JP5662409B2 - 高周波識別システム - Google Patents

Description

本発明は、広くは、物体追跡及び管理のシステム及び方法に関し、より詳細には、移動及び／又は固定の高周波識別タグの組合せを用いて、物体の位置及び直線移動を識別して監視するそのようなシステム及び方法に関する。

非常に効率的な倉庫作業を実現するために、格納位置、在庫位置、中継領域及び積載格納庫などの種々の位置に及び同位置からパレット積荷及び他の物体を移送するときに倉庫内に設置及び／又は転送されるべきパレット積荷及び他の物体の移動を正確に追跡することが望ましい。典型的な従来の倉庫管理作業において、フォークトラック、リーチトラック、リフトトラック又はパレットトラックなどの輸送乗物の操作者は、コンピュータにより通常生成される１組の印刷在庫又は積み移載指示を受信し、前記積荷及び位置を目で識別して前記指示で指定された位置に及び同位置から前記積荷を移送することにより前記指示を実行する。そのようなシステム、特に取り扱うべき多数の位置及び積荷を有する大規模倉庫では、誤りの可能性が高い。

倉庫管理作業の中には、積荷に取り付けられる又は特定の位置に印をつけるバーコードを使用するものもある。そのようなシステムの典型的な例において、操作者は、積荷の上、場合によっては在庫位置の上の前記バーコードを読取る手持ち式バーコードスキャナを使用する。そのようなシステムは完全な目視方法と比べて改善されているけれども、前記スキャナとバーコードとの間で一直線の視界、近接及び正しい位置合わせをある程度必要とするために完全に実施することは難しい場合もある。また、操作者は、積荷識別処理に加わる必要もある。場合によっては、操作者は、前記輸送乗物を出て前記バーコードを手で走査する必要があり、倉庫作業が遅くなることもある。前記コードと読取装置との間で近接させることが必要であるために、ある位置、例えば高い格納棚及び積載格納庫は、バーコードを使用するのに特に難しい場所であることが多い。その結果、それらの場所における積荷は、代わりに目で識別されることが多い。

高周波識別（「ＲＦＩＤ」）タグシステムは、在庫追跡用に提案されている。そのようなシステムにおいて、ＲＦＩＤタグは、物体又は位置に取り付けられ、前記物体又は位置を識別する情報を格納する不揮発性メモリ、及び呼掛け装置と対話する電子回路を含む。ＲＦＩＤタグは、受動的又は能動的であってもよい。受動ＲＦＩＤタグの場合、前記タグは、信号処理及び伝送のために前記タグにより必要とされる電力に受信ＲＦ信号の少なくとも一部を変換する回路を含む。典型的な従来のシステムでは、追跡されるべき在庫品物の同一性に対応付けられた情報を含むＲＦＩＤタグを前記在庫品物に取り付ける。ＲＦＩＤ呼掛け装置は、ＲＦＩＤタグの存在を検出して前記タグから識別情報を読取るのに使用される。典型的なＲＦＩＤ呼掛け装置は、ＲＦＩＤタグに呼掛け信号を送信し、同ＲＦＩＤタグから応答信号を受信するＲＦ送受信装置と、前記送受信装置に接続された１本以上のアンテナと、それぞれ受信及び送信ＲＦ信号に符号化情報の読取り及び書込みを行う関連復号器及び符号器とを含む。前記呼掛け装置は、読取られるべき前記タグの近くに持ち運び可能な携帯型装置であってもよいし、呼掛け装置が搭載されている返却場所にタグ付きの図書館の本を返却する場合のように前記タグを前記呼掛け装置に持って行くときに前記タグを読取る据え置き型装置であってもよい。また、ＲＦＩＤタグを、位置マーカとしてある位置の近くに取り付けてもよい。在庫品物に取り付けられたタグと位置マーキングタグの両方を検出した後、前記呼掛け装置に関連する処理装置は、前記在庫品物がタグ付き位置の近くに位置決めされたと判定することができる。これらの従来の物体追跡システムは、前記在庫品物及び時にはそれらの位置を記録に残すことができるけれども、前記システムは、前記在庫品物の移動を追跡及び／又は管理するのに効果的でない。

また、呼掛け装置が搭載されている位置の近くにＲＦＩＤタグ付き品物を位置決めする場合にＲＦＩＤタグ付き品物を検出するのに種々の位置で固定ＲＦＩＤ呼掛け装置を含む倉庫在庫追跡システムも存在する。例えば、積載格納庫出入口又は近くに位置決めされたＲＦＩＤ呼掛け装置を有する倉庫がある。そのようなシステムでは、前記種々の位置でタグ付き品物の到着を追跡することはできるが、これらの位置に離れた誤りを検出することはできない。例えば、フォークトラックが誤った持ち上げ位置に駆動されたためにフォークトラックが誤った積荷を持ち上げた場合、前記積荷が前記出入口に到着するまで誤りは検出されないであろう。この遅れた誤り検出は、倉庫作業の全体的効率にマイナスの影響を与える。さらに、多数の積載格納庫出入口の各々に呼掛け装置を搭載することは、経済的でない。

倉庫又は他の同様な環境全体にわたって物体識別、移動及び追跡の処理に完全自動化を実現するシステムを提供することが望ましい。在庫位置、格納棚、床レーン及び船積み格納庫などの倉庫作業に伴う種々の位置の全部の使用に適合できるようなシステムの必要性がある。倉庫全体にわたってすべての物体移動を指示して追跡する中央データ収納庫と共同して作業するようなシステムの必要性がある。

