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JP5661103B2 - 高純度シリコン含有生成物および製造方法 - Google Patents

高純度シリコン含有生成物および製造方法 Download PDF

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Description

関連する出願への相互参照
本願は、2005年10月12日に出願された係属中の米国特許出願第11/248,368号(現在では、特許第7,638,108号)の一部係属出願であり、それは、2004年4月13日に出願された米国特許出願第10/822,924号(現在では、特許第7,588,745号)の一部係属出願であり、本出願は、また、2009年4月30日に出願された米国仮特許出願第61/174,376号の利益を主張する。
1.技術分野
本発明は、一般に種々のシリコンを含む生成物、および約3重量%より大きいシリコン含量を有する植物、最も好ましくは籾殻および稲藁から得られる植物または加工植物から得られる原料からそのような生成物を製造するための方法に関する。本発明の一態様は、籾殻および稲藁などのシリカ含有植物からシリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、四塩化ケイ素、および他の炭素−シリカ生成物を製造する方法に関する。本発明の別の態様は、1,000ppmより低い総鉱物性不純物と、400ppm未満のリン含量を有するシリコン含有生成物に関する。本発明の別の態様は、籾殻および稲藁から作られた太陽電池グレードのシリコンに関する。本発明の別の態様は、浸出工程を用いて以前に達成されなかった低鉱物含量、および固定炭素:シリカの所望の比率を有する、本明細書に定義される中間炭素−シリカ生成物に関する。本発明の別の態様は、固定炭素:シリカの所望の比率を達成するために、制御された期間、制御された温度においてシリコン含有植物を硫酸で浸出することにより作られる本明細書に定義される高純度の炭素−シリカ生成物に関する。本発明の別の態様は、浸出方法により作られる組成物から揮発性炭素を除去し、回収するための化学的および熱的方法、および生じる多揮発性成分の除去された炭素−シリカ生成物に関する。本発明の別の態様は、炭素熱工程を用いて、浸出した、揮発性成分が除去された高純度の炭素−シリカ生成物から作られる、シリコン、炭化ケイ素および窒化ケイ素などのシリコン含有生成物に関する。
2.関連技術の記載
高純度シリコンの独特の性能特性は、半導体産業の発展を可能性にし、急成長する太陽電池産業にとって重要である。他の周知のケイ素含有材料は、例えば、或る形式では高性能セラミックおよび高性能複合体を生成するのに用いられる炭化ケイ素や窒化ケイ素を含む。これらのおよび他のシリコン含有材料は、電子機器、防衛、自動車、宇宙航空学、産業上の摩耗物、先進のガラス、および化学的且つ環境的な製品を含む種々の用途に用いられる。
太陽電池産業は、速いペースで成長しているが、シリコンのコストは、更なる速い成長、および太陽電池パネルを用いた大量のパワーの生成に対する障害の1つである。ソーラー等級シリコンを作るためのコスト的に有効なプロセスが無いことにより、大多数の太陽電池は、より純度が高くてコストが掛かる半導体等級シリコンから現在作られている。同様に、高性能セラミックおよび複合体に対する需要が大きくなっているが、これらの産業の期待される前途は、炭化ケイ素および窒化ケイ素などの高いコストの材料によって阻まれている。
シリコンを含有する基本的に全ての材料および生成物の製造は、しばしば炭素熱還元と呼ばれる、非常に高温での炭素とシリカ(SiO)の反応を伴う。炭素は、シリカから酸素原子を「引き抜き」、生成した一酸化炭素は、ガスとして反応炉から放出されて、シリコン生成物を残す。所望の生成物がシリコン自体であれば、この反応の固定炭素:シリカのモル比は以下の如く2:1になるはずである。
Figure 0005661103
所望の生成物が、炭化ケイ素(SiC)であれば、この反応のモル比は、以下の式に示される如く、約3:1となるはずである。
Figure 0005661103
炭素とシリカ間の同じ反応を用いて、フェロシリコン(FeSi)および窒化ケイ素(Si)および四塩化ケイ素(SiCl)などの他のシリコンベースの生成物を生成することができる。例えば、窒化ケイ素を作るには、窒素を含む雰囲気中で反応が行われ、1モルのシリカ当たり、2モルの炭素が用いられる。
シリコンを生成する標準的な商業的工程は、コークスなどの炭素源を、砂または石英などの結晶質のシリカと所定比にて混合し、この混合物を反応させて、冶金グレードのシリコンを生成する。石炭と砂の粒は大きくて、あまり多孔性でなく、接触面積および有効な表面積が限定されているので、従来の供給原料を用いた反応速度は遅く、一般には終了するのに1日以上を費やす。結果として、炭素熱工程に必要とされるエネルギーは高く、生成されるシリコンは、しばしば純度99%未満である。この方法で生成されるシリコンは、アルミニウム産業およびある種の化学産業への適用に適しているが、半導体や太陽電池産業などの用途への純度には適切ではない。これまで、冶金シリコンを光産業や半導体グレードの材料にまで品質を上げるのに、非常に高価で複雑な過程を必要とした。
同様に、低速で多くのエネルギーを必要とするAcheson法を用いて生成される炭化ケイ素は、コストが掛かり、冶金、耐熱および研磨産業、ならびに高純度、小さい粒子サイズ、および/またはウィスカまたはファイバーを必要としない他の用途での使用に限定される。これまで、最高品質の炭化ケイ素粉を生成するには、さらに高価で複雑な工程を使用することが必要であった。
窒化ケイ素は、様々な工程により生産することができ、しばしば四塩化ケイ素などの高価な出発原料を使用して、商業生産される。得られる粉末は、商業上望ましいが、少数の高価な用途を除き、全ての用途で使用するには高価すぎる。
過去20年間に、数人の研究者が、工業製品用シリカの源として稲の使用を研究している。全ての植物は、著しい量の炭素を含んでおり、多くのタイプの植物はシリカを含んでいる。稲は、その高濃度のシリカ故に、恐らく最も独特なもののうちの1つである。殆どの植物の鉱物含量は、例えば約1〜2%であるが、稲には一般に約11〜23%の鉱物質を有する。特に、稲の鉱物質の約75〜95%は、シリカである。稲藁は約11%のシリカを含んでおり、籾殻は一般に約15〜23%のシリカを含んでいる。米は世界中で育てられている最も豊富な農作物の1つであるが、現在まで、稲のかなりの部分を成す籾殻と稲藁の実用的な使用はほとんどなかった。
籾殻は成長中に米粒に生ずる天然の包皮である。それらは精米中に除去され、精米産業における無駄または低価値の副産物である。稲藁は茎、葉鞘、葉、および収穫後の円錐花序の残りから構成される。一般に、稲から得られる稲藁の量は、少なくとも収穫された米の大凡の産出量と等しい。それらの高いシリカ含量のために、これらの材料は、動物飼料成分としての価値を殆ど有していない。籾殻と稲藁は、燃焼温度でシリカと相互に反応して、ボイラースラグおよび沈積物を生成する比較的大量のカリウムを有し、不燃性の灰分の大量の画分を有するので、それらは不満足な燃料源であると同様に考えられている。籾殻と稲藁が燃料として燃やされる場合、籾殻と稲藁の両方は比較的灰分が高いため、特殊な処理設備が必要である。これらの理由から、籾殻はしばしば埋立て地に沈積され、稲藁は野原で通常燃やされる。このようにして、籾殻と稲藁は殆ど商業的価値が無く、従来から処分上の問題として存在している。
それにもかかわらず、籾殻と稲藁は、高いシリカ含量および低価格のために、引き続きシリカの魅力的な源である。籾殻中の殆どの有機物質は燃焼によって除去することができる。そのような燃焼工程から生産された灰は、最大約95%のシリカを含むが、まだ非シリカの鉱物の不純物を含んでいる。数人の研究者は、「精製された」籾殻から付加価値のある製品を作成するために、籾殻から非シリカの鉱物を除去することを研究している。
L.P.Hunt,J.P.Dismukes,J.A.Amick,“Rice Hulls as a Raw Material for Producing Silicon,”J.Electrochem.Soc.,131(7),1984は、光起電性エネルギーが、従来のエネルギー源に対してよりコスト競争力が高いように、籾殻を使用して、太陽電池を製造するのに十分に純粋で、十分に低コストなシリコンを生成する可能性を研究した。生の籾殻を−20から+80メッシュに挽き、洗い、乾燥した後に、乾燥した籾殻の2つのサンプルを塩酸と脱イオン水とが夫々1:3と1:10を用いて、沸騰条件下で15分間浸出させた。1:10の酸性溶液で浸出することは、1:3の酸性溶液とちょうど同じくらい有効であることが分かった。しかしながら、50℃で5時間の間、一層弱い酸性溶液を用いてサンプルを浸出することは、沸騰条件下で得られるものと同様の低い不純物濃度にまでは減少しなかった。異なる材料からの3つの籾殻サンプルが、1:10の塩酸溶液を15分間沸騰させて酸で浸出された。カルシウム、カリウム、マグネシウムおよびマンガンの濃度は40〜100倍の係数だけ減少した(97.5〜99%の除去)。硫酸の濃度は、8の係数(87.5%の除去)だけ減少した。ナトリウムおよびリンの濃度は約3の係数(67%の除去)だけ減少した。ホウ素、アルミニウムおよび鉄の濃度は減少しなかった。研究者は、生の籾殻が、浸出された籾殻(全体的に96.7%)よりも、全体的な非シリカ鉱物の不純物濃度が約30倍であると報告し、酸で浸出され、コークスにされた製品が、太陽電池の等級のシリコン生産用の原料として興味深いと推定した。しかしながら、リン/ホウ素比率が10を超えるので、太陽電池の最終的な製造には、40ppm(平均)と報告されたリンの濃度を大幅に減らす別の工程が要求される。
炭化ケイ素のウィスカの生成を助長する空隙率の効果、ならびに鉱物不純物を除去する際の、空隙率の重要性は、Tanakaによる米国特許第4,504,453号(1985年)に開示されている。
M Patel,A.Karera and P.Prasanna,“Effect of thermal and chemical treatments on carbon and silica contents in rice husk,”J.Mater Sci,22(7),1987は、インドのBhopalの近郊から得られた米殻サンプルを100℃にて2〜6時間、塩酸(4〜12N)、硫酸(2N)または硝酸(8N)の研究所グレードで処理することを報告している。著者は、塩酸で処理した米殻をその後700℃未満の温度で炭化することにより、純度99%(非シリカ鉱物が10,000ppmであり、高純度の用途には高い不純レベルである)のSiOが生産され、非結晶の結晶形への如何なる変形をも回避し、残り1%は酸に不溶な金属なので純度は99%以上に増加しないと結論を下した。さらに、彼らは、硫酸あるいは硝酸の中で還流反応を実施するのが難しいと報告し、従って、限られた実験のみが実施された。著者はさらに、部分的なコークスまたは籾殻毎に炭素とシリカの比が2:1であることを達成することができると報告した。しかしながら、これは10:1のモル比率に相当する質量比であり、それに対して所望のモル比は3:1から2:1の範囲である。
A.Chakraverty,P.Mishra and H.D.Banerjee,“Investigation of combustion of raw and acid−leached rice husk for production of pure amorphous white silica,”J.Mater Sci,23(1) 1988は、洗浄され乾燥した籾殻を約40メッシュの粒子サイズに挽き、50℃にて2時間、塩酸(1N,3N,5Nおよび11.3N)、硫酸(1N,4.5N,9Nおよび18N)ならびに硝酸(4.5N,9Nおよび18N)で浸出し、蒸留水で洗浄し乾燥することを開示している。酸浸出した籾殻は、次に500℃から700℃の範囲の温度で燃焼された。硫酸での酸処理は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、マンガン、亜鉛および銅の酸化物濃度を減らすには、同等な濃度における塩酸または硝酸の何れかでの浸出よりも効果が薄い。全体的な金属不純物レベル(酸化物として報告された)は、塩酸で処理されたサンプルについては300〜747ppmであり、硝酸で処理されたサンプルについては496〜688ppmであり、硫酸で処理されたサンプルについては3534〜4483ppmであった。11.3Nの塩酸を用いて得られた最良の結果であっても、特定された非シリカ不純物の99%削減には失敗した。処理前または処理後の何れのリンのレベルに関するデータも無い。
R.Conradt,P.Pimkhaokham and U.Leela−Adisorn,“Nano−structured silica from rice husk”,J.of Non−Crystalline Solids,145(1992)75−79は、1リットル当たり100グラムの籾殻の割合で、3時間、2.4モルの塩酸または3.6モルの硫酸で還流沸騰することによる洗浄したタイ米の籾殻の酸浸出を報告している。浸出した籾殻は、600℃で焼却されて特性分析された。研究者は、酸の前処理を省くと、焼却物の表面積を大幅に小さくすると結論付けた。籾殻から準備されたシリカについて、比表面積180〜250m/gが報告されている。塩酸を用いて籾殻から得られた灰内の非シリカ鉱物の純度の最良レベルは、6,500ppmであった。硫酸を用いて籾殻から得られた灰内の非シリカ鉱物の純度の最良レベルは、10,000ppmであった。
I.A.Rahman,“Preparation of Si by Carbothermal Reduction of Digested Rice Husk,”Ceramics Int'l(1994)は、硝酸を用いて籾殻を蒸煮することにより、炭素およびシリカを生成することを研究した。約30gの予め洗浄した籾殻が60℃で300mlの硝酸にて蒸煮された。硝酸の濃度は、10モルから14モルの間で変えられた。蒸煮中(連続して攪拌して、7時間以下)、温度は注意深く制御された。蒸煮された籾殻は、次にろ過されて、蒸留水で中性になるまで洗浄された。蒸煮された籾殻内の全体的な非シリカ鉱物レベル(酸化物として報告された)は、2,500ppmであると報告された。蒸煮された籾殻は、アルゴンガス流の下で、800℃で一定重量になるまで熱分解された。熱分解された蒸煮籾殻の炭素量は、空気中で700℃、1時間加熱することにより決定された。Rahmanは、12モルの硝酸にて3時間以上蒸煮した後は、得られた蒸煮生成物は、2C/SiOの化学量論的比率であり、より高い濃度では所望比を生成できなかったことを報告した。低濃度では、適切な炭素−シリカ混合物を生成するのに長い時間が要求された。加熱後の重量損失は、熱分解された蒸煮籾殻内にある炭素の量と考えられ、残りは純粋なシリカと考えられた。次に、熱分解された粉は、制御された窒素雰囲気中にて、加熱炉にて、温度を徐々に1430℃まで上げて、加熱することにより窒化され、その後生成物は約700℃、30分間、マッフル炉で焼成されて、余分な炭素が除去された。反応を完全にするのに貢献する最も重要な要素は、混合の均質性であることが見いだされ、シリカと炭素が自然に混合されるので、籾殻の使用は有利であるとされた。
C.Real,M.Alcala and J.Criado,“Preparation of Silica from Rice Husks,”J.Am.Ceram.Soc.,79(8)1996は、籾殻から大きな比表面積を具えた純粋なシリカゲルを得る手順を研究し、原料として用いられる籾殻または最終生成物として得られるシリカの何れかが以前に、2時間、10%の塩酸溶液で沸騰されて浸出されたことを条件として、純度99%を越えるシリカは不活性雰囲気の下、600℃で籾殻を燃やし、続いて同じ温度で酸素雰囲気の下、残った炭素を燃焼させることによって得られることを報告した。しかし、大きな比表面積を具えたシリカゲルの産出、およびナノスケールの粒子を均一に分布させることは、希釈した塩酸を用いて籾殻を予め浸出し、または熱湯で洗浄してカリウムイオンを除去することが必要となる。
R.V.Krishnarao and J.Subrahmanyam,“Formation of SiC from Rice Husk Silica−Carbon Black Mixture:Effect of Rapid Heating,”Ceramics Int'l,22(1996)489−492は、炭化ケイ素ウィスカの生成には、空隙率が重要であることを示した。
N.Yalcin and V. Sevinc,“Studies on silica obtained from rice husk,”Ceramics Int'l 27 (2001)219−224は、50g/リットルの比率で2時間3%(v/v)の塩酸または10%(v/v)の硫酸中での還流沸騰によって、あるいは50gの殻/リットルの比率にて、室温で24時間3%(v/v)の水酸化ナトリウム溶液で浸出することによって、洗浄、乾燥した籾殻を浸出することを報告した。浸出後に、籾殻は蒸留水で徹底的に洗われ、110℃で空気加熱機の中で乾燥され、次に、4つの異なる方法によって600℃でマッフル炉の中で焼かれた。研究者は、籾殻の灰のシリカ含量が焼却に先立って籾殻を浸出するのに使用される化学薬品の種類に強く依存することを発見した。報告されたSiOの含量(重量%)は、籾殻が沸点で2時間、10%(v/v)の硫酸(v/v)で予め浸出された灰サンプルについては99.60±0.05(4,000ppm)であり、籾殻が沸点で2時間、3%(v/v)の塩酸で予め浸出され且つその後も浸出された灰サンプルについては99.66±0.02(3,400ppm)であった。焼却前に硫酸で浸出されたサンプルは、282m/gのBET比表面積を示した。
HuntらおよびRahmanらを除いて、上述の参照文献は、籾殻内に見出される炭素を、籾殻内のシリカと反応して、所望の生成物を形成する炭素源として使用することができることを提案していない。代わりに、籾殻は燃えて灰を形成し、それによって、全ての炭素を除去し、その後灰が酸にて処理されて得られたシリカから鉱物を除去する。しかしながら、籾殻を加熱する前にKを除去することにより、加熱時にシリカはより大きな比表面積およびより小さな粒子サイズを維持することができるので、Realらは、籾殻をシリカに還元するのに燃焼を使用する前に、浸出を行なうことが有利であることを1996年に実証した。いずれの場合も、生成するシリカは、所望のシリコン含有生成物を生産するために、別の出所源からの炭素または別の還元剤と組み合わされる。
籾殻は、固定および揮発性炭素の両方を含む。固定炭素は、シリカと反応して生成物を形成するのに十分高い温度にまで固体内に保持され、その一方、揮発性炭素は比較的低い温度にて揮発され、シリカと反応するのに利用できない。処理されていない籾殻内の固定炭素対シリカのモル比は、約4:1である。従って、所望の生成物(例えば、SiCについては約3:1、Siについては約2:1)について、モル比が適切な比率に調節されなければならない。これはモル比であり、先行技術の中で時々使用されるような、質量百分率比率ではないことに注目することは重要である。1:1の低い質量百分率比率さえ、モル比では5:1に相当し、それは多くの炭素熱反応に要求される比を軽く上回る。Huntらは、塩酸で鉱物含量が先に適切なレベルにまで減らされた後に、熱分解を用いて、その後にCOにて制御された燃焼をして固定炭素の幾らかを除去することに言及し、そのレベルは許容しがたい量のリンを含み、鉄の減少はない。Rahmanらは、炭素を除去するために、殻の中の有機物質を分解する強い酸化剤である濃硝酸を使用した。しかしながら、処理された籾殻からの灰の鉱物純度は、なお2,500ppmであり、200ppmの鉄の含量であった。リンに関するデータは報告されなかった。Rahmanらによって留意されるように、酸処理の後の炭素の高反応、酸処理の後のシリカの高い比表面積の保持、および酸処理された籾殻内のシリカと炭素の密接な会合は、高温でのシリカと炭素の反応速度を増強させるであろう。
太陽発電および高性能材料に要求される特性をコスト効果的に得るために、密接に会合する固定炭素対シリカのモル比を調節し、シリカを高レベルに含む植物から非シリカ鉱物、特にリンおよび鉄を非常に低レベルにする工程を開発することは重要である。これらの材料は、費用がかからない炭素熱処理工程に用いられて、現行の工程よりも一層低いコストで、高級シリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、四塩化ケイ素、および他のシリコンベースの生成物を生成することができる。
本発明は、シリコン、炭化ケイ素(α−およびβ−)、窒化ケイ素、四塩化ケイ素などの高性能で高純度の最終生成物、および他の高純度シリコン含有生成物を、従来の工程および/または供給材料を用いることにより経験したものよりも要求されるエネルギーがより低く、高い処理能力、および有意に低いコストで生産するのに用いられ得る、新規な工程および中間体生成物に関する。本明細書で使用する場合、「高純度」という用語は、1,000ppm未満の総鉱物の不純物と400ppmより低レベルのリンを含む最終生成物を意味し、リンのレベルを100ppm未満にすることは容易に達成できる。
本発明の好ましい方法によれば、少なくとも約3重量%のシリカを含む天然に存在する植物、加工植物、またはそれらの混合物が、制御された温度にて適切な時間だけ硫酸溶液を用いて1段階または多段階の何れかで浸出される。浸出温度は、例えば、周囲温度から250℃までの範囲とすることができ、浸出時間は、例えば、約6秒から約48時間の範囲とすることができる。この浸出工程で得られる固体の炭素−シリカ生成物は、少なくとも約1:1以下から約5:1の固定炭素対シリカのモル比、非常に低レベルの鉱物、および高い空隙率と反応性を有する。
本明細書で使用される、「鉱物」および「複数の鉱物」の用語は、シリカを除き、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(MG)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)およびリン(P)のうちの1つまたはそれ以上を意味し、単独でも互いに組み合わされても、他の金属または酸素などの原子と組み合わされてもよい。本明細書で使用される、「炭素−シリカ生成物」という用語は、籾殻、稲藁、あるいは少なくとも3重量%のシリカを含む他の植物を、得られた物質が1,000ppm未満の総鉱物を含み、0.5:1と5:1の間の任意の所望の比率を達成するために化学的に、あるいは熱的に調整することができる固定炭素:シリカの比率を有するような条件下で、硫酸を用いて浸出することにより作られる生成物を意味する。固定炭素とシリカは、ミクロンあるいはサブミクロンスケールで緊密に混合され、シリカは大きな比表面積を有する非晶質形態で存在している。
本発明の炭素−シリカ生成物は、壊れやすく、粉砕または他の適切な手段によって細かい粉末の形態に容易に細粉化できる。揮発分を除去した本発明の炭素−シリカ生成物は、上記の炭素−シリカ生成物の全ての利点を具現化し、また低レベルの揮発性炭素を含む。揮発分を除去した炭素−シリカ生成物は、容易に挽かれて微粉末とすることができる。外部から結合剤を加えることなく、揮発分を除去した、または揮発分を除去しない炭素−シリカ生成物の何れかからペレットが形成され得る。
本発明の炭素−シリカ生成物は、揮発分を除去し、挽かれまたはペレット化されたかされないかの何れにせよ、炭素熱反応器内にて制御された環境でさらに反応させて、限定されるものではないが、シリコン、炭化ケイ素(α−およびβ−)、窒化ケイ素、および四塩化ケイ素などを含む所望のシリコン含有生成物を生成することができる。本発明の改善された炭素熱工程に従って作られた生成物の多くは、それらの一層高い純度および向上した性能特性のために、それ自体が新規性があると考えられる。本発明の炭素−シリカ生成物に於ける酸処理後の炭素の高い反応性、酸処理後のシリカの大きな比表面積の保持、およびシリカと炭素の密接な関係により、高温に於けるシリカと炭素間の反応速度が速くなる。炭素熱処理中、どんな残存揮発性炭素も除去され、必要により回収することができる。
本発明の炭素−シリカ生成物および揮発成分が除去された炭素−シリカ生成物の各粒子は、ミクロン、サブミクロンまたはさらにはナノメートルスケールに於いて、散在する固定炭素とシリカを実現させるので、シリカと炭素間の接触点が非常に多い。また、炭素とシリカは非晶質であり、大きな表面積を有するので、シリコン含有製品を製造する際に、材料は非常に速く反応する。例えば、炭化ケイ素を生産するための約75分の反応時間は、従来の石炭、またはコークス、そして砂が供給材料として使用される場合の1日以上と比較して、容易に達成可能である。これは、今度は、非常により少ないエネルギーが同量の製品を生産するのに必要となることを意味する。エネルギー消費が従来の炭素熱工程の間の主要な運用コストであるので、本明細書に開示された工程と材料を使用して、運用コストの大幅な削減ができるはずである。
本発明の1実施形態によれば、1,000ppmより低い総鉱物含量を有する炭素−シリカ生成物を生産するために、少なくとも3重量%のシリカを具現化する、天然に存在する植物、加工植物、ならびに天然に存在する植物および加工植物の混合物を硫酸で浸出するための方法が開示される。植物として、籾殻や稲藁の使用が好ましい。籾殻は3つの基本成分を含有する:1)炭素、酸素、水素、窒素および硫黄からなる分子で構成される有機物質;2)シリカ(SiO);および3)ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、リン(P)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、および鉄(Fe)などの鉱物。籾殻は、遊離炭素自体は含まない。シリカ(SiO)以外の総シリコン(Si)を含む生成物の生産は、遊離炭素(C)とシリカ(SiO)の反応を伴う。遊離炭素(C)は、シリカの酸素原子を取り除き、そして、シリカに対する遊離炭素の量、温度、および反応中の気体雰囲気に応じて、その結果は、シリコン(Si)または窒化ケイ素(Si)または炭化ケイ素(SiC)となるであろう。さらに、これらの製品のすべての商業的仕様は、存在する鉱物の量に制限を含んでいる。
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも3重量%のシリカを含む植物を、約10ミクロンから1ミリメートルを超える範囲の粒子サイズにまで粉砕し、約1重量%から約35重量%のこの粉砕された植物を、約0.01重量%から約30重量%の範囲の濃度を有する硫酸溶液と約10℃から約250℃の範囲の温度において約6秒から約48時間、接触させるか、あるいは好ましくは、混合させる工程を含む炭素−シリカ生成物を作る方法が開示される。浸出工程の間、鉱物は、植物から浸出され、シリカに対する固定炭素の比率は、以下に詳細に説明されるように、少なくとも約1:1から約5:1またはそれ以上のモル比に好ましくは調整される。希望する最終製品は、中間炭素−シリカ生成物から、さらに熱的または化学的処理により製造することができる。
本発明の他の実施形態によれば、2または3以上の浸出段階を具える浸出方法が開示されている。上記の浸出方法の適用に続いて、洗浄したまたは洗浄していない材料の浸出工程が、1回または2回以上さらに繰り返され、さらに残留した鉱物含量を減らし、固定炭素対シリカの比を調整する。ここで開示された多段階の浸出方法を用いて、1:1と低い、またはそれ以下の固定炭素対シリカのモル比が達成され得る。
本発明の他の実施形態によれば、約1重量%を超える、好ましくは3〜5重量%を超える著しいシリカ含量を含む天然に存在する植物または加工植物から、鉱物を除去することを改善するための1段階または多段階の何れにも有用な浸出方法が開示される。
本発明の他の実施形態によれば、約3重量%超のシリカを含む天然に存在する植物または加工植物の揮発性炭素の量を減らすのに有用な浸出方法が開示されている。
本発明の他の実施形態によれば、約3重量%超のシリカを含む天然に存在する植物または加工植物の固定炭素の量を減らすのに有用な浸出方法が開示されている。
本発明の他の実施形態によれば、約3重量%超のシリカを含む天然に存在する植物または加工植物の揮発性炭素を固定炭素に変換するのに有用な浸出方法が開示されている。
本発明の他の実施形態によれば、約3重量%超のシリカを含む天然に存在する植物または加工植物に含まれる炭素およびシリカの空隙率を増加させるのに有用な浸出方法が開示されている。
本発明の他の実施形態によれば、所望のモル比の固定炭素とシリカおよび約0.1重量%を遙かに下回るレベルの鉱物を含む高純度の炭素−シリカ生成物が開示されている。高純度の炭素−シリカ生成物は、著しく改善された空隙率と反応性を示し、下記の如く、他のシリコン含有生成物を作るのに用いるのに好ましい材料である。
本発明の他の実施形態によれば、約2:1未満から約5:1超の範囲である固定炭素:シリカのモル比を有する炭素−シリカ生成物が開示され、総鉱物含量が約200ppm未満であり、約100ppm未満であることが好ましく、ホウ素の含量が1ppm未満であり、リンの含量が4ppm未満である。
本発明の他の実施形態によれば、炭素とシリカがミクロン、サブミクロンまたはナノミクロンスケールで密接に混合した炭素−シリカ生成物が開示されている。これらの炭素−シリカ生成物は、外部の結合剤の必要なくして、微粉末の形態に生成されるか、またはペレット状に作られ、その後のシリコン含有生成物の生成に用いられるのが好ましく、このシリコン含有生成物は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン、四塩化ケイ素を含むが、これらに限定されない。
本発明の他の実施形態によれば、利用可能な約30%から約90%、最も好ましくは約50%超の内部空隙容量を有する炭素−シリカ生成物が開示される。
本発明の他の実施形態によれば、壊れやすく、最小のエネルギー消費で微細(500μm〜50μm)、非常に微細(50μm〜5μm)、超微細(5μm〜サブミクロン)の範囲の粉末化された粒子サイズに容易に粉末化できる、炭素−シリカ生成物が開示される。得られた粒子の平均サイズおよびサイズ分布は、最終のシリコン含有生成物に所望される特性に従ってここに開示される工程パラメータによって制御される。
本発明の他の実施形態によれば、大幅に改善された空隙率と反応性を示す高純度で、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を生成する熱的および化学的に揮発分を除去する方法が開示され、それら自体が本発明の実施形態である。本発明方法で作られた揮発分を除去したおよび揮発分を除去しない生成物の両方が、他のシリコン含有生成物を作るのに使用するのに好ましい材料であり、このシリコン含有生成物は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン、四塩化ケイ素を含むが、これらに限定されない。
本発明の他の実施形態によれば、概して炭素熱反応器内で本明細書に開示された炭素−シリカ生成物および/または揮発分を除去した炭素−シリカ生成物を非常に高い温度にまで加熱して、シリコン含有生成物にシリカの還元を開始する工程を含む炭素熱方法が開示されている。炭素熱反応器は、ここで開示されたシリコン含有生成物を、対象であるシリコン含有生成物に基づいて、約1,250℃から約2,200℃にまで加熱するのが好ましい。シリコンまたは炭化ケイ素については、不活性気体が用いられる。他の生成物については、炭素熱反応器にて別の気体が用いられる。炭素熱工程およびこの工程によって作られる高純度のシリコン含有生成物の両方が、従来の方法および生成物に対する発明である。
