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JP5710214B2 - 入力装置および入力装置の制御方法 - Google Patents

入力装置および入力装置の制御方法 Download PDF

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JP5710214B2 JP2010247733A JP2010247733A JP5710214B2 JP 5710214 B2 JP5710214 B2 JP 5710214B2 JP 2010247733 A JP2010247733 A JP 2010247733A JP 2010247733 A JP2010247733 A JP 2010247733A JP 5710214 B2 JP5710214 B2 JP 5710214B2
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Description

本発明は、タッチセンサを備える入力装置および入力装置の制御方法に関するものである。
近年、携帯電話等の携帯端末、電卓、券売機等の情報機器、電子レンジ、テレビ、照明器具等の家電製品、産業用機器(FA機器)等には、ユーザによる入力操作を受け付ける操作部やスイッチ等の入力装置として、タッチパネルやタッチスイッチ等のタッチセンサを備える入力装置が広く使用されている。
このようなタッチセンサには、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の種々の方式が知られている。しかしながら、いずれの方式のタッチセンサにおいても、指やスタイラスペンによるタッチ入力を受け付けるものであって、タッチセンサ自体は、タッチされても、押しボタンスイッチのようには物理的に変位しない。
このように、タッチセンサがタッチされても、タッチセンサ自体が物理的に変位しないので、操作者は、タッチ入力が受け付けられても、入力に対するフィードバックを得ることができない。このため、操作者は、同じ位置を何度もタッチする等の繰り返し入力が生じ易く、操作者にストレスを与える場合がある。
このような繰り返し入力を防止するものとして、例えば、タッチ入力を受け付けて、音を鳴らしたり、当該入力位置に対応して表示部に画像表示されている入力ボタン等の入力用オブジェクトの表示色を変更する等の表示態様を変更したりして、聴覚や視覚により入力操作を確認できるようにしたものが知られている。
しかし、聴覚に働きかけるフィードバック方法の場合は、騒音環境下での確認が困難になるとともに、使用機器がマナーモード等で消音状態にある場合は、対応できないことになる。また、視覚に働きかけるフィードバック方法の場合は、表示部に表示されている入力用オブジェクトのサイズが小さいと、特に指入力の場合は、指の下に入力用オブジェクトが隠れて表示態様の変化が確認できない場合がある。
また、聴覚や視覚によらず、タッチセンサが入力を受け付けると、タッチセンサを振動させて、操作者の指先に触覚を発生させるようにしたフィードバック方法も提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2003−288158号公報 特開2008−130055号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に開示の技術は、単に、タッチセンサが入力を受け付けると、タッチセンサを振動させているに過ぎない。このため、特に、押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)のようなボタンスイッチがタッチセンサ上部に描画されている場合、タッチセンサの入力を受け付ける閾値が低い場合は、タッチセンサに指等が軽く触れた(タッチした)だけで触感が呈示される。これにより操作者がプッシュする前の意図しない動作(タッチ)に反応して誤操作を誘発したり、操作者にプッシュする前の意図しない動作(タッチ)による違和感を与えたりすることになる。ここで、タッチセンサのタッチによる入力を受け付ける閾値とは、タッチセンサが反応する閾値で、例えば抵抗膜方式においては、上部導電膜が下部導電膜に接触する押圧力の閾値であり、静電容量方式においては、接触による電気的信号の検出閾値である。
このような不都合を解決するため、本出願人は、タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出し、その検出荷重が触感を呈示する所定の基準を満たした際に、タッチ面を振動させて指等の押圧対象に、メタルドームスイッチのような押しボタンスイッチをプッシュした場合に、メタルドームが座屈した際に感じられるクリック触感を呈示するようにした入力装置を開発している。
この入力装置によれば、操作者がタッチ面をプッシュし、その押圧荷重が所定の基準を満たすとクリック触感が呈示されるので、上述した意図しないタッチによる誤操作を誘発したり、違和感を与えたりするのを確実に防止して、操作者に対して入力が受け付けられたのを触感として認識させることができる。
ところで、かかる入力装置を構成するには、タッチセンサやその制御部の基本構成の他に、タッチセンサに対する押圧荷重を検出する荷重センサや、タッチセンサを振動させるアクチュエータが必要となる。このため、その分、部品点数が増えてコストアップになるとともに、部品の設置スペースを確保する必要があることから、装置の大型化を招くことになる。