本発明は、１つ以上の上記問題を改善し、１つ以上の上記必要性を満たすことを目的としている。

本発明は、多数の位置に固定ＲＦＩＤ呼掛け装置を搭載する必要なしに倉庫管理作業用に好ましい自動化物体及び位置識別システムを規定する。本発明の１つの実施形態において、フォークトラック又はリーチトラックなどの輸送乗物は、その上にＲＦＩＤ呼掛け装置を搭載している。ＲＦＩＤタグは、物体（例えば、パレット及び積荷）及び位置（例えば、格納位置、通過位置又は積載格納庫）に取り付けられている。パレットの場合、前記タグから送信される情報は、前記パレットの同一性、前記パレットの重量、及び前記パレット上の品物の識別を含むこともできる。位置の場合、情報は、位置コード又は座標などの位置を示す。前記ＲＦＩＤ呼掛け装置は、呼掛け信号を前記ＲＦＩＤタグに送信する。前記ＲＦＩＤタグの各々は、一直線の視界内に必ずしもないけれども前記乗物が前記タグに十分近い場合に前記呼掛け信号に応じて前記タグに特有の情報が符号化されている信号を送信する。

処理装置は、前記タグから受信された前記信号を処理して前記積荷の同一性及び前記検出位置ＲＦＩＤタグの位置を判定する前記ＲＦＩＤ呼掛け装置と作動的に連結されている。前記処理装置は、前記乗物に搭載して、遠隔地で、又は両方の組合せで設置してもよい。

ＲＦＩＤタグを、前記物体と前記位置の両方で使用することが好ましい。代わりに、ＲＦＩＤタグを１つ以上の位置で使用する一方、バーコードタグなどの識別マーカを前記物体に取り付けてもよい。この場合、前記輸送乗物上の前記呼掛け装置は、前記バーコードタグに格納された情報を読取るバーコードスキャナも含む。同様に、バーコードタグを積載格納庫戸の傍などの位置で使用する一方、ＲＦＩＤタグを前記物体で使用してもよい。

前記処理装置は、ユーザインタフェースを介して前記物体の同一性、前記物体が位置決めされる位置及び前記物体が移動されるべき位置に関するフィードバック情報を操作者に与えることが好ましい。例えば、前記処理装置は、可聴信号（例えば、電子ブザー音）又は視覚信号（例えば、赤色や緑色ランプ又はモニタ上の図形表示）を前記操作者に送信して、正しい物体が持ち上げられているか否か又は前記物体が正しい位置に位置決めされているか否かを前記操作者に知らせることもできる。さらに、実行されるべき作業中の前記操作者に指示を送信するように前記処理装置を構成することもできる。

また、物体の移動履歴などの情報を前記物体上の前記ＲＦＩＤタグに送信するように前記処理装置で前記呼掛け装置に指示することもできる。前記ＲＦＩＤタグは、例えば別の場所でＲＦＩＤ呼掛け装置により後で読取ることもできる前記情報を格納する。同様に、前記位置タグによりその後格納される位置で前記ＲＦＩＤタグに情報を送信するように前記処理装置で前記呼掛け装置に指示することもできる。

本発明の別の実施形態において、前記呼掛け装置は、前記呼掛け装置と距離的に最も近い前記タグからのみ情報を識別する、従って読取ることができる。これは、前記呼掛け装置に最も近い前記ＲＦＩＤタグのみが応答するまで前記呼掛け信号における電力を動的に減少させることにより達成される。これにより、位置又は物体を間違って識別する確率は減少する。

本発明のこの実施形態において、前記処理装置は、前記呼掛け装置により捜し求められている前記ＲＦＩＤタグ（目的ＲＦＩＤタグ）を検出するのに必要な最低呼掛け信号強度を示す前記操作者により知覚できる信号を生成することもできる。前記最低呼掛け信号強度を、信頼レベル（前記最低信号強度が低いほど前記信頼レベルが高い）又は前記タグと前記呼掛け装置との間の近似距離（前記最低信号強度が低いほど前記距離が短い）として表すこともできる。

本発明の別の実施形態において、互いに近傍で間隔を置いて配置された２つのＲＦＩＤタグを有するＲＦＩＤ組立体により、通過位置、そのような積載格納庫出入口又は前記積載格納庫出入口に入れられたトラックにマークがつけられている。金属板又は金属仕切りなどのＲＦ遮蔽体は、前記２つのタグの間に位置決めされている。前記呼掛け装置が前記遮蔽体の一方の側にある場合、前記呼掛け装置と同じ遮蔽体の側にある前記タグのみが前記呼掛け信号に応答する。従って、この配置により、前記システムは、前記通過位置に対する物体の移動方向を判定することができる。例えば、前記システムは、前記物体を運ぶ前記乗物が前記倉庫内部から前記積載格納庫に又は前記積載格納庫から前記倉庫内に前記出入口を通って移動しているか否かを判定することができる。

本発明の別の実施形態において、前記輸送乗物には、物体識別及びオプションとして位置識別用のＲＦＩＤ呼掛け装置が搭載されている。物体及びことによると位置には、ＲＦＩＤタグがつけられている。さらに、倉庫の床には、磁気テープセグメントの位置を示す磁気信号を与える磁気テープセグメントが備えられている。前記乗物には、前記テープから前記磁気信号を検出する磁気信号読取装置がさらに搭載されている。前記乗物に搭載されている前記処理装置は、前記呼掛け装置から受信された前記信号から前記物体の同一性及びオプションとして位置と前記テープ読取装置からの前記信号から位置とを判定する前記ＲＦＩＤ呼掛け装置及び前記磁気信号読取装置の両方と作動的に接続されている。

