近年、カラー用の画像情報に基づいて色画像を形成するカラープリンタや、原稿の画像を読み取ってカラー画像再生用の画像信号を出力するスキャン機能を備えたカラー用の複写機や、複合機が使用される場合が多くなってきた。例えば、パーソナルコンピュータ等の外部装置から赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)系の画像データに基づいて色画像を形成するデジタルカラープリンタが広く使用されている。
この種のプリンタにおいて、電子写真方式を採用したカラープリンタによれば、RGB系の画像データを色変換した後のイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色及び黒(BK)色用の画像データに基づいてカラーのトナー像を形成する画像形成部が備えられる。画像形成部は、Y,M,C,BK色の像形成出力機能を各々分担する画像形成ユニットを備え、各作像色毎に帯電器によって一様に帯電された感光体ドラムに、画像データに基づいて静電潜像が、ポリゴンミラー等を使用した走査露光部により形成される。
この静電潜像は各作像色毎に現像器によって現像される。このような帯電、露光、現像を行い、感光体ドラム上に形成されたカラートナー像が、例えば、中間転写ベルト上で重ね合わされ、ここに重ね合わされたカラートナー像が転写部によってシート材(用紙)に転写される。所定の転写材上に転写されたトナー像は、定着部により定着される。この結果、画像データに基づくカラー画像を所定のシート材に形成することができる。
上述の中間転写ベルトや、ベルトクリーナー、ローラ等はユニット化され、中間転写ユニットとして構成される場合が多くなってきた。この種の中間転写ユニットを備えたタンデム型のカラー画像形成装置に関しては、中間転写ユニットが装置本体部から抜き差し可能となる構造が採られる場合が多い。
中間転写ユニットの抜き差し構造に関しては、例えば、中間転写ベルトや、ベルトクリーナー、ローラのメンテナンスを容易に行うため、中間転写ユニットに対して感光体ドラムユニットが着脱可能な構造や、前面パネルを外してベルト交換が可能な構造や、中間転写ユニットを上下に開閉可能な構造や、中間転写ユニットを側面カバーと共に開閉可能な構造や、装置本体部の上面より中間転写ユニットを着脱可能な構造等が採られる。
上述の中間転写ユニットに対して感光体ドラムユニットが着脱可能な構造に関しては、特許文献1に画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、感光体ドラムユニット、中間転写ユニット、支持フレーム、懸架手段及び着脱手段を備え、感光体ドラムユニットにはトナー像が形成される。中間転写ユニットは、感光体ドラムユニットに形成されたトナー像を転写紙まで搬送する。中間転写ユニットは支持フレームに装着される。懸架手段は、中間転写ユニットと対向して配置され、中間転写ユニットを装着した支持フレームに感光体ドラムユニットを懸架する。これを前提にして、支持フレームに着脱手段が装着され、この着脱手段が装置本体へ支持フレームを抜き差しするように操作される。このようなユニット懸架構造を採ると、中間転写体ユニットと感光体ドラムユニットを容易に保守及び交換できるというものである。
また、中間転写ベルトの交換が可能な構造に関しては、特許文献2に画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、画像形成装置本体、中間転写ユニット及び、弛張機構を具備し、中間転写ユニットは前面パネル及び中間転写ベルトを有している。弛張機構は中間転写ユニットに設けられ、中間転写ベルトのテンションを弛張するように動作する。中間転写ユニットは画像形成装置本体に装着されたセット位置と画像形成装置本体から引出されたベルト交換位置との間において、スライド可能に支持されている。
これらを前提にして、前面パネルを外し、中間転写ユニットをベルト交換位置に引き出し、かつ、弛張機構によって中間転写ベルトのテンションを弛めた状態で、中間転写ベルトのベルト幅方向への出し入れを行うようにした。このようなベルト交換構造によって、中間転写ベルトを容易に交換できるというものである。
更に、中間転写ユニットを上下に開閉可能な構造に関して、特許文献3に画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、感光体、搬送手段、転写ユニット、スライド機構、支持フレーム、回動ヒンジ、ダンパー部材及び本体フレームを備え、転写ユニットは転写手段を有しており、転写手段は、現像剤像が表面に形成される感光体に、搬送手段によって搬送されるベルトを介して当接するように設置される。