そこで、本出願人は、コストダウンおよび装置の小型化を図るために、圧電素子の圧電正効果および圧電逆効果を利用して、圧電素子を、タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重センサおよびタッチ面を振動させて押圧対象に触感を呈示するアクチュエータとして共用した装置を開発している。
ところが、本出願人による種々の実験検討によると、圧電素子を荷重センサおよびアクチュエータとして共用する場合、以下に説明するような改良すべき点があることが判明した。すなわち、この場合、圧電素子を圧電制御回路に接続し、該圧電制御回路により圧電素子の出力電圧に基づいて押圧荷重を検出し、押圧荷重が触感を呈示する所定の基準を満たした際に、圧電制御回路から圧電素子に駆動信号を供給して、圧電素子を振動させる構成が想定される。
例えば、図8に示すように、圧電素子の出力電圧Vsが、押圧対象によるタッチセンサの押圧によって上昇し、触感を呈示する基準の押圧荷重に相当する基準電圧Vrefに達した時点Pで、圧電素子に所要の駆動信号Vdを印加して圧電素子を駆動する。これにより、操作者に対して、メタルドームスイッチのような押しボタンスイッチをプッシュした場合に、メタルドームが座屈した際に感じられるクリック触感を呈示することができる。なお、図8では、駆動信号Vdとして、所定周波数のサイン波1周期を印加した場合を示している。
しかしながら、この場合、圧電素子は、負荷がかかった状態、すなわち、押圧対象によるタッチセンサの押圧下で振動させることになる。このため、圧電素子を振動させる駆動信号Vdは、押圧対象による押圧によって生じる出力電圧Vsよりも大きく、例えば30Vp-pとなる。しかも、この駆動信号Vdは、圧電素子の出力電圧Vsが基準電圧Vrefにある状態で、その出力電圧Vs(基準電圧Vref)に重畳して印加される。このため、圧電素子によっては、使用可能な電圧範囲を超えることになって、使用可能な圧電素子が制限されることになる。
その対策として、圧電素子の出力電圧Vsに基づいて押圧荷重を検出する荷重検出部と、駆動信号Vdにより圧電素子を駆動する圧電素子駆動部とを分離して設け、これら荷重検出部と圧電素子駆動部とを圧電素子に選択的に接続するようにして、圧電素子の駆動を制御する構成が想定される。これにより、例えば、図9に示すように、荷重検出部により圧電素子の出力電圧Vsが触感を呈示する基準電圧Vrefに達したのを検出した時点Pで、圧電素子の接続を圧電素子駆動部に切換えて、圧電素子駆動部により圧電素子を駆動信号Vdで振動させてクリック触感を提示することができる。
ところが、本発明者による更なる実験検討によると、上記のように荷重検出部と圧電素子駆動部とを分離して圧電素子の駆動を制御する場合、圧電素子の駆動後に荷重検出部で検出される圧電素子の出力電圧Vsは、実際には、図9に示したようには変化せず、荷重検出を開始する直前に圧電素子駆動部から印加された駆動信号Vdによる影響、もしくは押圧対象による押圧中の負荷の影響を受けることが解った。
例えば、図9に示したように、圧電素子の出力電圧Vsが基準電圧Vrefに達したのを検出して、圧電素子に駆動信号Vdを印加して圧電素子を駆動した後、圧電素子の接続先を荷重検出部に切換えて、圧電素子の出力電圧Vsを監視すると、その出力電圧Vsは、例えば図10に示すように変化する。すなわち、圧電素子の出力電圧Vsが、タッチセンサの押圧開始によって正極性側に増加する場合、圧電素子の駆動直後の出力電圧Vsは、0Vから負極性側に比較的急峻に増加し、その後は、蓄積されている電荷の自然放電により徐々に0Vに戻る挙動を示す。
このような現象は、駆動信号として、押しボタンスイッチのようなクリック触感を呈示する駆動信号を印加する場合に限らず、例えば「ブルル」と感じられる振動として認知できる触感を呈示する駆動信号を印加する場合においても、同様であると推定される。
このため、圧電素子の駆動後、直ちに、押圧荷重の検出を開始すると、例えば、圧電素子の残留電荷がほぼ0Vとなるまでの間に、操作者が基準電圧Vrefを超える強い押圧操作を行うと、予期せぬ触感が呈示されて、操作者に違和感を与えることになる。また、図10の場合において、例えば、荷重検出部に、正の基準電圧Vrefに対する負の基準電圧Vrefを設定して、圧電素子の駆動後、直ちに、押圧荷重の検出を開始することも考えられる。しかし、この場合には、出力電圧Vsが負の基準電圧Vrefに達した時点Qにおいて圧電素子が駆動されることになる。その結果、操作者に対して、短時間に連続してクリック触感を呈示することになって、押しボタンスイッチと異なる触感を呈示することになって、違和感を与えることになる。
なお、圧電素子に印加する駆動信号によっては、圧電素子の駆動後の出力電圧Vsが、図10の場合とは逆に、0Vから正極性側に変化する場合も想定される。この場合、圧電素子の駆動後、直ちに、押圧荷重の検出を開始すると、圧電素子の駆動直後に、出力電圧Vsが基準電圧Vrefに達して圧電素子が駆動されることになる。その結果、操作者に対して、短時間に連続してクリック触感を呈示することになって、同様に押しボタンスイッチとは異なる触感を呈示し、違和感を与えることになる。
このように、圧電素子を荷重センサおよび触感呈示用のアクチュエータとして共用し、圧電素子の接続先を荷重検出部または圧電素子駆動部に切換えて、押圧荷重の検出処理と、圧電素子の駆動処理とを行う場合は、圧電素子の駆動後の出力電圧Vsが実際に押下した押圧荷重に対応しない。このため、圧電素子の駆動直後から、荷重検出部による押圧荷重の検出動作を開始して圧電素子の駆動を制御するようにすると、操作者に対して適切に触感を呈示できない場合が生じることになる。