本発明の別の実施形態において、前記輸送乗物には、複数の高さで物体を位置決めできるリフト機構が搭載されている「リーチトラック」の種類のものがある。さらに、前記乗物には、前記物体がリフトにより位置決めされる高さを示す信号を生成する前記リフト機構に連結された高さセンサが搭載されている。高さを示す前記信号は、電気的、視覚的、可聴的、磁気的、電磁的又は他の種類の信号であってもよい。本発明のこの実施形態は、倉庫投入口の垂直柱から物体を積載する又はおろす場合に特に有用である。この実施形態では、１つの位置タグのみを前記柱に対応付ける必要があり、前記システムは、前記高さセンサを用いて前記柱内の正しい投入口を識別することができる。

従って、本発明の１つの態様において、複数の位置で位置決め可能な物体を追跡するシステムは、（ａ）前記複数の位置のうち何れか１つの位置に及び同位置から前記物体を移動させる輸送乗物と、（ｂ）前記物体の同一性を示す情報を格納する前記物体に対応付けられている物体マーカと、（ｃ）複数の位置マーカであって、前記位置マーカの各々が前記複数の位置のうち１つに位置決めされ、前記マーカの位置を示す情報を格納する位置マーカと、（ｄ）前記物体の同一性を示す前記情報を前記物体マーカから受信し、前記マーカの位置を示す前記情報を前記位置マーカから受信する前記輸送乗物に搭載されている、高周波送信装置及び受信装置を含む呼掛け装置と、（ｅ）前記呼掛け装置と作動的に接続されている処理装置とを含む。前記処理装置は、前記物体の同一性を示す前記情報から前記物体の同一性、前記マーカの位置を示す前記情報から少なくとも１つの前記位置マーカの位置、及び前記物体と前記位置との間の空間関係を判定する。例えば、空間関係のそのような判定の最も単純な形態は、前記物体及び前記位置のＲＦＩＤタグがほぼ同時に検出された場合に前記物体がタグ付き位置の近くに又は同位置に位置することを判定することである。

また、前記処理装置は、前記物体の移動に関してユーザインタフェースを介して操作者に指示を与えることができることが好ましい。これらの指示は、（ａ）所望の物体が識別されているか否かのフィードバック、（ｂ）所望の位置への方向、及び（ｃ）前記物体が所望の位置に運ばれているか否かのフィードバックを含むこともできる。

上記のシステムにおいて、前記呼掛け装置の前記送信装置は、前記物体の移動履歴又は前記位置の格納履歴などの情報が符号化されている信号を送信することができることが好ましく、前記物体又は位置マーカは、前記符号化情報を格納する。

また、前記システムは、前記呼掛け装置が前記マーカの位置を示す前記情報を前記位置マーカから受信した場合に前記複数の位置マーカのうち１つの位置を示す、可聴電子ブザー音又はランプの視覚表示又はコンピュータモニタ表示などのユーザインタフェースを介して信号を前記乗物の操作者に与える前記処理装置と作動的に接続されている信号生成装置を含むことが好ましい。

本発明の別の態様において、前記ＲＦＩＤ呼掛け装置は、前記呼掛け装置に最も近い前記ＲＦＩＤタグからのみ情報を読取るように構成され配置されている。これは、前記呼掛け装置に最も近い前記ＲＦＩＤタグのみが呼掛け信号に応答するまで前記呼掛け信号の出力電力を動的に減少させることにより達成されることが好ましい。追跡処理の視覚フィードバックを与えるのに目的信頼表示器を含むことが好ましい。

本発明の別の態様において、少なくとも１つの前記位置マーカは平面を規定し、前記マーカは、前記呼掛け装置が前記平面の片側に位置することを示す第１の信号を送信し、前記呼掛け装置が前記平面の他方の側に位置することを示す、前記第１の信号と異なる第２の信号を送信する。前記位置マーカは、前記平面にほぼ位置決めされた金属板又は仕切りなどの遮蔽体により分離された２つのＲＦＩＤタグを含むこともでき、前記呼掛け装置の同じ平面側に位置決めされた前記ＲＦＩＤタグのみが前記呼掛け装置からの前記呼掛け信号に応答する。

本発明の別の態様は、トラフィック支持面上の複数の位置で位置決め可能な物体を追跡するシステムである。前記システムは、位置間で前記物体を移動させる輸送乗物と、前記物体の同一性を示す情報を格納する前記物体に対応付けられている物体マーカと、前記物体の同一性を示す前記情報を前記物体マーカから受信する前記乗物に搭載されている呼掛け装置とを含む。さらに、前記システムは、前記トラフィック支持面に付着されている帯状磁気テープを含む。前記磁気テープは、複数のセグメントを含む。前記セグメントの各々には、前記セグメントの位置を示す情報が符号化されており、前記セグメントの各々は、前記セグメントの位置を示す前記情報が符号化されている磁気信号を生成する。磁気信号読取装置は、前記磁気テープにより生成される前記信号を検出する前記乗物に搭載されている。前記呼掛け装置及び前記磁気信号読取装置と作動的に接続されている処理装置は、前記物体の同一性を示す前記情報から前記物体の同一性、前記磁気テープの少なくとも１つの前記セグメントの位置、及び前記物体と前記位置との間の空間関係を判定する。

本発明の別の態様は、物体に取り付けられている高周波識別タグを有する物体を特定の高さで位置に又は同位置から移動させる輸送乗物である。前記乗物は、（ａ）前記タグから信号を受信する高周波識別呼掛け装置と、（ｂ）複数の高さで前記物体を位置決めできるリフトと、（ｃ）前記物体を位置決めする高さを示す信号を生成する高さセンサと、（ｄ）前記乗物の水平位置を示す信号を生成する手段と、（ｅ）前記呼掛け装置、高さセンサ及び信号生成手段と作動的に接続されている処理装置とを含む。前記処理装置は、前記タグから受信された前記信号から前記物体の同一性を判定し、前記高さセンサから受信された前記信号から前記物体の高さを判定し、前記信号生成手段から前記乗物の水平位置を判定する。