本明細書で開示された発明を用いることによって達成され得る利点は、処理時間および温度を減じることに帰属するエネルギー節約、揮発分を除去した炭素の回収からのエネルギー生成、より高い生成処理能力、より多いシリコン含有生成物の産出、より高度な不純物の除去、およびより高性能のシリコン含有生成物を含むが、これらに限定されない。
本発明は、図面の以下の図に関連してさらに記載され、説明される。
図1Aは、本明細書に開示された生成物が、籾殻などの好ましい出発材料から作られる好ましい方法を簡略化された形で例示説明する工程フロー図である。 図1Bは、本明細書に開示された生成物が、籾殻などの好ましい出発材料から作られる好ましい方法を簡略化された形で例示説明する工程フロー図である。 図2は、籾殻を高純度の炭化ケイ素(α−またはβ−)、窒化ケイ素またはシリコンに選択的に変換するための好ましい方法を簡略化された形で例示説明する工程フロー図である。 図3は、簡略化された工程フロー図である。 図4は、本発明の装置の概略図である。 図5は、本発明の装置の概略図である。 図6は、反応器温度を示す図表である。 図7は、対超高純度窒素流量を示す図表である。 図8は、装填密度に対するα−窒化ケイ素の最大収率%を示す図表である。 図9は、反応器温度と流量を示す図表である。 図10は、装填平均粒子サイズに対する装填流量を示すグラフである。 図11は、装填質量当たりの流量に対する8種類の標準鉱物(ppm)の合計濃度を示すグラフである。 図12は、装填質量当たりの流量に対する濃度を示すグラフである。 図13は、装填質量当たりの流量に対するリン濃度を示すグラフである。 図14は、装填質量当たりの流量に対するイオン濃度を示すグラフである。 図15は、装填質量当たりの流量に対する炭素熱生成物のカルシウム濃度を示すグラフである。 図16は、加熱速度に対する平均粒子サイズを示すグラフである。 図17は、加熱速度に対する熱分解粒子の比表面積を示すグラフである。 図18は、顕微鏡写真である。 図19は、顕微鏡写真である。
シリカの濃度が比類なく高いために、籾殻および稲藁が本発明の使用に特に適切に用いられ、以下の記載は好ましい実施形態としての籾殻の使用に絞る。しかし、少なくとも約1重量%のシリカ、好ましくは少なくとも約3〜5重量%のシリカを含む他の天然に存在する植物、または加工植物も同様に用いられると考えられる。籾殻は、固定炭素および揮発性炭素の両方を含み、揮発性炭素は主にセルロースの形で存在する。未処理の籾殻は一般的には、約4:1のモル比の固定炭素:シリカを含み、揮発性炭素の固定炭素に対する重量比は約5.24であり、鉱物含有量は、約1〜3重量%(10,000〜30,000ppm)の範囲である。
本発明の方法は、図1Aおよび図1Bを参照して記載され説明される。ここに開示されているように、籾殻は粉砕され、篩にかけられて、平均的な粒子サイズに調整され、硫酸水溶液に容易に混合するように籾殻を開くようにされるのが好ましい。籾殻は、約10μmから約1mmの粒子サイズに粉砕されるのが好ましい。約150μmの平均的な粒子サイズが良好な結果をもたらす。籾殻が土または他の破片を含むならば、粉砕する前に洗浄して乾燥するのが好ましい。精米機から直に得られる籾殻は、通常は比較的清潔で、粉砕する前に洗浄および乾燥が不要である。
粉砕後に、籾殻は硫酸水溶液を用いて浸出されるのが好ましい。硫酸水溶液は鉱物を除去して、浸出した籾殻内の固定炭素対シリカの比を調節し、揮発性炭素の含量を減らし、浸出された籾殻の空隙率を増加させるのに特に効果的であると考えられている。適切な硫酸水溶液は、約0.01重量%から30重量%超の範囲の濃度の酸であり得る。約0.3重量%から約1重量%の酸が、固定炭素対シリカのモル比を調節し、鉄以外の鉱物を非常に低いレベルにまで減らすのに適切である。約1重量%から約5重量%の酸が、低い範囲にすることを達成し、加えて鉄を最低レベルにまで減らすのに適切である。約5重量%から約20重量%の酸濃度が、セルロースの適切な溶解度により、揮発性炭素を除去するのに有用である。約30重量%超の濃度の硫酸溶液は、より高価で、著しく腐食性があり、高濃度で好ましからぬ副産物を生成する。それに対して、硫酸浸出溶液をその範囲の下限に近づく濃度にまで希釈すると、酸の効果を減らし、所望の産物特性を達成するのに要求される時間を増加させ得る。
本発明の浸出方法に満足に用いられる固形物の濃度は、得られる混合物の1重量%未満から50重量%超までの範囲であり、この濃度は約1重量%から約45重量%までの範囲が好ましい。約1重量%から約10重量%の範囲の固形物の濃度は、1回の浸出段階でリンを最適に除去する。しかし、リンの極端に低いレベルが重要でなければ、約10重量%から約45重量%までのより高い固形物の濃度範囲により、水および酸の消費を少なくし、炭素−シリカ生成物を乾燥する際に用いられるエネルギーを最小にする。浸出工程は、種々のタイプの反応器および所望の反応器構成を用いて、バッチまたは連続様式にて1段階または複数段階で実行され得る。
我々は、籾殻中ではシリカが希硫酸浸出によって除去される有機物質に囲まれていること、およびその除去が約40℃と約140℃との間の浸出温度で最も効果的であることを発見した。この有機物質を除去して、それらに結合した残留リンと鉄を有するシリカ粒子の表面を露出させることが重要であると考えられている。この表面が一旦露出されると、硫酸はこれら結合物質を溶解し、それらを材料から除去できるようにし、そして鉱物不純物の低レベルの達成を可能とする。固体と液体は、浸出工程中では連続的に混合されるのが好ましく、それにより全ての固体粒子が酸溶液と接触し、熱が混合物全体に分配される。沸騰の温度(94〜100℃、標高に応じて)は、固形分濃度に応じて、籾殻と硫酸水溶液の混合物を攪拌するのに役立つ。約94℃未満の温度では、周囲の有機物質の除去は遅くなり、これは、そうでなければ特に高い浸出温度と短い浸出時間で達成される鉱物不純物の低減レベルを達成するために長く浸出時間を必要とする。しかし、我々は、十分な浸出時間が与えられれば、有機物質が94℃またはそれ以下の温度で除去されること、および残留リンと鉄が沸点を超える温度にすることなく可溶化できることを発見した。沸点未満の温度において十分な時間、硫酸で浸出する際、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびマンガンも効果的に籾殻から浸出して各鉱物について10ppm以下のレベルとなる。この利点は、非常に低い鉱物レベルが大気圧より大きい圧力に耐える必要がある装置を使用することなく達成しうることである。沸点未満の温度(94〜100℃)は、固定炭素−シリカのモル比を3:1より小さい値に調整するのに適してもいる。
リンのレベルは、沸点より下の温度で有意に減少するが、非常に低いレベル、例えば4ppm未満に短時間での浸出によりリンの除去を達成するために、沸点より高い温度、一般的には120〜140℃の範囲で浸出するのが望ましい。鉄のレベルは、沸点より低い温度で減少するが、10〜20ppmの鉄のレベルを短い浸出時間で達成するために、沸点より高い温度、一般的には約120℃から約140℃の範囲で浸出するのが望ましい。ホウ素は、籾殻では元来低いため、結果として得られるホウ素濃度は、1ppm未満である。得られた低いリンおよびホウ素の含量は、この工程と独自の炭素−シリカ生成物を、太陽電池の生産に使用するための太陽電池等級シリコンの生産、ならびに他の産業適用にとって、非常に魅力のあるものとする。
試験結果は、温度はまた固定炭素の除去に著しい影響を有し、従って固定炭素対シリカのモル比にも著しい影響を有することを示している。25℃の低い温度で硫酸を用いると、或る量の固定炭素は溶解する、しかし、固定炭素対シリカの比をさらに低くするのに十分な固定炭素を除去するには、約沸点またはそれ以上、好ましくは120℃近辺の温度で浸出する必要がある。温度と時間はまた、揮発性炭素を除去するのに著しい影響を有する。160℃以上の温度および比較的短い反応時間にて、大部分の揮発性炭素が溶解する。それに対して、160℃以上の温度および長い反応時間では、溶解した揮発性炭素が固定炭素に変換され、固定炭素が固体に組み込まれ、固定炭素のシリカに対するモル比が増加する。籾殻のシリカの溶解する速度および範囲が温度と共に比率の点で著しく増加するが、どの温度でも籾殻から除去されるシリカの全体比率は少ない。
140℃より上の温度、および特に160℃より上の温度は、揮発性炭素を除去するのにより有効であり、そして、より長い反応時間では、固定炭素を増加させるのに有効であり、それにより、固定炭素対シリカの非常に高いモル比を達成することができる。酸の強さ、固体濃度、混合、温度および所望の生成物特性に基づき、浸出時間は短い約6秒から48時間またはそれ以上までの範囲である。その後、残りの固体は、酸溶液から分離されて、水で洗浄されるのが好ましい。この方法を用いることにより、粉砕された籾殻の測定される空隙容量を低い値から、少なくとも約30%から約90%の範囲の値にまで増加させ、一般に約50%超が好ましい。同時に、ここで開示された浸出方法は、シリカを含む植物内に元々存在した可能性のある鉱物の大部分を除去する。
本発明の浸出方法を用いると、固定炭素対シリカの比は、硫酸の濃度、固体濃度、温度、滞留時間および混合の程度を制御することにより希望通りに調節され、高純度、高空隙率、高い反応性、微細な粒子サイズ、およびモル比が約1:1またはそれ未満から約5:1またはそれを超える範囲の固定炭素とシリカが密接した混合物を生成する。本方法の特に有利な点は、生成物が、例えば1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1の固定炭素:シリカのモル比で、または種々のシリコン含有生成物を作るあらゆる好ましい化学量論比で選択的に生成することができることである。
本発明の浸出方法は、沸点またはそれ以下での反応が、温度制御された加熱マントルを用いる3リットルのパイレックス(登録商標)樹脂薬缶にて実行されるベンチスケール装置で実証される。水冷式の凝縮装置が薬缶の頂点に取り付けられて、反応中に酸または固体の濃度が変化しないことを確実にする。水の沸点以上の反応は、2リットルのジルコニウム容器にて実行される。どちらの場合も、熱電対が反応温度を測定するのに用いられ、テフロン(登録商標)装置が反応容器の中身を撹拌するのに用いられる。反応容器および他の構成部品は、50%の塩酸で処理されて洗浄され、次に脱塩水にて洗浄されて微量の金属汚染物質を除去するのが好ましい。
沸点またはそれ以下の温度で実施される浸出工程について、樹脂薬缶は、硫酸水溶液で充填されて、所望の温度に加熱される。一旦、薬缶が所望温度に達すると、粉砕された籾殻が薬缶に加えられて、所望の固定濃度を付与する。粉砕された籾殻は薬缶内で均一な混合物を即座に形成し、混合物は定期的にサンプリングされる。全てのサンプルはろ過されて、ろ過された固体は、脱塩水にて何回か洗浄される。洗浄された固体サンプルは乾燥され、分析のために、ろ液とともに保存される。
研究室内での沸点以上の反応について、硫酸水溶液および粉砕された籾殻は、ジルコニウム容器に加えられるのが好ましい。容器は密閉され、ガス炎のヒーターで所要の反応温度へ加熱される。一旦、反応温度に達すると、温度は反応時間の間維持され、反応混合物は周期的にサンプリングされる。反応時間の最後に、容器は、水スプレーで沸点以下の温度に急冷される。サンプルは、直ちにろ過され、次に、脱塩水で数回洗浄される。洗浄された固体サンプルは乾燥され、分析のため、ろ液と一緒に保存される。当業者がこの開示を読めば、従来からある種々のタイプの市販の工業設備が、上記のベンチスケール実験装置のスケールアップに用いられるが、これらの結果を経済的に達成すべく必要により変更されることが理解されるであろう。さらに、反応炉に溶液と材料を加える順番、ならびに反応炉を熱するなどの他の工程の順序もを、操業の規模および反応炉の種類に対応させるように変えることができる。
浸出工程の利点は、様々な強さの硫酸溶液とともに様々な固体濃度を用いて達成することができ、時間および温度を変えて反応させることができる。浸出中の混合割合は、固体と液体がよく混合されて、酸と熱は混合物の全体にわたって分配することができるようにするのが好ましい。水だけの浸出は、鉱物不純物のいくらかの減少をもたらすが、硫酸を使用すると、鉱物の含量を著しく減らし、固定炭素とシリカのモル比を調整し、揮発性炭素の含量を減らし、籾殻の好ましい自然な特徴を保持しつつ、籾殻の空隙率を改善するのにより効果的である。このような特徴は、炭素とシリカの密接な接触、シリカと炭素の非結晶性、およびシリカと炭素の非常に大きな表面積を含む。
試験結果は、浸出工程時の混合物内の固体の全体量はまた、生じる固定炭素対シリカのモル比にも著しい影響を有することを示している。所定の温度、酸濃度、時間では、30%に迫る固体の濃度は、低い固体濃度に比べて、1回の浸出段階で固定炭素対シリカの比を高める。固体濃度が高くなると、1回の浸出操作により生成される固体内のリン含量が高くなる。しかし、一層高い固体濃度は、他の鉱物の濃度に影響を与えることや、または固体内のシリカ量に著しい影響を与えるることはないようである。
試験結果は、実際の浸出時間の差は、硫酸溶液を用いた籾殻からの、いかなる鉱物の除去の程度にも著しい影響を与えないことを示している。1分以下という非常に短い時間にて収集されるサンプルと、より長い時間にて収集されるサンプルとで、鉱物の含量の差は、区別できない。しかし、時間と温度は、固定炭素の除去に影響を及ぼす。例えば、94℃にて1%の硫酸および10%の固体では、固定炭素の最大量を除去するのに約300分掛かる。それに対して、120℃では、固定炭素の最大量を除去するのに必要な時間は、120分まで短くなる。時間はまた、揮発性炭素の除去、および揮発性炭素の固定炭素への変換にとって重要である。例えば、200℃、1%の酸、10%の固体では、殆ど即座に著しい量の揮発性炭素が放出され、固定炭素に対する比が5.24に比較して1.82の揮発性炭素を籾殻に付与する。時間が経つと、溶解した揮発性炭素は、固体材料に付着した固定炭素に変わる。この結果、揮発性炭素対固定炭素の比は、下がり続け、約1.12に達する。同時に、固定炭素:シリカの比は、5:1に上昇する。比較すると、籾殻シリカの溶解速度はより遅い。例えば、94℃にて1%の硫酸および10%の固体濃度では、シリカ固体が溶解したシリカと平衡に達するのに1,400分以上掛かる。
試験結果は、硫酸は非シリカ鉱物の含量を優先的に減らすことを示している。鉄を除き、最小量の硫酸が、非シリカ鉱物の除去を達成するのに必要である。例えば、所定の設定条件にて、鉄以外の非シリカ鉱物を除去するのが可能な最大量は、0.3%と低い酸濃度にて達成され、多くの鉱物は0.06%と薄い酸を用いて効果的に除去される。より高い濃度の酸が、鉄を最大に除去するのに必要である。例えば、94℃にて10%の固体では、鉄を除去することができる最大量は、約2.5%の酸で達成される。
酸の濃度は、炭素の溶解速度に影響を与える。例えば、94℃にて10%の固体、100分で1%の酸では、酸溶液内に溶解した炭素の濃度は5〜6グラム/Lである。同じ条件で2.5%の酸では、溶解した炭素の濃度は8〜9グラム/Lである。しかし、炭素溶解の程度は、両方の酸濃度で略等しく、即ち約12.5g/Lである。最終的な固定炭素対シリカのモル比に於ける酸濃度の影響は、比較的小さい。しかし、より高い酸濃度は、高い酸濃度が固定炭素対揮発性炭素の重量比に与える影響によって現れるように、揮発性炭素の溶解に影響する。例えば、酸濃度が0.06%と10%の間では、比は0.16:1および0.2:1の間であり、それに対して酸濃度が20%では比が0.3であって、揮発性炭素の除去は、より高い酸濃度にて多少増長されることを示している。硫酸濃度はまた、程度とは異なり、シリカの溶解速度に影響を与える。例えば、94℃、10%の固体および0.30%の酸では、酸溶液内のシリカの濃度は、180分で、0.12グラム/Lである。1%の酸で、酸溶液中のシリカ濃度は、180分で、0.28グラム/Lである。94℃に於ける最終的な籾殻シリカの濃度は、酸濃度に拘わらず、約0.450グラム/Lであるようである。
試験結果は、正しい酸濃度、温度、時間および固体濃度の条件の下で、硫酸水溶液は籾殻内の著しい量の鉱物を溶解することができ、固定炭素および揮発性炭素のかなりの部分を除去することができ、溶解した揮発性炭素を固定炭素に変換し、籾殻内の空隙率を増加させることができることを示している。シリカは、硫酸水溶液にそれほど溶解しないので、組成物内の固定炭素対シリカのモル比を減少させる、または増加させる効果、鉱物を除去する効果、揮発性炭素を除去する効果、および材料の空隙率を増加させる効果がある。この開示に基づき、当業者は必要以上の実験をすることなく、これらの反応パラメータを調整して、固定炭素のシリカに対する所望のモル比、所望の鉱物の純度、所望の揮発性炭素の含量、および所望の空隙率を提供することができる。
例えば、固定炭素:シリカのモル比が約2:1で、非常に低い鉱物レベル(全部で100ppm未満、リンが4ppm未満、ホウ素が1ppmまたはそれ未満)が、約94℃と約140℃の間の温度、硫酸の濃度が約1%から約5%および固体の濃度が約10%で、約2時間で達成され得る。固定炭素対シリカのモル比が約3:1で、非常に低い鉱物レベルが、約150℃、硫酸の濃度が約1%から約5%および固体の濃度が約10%の範囲で、約4時間で達成され得る。さらに、浸出条件は、シリカと固定炭素の間の密接な関係、炭素とシリカの非晶質性、シリカと炭素の大きな表面積を維持し、測定可能な空隙容量を全体的に増加させる。固定カーボ:シリカのモル比が3:1であることが望ましいが、リンと鉄のレベルが重要でなければ、酸と固体の濃度が上記の求められた比にある状態で、94℃未満の温度が用いられ得る。
浸出工程にて生成された高純度(99.7%以上の鉱物が除去された)の炭素−シリカ生成物は、様々な揮発性炭素の量を伴って固定炭素とシリカの混合物を含む。炭素とシリカは、少なくともミクロン、一般にはナノメータスケールで密接に混合される。炭素−シリカ生成物は、高い空隙率、小さな平均粒子サイズを含み、非常に反応性である。粉砕した籾殻粒子の利用可能な空隙容量が非常に小さいとの事実によって空隙率が増加したことが示されるが、材料が94℃で1%の硫酸で処理されるとき、利用可能な空隙容量は80%にまで増加する。生成された材料の高い反応性は、従来の供給原料が用いられるときよりも著しく速い炭素熱還元を経るという事実によって達成される。従来の供給原料は、一般に炭素熱還元を受けるのに1日またはそれ以上を要する。これとは対称的に、ここで開示された炭素−シリカ生成物は、シリコンカーバイトの生成については75分の炭素熱還元を受け、窒化ケイ素の生成については、5〜7時間内の炭素熱還元を受ける。これにより、大幅なエネルギーの節約、およびより大きい炭素熱反応炉の処理能力がもたらされる。
本発明の浸出方法はまた、多くの段階で実践され得る。第1の浸出段階は、鉱物の大部分を除去し、固定炭素対シリカのモル比を調節するのに用いられ得る。洗浄したまたは洗浄していない材料は、次に硫酸溶液内で再度接触させる。その後、残りの固体は、ろ過または他の同様の有効な手段によって酸溶液から分離され、水で洗浄される。第2の浸出段階は、鉱物の不純物を、第1の浸出段階で得られたよりも低レベルに減らして、固定炭素:対シリカのモル比を約5:1から2:1未満の間の所望の範囲に調節し、揮発性炭素のレベルを減らすのに用いられ得る。更なる浸出段階を同様に付加することができ、固定炭素対シリカのモル比および揮発性炭素の含量を調整し続けつつ、固体の鉱物不純物のレベルを減らす。
多段階の唯一の適用として解釈されるべきではないが、例として、2段階の浸出は、高い固体濃度にて浸出処理を実行し、それと同時に、低い固定炭素対シリカの比と非常に低いレベルのリンとを含む非常に低い非シリカ鉱物含量を達成するのに有用である。上記の如く、所定の温度、酸濃度および時間について、より高い固体濃度(30%に接近)は、1段階の浸出での低い固体濃度よりも、より高い固定炭素対シリカの比を提供する。より高い固体濃度ではまた、1段階の浸出段階で、低い固体濃度よりも、より高いリン含量という結果となる。しかし、高い固体濃度で2段階の浸出が用いられると、第1の段階では固定炭素:シリカの比を3:1またはそれ未満(しかし、2:1より大きい)に減じ、およびリンを除く非シリカ鉱物を非常に低いレベルに減じる。リンは開始時の値に比して大幅に減少するが、所望の値よりは高く残る。例えば、第1の段階が25%の固体、1%の酸、140℃で15分間動作するならば、固定炭素:シリカの比は、3:1と2.5:1の間に減少する。ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびマンガンのレベルは10ppm未満に減少する。カルシウムのレベルは10ppmであり、鉄のレベルは20ppmである。しかし、リンのレベルは100ppmである。第1の段階と同じ固体濃度、温度および酸濃度で浸出する第2の段階で、固定炭素:シリカのモル比はさらに、2:1またはそれ未満の低い値に減少し、リンは4ppm未満の非常に低い値になる。
リンの含量を低い値にする唯一の目的のための浸出工程の別の応用例では、例えば、リンのレベルは、120℃、10%の固体、1%の酸および15分間またはそれ未満の時間にて、浸出する第1の段階で、99.96%より大きく減じられて、4ppm未満になる。
鉄の含量を低い値にする唯一の目的のための浸出工程の別の応用例では、例えば、鉄のレベルは140℃、28.6%の固体、1%の酸および15分間またはそれ未満の時間にて、浸出する第1の段階で、92%超が減じられて、20ppm未満になる。
総鉱物を低い値にする唯一の目的のための浸出工程の別の応用例では、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄およびリンの合計レベルは、120℃、10%の固体、1%の酸および15分間またはそれ未満の時間にて、浸出する第1の段階で、79ppm未満に減らされる。
固定炭素を除去する唯一の目的のための浸出工程の別の応用例では、例えば、籾殻の固定炭素:シリカのモル比は、25℃、10%の固体、1%の酸および1分間から60分間までの範囲の時間で浸出する第1の段階を用いて、3.88:1から3:1に減じられる。他方では、それに対して、94℃、10%の固体、1%の酸および300分間の時間で浸出する第1の段階で、2:1まで減じることができる。
揮発性炭素含量を減じる唯一の目的のために1つの段階または複数の段階を用いる、浸出工程の別の応用例では、例えば、200℃で非常に短い反応時間で、かなりの固定炭素が除去され、揮発性炭素対固定炭素のモル比は、固定炭素の量が減少するにも拘わらず、生の籾殻内の値5.24に比較して1.82に低下する。この温度と短い反応時間にて、揮発性炭素の形態であるセルロースのかなりの量が溶解している可能性が高い。
別の応用例では、固定炭素含量を増加させる唯一の目的のために、1つの段階または複数の段階の浸出工程を用いる。例えば、この研究に用いられる籾殻の天然の固定炭素:対シリカのモル比は、3.88:1である。この比は、200℃、10%の固体、1%の酸および120分間の時間で浸出する1つの段階を用いて、5:1まで増加する。もう一つの例として、シリカとの比が2:1である固定炭素を有する材料が、1つの浸出段階から準備されるならば、固定炭素対シリカのモル比は、160℃以上の温度でより長い反応時間にて、浸出する第2の段階を動作させることによって、約5:1のより高い値に増加される。
本発明の他の応用例は、空隙率を増加させる唯一の目的のために、1つの段階または複数の段階の何れかの浸出工程を用いることに関する。例えば、粉砕した籾殻内の利用可能な空隙容量が94℃、1%の酸で15分間浸出後に、30%にまで急激に増加する。空隙容量は同じ条件の下、30分間浸出後に80%にまでさらに増加する。
本発明の他の応用例は、以下のいずれかの2つまたはそれ以上の組み合わせのために、1つの段階または複数の段階の何れかの浸出工程を用いることに関する:3重量%超のシリカを含む天然に存在する植物または加工植物から、リン、鉄または他の鉱物を除去すること、固定炭素対シリカのモル比を調節すること、揮発性炭素を除去すること、揮発性炭素を固定炭素に変換すること、結果物の炭素−シリカ生成物の空隙率を増加させること。
本発明の他の応用例は、炭素熱反応炉とは別の反応炉中の炭素−シリカ生成物の揮発性炭素成分を加熱して揮発させるための熱分解反応の使用に関する。熱分解反応は、揮発性の有機材料または有機物由来材料を加熱して、揮発性有機物質(「揮発性炭素」)を追い出し、残留する有機物質を遊離炭素に変える工程である。それは、2工程プロセスであり、そこでは、揮発性カ−ボンは、約200℃と約500℃の間の温度で大気圧下において除去され、そして、残留する有機物質は、約500℃と800℃の間の温度で大気圧下において遊離炭素に変換される。
我々はこの度、様々な量の遊離炭素が生成されるように熱分解工程を制御する方法を発見した。この発見は、浸出による有機組成物の調整に加えて、遊離炭素(C)とシリカ(SiO)の比率を調整するための、もう1つの選択肢を提供する。より具体的には、我々は、熱分解時の加熱速度が、形成される遊離炭素の量に大きな影響を有することを発見した。より遅い加熱速度は、形成される炭素をより多くもたらし、従って、熱分解生成物の高い炭素:シリカの比をもたらす。逆に、速い加熱速度は、形成される炭素の減少をもたらし、従って、熱分解生成物の低い炭素:シリカの比をもたらす。さらに、より速い加熱速度は、遅い加熱速度からの生成物よりも多くの表面積を有する炭素−シリカ生成物をもたらす。我々はまた、炭素の一部を空気で酸化して熱分解材料の炭素含量を低減することが可能であることを発見した。この発見は、浸出による有機組成物の調整および熱分解反応中の加熱速度の調整に加えて、遊離炭素(C)とシリカ(SiO)の比率を調整するための、もう1つの選択肢をさらに提供する。より具体的には、熱分解された籾殻中の炭素含量を減らすために、二酸化炭素などの非攻撃的酸化剤を使用することが必要であると文献は指摘している。しかし、我々は、熱分解籾殻材の炭素含量を減少させる酸化剤として空気のみを用いる方法を開発した。この方法は、熱分解から得られたものから、熱分解から得られたものよりも少ないどんな比率にも、炭素:シリカのモル比の調節を可能とする。
熱分解反応は、メタルヘッド板が取り付けられたベンチスケールのアルミナ反応炉内にて実行でき、従来の処理装置を用いる産業的用途にスケールアップすることができる。所望ならば、黒鉛などの他の材料を、反応炉を構成するのに使用することができる。ベンチスケールの反応炉は、長さ3フィートで直径6インチである。炭素−シリカ生成物は、反応炉の底に位置したアルミナまたは黒鉛製の坩堝に収容される。反応炉の下端部は、異なる速度での温度上昇ができるプログラムによって制御される電気炉内に位置する。電気炉は、炭素−シリカ生成物を周囲温度から1,000℃超にまで加熱する。アルゴンまたは窒素が、反応炉の頂部に入り、調整可能な管を介して反応炉内を特定のレベルにする。揮発した炭素材料は、頂部を通って反応炉から出る。この材料の後流は、一酸化炭素モニターに送られて、該材料の大部分は、凝縮物質がガスから分離される凝縮装置に向けられる。揮発は400℃で開始し、約600℃でピークに達する。それに続いて、一酸化炭素レベルは減少し、約950℃でベースラインに達する。この特徴は、生の籾殻について報告されたものとは、生の籾殻の場合、揮発工程が約250℃で開始する点で異なる。より低い温度で普通は揮発する材料が、浸出工程によって炭素−シリカ生成物から除去されていることが明らかである。揮発したガスおよび蒸気は捕捉されて、浸出工程、炭素熱工程および他の工程用のエネルギー源として使用することができる。更なる利点は、残りの鉱物の一部がまた、揮発性炭素とともに揮発するということである。揮発した鉱物は、生じる揮発成分を除去した炭素−シリカ生成物を精製するために集められる。生じた材料は、熱で揮発成分を除去した炭素−シリカ生成物であり、それは独自の製品で、それら自身が本発明の実施形態である。
あるいはまた、別の好ましい実施形態によれば、全部でないにしてもほとんどの揮発性炭素は、約160℃から約200℃までの間の範囲の温度にて、希硫酸を用いる浸出工程から生産された独自の炭素−シリカ生成物をさらに処理することにより除去される。より高温度での滞留時間は、約1分と非常に短い。これは、揮発性炭素の含量を著しく低下させ、固体の炭素含量に及ぼす影響が最小となる。この方法はまた、浸出工程から誘導された炭素−シリカ生成物内に残った鉱物の一部を除去し、酸で揮発分を除去した結果物である高純度の炭素−シリカ生成物の純度を高める。残りの固体は、酸溶液から分離され、固体は水で洗浄される。得られた固形物は、高純度の、揮発分を除去した炭素−シリカ生成物であり、所定の固定炭素対シリカの比を有し、鉱物不純物は、0.1重量%を十分に下回る。
酸で揮発分を除去した独自の種々の炭素−シリカ生成物は、夫々、固定炭素対シリカの所定のモル比を有し、非常に低レベルの鉱物を含み、非常に多孔性で、非常に反応性であり、浸出工程の後に酸で揮発分を除去して生成される。生成物は、約3:1から2:1未満の固定炭素対シリカの所望のモル比を有し、全体的に100ppm未満の鉱物含量を有し、1ppm未満のホウ素含量を有し、4ppm未満のリン含量を有する。生成物はまた、非常に多孔性で、非常に反応性であって、ミクロンおよび/またはナノレベルで密接に混合されるシリカおよび固定炭素を含むのが好ましい。これらの独自の材料は、微細な粉状で生成されるか、または外部の結合剤の必要なしに、ペレットにされる。開示された揮発分を除去した炭素−シリカ生成物は、限定されないが、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリコン、および四塩化ケイ素を含む、シリコンを含む生成物の生成に用いるのに好ましい。
浸出、洗浄および乾燥の後、本発明の炭素−シリカ生成物は、脆弱で、最小のエネルギー消費で微細(500μmから50μm)、非常に微細(50μmから5μm)および超微細(5μmからサブミクロン)のカテゴリーの粒子サイズに容易に粉末化される。生じる粒子の平均サイズおよびサイズ分布は、最終的なシリコン含有生成物の所望の物理的特性によって設定される。この目的に適した粉砕装置は、例えば、バッチ羽根車タイプの攪拌ボールミル、連続的なディスク・タイプの撹拌ボールミル、連続的に振動するボールミル、バッチ型垂直振動ボールミル、および連続的なループミルまたは連続的なパンケーキミルなどの流体エネルギーミルを含む。
炭素−シリカ生成物、または揮発分を除去した炭素−シリカ生成物の何れかは、粉末として使用されることができるか、あるいは、本発明の他の実施形態に於いては、次の工程に使用する為にペレット化される。ペレットを生成する従来の方法は、砂糖などの結合剤と共にシリカおよび炭素化合物を混合する工程と、該混合物を圧縮してペレットとする工程を含む。従来の結合剤の使用により、処理コストが増加し、結合剤はペレット化された生成物に不純物を導入する可能性がある。それとは異なり、本発明の独自の炭素−シリカ生成物および揮発分を除去した炭素−シリカ生成物は、更なる結合剤を使用することなく、ペレット化される。本発明を限定するものではないが、生成物に存在するリグニンおよびセルロースが、シリカおよび炭素用の十分な結合剤として働くことができると考えられる。普通はマクロの規模でのみ混合される従来のペレットとは対照的に、本発明の使用は、ミクロンおよびナノメータ規模で密接に混合された炭素−シリカを有するペレットをもたらす。この炭素およびシリカが密接に混合した高い反応性の形態により、後の炭素熱反応中に、従来のペレットよりも、より速くより完全に反応するペレットの生成が容易になる。ここで開示される炭素−シリカ生成物および揮発分を除去した炭素−シリカ生成物から作られるペレット化された生成物は、固定炭素対シリカの所望のモル比、および/または非常に低いレベルの鉱物、特に非常に低いレベルのリンおよび鉄を含み、本発明の他の実施形態を構成する。