本体フレームにはスライド機構が設けられ、このスライド機構には支持フレームが設けられ、移動可能となされている。支持フレームは転写ユニットを支持して、転写作用位置と非転写作用位置との間の移動方向において転写ユニットを拘束する。この支持フレームには回動可能な回動ヒンジが設けられる。転写ユニットの回動動作と連動する位置には、ダンパー部材が設けられる。これを前提にして、転写ユニットが自重により回動落下する方向にダンパー部材を作用するようにした。このように画像形成装置を構成すると、メンテナンス操作時における操作者の安全性を確保できると共に装置破損を防止できるというものである。
更に、中間転写ユニットを側面カバーと共に開閉可能な構造に関しては、特許文献4に画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、装置本体部、シート搬送手段、画像形成部、側面カバー、反転手段及び再給紙手段を備え、シート搬送手段は、画像形成部へ向けてシートを略垂直に搬送する。画像形成部はシート搬送手段によって搬送されるシートに画像を形成する。
一方、側面カバーは、装置本体部に対して開閉自在に設けられ、シート搬送手段を保持する。反転手段は片面への画像形成後のシートを反転させる。再給紙手段は、反転手段により反転されたシートをシート搬送手段の上流へ搬送する。これらを前提にして、再給紙手段が側面カバーと一体して構成されると共に、シート搬送手段が側面カバーに対して着脱自在に設けられる。
装置本体部から側面カバーを開いたとき、シート搬送手段による搬送路が開放され、再給紙手段内のシートがシート搬送手段の側面カバーに対する装着面側から取り出せるようにした。このように画像形成装置を構成すると、側面カバーの外側に両面ユニット機能を設ける必要がなく、構成の簡易化が図られ、ジャム処理時の操作性が向上できるというものである。
また、装置本体部の上面より中間転写ユニットを着脱可能な構造に関して、特許文献5には画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、画像形成部及び中間転写ユニットを備え、画像形成部は入力画像に基づいて複数の像担持体のそれぞれにトナー画像を形成する。中間転写ユニットは中間転写ベルトを有しており、画像形成部によって形成されたトナー像を当該中間転写ベルト上に重ね合わせ、重ね合わせたトナー像を転写材に転写する。
一方、中間転写ユニットにおいて、中間転写ベルトが上下方のローラに張架して縦型に走行する。中間転写ユニットは、中間転写ベルトと上下方のローラとを一体化されて構成される。これらを前提にして、中間転写ユニットが装置本体部の上部から着脱するようにした。このように画像形成装置を構成すると、装置本体部の上部から着脱した中間転写ユニットにおいて、中間転写ベルトを交換できるというものである。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係るカラー画像形成装置について説明をする。図1に示す縦型タンデム方式のカラープリンタ100はカラー画像形成装置の一例を構成し、カラー画像を形成する装置本体部101を有している。装置本体部101では、画像情報を入力し、当該画像情報に基づいて中間転写ベルト6(像担持体)上で色を重ね合わせて色カラー画像を形成するものである。画像情報は、パーソナルコンピュータ等の外部装置から当該カラープリンタ100へ供給され、画像形成部80へ転送される。
画像形成部80は装置本体部101に実装される。装置本体部101は、当該装置本体部101からの抜き差し操作が可能な中間転写ユニット70及び画像形成用のプロセス架台ユニット90を備えて構成される。中間転写ユニット70は、無終端状の中間転写ベルト6を有している。
画像形成部80は、中間転写ベルト6に画像情報に基づくカラートナー画像を形成するために、例えば、イエロー(Y)色用の感光体ドラム1Yを有する画像形成ユニット10Yと、マゼンタ(M)色用の感光体ドラム1Mを有する画像形成ユニット10Mと、シアン(C)色用の感光体ドラム1Cを有する画像形成ユニット10Cと、黒(K)色用の感光体ドラム1Kを有する画像形成ユニット10Kとを備え、更に、特殊印刷モード用の2つの画像形成ユニット10E,10Fを備えて構成される。
画像形成部80では、感光体ドラム1E,1F,1Y,1M,1C,1K毎に作像処理するようになされ、各色の感光体ドラム1E,1F,1Y,1M,1C,1Kで作像処理された各色のトナー画像が中間転写ベルト6上で重ね合わされ、フルカラー画像を形成する。