本発明の別の態様は、ある環境において位置間で移動されるべき物体を管理する方法である。第１の高周波識別タグは、前記物体に取り付けられ、その中に格納してあり、前記物体の同一性を示す情報が符号化されている信号を送信することができる。第２の高周波識別タグは、位置に取り付けられ、その中に格納してあり、前記第２のタグの位置を示す情報が符号化されている信号を送信することができる。輸送乗物には、前記タグから前記信号を受信して前記タグに格納されている前記情報を判定することができるＲＦＩＤ呼掛け装置が搭載されている。前記方法は、（ａ）前記呼掛け装置を使用して前記物体の同一性を示す前記情報を受信するステップと、（ｂ）前記物体が移動されるべき予定位置を判定するステップと、（ｃ）前記乗物を使用して前記物体を位置に移動させるステップと、（ｄ）前記呼掛け装置を使用して前記位置を示す前記情報を受信するステップと、（ｅ）ステップ（ｄ）で受信された前記情報により示される前記位置が前記予定位置と一致する場合に前記物体を前記位置に置くステップとを含む。

本発明の別の態様は、複数の高周波識別タグの中から目的ＲＦＩＤタグを見つけるのに調整可能な電力出力レベルを有するＲＦＩＤ呼掛け装置を使用する方法である。各々のタグは、前記呼掛け装置からの呼掛け信号に応じて識別信号を送信するように構成され配置されている。前記方法は、（ａ）電力出力レベルで呼掛け信号を送信するステップと、（ｂ）前記目的タグが前記呼掛け装置により検出されているか否かを判定するステップと、（ｃ）前記目的タグが検出された場合に前記電力出力レベルを減少させるステップと、（ｄ）前記目的タグがもはや検出されなくなるまで、ステップ（ａ）における前記電力出力レベルとして前回の繰り返しのステップ（ｃ）で達した前記電力出力レベルを使用する毎にステップ（ａ）〜（ｃ）を繰り返すステップと、（ｅ）（ｄ）における最後の繰り返しの直前の繰り返しの最後に達した前記電力出力レベルで呼掛け信号を送信するステップとを順次含む。

本発明の他の目的及び利点は、次のような特定の実施形態の詳細な説明を読み次第及び以下の図面を参照次第、明瞭になるであろう。

ＲＦＩＤタグが物体と位置の両方に取り付けられている、本発明の実施形態を示す。 積荷再配置作業を完了する種々の段階で搭載呼掛け装置のモニタ表示装置を示す。 積荷再配置作業を完了する種々の段階で搭載呼掛け装置のモニタ表示装置を示す。 積荷再配置作業を完了する種々の段階で搭載呼掛け装置のモニタ表示装置を示す。 バーコードラベルが物体に取り付けられ、ＲＦＩＤタグが位置に配置されている、本発明の別の実施形態を示す。 ＲＦＩＤタグを用いて相対位置及び移動を判定する１つの原理を示す。 輸送乗物の相対位置を検出する２つのＲＦＩＤタグが互いに近接して位置決めされている、本発明の実施形態を示す。 図５に示す実施形態と原理的に同様であるが、その代わりに移動ＲＦＩＤタグが取り付けられている物体の相対位置を判定する固定呼掛け装置及び移動ＲＦＩＤタグを有する、本発明の実施形態を示す。 ＲＦＩＤ呼掛け装置に最も近いＲＦＩＤタグのみを検出するようにＲＦＩＤ呼掛け装置が構成され配置されている、本発明の実施形態を示す。 本発明のある態様に従って呼掛け装置に最も近いＲＦＩＤタグを識別する処理を示す。 図７に示す実施形態により提供されるＲＦＩＤタグ識別における信頼レベルの視覚表示装置を示す。 ＲＦＩＤタグを用いて物体を識別し、磁気テープを用いて位置を識別する、本発明の実施形態を示す。 高さセンサを用いて、ＲＦＩＤタグによりマークをつけられている格納棚内の特定の投入口を識別する、本発明の実施形態を示す。

図１について説明すると、積荷又はパレットなどの物体１３２を追跡する物体追跡及び倉庫管理システム１００は、パレットトラック、フォークトラック又はリーチトラックなどの輸送乗物１１０を含む。中央処理装置（ＣＰＵ）１６０、表示装置１７０、及びキーボード、ポインティング装置及び／又はタッチパネル表示装置などの入力装置１８０を含むコンピュータの形態であることもある処理装置に連結されたＲＦＩＤ呼掛け装置などの呼掛け装置１２０が、乗物１１０に搭載されている。さらに、システムは、ＲＦＩＤタグ１３０、１４０及び１５０などの数個のマーカを含む。ＲＦＩＤタグ１３０などの物体マーカは、物体１３２に取り付けられており、ＲＦＩＤタグ１４０、１５０などの他のマーカは、位置マーカとしての役割を果たし、在庫位置（倉庫投入口）１４２及び積載格納庫１５２などの種々の位置に配置されている。乗物に搭載されている処理装置を、乗物処理装置と遠隔ホストコンピュータとの間の連続リンクを設けるＲＦリンク又は他の適当な通信システムにより遠隔ホストコンピュータ１９０に連結することもできる。ホストコンピュータ１９０を、他の輸送乗物上のＲＦＩＤ呼掛け装置及び処理装置に連結することもできる。ホストコンピュータ１９０及び処理装置は、コンピュータの大規模なネットワークの一部であってもよい。