再び、図1Aおよび図1Bを参照すると、本発明の炭素熱還元方法は、一般に炭素−シリカ生成物および/または揮発分を除去した炭素−シリカ生成物を、炭素熱反応炉内で非常に高温まで加熱して、シリカをシリコン含有生成物に還元する工程を含む。炭素熱反応炉は一般に、目的とするシリコン含有生成物に基づき、炭素−シリカ組成物を約1,350℃〜1,800℃にまで加熱する。シリコンまたは炭化ケイ素については、不活性気体が使用される。他の生成物については、炭素熱反応炉内で別の気体が使用される。例えば、窒素または窒素+水素または窒素+アンモニアが、窒化ケイ素を生成するのに使用され、これに対し塩素が四塩化ケイ素を生成するのに用いられる。反応時間は従来のシリカおよび炭素源を用いる従来の炭素熱工程に比して、非常に速い。炭素−シリカ生成物および/または揮発分を除去した炭素−シリカ生成物を用いると、反応時間は、所望のシリコン含有生成物に基づき、数分から数時間台である。これは、従来のシリカおよび炭素源を用いる従来の大部分の炭素熱方法の1日またはそれ以上と対比される。この速い反応時間により、従来のシリカおよび炭素源を用いる従来の炭素熱方法に比して、使用するエネルギーは著しく低くなり、処理能力が高くなる。さらに、炭素−シリカ生成物および揮発分を除去した炭素−シリカ生成物は、微細な粉末の形態で利用されるので、これらの生成物は先進の炭素熱反応炉に容易に用いられ、それに対して従来の炭素およびシリカ源では用いることができない。ここで開示される先進の炭素熱工程を実施するのに用いられ得る市販の装置の例は、ベッド静止反応炉、ベッド移動反応炉、流動床反応炉、回転管反応炉、レーザー反応炉、炎反応炉、外部熱源を用いる加熱炉反応炉、およびプラズマ反応炉を含むが、これらに限定されない。多くのこれらの先進の反応炉は、定温条件および制御された反応時間を規定し、この両方はシリコン含有生成物の品質にとって重要である。
さらに、本発明の新規な炭素−シリカ生成物は、所望ならば、揮発性炭素の著しい量を含むので、これらの独自の材料を使用すれば、炭素熱工程中に著しい揮発性炭素を回復する機会を与え、エネルギーの目的または他の有用な目的にそのような材料を使用することができる。揮発性炭素からのエネルギーの使用は、炭素熱工程を動作させるのに外部源からエネルギーを獲得する必要を減らし、おそらく無くする。更なる利点は、残留鉱物含量の一部はまた、揮発性炭素とともに揮発されることである。揮発された鉱物はさらに、最終的なシリコン含有生成物をさらに精製するために、別に回収することができる。
ベンチスケールの装置を用いる本発明の好ましい炭素熱方法に従うと、反応は、メタルヘッド板に取り付けられたアルミニウム反応炉内で実行される。黒鉛を含む他の材料が、反応器を構成するのに用いられ得る。反応炉は長さ3フィートで直径6インチである。炭素−シリカ生成物または揮発分を除去した炭素−シリカ生成物は、反応炉の底に位置したアルミニウムまたは黒鉛製の坩堝に収容される。反応炉の下端部は、異なる速度での温度上昇ができるプログラムによって制御される電気炉内に位置する。電気炉は炭素−シリカ生成物を約1,250℃から2,200℃の温度範囲に加熱し、生成されるべきシリコン含有生成物のタイプに基づいて、約1,350℃から約1,800℃の温度範囲に加熱されるのが好ましい。不活性および/または活性ガスが反応器の頂部に入り、調整可能な管を介して反応器内を特定のレベルにする。揮発分を除去した炭素−シリカ生成物とは異なって、使用される供給材料が或る量の揮発性炭素を含む炭素−シリカ生成物であれば、揮発された炭素材料がメタルヘッド板に取り付けられたガス出口管を通って反応器から出る。この放出ガスの後流は、一酸化炭素モニターに送られて、該材料の大部分は、凝縮物質がガスから分離される凝縮装置に向けられる。
炭素熱反応器内で用いられる気体は、所望されるシリコン含有生成物に基づく。炭化ケイ素およびシリコンについては、アルゴンが用いられ得る。窒化ケイ素を生成するには、純粋な窒素、または90%の窒素+10%の水素、または90%の窒素+10%のアンモニアが用いられ得る。同様に、塩素が四塩化ケイ素を生成するのに用いられ得る。
炭素熱反応炉からのSiOガスの損失、および/または炭素をシリコン含有生成物に含めたいとする希望、および/または過剰の炭素を反応器に供給して非炭素反応物質の完全な変換を確実としたいとする希望により、実際に所望する固定炭素対シリカのモル比は、一般に理論値とは異なる。例えば、炭化ケイ素を生成する固定炭素対シリカの理論的なモル比は3:1であり、窒化ケイ素については2:1である。しかし、特定の反応炉に対する最適な比は、SiOガスの損失の点での、特定の反応炉の効率に基づき、理論的な値よりも小さくなり得る。本発明は、SiOの損失に対応するために、理論的な比に比べて、シリカが「豊富な」炭素対シリカの比を有する材料を生成する手段を提供する。或いは、シリコン含有生成物内に一定%の炭素を残すことが望ましい場合があり、本発明は理論的な比に比べて、炭素が「豊富な」炭素対シリカの比を有する材料を生成する手段を提供し、炭素を残す要求に対応する。さらに、他の反応物質が完全に反応することを確実にすべく、「余分な」炭素を有することがしばしば望ましく、既に述べたように、本発明はそのような用途の為に、炭素が豊富な炭素−シリカ生成物、および/または炭素が豊富な揮発分を除去した炭素−シリカ生成物を生成する手段を提供する。上記の状況のうちの2つまたは3つが存在し、または所望されるなら、本発明は所定の状況の為に、最適な炭素対シリカのモル比を有する炭素−シリカ生成物、または揮発分を除去した炭素−シリカ生成物を生成する手段を提供する。
本発明の工程および生成物はさらに、以下の実施例によって示される。粉砕された籾殻および固体および液体サンプルが、種々の方法にて分析された。近似分析法が湿度%、揮発性炭素の%、固定炭素の%、および固体内の灰の%を測定するのに用いられた。固体は、全炭素およびSiOについても分析された。固体サンプルは、スパーク光源質量分光法、グロー放電質量分析法、原子吸光法、および蛍光X線を用いて、鉱物の含量についても分析された。Malvern法が、粒子サイズの分布を決定するために使用された。比表面積は、BET法を使用して計算され、空隙率は水銀空隙率法を使用して計算された。総有機炭素(TOC)については、電量分析の方法が液体のろ液サンプルを分析するために使用され、青比色法がリンを分析するのに使用され、原子吸光法が鉱物を分析するために使用された。
実施例1
籾殻はアーカンソー州の製粉工場から得られた。籾殻は、環状で円盤状のミル内で混合されて粉砕され、138μmの平均粒子サイズにされた。粉砕された籾殻は、SiO含量について、近似分析によって分析された。それらは、7.17%の湿気、62.72%の揮発性炭素、11.97%の固定炭素および18.14%の灰を含むことが見出された。灰は85%のシリカ(SiO)であった。固定炭素対シリカの比(モル:モル)は3.88だった。揮発性炭素対固定炭素の比(重量%:重量%)は、5.24だった。粉砕された籾殻はまた、スパーク光源質量分光法によって鉱物の含量が分析され、特定の鉱物の含量を表1に示す。
Figure 0005661103
1%の硫酸溶液が、脱塩水を用いて調製された。10%の粉砕された籾殻を含む酸溶液を2リットルのジルコニウム反応器に加え、120℃まで加熱した。一旦、反応温度に達すると、反応器の中身は頻繁にサンプリングされた。サンプルは直ちにろ過され、脱塩水で洗浄された。固形物を乾燥し、ろ液と共に分析のために保存した。
乾燥した固形物は、近似分析およびシリカ分析によって分析された。その分析は、120分間に於ける固定炭素:シリカのモル比が2.04:1だったことを示し、それは本質的にシリコンと窒化ケイ素の生成にとって理論的な比率である。原子吸光分光法および比色定量の試験 によって分析された固形物は、表2に示される以下の非シリカ鉱物の組成を含んでいた。
Figure 0005661103
従って、浸出の1つの段階を用いて、特定の鉱物の全体的な除去%は、99.7%超であり、特定の不純鉱物が79ppm未満の生成物を与える。さらに、硫酸が、1つの浸出段階を有する試験の中で使用された温度および酸濃度にて、リンを4ppm未満の非常に低いレベルにまで除去するのに非常に有効であることが分かった。得られた炭素−シリカ材料は、約80%の空隙容量を有する微細粉末の形態をしていた。同様の方法で浸出された他の炭素−シリカ生成物では、スパーク光源質量分光法によって測定して、ホウ素レベルは1ppmである。
実施例2
1%の硫酸溶液が、脱塩水を用いて調製された。10%の粉砕された籾殻を含む酸溶液を2リットルのジルコニウム反応器に加え、160℃まで加熱した。一旦、反応温度に達すると、反応器の中身は頻繁にサンプリングされた。サンプルは直ちにろ過され、脱塩水で洗浄された。固形物は乾燥され、ろ液と共に分析のために保存された。
乾燥固形物は、近似分析およびシリカ分析によって分析された。その分析は、180分後に於ける固定炭素対シリカのモル比が3:1だったことを示し、それは炭化ケイ素の生成にとって理論的な比率である。原子吸光分光学および比色定量の試験によって分析された固形物は、表3に示される特定の鉱物の量を含んでいた。
Figure 0005661103
従って、浸出の1つの段階を用いた、特定の鉱物の全体的な除去%は、99.7%超であり、特定の鉱物が79ppm未満の鉱物不純物を有する生成物を産出した。さらに、硫酸が、1つの浸出段階を有する試験の中で使用された温度および酸濃度にて、リンを4ppm未満の非常に低いレベルにまで除去するのに非常に有効であることが分かった。同様の方法で浸出された他の炭素−シリカ生成物では、スパーク光源質量分光法によって測定して、ホウ素レベルは1ppmである。生じた炭素−シリカ材料は、約80%の空隙容量を有する微細な粉末の形態をしていた。
実施例3
1%の硫酸溶液が、脱塩水を用いて調製された。酸溶液は3リットルのパイレックス(登録商標)樹脂製薬缶に加えられ、94℃まで加熱した。一旦、94℃の温度に達すると、粉砕された籾殻が薬缶に加えられて、10%の固形物を有する混合物を生成した。粉砕された籾殻は、直ぐに酸溶液内に導入され、良好に混合されたスラリーを生成した。反応は5分間実行された。この時間終了時に、薬缶の中身はろ過し、脱塩水で洗浄した。生じた固形材を乾燥した。この手順は4回繰り返された。各工程からの乾燥された固形物を合わせた。
合わせた炭素−シリカ生成物の固定炭素:シリカのモル比は2:51:1であり、これは炭化ケイ素を生成する理論比と窒化ケイ素を生成する理論比の間であった。該材料のMalvern分析は、114μmのd50粒子サイズを示した。
実施例4
実施例3にて調製された材料を、炭化ケイ素の生成を試験するのに用いた。ベンチスケールの装置を用いる本発明の好ましい炭素熱方法に従って、反応は、先に記載したアルミナ反応炉内にて実施された。反応炉は純粋なアルゴンにてパージされた。反応炉から空気が放出された後に、温度は周囲温度から1,550℃の最終炭素熱反応温度に上昇された。アルゴンでの洗浄を続けた。放出されたガス内の一酸化炭素は、監視され、揮発性炭素の揮発は約400℃で開始したことが観察された。一酸化炭素のピークは、約600℃で到達し、一酸化炭素レベルは下降して、約950℃でベースラインに達した。約1,300℃で一酸化炭素レベルは増加し始め、固定炭素とシリカの間の反応が開始したことを示し、1,550℃でピークに達した。1,550℃に達した後、直ぐに、一酸化炭素レベルは急速に減少し始め、約60分でベースラインレベルに達した。炭化ケイ素の生成が開始してから、終了するまでの総経過時間は、約75分間であり、これは反応時間が一般に約36時間である市販のAcheson法の反応時間よりも非常に短い。X線回折により決定されるように、得られた生成物は、炭化ケイ素のみを含み、他の結晶質材を含まなかった。
本発明によって生成される炭化ケイ素は、高級セラミックを作る際に非常に価値ある独自の特徴を有する。例えば、炭化ケイ素は、約15ナノメータの寸法を有する微結晶から構成される。これらの微結晶は、直径が約200ナノメータの粒子の集団となる。ナノメータ範囲の炭化ケイ素粒子は、高級炭化ケイ素セラミックの生成および他の高級な用途に求められる。供給原料として独自の炭素−シリカ生成物を含むこの独自の炭素熱工程、および独自の生成物は、本発明の実施形態である。
実施例5
実施例3で調製された材料は、窒化ケイ素を生成するのに用いられた。ベンチスケールの装置を用いる本発明の好ましい炭素熱方法に従って、反応は、先に記載したアルミナ反応炉内にて実施された。反応器は純粋な窒素にてパージされ、温度は周囲温度から1,425℃の最終炭素熱反応温度に上昇させ、その間、窒素でのパージを続けた。放出されたガス内の一酸化炭素は、監視され、揮発性炭素の揮発は約400℃で開始したことが観察された。一酸化炭素のピークは、約600℃で到達し、一酸化炭素レベルは下降して、約950℃でベースラインに達した。約1,300℃で一酸化炭素レベルは増加し始め、固定炭素とシリカの間の反応が開始したことを示し、1,425℃でピークに達した。1,425℃に達した後、直ぐに、一酸化炭素レベルは減少し始め、ゆっくりとベースラインレベルに達した。窒化ケイ素の生成が開始してから、終了するまでの総経過時間は、約5〜7時間であった。X線回折によって決定すると、得られた生成物は窒化ケイ素のみを含み、他の結晶材を含まなかった。窒化ケイ素は、非常に高いアスペクト比と小さな粒子を有する針状結晶の混合物である。小さな粒子と混合した長い針状結晶から成る窒化ケイ素は、多くの適用のために有用であり得る。供給原料として独自の炭素−シリカ生成物を含むこの炭素熱工程、および該工程によって生成される独自の窒化ケイ素は、本発明の実施形態である。
実施例6
実施例3に於いて調製された材料は、窒化ケイ素を生成するために使用された。ベンチスケール装置を使用する本発明の好ましい炭素熱方法によって、100%の窒素の代わりに90%の窒素および10%の水素の混合物が使用されたこと以外は、反応は上記実施例5に記載されたように酸化アルミナ反応炉内にて実施された。総経過時間は、ここでも約5〜7時間であり、これは、経過時間が日単位である商業上の炭素熱工程の反応時間よりも遙かに短時間であった。X線回折によって決定すると、生じた生成物は窒化ケイ素のみを含み、他の結晶材を含まなかった。窒化ケイ素の収率は、純粋な窒素気体にて得られる場合の約2倍であった。窒化ケイ素は、小さな粒子のみの混合物であった。小さな粒子から成る窒化ケイ素は、高級セラミックスおよび他の高級な用途に求められる。供給原料として独自の炭素−シリカ生成物を含むこの炭素熱工程、および該工程によって生成される独自の窒化ケイ素は、本発明の実施形態である。
実施例7
実施例3に於いて調製された材料は、窒化ケイ素を生成するために使用された。ベンチスケール装置を使用する本発明の好ましい炭素熱方法により、100%の窒素の代わりに90%の窒素および10%のアンモニアの混合物が使用されたこと以外は、反応は上記実施例5に記載されたように酸化アルミナ反応炉内にて実施された。総経過時間は、ここでも約5〜7時間であり、これは、経過時間が日単位である商業上の炭素熱工程の反応時間よりも遙かに短時間であった。X線回折によって決定すると、生じた生成物は窒化ケイ素のみを含み、他の結晶材を含まなかった。窒化ケイ素の収率は、純粋な窒素気体にて得られる窒化ケイ素の収率と匹敵するものであった。窒化ケイ素は、適切なアスペクト比と小さな粒子を有する針状結晶の混合物である。このタイプの材料は、優れたセラミックスの生産および他の高級な用途にとって、理想的である窒化ケイ素の自己強化型である。供給原料として独自の炭素−シリカ生成物を含むこの炭素熱工程、および該工程によって生成される独自の窒化ケイ素は、本発明の実施形態である。
ここで開示される炭素−シリカ生成物が、本発明の炭素熱工程に用いられるとき、残った揮発性炭素は、固定炭素とシリカ間の反応を引き起こすのに必要な温度より低い温度で放出され、所望のシリコン含有生成物を作る。この放出された揮発性炭素は、捕捉されて燃料として用いられ、炭素熱工程、または例えば浸出工程などの幾つかの他の工程の何れかにエネルギーを与えることができる。さらに、反応器の内側で本発明の炭素−シリカ生成物から揮発分を除去するとまた、結果として生じたシリコン含有生成物に存在する不純物をさらに減らすが、これは幾つかの汚染鉱物および金属は、揮発化され、揮発性炭素とともに除去されるからである。
上記の工程および独自の炭素−シリカ生成物および該生成物から生成される揮発分が除去された炭素−シリカ生成物は、他の既知の反応器構成または炭素熱工程に用いて他のタイプのシリコン含有生成物を生成することができる。炭素−シリカ生成物および揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の独自の特性により、従来の材料入力を用いる従来の炭素熱工程に比較して、種々の広範なシリコン含有生成物を作るに際して、優れた品質および/または大幅に時間、エネルギーおよびコストを節約する生成物をもたらすことが期待される。
従来の炭素熱工程に於いて、工程で前に作られた生成物は、非常に長時間、ある温度にて反応炉内に置かれなければならない。このため、従来の生成物は焼結し始めて、より大きな塊の粒子を形成する。さらに、結晶相が変化して、この結果、生成物の品質が落ちる。ここで開示された工程では、反応時間がより速いことにより、温度に於ける反応炉内での在留時間が短くなり、望ましくない二次的効果が生じる可能性が少なくなり、これは生成物の粒子サイズおよび結晶相が低下しないことを意味する。また、反応速度が速いと一般に産出する生成物量が多いので、ここで開示されたように実施される炭素熱工程は、供給材料として本発明の改善された炭素−シリカ生成物または揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を用いて、従来の炭素熱工程に比して、生成物をより多く産出することが期待される。さらに、出発原料として用いられる炭素−シリカ生成物および揮発分を除去した炭素−シリカ生成物は非常に純粋であるので、得られるシリコン含有生成物もまた非常に純粋である。
炭素−シリカ生成物を約2,000℃より高い温度に加熱して、炭素−シリカ生成物からのSi生産を研究中に、我々は、炭化ケイ素の形成が、より低温で起こり、そして、この反応が非常に速いことを見出した。その結果、2,000℃の温度に達する前に、反応物は非常に安定な炭化ケイ素を作る際に消費される。我々は、下記に示す反応に従って、高純度形態の窒化ケイ素(Si)を生成し、その後、この物質を約1,700℃で高熱分解して高純度のシリコン(Si)と窒素ガスを生産し、このガスが、反応器から除去される方法を発見した:
Si=3Si + 2N(1,700℃)
図3は、先に述べた浸出により炭素−シリカ生成物から高純度の窒化ケイ素、シリコン、ならびにα−およびβ−炭化ケイ素を生産するための好ましい方法を説明する単純化された工程フロー図である。
α−窒化ケイ素(Si)の炭素熱生産
窒化ケイ素は、遊離炭素(C)、シリカ(SiO)、および窒素(N)含有ガスを1,400℃で反応させることにより炭素熱的に製造することができる。我々は、この度、ガス組成を変えることにより窒化ケイ素の形態を変える方法を発見した。これらのより最近の研究が、電気炉で加熱される水平回転反応管からなる新規な反応炉システムで行われた。反応炉の質量とその内容物は、反応の程度を測定する1つの方法としてのロードセルシステムにより連続的に監視される。オフガス中の一酸化炭素のレベルは、また、反応の程度を測定するもう一つの方法として連続的に測定される。我々の研究は、α窒化ケイ素生成物の形態は、窒素含有ガスの組成の関数であることを確認した。より詳しくは、我々は、窒素だけの使用が繊維状の形態をもたらすのに対して、窒素ガスに10%の水素または10%のアンモニアを添加することにより粒子状の形態を付与することを発見した。
これらのより最近の研究から、我々は、1ppm未満の酸素と3ppm未満の水を含む超高純度(UHP)窒素を使用して、約20ppmの酸素と約20ppmの水を含む工業用窒素の使用と比較して窒化ケイ素が有意に改善された収率で提供されることを発見した。例えば、工業用窒素の場合の収率は、80%の範囲であるのに対して、超高純度窒素の場合の収率は、90%の範囲である。これらの収率は、籾殻由来の材料からの窒化ケイ素についての文献で報告されたどの収率よりも有意に大きい。
これらのより最近の研究から、我々はまた、浸出された籾殻を出発原料として用い、温度がより高い炭素熱反応温度に達する前に、熱分解反応を低い温度で完了させられる速度で温度を周囲温度から約1,400℃に上昇させると、窒化ケイ素のより高い収率が得られることを発見した。これは、熱分解反応が最初に別の反応炉で実施され、その後、熱分解生成物が冷却され、次に熱分解物質が別の反応炉に移され、そこで熱分解物質は炭素熱反応を行うために1,400℃付近まで加熱されてSiを生成する状況とは対照的である。冷却された予備熱分解材料中の炭素は、材料が周囲温度から熱分解温度ゾーンを通過して炭素熱反応温度にまで再び加熱されるので、別々の炭素熱の動作の間にさらに強化されるように見える。このより強化された炭素は、反応炉が炭素熱反応温度の方へ進むにつれて、昇温相での熱分解工程を含む実行における「その場で」形成される炭素より反応性が低い。このことは、材料が熱分解した後、その後の炭素熱反応に入る前にそれを冷却すべきではないことを示す。冷却は、反応炉が炭素熱還元反応の温度に達する前に熱分解反応が完了することを可能にする速度で周囲温度から約1,400℃に加熱される単一の反応炉で熱分解とそれに続く炭素熱反応を実施することで回避できる。これは、上述の状況である。もう1つのアプローチは、別々の反応炉で熱分解反応を実施し、それから、冷却することなく最高熱分解温度以上にすでにある別々の炭素熱反応炉に熱分解生成物を移すことである。
窒化ケイ素(Si3N4)生成物からの過剰な炭素の酸化的除去
上述の窒化ケイ素(Si)生成物は、一般的にまだ過剰な炭素を含んでいる。我々は、現在、炭素が数時間の間、約950℃における空気酸化により除去できることを学んだ。結果として得られる酸化生成物は、XRDにより測定して、95%のα窒化ケイ素(Si)よりも大きい。X線回折(XRD)により測定される非晶質または結晶質シリカ(SiO)の兆候はない。また、XRDにより測定される炭化ケイ素(SiC)の兆候はない。さらに、鉱物のレベルは、窒化ケイ素(Si)の最高の商用グレードについて特定されたもの以下である。カルシウムは、<50ppmであり、アルミニウムは<100ppmであり、鉄は<200ppmである。これは、これは、籾殻または他のシリカ含有植物が、最高の商業的な窒化ケイ素(Si)についての既知の鉱物不純物、炭素およびα相仕様を満たすか、上回る窒化ケイ素を生産するのに用いることができる方法の最初の報告である。
α炭化ケイ素(a−SiC)の炭素熱生産
我々は、籾殻に由来する材料から炭化ケイ素(b−SiC)を作る方法を上に開示した。これらの以前の研究では、浸出した籾殻材料は、熱分解され、次いで垂直アルミナ管型反応炉で一度の実行で約1,550℃において反応させた。XRDスキャンでは、β炭化ケイ素(b−SiC)の良好な収率がもたらされたことを示した。生成物は、依然として過剰な炭素を含んでいた。さらに、材料は炭素で「隠蔽」されているため、光学顕微鏡下で炭化ケイ素を検討することができなかった。さらにまた、材料の鉱物含有量は測定されなかった。
我々は現在、商用アプリケーションに適した位相形態であるα炭化ケイ素(a−SiC)を生産するための方法を開発した。これらのより最近の研究において、我々は、アルゴン下で2:1と4:1の遊離炭素:シリカの比を有する材料である籾殻からの浸出/熱分解された材料を反応させることによりα炭化ケイ素(a−SiC)を生成した。そして、浸出/熱分解された材料は、反応炉に入れられた坩堝に入れ、次に周囲温度から2,200℃まで加熱した。一酸化炭素は、1,550℃でβ炭化ケイ素を生産することに関係している反応の程度を測定するためにモニタリングされた。2つの試験では、β炭化ケイ素の形成が終了するまで、温度は1,550℃に維持された。次いで、温度を2,200℃に上げて、その温度に2時間維持してβ炭化ケイ素(b−SiC)からα炭化ケイ素(a−SiC)への相転移を実行した。2つの他の試験では、出発原料は、「その場で」作られたβ炭化ケイ素と共に直接2,200℃まで加熱し、それから最高温度でその後α炭化ケイ素(a−SiC)に変換した。X線回折(XRD)で示すように、試験のどれにおいても生成される唯一の結晶質の生成物は、α炭化ケイ素であった。4:1の炭素:シリカ比を含む原料を使用した試験では、α炭化ケイ素生成物は、過剰な炭素を含んだが、X線回折による非晶質シリカ(SiO)の徴候はなかった。我々は炭化ケイ素の特定の部分も酸化されていることを確認しているので、酸化による炭化ケイ素からの過剰な炭素の除去は難儀である。一方、2:1前後の炭素:シリカ比(3:1の化学量論比率よりもはるかに少ない)を含む原料を使用した試験では、生成したα炭化ケイ素は、過剰な炭素を含まず、出発原料がシリカ中で「豊富」であったが、シリカ上には何も残存しなかった。過剰なシリカが揮発していたことが測定された。その結果、得られたα炭化ケイ素は、遊離炭素またはシリカを含有しないという点で非常にきれいであった。この発見の意義は、原料がシリカ中で豊富であれば、非常にきれいなα炭化ケイ素(a−SiC)生成物を生産することができることにある。このような状況では、必要とされるよりも多くのシリカがあり、従って当該炭素の全てがβ炭化ケイ素(b−SiC)を生成するために炭素熱反応で消費され、一定量のシリカがβ炭化ケイ素生成物に取り残される。しかし、温度を上げてα炭化ケイ素(a−SiC)への相転移をもたらすと、残りのシリカが気化され、それによって、生成物から除去される。従って、我々は、シリカが「豊富である」原料、すなわち、3:1より少ない炭素:シリカの比を含む原料を用いて、炭素を含まない、シリカを含まないα炭化ケイ素(a−SiC)を生産する方法を発見した。
過剰な炭素または過剰なシリカを含んでいないα炭化ケイ素の光学顕微鏡での試験は、それが淡緑色と淡黄色の六角形の結晶から成ることを示した。25種類の異なる金属の含量は、グロー放電質量分析法によって調べられて極めて低いことが示された。25の元素の合計濃度は、<41.62ppmであった。リンを含む多くの元素レベルは、10億分率(ppb)の範囲であった。この純度レベルは、炭素熱工程を使用して達成された最高の既知の純度である。それによって、我々は、籾殻を浸出して非シリカ鉱物のレベルを減らし、熱分解、炭素熱反応、高温相転移と続けることにより作られる超高純度炭化ケイ素を発見した。
熱力学的解析
最初の研究は、Si工程への概念的なSiの熱力学的基礎を確立するために、HSC Chemistryソフトウェアの使用を含んだ。そのソフトウェアは、ユーザー定義の入力と(潜在的な)出力の種類に基づいて、温度の関数としてシステムの安定相をユーザーが判断するのを可能とするGibbs自由エネルギー最小化アルゴリズムを特徴とする。これらの分析は、100キログラムの純粋なSiが1,000キログラムのHにさらされるとき、1,000℃と2,000℃の間で生産される熱力学的に安定した種を示した。水素は炉の雰囲気を強く還元するのを確実にするために選ばれた。データは、反応が約1,400℃で始まり、そして、温度が1,730℃を超えるとき、SiがSiとNに完全に分解することを示す。
上記の例からの入力種と20キロモルの炭素(C)を含める効果も検討された。データは、窒化物の一部が炭素(C)と反応して、1,700℃より低い温度でSiCを形成し、初期のSi形成が約1,550℃で起きていることを示している。先の例のように、SiへのSiの完全な転移が1,730℃で起きている。モデルはまた、残留炭素が安定相のままであることを示している。
浸出生成物
未処理籾殻は、約20重量%のシリカ(SiO)、約1〜3重量%(10,000〜30,000ppm)の非シリカ鉱物、および約77〜79重量%の有機材料を含む。有機材料は、固定炭素と揮発性炭素からなるものと考えることができる。未処理籾殻中の固定炭素:シリカのモル比は4:1程度であり、固定炭素:揮発性炭素の重量比は、約5:1である。
硫酸水溶液で籾殻を浸出させることは、中間の炭素−シリカ生成物(「浸出生成物」)を生産する。浸出は、(a)浸出された籾殻の鉱物含量をかなり減らし;(b)浸出された籾殻中の固定炭素:シリカのモル比を調節し;そして、(c)浸出された籾殻の多孔性を増大する。
求められる鉱物の削減のレベルは、浸出生成物の意図された最終用途に依存する。浸出生成物が先進のセラミック用途のための窒化ケイ素または炭化ケイ素を生産するのに用いられるならば、必要とされる鉱物の削減レベルは、中程度である。他方、浸出生成物が、窒化ケイ素を生産するのに用いられ、次に今度は、太陽電池シリコンを生産するのに使用されるならば、求められる鉱物の削減レベルは非常に重要である。特に、窒化ケイ素を経由する光電子シリコンを生産するために、浸出生成物中のリンとホウ素のレベルが非常に低いことが重要である。
浸出生成物中の固定炭素:シリカの最適モル比は、また、浸出生成物が何に使用されるかに依存する。例えば、生成物が窒化ケイ素の生産のために使われるならば、固定炭素:シリカの最適モル比は約2:1である。他方、浸出生成物が炭化ケイ素の生産のために使われるならば、固定炭素:シリカの最適モル比は約3:1である。
すべての用途に関して、浸出生成物は、高水準の空隙率を有するのが望ましいが、これは、窒化ケイ素と炭化ケイ素を生産するのに用いられるその後の炭素熱工程の間、空隙率は反応速度を高めるからである。
重要な浸出条件や鉱物の純度、固定炭素:シリカのモル比、および空隙率を決定するパラメータは;(a)浸出混合物中の籾殻の濃度;(b)浸出混合物中の硫酸の濃度;(c)浸出混合物の温度、および(d)浸出時間である。
我々の研究を通して、我々は、温度が浸出生成物中の固定炭素:シリカのモル比に大きな影響を及ぼすことを発見した。25℃(室温)の比較的低い浸出温度では、浸出生成物中の固定炭素:シリカの比は約3:1である。浸出温度が上昇すると、モル比が低下し、約120℃で約2:1の最小値に達する。温度が上昇すると、モル比は増大し、約160℃で3:1に達する。約200℃の高温、約1時間の適度の時間では、その比は約5:1の高水準に達する。
我々の研究を通して、我々は、また、温度が浸出生成物の鉱物の純度に大きな影響を及ぼすことを発見した。鉱物の純度に関して、Si Optionsは、籾殻の全鉱物の約99%が、94℃以下の温度で硫酸を用いる浸出によって除去することができることを発見した。これらの条件下で、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)およびマンガン(Mn)の鉱物は、浸出生成物中で約10ppm未満のレベルに減らすことができる。こうした条件はまた、リンのレベルを大いに減らすが、他の鉱物が減少する程ではない。94℃以下で生産される浸出生成物のリンのレベルは、約60ppmである。ホウ素のレベルは無処置の籾殻で当然に非常に低いので、この元素のレベルは、浸出生成物中で低いままである。