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、コストダウンおよび小型化が図れるとともに、種々の圧電素子が使用可能で、しかも操作者がタッチセンサを操作した際に、操作者に違和感を与えることなく適切に触感を呈示できる入力装置および入力装置の制御方法を提供することにある。
上記目的を達成する第1の観点に係る入力装置の発明は、
タッチ入力を検出するタッチセンサと、
一端が前記タッチセンサに装着され、反対の他端が開放された圧電素子と、
前記圧電素子の出力に基づいて前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出して、該押圧荷重が触感を呈示する基準を満たすか否かを判定する荷重検出部と、
前記荷重検出部が前記基準を満たすと判定した際に、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を駆動する圧電素子駆動部と、を備え、
前記荷重検出部は、前記圧電素子駆動部により前記圧電素子が駆動された後、所定時間経過してから前記押圧荷重の検出を再開する、
ことを特徴とするものである。
第2の観点に係る発明は、第1の観点に係る入力装置において、
前記圧電素子に蓄積された残留電荷を放電する放電回路をさらに有し、
前記放電回路は、前記所定時間の間に前記圧電素子に蓄積されている残留電荷を放電する、
ことを特徴とするものである。
第3の観点に係る発明は、第1または2の観点に係る入力装置において、
前記所定時間は40ms以下である、
ことを特徴とするものである。
さらに、上記目的を達成する第4の観点に係る入力装置の制御方法の発明は、
タッチ入力を検出するタッチセンサと、
一端が前記タッチセンサに装着され、反対の他端が開放された圧電素子と、
前記圧電素子の出力に基づいて前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出して、該押圧荷重が触感を呈示する基準を満たすか否かを判定する荷重検出部と、
前記荷重検出部が前記基準を満たすと判定した際に、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を駆動する圧電素子駆動部と、を備える入力装置の制御方法であって、
前記前記圧電素子を前記荷重検出部または前記圧電素子駆動部に選択的に接続するようにして、
前記圧電素子が前記荷重検出部に接続された状態で、前記荷重検出部が前記基準を満たすと判定した際に、前記圧電素子を前記荷重検出部から前記圧電素子駆動部へ接続を切換えて、前記圧電素子駆動部により前記圧電素子を駆動するステップと、
次に、前記圧電素子の駆動後、前記圧電素子を前記圧電素子駆動部から前記荷重検出部へ接続を切換えて、所定時間経過してから前記荷重検出部による前記押圧荷重の検出を再開するステップと、
を含むことを特徴とするものである。
本発明に係る入力装置は、圧電素子の圧電正効果および圧電逆効果を利用して、圧電素子を、タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重センサおよびタッチ面を振動させるアクチュエータとして利用して、部品を共用している。これにより、部品点数を削減できてコストダウンが図れるとともに、部品の設置スペースを少なくできて装置の小型化が図れる。また、圧電素子の出力に基づいて押圧荷重を検出する荷重検出部と、圧電素子を駆動する圧電素子駆動部とを設けているので、圧電素子駆動部により圧電素子を駆動する際に、圧電素子の出力に駆動信号を重畳することなく、駆動信号のみで圧電素子を駆動することができる。これにより、使用電圧範囲を低くできるので、種々の圧電素子が使用可能となる。しかも、圧電素子の駆動後、荷重検出部は所定時間経過してから押圧荷重の検出を再開するので、操作者に違和感を与えることなく適切に触感を呈示することが可能となる。
本発明の第1実施の形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 図1に示した接続切換部の一例の構成を示す回路図である。 図1に示した入力装置の概略動作を示すタイミングチャートである。 本発明に係る入力装置の実装構造の一例を示す要部断面図および要部平面図である。 本発明の第2実施の形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 図5に示した入力装置の概略動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第3実施の形態に係る入力装置の概略動作を説明するタイミングチャートである。 本発明の課題を説明するための図である。 本発明の課題を説明するための図である。 本発明の課題を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。この入力装置は、タッチセンサ11、表示部12、圧電素子13、接続切換部14、圧電素子駆動部15、および、各部の動作を制御する制御部17を有する。
タッチセンサ11は、制御部17に接続し、制御部17による制御のもとに、該タッチセンサ11のタッチ面に対する指などの押圧対象によるタッチ入力を検出して、そのタッチ位置の位置情報を制御部17に供給する。このタッチセンサ11は、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の公知のもので構成して、表示部12上に配置する。