ＲＦＩＤタグ１３０、１４０及び１５０は、情報を受信し、格納し、送信することができ、この目的に適したどのような種類のものでもよい。タグは、アンテナ、ＲＦ信号を処理する回路、マイクロプロセッサ及びディジタルメモリを含んでもよい。タグは受動素子であってもよく、受動素子は、呼掛け信号を受信次第信号を送信するだけであり、到来ＲＦ波に含まれる電力に依拠する。また、タグは能動素子であってもよく、能動素子は、絶えず又は周期的に信号を送信し、それら自体の給電を含む。市販のＲＦＩＤタグの例には、Ｉｎｔｅｒｍｅｃ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ，Ｅｖｅｒｅｔｔ，ＷＡから現在入手できるＩｎｔｅｌｌｉｔａｇ（登録商標）のＲＦＩＤタグがある。

タグは、物体又は位置に関する幅広い情報を格納することができる。例えば、タグ１３０は、物体の同一性を示す積荷番号又はパレット番号などのコードを格納することもできる。また、タグは、物体の移動履歴に関する、又は物体の重量に関する情報を格納することもできる。タグ１４０及び１５０は、積載格納庫番号、倉庫投入口番号及びトレーラ識別番号などの位置を示す情報を格納することもできる。また、位置タグは、位置に格納された物体の履歴などの位置に関する他の情報、位置に格納された物体の種類に関する情報、又は位置に関する制約や警告を格納することもできる。

ＲＦＩＤ呼掛け装置１２０は、信号を受信するのに適したどのような種類のものでもよい。ＲＦＩＤ呼掛け装置は、ＲＦ受信装置であってもよく、受動ＲＦＩＤタグに呼掛け信号を与える送信装置を含んでもよい。さらに、呼掛け装置１２０は、ＲＦＩＤタグに格納されるべき情報を送信することができる場合もある。従って、呼掛け装置は、物体の移動履歴又は倉庫位置の格納履歴に関する更新情報を提供することもできる。別の例として、乗物には、物体の重量を判定する重量センサを搭載することもでき、どの場合でも、この情報を、タグ上に格納することができ、及び／又はタグ上に既に格納された情報と比較することができる。

処理装置は、汎用又は専用コンピュータを含む任意の適当な処理装置を含んでもよい。処理装置は、移動乗物用に適した堅牢な設計を有することが好ましい。表示装置１７０は、モニタ、ランプ及び／又はスピーカ又は電子ブザーを含んでもよい。処理装置にプログラムを書込んで、グラフィカルユーザインタフェースを介して操作者と対話することもできる。入力装置１８０は、キーボード、任意の適当な種類のポインティング装置、及び／又は音声認識装置を含んでもよい。また、表示装置１７０は、タッチスクリーンモニタであってもよく、どの場合でも、入力装置１８０はモニタの一部である。

遠隔コンピュータ１９０は、汎用又は専用コンピュータを含む任意の適当な種類のものであってもよい。また、遠隔コンピュータは、積荷移動履歴、指示、在庫表、課金記録、人事記録及び顧客記録のような情報を格納する倉庫管理用データベースを含むこともできる。呼掛け装置からの呼掛け結果、操作者による搭載処理装置を介した手入力、及び遠隔リンクを介したホストコンピュータからの情報を用いて、データベースの内容を時々更新することもできる。

また、輸送乗物１１０に搭載して、乗物１１０に対して多数の異なる位置（例えば、高さ）に設置されたＲＦＩＤタグ、及び／又は異なる周波数で通信するタグを呼掛けることもできる（例えば、在庫品物用タグは、位置用タグと異なる周波数を使用することもできる）。各々が異なる向きを有する多数のアンテナを呼掛け装置に接続する、又は各々がそれ自体の周波数を有する多数のＲＦＩＤ呼掛け装置を同一乗物上に搭載することにより、この融通性を実現することができる。

本発明の例示の用途において、品物が、倉庫に到着して種々の宛先に分配され、主コンベアベルトに沿って移動されてから、異なる爪状分岐部に渡され、パレットがそれらの端部で集められるような倉庫を考える。輸送乗物１１０の操作者は、特定の爪状分岐部の端部でパレット１３２を持ち上げるという遠隔コンピュータ１９０からの指示を表示装置１７０から読取る。図２ａを参照せよ。操作者は、指定された倉庫位置１４２に乗物１１０を運転して、パレットに接近する。呼掛け装置１２０は、位置情報が符号化されている信号を送信するタグ１４０を呼掛ける。呼掛け装置は、乗物１１０が正しい位置に接近したか否かを判定する処理装置に送信される信号を検出する。処理装置は位置が正しいことを確認すると、次に処理装置は、呼掛け装置１２０を用いてタグ１３０を呼掛けることによりパレット１３２を識別する。タグ１３０は、パレット番号が符号化されている信号を送信する。呼掛け装置１２０により受信された信号は、処理装置により処理される。パレット番号が正しい場合、操作者は、パレット１３２を持ち上げ始める。次に、処理装置は、パレットを積載格納庫１５２に移動させるように操作者に指示する（図２ｂ）。積載格納庫１５２で、開始時の位置１４２の場合と同様な位置確認処理を実行する。乗物が正しい積載格納庫に到着した場合、操作者は、乗物が正しい積載格納庫に来たという確認を受信する（図２ｃ）。操作者がパレットを誤った位置に取った場合、処理装置は、誤りを示すメッセージを表示装置１７０に送信する。さらに、処理装置は、地図及び／又は１組の方向を表示することにより正しい位置に到達する方法を操作者に指示することもできる。従って、ＲＦＩＤタグ及び関連コンピュータシステムの使用により、積荷及び位置の簡単かつ基本的即時識別及び確認が容易になる。積荷の同一性、位置及び移動に関する操作者の如何なる誤りも直ちに識別され、是正措置を直ちにとることもできる。従って、目視検査に伴う誤りの可能性は大幅に低減される。