我々は、94℃以下で浸出した後に残る残留リンのほぼ全てが、籾殻中のシリカ粒子の表面と会合していることを発見した。残留リンは、有機材料の層で「閉じ込められ」、有機材料のこの層は、120℃前後の温度で硫酸によって可溶化することができる。一旦有機層が可溶化されると、有機材料のこの層は、硫酸がシリカ粒子の表面と結合しているリンに到達して、それを放出することができる。浸出生成物中の得られるリンのレベルは、4ppm未満であり、1ppmに近い。このように、「沸騰」より上に浸出温度を上昇させることは、必要とされるリンのレベルを達成するために、例えば、Siを介する太陽電池シリコンの生産のために、重要であると考えられる。
我々は、各々の温度範囲で籾殻から浸出する鉱物は、速やかに、一般的に30分以下で放出されることを見出した。実際、15分が、シリコン含有製品の生産で使用することを目的とする浸出生成物の生産のためには十分な浸出時間である。しかし、我々は重要な精製が硫酸とのわずか約6秒の接触で起こると決定したが、これは、籾殻の酸溶液との接触後にサンプルを引き抜くことができるおよその最小時間である。
我々は、また、酸の濃度と籾殻の濃度が鉱物の放出に何らかの影響を及ぼすことも見出した。1%を超え10%未満の酸の濃度は、鉱物の最大の放出を提供する。酸の高濃度および低濃度は、効果的ではない。約10%の籾殻の濃度は、鉱物の最大の放出を提供する。籾殻の高濃度、低濃度は、効果的ではない。
籾殻の浸出、固液分離および乾燥のための特許で保護されたプロセス設計
Si Optionsは、籾殻を独自の炭素−シリカ生成物、独自の揮発分を除去した炭素−シリカ生成物、他の独自の中間生成物、および独自のシリコン含有最終製品に変えるために、そのプロセスの完全な予備エンジニアリング設計を実施した。この取り組みへの投入は、そのエンジニアリング・コンサルタントのエンジニアリング専門知識からだけでなくSi Optionsの研究開発活動に由来した。この取り組みの一環として、設計は、籾殻浸出に関わる単位操作のために開発された。設計の説明は以下の通りである。
籾殻は、貯蔵サイロから1日ビンでの保管のため浸出エリアに運ばれる。籾殻は1日ビンから撹拌混合タンクまで計量され、そこで、籾殻は浸出調製タンクからの2.5重量%の硫酸で10%の固体(初期)にスラリー化される。スラリーは、浸出用圧力容器(オートクレーブ)に圧送される。外皮は、連続モードで動作するハイグレード圧力容器で浸出する。所定の浸出条件は、0.5時間の固体滞留時間、120℃、合計2気圧(水蒸気と酸素)である。浸出放電スラリーは、2つの段階レットダウンシステムを通過し、蒸気を急速に通過させることによって気圧を元に戻す。スラリーは、それから、浸出残渣フィルター受槽に圧送される。水平ベルトフィルターは、浸出残渣から浸出液を分離する。ベルトフィルターは、ろ過ケーキに溶解した不純物の同伴を最小限に抑えるように設計された複数の洗浄段階に対応するために一連の受槽を備えている。脱イオン水が、洗浄段階で使用される。洗浄されたろ過ケーキは、コンベア上で収集され、浸出残渣乾燥機に移送される。一次ろ液は石膏沈殿循環路に伝わり、洗浄液は浸出調製タンクに進む。乾燥機の排出ガス中の微粉を最小限に抑えるために、間接的加熱回転式乾燥機は、ろ過ケーキのバルク水分を減らすために使用される。乾燥された浸出外皮(炭素−シリカ生成物)は、回収され、揮発分が除去された区域にある中間の貯蔵ビンに搬送される。酸性の一次ろ液は、機械的に撹拌された混合タンクにポンプ圧送され、そこで、それは粉末石灰で中和される。石膏は、以下の化学反応に従って生産される:
SO(水溶液)+CaO(固体)+HO(液体)=CaSO 2HO(固体)
溶液のpHを監視し、溶存不純物の析出を最大限に制御する。中和石膏スラリーは、フィルター供給タンクに圧送される。石膏は、並列に動作する2つの真空ドラムフィルターで中和浸出溶液から分離される。オープンベルトコンベアは、湿った石膏ケーキをコンクリート製のダイイングパッドに運搬する。不毛の浸出液は、真空ろ過器から浸出調製タンクまでポンプで汲み出され、そこで、不毛の浸出液は、ベルトフィルター洗浄溶液と新鮮な93%硫酸とブレンドされる。2.5%硫酸の浸出液は、籾殻混合槽に圧送される。
揮発分を除去した浸出生成物
揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の特性に及ぼす揮発分除去工程の加熱速度の影響
浸出生成物は、重要な揮発性の炭素を含むことができる。Si Optionsは、その独自の炭素−シリカ生成物をその揮発分を除去した独自の炭素−シリカ生成物に変換する揮発分の除去工程を開発した。揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を製造する方法は、Norman D.Hinmanの先の宣誓書に概説されている。その生成物を使用する方法と長所も、記述されている。
この情報に加えて、Si Optionsは、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の特性に及ぼす揮発分除去工程の加熱速度の影響に関する情報も発展させた。この情報は、炭素:シリカのモル比(C:SiO)は、加熱速度によって調節可能であることを示す。加熱速度を増加させることにより、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物のC:SiOのモル比を下方に調節できることが見出された。例えば、所定の炭素−シリカの供給材料について、瞬間的な加熱速度で生産された、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物のC:SiOのモル比は、3.04:1であるのに対して、2.5℃/分の速度の加熱で生産された、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物のC:SiOのモル比は、5.64:1である。炭素−シリカ生成物のC:SiOのモル比は、硫酸での浸出条件を変えることによって調節することができることがSi Optionsによって示されている。この新しい情報は、揮発分除去工程での加熱速度を変えることによって比率を調整することができることを示している。
揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の特性に及ぼす揮発分除去の加熱速度の影響に関する情報は、揮発分を除去した炭素−シリカ生成物では、加熱速度に関係なく、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、および鉄の濃度が炭素−シリカ生成物供給材料中のものと同じであることを示している。しかし、リン、カルシウム、およびマンガンの濃度は、揮発分を除去した炭素−シリカ生成物中では、炭素−シリカ生成物供給材料中のものより高くなっている。しかし、揮発分を除去した炭素−シリカ生成物中これらの3つの鉱物の濃度は、加熱速度の影響を受けない。この結果は、94℃以下での浸出後に炭素−シリカ生成物中に残存するリンは、シリカ粒子と会合しているという浸出の研究から、Si Optionsによって以前に出された結論と一致している。
加熱速度は、揮発分を除去した炭素−シリカ生成物の粒子サイズや比表面積に影響を与えない。加熱速度の影響の詳細は以下のとおりである。
Si Optionsは、揮発分除去工程のための独自のプロセス設計を開発した。この設計の説明を次に示す。浸出生成物は、かなりの揮発性炭素を含み得る。揮発性炭素は、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で約300℃から1,000℃の間の温度で気化する炭素質材料である。その後の炭素熱還元反応からの揮発性炭素の放出を分離することが望ましいときは、浸出生成物は、好ましくは、揮発性炭素を放出するため、900℃の温度にそれを加熱することにより揮発分が除去される。放出された揮発性炭素は、望ましくは、凝縮されて油性の副産物を形成する。この揮発分が除去された炭素シリカ生成物は、「揮発分が除去された浸出生成物」と呼ばれる。揮発分が除去された浸出生成物は、中間生成物と見なされるべきであり、望ましくは、それから炭素熱反応炉に供給される。残りの固定炭素とシリカは、反応して目的とするシリコン含有生成物を形成する。
炭素熱反応炉は、約1,450℃から2,000℃で動作する。しかし、揮発性炭素は、ずっと低い温度である900℃近辺で除去することができる。このように、より少ないエネルギーが、1,450℃から2,000℃における代わりに、炭素熱反応操作の一部として炭素熱反応における操作前に揮発性炭素の除去を900℃で行うことによって揮発性炭素を除去するのに使用される。
炭素熱反応操作における揮発性炭素の除去は、揮発性炭素の凝縮に起因して炭素熱反応炉の「閉塞」を引き起こす可能性がある。炭素熱反応操作前の揮発性炭素の除去は、この潜在的な問題を回避できる。
約1,450℃から2,000℃での炭素熱反応操作における揮発性炭素の除去は、揮発性炭素蒸気をエネルギー製品または化学的生産のための原材料としてはより望ましくなくする変化を、得られる油製品に引き起こすかもしれない高温に付すことになる。炭素熱反応操作前に低温での揮発性炭素の除去は、この潜在的な問題を回避できる。
浸出生成物が炭素熱反応炉に直接供給される場合は、固定炭素とシリカが反応して目的とするシリコン含有生成物を形成する間、揮発性炭素を炭素熱反応炉中で揮発させる。揮発性炭素は、オフガス流で炭素熱反応炉を出て、それから凝縮されて燃料あるいは化学原料として使用することができる油性物質を形成することができる。
上記したように、浸出生成物を直接炭素熱反応炉に供給することに関していくつかの懸念はあるが、炭素熱反応炉に直接浸出生成物を供給することは、揮発分を除去することと炭素熱反応の両方が、2つの別々の操作と対照的に、ただ一つの操作で行うことができることを意味する。これは、資本コストと運用コストを減らすことができる。揮発分の除去と炭素熱反応を別々の反応炉あるいは単一の反応炉で行うことが最善であるかどうかは、特定の商業プラントのエンジニアリングと経済分析の結果に依存する。
浸出された生成物(炭素−シリカ生成物)の揮発分の除去(揮発分が除去された炭素−シリカ生成物)から派生した生成物のC:SOモル比は、以下のものに依存する:1)浸出された炭素−シリカ生成物を製造するために使用される浸出条件、および2)揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を製造するために使用される揮発分除去の条件。この点で、Si Optionsは、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の炭素:シリカのモル比と揮発分が除去された炭素−シリカ生成物からの鉱物の含有量について、揮発分除去工程での加熱速度の影響に関する研究を実施している。
実験的炭素−シリカ生成物
下記の試験に用いられた炭素−シリカ生成物は、20/80の粉砕された外皮から調製した。粉砕された籾殻は、約10%の固形分、1.3%の酸、92℃、30分間で浸出した。炭素シリカ生成物の鉱物含有量は、以下の表に示される。
Figure 0005661103
装置/手順/分析
揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の特性に関して、2.5℃/分から50℃/分までの範囲での様々な揮発分除去速度の影響を調査するために、回転式水平管状炉で実行され、使用された。装填物は、管を通してアルゴンガスを流すことにより無酸素環境中に維持された。揮発分の除去が100%完了するまで、装填物は、その炉の中で維持された。酸素炉が、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の灰含有量を測定するのに用いられた。灰は基本的に100%のシリカであると仮定され、そして、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物中の炭素の重量は、灰の重量を総生成物重量から引くことで決定された。揮発分が除去された炭素−シリカ生成物についての炭素:シリカのモル比は、生成物中の炭素とシリカの量の推定値から算出された。
揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の特性に対する揮発分除去の基本的に瞬時の加熱速度の影響は、炭素−シリカ生成物を挿入する前に950℃に加熱した炉を用いて検討した。装填物は、酸素のない環境に維持された。装填物は、揮発分の除去が100%完了するまで、その炉の中で維持された。酸素炉は、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の灰分含有量を測定するのに用いられた。灰は基本的に100%のシリカであると仮定され、そして、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物中の炭素の重量は、灰の重量を総生成物重量から引くことで決定された。揮発分が除去された炭素−シリカ生成物についての炭素:シリカのモル比は、生成物中の炭素とシリカの量の推定値から算出された。
加熱速度の関数としての炭素:シリカのモル比
揮発分を除去する工程の加熱速度の関数としての揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の炭素:シリカのモル比は、下の表に示される:
Figure 0005661103
このデータに最も適合した式は、次のとおりである:
y=−0.60Ln(x)+6.268
ここで、xは、加熱速度、℃/分であり、そしてyは、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物のC:SiOのモル比である。この式は、加熱速度の関数としてのC:SiOのモル比を示した表の作成に使用された。新しい表の各C:SiOのモル比は、C:SiOのモル比に関しての瞬時加熱速度に対する異なる加熱速度の影響を示すために、瞬時加熱で得られた比で除したものである。データに最も適合した対数関数は、次式で表される:
y=−0.19Ln(x)+2.063
式中、xは加熱速度であり、そしてyは炭素−シリカ生成物の瞬時加熱からのC:SiOのモル比に適用する係数である。所定の炭素−シリカ生成物供給材料については、式2は、瞬時加熱速度で生産され揮発分が除去された炭素−シリカ生成物のC:SiOのモル比から、任意の加熱速度で生産される、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物のC:SiOのモル比を予測することができる。
揮発分が除去された炭素−シリカ生成物における鉱物濃度に対する揮発分除去の加熱速度の影響
標準的な鉱物(Na、Mg、Al、P、K、Ca、Mn、およびFe)の各々の濃度は、異なる加熱速度:2.5℃/分、5℃/分、15℃/分および50℃/分で生産された揮発分が除去された炭素−シリカ生成物で測定された。以下の表は、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の各鉱物濃度を、炭素−シリカの同じ鉱物の濃度で割った揮発分除去過程の加熱速度の関数として示す。
Figure 0005661103
データは、加熱速度と関係なく、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物は、Na、Mg、Al、KおよびFeについて炭素−シリカ供給原料と同じ濃度を有することを示している。しかし、P、CAおよびMnの濃度は、炭素−シリカ生成物供給原料におけるよりも、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物においてより高い。鉱物が供給原料中の炭素質物質と主に会合しており、炭素質物質に比例して除去されるなら、上記の表中の比率が1未満であると予測されるであろう。鉱物が均等にSiOと炭素質材料の間に分布されていなら、その比は約1.0であることが期待される。最後に鉱物が主にSiOと結合しているなら、その比は1.0より大きくなると予測されるであろう。この推論に基づくと、上記のデータは、Na、Mg、Al、KおよびFeが、SiOと炭素質物質との間に均等に分布していることを示している。しかし、P、CaおよびMnは、主にSiOと会合していたように見える。浸出工程についてのSi Optonsによって提示された以前の情報は、また、94℃以下で生産された炭素−シリカ生成物中の残留リンは、シリカと会合していたことを示した。
加熱速度の粒子サイズに対する影響
5℃/分、15℃/分と50℃/分の加熱速度からの生成物が、サイズ分布を得るためにスクリーニングされた。各々の生成物の平均サイズは、図16に示される。すべての生成物に対する平均サイズは、約300μmであった。加熱速度は、粒子サイズへの有意な影響を及ぼさないと結論される。
加熱速度の比表面積への影響
揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の比表面積に対する加熱速度の影響が、下記の図に示される。結果は、高い比表面積が速い加熱速度で達成されることを示唆している。もしこれが本当であるならば、早い加熱速度で生産された生成物は、SiまたはSiCを生産することに関して、遅い加熱速度により生産される生成物よりも、より反応性である可能性がある。
揮発分の除去および油の回収のための特許で保護されたプロセス設計
Si Optionsは、独自の炭素−シリカ生成物、独自の揮発分が除去された炭素−シリカ生成物、他の独自の中間生成物および独自のシリコン含有最終生成物に籾殻を変換するために、そのプロセスの完全な予備的エンジニアリング設計を実施している。この取り組みへの投入は、Si Optionsの研究開発活動からだけでなく、その技術コンサルタントのエンジニアリングの専門知識から誘導された。この取り組みの一環として、設計は揮発分の除去および油の回収に関わる単位操作のために開発された。設計の説明は以下の通りである。
エプロンコンベアは、2つの供給ビンの1つから炭素−シリカ生成物を抜き取る。炭素−シリカ生成物は、揮発分除去を促進するように動作する間接的加熱流動床式焼成炉に供給される。炭素−シリカ生成物は、予熱した窒素気流下、ガスアシストされた輸送を使って焼成炉に入る。焼成炉は、固形の、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を密閉コンベヤシステム上に放出し、それは材料を炭素熱のプロセス炉に輸送する。
流動床焼成炉の放電ガスは、粗い粒子状物質の除去のためにサイクロンを通過し、次いで、微粒子を除去するための静電集塵装置を通過する。捕獲された粒子状物質は、供給ビンに戻される。
静電集塵装置を出た後、揮発したオフガスは、油戻り回路に入る。最初の段階では、ガスは高沸点有機成分を凝縮し、収集する充填層カラムを通過する。カラム温度は、濃縮画分油のブリード流を、それが間接的に過熱水蒸気によって加熱される間接的な熱交換器を通過させることによって維持される。凝縮した高沸点油のブリード流は、凝縮器リザーバから採取し冷却され、オフサイト処理や市場への出荷保留中タンクに格納される。
高沸点カラムを出た後、プロセスガス温度は、それが熱交換器を通過して低下する。低沸点の有機物回収カラムでは、ガスはカラムリザーバから圧縮された液体のブリード流に対して向流通過する。また、凝縮した低沸点油のブリード流は、凝縮器リザーバから採取し冷却され、オフサイト処理や市場への出荷保留中タンクに格納される。
第2段階の凝縮器の放電ガスは、第2の燃焼室に入り、そこでは、それが非凝縮炭化水素、一酸化炭素、水素、および他の可燃性ガスの総燃焼を確保するために空気で酸化される。代替シナリオでは、第2段階の凝縮器の放電ガスは、焼成炉の火室に送られ、そこで補助燃料として燃焼される。
揮発性炭素は、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で約300℃から1,000℃の間の温度で揮発する炭素質材料である。その後の炭素熱反応からの揮発性炭素の放出を分離することが望ましいとき、浸出生成物は、好ましくは、揮発性炭素を放出するため、900℃の温度に加熱することにより揮発分が除去される。放出された揮発性炭素は、望ましくは、凝縮されて油性の副産物を形成する。この揮発分が除去された炭素シリカ生成物は、「揮発分が除去された浸出生成物」と呼ばれる。揮発分が除去された浸出生成物は、望ましくは、それから炭素熱反応炉に供給される中間生成物としてみなされるべきである。残留固定炭素とシリカは、反応して目的のシリコン含有生成物を形成する。
炭素熱反応炉は、約1,450℃から2,000℃で動作する。しかし、揮発性炭素は、約900℃近辺のはるかに低い温度で除去することができる。このように、1,450〜2,000℃での代わりに、炭素熱操作前に900℃で揮発性炭素の除去を炭素熱操作の一部として実施することにより、より少ないエネルギーが揮発性炭素の除去のために使用される。
炭素熱操作における揮発性炭素の除去は、揮発性炭素の凝縮に起因して炭素熱反応炉の「閉塞」を引き起こす可能性がある。炭素熱操作前の揮発性炭素の除去は、この潜在的な問題を回避できる。
約1,450℃から2,000℃での炭素熱操作における揮発性炭素の除去は、揮発性炭素蒸気をエネルギー製品または化学的生産のための原材料としてはより望ましくなくする変化を、得られる油製品に引き起こし得る高温に付すことになる。炭素熱操作前に低温での揮発性炭素の除去は、この潜在的な問題を回避できる。
浸出生成物が炭素熱反応炉に直接供給されている場合は、固定炭素とシリカが反応して目的とするシリコン含有生成物を形成する間、揮発性炭素を炭素熱反応炉中で揮発させる。揮発性炭素は、オフガス流で炭素熱反応炉を出て、それから凝縮されて燃料あるいは化学原料として使用することができる油性物質を形成することができる。
上記のように、浸出生成物を直接炭素熱反応炉に供給することに関していくつかの懸念はあるが、炭素熱反応炉に直接浸出生成物を供給することは、揮発分を除去することと炭素熱反応の両方が、2つの別々の操作と対照的に、ただ一つの操作で行うことができることを意味する。これは、資本コストと運用コストを減らすことができる。揮発分の除去と炭素熱反応を別々の反応炉あるいは単一の反応炉で行うことが最善であるかどうかは、特定の商業プラントのエンジニアリングと経済分析の結果に依存する。
Si Optionsは、独自の炭素−シリカ生成物、独自の揮発分が除去された炭素−シリカ生成物、他の独自の中間生成物および独自のシリコン含有最終生成物に籾殻を変換するために、そのプロセスの完全な予備的エンジニアリング設計を実施した。この取り組みへの投入は、Si Optionsの研究開発活動からだけでなく、その技術コンサルタントのエンジニアリングの専門知識から誘導された。この取り組みの一環として、設計は揮発分の除去および油の回収に関わる単位操作のために開発された。設計の説明は以下の通りである。
エプロンコンベアは、2つの供給ビンの1つから炭素−シリカ生成物を抜き取る。炭素−シリカ生成物は、揮発分除去を促進するように動作する間接的加熱流動床式焼成炉に供給される。炭素−シリカ生成物は、予熱した窒素気流下、ガスアシストされた輸送を使って焼成炉に入る。焼成炉は、固形の、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を密閉コンベヤシステム上に放出し、それは材料を炭素熱のプロセス炉に輸送する。
流動床焼成炉の放電ガスは、粗い粒子状物質の除去のためにサイクロンを通過し、次いで、微粒子を除去するための静電集塵装置を通過する。捕獲された粒子状物質は、供給ビンに戻される。
静電集塵装置を出た後、揮発したオフガスは、油戻り回路に入る。最初の段階では、ガスは高沸点有機成分を凝縮し、収集する充填層カラムを通過する。カラム温度は、濃縮画分油のブリード流を、それが間接的に過熱水蒸気によって加熱される間接的な熱交換器を通過させることによって維持される。凝縮した高沸点油のブリード流は、凝縮器リザーバから採取し冷却され、オフサイト処理や市場への出荷保留中タンクに格納される。
高沸点カラムを出た後、プロセスガス温度は、それが熱交換器を通過して低下する。低沸点の有機物回収カラムでは、ガスはカラムリザーバから圧縮された液体の循環流に対して向流通過する。また、凝縮した低沸点油のブリード流は、凝縮器リザーバから採取し冷却され、オフサイト処理や市場への出荷保留中タンクに格納される。
第2段階の凝縮器の放電ガスは、第2の燃焼室に入り、そこでは、それが非凝縮炭化水素、一酸化炭素、水素、および他の可燃性ガスの総燃焼を確保するために空気で酸化される。代替シナリオでは、第2段階の凝縮器の放電ガスは、焼成炉の火室に送られ、そこで補助燃料として燃焼される。
炭素熱反応生成物
炭素熱反応炉では、固定炭素は、シリカ(SiO)から酸素を除去して一酸化炭素とシリコン含有生成物を形成する。希望するシリコン含有生成物(以下「炭素熱反応生成物」)が、炭化ケイ素の場合、反応炉は、アルゴンなどの不活性ガスで動作される。しかし、希望の炭素熱反応の生成物が窒化ケイ素の場合、炭素熱反応炉は窒素下で動作される。
窒化ケイ素の生産のための炭素熱反応は、以下の通りである:
3SiO + 6C + 2N = Si + 6CO
このように、反応のための化学量論炭素:シリカのモル比は、2:1であり、そして、炭素熱反応炉への供給材料(浸出生成物か揮発分が除去された浸出生成物のいずれか)は、約2:1の固定炭素:シリカのモル比を有するべきである。先進的なセラミックスの製造に窒化ケイ素を使用すべき場合は、供給材料中の鉱物レベルは、籾殻中より大幅に低くなければならないが、太陽電池グレードのシリコンを生成するために必要なほど低くはない。窒化ケイ素の炭素熱生産に用いる典型的な温度は、約1450℃である。
我々は、窒化ケイ素の炭素熱生産での浸出生成物と揮発分が除去された浸出生成物を試験し、生成物の収率が優れている条件を発見した。しかしながら、従来の反応炉が使用されているときには、反応は非常に遅く、12時間もの長い時間を要する。我々の研究により、窒化ケイ素の生産速度は一酸化炭素(CO)の濃度に非常に敏感であることを我々は発見した。このことを理解した後は、我々は一酸化炭素の濃度を非常に低く維持するアップフロー炭素熱反応炉を開発した。その結果、反応は1時間未満で起こる。アップフロー反応炉および反応炉を操作するための方法もまた、当社の発明であり、別個の特許出願で扱われている。
炭化ケイ素の生産のための炭素熱反応は、以下の通りである:
SiO + 3C = SiC + 2CO
このように、反応のための化学量論炭素:シリカのモル比は、3:1であり、そして、炭素熱反応炉への供給材料(浸出生成物か揮発分が除去された浸出生成物のいずれか)は、約3:1の固定炭素:シリカのモル比を有するべきである。先進的なセラミックスの製造に窒化ケイ素を使用する場合は、供給材料中の鉱物レベルは、籾殻中より大幅に低くなければならないが、太陽電池グレードのシリコンを生成するために必要なほど低くはない。β炭化ケイ素の炭素熱生産に用いる典型的な温度は、約1,500℃であり、α炭化ケイ素の炭素熱生産に用いる典型的な温度は、約2,000℃である。
我々は炭化ケイ素の炭素熱の生産における浸出生成物と揮発分が除去された浸出生成物を試験して、反応が商業炭化ケイ素製造工程で見られるより非常に速く進行することを見出した。さらに、商業プロセスで達成されるより生成物の収率は、非常に良好である。さらに、炭素:シリカのモル比が2:1よりいくぶんか少ないとき、α炭化ケイ素生成物は、どんな残留炭素またはシリカをも含まず、鉱物の汚染に関してとても純粋であることを我々は発見した。
シリカと炭素からのSiの炭素熱生産が、10〜12時間かかる遅い反応であるということは、文献上、一致している。少量のサンプルを用いて、一部の研究者は、より短い反応時間を達成したと主張する。しかし、その研究にもかかわらず、Si Optionsは、速い反応速度の鍵は、バルクガスへの装填粒子の容易なアクセスを提供することであり、それにより、バルクガス(への/からの)反応部位(への/からの)ガス輸送が速いことを発見した。これを念頭において、Si Optionsは、限られた床を備えた独自のアップフロー反応炉を開発し、そしてそれは、Si Optionsの独自の揮発分除去炭素−シリカ生成物またはその独自の炭素−シリカ生成物を使用した場合、その独自の炭素熱Si中間生成物の速い生産を提供する。さらに、生成物の収率と生成物の品質が優れている。
本出願は、特許で保護された反応炉の設計、組み立てと操作を提供する。また、反応炉の性能上の別の動作パラメータの影響を理解することを目的とした大規模な試験の作業の説明を提供する。この仕事を通して、最適なパフォーマンスを提供する、動作パラメータの以下の値が確立されている。これらは以下のとおりである:
1.特許で保護された、揮発分が除去された供給材料は、130umモード粒子サイズと5:1の固定炭素−シリカの比率を有しなければならない。
2.工業用グレードの窒素(300ppm酸素)を使用すべきである。
3.少なくとも0.147g/ccの平均装填密度を使用すべきである。
4.少なくとも0.5SLPM/g、好ましくは0.8SLPM/gの装填質量当たりの窒素流量を与える窒素流速を使用すべきである。
5.1気圧の範囲の反応炉圧力が推奨される。
これらの推奨条件を使用すると、窒化ケイ素の収率は>90%となり、Siの生産を完了するまでの時間は、1.7時間未満となるであろう。生成物中のリン濃度は、供給材料よりもはるかに少なくなる。Siは、主にα−Siの形態で、大部分は繊維状の形態となる。SiCの存在は、期待されない。生成物は、Si Optionsによって開発され、全体の特許出願に関連する別の文書に記載されているプロセスによって除去できる残留炭素を大量に含む。生成物は、Si Optionsによって開発され、全体の特許出願に関連する別の文書に記載されているプロセスによって除去できる残留シリカを少量含む。
最後の段落の記載されている最適な条件のほかに、Si Optionsは、アップフロー反応炉の場合の以下の範囲の条件を探求し、この条件は、Siの生産にも提供される。
装填物は、400μmおよび130μmモードの粒子サイズを有する粒子を含む。
1.37:1から5:1の固定炭素:SiOのモル比を有する装填材料。
0.049g/ccから0.137g/ccの範囲の平均装填密度。
4.0.1SLPM/gから0.8SLPM/gの範囲の装填質量当たりの窒素流量。
平均反応炉の温度は、1368℃から1,475℃であり、最終的な反応炉の温度は、1,500℃の高さである。
反応炉の圧力は、1気圧から2気圧である。
反応時間は、数分から12時間超である。
限られた反応ゾーンを備えたアップフロー反応炉を用いて、Si Optionsの独自の炭素シリカ生成物またはその揮発分が除去された炭素シリカ生成物からSi Optionsの独特の窒化ケイ素中間生成物を生産するために探索された最適の動作条件と条件の範囲は、Si Optionsの特許で保護される。
さらに、制限加熱ゾーンを備えたアップフロー反応炉は、単に反応管の直径または制限加熱ゾーンの高さを増やすことによってスケールアップすることができる。さらに、最適なパフォーマンスのために、上記の推奨動作パラメータのいずれもが、反応管の直径や反応炉の加熱ゾーンの高さによって影響されていないことに注意することは重要である。このように、パラメータの推奨値は、任意のサイズの反応炉に適用し、使用される場合、反応炉の大きさに関係なく、同じ収率、反応速度および製品品質を提供するであろう。スケールアップの容易性およびあらゆる規模の反応炉に対して既に確立された最適な動作を使用する能力は、反応炉の独自の特徴である。
さらに、Si Optionsは、揮発分が除去されたSi Optionsの独自の炭素シリカ生成物をその炭素熱Si中間生成物へ変換するための全体の炭素熱操作の完了したプロセス設計にアップフロー反応炉を組み込んだ。このプロセス設計の記述は、本出願に含まれており、Si Options所有の特許である。
