLの一端に共通に接続される。またダイオードDのアノードは入出力共通端Nに、コイルLの他端は出力12に、それぞれ接続される。トランジスタQのベースは図示されない制御回路に接続され、当該制御回路によってトランジスタQのスイッチング動作が制御される。かかる降圧チョッパにより、平滑用容量素子4の両端の電圧から制御回路7の動作電源に適切な電圧へと降圧することができる。
【0049】
なお、整流回路2において半波整流を行う場合にはダイオード2a,2bのいずれか一方を省略することもできる。
【0050】
図4は本発明の変形を示す、整流回路2の回路図である。ダイオード2aのアノードと電源線101との間に限流抵抗81が設けられている。これにより、平滑用容量素子4の充電電流を急峻にすることがない。
【0051】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1にかかる電源装置によれば、第1整流回路(1)の第1入力端は第1電源線(101)に対して抵抗素子(8)を介して接続されており、制御回路(7)の動作が開始する前にはスイッチ(9)は非導通である。従って外部交流電源(100)の投入によって第1整流回路の第1出力端(11)と第1整流回路の第2出力端(103)との間に接続された第1容量素子(3)が充電される際、抵抗素子によって当該充電に起因する突入電流を低減することができる。
【0052】
その一方、第2整流回路(2)の第1入力端は第1電源線(101)に対して抵抗素子(8)を介さずに接続されている。従って、第2整流回路の出力端(21)と第1整流回路の第2出力端との間に接続された第2容量素子(4)は、外部交流電源(100)の投入によって急速に充電される。これにより制御回路(7)は動作を開始し、第1の制御信号(14)によってスイッチ(9)が抵抗素子の両端を短絡し、突入電流の危惧が無くなった期間での抵抗素子における余分な電力消費を回避する。
【0053】
しかも第1容量素子(3)よりも第2容量素子()の方が容量値が小さいので、第2容量素子への突入電流は小さい。また第1整流回路の第2出力端と電源回路(6)の入出力共通端とが接続されているので、電源回路として非絶縁式のものを採用でき、よって電源回路を小型化、低コスト化することができる。
【0054】
また第1容量素子(3)よりも第2容量素子()の方が容量値が小さいので、外部交流電源(100)が停電した場合、第2容量素子()の放電は迅速であり、よって制御回路(7)の動作が速やかに停止する。これにより、外部交流電源(100)が停電から速やかに復帰する、いわゆる瞬停と呼ばれる現象が生じた場合にも、復帰時にはスイッチが非導通となり易く、突入電流の発生する可能性が小さくなる。
【0055】
この発明のうち請求項2にかかる電源装置によれば、第1電源線(101)が第2電源線(102)よりも高電位の場合、第1整流回路(1)の第1ダイオード(1a)と、第1整流回路(1)の第2ダイオード(1d)とを介して、第1整流回路(1)の第1出力端(11)側が高電位となるように第1容量素子(3)が充電される。
【0056】
この発明のうち請求項3にかかる電源装置によれば、第1電源線(101)が第2電源線(102)よりも高電位の場合、第2整流回路(2)の第1ダイオード(2a)と、第1整流回路(1)の第2ダイオード(1d)を介して、第2整流回路(2)の出力端(21)側が高電位となるように第2容量素子(4)が充電される。
【0057】
この発明のうち請求項4にかかる電源装置によれば、第2容量素子(4)の充電電流を急峻にすることがない。
【0058】
この発明のうち請求項5にかかる電源装置によれば、第2電源線(102)が第1電源線(101)よりも高電位の場合、第1整流回路(1)の第3ダイオード(1b)と、第1整流回路(1)の第4ダイオード(1c)とを介して、第1整流回路(1)の第1出力端(11)側が高電位となるように第1容量素子(3)が充電される。
【0059】
この発明のうち請求項6にかかる電源装置によれば、第2電源線(102)が第1電源線(101)よりも高電位の場合、第2整流回路(2)の第2ダイオード(2b)と、第1整流回路(1)の第4ダイオード(1c)を介して、第2整流回路(2)の出力端(21)側が高電位となるように第2容量素子(4)が充電される。
【0060】
この発明のうち請求項7にかかる電源装置によれば、第1整流回路(1)の第1出力端(11)と第2出力端(103)との間に充分な電圧が印加されていない状態でも、第2容量素子(4)の充電によって電源回路(6)から充分な動作電源が得られる。よって制御回路(7)は、第1整流回路(1)の第1出力端(11)と第2出力端(103)との間に充分な電圧が印加されていない状態での負荷の誤作動を回避する制御を行うことができる。
【0061】
この発明のうち請求項8にかかる電源装置によれば、第2容量素子(4)の両端の電圧から制御回路(7)の動作電源に適切な電圧へと降圧する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる電源装置の構成及びその外部との接続関係を示す回路図である。