上記実例の処理の間又は最後に、乗物１１０に搭載されている処理装置は、物体の状態及び他の関連情報をホストコンピュータ１９０に送信することもできる。また、処理装置は、更新移動履歴及び／又はパレット１３２の状態をＲＦＩＤタグ１３０に書込むこともできる。例えば、到着位置で追跡システムにより、そのような情報を後で使用することもできる。そのような情報を、処理装置により生成し、ホストコンピュータから受信し、又は入力装置１８０を介して操作者により手で入力することもできる。

変形の管理システム２００を図３に示す。ＲＦＩＤタグの代わりにバーコードラベル２３０を積荷１３２に使用し、積荷又はパレットの上のバーコードを走査するのにバーコードスキャナ２２０を使用することを除いて、システムは図１に示すシステム１００と同様である。なお、位置はＲＦＩＤタグ１４０及び１５０により識別される。物体及び位置に対して異なる種類の識別マーカを使用することにより、ＲＦＩＤタグが付けられていないバーコード付きパレットに対処することを含む種々の倉庫配置及び作業に対処する際に更なる融通性が得られる。当然のことながら、すべてのＲＦＩＤタグの代わりにバーコードを積荷に使用する必要はない。バーコードとＲＦＩＤタグの混合を積荷識別の目的で使用することもでき、これにより、システムが取り扱い可能な物体の範囲をさらに拡大できる。

移動及び方向判定
ある用途では、積荷の位置を知ることに加えて、積荷がどの方向に特定の地点を通り過ぎて移動しているか否かを知ることが望ましい。例えば、フォークトラックがパレットをトレーラに引き渡す場合、パレットが積載格納庫に到着しているかを知るのに不十分であることが多い。また、パレットが積載格納庫側からトレーラの出入口を通り過ぎているか否かを知ることが好ましい場合が多い。原則として、図４に示すように、平面の何れかの側で２つのＲＦＩＤタグ３２０及び３３０を使用し、どちらのタグが最初に検出されたかに基づいて呼掛け装置の移動の方向を判定することができる。しかし、そのような判定において妥当な正確さを実現するのに、２つのタグを遠く離れて配置しなければならない。即ち、２つのタグの間の距離は、呼掛け信号の強度が検出閾値を大幅に超える強度から距離と共に検出閾値を大幅に下回る強度まで減少するように十分長くなければならない。そのような距離は、受入れる場所（例えば、倉庫トレーラ戸）の大きさより長いことが多い。さらに、この方法では、パレットトラックが地点３１０をちょうど通過している場合ではなくパレットトラックが遠くから地点３１０に接近している場合に、最も正確な移動判定が行われる。従って、測定は、積荷の真の状態を反映していない。

この問題を解決するために、本発明の１つの態様による物体移動を検出できる位置マーカ４００の好適な構造を図５に示す。位置マーカは、短い距離離れて配置された２つのＲＦＩＤタグ４２０及び４３０を含む。金属板、金属仕切り又は他のＲＦ反射又は吸収材料などのＲＦ遮蔽体４１０は、タグの間に位置決めされている。積荷の移動の方向に対してある角度（例えば、４５度）の傾斜をもって遮蔽体４１０を設置することが好ましい。好ましくは約１インチ（２．５ｃｍ）の隙間４５０をタグ４２０と遮蔽体との間に規定して、タグの感度を保持する。第２の金属板４４０を第２のタグの後ろに配置することが好ましく、約１／２インチ（１．２５ｃｍ）の第２の隙間４６０を規定する。板４４０は、１つのタグのみを任意の所与の位置で読取ることができることをさらに保証するようにタグ４３０の最大読取り距離を短縮することが好ましい。組立体全体をＲＦ透明筐体（図示せず）に密封してもよい。

ＲＦ遮蔽体は、ＲＦＩＤ呼掛け装置及び積荷を運ぶ輸送乗物が第１のタグ４２０とＲＦ遮蔽体４１０の同じ側にある場合に第２のタグ４３０からの全呼掛け信号を実質的に阻止するので、呼掛け装置は第２のタグを検出しない。同様に、呼掛け装置が第２のタグ４３０と遮蔽体４１０の同じ側にある場合、第１のタグ４２０は検出されない。両方のタグが呼掛け装置により検出されるのは、２つのタグを隔てる平面の近くで短い範囲にわたって呼掛け装置が移動する場合だけである。従って、第１のタグ４２０及び第２のタグ４３０が検出される時系列により判断すると、ＲＦ遮蔽体４１０により規定される平面を通り過ぎた移動の方向を正確に判定することができる。

図６に示すように、僅かに異なる配置に同じ原理を使用することもできる。この場合、移動マーカ４００は、固定呼掛け装置アンテナ５１０を通り過ぎて移動する。ＲＦ遮蔽体がアンテナの傍を通り過ぎる場合の正確な移動を、マーカ４００内の２つのタグが検出される時系列により判定することができる。