そのうえ、制限加熱ゾーンを備えたアップフロー反応炉のためのSi Optionsによる試験作業は、さらなるパフォーマンスの反応炉を改善するために修正を提案し、この出願のために他の反応炉タイプを示唆する洞察をSi Optionsに提供した。これらの修正と他の反応炉タイプは、本出願に記述されて、本出願については、Si Optionsが所有者である。
制限された加熱ゾーンを備えたアップフロー反応炉の選択と開発につながる作業
その独自の炭素−シリカ生成物およびその独自の揮発分が除去された炭素−シリカ生成物からの独自の窒化ケイ素(Si)中間生成物の炭素熱生産に関するSi Optionsによる初期の仕事は、独自の窒化ケイ素の炭素熱生産を水平方向の外熱式回転式管炉の使用を含んだ。試験は、回転がある場合と回転しない場合に実施された。回転することなく、供給材料は、管内に充填層を形成し、窒素ガスは、頂部を横切って流れた。回転しながら、窒素が頂部に流入するにつれて、充填層は、「引っくり返された」。どちらのモードでもこの反応炉を使用すると、窒化ケイ素の優れた収率を提供したが、充填層の深さが薄い場合を除き、反応を完了するのに必要な時間は長くなった。充填層の深さと反応が完了するまでの時間の間の負の相関関係は、Si Optionsを以下の結論に導いた:充填層を通って反応サイトヘのバルクガスからの窒素の物質移動、もしくは反応サイトから充填層を通ってバルクガスへの一酸化炭素(CO)の物質移動、あるいは両方の物質移動は、反応速度を制限した。その結果、Si Optionsは、窒化ケイ素の生産のためのアップフロー反応炉を開発して試験することを決定した。アップフロー反応炉で、各粒子と充填層の深さによってバルクガスの流れが制御変数として効果的に排除される。
制限された加熱ゾーンを備えたアップフロー反応炉の説明
初期のアップフロー反応炉は、流動床反応炉として動作するように設計され、装填物の上昇流を制限するために、上部黒鉛カップが含まれていなかった。コールドフロー試験からのデータは、予想窒素流量で、流動装填材料は炉の加熱ゾーンに相当する反応炉管のゾーン内に留まることを示した。その後の試験では、これが事実であることが示されたが、これらの試験はまた、反応炉の加熱ゾーンの頂部温度は、反応炉の加熱ゾーンの真ん中より大幅に低いいことが示された。このように、反応炉の加熱ゾーンは、その内の温度が均一になるように短縮された。反応ゾーンは、反応管に頂部黒鉛カップを挿入することによって短縮された。
反応管は、長さ5フィートで、1.125インチの内径を有する炭化ケイ素のシリンダーで構成されている。管は絶縁材料でラップされる。一旦管が垂直炉の範囲内でまっすぐに設置されるならば、カップの底が炉の加熱ゾーンの内側の少なくとも3インチとなるように、試験前に底に開けた穴のある黒鉛カップは、管のガス入口側に上下逆さまに挿入される。管に挿入される前に黒鉛カップは、カップと管の間にシールを提供するために、黒鉛フェルトにラップされている。さらに、黒鉛フェルトの丸い部分は、カップの底の内側表面の隣に配置される。フェルトのこの部分は、カップの穴を通って落ちるからカップ上の装填物質を保持するが、ガスがカップの穴を通り、炭化ケイ素管を通って上に流すことができる。穴のあるカップの底は、ガス分配プレートと呼ばれる。カップの詳細な図は、図4に示される。一旦このカップが設置されると、装填物質はそれから管へ注がれる。この装填物質は、分配プレートの上にかかっている。次に、第2黒鉛カップは、管のガス出口側に逆さまに設置されている。管が炉内に一旦設置されると、カップの底部が炉の加熱ゾーン内にあるいくつかのポイントに位置するように、配置される。
一旦カップと充填物が取り付けられると、フランジが管の各先端に接続される。フランジは、ステンレス鋼製であり、ガスが流れるように中央にドリル穴を有している。管に接続されているクリップにフランジを取り付けるボルトを保持するためにフランジの外側のエッジ付近でも穴が開けられている。接続されているクリップ付きのホースクランプは、絶縁された管の各端部の周囲に取り付けられる。通常はグラフォイル製のガスケットは、管端部とフランジの間に配置されている。ボルトは、それから、フランジの外側エッジの近くの穴を通して、そして、管に接続されるクリップの穴を通して挿入される。蝶ナットは、クリップにフランジを締め付けるのに使用される。フランジシステムの図は、図5に示される。
反応炉システムの図が、図3に提供される。反応管が準備されたら、ガスの入口端を、金属保持装置に垂直な場所に配置する。この装置と管を垂直クラムシェル管炉で所定の位置にスライドさせる。炉は、管の周りにシャットダウンされる。トップフランジは、圧力計を含む金属キャップに取り付けられている。時折、熱電対は、管内の温度を測定するために反応炉管にキャップの上部から挿入した。キャップは、順にフレキシブル管に接続され、このフレキシブル管は順に圧力調整器に接続されている。圧力調整器は、サイクロンに取り付けられて、今度はそれは、ガス流量モニターに接続されている。ガス流量モニターを通過した後、次にガスは、水を入れた容器に流れる。容器内にガスを運ぶ管の端部は、喫水線より下の少なくとも2インチに位置する。容器からガスが大気中に渡される。底部のフランジは、反応管に入る前に入ってくるガスを予熱する2つの予熱器に接続する管に接続されている。予熱器の上流と下流の圧力が測定される。予熱器の下流の温度も測定される。予熱器の上流端は、システムを介してフローガスを制御する質量流量コントローラに接続されている。混合装置は、予熱器とその後の反応管に入る前に完全に混合するように、質量流量コントローラからガスを発生させる質量流量コントローラの下流に位置している。質量流量コントローラは、窒素ガスだけでなく、他のガスを提供するガスのシリンダーに接続されている。炉は管状のクラムシェルの炉である。炉は、炉の温度を測定する熱電対を含んでいる。
この説明は、バッチ操作についてであるが、この反応炉は、連続モードで動作するように容易に修正することができる。さらにまた、この反応炉は、反応管直径を増やすことによって、または、加熱ゾーンの長さを増やすことによって簡単にスケールアップすることができる。後述するように、このようなスケールアップは、動作条件の変更を必要としない。この反応炉を用いる設計および/または構築および/また方法は、Si Optionsがその特許の所有者である。
図4。黒鉛カップ
図5。シーリングシステム
制限された加熱ゾーンを備えたアップフロー反応炉の操作
試験プログラムの目的は、制限された加熱ゾーンを備えたアップフロー反応炉の性能に関する動作条件の範囲の効果を決定することであった。このプログラムも、最適な運転条件について以下のものを提供するために定義された:1)Siを生成する最小時間;2)Siの最大収率;および3)高品質の炭素熱反応中間生成物。
炭素とシリカ(SiO)を含む供給材料からSiの炭素熱生産のための化学方程式は、以下の通りである:
3SiO + 6C + 2N = Si + 6CO
試験で使用される標準的な供給材料は、Si Optionsの揮発分が除去された独自の炭素−シリカ生成物であった。1つを除きすべての試験が、約400μmのモードの粒子サイズを有する材料を用いて行った。1つの試験は、約130μmのモードの粒子サイズを有する材料を用いて行った。両方の材料の近似分析は、以下の表に示すように同じ結果を与えた。基本的に灰のすべては、シリカである。
Figure 0005661103
両材料の鉱物の分析は、以下の表に示すように、本質的に同じであった。
Figure 0005661103
試験手順
各実行ごとに、炉は反応管を熱衝撃から保護するために2.5℃/分で一晩加熱した。一般的に炉は、翌朝午前約9時に炉の設定温度に達した。Siの生産が完了するまで、ベースラインに戻るオフガス中のCOレベルで示されるように、炉は設定温度で維持された。特に断りのない限り、Siの形成過程の反応炉の温度は、炉内温度が実行の最後に1,400℃に達したときからの平均的な反応炉の温度と見做された。実行が完了した後、炉は熱衝撃からSiCの反応管を保護する速度で一晩中冷却した。加熱の間に、窒素は遅い速度でシステム中をパージした。翌朝、窒素流は、試験流量に増加した。通常、流量は、炉の温度が1,000℃になると増加した。加熱の過程で、そして試験の残りを通して、水(ゲージ)の2インチ背圧は、システムのどんな漏れ穴でも外側であることを保証するために、システムの出口で維持された。このように、反応炉内の圧力は、実質的にゼロpsigであった。Golden,Coloradoでの平均圧力は、約11.6psiaであるので、反応炉の名目の絶対圧は、11.6psiaであった。ガスの流出は、それぞれの実行中に測定し、これらの測定から、漏れがどんな実行中の過程でもシステムになかったことが判明した。それぞれの実行後、生成物は反応炉から除去された。
結果:Si生産の完了までの時間に対する動作条件の影響
特に断りのない限り、以下の動作条件は、各試験について一定であった。
・充填材は、特許で保護されたSi Optionsの上記の標準供給材料であった。
・超高純度(UHP)窒素が使用された。
・反応炉の公称圧力は、11.6psiaであった。
結果:Si生産の完了までの時間に対する装填質量の影響
温度を1,341℃に維持し、窒素流量を4SLPMに維持し、装填質量を20〜60グラムの間で変化させながら、一群の試験は行われた。その結果によれば、流量とSiの生産を完了するまでの時間との間に正の線形関係があることが示された。別の言い方をすれば、装填質量の増加は、反応速度を遅くする原因となる。
Si生産の完了までの時間に対する窒素流量の影響
一群の試験が1,431℃から1,464℃の範囲の5つの異なる温度で実施された。各グループ内では装填質量は一定であった。窒素流量は、各グループ内で変化させた。全体的な窒素流量は、1〜8のSLPMから変化した。全体として見れば、Siの生産を完了するまでの時間に対する超高純度N2流量に関連するデータは、反応と超高純度N2流量を完了する時間との間に反比例の関係があることを明らかに示す。また、その関係は、対数関数で最もよく説明されているように見える。さらに、1SLPMから8SLPMに流量を増加させることは反応時間が半減される原因となるように見える。換言すると、超高純度N2流量の増加は、反応が速くなる原因になる。
Si生産の完了までの時間に対する装填質量当たりの超高純度N2流量の影響
上記の試験では、装填質量と窒素流量は、Siの生産を完了するまでの時間について逆の効果を有することを示した。Si Optionsは、これらの個々の変数が一つの変数、すなわち、装填質量当たりの窒素流量に結合されることができること、そして、Siの生産を完了する時間が所定の温度についてこの一つの変数と相関することを推測した。Si すべてのデータは、いくつかの温度のグループにグループ化され、与えられた温度のグループ内の装填質量当たりの窒素流量(SLP/g)に対して同じ値を有したこれらの試験は、また、Siの生産を完了するために同じ時間を有することが判明した。従って、上記所定の一定の条件のため、Si Optionsは、Siの生産を完了するまでの時間は3つの代わりの2つの変数のみの関数であると結論付けた。2つの変数は、温度(℃)と装填質量当たりの超高純度窒素の流量である。所定の温度について、Siの生産を完了するまでの時間対装填質量当たりの窒素流量をプロットすると、負の対数関数であることを発見した。この曲線の形状は、温度に関係なく同じであり、所定の温度に対して、0.8SLPM/gでの反応が完了するまでの時間は、0.1SLPM/gでの反応が完了するまでの時間の約半分であると一般的に考えられた。
Si生産の完了までの時間に対する温度の影響
上記のように、与えられた一定の条件に関して、わずか2つの入力変数が、Si生産を完了させるまでの時間を決定する:1)温度および2)装填質量当たりの超高純度N流量。従って、すべての実行からのデータは、質量装填当たりの超高純度N流量によってグループ化され、装填質量当たりの所定超高純度N流量は、グループ内の各試験の平均温度に対してプロットした。これらのプロットは、図6に示されている。図表は、0.1SLPM/g、0.2SLPM/gおよび0.8SLPM/gの装填質量当たりの超高純度N2流量に関連付けられているデータに最適な曲線を示している。曲線は負の指数関数であり、各曲線の方程式は、プロットに示されている。
1,368℃から1,480℃近くへの平均反応温度の上昇は、Si生産の完了までの時間に対して非常に陽性の効果を及ぼすことは図6から明らかである。例えば、0.1SLPM/gでは、1,368℃において、Siの生産を完了させるまでの時間は、14時間であるのに対して、1,480℃でその生産を完了させる時間は約3時間となる。0.8SLPM/gでは、1,368℃において、Siの生産を完了させるまでの時間は、約7時間であるのに対して、1,480℃でその生産を完了させる時間は約1.7時間であり、そして、1,520℃でその生産を完了させる時間は、約1時間である。このように、1,368℃から1,480℃に反応炉の温度を上げることで反応速度が約4.4倍に増加する。
反応炉の温度が1,450℃を超えると、β−炭化ケイ素の形成が熱力学的に促進され、Si生成物は、β−Siで汚染されることを、文献は警告している。しかし、このレポートで分析された実行からのどんな生成物にも炭化ケイ素の兆候はなかった。このように、使用される反応炉システムおよび装填材料の種類については、少なくとも1,480℃の反応炉の温度が、β−SiCからの汚染のリスクなしに使用することができる。さらに、β−SiCからの汚染なしでSiを製造するために使用できる最高温度を決定するために試験は必要とされる。また、Siの生産は、1,400℃の範囲より低い温度では起こらないことを示している。ただし、図18の情報によれば、使用される反応炉システムおよび装填物質の種類とともに、反応は進行して1,368℃の反応炉の温度で完了する。さらに、試験は、Siの生産をするために使用できる最低温度を決定するために必要とされる。
0.1SLPM/gから0.8SLPM/gへの装填質量当たりの超高純度N2流量の増加は、Siの生産を完了させるまでの時間について非常に陽性な効果を有していることも図6から明らかである。例えば、1,400℃の反応炉の温度における0.1SLPM/gの装填質量当たりの超高純度N2流量でSiの生産を完了するまでの時間は、約9時間であるのに対して、0.8SLPM/gの装填質量当たりの超高純度N2流量でSiの生産を完了するまでの時間は約4.5時間である。このように、0.1から0.8への、装填質量当たりの超高純度N2を増加させることは、反応速度を2.0倍に増加させる原因となる。
このように、Si Optionsの独自の、制限された加熱ゾーンを備えたアップフロー反応炉、モル比が5:1の固定炭素:SiOと400μmモードの粒子サイズを有するその独自の揮発分が除去された炭素−シリカ原料、超高純度窒素および11.6psiaの圧力を用いて、平均温度が1,468℃であり、装填質量当たりの窒素流が0.8SLPM/gである場合は、Siの生産は、1.7時間以内に完了することができる。より高い温度とより大きなSLPM/gは、さらに、生産時間を短縮するであろう。生産のこの比較的短い時間は、Siの炭素熱生産は遅く、一般的に10〜12時間を要するという文献の一般的な意見とは対照的である。
図6のデータを使用して、Si Optionsは、0.1SLPM/gから0.8SLPM/gへの装填質量当たりの窒素流量の範囲および1,368℃から1,480℃までの平均反応炉温度について、Si生産の時間を予測する方程式を開発した。これらの方程式を用いて、Si Optionsは、生産の生産時間に関しての、温度や装填質量当たりの窒素流量の異なる値の効果を評価をすることができる。このように、Si Optionsは、生産の経済学にこれら動作変数を関係づけることができる。上記の定数の条件が使用される場合、これらの方程式は、厳密に適用される。これらの方程式は、Si Optionsがその特許の所有者である。
Si生産の完了までの時間に対する粒子サイズの影響
上記の一定の条件の1つは、粒子サイズ、すなわち、400umのモード粒子サイズであった。しかし、1つの試験は、130μmのモード粒子サイズを有する装填材料で実施された。この限られたデータでは、装填物が小さい粒子で構成されている場合に、Siの生産を完了するまでの時間が短くなることを示している。例えば、1,431℃の平均温度と0.1SLPM/gの装填質量当たりの窒素流量のため、130μmの粒子を有するSiの生産を完了する時間は、400μmの粒子を有するSiの生産を完了する時間の約94%であった。従って、より小さい粒子の使用は、Siの生産を完了するまでの時間で小さな改善を提供する。
Si生産の完了までの時間に対する装填材料の固定炭素:SiOのモル比の影響
上記の一定の条件の1つは、装填材料が基本的に5:1の固定炭素:SiOのモル比を有した。Si生産の完了までの時間に対する固定炭素:SiOのモル比の変化の影響を調べるために、Si Optionsは、以下の固定炭素:SiOのモル比を有する、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を調製した:3.74:1;2.64:1;および1.37:1。Si生産のための化学量論比は2:1である。従って、3.74:1の比率を有する材料は、炭素が豊富であり、2.64:1の比率を有する材料は、少し炭素が豊富であり、1.37:1の比率を有する材料は、炭素が乏しかった(シリカリッチ)。これらの材料は、充填物4グラムの上部を4SLPMで流れる超高純度窒素を用いて管状反応炉中、1,413℃で試験した。このように、設定された反応炉は、アップフロー型反応炉ではなかったが、その結論が適用される。
以下の結果が達成された。
Figure 0005661103
このデータの外挿法によって、5:1の比率でSiの生産を完了する時間は、250分と推定された。従って、5:1のC:SiOのモル比での時間に対する異なるC:SiOのモル比でのSi生産を完了させる時間は、次のとおりである。
Figure 0005661103
このように、Si反応を完了する時間に関して、化学量論比率に近い、固定された炭素:SiOの比率は、5:1の固定炭素:SiOの比率を装填材料が有するときの時間と比べて、あまり大きくない利益を提供する。データは、化学量論より少ない比率が最高であることを示唆するが、装填材料炭素が、乏しいときには、SiOからのSiの収率が損なわれることを理解することが重要である。
Si生産の完了までの時間に対する工業用グレード窒素の影響
上記の一定の条件の1つは、窒素が超高純度グレードの窒素であるということであった。 Si Optionsは、工業用グレードの窒素(300ppmの酸素)を用いて追加の試験を行い、それが超高純度窒素で行ったのと同じ結果を達成した。工業用グレードの窒素は、超高純度の窒素よりもかなり安価であるため、Si Optionsは、工業用グレードの窒素をその発明で使用することを推奨する。
Si生産の完了までの時間に対する動作パラメータの影響
Si Optionsの特許で保護されたアップフロー反応炉を用いると、その揮発分が除去された炭素−シリカ生成物からSiを生産するための時間に関して、しばしば有意な利点を提供する。この反応炉と揮発分が除去された供給材料を使用して、Siの炭素熱生産を完了するまでの時間が、文献で報告された典型的な時間よりも大幅に少なくすることができる。文献に報告されている典型的な時間は、10〜12時間であるのに対して、Si Optionsの特許で保護された反応炉と供給材料を使用して達成された時間は、1.7時間未満である。
上記の一定の条件が与えられると、Si Optionsの特許で保護された反応炉および特許で保護された供給材料、すなわち、温度(℃)および装填質量当たりの窒素流量(SLPM/g)を用いるとき、Siの生産を完了させるまでの時間に対して有意な影響を及ぼす2つだけの変数がある。1,368℃から1,480℃の範囲内の平均温度が調べられて、Siの生産のためにすべての温度が提供された。0.1SLPM/g〜0.8SLPM/gの範囲内での装填質量当たりの窒素流量を調査し、Siの生産のためにすべての窒素流量が提供された。しかし、より高い温度とより高い窒素流量は、最小のSiの生産時間を提供する。
Si Optionsの特許で保護された反応炉と供給材料としてのその特許で保護された、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を使用して、温度と装填質量当たりの窒素流量以外の変数を調査し、Siの生産を完了するまでの時間に対して、小さな影響を有することが判明した。小さい粒子サイズの装填材料は、生産時間のいくつかの小さな改善を提供している。シリカの比でまたはやや大きい化学量論比が高い比率以上のいくつかのマイナーな改善を提供している。化学量論比やいくらか大きい比率の固定炭素シリカの比率を含む供給材料は、より高い比率のものに比べて、いくつかの小さな改善を提供する。超高純度の窒素を用いることは、工業用グレードの窒素(300ppmの酸素)の使用に比べて利点を提供しない。
Siの生産を完了させる最短時間あるいは他の所望時間を達成するための、Si Optionsの特許で保護されたアップフロー反応炉と供給材料としてのその特許で保護された揮発分が除去された炭素:シリカ生成物を使用するとき、動作条件を調節する方法についての知識は、Si Optionsの特許で保護された知識である。
Siの収率に対する動作条件の影響
特に断りのない限り、以下の動作条件は、各々の試験について一定であった:
・装填材料は、上述のSi Optionsの特許で保護された標準供給材料であった。
・超高純度(UHP)窒素が、使用された。
・名目的反応炉圧は、11.6psiaであった。
本明細書において使用されている収率は、Siに変換される供給材料の割合またはSiOの分子のパーセントである。SiOと炭素からのSiの炭素熱生産のための化学量論式は以下のとおりである:
3SiO + 6C + 2N = Si + 6CO
供給材料が1モルのSiOを含んでいると、Siの100%収率は、0.33モルのSiをもたらすことになる。
Si Optionsは、まず、収率を測定するために湿式化学法を使用した。しかし、これらの収率がSi生成物のXRDデータと相関することが判明した。具体的には、Si生成物に対する31°XRDピーク(α−Si3N4に固有な)の領域が、非常によく、湿式化学分析から得られる収率と相関することが判明した。このように、収率は、試験生成物のXRDデータから一般に決定された。
収率に対する超高純度N2流量の影響:
図7は、異なる5組の条件下で、7つの実行に対する超高純度N2流量とSiの収率の関係を示す。すべて一緒にしたときのデータは、超高純度N2流量にはSiの収率への影響がないことを示す。これは、超高純度N流量の増加が、Si生産の収率に正の影響を与えることと対照的である。
収率に対する装填質量または平均装填密度の影響:
アップフロー反応炉の反応ゾーンは、407ccの容積を有する。従って、反応ゾーンの装填物の平均密度は、407ccで除した装填質量である。図8は、平均反応炉温度における平均装填密度のSiの収率に対するプロットを示す。上記の分析は、超高純度N流量が収率に影響を及ぼさないことを示すので、この入力変数は一定の状態に保たれなかった。1,431℃と1,463℃のデータを通しての最適線形関数は、平均装填密度とSiの収率の間には、正の関係があることを示すが、1,455℃のデータを通しての最適線形関数は、平均装填密度にはSiの収率への影響がないことを示唆する。すべて一緒になって、図表6−2の情報は、平均装填密度とSiの収率との間に正の関係があることを示す。この正の関係は、粒子と粒子の接触がSiの収率を向上させるかもしれないことを示唆する。増加した装填質量または平均装填密度の収率に対する正の効果は、増加した装填質量のSiの生産を完了する時間に対する負の効果とは対照をなす。
収率に対する装填質量当たりの窒素流量の影響:
収率は窒素の流量の影響を受けないため、装填質量当たりの窒素流量の比は、収率に関して何の意味も持たない。対照的に、この比率は、Siの生産速度を決定する上で重要な変数の1つである。
収率に対する温度の影響:
図9は、3組の異なる条件下での15の実行に対する、平均反応炉温度と収率の関係を示す。項目1の上記の分析は、超高純度N流量がSiの最大%収率に影響を及ぼさないことを示すので、超高純度N2流量は、3組の条件のいずれに対しても特定されていない。全3組のデータを通しての最適線形関数は、平均反応炉温度とSiの収率の間に正の関係があることを示す。1,368℃の平均反応炉温度で、収率は約80%であるが、約1,475℃の平均反応炉温度では、収率は約95%である。概挿法では、約1,500℃の平均反応炉温度で、収率が100%程度になることを示唆している。
収率に対する粒子サイズの影響:
上記の一定の条件の1つは、粒子サイズ、すなわち、400μmのモードの粒子サイズであった。1つの試験は、他のすべての試験で使用された400μmのモードの粒子サイズと並列して、130μmのモードの粒子サイズを有する装填材料を用いて実施された。すべての入力変数の値は、粒子サイズを除いて、130μmの平均粒子径と装填材料で行われた1つの実行と正確に同じである2つの実行しかなかった。図10は、これら3回の実行のためのSiの最大%収率を比較する。この限られた量のデータは、小さな粒子は、大きな粒子に比べ、より高い最大%の収率を提供することを示唆している。95%収率と91%収率の差は、収益性に大きな影響を与える可能性がある。このように、収率に関して、小さな粒子を使用することに大きな利点があるといってもいい。
収率に対する固定炭素:SiOのモル比の影響:
上記の一定の条件の1つは、装填材料が基本的に5:1の固定炭素:SiOのモル比を有することであった。収率に対する固定炭素:SiOのモル比の影響を試験するために、Si Optionsは、以下の固定炭素:SiOのモル比を有する、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を調製した:3.74:1;2.64:1;および1.37:1。Si生産のための化学量論比は2:1である。従って、3.74:1の比率を有する材料は、炭素が豊富であり、2.64:1の比率を有する材料は、炭素が少し豊富であり、1.37:1の比率を有する材料は、炭素が乏しかった(シリカリッチ)。これらの材料は、4グラム充填物の頂部を横切って4SLPMで流れる超高純度窒素を用いて管状反応炉中、1,413℃で試験された。このように、設定された反応炉は、アップフロー型反応炉ではなかった。しかし、その結論は当てはまる。
以下の結果が達成された。
Figure 0005661103
このデータの外挿法によって、5:1の比率での収率は、100%と推定された。従って、5:1のC:SiOのモル比での収率に対する異なるC:SiOのモル比での収率は、次のとおりである。
Figure 0005661103
このように、収率の観点から、固定炭素:SiOのモル比が高くなればなるほどよくなる。5:1の比率は、3.74:1の比率の収率を約10%改善し、そして、2:1の化学量論比率のときよりも28%改善する。比率が化学量論比より下がると、SiOのSiへの完全な変換を実施するには炭素が十分でないことにより、収率は損なわれる。
Si生産の完了までの時間に対する工業用グレードの窒素の影響
上記の一定の条件の1つは、超高純度窒素の使用であった。超高純度窒素を用いた結果を工業用グレードの窒素(300ppmの酸素)を用いた結果と比較すると、収率には何の差もないことが示される。Si Optionsは、工業用グレードの窒素の使用を推奨する。
収率に対する動作パラメータの影響の概要:
・制限された加熱ゾーンを備えたSi Optionsの独自のアップフロー反応炉、5:1の固定炭素:SiOのモル比と400umモードの粒子サイズを有するその独自の揮発分が除去された炭素−シリカ供給材料および超高純度窒素を用いると、Siの収率は、わずか2つの変数、すなわち、平均装填密度と温度の関数となる。温度と平均装填密度の両方が、収率にプラスの効果を有している。
・1,368℃と1,475℃の平均反応炉温度では、平均反応炉温度とSiの収率の間に正の関係がある。これらの2つの温度間の収率の増加は、約7%である。例えば、0.049g/ccの装填質量の場合、1,428℃の平均温度では84%であるのに対して、一方、同じ装填質量密度の場合、1,463℃における収率は、90%である。
・0.049g/ccと0.147g/ccとの平均装填密度間で、平均装填密度とαSiの%収率との間に正の関係がある。これらの2つの密度間の収率の増加は、約17%である。例えば、1,428℃の温度と0.049g/ccの平均装填密度では、収率は84%であるが、同じ温度、0.147g/ccの平均装填密度での収率は98%である。
・示された最低温度および最低質量密度では、収率は約84%であるが、示された最高温度および最高質量密度では、基本的に100%である。
・超高純度N2流量は、Siの収率に影響を及ぼさない。
・超高純度窒素流量は、収率に影響を及ぼさないので、装填質量当たりの超高純度窒素流量(SLPM/g)の比率は、収率を予測することに関して何の意味も持たない。
・Si Optionsは、平均質量密度と温度からSiの収率を予測する方程式を開発した。これらの方程式は、超高純度窒素圧が約1気圧であるとき、400μmのモード粒子サイズと5:1の固定された炭素:SiOのモル比を有している、揮発分が除去された炭素−SiO生成物の使用にその特許で保護されたアップフロー反応炉を用いて適用する。これらの方程式は、Si Optionsの特許で保護されている。
・一定の条件の1つは、装填材料が400μmのモードサイズを有する粒子からなることであった。Si Optionsは、130μmのモード粒子サイズを有する装填材料の使用が、有意に優れた収率をもたらすことを発見した。従って、装填材料が400μm未満のモードサイズを有する粒子からなる場合には、項目viiに記載した方程式からの予測収率は、上方修正しなければならない。
・一定の条件の1つは、装填材料が5:1の固定炭素:SiOの比率を有することであった。Si Optionsは、2:1の化学量論比から5:1へ固定炭素:SiOの比率が増加するにつれて、収率が有意に増加することを発見した。従って、Si Optionsは、5:1の固定炭素:SiOのモル比を有する装填材料を使用することを推奨した。この比率を使用すると、項目viiに記載した方程式は、調整する必要がない。低い比率を使用する場合は、その時には、方程式により予測された収率は、下方修正する必要がある。
・一定の条件の1つは、超高純度窒素が使われたということであった。Si Optionsは、工業用グレードの窒素は、超高純度の窒素と同様に動作することを発見した。Si Optionsは、安価な工業用グレードの窒素を使用すべきであると推奨する。工業用グレードの窒素が使用される場合は、項目9に記載の方程式は、調整する必要がない。
結果:Siの品質に対する動作条件の影響
炭素豊富な供給材料の使用を仮定し、少なくとも少量のSiOが未反応のまま残ると仮定すると、人は炭素熱Si中間生成物中に炭素とシリカの一定量を期待できる。Si Optionsは、残留炭素および残留シリカを除去するための技術を開発し、これらの技術は、この特許出願の一部を形成する他の文書で説明されている。
残留炭素とシリカに加えて、中間生成物は、シリカ以外の鉱物の特定の濃度とおそらく炭化ケイ素の若干の量を含む。製品の潜在的ユーザーは、低いレベルから非常に低いレベルの鉱物や低いレベルからゼロレベルの炭化ケイ素を好む。さらにまた、Siの2つの結晶形は、通常Si生成物、すなわち、α−Siとβ−Siで見られる。Siのバルクは、通常、少量のβ−Siを含むα−Siである。セラミックアプリケーションのためのSiのユーザーは、5%未満近辺のβ−Siの少量で主にα−Siを含む製品を好む。最後に、Siは、粒子や繊維の形態で存在することができる。セラミックアプリケーションのためには、どちらの形態も望まれる場合がある。これらのいろいろな品質問題に関する動作条件の影響は、Si Optionsによって検討された。