【図2】瞬停が生じた場合の種々の電圧、動作を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明に採用される非絶縁式電源回路の構成を例示する回路図である。
【図4】本発明の変形を示す回路図である。
【図5】第1の従来技術の構成を示す回路図である。
【図6】第2の従来技術の構成を示す回路図である。
【図7】瞬停によって突入電流が発生する状態を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 全波整流回路
2 整流回路
1a,1b,1c,1d,2a,2b ダイオード
3,4 平滑用容量素子
6 非絶縁式電源回路
7 制御回路
8 抵抗素子
9 スイッチ
10 三相インバータ
11,12,21 出力端
13,14 制御信号
100 外部交流電源
101,102 電源線
200 三相モータ

Claims (9)

  1. 外部交流電源(100)が接続される第1電源線(101)及び第2電源線(102)と、
    前記第1電源線に接続される第1端と、第2端とを有する抵抗素子(8)と、
    前記抵抗素子の前記第2端に接続された第1入力端と、前記第2電源線に接続された第2入力端と、第1出力端(11)及び第2出力端(103)とを有する第1整流回路(1)と、
    前記第1整流回路の前記第1出力端と前記第1整流回路の前記第2出力端との間に接続された第1容量素子(3)と、
    前記抵抗素子の前記第1端に接続された入力端と、前記第2電源線に接続された第2入力端と、出力端(21)とを有する第2整流回路(2)と、
    前記第2整流回路の前記出力端と前記第1整流回路の前記第2出力端との間に接続され、前記第1容量素子よりも容量値の低い第2容量素子()と、
    前記第2整流回路の前記出力端に接続された入力端と、出力端(12)と、前記第1整流回路の前記第2出力端に接続された入出力共通端(N)とを有する電源回路(6)と、
    前記電源回路の前記出力端と前記入出力共通端との間から動作電源が供給され、第1の制御信号(14)を出力する制御回路(7)と、
    前記抵抗素子と並列に接続され、前記第1の制御信号によって前記制御回路の動作開始後から所定期間経過後に導通し、前記制御回路の動作停止によって非導通するスイッチ(9)と
    を備える電源装置。
  2. 前記第1整流回路(1)は、
    前記第1整流回路の前記第1入力端に接続されたアノードと、前記第1整流回路の前記第1出力端(11)に接続されたカソードとを有する第1ダイオード(1a)と、
    前記第1整流回路の前記第2入力端に接続されたカソードと、前記第1整流回路の前記第2出力端に接続されたアノードとを有する第2ダイオード(1d)とを有する、請求項1記載の電源装置。
  3. 前記第2整流回路(2)は、
    前記第2整流回路の第1入力端に接続されたアノードと、前記第2整流回路の出力端(21)に接続されたカソードとを有する第1ダイオード(2a)
    を有する、請求項2記載の電源装置。
  4. 前記第2整流回路(2)は、
    前記第2整流回路の前記第2入力端と前記第2整流回路の前記第1ダイオード(2a)の前記アノードとの間に直列に介挿される抵抗素子(81)
    を更に備える、請求項3記載の電源装置。
  5. 前記第1整流回路(1)は、
    前記第1整流回路の前記第2入力端に接続されたアノードと、前記第1整流回路の前記第1出力端に接続されたカソードとを有する第3のダイオード(1b)と、
    前記第1整流回路の前記第1入力端に接続されたカソードと、前記第1整流回路の前記第2出力端(103)に接続されたアノードとを有する第4のダイオード(1c)と
    を更に有する、請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載の電源装置。
  6. 前記第2整流回路(2)は、
    前記第2整流回路の第2入力端に接続されたアノードと、前記第2整流回路の出力端(21)に接続されたカソードとを有する第2ダイオード(2b)
    を更に有する、請求項5記載の電源装置。
  7. 前記制御回路(7)は、前記第1容量素子と並列に接続される負荷(10,200)を制御する第2の制御信号(13)を更に出力する、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の電源装置。
  8. 前記電源回路には降圧チョッパが採用される、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の電源装置。
  9. 前記スイッチは、自身が動作しない場合において開放する接点を有するリレーによって実現される、請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の電源装置。
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