多数のＲＦＩＤタグの区別
多数のＲＦＩＤタグが呼掛け装置の検出可能な範囲内にある状況において、１つを超えるタグが呼掛け信号に応答する場合に難題が生じることがある。例えば、乗物がＲＦＩＤ位置タグによりマークをつけられた目的位置に接近するが、呼掛け装置の検出範囲内に他の位置タグもあり、それらの位置タグも呼掛け信号に応答すると仮定する。呼掛け装置は１つを超える応答信号を受信するので、乗物の操作者は、ＲＦＩＤタグが乗物に最も近いかどうかを判定することができない場合がある。１つの解決策は、低電力ＲＦ呼掛け信号を維持することであり、これにより、検出範囲内で多数のタグを有する可能性を低減する。しかし、その解決策は、呼掛け装置の検出範囲もかなり狭くし、これにより、ＲＦＩＤタグを用いた利点の多くが減少する。

この難題は、呼掛け信号を動的に減衰させる、即ち、高いＲＦ電力レベルの呼掛け信号を用いて呼掛けを開始し電力レベルを閾値レベルに減らして呼掛け信号に応答することにより、本発明の１つの態様に従って克服可能である。図７に示すように、システムは、呼掛け装置１２０、処理装置６６０、アンテナ１２２及び減衰器６４０を含む。ディジタル装置であることが好ましい減衰器は、目的タグ６２０が一層近い場合よりも目的タグ６２０が一層遠くに離れている場合に一層強い呼掛け信号を送信する。出力電力を変えることができる呼掛け装置の場合、減衰器を呼掛け装置内に構成し、固定出力電力の呼掛け装置の場合、ディジタル制御減衰器を呼掛け装置の出力とアンテナとの間に接続することもできる。図８に概説されるように、呼掛け装置は、全電力で呼掛け信号を送信することにより開始し（８１０）、目的タグが検出されているか否かを判定する。目的タグが、ことによると他のタグと共に検出された場合（８２０）、呼掛け信号の電力を所定の係数又は増分で減少させる（８３０）。目的タグが引き続き検出された場合、目的タグがもはや検出されなくなるまで、より大きい電力減少係数又はより大きい電力減少増分で処理を始めから繰り返す（８４０）。一旦目的タグがもはや検出されなくなると、呼掛け信号の電力を増加させて前回のステップのレベルに戻す（８５０）。減少された電力減少係数又は増分で開始して、処理をステップ８４０から繰り返す。好適な係数又は増分は、隣接するタグの間の予想最小間隔に基づいてシステムの設置時に経験的に大体決めることができる。

この手続きの最終的な効果は、呼掛け信号のＲＦ電力レベルが、検出範囲が呼掛け装置と目的タグとの間の距離よりも大きい限り減少し続け、検出範囲が呼掛け装置と目的タグとの間の距離よりも小さい限り増加し続けるということである。従って、呼掛け装置と目的タグとの間の距離が変化すると、呼掛け信号の電力レベルを調整して、検出範囲が距離と一致するように最適レベルを「捜し」求める。

ここに記載の動的減衰システムの結果は、呼掛け装置が目的タグのすぐ隣に位置するという信頼性のレベルに呼掛け信号の最適ＲＦ電力レベルが直結されているということである。低いＲＦ電力レベルは、より小さい検出範囲、従ってより近い目的タグ、より高い信頼レベルを意味する。逆に、高いＲＦ電力レベルは、より大きい検出範囲、従ってより遠い目的タグ、より低い信頼レベルを意味する。

この特徴を用いて、呼掛け装置と目的タグとの間の距離を示す信号を与えることもできる。例えば、ディジタル減衰器の出力を用いて、距離の関数を表すこともできる。代わりに、可変電力呼掛け装置では、出力電力を呼掛け装置における制御点で可変電圧により設定することもできる。この電圧を、距離を示す信号として使用することもできる。次に、距離を示す信号を用いて、ユーザインタフェースを介して目的タグに接近する操作者に視覚補助器を生成することもできる。図９に示すような図形バー７００を搭載コンピュータ表示装置１７０上に表示して、信頼レベルを表すこともできる。バー７１０の長さは、最高ＲＦ電力設定に対応する最小位置７２０と最低ＲＦ電力設定に対応する最大位置７３０との間で変わるようにプログラムすることもできる。代わりに、バーは、目的タグまでの距離を表示するようにプログラムすることもできる。次に、この場合におけるバー長は、ＲＦ電力レベルと共に増加する。距離の信頼レベルの数値表示からサイズがタグまでの距離を示す丸いドットパターンまで、多数の他の可能性が存在する。

代わりに、信頼レベル表示器は、検出された目的タグの回数と連続読取りで検出された全タグの総数との比率から計算された移動平均を表示するようにプログラムすることもできる。

代替の動的減衰システムは、上記システムと同一の構成要素を含むけれども、呼掛け信号の送信を繰り返すが、１つのＲＦＩＤタグのみが呼掛け信号に応答するまで多数のＲＦＩＤタグが検出される限り呼掛け信号の電力レベルを減少し続けるように構成され配置される。呼掛け信号の強度は距離と共に減少するので、ただ１つの応答するＲＦＩＤタグは、多数のＲＦＩＤタグの中で呼掛け装置に実質的に最も近いタグである。

代替／追加の位置識別
ＲＦＩＤタグベースのシステムを他の制御及び／又は案内システムと組み合わせて、所望の機能を実現することもできる。例えば、乗物案内のために道路及び倉庫床に貼り付け可能な磁気テープを、ＲＦＩＤ位置マーカに対する代替又は追加の装置として位置判定に使用することもできる。適当な磁気テープは、業界で知られている。そのようなテープの例は、ＷＯ９６／１６２３１として公開された「トラフィック支持面用の適合磁性体」と称する１９９４年１１月１７日に提出の米国特許出願第０８／３４１，３６９号（Ｄａｈｌｉｎら）に開示されている。そのような磁気テープを用いたシステムにおいて、テープはトラフィック支持面に貼られている。輸送乗物に搭載されている磁気センサは、センサがテープの一部の上を通り過ぎた場合に磁気信号を検出する。さらに、乗物上のセンサにより符号化情報を読取り次第乗物位置判定ができるようにテープに沿った位置を示すパターンでそのようなテープを磁化する（「符号化する」又は「書込む」）こともできる。そのような案内システムをＲＦＩＤシステムと併用して、さらに一層高い作業効率を実現することもできる。