炭素熱Si中間生成物の鉱物に対する装填質量当たり超高純度N2流量(SLPM/g)と温度(℃)の影響:
Si Optionsによって試験された標準的な8種類の鉱物は、次のとおりである:ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、リン(P)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)および鉄(Fe)。試験で使用された装填材料の鉱物組成は、上に記載される。
炭素熱Si中間生成物の標準的な8種類の鉱物の合計濃度に対する装填質量当たりの超高純度N流量(SLPM/g)と温度(℃)の影響:
図11は、装填質量当たりの超高純度N2流量と反応炉温度の関数としてSi中間生成物の8種類の標準的な鉱物の合計濃度を示す。図表は、また、1,435℃と1,475℃の温度に対する最適関数を示す。1,435℃に関連した方程式は、以下の通りである:
y=235.7x−0.13
(式中、yは、生成物中の8種類の標準的鉱物の合計濃度(ppm)であり、xは、装填質量当たりの超高純度N2流量(SLPM/g)である)。1,475℃に関連した方程式は、以下の通りである:
y=210.7x−0.08
(式中、yは、生成物中の8種類の標準的鉱物の合計濃度(ppm)であり、xは、装填質量当たりの超高純度N2流量(SLPM/g)である)。
両方の温度では、生成物中の8種類の標準的鉱物の合計濃度は、装填質量当たりの超高純度N2流量が増加するにつれて減少する。また、1,435℃から1,475℃に反応炉温度が増加することは、生成物中の8種類の標準的鉱物の合計濃度が減少する原因となる。従って、装填質量当たりの超高純度N2流量の増加および温度の増加は、生成物中の8種類の標準的鉱物の合計濃度に対して正の影響を及ぼす。すなわち、これらの入力変数の値の増加は、生成物中の8種類の標準的鉱物の濃度の減少をもたらす。
上記の各式は、それぞれの温度ついて、生成物中の8種類の標準的鉱物の合計濃度対装填質量当たりの超高純度N2流量の表を構築するために使用された。各表内の値は、装填物の標準的な8種類の鉱物の濃度と比べた炭素熱生成物中の8種類の標準的鉱物に対する1,435℃と1,475℃の温度での装填質量当たりの窒素流量の効果の測定値を得るために、装填物の標準的な8種類の鉱物の濃度によって割られた。図12は、1,435℃および1,475℃でのこれらの測定値を装填質量当たりの超高純度N流量の関数として示す。1,435℃のデータに対する最適関数は次のとおりである:
(1)y=1.235x−0.13
(式中、yは、装填物の標準的な8種類の鉱物の濃度で割った生成物中の標準的な8種類の鉱物の合計濃度であり、xは、装填質量当たりの超高純度窒素流量である)。1,475℃のデータに対する最適関数は次のとおりである:
(2)y=1.104x−0.08
(式中、yは、装填物の標準的な8種類の鉱物の濃度で割った生成物中の標準的な8種類の鉱物の濃度であり、xは、装填質量当たりの超高純度窒素流量である)。
どちらかの温度と1.0SLPM/gより小さい装填質量当たりの全窒素流量で、生成物中の標準的な8種類の鉱物の合計濃度は、常に装填物の標準的な8種類の鉱物の合計濃度よりも高いことに留意されたい。しかしながら、上述のように、装填質量当たりの超高純度N流量の増加は、炭素熱生成物の標準的な8種類の鉱物の合計濃度を減少させる。そして、上記のように、反応炉の温度上昇は、炭素熱生成物の標準的な8種類の鉱物の合計濃度を減少させる。
方程式(1)および(2)は、以下の条件に厳密に適用される:
・7インチの制限された反応ゾーンを備えたアップフロー反応炉
・5:1のC:SiOのモル比を有する炭素熱還元反応への供給
・400μmのモードの粒子サイズを有する装填物
・Siの生産を完了させるのに必要な時間と等しい時間
・11.9psiaの背圧
アップフロー反応炉を使用する場合、Si Optionsは、反応炉の温度が1,400℃と1,455℃の間にある場合、装填物の標準的な8種類の鉱物の濃度から、生成物中の標準的な8種類の鉱物の合計濃度を計算するために方程式(1)を使用することを推奨する。そして、アップフロー反応炉システムを使用する場合、Si Optionsは、反応炉の温度が1,455℃と1,475℃の間にある場合、装填物の標準的な8種類の鉱物の濃度から、生成物中の標準的な8種類の鉱物の合計濃度を計算するために方程式(2)を使用することを推奨する。
炭素熱Si生成物のリン濃度に対する装填質量当たりの超高純度N2流量(SLPM/g)と温度(℃)の影響
標準的な合計8種類の鉱物に対して上述した同じアプローチを使用して、装填物のリンの濃度と比較した炭素熱生成物中のリン濃度について、1,400℃から>1,475℃の温度範囲に渡って装填質量当たりの窒素流量の影響度の尺度が開発された。図13は、これらの尺度を示している。データに対する最適関数は、次のとおりである:
(3)y=0.258x−0.61
(式中、yは、装填物のリン濃度で割った生成物中のリン濃度であり、xは、装填質量当たりの超高純度窒素流量である)。
最低の超高純度窒素流量以外の全ての超高純度窒素流量について、生成物中のリン濃度は、装填物のそれよりも有意に低い。1.0の装填質量当たりの超高純度N2流量で、生成物中のリン濃度は、装填物のそれの約25%である。従って、リンについては、炭素熱の工程を重要な精製工程とすることができる。Siの生成物は、太陽電池の品質のシリコンを生産するために使用される場合、これは重要な結果である。Si Optionsは、反応炉の温度が1,400℃から1,475℃の間にある場合、装填物の標準的な8種類の鉱物濃度から、生成物中の標準的な8種類の鉱物の合計濃度を計算するために方程式(3)を使用することを推奨する。
方程式(3)は、以下の条件に厳密に適用される。
・7インチの制限された反応ゾーンを備えたアップフロー反応炉
・5:1のC:SiOのモル比を有する炭素熱還元反応への供給
・400μmのモードの粒子サイズを有する装填物
・Siの生産を完了させるのに必要な時間と等しい時間
・11.9psiaの背圧
炭素熱Si中間生成物の鉄濃度に対する装填質量当たりの超高純度N2流量(SLPM/g)と温度(℃)の影響:
標準的な合計8種類の鉱物とリンに対して上述した同じアプローチを使用して、装填物の鉄の濃度と比較した炭素熱生成物中の鉄の濃度について、1,475℃の温度範囲において装填質量当たりの窒素流量の影響度の尺度が開発された。図14は、これらの尺度を装填質量当たりの超高純度窒素流量の関数として示している。データに対する最適関数は、次のとおりである:
(4)y=1.187x−0.18
(式中、yは、装填物の鉄の濃度で割った生成物中の鉄の濃度であり、xは、装填質量当たりの超高純度窒素流量である)。装填質量当たりの超高純度窒素流量について、生成物中の鉄の濃度は、装填物のそれよりも高いことに留意されたい。1.0の装填質量当たりの超高純度N流量で、生成物中の鉄の濃度は、装填物のそれの約120%である。Si Optionsは、反応炉の温度が1,400℃から1,475℃の間にある場合、装填物の標準的な8種類の鉱物の濃度から、生成物中の標準的な8種類の鉱物の合計濃度を計算するために方程式(4)を使用することを推奨する。
方程式(4)は、以下の条件に厳密に適用される。
・7インチの制限された反応ゾーンを備えたアップフロー反応炉
・5:1のC:SiOのモル比を有する炭素熱還元反応への供給
・400μmのモードの粒子サイズを有する装填物
・1,475℃の温度
・Siの生産を完了させるのに必要な時間と等しい時間
・11.9psiaの背圧
炭素熱Si生成物のカルシウム濃度に対する装填質量当たりの超高純度N2流量(SLPM/g)と温度(℃)の影響
標準的な合計8種類の鉱物に対して上述した同じアプローチ、リンおよび鉄を使用して、装填物のカルシウムの濃度と比較した炭素熱生成物中のカルシウムの濃度について、1,435℃から1,475℃の温度範囲において装填質量当たりの窒素流量の影響度の尺度が開発された。図表5−2は、1,435℃から1,475℃でのこれらの尺度を装填質量当たりの超高純度窒素流量の関数として示している。1,435℃のデータに対する最適関数は、次のとおりである:
(5)y=2.132x0.079
(式中、yは、装填物のカルシウムの濃度で割った生成物中のカルシウムの濃度であり、xは、装填質量当たりの超高純度窒素流量である)。
1,475℃のデータに対する最適関数は、次のとおりである:
(6)y=1.596x0.051
(式中、yは、装填物のカルシウムの濃度で割った生成物中のカルシウムの濃度であり、xは、装填質量当たりの超高純度窒素流量である)。
装填質量当たりの超高純度窒素流量について、生成物中のカルシウムの濃度は、装填物のそれよりも高いことに留意されたい。1.0の装填質量当たりの超高純度N2流量と1,475℃の温度において、生成物中のカルシウムの濃度は、装填物のそれの約160%である。Si Optionsは、反応炉の温度が1,400℃から1,475℃の間にある場合、装填物の標準的な8種類の鉱物の濃度から、生成物中の標準的な8種類の鉱物の合計濃度を計算するために方程式(5)と(6)を使用することを推奨する。
方程式(5)と方程式(6)は、以下の条件に厳密に適用される。
・7インチの制限された反応ゾーンを備えたアップフロー反応炉
・5:1のC:SiOのモル比を有する炭素熱還元反応への供給
・400umのモードの粒子サイズを有する装填物
・1,435℃と1,475℃の温度
・Siの生産を完了させるのに必要な時間と等しい時間
・11.9psiaの背圧
炭素熱Si生成物の鉱物濃度を評価する全体的なアプローチ
上記の開発された方程式は、以下の表に要約される。方程式は、それらが適用される鉱物と温度範囲の種類に従って編成される。xは、装填質量当たりの超高純度窒素の流量であり、yは、装填物の鉱物の濃度に対する生成物の鉱物の濃度である。従って、生成物の鉱物の濃度は、yの値によって装填物の濃度を乗じて求めることができる。
Figure 0005661103
標準的な8種類の鉱物(Na,Mg,Al,P,K,Ca,Mn,Fe)についての方程式の1つを用いて、炭素熱生成物の標準的な8種類の鉱物の合計濃度を求めることができる。次に、適切な方程式を使用して、炭素熱生成物中のリン、鉄およびカルシウムの濃度が計算される。(これらの鉱物は、炭素熱生成物の主要な鉱物である。)次に、生成物中のリン、鉄およびカルシウムの濃度が一緒に加えられ、この合計は、5種類のより少ない鉱物、すなわち、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、およびマンガンの生成物中の合計濃度を与えるために、生成物中の標準的な8種類の鉱物の合計濃度から減算される。生成物中のより少ない鉱物の合計濃度を5で割ることにより推定される。
温度と装填質量当たりの窒素流量についての主要な動作パラメータの影響を炭素熱生成物の鉱物濃度に対して示すだけでなく、この研究の最も重要な成果は、炭素熱のステップは、ほとんどすべての条件下で、装填材に比べてリンの有意に低い濃度を有する生成物を生産することである。前に説明したように、太陽電池の製造で使用するために予定されるSiが、非常に低いレベルのリンを含むことは重要である。Si Optionsによって開発された炭素熱工程は、その目標を達成するために重要な貢献をしている。
α−Siに対するβ−Siの比率
広範囲の組み合わせの条件下で、α−Siに対するβ−Siの比率は、約0.02:1であった。従って、Si Optionsの中間Si生成物におけるβ−Siの量は、常に小さくなる。生成物中のβ−Siの量を増加させることが望まれるときは、Si Optionsは、α−Siの一部をβ−Siに変換する加熱処理を確認している。
炭化ケイ素
X線回折分析によれば、アップフロー反応炉内で生産された生成物のいずれにもSiCの兆候は存在しなかった。
粒子および/または繊維
アップフロー反応炉で生成されたSi生成物の顕微鏡検査は、生成物の大部分は繊維状であることを示した。中間Siの生成物から残留シリカを除去するための水酸化ナトリウムのプロセスの開発中に、生成物の約95%が繊維状であり、約5%は、小さな粒子の形態であることが立証された。セラミックスの製造については、生成物の繊維の性質は、メリットがあるかもしれない。繊維がSiセラミックスに強度を付加すると想定される。一方、小さな粒子が望まれる場合、繊維は小さいサイズに粉砕される。Si Optionsの独自のSiの中間生成物からの太陽電池グレードのシリコンの生産に関して、繊維状であるか粒子であるかを問わず、形態は重要ではない。
制限付き床を備えたSi Optionsの特許で保護されたアップフロー反応炉を用いての、Si Optionsの特許で保護された、揮発分の除去された生成物およびSiの最適生産を実現するための他の動作条件を選択するための戦略
上記の分析において、注意することは、炭素熱反応速度、炭素熱反応の収率、および生成物の品質に対する様々な入力の影響である。炭素熱ステップの収率に関して、それに対する最も重要なパラメータは、塩基性の中間生成物が塩基性に近い最終生成物に変換されこのステップにある。この段階で収率が悪い場合は、これは、利益に対して拡大効果をもたらす収益に直接的な影響を及ぼすことになる。このように、供給材料特性と動作入力の値を設定するための戦略を策定するとき、どんな供給材料特性と他の動作の値が最善の収率をもたらすかに最初に焦点を当てるべきである。その後、これらの特性および他の動作パラメータは、合理的な生産時間と生成物の品質を達成するために調整することができる。夾雑物を除去し、近端生成物の品質を調整するために下流の方法がある場合、生成物の品質に対する注意は重要でない場合がある。
従って、温度、装填密度、粒子サイズ、および供給材料の固定炭素:SiOのモル比すべてが重要であることが確立された。より高い温度はより良い収率を支持するので、炭化ケイ素の望ましくない量を生産しないことと整合性のとれた最高温度を使用する必要がある。 Si Optionsのシステムについて、温度は少なくとも1,475℃であるべきである。高い装填密度も収率を支持する。平均密度は、0.147g/ccよりも大きい平均密度を使用する必要がある。130um未満の平均粒子径が推奨される。固定炭素:SiOの高いモル比は、収率に好都合である。5:1の固定炭素:SiOのモル比が推奨される。工業用グレードの窒素は、超高純度窒素と同様に有効である。工業用グレードの窒素は安いので、それを使用すべきである。
反応の速度については、高温は、速い速度に好都合であり、高温はまた収率に好都合であるので、少なくとも1,745℃の温度を使用すべきである。高装填密度は、装填質量当たりの窒素流量が0.5SLPM/gより上である限り、理想的には0.8SLPM/gである限り評価すべき問題ではない。従って、収率目的のために選択された装填密度は、保持され、窒0.5SLPM/gり、理想的には0.8SLPM/gの装填質量当たりの窒素流量をもたらす窒素流量とのバランスをとられなければならない。収率と同様に、小さい粒子サイズは、速度に好都合であるので、収率目的のために選択される粒子サイズは、保持されなければならない。最高反応速度は、2:1の化学量論比で、またはそれよりわずかに上の固定炭素:SiOのモル比を有する供給材料によって達成される。しかし、前述のように、最高の収率は、固定炭素:SiOのより高いモル比、好ましくは5:1で達成される。固定炭素:SiOのモル比を5:1に増加させることは、反応速度の比較的小さなマイナス効果を有するが、これに対して、固定炭素:SiOのモル比の増加は、収率に関して有意な正の効果を有し、それは経済にずっと大きな影響を及ぼすので、収率のために選択された5:1の比率は維持されるべきである。
生成物の品質に関して、動作パラメータの調整は、生成物の鉱物の含量に影響を及ぼすだけのようである。この点については、高温と装填質量当たり高い窒素流量を使用する必要がある。このように、収率と速度上の理由から選択された高温、および速度上の理由から選択された装填質量当たりの高窒素流量を保持する必要がある。
概要
要約すると、最大のパフォーマンスは、以下の条件で、窒素の1気圧で動作する制限された反応層を備え、特許で保護されたアップフロー反応炉で実現される。
1.特許で保護された揮発分の除去された供給材料130μmモードの粒子サイズと5:1の固定炭素−シリカ比を有する必要がある。
2.工業用グレードの窒素(300ppmの酸素)を使用する必要がある。
3.少なくとも0.147g/ccの平均装填密度を使用する必要がある。
4.少なくとも0.5SLPM/g、好ましくは0.8SLPM/gの装填質量当たりの窒素流量を与える窒素流量を使用する必要がある。
5.1気圧の範囲での反応炉圧力が推奨される。
これらの推奨条件を使用して、Siの収率は>90%であり、Siの生産を完了するまでの時間は、1.7時間未満になる。生成物中のリン濃度は、供給材料よりもはるかに少なくなる。Siは、主にα−Siの形態であり、大部分は繊維状の形態になる。SiCの存在は、期待されない。生成物は、Si Optionsによって開発され、全体の特許出願に関連する別の文書に記載されているプロセスによって除去できる残留炭素を大量に含む。生成物は、Si Optionsによって開発され、全体の特許出願に関連する別の文書に記載されているプロセスによって除去できる残留シリカを少量含む。
最後の段落に記載されている最適条件の他に、Si Optionsは、アップフロー反応炉を用いた以下の範囲の条件(この条件は、また、Siの生産を提供する)を探求した。
1.装填物は、400と130μmモードの粒子サイズを有する粒子を有する。
2.装填材料は、1.37:1から5:1の範囲の固定炭素:SiOのモル比を有する。
3.0.049g/ccから0.137g/ccの範囲の平均装填密度。
4.0.1〜SLPM/gから0.8SLPM/gの範囲の装填質量当たりの窒素流量。
5.1,368℃から1,475℃の平均反応炉温度、および1,500℃と同じくらい高い最終的な反応炉温度。
6.1気圧から2気圧の反応炉圧力。
7.数分から12時間を超える反応時間。
Si Optionsのアップフロー制限加熱ゾーンのスケールアップ
制限された加熱ゾーンを備えたアップフロー反応炉は、単に反応管の直径または制限された加熱ゾーンの高さを増やすことによってスケールアップすることができる。最適なパフォーマンスのための上記の推奨動作パラメータのどれもが、反応管の直径または反応炉の加熱ゾーンの高さによって影響されていない点に留意することは重要である。このように、パラメータの推奨値は、任意のサイズの反応炉に適用され、使用される場合、反応炉の大きさに関係なく、同じ収率、反応速度、および製品品質を提供する必要がある。
揮発分が除去された炭素−シリカ生成物からの潜在的な揮発性物質の取り扱い
揮発分が除去された炭素−シリカを生産するのに用いられる温度と時間に従い、生成物中に残留揮発性物質の一定量がある場合とない場合がある。そのような揮発性物質は、アップフロー反応炉ですぐに放出され、窒素オフガス流で除去される。従って、供給材料中の少量の残留揮発性物質は、Siの生産に影響を及ぼさない。窒素オフガス流に除去された揮発性物質は、凝縮され、エネルギー目的のために使用される。
制限された加熱ゾーンを備えたアップフロー反応炉を用いる、Si Optionsの独自の、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を独自の窒化ケイ素中間生成物に変換するためのプロセス設計
Si Optionsは、籾殻を独自の炭素−シリカ生成物、独自の揮発分を除去した炭素−シリカ生成物、他の独自の中間生成物、および独自のシリコン含有最終生成物に変換するために、そのプロセスの完全な予備エンジニアリング設計を実施した。この取り組みへの入力は、そのエンジニアリング・コンサルタントのエンジニアリング専門知識からだけでなくSi Optionsの研究開発活動に由来した。この取り組みの一環として、設計は、その独自の、揮発分が除去されたカ−ボン−シリカ生成物をその独自の窒化ケイ素中間生成物に変換することに関わる単位操作のために開発された。設計の説明は以下の通りである。
炭素熱還元処理は、間接的加熱フロー反応炉で行われる。密閉された絶縁加熱スクリューコンベアは、熱い、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を直接に炭素熱処理反応炉の供給ビンに移す。揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の貯蔵ビンは、例えば、長期保管のために材料を転用する必要になったときに利用できる。アップフロー反応炉内で、予熱された窒素ガスは、次の正味の化学方程式に従って揮発分が除去された炭素−シリカ材料中のシリカおよび炭素と反応する。
3SiO(固体)+6C(固体)+2N(気体)=Si(固体)+6CO(気体)
炭素リッチな窒化ケイ素中間生成物は、すぐに残留炭素を除去するために設計された流動床反応炉に転送、供給される。
主に窒素、一酸化炭素、SiOおよびおそらく揮発性有機物からなる炭素熱反応炉のオフガスは、微粒子除去用のサイクロンと集塵装置を通過する。これらの装置によって捕獲された粉塵は、炭素熱炉の供給ビンに戻る。きれいにされたガスは、揮発性有機物が存在する場合はそれを除去するために冷却してもよい。それから、ガスは、二次燃焼室に入り、そこで空気で燃焼させる。この酸化は、COをCOに変換する。二次燃焼室を出た後、ガスは炭素熱炉に入った窒素ガス流に熱エネルギーを転送するために熱交換器を通過する。冷却ガスは、炭素熱還元中に生じるヒュームド一酸化ケイ素(SiO)ガスから二次燃焼室で生成されたシリカを回収するために集塵装置を通過させる。
SiO(気体) + 1/2 O(気体)= SiO(固体)
シリカの微粉は、集塵装置で捕獲される。回収された微粉は、別々の製品として販売される。
アップフロー炭素熱制限床式反応炉への供給材料としてのSi Optionsの炭素−シリカ生成物の使用
アップフロー型反応炉でのすべての試験は、供給材料としてSi Optionsの揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を用いて行った。しかし、Si Optionsの炭素−シリカ生成物は、同様に効果的に使用することができる。この生成物は、反応炉での早い時間の間に揮発分が除去された炭素−シリカ生成物に変換される。放出された揮発性物質を窒素オフガスで除去し、続いて凝縮し、エネルギー目的のために使用される。
アップフロー反応炉への改変:充填層を通る上向流
上記の試験では、窒素流が開始される前に、装填材料は、炉の加熱ゾーンの底部に向かって分配プレートの上に横たわる充填層の状態にあり、その流動層の上には空間があった。これは装填物の最も密な状態である。窒素流が開始されると、装填物の平均密度は、粒子が初期充填層の上の空間に持ち挙げられるので、小さくなった。平均的な装填密度とSiの収率の間に負の相関関係があるので、平均装填密度の生じる増加は、Siの生産上好ましくない影響を与えるであろう。窒素流量が低くなった場合、充填層での装填物質を維持することが可能になる。しかしながら、低窒素流量は、反応速度に有意な負の効果をもたらす装填質量当たりの低窒素流量となる。窒素流量を損なうことなく、充填層の状態での装填物質を保持する別の方法は、装填物の上に空間がなかったようにトップ・グラファイト・カップを下げることである。これは、実際には、窒素流量に関係なく、充填層の状態で装填物を維持し、向上した収率を提供するであろう。窒素流量は、反応の所望の速度を与えるために、少なくとも0.5SLPM/g、好ましくは0.8SLPM/gの装填質量当たりの窒素流量を提供する値に設定される。従って、この改変によって、収率が向上し、反応速度と製品の品質が損なわれない。このような反応炉は、バッチまたは連続モードで動作させることができる。この改変は、Si Options所有の特許である。
アップフロー反応炉への改変:流動層
初期のアップフロー反応炉は、流動床反応炉として動作するように設計され、装填物の上昇流を制限するために、上部黒鉛カップが含まれていなかった。コールドフロー試験からのデータは、予想窒素流量で、流動装填材料は炉の加熱ゾーンに相当する反応炉の管のゾーン内に留まることを示した。その後の試験では、これが事実であることが示されたが、これらの試験はまた、反応炉の加熱ゾーンの頂部温度は、反応炉の加熱ゾーンの真ん中より大幅に低いことが示された。このように、反応炉の加熱ゾーンは、その内の温度が均一になるように短縮された。反応ゾーンは、反応管に上部黒鉛カップを挿入することによって短縮された。アップフロー反応炉の説明を参照されたい。反応炉の加熱ゾーンの短縮の結果は、ほとんどの窒素流量で、装填物が完全に流動化されていない、ということであった。それは、上部カップを除去し、反応炉加熱ゾーンの流動装填物が一様な温度のときに、そのような長い加熱ゾーンで炉を使用して、現在のアップフロー反応炉を修正することが提案されている。この修正は、Si Options所有の特許である。
下向流反応炉:充填層を通しての下向流
もう1つのアプローチは、所望の反応速度を提供する速度で充填層を通って窒素を流しながら、充填層の状態で装填物を維持するためには、装填材料の充填層を介して下方に窒素を流すことである。このような反応炉の場合、層の頂部に制限を置く必要はない。窒素流量には関係なく、層は充填層の状態のままになる。窒素流量は、所望の反応速度を達成するために必要な装填密度当たりの窒素流量を提供する値に設定される。従って、そのような下向流反応炉は、最適な収率、反応速度および製品品質を提供するであろう。このような反応炉は、バッチまたは連続モードで動作させることができる。Si Optionsの独自な、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物またはその独自な炭素−シリカ生成物を独自の炭素熱Siの中間体に変換することに適用されるこの反応炉タイプは、Si Options特許で保護される。
炭素熱Siからの残留炭素の除去
我々は、窒化ケイ素の最高収率は、炭素リッチな供給材料(浸出生成物または揮発分が除去された浸出生成物のいずれか)、すなわち、2:1より大きい固定炭素:シリカのモル比を含む供給材料から得られることが分かった。しかしながら、窒化ケイ素生成物は、残留炭素といくらかの残留シリカの両方を含んでいる。これらの材料の両方を低減する必要がある。この点に関し、我々は、窒化ケイ素を酸化することなく、炭素熱ステップのン窒化ケイ素生成物から残留炭素を除去する酸化工程を開発した。空気が酸化剤として使用され、最適温度は約1,000℃である。約1,200℃以上の温度の場合、窒化ケイ素の一部がシリカに酸化される。窒化ケイ素の酸化は、生成物の収率を低下させ、それは収益に悪影響と、そのため、収益性に直接悪影響を与える。
Si Optionsの独自な窒化ケイ素中間生成物からの残留炭素の除去のためのプロセス設計
Si Optionsは、籾殻を独自の炭素−シリカ生成物、独自の揮発分を除去した炭素−シリカ生成物、他の独自の中間生成物、および独自のシリコン含有最終製品に変換するために、そのプロセスの完全な予備エンジニアリング設計を実施した。この取り組みへの入力は、そのエンジニアリング・コンサルタントのエンジニアリング専門知識からだけでなくSi Optionsの研究開発活動に由来した。この取り組みの一環として、設計は、Si Optionsの独自の炭素熱Si中間生成物からの残留炭素の除去に関わる単位操作のために開発された。この設計によれば、Si Optionsの炭素熱Si中間生成物は、直ちに炭素熱反応炉から密封加熱スクリューコンベアを介して流動床反応炉に移送される。この方法により、炭素熱窒化ケイ素中間生成物の熱は、それが流動床反応炉に入る前に、材料を熱することを不必要にして節約される。流動床反応炉は、空気から構成されることができるまたは一酸化炭素と二酸化炭素で構成されることができる流動化ガスとの反応により、残留炭素を除去するために動作する;CO/COの比は、適切な酸素ポテンシャルを維持するように正確に制御される。CO/COが使われるならば、炭素の除去は、Boudouard反応によって実施される。
C + CO(気体)= 2 CO(気体)
冷却(スクリュー)コンベアは、残留シリカが除去される領域内の供給ビンに独自の酸化された窒化ケイ素中間生成物を移す。炭素酸化炉のオフガスは、微粒子除去装置を通過してから直火(天然ガスと空気)二次燃焼室に送られる。あるいはまた、Si Optionsの特許で保護された窒化ケイ素中間生成物の使用を包含し、独自の特許で保護された生成物を生産するこの設計は、Si Optionsの所有の特許である。
使用の順番
独自の炭素熱窒化ケイ素中間生成物から残留炭素を除去するためのSi Optionsによって開発された方法は、残留シリカが炭素熱窒化ケイ素中間生成物から除去された後に適用することができることに注意すべきである。すなわち、炭素除去方法の適用後に、残留シリカの除去が続く。
水酸化ナトリウム処理した炭化ケイ素および窒化ケイ素生成物
さらに、我々は、β−炭化ケイ素および窒化ケイ素の両方からの残留シリカを溶解するために水酸化ナトリウムの使用を含む独自のプロセスを開発した。我々はまた、水酸化ナトリウムの処理は、窒化ケイ素生成物からどんな残留リンをも除去することを発見した。窒化ケイ素は、太陽電池グレードのシリコンを生成するために使用する場合、これは特に重要である。我々は、水酸化ナトリウム溶液が約4%の濃度を有し、処理が約92℃で行われるときに、良好な結果が達成されることを発見した。
商業的Siに対する水酸化ナトリウム溶液の影響
商業的Siの2グラムを3.5%水酸化ナトリウムの100mlと混合し、80℃の水浴中で1時間攪拌しながら反応した。1時間後、混合物を水浴から除き、室温まで冷却した。次いで、混合物をセルロースエステル0.45μmのフィルターでろ過した。ケーキは、0.35%水酸化ナトリウム15mlを用いて所定の場所で3回洗浄した。それから、洗浄したケーキを乾燥し、秤量した。Siのろ液の分析はSiが可溶化されていないことを示した。また、乾燥ケーキの重量は、本質的に窒化ケイ素の最初の重量と同じであった。水酸化ナトリウム溶液は、市販のSiを溶解しないと、Si Optionsによって結論づけられる。
0.35%の水酸化ナトリウムで3回目の洗浄後、ケーキを蒸留水15mlで洗浄したことを除き、上記の試験を繰り返した。水で洗浄する際に、Siのケーキは予想外にフィルターを通過した。高いpHおよび/または高イオン強度での商業的窒化ケイ素の小さな粒子は、フィルターを通過できない大きな粒子に凝集されると結論された。しかし、pHまたはイオン強度が、水洗により低下すると、より大きな粒子はフィルターを通過する非常に小さな粒子に脱凝集する。これは、小さな粒子が装填物を運ぶこと、そして粒子はpHやイオン強度に応じて、凝集および脱凝集することができることを示唆している。凝集/脱凝集の現象は、可逆的であることが推定された。この挙動は、Si Options、LLCの独自の発見である。
その後の試験は、上記の結論を立証した。蒸留水中の商業的Siは、0.45umのセルロースエステルのフィルターを容易に通過することが示された。しかし、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムのいずれかをろ過する前にSi溶液に添加する場合、Siの小さな粒子が凝集してSiの大きなコロイド粒子となるために、溶液が濁ってくる。大きなコロイド粒子は、0.45umフィルターを通過しない。それから、コロイド溶液が、塩を除去するために透析される場合は、溶液は透明になるが、それでも窒化ケイ素のすべてを小さな粒子形態で含む。微粒子Siのこの可逆的な凝集/脱凝集の挙動は、Si Options、LLCの独自の発見である。