表示部12は、制御部17に接続し、制御部17による制御のもとに、押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)のような入力ボタン等の入力用オブジェクトを表示する。この表示部12は、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等を用いて構成する。表示部12に表示された入力用オブジェクトに対するタッチ入力は、タッチセンサ11から出力される位置情報に基づいて制御部17により検出される。
圧電素子13は、タッチセンサ11のタッチ面の押圧により撓む(歪む)ように、タッチセンサ11に装着する。この圧電素子13は、接続切換部14に接続して、該接続切換部14を介して制御部17または圧電素子駆動部15に選択的に接続する。
接続切換部14は、制御部17からの接続切換信号により、圧電素子13を制御部17または圧電素子駆動部15に選択的に接続する。また、圧電素子駆動部15は、電力増幅器等を有して構成し、制御部17による制御のもとに、圧電素子13を振動させる所定の駆動信号を出力する。
そして、圧電素子13は、接続切換部14を介して制御部17に接続されている状態で、タッチセンサ11のタッチ面の押圧により生じた電荷による電圧(出力信号)を制御部17に供給する。また、圧電素子13は、接続切換部14を介して圧電素子駆動部15に接続されている状態で、圧電素子駆動部15から供給される駆動信号により駆動される。これにより、タッチセンサ11が振動して、タッチ面を押圧している押圧対象に触感を呈示する。
制御部17は、例えばCPU等からなり、圧電素子13の出力信号に基づいて押圧荷重を検出して、押圧荷重が触感を呈示する基準を満たすか否かを判定する荷重検出部18を有する。そして、制御部17は、タッチセンサ11からの位置情報、表示部12への表示情報、荷重検出部18による判定結果、等に基づいて各部の動作を制御する。
図2は、図1に示した接続切換部14の一例の構成を示す回路図である。接続切換部14には、半導体リレー等からなる2個のスイッチ回路21,22と、インバータ23とを設ける。スイッチ回路21,22は、それぞれオン/オフ接点を有し、スイッチ回路21のオン/オフ接点を、圧電素子13の正極側端子と圧電素子駆動部15の出力端子(図示せず)との間に接続し、スイッチ回路22のオン/オフ接点を、圧電素子13の正極側端子と制御部17のアナログ/デジタル変換入力端子(図示せず)との間に接続する。
スイッチ回路21は、制御部17から出力される接続切換信号aにより、インバータ23を経て、オン/オフ接点をオン/オフ制御する。また、スイッチ回路22は、上記の接続切換信号aにより、オン/オフ接点をオン/オフ制御する。したがって、スイッチ回路21,22のオン/オフ接点は、一方がオン状態にあるとき、他方はオフ状態にある。
図3は、本実施の形態に係る入力装置の概略動作を示すタイミングチャートである。なお、図3には、圧電素子13の出力信号(電圧)Vsおよび駆動信号Vdと、接続切換信号aと、圧電素子13に対する荷重検出部18および圧電素子駆動部15の動作状態とを示す。制御部17は、常時、接続切換信号aをハイ(H)レベルとする。これにより、切換制御部14のスイッチ回路21をオフ、スイッチ回路22をオンとして、圧電素子13を制御部17に接続する。
この状態で、制御部17は、タッチセンサ11の出力を監視する。また、制御部17の荷重検出部18は、圧電素子13の出力電圧Vsに基づいて、タッチセンサ11に対する押圧荷重を検出して、その検出した押圧荷重が触感を呈示する基準を満たすか否かを判定する。そして、制御部17は、タッチセンサ11からの位置情報が、表示部12に表示されている入力用オブジェクトに対する入力で、かつ、荷重検出部18により、圧電素子13の出力電圧Vsが、触感を呈示する基準の荷重(例えば、1.5N)に相当する基準電圧Vrefに達したと判定された場合、接続切換信号aを所定時間Tだけロー(L)レベルとする。これにより、切換制御部14のスイッチ回路21をオン、スイッチ回路22をオフに切換えて、圧電素子13を圧電素子駆動部15に接続する。
そして、制御部17は、圧電素子駆動部15に圧電素子13が接続された状態で、圧電素子駆動部15から所定の駆動信号Vdを出力させて圧電素子13を駆動する。これにより、タッチパネル11を振動させて、タッチ面を押圧している押圧対象に触感を呈示する。また、制御部17は、表示部12内の当該入力用オブジェクトに対する所定の処理、例えば表示態様の変更処理や入力用オブジェクトに対応するキャラクタの所定の表示領域への表示処理、オブジェクトに対応するアプリケーションの実行処理等を行う。
その後、制御部17は、圧電素子駆動部15による圧電素子13の駆動が終了すると、接続切換信号aをHレベルにして、スイッチ回路21をオフ、スイッチ回路22をオンに復帰させる。これにより、圧電素子13を圧電素子駆動部15から切り離して、圧電素子13を制御部17に接続する。
荷重検出部18は、圧電素子13が駆動された後、所定時間が経過するまで、具体的には、例えば接続切換信号aがLレベルからHレベルに切換わった時点から所定時間Tが経過するまでは、圧電素子13からの出力電圧Vsを無効(キャンセル)とする。その後、荷重検出部18は、所定時間Tが経過した時点から、圧電素子13の出力電圧Vsを有効として、出力電圧Vsに基づく押圧荷重の検出処理を再開する。