倉庫床上に区分されたレーンにパレットが格納されているそのようなシステムの例を図１０に示す。そのような磁気テープ５４０の帯を各レーンに沿って貼ることもできる。乗物５１０には、ＲＦＩＤ呼掛け装置（処理装置５２０に一体化されて示してある）及び磁気信号読取装置５３０の両方が搭載されている。テープは、テープに沿った位置を乗物上のテープ読取装置により判定できるように符号化されている。例えば、在庫位置の隣のテープのセグメントにおける磁気パターンを、処理装置が床位置などの在庫位置に対応する位置番号を示すものとして認識する数値コードとして読取ることもできる。処理装置は、テープ読取装置５３０を介してテープから位置情報、及び呼掛け装置及びアンテナ５５０を介してＲＦＩＤタグ（例えば、タグ５６０）からパレット同一性情報を受信する。また、処理装置は、パレット持ち上げ座標、パレット番号及びパレット目的地座標を含む遂行されるべき作業に関して乗物に指示を送出する。

図１１に示すように、本発明に関して可能な作業の別の例は、水平乗物移動だけでなく倉庫棚内の投入口へ及び同投入口からのパレットの垂直移動も伴うパレット移動である。そのようなシステムでは、上述のようにＲＦＩＤタグ７９０により倉庫棚にマークをつけることもできる。前述の実施形態のように、乗物７５０には、所望の倉庫棚を識別するようにタグ７９０を読取るのに使用可能なアンテナ７７０及び呼掛け装置７６０が搭載されている。別個の位置マークで各倉庫棚内の各投入口にマークをつける必要を無くすために、乗物７５０（この実施形態では、リーチトラック）に高さセンサ７８０を搭載することが望ましい場合もある。リーチトラックのフォークの垂直移動は、高さ信号を処理装置又は遠隔ホストコンピュータに送信する高さセンサにより監視される。高さセンサは、フォークの駆動機構に接続されている計数装置であることが好ましいが、高さを測定する任意の他の適当な装置、例えば直線変位機構、レーザ距離計などであってもよい。処理装置は、フォークを所定の高さに上昇させて棚にしまう又は棚から取ってくるように操作者に指示することもできる。操作者は高さへのフォークの上昇を手動で制御することもでき、又は、リフトトラックは所望の高さで自動停止するようにプログラムすることもできる。そのようなシステムに関して、三次元のすべてにおける在庫品物の移動を効率よく正確に制御することができる。さらに、フォークリフト上の高さセンサを使用することにより、垂直に延在する倉庫棚内の各格納高さ（投入口）にＲＦＩＤセンサを配置する必要が無くなる。その代わりに、柱内の個々の投入口が高さ表示器により識別されている状態で、各柱の投入口をたった１つのＲＦＩＤタグにより識別することができる。

上述の特定の実施形態は、倉庫又は他の同様な環境全体にわたって物体を識別し、移動させ及び追跡する完全自動化システムを提供する。システムは、倉庫作業全体にわたって操作者に即時フィードバックを与え、従って誤りの可能性を最小にする。システムは、在庫位置、格納棚、床レーン及び船積み格納庫などの倉庫作業に伴う種々の位置の全部の使用に適合できる。システムは、中央データ収納庫と共同して作業することができるので、システムは、倉庫全体にわたってすべての物体移動を指示して追跡することができる。本発明を使用することにより、在庫管理における誤りを大幅に低減することができ、これにより、生産性を向上できる。

上述の特定の実施形態は単に例示であるので、ここでの教示の利益を有する当業者に明らかな異なる（但し、等価の）方法で、本発明を修正して実施することができる。さらに、後述の請求項に記載のもの以外に、ここに示す構成又は設計の詳細に制限されることはない。従って、上述の特定の実施形態を変更又は修正することができ、すべてのそのような変形が本発明の範囲と精神に反することなく考えられることは明らかである。従って、ここに求められる保護は、後述の請求項に記載の通りである。

Claims (2)

1. 高周波識別システムにおいて、
   （ａ）呼掛け装置であって、（１）呼掛け信号を送信する送信装置と（２）受信装置とを有する呼掛け装置と、
   （ｂ）複数の高周波識別タグであって、各高周波識別タグの同一性を示す情報により符号化された信号を、前記呼掛け信号に応答して各々が送信できる複数の高周波識別タグと、を具備し、
   前記呼掛け装置の前記送信装置は、最初に、前記複数の高周波識別タグがそれら高周波識別タグの同一性を示す信号を呼掛け信号に応答して送信するのに十分な電力レベルを有する呼掛け信号を送信し、次いで、前記複数の高周波識別タグのいずれもが検出されなくなるまで前記電力レベルを減少させ、さらに前記複数の高周波識別タグのうち１つの高周波識別タグのみが検出されるまで前記電力レベルを増加させることにより、前記複数の高周波識別タグのうち１つの高周波識別タグのみがその同一性を示す信号を呼掛け信号に応答して送信するようになるまで呼掛け信号の強度を調整するように構成され、
   前記１つの高周波識別タグは、前記呼掛け装置に最も近い高周波識別タグである、
   高周波識別システム。
2. 前記呼掛け装置は、複数の位置の間で物体を移動させる輸送乗物に搭載される、請求項１に記載の高周波識別システム。

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