籾殻由来の非晶質シリカに対する水酸化ナトリウム溶液の効果
水酸化ナトリウム溶液が、結晶質または非晶質シリカを個々のケイ酸ナトリウム分子に可溶化することは文献から知られている。Si Optionsは、籾殻中に見られる非晶質シリカを水酸化ナトリウムが溶解することを確認するために試験を行なった。
籾殻のシリカは、純粋な白色非晶質シリカを生成するために、籾殻から作られた浸出炭素シリカ生成物を完全に酸化することにより調製された。次に、籾殻のシリカの一部は、商用グレードのSiと混合して10%のシリカと90%の窒化ケイ素の混合物を生成した。 それから、SiO/Si混合物の一部は、3.5%水酸化ナトリウム溶液の9部と混合した。この溶液をそれから、80℃で1時間撹拌した。室温に冷却後、溶液を0.45μmのセルロースエステルフィルターを通してろ過した。ケーキは、0.35%水酸化ナトリウムで3回洗浄した。ケーキを乾燥し、秤量し、合わせたろ液をシリコンについて分析した。ケーキの重さは、使用されたSiの量と同じ重さであり、ろ液中のシリコンの量は、使用されたシリカの量と一致していた。籾殻のシリカのすべてが溶解されていたが、Siのいずれも溶解されなかったと結論づけられた。
Si Optionsの酸化された炭素熱Si生成物からの残留シリカと残留リンの除去
上記の試験に続いて、Si Optionsは、Si Optionsの酸化された炭素熱Si生成物(OCT Si)に対する水酸化ナトリウム溶液の効果を判断する試験を行った。この物質は、残留炭素とシリカの少量を含む実質的にSiである生成物を生産するために、Si Optionsの揮発分が除去された浸出炭素−シリカ生成物を窒素と炭素熱炉において反応させることによって調製された。炭素は、空気中で酸化することにより除去されて、これらの試験で使用されている酸化された炭素熱Si生成物を生産した。OCT Si生成物は、X線回折(XRD)により分析した。スキャンは、かなりの量のα−Si、より少ない量のβ−Si、および非晶質シリカを示した。非晶質炭素の兆候はなかった。OCT Si生成物は、以下の鉱物の組成を有していた。(これらの値は、その後の単位操作が鉱物の同じ相対的な量を除去することなく、かなりの全体の質量を除去するので、Si Options浸出炭素−シリカ生成物について報告される値よりも高い。)OCT Si生成物は、また、酸素についても分析された。
Figure 0005661103
OCT Si生成物の2部を3.5%水酸化ナトリウムの100部と混合し、混合物を撹拌しながら80℃で1時間維持した。混合物を室温まで冷却し、0.45μmセルロースエステルフィルターを通してろ過した。ケーキは、0.35%水酸化ナトリウムで3回洗浄した。その後、ケーキを蒸留水で1回洗浄した。ケーキを80℃で乾燥し、秤量した。ケーキは、上記の表に示される8種類の鉱物、および酸素について分析した。さらに、乾燥ケーキは、X線回折(XRD)により分析した。合わせたろ液をシリコンについて分析した。
乾燥ケーキの乾燥重量は、初期の充電材料の82%であったが、それは、シリカだけが可溶化されている場合、装填材料は約18%のシリカであり、約82%Siであることを示した。シリコンのための合わせたろ液の分析は、装填材料が、Siのすべてがシリカから派生したと仮定して、17.8%のシリカを含むことを示した。装填材料に比べ乾燥ケーキの酸素含有量の違いは、装填材料が18.72%のシリカであることを示した。乾燥ケーキのXRDスキャンは、かなりの量のα−Si、少量のβ−Siを含み、非晶質シリカと非晶質炭素を含まないことを示した。スキャンは、市販Siのスキャンと本質的に同一であった。OCT Siの水酸化ナトリウムでの処理、続いての希釈水酸化ナトリウムでの洗浄、その後の水による洗浄は、シリカの全てを除去し、全てではないが、ほとんどのSiを固体の形態で残す。一見するとこれらの結果は、商業用Siと籾殻のシリカを用いた試験から得られた結果と一致するように見える。しかし、これらのセットの結果には重要な違いがある。市販のSiの場合、最終的な水での洗浄は、Siの脱凝集を引き起こし、フィルターを通過するのに対し、Si Optionsで作られたSiに対しては、ほとんどまたはまったく影響を及ぼさないことが分かった。このことは、市販のSiとSi OptionsのSiとの間に物理的な違いがあることを示唆している。実際に、OCT Si製品に存在するように、Si OptionsのSiの顕微鏡検査は、それが主に繊維から成ることを示すのに対し、市販のSiは、小さな粒子から構成されていることを示す。OCT Si中のSiのバルクは、すべてではないが、繊維の形態であるので、市販のSiで見られる凝集/脱凝集の現象の影響を受けない。その結果、水酸化ナトリウムで処理し、ろ過してシリカを除去した後は、OCT Si由来のケーキは、蒸留水で洗浄されて、Siのロスなしに水酸化ナトリウムを除去することができる。OCT Si中のSiが、小さな粒子で構成されている場合は、水でケーキを洗浄することは、Siがフィルターを通過する原因となる。Siを回収するために、水洗浄ろ液は、洗浄ろ液に含まれる水酸化ナトリウムを除去するために透析する必要があり、その後水が除去されなければならない。従って、Si OptionsのSiの繊維の形態は、水酸化ナトリウムで処理することにより、残留シリカを除去することになる大きな利点である。Si Optionsで作られたSiSiの繊維タイプから残留シリカを除去するこの方法は、Si Optionsの独自の発明である。籾殻から生産され、結果として得られる炭素を含まない、シリカを含まないSi生成物は、また、Si Optionsが発明した独自の製品である。
次の表は、OCT Siの水酸化ナトリウム処理に由来するSi生成物(NaOH OCT Si)の鉱物の分析と比較した、OCT Si中の鉱物(ppm):NaOH OCT Si中の鉱物(ppm)の比率(精製比率)もまた示す。
Figure 0005661103
NaOH OCT Si生成物中に残っている比較的多量のナトリウムは、水酸化ナトリウムからであり、水による複数回の洗浄が水酸化ナトリウムを除去するのに必要とされることを単に意味する。上記のデータから引き出される最も重要な結論は、OCT Siの水酸化ナトリウムによる処理は、シリカの除去に有効のみならず、残留リンを4ppm未満のレベルに減らすのにも非常に有効である。リンのための精製比は60より大きい。これらの結果は、OCT Si生成物中の残留リンは、シリカに結合し、シリカが可溶化されていると、リンも可溶化されていることを示している。NaOH OCT Si生成物の1つの使用は、非常に低いレベルのリンを必要とする太陽電池シリコンの生産にあるので、これは重要な結果である。OCT Si生成物あるいはシリカを含む任意の生成物から残留リンを除去するこの方法は、Si Optionsの独自の発明である。100ppm未満、より一般的には、4ppm未満のリンのレベルを含むNaOH OCT Si生成物は、Si Optionsによって発明された独自の窒化ケイ素製品である。
シリカと水酸化ナトリウムとの間の化学量論的反応は、水酸化ナトリウムの2モルがシリカ1モルを溶解するために必要とされていることを示す。Si Optionsによる試験は、OCT Si生成物にシリカの完全な可溶化を得るために、可溶化混合物がシリカのあらゆるモルに対して水酸化ナトリウムの少なくとも4モルを含む必要があることを示している。従って、Si Optionsは、残留シリカとリンの除去のためのその発明の使用には、残留シリカの各モルに対してNaOHの少なくとも4モルを含めることを推奨する。
フィルターの種類
水酸化ナトリウムでの最初の試験は、セルロースエステルフィルターの使用を含んだ。当初、これらはうまく動作するように見えた。しかし、後に水酸化ナトリウム溶液をろ過する前に冷却されない場合は、溶液がフィルターの上に適用されたときにフィルターは溶解するということが判明した。セルロース系のいくつかの種類のフィルターが試されたが、いずれも熱い水酸化ナトリウム溶液のままで保持できなかった。最終的には、Si Optionsは、テフロン(登録商標)フィルターが熱い水酸化ナトリウム溶液のまま保持されることを発見した。Si Optionsは、テフロン(登録商標)フィルターを使用するとき、最初のろ過が熱い溶液を含むことが重要であることを発見した。室温の溶液が最初にフィルターに適用される場合、溶液はフィルター上で玉のようになるため、ろ過されない。これは、テフロン(登録商標)フィルターが疎水性であり、自然に水をはじくからである。しかし、熱い溶液が最初に適用される場合には、水蒸気は、最初にフィルターの細孔に入り、フィルターを濡らす。フィルターが一旦濡れると、それは冷たい溶液および熱い溶液の両方で動作する。テフロン(登録商標)フィルターの使用は、材料からシリカおよび/またはリンを除去するためのSi Optionsの全体的な発明に不可欠である。
遠心分離対ろ過
ろ過が、Si OptionsのSi中間生成物から可溶化シリカとリンを分離するためには技術的に適しているが、最初の水での洗浄に関連するろ過は、遅いことが観察される。プロセスのこの時点では、小粒子の凝集体は、より小さな凝集体に分解し始め、凝集体の大きさは、フィルターなどが部分的に閉塞されるような大きさである。洗浄を続けるにつれて、フィルターにトラップされた凝集体は、脱凝集さえして、フィルターを通過する。それ以降は、ろ過は比較的早い。
最初の水洗浄ろ過が遅いために、Si Optionsは、溶存シリカ、リンおよび他の材料から固形Siを分離するために、ろ過の代わりに遠心分離の有用性を決定するための研究を行った。試験は、OCT Siの一部を水酸化ナトリウム溶液と混合し、混合物を90℃で約30分間攪拌することを含んだ。次いで、混合物を約2,600rpmで約10分間、机上バケット式遠心機で遠心分離した。それから、遠心分離液を注ぎ、終わりまで注ぎ、遠心分離液のpHと外観を注目した。ペレットをバックアップ蒸留水に入れて、30分間90℃で攪拌した。次いで、混合物を約2,600rpmで約10分間、机上バケット式遠心機で遠心分離した。それから、遠心分離液を注ぎ、終わりまで注ぎ、遠心分離液のpHと外観を注目した。このプロセスは、さらに6回繰り返した。最終ペレットを乾燥し、秤量した。遠心分離液のすべてを一緒にした。水酸化ナトリウムを合わせた遠心分離液に加えて、小さな微粒子Siを凝集させるイオン強度を増加させた。合わせた遠心分離液は、それから、凝集Si微粒子を除去するために遠心分離した。Si微粒子を欠く遠心分離液を元の装填材料中のシリカの量を測定するためにシリコンについて分析された。
初期の遠心分離液は、約13.9のpHを有していた。後続の水洗浄液からの遠心分離液のpHは、減少した。約12.4のpHでは、遠心分離液は濁り、このことは、凝集したSi粒子が、遠心分離液中で濃縮されたコロイドサイズの粒子に脱凝集し始めたことを示した。更なる水洗浄の場合、凝集Si粒子が、遠心分離液に除去されたより小さな脱凝集粒子にさらに完全に変換されるので、遠心分離液はより少なく濁る。上述したように、総遠心分離液中の脱凝集Si粒子は、再凝集し、そして、液体から分離、乾燥、秤量された。この材料の重量は、装填材料の総Siの重量の約5%であった。これは、Si Optionsの中間Si生成物が約5%の微粒子Siと約95%の繊維状Siであることを示す。Si Optionsの中間Si生成物から残留シリカやリンを除去するためのSi Optionsのプロセスにおいて、データのさらなる分析は、遠心分離がろ過と同じくらい有効であるという結論をもたらした。
可溶化シリカの回収
OCT Si生成物からのシリカとリンの除去に焦点を当てた上記プロセスからの最初のろ液または遠心分離液は、ケイ酸ナトリウムを含む液体は、水またはそれ以外のものを除去するために濃縮することができる。この材料はその後、pHを下げるために酸で処理される。pHが低くなるにつれ、ケイ酸ナトリウムは、ケイ酸に変換され、それは順番に非晶質シリカ粒子に重合を始める。pHを下げる正確なプロセスと可能な他の薬剤の添加に応じて、様々な非晶質シリカ生成物を形成することができる。これらの生成物は、シリカゾル、シリカゲル、沈降シリカ、その他を含む。シリカ生成物は、ろ過または他の適切な手段によって周囲の液体から分離することができる。分離されたシリカ生成物は、最終生成物を生産する他の適切な方法で乾燥させたり、後処理することができる。Siの中間生成物とそのSiCの中間生成物からのシリカを除去するためのSi Optionsの独自のプロセスに由来するろ液からの生成物によってシリカを製造するためのこのプロセスは、Si Optionsの独自の発明である。シリカゲルの生成物もまた、Si Optionsの発明である。
Si Optionsの粒子部、Si生成物の回収
Si Optionsの追加の試験は、OCT Si生成物におけるSiの約95%が繊維状であるけれども、Siの約5%が粒状になっていることが示している。市販のSiと同様に、微粒子Siは、溶液のイオン強度が著しい限り、凝集状態のままである。従って、最初のろ過または遠心分離中、粒子は凝集した状態のままで、ケーキに保たれる。これは可溶化されたシリカを完全に除去するための低強度の水酸化ナトリウムでのその後の洗浄にも当てはまる。しかし、蒸留水での洗浄が水酸化ナトリウムを除去するために開始されれば、溶液のイオン強度は、凝集体が小さな粒子に脱凝集するポイントまで減少する。この挙動の意義は、ケーキがNaOHを除去する水で洗浄されると、小さな粒子がフィルターを通過し、洗浄水と混合することである。この形態では、これらの小さな粒子は、希釈されており、少なくともいくらかの水酸化ナトリウムに囲まれている。回収されない限り、これらの小さな粒子の損失は、Si3N4生成物の5%の損失を表わす。
これを考慮して、Si Optionsは、微粒子Siの回収について次のアプローチを開発した。これは、どんな残留水酸化ナトリウムも他の小分子をも除去するために蒸留水で小さな粒子を含む溶液を透析することを伴う。水の大部分は、その後、蒸発プロセスにより除去され、湿った粒子のSiはその後乾燥される。あるいは、透析液のイオン強度は、所定のアプリケーションにおけるSiの使用を妨げない塩または他の薬剤により増加する。イオン強度の増加は、小さなSi粒子を、ろ過もしくは遠心分離またはその他の固液分離技術によって回収することができる大きな粒子に凝集させる。
Si Optionsの独自の窒化ケイ素中間生成物から残留シリカを除去するためのプロセス設計
Si Optionsは、籾殻を独自の炭素−シリカ生成物、独自の揮発分を除去した炭素−シリカ生成物、他の独自の中間生成物、および独自のシリコン含有最終生成物に変換するために、そのプロセスの完全な予備エンジニアリング設計を実施した。この取り組みへの入力は、そのエンジニアリング・コンサルタントのエンジニアリング専門知識からだけでなくSi Optionsの研究開発活動に由来した。この取り組みの一環として、設計は、Si Optionsの独自のSi中間生成物から残留シリカを除去することに関わる単位操作のために開発された。この操作の生成物は、独自の窒化ケイ素生成物である。この設計に従って、Si OptionsのSi中間生成物は、残留炭素が除去される領域から、冷却(スクリュー)コンベアを介して、残留シリカが除去される領域の供給ビンに移される。エプロンコンベヤは、供給ビンからの窒化ケイ素中間体を引き抜く。材料は、多段大気浸出工程に入り、そこで苛性溶液と接触させられる。苛性溶液は、試薬グレードの水酸化ナトリウムペレットと蒸留水を混合して補給水タンクで調製される。
浸出放電スラリーは、浸出系統からフィルター供給タンクに圧送される。水平ベルトフィルターは、浸出残渣から浸出液を分離する。ベルトフィルターは、複数の洗浄段階に対応するために一連のろ液受容タンクを備えている。脱イオン水は、洗浄段階で使用される。一次ろ液は、シリカ回収回路に報告され、水洗液は微粒子Siの回収回路に進む。
洗浄したフィルターケーキをフィルターから間接的加熱回転式乾燥機に移される。ケーキは、酸素や他のガスとの汚染の可能性を最小限に抑えるために、窒素下で乾燥させる。窒素ガスは貫流ベースで使用されているが、高温ガスは、それらが部分的に炭素熱反応炉内で消費される炭素熱エリアに転送される。乾燥した窒化ケイ素は、それが窒素ブランケット下で維持される密閉貯蔵ビンに運ばれる。この窒化ケイ素生成物は、セラミックアプリケーションのために使用することができるし、または太陽電池グレードのシリコンを製造するために使用することができる。
シリカの回収操作は、一次ろ液が塩酸で中和(約7.0のpH)される機械的に攪拌されたタンクで構成される。シリカは、遠心分離により水性塩水から分離されるゲルの形態で沈殿する。塩水が非有害廃棄物として処分されるのに対して、ゲルは市場向きの製品として回収される。
Si Optionsの特許で保護された窒化ケイ素中間生成物の使用を包含し、独自の特許で保護されたSiだけでなく、独自のシリカゲル生成物を生産するこの設計は、Si Optionsの所有の特許である。
使用の順序
そのOCT Si生成物から残留シリカやリンを除去するためのSi Optionsによって開発された方法は、非酸化炭素熱生成物にも同様に適用できる、すなわち、水酸化ナトリウム法の適用は、残留炭素を除去するための酸化に先行することができることに留意されたい。
その他の生成物への適用
Si OptionsのSi中間生成物からシリカおよび/またはリンを除去するためのSi Optionsの発明は、目的の主な材料が水酸化ナトリウムで溶解されていない残留シリカを含む他のどんな物質にも適用することができる。例えば、本発明および残留シリカを含有する炭化ケイ素や残留シリカを含有するシリコンのその使用は、炭化ケイ素やシリコン材料を製造するために使用される方法に関係なく、Si Optionsの特許で保護されており、Si Optionsの発明である。
試薬グレードSiのSiとN2への分解の予備研究
我々は、熱力学モデルの結果と比較するための2つの予備的な実験を実施した。各実験では、試薬グレードのSiの約15グラムがアルミナ(A1)坩堝に入れられ、それは、今度は、電気的加熱垂直管式炉の中心にあるA12O3封じ込め管に配置された。密閉封じ込め管は、20分間Nでパージした。装填物の温度が周囲温度から目標の+/−5℃内に上昇したとき、次のH2(1,000cc/分)が、N2注入ガスに取って代わった。実験は1,520℃と1,620℃で実施された。より高い温度は、使用可能な機器の制限のために評価されなかった。温度はちょうど坩堝の上に配置されたKタイプ熱電対で測定した。目標温度は、4時間維持された。坩堝は、H下で炉冷させた。実験生成物を回収し、秤量し、X線回折(XRD)により分析した。
1,520℃の生成物に対するXRDパターンは、サンプルは主に窒化ケイ素(Si)で構成されていたことが明らかになった。主な相は、α−Siであったが、少量のβ−Siが存在していた。パターンはまた、立方晶Siの少量が存在することを示した。1,620℃の実験XRDのパターンは、SiとB−Siが、サンプルの主要な相であることを示した。これは、α−Siが、β−Siより容易に高熱分解することを示す。これは、このような材料は、α−Siの非常に高い割合(100%に近い)を含むので、籾殻材料から作られるSiの使用を支持する。実験結果は、H2雰囲気中で高温においてSiを処理することにより、Siを形成することが可能であることを確認した。
6.7%と14.4%の重量損失が、それぞれ1,520℃および1,620℃の実験からの生成物で測定された。純粋SiのSiへの完全な変換についての理論的な重量損失は、39.9%である。N除去が各実験での全体の重量損失を占めると仮定すると、データは、Siの収率は、1,520℃の実験に関しては16.7%、1,620℃の実験に関しては36.2%であったことを示唆している。これらの数字は、実際に、熱力学解析からの予想収率を超える。
より高い収率は、実験系において、サンプルが効果的にN分圧を最小にして、それによって推進力をSi分解に提供するHで連続的にパージされたという事実によって説明されるかもしれない。結晶性Siが、この方法によって形成されることができるという証明に加えて、実験結果は、Siが高い温度で処理される場合、Siの収率が大幅に改善されることが示された熱力学モデルを裏付ける。
高熱分解シリコン生成物とプロセス
当初、我々は以下の周知の炭素熱反応に従って、シリコンを生産するつもりであった:
SiO + 2C = Si + 2CO
この反応の我々の熱力学分析は、反応がアルゴン下、約2,000℃の温度で進むということを示した。しかし、分析はまた、約1,500℃の温度で、炭化ケイ素が形成することを示した。従って、供給材料は、非常に迅速に2,000℃に加熱する必要がある。供給材料が徐々に加熱される場合、シリコンが形成する前に、炭化ケイ素が低い温度で形成される。我々はできるだけ早く約1,500℃の温度を超えてようとして、合理的な早い昇温速度を有する炉でいくつかの試験を行った。しかし、我々は炭化ケイ素の形成を避けるために十分にすぐに、この温度を超えることに成功しなかった。
我々は、窒化ケイ素が約1,750℃で高熱分解してシリコンと窒素ガスに溶融することを示す追加の熱力学的モデリングを行った。我々は、その後、従来の反応炉を使用して、商業的窒化ケイ素でこのアイデアを試験し、窒化ケイ素は、窒素とシリコンに完全に高熱分解できることと、および溶融シリコンを残して、窒素がオフガス流で除去されることができることを見出した。次に我々は、従来の反応炉での籾殻から作られた当社独自の窒化ケイ素により、このアイデアを試験し、同じ結果を得た。我々は、酸化され、水酸化ナトリウムで処理した窒化ケイ素生成物が非常に純粋なシリコンと窒素に高熱分解することができることを見出した。太陽電池シリコンを生産するために、高熱分解シリコンは、例えば、太陽電池パネルの生産で使用するために適している。籾殻から窒化ケイ素を使用するアイデアは、別の特許出願に記載されている。
それは結局のところ、段落33の方法は、実際には典型的な炭素熱ルートより好まれる。これは、アップフロー反応炉による窒化ケイ素の生産とその後の窒化ケイ素のシリコンと窒素への高熱分解は、通常は一日以上かかるシリコンの生産のための伝統的な炭素熱工程およびその後の炭素熱シリコンを精製するプロセスよりも、ともにずっと速いからである。これは、また、残留リンの最後の小部分は、水酸化ナトリウムで処理することにより、窒化ケイ素生成物から除去することができるからでもある。したがって、リンの非常に低いレベルを有する、生じた窒化ケイ素は、非常に純粋であるために、窒化ケイ素の高熱分解からのシリコンは、非常に純粋である。一方、シリコンが、炭素熱工程で直接生成された場合、残留リンは、溶融シリコンにトラップされるようになり、シリコンの高熱分解後、この少量の残留リンを除去することは不可能になるだろう。
反応速度に及ぼす温度の影響
上記の宣言書で議論された熱力学と実験結果は、1SLPMで流れる水素の約1大気圧では、1,720℃の温度が、SiへのSiの完全な高熱分解に必要であることを示すので、Si Optionsは、市販α−Siの(99.999%純粋)の5グラムのサンプルのSiへの変換に対する温度(1,550℃〜1,750℃)と時間(0.5時間〜4時間)の影響を、1SLPMでのアルゴンパージガスと坩堝中に含まれるサンプルを用いて、調査する一連の試験を実施した。試験は、1,800℃までに達することができる外熱式管状炉で行った。各試験では、サンプルは、加熱ゾーンの真ん中のグラファイトボートに配置された。システム内の背圧は、水の2インチ(ゲージ)であった。
重量損失に基づいて、1,750℃におけるSiのSiへの変換は、わずか30分の時点で100%である。1,650℃におけるSiのSiへの変換は、30分後で89%であり、4時間後では100%である。1,550℃では、その変換は、4時間後であってもわずか75%である。従って、これらの試験の条件下では、1,550℃は、妥当な時間内にSiのSiへの総変換を提供するためには十分高くはない。これらの結果は、宣言書に記述された熱力学的解析と一般に一致している。
各々の試験からのSi生成物は、X線回折(XRD)によって分析された。1,550℃および1,650℃でのすべての実行からの生成物は、時間に関係なく、かなりの量のシリコンと少量の残留Siを含んでいた。1,750℃で30分間行われた実行からの生成物は、主にシリコンと少量の残留Siから構成されていた。しかし、1,750℃で4時間行われた実行からの生成物は、本質的に100%シリコンであり、残留Siは含まれなかった。従って、重量損失データからの結論は、修正された。修正された結論は、1,650℃の温度が4時間未満でのSiの完全な変換には低すぎるということである。1,750℃の温度で1時間では、Siの変換は完全である。従って、その研究に基づいて、Si Optionsは、1,750℃の温度と1時間が、これらの試験の他の条件の下で、最小の時間でSiの完全な変換を得るために使用することを推奨する。これらの動作条件は、Si Optionsの特許で保護される。
構築材料に対する動作温度の影響
Siの変換は、1,750℃よりも1,650℃では遅いが、最新の試験は、完全な変換が30分よりもいくらか長い時間内に1,650℃で達成できることを示す。さらに、1,550℃での結果は、Siの75%が、4時間後に変換されることができるし、十分な時間があれば、Siのすべてが1,550℃で変換されうると推定される。速い反応時間には、利点(少ないエネルギー、より小さい装置)があるが、より高い温度での動作には欠点があり、主な欠点の一つは、1,750℃で必要な構築材料は1,550℃で必要なものよりもかなり高価なことである。このように、経済的な観点から、セクションAに記載した条件下では、動作する全体的な最適温度は、1,550℃である。所定のプロジェクトについての各々の状況の経済分析のみが、どれが好まれるかを判別できる。
構築材料と熱力学推進力に対する動作圧力の影響
Si Optionsは、SiへのSiの変換に対する、絶対1気圧より少ない圧力の影響についての熱力学研究を実行した。これらの研究は、減圧での動作は、完全な高熱分解が起こる温度に重要な影響を及ぼすことができることを示す。例えば、熱力学分析は、Si全システム圧が1バールに維持されるとき、Siは、1,830℃で高熱分解して液体Siと窒素ガスを形成するが、しかし、全圧が0.1バールに維持されるとき、高熱分解は約1,670℃で自発的に起こることが予想されることを示す。同様の分析により、様々な全圧に対応するおおよその高熱分解温度は、以下の通りである:0.01バールで1,530℃;0.001バールで1,410℃;および1.3×10−6バールで1,100℃。
上記したように、構築材料のため反応炉のコストは、1,750℃に比べて1,550℃でかなり低い。1ゲージ圧未満での動作は、若干の追加費用を伴うが、構築材料の節約は、これらの追加費用を大いに上回るかもしれない。その研究に基づいて、Si Optionsは、反応炉の構築材料のコストを最小化するために、1,750℃の駆動力に等しい熱力学的駆動力を保ちながら、1ゲージ圧未満でのSi高熱分解反応炉の操作を推奨する。これらの動作条件は、Si Optionsが所有する特許で保護されている。
反応速度に対するアルゴン対水素および濃いサンプル深さ対薄いサンプル深さの影響
宣誓書で記述された試験は、坩堝の種類、パージガスの種類およびサンプルサイズに関して、最近の試験とは異なっていた。以下に記すように、坩堝の構築材料は、少量のSiの生産を奨励することにより、SiからSiの収率に小さな影響を及ぼすことができる。しかし、宣誓書の試験の結果を同じ温度、時間での最近の試験の結果と比較すると、同じ温度と時間の最近の試験の結果への宣誓書の試験の結果の比較は、アルゴンの使用および/または小さいサンプルサイズの使用のどちらかが非常に速い反応速度を提供することを示す。例えば、1,650℃での水素下で15グラムのサンプルでは、SiへのSiの変換は36%であったが、同じ温度と時間のアルゴン下での5グラムのサンプルでは、変換は100%であった。サンプルの重みの差が、坩堝内のサンプルの深さの差をもたらす場合がある。そのような場合には、高熱分解部位からバルクガスへの窒素の移動の違いがあったかもしれない。これは、順番に高熱分解部位の窒素濃度の違いをもたらすだろう。高熱分解部位でのより高い窒素濃度は、高熱分解反応で「背圧」を与えて、より少ないSiが4時間以内に高熱分解される結果、それを減速する。いずれの場合でも、より最近の結果に基づいて、Si Optionsは、最適な技術的成果を達成するために、搬送ガスとして水素よりもアルゴンを使用することを推奨する。充填層が層の上を流れるガスと一緒に使用される場合、Si Optionsは、最適な技術的成果を達成するために、比較的薄い層を使用することを推奨する。これらの動作条件は、Si Options所有の特許で保護されている。
反応炉の種類
SiへのSiの変換を研究する上記の試験の全てにおいて、サンプルは、坩堝内に静的状態で保たれ、搬送ガスはサンプルの上部に流した。この種の状況は、「層の上部を渡るガス流を有する充填層」と表示される場合がある。
しかしながら、上述したように、これらの試験の結果は、層が薄くなった時に、良好に見えるが、このことは、高熱分解反応の速度がSiからの窒素ガスの層上部を流れるバルクガスへの物質移動の速度によって制御される可能性があることを示唆している。これが事実であると、Si粒子からバルクガスへの窒素の移動速度を向上させる反応炉の構成が好まれるであろう。1つのそのような反応炉のタイプは、連続式またはバッチ式流動床反応炉である。Siは、反応炉に供給され、そして、搬送ガスは、Siを流動化させるために底から入る。これは、Si粒子からの窒素の移動速度を最小限に抑え、そのため、反応の速度を高めるであろう。得られる窒素は、反応炉の上部を去り、溶融Siは反応炉の底部に集められる。このような反応炉は、より少ないエネルギーを消費し、「上部を渡るガス流を有する充填層」よりも小さい機器が必要になる。従って、その研究に基づいて、Si Optionsは、連続様式またはバッチ様式で動かされる流動床反応炉を考慮することを推奨する。このアプリケーションのそのような反応炉の使用は、Si Options所有の特許で保護されている。
窒素のバルク搬送ガスへの移動を向上させる反応炉の他のタイプも考慮する必要がある。これらは、搬送ガスが充填層を通って上方に流れるまたは搬送ガスが充填層を通って下方に流れる反応炉を含む。どちらの場合も、溶融Siが反応炉の底で回収することができる。このアプリケーションでは、そのような反応炉の使用は、Si Options所有の特許で保護されている。
坩堝および/または反応炉のための構築材料
Siの変換は、1,750℃、1時間で、すなわち、生成物のXRDスキャンにおけるSiの兆しがないことで完了するが、Si生成物中には、少量のβ−炭化ケイ素(b−SiC)があった。SiCは最初の時間内に形成し、その後の形成は、その後に大幅に落ち込む。Si生成物のSiCの出現には、2つの可能性のある説明がある。第1に、宣誓書に記述された熱力学分析には1,000℃と1,720℃の間の温度で、Siは炭素と反応していくらかのSiCを形成し、その生成物のほとんどはSiとして残存する。最近の試験での坩堝は、黒鉛炭素製であったので、生成物のSiCの少なくとも一部は、Siの黒鉛との反応によって生成されている可能性がある。第2に、溶融Siが炭素材料中に拡散し、炭素と反応してSiCを形成することは、文献から知られている。従って、SiのSiへの変形から形成されるいくらかのSiCは、黒鉛ボートに拡散すること、およびSiCのいくらかは、生成物中に取り込まれることが可能である。