ここで、接続切換信号aをLレベルとする所定時間Tは、圧電素子13の駆動時間を含む時間で、固定的(例えば、10ms程度)に設定するか、あるいは呈示する触感に対応する駆動信号による駆動時間に応じて自動的に設定する。また、圧電素子13の駆動後、荷重検出部18において押圧荷重の検出処理を再開するまでの所定時間Tは、圧電素子13の駆動後に、圧電素子13に残留する電荷がほぼ完全に放電して出力電圧Vsがほぼ0Vになるのに充分な期間で、かつ、連続的な入力操作等における各入力操作の荷重検出に支障をきたさない時間とする。この、所定時間Tは、例えば40ms以下とする。
このように、本実施の形態に係る入力装置によれば、圧電素子13の圧電正効果および圧電逆効果を利用して、圧電素子13を、タッチセンサ11のタッチ面に対する押圧荷重を検出する荷重センサおよびタッチ面を振動させて押圧対象に触感を呈示するアクチュエータとして利用して、部品を共用している。したがって、部品点数を削減できることから、コストダウンが図れるとともに、部品の設置スペースを少なくできることから、装置の小型化が図れる。
また、荷重検出部18と圧電素子駆動部15とを設けて、圧電素子13を選択的に接続するようにしたので、圧電素子13の出力電圧Vsとは独立して、圧電素子駆動部15から圧電素子13に対して駆動信号Vdを供給することができる。したがって、出力電圧Vsと駆動信号Vdとを加算した電圧を印加する必要がないので、使用電圧範囲を低くでき、種々の圧電素子が使用可能となる。しかも、圧電素子13の駆動後、すなわちタッチ入力による押圧荷重の増加により最初に触感を呈示した後は、所定時間Tが経過してから、荷重検出部18による押圧荷重の検出を再開するようにしている。したがって、所定時間Tの間に、押圧対象による押圧力が強くなって基準電圧Vrefを超えても触感は呈示されないので、操作者に予期せぬ触感を呈示するような違和感を与えることなく、適切に触感を呈示することができる。
次に、本実施の形態に係る入力装置における(1)実装構造、(2)触感を呈示する押圧荷重の基準、および(3)圧電素子13を駆動する駆動信号について説明する。
(1)実装構造
図4は、図1に示したタッチセンサ11、表示部12および圧電素子13の実装構造の一例の概略構成を示すもので、図4(a)は要部断面図、図4(b)は要部平面図である。表示部12は、筐体31内に収納保持する。表示部12上には、弾性部材からなるインシュレータ32を介して、タッチセンサ11を保持する。なお、本実施の形態では、タッチセンサ11を、図4(b)に仮想線で示す表示部12の表示領域Aから外れた4隅に配設したインシュレータ32を介して表示部12上に保持する。
また、筐体31には、表示部12の表示領域から外れたタッチセンサ11の表面領域を覆うようにアッパカバー33を設け、このアッパカバー33とタッチセンサ11との間に、弾性部材からなる防塵用のインシュレータ34を配設する。
なお、図4に示すタッチセンサ11は、タッチ面11aを有する表面部材が、例えば透明フィルムやガラスで構成され、裏面部材がガラスやアクリルで構成されて、インシュレータ34を介してタッチ面11aが押圧されると、押圧部分が押圧力に応じて微少量撓む(歪む)とともに、裏面部材を含むタッチセンサ11の全体が微少量撓む構造のものを用いる。
タッチセンサ11には、その裏面上で、アッパカバー33で覆われる一辺または複数辺の近傍、ここでは3辺の近傍に、タッチセンサ11のタッチ面11aに対する押圧荷重を検出するとともに、タッチセンサ11を振動させて、タッチ面11aを押圧している押圧対象に触感を呈示するための圧電素子13をそれぞれ装着する。なお、図4(b)においては、図4(a)に示した筐体31、アッパカバー33およびインシュレータ34の図示を省略している。
ここで、3個の圧電素子13は、接続切換部を介して圧電素子駆動部に接続して、共通の駆動信号により駆動するか、あるいは、独立した駆動信号により駆動する。また、荷重検出部に対して、3個の圧電素子13の出力は、接続切換部を介して並列に供給する。
そして、荷重検出部は、3個の圧電素子13の出力信号に基づいて押圧荷重を演算する。この押圧荷重は、好ましくは、タッチ面11aの各位置において、操作者が感じる圧覚(物の硬さや柔らかさ等の感覚)がほぼ同じ場合に、ほぼ等しい演算結果が得られるように、例えば、3個の圧電素子13の出力信号の平均値や、重み付けした加算値等に基づいて演算する。また、3個の圧電素子13は、好ましくは独立した駆動信号で駆動するようにして、タッチ面11aの各位置において、操作者がほぼ同じ圧覚でほぼ同じ触覚(物の手触り等の感覚)が得られるように、すなわち、圧覚と触覚とが複合されたほぼ同じ触感が得られるように、各駆動信号の振幅や位相等を、タッチ面11aの位置や場所に応じて適宜変更する。
(2)押圧荷重の基準
触感を呈示する押圧荷重の基準は、例えば、表現したい押しボタンスイッチの押下時の荷重特性に応じて適宜設定することができる。例えば、この基準は、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重と同じに設定(タッチセンサ11のタッチ入力の反応と触感を呈示するタイミングを同じに設定)してもよいし、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重よりも高い荷重に設定(タッチセンサ11のタッチ入力の反応よりも触感を呈示するタイミングを遅くする設定)してもよい。例えば、本実施の形態に係る入力装置を携帯端末に適用する場合においては、好ましくは、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重以上(タッチセンサ11のタッチ入力の反応よりも触感を呈示するタイミングを遅くする設定)に設定するとよい。また、さらに、この荷重設定も、年配のユーザは重めに(より遅く)、頻繁にメールをするユーザは軽めに(より早く)設定できるように、ユーザにおいて自由に設定できるようにするとよい。