1,750℃でのSiCの形成は、1時間後にかなり落ち込むという事実は、SiCがSiと黒鉛製坩堝および/または溶融Siと黒鉛製坩堝の間の境界で形成し、そして、結局、SiCの層が、残留Siおよび/または残留する溶融Siおよび黒鉛材料の間で構築されるという考えによって説明することができ、そして、残留Siおよび/または溶融Siが、黒鉛と接触することを難しくしている。
収率および生成物の純度の観点から、Si生成物中にSiCを有することは好ましくない。しかし、この外見上の困難さは、炭素から作られていない坩堝を使用することによって容易に対処できる可能性が非常に高い。この点で、宣誓書で記述された試験は、アルミナ坩堝を使い、そして、SiCはこれらの実行の生成物には見られなかった。しかし、薄い層がシリカ(SiO)を含んだアルミナ製坩堝上に形成されたが、このことは、アルミナがSiおよび/またはSiと反応してSiOを形成することを示唆した。SiOは、坩堝から除去された生成物中では検出されなかった点に留意する必要がある。それでも、アルミナ坩堝を黒鉛坩堝の代わりにしないことが、望ましいようである。
化学文献の検索は、SiもSiのどちらもSiCと反応しないことを示す。従って、その研究に基づいて、Si Optionsは、SiCの形成を防止するために、SiC坩堝を使用すべきであり、黒鉛製坩堝やアルミナ製坩は回避すべきであると推奨するが、このSiCの形成は、SiからのSiの収率に対して小さな影響を及ぼすが、より重要なことは、Si生成物の品質に影響を及ぼすことである。使用される反応炉のタイプが、坩堝を含まない場合、SiCの生成をもたらさない、反応炉用の構築材料の使用に慎重であらねばならない。坩堝および反応炉用のそのような構築材料は、Si Options所有の特許で保護されている。
高熱分解シリコン生成物のためのプロセス設計
Si Optionsは、籾殻を独自の炭素−シリカ生成物、独自の、揮発分を除去した炭素−シリカ生成物、他の独自の中間生成物、および独自のシリコン含有最終製品に変換するために、そのプロセスの完全な予備エンジニアリング設計を実施した。この取り組みへの入力は、そのエンジニアリング・コンサルタントのエンジニアリング専門知識からだけでなくSi Optionsの研究開発活動に由来した。この取り組みの一環として、設計は、独自の高熱分解シリコン生成物の生産に関わる単位操作のために開発された。1つの設計によれば、Si Optionsの独自のSi3N4生成物は、密封貯蔵ビンから供給ビンへ、閉じたベルトコンベアで移送される。窒化ケイ素の還元操作は、バッチ様式で行われる。窒化ケイ素は、供給ビンから成形トレイに移されて、トレイは、それから、約1気圧で動作する高温還元反応炉の内側に配置される。シリコンは、次の化学反応による熱解離(焼成)によって低減される:
Si(固体)= 3Si(液体)+ 2N(気体)
アルゴン・スイープ・ガスは、炉から放出される窒素を除去するために使用される。バッチサイクルは、シリコンを結晶させることによって決定される。炉は、処理の間、漏れるどんなヒュームでも捕獲するために装備されている。捕獲されたヒュームは、後続のステップの過程で窒化ケイ素と一緒に金型に置かれる。この炉は、連続して動作するように設計することができ、金型トレイは連続的に炉に供給され、そこから取り出される。
別の設計では、Si Optionsの独自のSi生成物は、密閉貯蔵ビンから供給ビンに閉じたベルトコンベア上を移送される。窒化ケイ素還元操作は、バッチアップフロー炉で行われる。窒化ケイ素は、供給ビンから炉に移送される。アルゴンなどのスイープガスは、反応炉の底部に供給され、炉の上部から放出された窒素を搬送する。スイープガスの流量に応じて、窒化ケイ素は、充填層状態または流動床状態で存在してもよい。溶融シリコンは、それが収集される反応炉の底に落ちる。実行の終了時に溶融シリコンは、シリコンを結晶化できるように、冷却される金型のトレイに引きあげられる。炉は、処理中に漏れるどんなヒュームをも捕捉するように装備されている。捕捉されたヒュームは、炉内にフィードバックされる。この炉は、連続的に炉に供給される窒化ケイ素と連続的に反応炉の底部から引き出された溶融シリコンと連続して動作するように設計することができる。
別の設計では、Si Optionsの独自のSi生成物は、密閉貯蔵ビンから供給ビンに閉じたベルトコンベア上を移送される。窒化ケイ素還元操作は、バッチ様式で動作する真空炉で行われる。窒化ケイ素は、供給ビンから金型トレイに移され、それからトレイは、高温還元炉の内側に配置される。炉内の圧力が軽減され、放出窒素は、真空ポンプにより除去される。実行の終了時に炉内の圧力は大気圧に増加し、金型のトレイを除去し、シリコンが結晶することができるように冷却される。炉は、処理中に漏れるどんなヒュームをも捕捉するように装備されている。捕捉されたヒュームは、後続のステップの間に窒化ケイ素と一緒に金型に配置される。
別の設計では、Si Optionsの独自のSi生成物は、密閉貯蔵ビンから供給ビンに閉じたベルトコンベア上を移送される。窒化ケイ素還元操作は、バッチ様式で動作する縦型真空炉中で行われる。窒化ケイ素は、供給ビンから反応炉に移される。炉内の圧力が軽減され、放出窒素は、真空ポンプにより除去される。溶融シリコンは、それが収集される反応炉の底に落ちる。実行の終了時に、圧力は大気圧に増加し、溶融シリコンは、シリコンを結晶化できるように冷却される金型のトレイに引きあげられる。炉は、処理中に漏れるどんなヒュームをも捕捉するように装備されている。捕捉されたヒュームは、炉内にフィードバックされる。
これらの設計はすべて、供給材料としてのSi Optionsの特許で保護された窒化ケイ素中間生成物の使用を包含し、特許で保護されたシリコン生成物を生み出す。
Si Optionsの独自の、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物およびSi Optionsの独自の炭素−シリカ生成物からSi Optionsの独自のα−炭化ケイ素(a−SiC)とSi Optionsの独自のβ−炭化ケイ素の生産
I.概要
Si Optionsは、その独自の、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物から独自の非常に純粋な形態のa−SiCを生成する独自のプロセスを開発した。生成物は、極めて低い鉱物含有量を有するa−SiCのみで構成されている。そのプロセスは、3:1未満のC:SiOのモル比を有する揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の使用を含む。a−Siの収率は、3:1よりわずかに少ない比率で最高である。その工程は、1,550℃に装填材料を加熱し、この温度でしばらく維持してb−SiCを生成させ、その後、2,200℃に昇温してb−SiCをa−SiCに変換する。全工程は、アルゴンのスイープガスを用いて行われる。温度は1,550℃から2,200℃に増加するので、残留SiOがb−SiCと反応してa−SiC(固体)、SiO(気体)、CO(気体)およびSi(揮発性)を生成する。SiO、COおよびSiは、オフガス流で除去される。生成物は、美しいa−SiC結晶のみから構成される。結晶は、大部分は明るい緑色と明るい黄色である。結晶は、非常に純粋であり、約68ppmの全鉱物のレベルと11ppmのアルミニウムのレベルを有する。従って、これらの結晶は、高度なセラミックスの製造に使用される市販のa−SiCのよりもはるかに純粋である。
工程は、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物をa−SiCに変換するために、装填材料を直接に2,200℃まで加熱することによって実行することができる。全工程は、アルゴン・スイープ・ガスを使って実行される。B−SiCは、1,550℃近辺の低い温度で形成され、そして、より高い温度では、残留SiOは、b−SiCと反応して、a−SiC、SiO(気体)、CO(気体)およびSi(揮発性)を生産する。SiO、COおよびSiは、オフガス流で除去される。生成物は、美しいa−SiC結晶のみから構成される。結晶は、大部分は明るい緑色と明るい黄色である。結晶は、非常に純粋であり、約68ppmの全鉱物のレベルと11ppmのアルミニウムのレベルを有する。従って、これらの結晶は、高度なセラミックスの製造に使用される市販のa−SiCのよりもはるかに純粋である。a−SiC生成物を生産するのに用いられる方法は、使用される独自の供給材料のため、および使用される独自の工程条件のため、独特である。さらに、上記の工程により生産されるa−SiC生成物は、その独自の装填材料のため、それを調製するために使用される独自のプロセスのため、および生成物の非常に高い純度のために、独特である。
様々な種類の反応炉は、独自の、揮発分が除去された炭素−シリカ装填物から、そして、独自の工程条件から、独自のa−Siを生産するために使用することができる。そのような反応炉は、以下のものを含む:
1. 層を通る上向きまたは下向きのガス流で動作する充填層反応炉。このような反応炉は、連続様式またはバッチ様式で動作することができる。
2.装填材料を通る上向きまたは下向きのガス流で動作する流動床反応炉。このような反応炉は、連続様式またはバッチ様式で動作することができる。
3.1つまたは複数の層の頂部を渡るガス流で動作する充填層反応炉。このような反応炉は、連続様式またはバッチ様式で動作することができる。
4.回転式装填床の頂部を渡るガス流を有する回転式反応炉。このような反応炉は、連続様式またはバッチ様式で動作することができる。
開発されたプロセスは、また、Si Optionsに固有の炭素−シリカ生成物を用いて行うことができる。このような供給材料で放出された揮発性の材料は、オフガス流に含まれる。この揮発性物質は、オフガス蒸気から回収され、生産工場へのエネルギーを提供したり、市場で販売するために使用される。
II.背景
炭化ケイ素(SiC)の炭素熱生産のための化学量論式は、次のとおりである:
SiO(固体) + 3C(固体) = SiC(固体) + 2CO(気体)。
従って、炭素:シリカの化学量論モル比は、3:1である。β−炭化ケイ素(b−SiC)は、1,500℃以上の範囲の温度で生成される。α−炭化ケイ素(α−SiC)は、b−SiCから2,000℃より上の温度で相転移により生産される。
III.熱力学的モデリング
Si Optionsは、最適の炭素:SiOの比率への洞察を得るために自由エネルギーの最小化モデルおよびb−SiCの最大収率のために用いる温度を使用して、SiO+C+アルゴンのシステムの熱力学的解析を実施している。モデルは、b−SiCの最大収率は、化学量論的な3:1のC:SiOで達成されることを示す。最大収率は97%である。低い比率と高い比率では、収率が少なくなる。さらに、炭素とシリカによる汚染は、化学量論比では最小限に抑えられる。より高い比率では、シリカによる汚染はないが、シリコン(Si)による少量の汚染がある。低いC:SiOの比率では、炭素またはシリコンでの汚染はないが、シリカによる汚染がある。3:1よりわずかに小さいC:SiOの比率では、シリカによる汚染が最小となるが、より低い比率では、汚染が著しくなる。温度に関しては、熱力学的解析によると、b−SiCの収率が1,520℃で最大であることが示された。温度が増加するにつれて、収率は徐々に低下する。しかし、1,520℃よりわずかに低い温度では、β−SiCの収率は劇的に低下する。
上記の分析によると、β−SiCの生産のための供給材料のC:SiOのモル比が3:1より小さいと、生成物は、β−SiCと一定量のSiOで構成されるであろう。従って、Si Optionsは、また、2,000℃でのβ−SiC+SiO+アルゴンのシステムの熱力学的解析を行った。β−SiC:SiOの化学量論的モル比は、1:1であった。これらの条件下では、次式に従って、b−SiCがSiOと反応することが予測された:
b−SiC+1SiO=0.35Si+1.3SiO+0.65CO+0.35a−SiC
従って、b−SiCを生成するために使用される供給材料は、3:1より少ないC:SiOの比率を含む場合、1,550℃前後で生産された結果として得られた中間固体生成物は、b−SiCとSiOから構成される。3:1よりほんのわずかに小さいC:SiOの比率では、生成物は、主にb−SiCと少量のSiOである。温度が2,200℃に上昇すると、残留SiOは、少量のβ−SiCと反応して、いくらかのα−SiC、SiO、COおよびSiを生成する。b−SiCのバルクは、a−SiCに変換される。従って、3:1よりわずかに少ないC:SiOのモル比を有する揮発分が除去された炭素−シリカ生成物を使用し、この材料を2,200℃に加熱することは、a−Siの高収率をもたらすに違いない。さらに、SiOとCOは気体であるため、それらはオフガス流で除去される。また、Siの沸騰温度は、2,200℃に非常に近いので、Siが揮発し、オフガスで除かれることが期待される。従って、a−SiC生成物は、SiOや他の汚染物質を含まないはずである。さらに、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の鉱物含有量が低い場合は、a−SiC生成物は、鉱物に関して非常に純粋になることが期待される。
IV.α−Siを生成するためのSi Optionsが実施した試験
その熱力学的解析の結果に基づいて、Si Optionsは、Si Optionsの独自の、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の2つからα−SiCの生産を検討するために試験を実施した。1つの生成物は、3:1より上のC:SiOのモル比を、そして1つの生成物は、3:1より小さいC:SiOのモル比を有していた。
A.3.24:1のC:SiOのモル比を有する揮発分が除去された炭素−シリカ生成物での試験
試験は、2,200℃を超える温度に到達することができる炉で実施された。炉はアルゴンでパージされた。炉内の温度は、高温計で測定され、そしてオフガスのCO濃度が測定された。
試験#1の場合は、揮発分が除去された炭素−シリカ生成物の6.1グラムを、その後は炉内に配置される黒鉛坩堝に入れた。炉は、すべての空気を除去するためにアルゴンでパージした。炉は、その後、46℃/分で1,550℃に加熱し、オフガス中のCO濃度がほぼゼロになるまで69分間その温度で維持した。b−SiCが生産されるのは、試験のこの部分の過程である。次いで温度を38℃/分で2,200℃に上昇させ、141分間、そこに維持した。b−SiCがa−SiCに変換されるのは、試験のこの部分においてである。その後、炉を冷却し、坩堝内の生成物を、ポリカーボネートのスクリュートップボトルに入れ、ボトルが密封される前にアルゴンでパージした。後に、生成物は顕微鏡で調べられ、さらにX線回折(XRD)により解析された。試験#2の場合、装填材料の13.6グラムが使用された。試験手順は、炉を59℃/分で2,200℃に直接加熱し、138分間その温度で維持したことを除いて、試験#1で使用したのと同様であった。
試験#1からの生成物のXRDパターンは、微量のα/六方晶系−SiCを有するα/六方晶系−SiCに対する強いピークを与えた。微量のb−SiCと非晶質炭素のいくらかの兆候があったが、結晶質炭素の兆しはなかった。いくつかの。結晶質または非晶質SiOの徴候とSiの徴候はなかった。光学顕微鏡下では、生成物は、バラバラに埋め込まれた小さな結晶を有する非晶質炭素の部分のように見えた。六方晶系の結晶であった。
試験#2からの生成物のXRDパターンは、微量の菱面体晶を有するα/六方晶系−SiCに対する強いピークを与えた。微量のb−SiCがあった。非晶質炭素のいくらかの兆候があったが、結晶質炭素の兆しはなかった。結晶質または非晶質SiOの徴候とSiの徴候はなかった。光学顕微鏡下では、生成物は、バラバラに埋め込まれた小さな結晶を有する非晶質炭素の部分のように見えた。六方晶系の結晶であった。
B.2:1のC:SiOのモル比を有する揮発分が除去された炭素−シリカ生成物での試験
試験#3の場合は、10.3グラムの装填材料を、その後は炉内に配置される黒鉛坩堝に入れた。炉は、すべての空気を除去するためにアルゴンでパージした。炉は、その後、59℃/分でl,550℃に加熱し、オフガス中のCO濃度がほぼゼロになるまで83分間その温度で維持した。b−SiCが生産されるのは、試験のこの部分の過程である。次いで、温度を50℃/分で2,200℃に上昇させ、107分間、そこに維持した。b−SiCがa−SiCに変換されるのは、試験のこの部分においてである。その後、炉を冷却し、坩堝内の生成物を、取り出し、秤量し、そして、それからポリカーボネートのスクリュートップボトルに入れ、ボトルが密封される前にアルゴンでパージした。後に、生成物は顕微鏡で調べられ、さらにX線回折(XRD)により解析された。試験#4の場合、供給材料の15グラムが使用された。試験手順は、炉を42℃/分で2,200℃に直接加熱し、177分間その温度で維持したことを除いて、試験#3で使用したのと同様であった。
試験#3については、揮発分が除去された炭素−シリカ充填からのa−SiC生成物の質量収率は16%であった。生成物のXRDパターンは、微量のα/菱面体晶−SiCを有するα/六方晶系−SiCに対する強いピークを与えた。b−SiC、非晶質または結晶質のSiO、非晶質または結晶質の炭素、およびSiの兆候はなかった。生成物は、光学顕微鏡で調べられ、結晶性の物質のみが存在した。結晶は、3色:淡緑色、淡黄色および黒色の美しい結晶であった。結晶の約80%が淡緑色であり、約18%が黄色であり、約2%が黒色であった。緑色と黄色の結晶は透明であった。緑色の結晶は六角形の形状を示した。黄色の結晶は凝集し、そのために個々の形を識別することができなかった。図18は、これらの結晶の顕微鏡写真である。結晶は、広範囲の数の鉱物について分析され、総鉱物濃度は、わずか68ppmであり、アルミニウム濃度は、わずかに11ppmであることが分かった。この総鉱物濃度は、先進的なセラミックスの製造に使用される工業用のSiCのそれよりはるかに低く、そしてアルミニウム濃度は、先進的なセラミックスの製造に用いられる工業用のSiCよりも少なくとも10倍低い。
試験#4については、揮発分が除去された炭素−シリカ充填からのa−SiC生成物の質量収率は19%であった。生成物のXRDパターンは、微量のα/菱面体晶−SiCを有するα/六方晶系−SiCに対する強いピークを与えた。b−SiC、非晶質もしくは結晶質のSiO2、非晶質もしくは結晶質の炭素、またはSiの兆候はなかった。光学顕微鏡下では、結晶質物質のみが存在した。結晶は、3色:淡緑色、淡黄色および黒色の美しい結晶であった。結晶の約60〜70%が淡緑色であり、約29〜39%が黄色であり、そして、約1%が黒色であった。緑色と黄色の結晶は透明であった。緑色の結晶は六角形の形状を示した。黄色の結晶は凝集し、そのために個々の形を識別することができなかった。図19は、これらの結晶の顕微鏡写真である。結晶は、広範囲の数の鉱物含量について分析され、総鉱物濃度は、わずか43ppmであり、そしてアルミニウム濃度は、わずかに5ppmであることが分かった。この総鉱物濃度は、先進的なセラミックスの製造に使用される工業用のSiCのそれよりはるかに低く、そしてアルミニウム濃度は、先進的なセラミックスの製造に用いられる工業用のSiCよりも10倍低いよりも少なくとも大きい。
特定の実施形態の上記記載が説明の目的でのみされており、如何なる方法によっても限定することを意図していない。好ましい実施形態の他の代替および修正が、この開示を読む当業者には明白となるであろうし、ここで開示された発明の範囲は、発明者が法的に権利を与えられる添付の特許請求の範囲を最も広く解釈することによってのみ限定される。

Claims (59)

  1. シリコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、α-炭化ケイ素、及びβ-炭化ケイ素より成る群から選択される高純度シリコン含有生成物において、該高純度シリコン含有生成物は、
    硫酸水溶液を用いて浸出され、少なくとも3重量%のシリカを含む植物から得られた炭素−シリカ生成物を準備する工程であって、該炭素−シリカ生成物は、基本的に、目的とする生成物の化学量論に適したモル比で互いに結合する固定炭素とシリカとからなり、固定炭素とシリカのモル比は、燃焼なしに、且つ高純度シリカを加えることなく、1.37:1と5:1の間の異なるレベルで選択的に調節され、炭素−シリカ生成物は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、アルミニウム、ホウ素、及びリンより成る群の総鉱物不純物を1000ppm未満含んでいる工程と
    水素と、アルゴンと、窒素と、超高純度窒素と、窒素及び水素と、窒素及びアンモニアとから成る群から選択されるガスと、炭素−シリカ生成物、1350℃と2200℃の間の温度で炭素熱反応させる工程とによって生成され、
    ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、アルミニウム、ホウ素、及びリンより成る群の鉱物又は金属を合わせて1000ppm未満含んでいる高純度シリコン含有生成物。
  2. 炭素−シリカ生成物からは、揮発分が除去される、請求項1に記載の高純度シリコン含有生成物。
  3. 炭素−シリカ生成物からは、熱によって揮発分が除去される、請求項2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  4. 炭素−シリカ生成物からは、酸処理によって揮発分が除去される、請求項2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  5. 炭素−シリカ生成物からは揮発分が除去されない、請求項1に記載の高純度シリコン含有生成物。
  6. 炭素−シリカ生成物は、窒素ガスと反応する、請求項1又は2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  7. 炭素−シリカ生成物は、窒素及び水素を含むガスと反応する、請求項1又は2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  8. 炭素−シリカ生成物は、窒素及びアンモニアを含むガスと反応する、請求項1又は2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  9. 炭素−シリカ生成物とガスは、1368℃と1475℃の間の温度で反応する、請求項6、7又は8に記載の高純度シリコン含有生成物。
  10. 炭素−シリカ生成物とガスは、アップフロー反応炉、回転管反応炉、固定床反応炉、及び流動床反応炉の群から選択される反応炉で反応する、請求項1又は2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  11. 炭素−シリカ生成物とガスは、アップフロー反応炉で反応する、請求項10に記載の高純度シリコン含有生成物。
  12. 窒素ガスの供給質量毎の流量は、0.1slpm/gmと0.8slpm/gmの間にある、請求項6に記載の高純度シリコン含有生成物。
  13. 繊維状窒化ケイ素と、粒子状窒化ケイ素と、又は、繊維状窒化ケイ素と粒子状窒化ケイ素の混合物とからなる群から選択される窒化ケイ素である、請求項1又は2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  14. 窒化ケイ素であって、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、アルミニウム、ホウ素、及びリンより成る群の鉱物又は金属を合わせて1000ppm未満含んでいる、請求項1又は2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  15. 窒化ケイ素は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、アルミニウム、ホウ素、及びリンより成る群の鉱物又は金属を合わせて500ppm未満含んでいる、請求項14に記載の高純度シリコン含有生成物。
  16. 窒化ケイ素は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、アルミニウム、ホウ素、及びリンより成る群の鉱物又は金属を合わせて200ppm未満含んでいる、請求項15に記載の高純度シリコン含有生成物。
  17. 窒化ケイ素であって、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、アルミニウム、ホウ素、及びリンより成る群の鉱物又は金属を合わせて100ppm未満含んでいる、請求項16に記載の高純度シリコン含有生成物。
  18. 残留炭素を含む窒化ケイ素であって、該窒化ケイ素に含まれる残留炭素は、窒化ケイ素を空気と反応させることで低減される、請求項1又は2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  19. 窒化ケイ素に含まれる残留炭素は、950℃と1200℃の間の温度で窒化ケイ素を空気と反応させることで低減される、請求項18に記載の高純度シリコン含有生成物。
  20. 残留炭素を含む窒化ケイ素であって、該窒化ケイ素に含まれる残留炭素は、一酸化炭素と二酸化炭素の混合物と窒化ケイ素を反応させることで低減される、請求項1又は2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  21. 窒化ケイ素に含まれる残留炭素は、950℃と1200℃の間の温度で一酸化炭素と二酸化炭素の混合物を窒化ケイ素を反応させることで低減される、請求項20に記載の高純度シリコン含有生成物。
  22. 大部分を占める繊維状窒化ケイ素と過剰シリカとを含む窒化ケイ素から生成される窒化ケイ素であって、水酸化ナトリウム水溶液と繊維状窒化ケイ素を混合し、沸点未満の温度で混合物を攪拌して過剰シリカを溶解させ、その後、濾過して過剰シリカを除き、繊維状窒化ケイ素を含むケーキを生成することで、過剰シリカが窒化ケイ素から除去されて、次に、ケーキを洗浄して残留水酸化ナトリウムを除いた後で、ケーキを乾燥して繊維状窒化ケイ素が生成される、請求項13、19、又は21に記載の高純度シリコン含有生成物。
  23. 水酸化ナトリウム水溶液は、3.5%水酸化ナトリウムを含む、請求項22に記載の高純度シリコン含有生成物。
  24. 大部分を占める粒子状窒化ケイ素と過剰シリカとを含む窒化ケイ素から生成される窒化ケイ素であって、水酸化ナトリウム水溶液と粒子状窒化ケイ素を混合し、沸点未満の温度で混合物を攪拌した後で、該混合物を水に対して透析して、溶解したシリカと水酸化ナトリウムとを除き、その後、水が粒子状窒化ケイ素から除かれて、粒子状窒化ケイ素が生成される、請求項13、19又は21に記載の高純度シリコン含有生成物。
  25. 水酸化ナトリウム水溶液は、3.5%水酸化ナトリウムを含む、請求項24に記載の高純度シリコン含有生成物。
  26. 100ppm未満のリンを含む、請求項1、19、21、22、又は24に記載の高純度シリコン含有生成物。
  27. 10ppm未満のリンを含む、請求項26に記載の高純度シリコン含有生成物。
  28. 窒化ケイ素ケイ素と窒素解離することによって、請求項13、14、19、21、22、又は24の高純度シリコン含有生成物から生成される高純度シリコン。
  29. 窒化ケイ素は、1気圧以上の圧力で反応炉で解離される、請求項28に記載の高純度シリコン。
  30. 窒化ケイ素は、水素中で解離される、請求項29に記載の高純度シリコン。
  31. 窒化ケイ素は、1400℃と1730℃の間の温度で解離される、請求項30に記載の高純度シリコン。
  32. 窒化ケイ素は、アルゴン中で解離される、請求項29に記載の高純度シリコン。
  33. 窒化ケイ素は、1550℃と1750℃の間の温度で解離される、請求項32に記載の高純度シリコン。
  34. シリコンは溶融状態にある、請求項29に記載の高純度シリコン。
  35. シリコンは、溶融状態から凝固している、請求項29に記載の高純度シリコン。
  36. 窒化ケイ素は、1気圧未満の圧力で反応炉で解離される、請求項28に記載の高純度シリコン。
  37. シリコンは粉末である、請求項36に記載の高純度シリコン。
  38. 窒化ケイ素は、水素又はアルゴンの何れかであるガス中で解離される、請求項36に記載の高純度シリコン。
  39. 窒化ケイ素は、0.1バールの圧力で、1670℃の温度で解離される、請求項38に記載の高純度シリコン。
  40. 窒化ケイ素は、0.01バールの圧力で、1530℃の温度で解離される、請求項38に記載の高純度シリコン。
  41. 窒化ケイ素は、0.001バールの圧力で、1410℃の温度で解離される、請求項38に記載の高純度シリコン。
  42. 窒化ケイ素は、1×10−6バールの圧力で、1100℃の温度で解離される、請求項38に記載の高純度シリコン。
  43. 生成物は炭化ケイ素である、請求項1又は2に記載の高純度シリコン含有生成物。
  44. 炭化ケイ素は、β-炭化ケイ素の形態である、請求項43に記載の高純度シリコン含有生成物。
  45. 炭化ケイ素は、α-炭化ケイ素の形態である、請求項43に記載の高純度シリコン含有生成物。
  46. シリカに対する固定炭素の比は3:1である、請求項44に記載の高純度シリコン含有生成物。
  47. シリカに対する固定炭素の比は3:1より大きい、請求項44に記載の高純度シリコン含有生成物。
  48. シリカに対する固定炭素の比は3:1未満である、請求項44又は45に記載の高純度シリコン含有生成物。
  49. 炭素−シリカ生成物は、アルゴンガス中で炭素熱反応する、請求項44又は45に記載の高純度シリコン含有生成物。
  50. 炭素−シリカ生成物は、アルゴンガス中で、1520℃と1550℃の間の温度で炭素熱反応して、β-炭化ケイ素が生成される、請求項44に記載の高純度シリコン含有生成物。
  51. 温度は、次に、少なくとも2000℃に上昇して、β-炭化ケイ素がα-炭化ケイ素に変換される、請求項50に記載の高純度シリコン含有生成物。
  52. 15ナノメートルの大きさを有する炭化ケイ素微結晶を含む、請求項44に記載の高純度シリコン含有生成物。
  53. 炭化ケイ素微結晶は、直径が200ナノメートルの粒子の集団となる、請求項52に記載の高純度シリコン含有生成物。
  54. ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、アルミニウム、ホウ素、及びリンより成る群の鉱物又は金属を500ppm未満含んでいる、請求項45に記載の高純度シリコン含有生成物。
  55. ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、アルミニウム、ホウ素、及びリンより成る群の鉱物又は金属を100ppm未満含んでいる、請求項54に記載の高純度シリコン含有生成物。
  56. ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、アルミニウム、ホウ素、及びリンより成る群の鉱物又は金属を42ppm未満含んでいる、請求項55に記載の高純度シリコン含有生成物。
  57. 100ppm未満のリンを含む、請求項44又は45に記載の高純度シリコン含有生成物。
  58. 10ppm未満のリンを含む、請求項57に記載の高純度シリコン含有生成物。
  59. 生成物は、緑色と黄色の六方晶を含む、請求項45に記載の高純度シリコン含有生成物。
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