(3)駆動信号
圧電素子駆動部15により圧電素子13を駆動する駆動信号は、呈示する触感に応じて適宜設定することができる。例えば、携帯端末に使用されている押しボタンスイッチを押下した際に得られる「カッ」と感じられるリアルなクリック触感を呈示する場合は、上記の基準の荷重が加わった時点で、例えば、100Hz〜200Hz、好ましくは170Hzの一定周波数のサイン波1周期分を、駆動信号として圧電素子13に印加して、タッチセンサ11のタッチ面を、基準の押圧荷重が加わった状態で約15μm振動させる。これにより、タッチセンサ11のタッチ面を押圧している押圧対象(押圧物)を介して、操作者にリアルなクリック触感を呈示して、入力操作が完了したことを認識させることができる。同様に、「カッ」よりも硬質な「カチ」と感じられるクリック触感を呈示する場合は、駆動信号として、200Hz〜500Hz程度の正弦波信号または矩形波信号を1周期分印加する。
クリック触感以外の触感を呈示する場合、例えば、「ブル」や「ブニ」と感じられる軟質的な触感を呈示する場合は、駆動信号として、200Hz〜500Hz程度の正弦波信号を2〜3周期分印加する。あるいは、「ブルル」と感じられる振動として認知できる触感を呈示する場合は、駆動信号として、200Hz〜500Hz程度の正弦波信号を4周期分以上印加する。
これらの種々の触感を呈示する駆動信号情報は、図示しない記憶部に記憶して、ユーザにより所望の触感を呈示する駆動信号を適宜設定できるようにするのが好ましい。そして、設定された駆動信号に応じて、図3に示した接続切換信号aのLレベルの時間Tを自動的に設定するのが好ましい。
このように、圧電素子13の出力に基づいて演算されるタッチセンサ11に加わる荷重が、触感を呈示する基準(例えば、1.5N)を満たすまでは圧覚を刺激するようにし、基準を満たすと、圧電素子13を所定の駆動信号で駆動してタッチ面11aを振動させて触覚を刺激する。これにより、操作者に対して触感を呈示して、当該入力操作が完了したことを認識させる。したがって、操作者は、例えば、押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)のようなボタンスイッチがタッチセンサ上部に描画されていた場合、タッチセンサ11を、押しボタンスイッチを操作した場合と同様のリアルなクリック触感を得ながら、入力操作を行うことができるので、違和感を覚えることがない。また、タッチセンサ11を「押した」と言う意識との連動で入力操作を行うことができるので、単なる押圧による入力ミスも防止することができる。
また、触感を呈示する基準の押圧荷重を、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重よりも高く(タッチセンサ11のタッチ入力の反応よりも触感を呈示するタイミングを遅く)設定した場合は、タッチ面11aへのタッチ操作に応じて入力位置を決定して、表示部12の対応する箇所の入力用オブジェクトの表示態様を変更し、その後、圧電素子13の出力に基づいて検出されるタッチ面11aへの押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際に、圧電素子13を駆動してクリック触感を呈示するとともに、その入力位置を確定して所定の処理(例えば、オブジェクトに対応するプログラムの実行処理)を実行させることが可能となる。この場合、操作者は、表示部12に表示された入力用オブジェクトの表示態様の変更により入力用オブジェクトの選択を確認でき、さらにタッチ面11aを押圧してクリック触感が呈示されることにより、選択した入力用オブジェクトが決定(実行)されたことを認識することができる。これにより、いわゆる迷い指による誤入力を防止することができる。
(第2実施の形態)
図5は、本発明の第2実施の形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。この入力装置は、図1に示した構成において、圧電素子13に放電回路16を接続し、この放電回路16により圧電素子13の駆動後に、該圧電素子13に残留する電荷を強制的にアースに放電するようにしたものである。
放電回路16には、例えば、抵抗41および放電用のスイッチングトランジスタ42を設け、スイッチングトランジスタ42のコレクタを圧電素子13の正極側端子に接続し、エミッタをアースに接続する。また、スイッチングトランジスタ42のベースは、抵抗41を経て制御部17に接続して、制御部17からの放電制御信号bを供給する。その他の構成は、図1と同様であるので、同一作用をなす構成要素には、同一参照符号を付して説明を省略する。
図6は、本実施の形態に係る入力装置の概略動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態に係る入力装置は、圧電素子駆動部15により圧電素子13を駆動した後、すなわち、接続切換信号aがLレベルとなる所定時間Tが経過した時点から、所定時間Tの間、放電制御信号bをHレベルとする。これにより、スイッチングトランジスタ42を導通させて、圧電素子13に蓄積されている残留電荷を、コレクタ‐エミッタ通路を経て強制的にアースに放電させる。
また、荷重検出部18は、放電制御信号bがHレベルにある所定時間Tが経過するまでは、圧電素子13からの出力電圧Vsを無効(キャンセル)とする。その後、荷重検出部18は、所定時間Tが経過した時点から、圧電素子13からの出力電圧Vsを有効として、圧電素子13の出力電圧Vsに基づく押圧荷重の検出処理を再開する。その他の動作は、第1実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
このように、本実施の形態に係る入力装置では、圧電素子駆動部15により圧電素子13を駆動した後、圧電素子13の残留電荷を放電回路16により強制的にアースに放電するので、圧電素子13の駆動後、荷重検出部18により押圧荷重の検出処理を再開するまでの所定時間(放電時間)Tを、第1実施の形態における所定時間Tよりも短く、例えば、30ms程度にすることができる。したがって、第1実施の形態における効果に加えて、表示部12に表示されている同一の入力用オブジェクトを連続的に入力操作するいわゆる連打入力においても、各入力操作に対して適切に触感を呈示することができるという効果が得られる。
(第3実施の形態)
図7は、本発明の第3実施の形態に係る入力装置の概略動作を説明するタイミングチャートである。本実施の形態に係る入力装置は。図5に示した構成において、タッチセンサ11のタッチ面から押圧対象がリリースする際にも触感を提示する。このため、荷重検出部18には、押圧時に触感を呈示するための基準の荷重に相当する第1基準電圧Vref1(第1,2実施の形態の基準電圧Vrefに相当)と、リリース時に触感を呈示するための基準の荷重に相当する第2基準電圧Vref2を設定する。なお、第2基準電圧Vref2は、第1基準電圧Vref1と極性を異ならせる。以下、図5を参照しながら、本実施の形態に係る入力装置の概略動作を説明する。
先ず、制御部17は、上記実施の形態の場合と同様に、タッチセンサ11からの位置情報が、表示部12に表示されている入力用オブジェクトに対する入力で、かつ、荷重検出部18において、圧電素子13の出力電圧Vsが、触感を呈示する基準の荷重(例えば、1.5N)に相当する第1基準電圧Vref1に達したと判定されると、接続切換信号aを所定時間TだけLレベルとする。これにより、切換制御部14を介して圧電素子13を圧電素子駆動部15に接続する。
そして、制御部17は、圧電素子駆動部15に圧電素子13が接続された状態で、圧電素子駆動部15から所定の駆動信号Vdを出力させて圧電素子13を駆動する。これにより、タッチパネル11を振動させて、タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示する。
その後、制御部17は、圧電素子駆動部15による圧電素子13の駆動期間Tが終了すると、接続切換信号aをHレベルにして、圧電素子13を圧電素子駆動部15から制御部17に接続を切換える。これと同時に、放電制御信号bを所定時間(放電時間)Tの間、Hレベルとして、圧電素子13に蓄積されている残留電荷を、スイッチングトランジスタ42のコレクタ‐エミッタ通路を経てアースに放電させる。
また、荷重検出部18は、放電制御信号bがHレベルにある所定時間Tが経過するまでは、押圧荷重の検出処理を行わない。そして、所定時間Tが経過すると、荷重検出部18は、その経過時点から圧電素子14の出力電圧Vsに基づく押圧荷重の検出処理を再開する。なお、所定時間(放電時間)Tは、押圧対象によるタッチセンサ11の押下状態を確保できるように、第2実施の形態における所定時間Tよりも短く、例えば20ms程度に設定する。
ここで、圧電素子13は、所定時間Tにおいてアースに接続されて残留電荷が放電されることから、所定時間Tの終了時点では、その出力電圧Vsが0Vとなっている。したがって、この時点で、タッチセンサ11が押圧対象により押圧されていれば、その押圧状態での圧電素子13の出力電圧Vsが0Vとなるので、その後、押圧対象のリリース動作に伴って、圧電素子13が元の通常状態に戻るように変位すると、その変位に伴って、圧電素子13の出力電圧は、負極性側に増加する。
そこで、制御部17は、所定時間(放電時間)Tの経過後に、荷重検出部18において、圧電素子13の出力電圧Vsが、リリース時に触感を呈示する基準の荷重に相当する第2基準電圧Vref2に達したと判定されると、上述した押圧時の場合と同様に、接続切換信号aを所定時間TだけLレベルとして、圧電素子13を制御部17から圧電素子駆動部15に接続を切換える。
そして、制御部17は、上記の押圧時の場合と同様に、圧電素子駆動部15に圧電素子13が接続された状態で、圧電素子駆動部15から所定の駆動信号Vdを出力させて圧電素子13を駆動する。これにより、タッチパネル11を振動させて、タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示する。
その後、制御部17は、上記の押圧時の場合と同様に、接続切換信号aをHレベルにして、圧電素子13を圧電素子駆動部15から制御部17に接続を切換えるとともに、放電制御信号bを所定時間(放電時間)Tの間、Hレベルとして、圧電素子13に蓄積されている残留電荷を放電させる。その後、荷重検出部18は、放電回路16により放電時間Tが経過した時点から、圧電素子14の出力電圧Vsに基づく押圧荷重の検出処理を再開して、次のタッチ入力の検出に備える。
本実施の形態に係る入力装置によれば、上記実施の形態と同様の効果が得られる。また、本実施の形態では、押圧対象がタッチセンサ11からリリースする際にも触感を呈示するようにしたので、特に、メタルドームスイッチのような押しボタンスイッチの操作感をよりリアルに表現することができる。すなわち、押圧時においては、メタルドームが座屈した際に感じられる「カッ」というようなリアルなクリック触感を呈示でき、リリース時にメタルドームが座屈から復帰した際に感じられる「チッ」というようなリアルなクリック触感(この場合、リリース触感)を呈示することができる。勿論、リリース触感は、必ずしもクリック触感と同一の駆動信号でなくてもよい。
ここで、リリース触感を呈示する荷重基準は、押圧時にクリック触感を呈示する上記の荷重基準(例えば、1.5N)と同じに設定することもできるが、好ましくは、押圧時にクリック触感を呈示する荷重基準よりも50%〜80%低い値(例えば、1N)に設定する。このようにすれば、同一位置(入力用オブジェクト)を連続入力(連打)する場合に、順次の入力と触感呈示タイミングとが合致し、違和感のないリアルなクリック触感を呈示することができる。すなわち、リリース時に触感を呈示する基準の荷重を、押圧時に触感を呈示する基準の荷重よりも小さくすることにより、違和感を与えないようにし、かつ、リリース時に触感を呈示する基準の荷重を、押圧時に触感を呈示する基準の荷重のおよそ50%以上とすることにより、連続入力時の操作性を格段に向上できる。また、リリース時に触感を呈示する基準の荷重を、押圧時に触感を呈示する基準の荷重のおよそ80%以下とすることにより、連続入力時のホールド状態での微小な荷重変化にも対応できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、図5に示す放電回路16において、スイッチングトランジスタ42は、半導体リレー等を用いて構成することもできる。さらに、圧電素子13は、タッチセンサ11の面積や、振動振幅等に応じて、モノモルフ、ユニモルフ、バイモルフ、積層型等の公知の構造とすることができる。
また、本発明は、タッチセンサがオン・オフ動作を行うタッチスイッチとして機能する入力装置にも有効に適用することができる。さらに、本発明に係る入力装置は、圧電素子の出力に基づいて検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際に、当該圧電素子を駆動する。ここで、圧電素子の出力に基づいて検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際とは、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値に達した際であってもよいし、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値を超えた際でもよいし、圧電素子の出力に基づいて触感を呈示する基準値が検出された際でもよい。
11 タッチセンサ
11a タッチ面
12 表示部
13 圧電素子
14 接続切換部
15 圧電素子駆動部
16 放電回路
17 制御部
18 荷重検出部
31 筐体
32 インシュレータ
33 アッパカバー
34 インシュレータ
42 スイッチングトランジスタ

Claims (4)

  1. タッチ入力を検出するタッチセンサと、
    一端が前記タッチセンサに装着され、反対の他端が開放された圧電素子と、
    前記圧電素子の出力に基づいて前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出して、該押圧荷重が触感を呈示する基準を満たすか否かを判定する荷重検出部と、
    前記荷重検出部が前記基準を満たすと判定した際に、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を駆動する圧電素子駆動部と、を備え、
    前記荷重検出部は、前記圧電素子駆動部により前記圧電素子が駆動された後、所定時間経過してから前記押圧荷重の検出を再開する、
    ことを特徴とする入力装置。
  2. 前記圧電素子に蓄積された残留電荷を放電する放電回路をさらに有し、
    前記放電回路は、前記所定時間の間に前記圧電素子に蓄積されている残留電荷を放電する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
  3. 前記所定時間は40ms以下である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の入力装置。
  4. タッチ入力を検出するタッチセンサと、
    一端が前記タッチセンサに装着され、反対の他端が開放された圧電素子と、
    前記圧電素子の出力に基づいて前記タッチセンサのタッチ面に対する押圧荷重を検出して、該押圧荷重が触感を呈示する基準を満たすか否かを判定する荷重検出部と、
    前記荷重検出部が前記基準を満たすと判定した際に、前記タッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を駆動する圧電素子駆動部と、を備える入力装置の制御方法であって、
    前記前記圧電素子を前記荷重検出部または前記圧電素子駆動部に選択的に接続するようにして、
    前記圧電素子が前記荷重検出部に接続された状態で、前記荷重検出部が前記基準を満たすと判定した際に、前記圧電素子を前記荷重検出部から前記圧電素子駆動部へ接続を切換えて、前記圧電素子駆動部により前記圧電素子を駆動するステップと、
    次に、前記圧電素子の駆動後、前記圧電素子を前記圧電素子駆動部から前記荷重検出部へ接続を切換えて、所定時間経過してから前記荷重検出部による前記押圧荷重の検出を再開するステップと、
    を含むことを特徴とする入力装置の制御方法。
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