この例で、画像形成ユニット10Yは、感光体ドラム1Yの他に、帯電器2Y、画像書込みユニット3Y、現像ユニット4Y及び像形成体用のクリーニング部8Yを有して、イエロー(Y)色のカラー画像を形成する。感光体ドラム1Yは、例えば、中間転写ベルト6の右側上部に近接して回転自在に設けられ、Y色のカラートナー画像を形成する。この例で、感光体ドラム1Yは反時計方向に回転される。感光体ドラム1Yの斜め右側下方には、帯電器2Yが設けられ、感光体ドラム1Yの表面を所定の電位に帯電する。
感光体ドラム1Yのほぼ真横には、これに対峙して、画像書込みユニット3Yが設けられ、事前に帯電された感光体ドラム1Yに対して、Y色用の画像データに基づく所定の強度を有したレーザー光を走査露光する。画像書込みユニット3Yには、ポリゴンミラー方式のレーザー露光走査装置が使用される。感光体ドラム1YにはY色用の静電潜像が形成される。
画像書込みユニット3Yの上方には現像ユニット4Yが設けられ、感光体ドラム1Yに形成されたY色用の静電潜像を現像するように動作する。以下で静電潜像をトナー剤により現像した画像をトナー画像という。この感光体ドラム1Yに形成されたY色のトナー画像は、一次転写ローラ7Yを動作させて中間転写ベルト6に転写される(一次転写)。感光体ドラム1Yの左側下方には、クリーニング部8Yが設けられ、前回の書込みで感光体ドラム1Yに残留したトナー剤を除去(クリーニング)するように動作する。
この例で、画像形成ユニット10Yの下方には画像形成ユニット10Mが設けられる。画像形成ユニット10Mは、感光体ドラム1M、帯電器2M、画像書込みユニット3M、現像ユニット4M及び像形成体用のクリーニング部8Mを有して、マゼンタ(M)色のカラー画像を形成する。画像形成ユニット10Mの下方には画像形成ユニット10Cが設けられる。画像形成ユニット10Cは、感光体ドラム1C、帯電器2C、画像書込みユニット3C、現像ユニット4C及び像形成体用のクリーニング部8Cを有して、シアン(C)色のカラー画像を形成する。
画像形成ユニット10Cの下方には画像形成ユニット10Kが設けられる。画像形成ユニット10Kは、感光体ドラム1K、帯電器2K、画像書込みユニット3K、現像ユニット4K及び像形成体用のクリーニング部8Kを有して、ブラック(BK)色のカラー画像を形成する。感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kには有機感光体(Organic Photo Conductor;OPC)ドラムが使用される。
なお、画像形成ユニット10M〜10Kの各部材の機能については、画像形成ユニット10Yの同じ符号のものについて、YをM,C,Kに読み替えることで適用できるので、その説明を省略する。
上述の画像形成部80の6つの画像形成ユニット10E,10F,10Y,10M,10C,10Kのうち、6つの画像書込みユニット3E,3F,3Y,3M,3C,3Kを除く、6つの感光体ドラム1E,1F,1Y,1M,1C,1K、6つの帯電器2E,2F,2Y,2M,2C,2K、6つの現像ユニット4E,4F,4Y,4M,4C,4K、6つの像形成体用のクリーニング部8E,8F,8Y,8M,8C,8Kがプロセス架台ユニット90に実装される。
この例では特殊印刷モードを実行するために、画像形成ユニット10Eは感光体ドラム1E、帯電器2E、画像書込みユニット3E、現像ユニット4E及び像形成体用のクリーニング部8Eを有して、第1の特殊色のカラー画像を形成する。画像形成ユニット10Fは、感光体ドラム1F、帯電器2F、画像書込みユニット3F、現像ユニット4F及び像形成体用のクリーニング部8Fを有して、第2の特殊色のカラー画像を形成する。
中間転写ユニット70は、プロセス架台ユニット90によって形成されたカラー画像を転写する。中間転写ユニット70は、中間転写ベルト6の他にフレーム部材5(図2参照)、一次転写ローラ7E,7F,7Y,7M,7C,7K、上部搬送ローラ72a、テンションローラ72b、下部搬送ローラ73a及び73bを有して構成される。この他に、中間転写ユニット70は、中間転写ベルト奥側パネル(以下中転奥パネル67という:図4参照)及び中間転写ベルト手前側パネル(以下中転前パネル68という:図6参照)を有している。
フレーム部材5は、例えば、矩形状を有しており、フレーム部材5の所定の位置には、一次転写ローラ7E,7F,7Y,7M,7C,7K、上部搬送ローラ72a,72b,テンションローラ72c、下部搬送ローラ73a及び73bが取り付けられている。中間転写ベルト6は、上部搬送ローラ72a、72b、テンションローラ72c、下部搬送ローラ73a及び73bを内包する状態で、無終端状に装着される。
中間転写ベルト6は、一次転写ローラ7E,7F,7Y,7M,7C及び7Kによって転写されたトナー画像を重合してカラーのトナー画像(カラー画像)を転写する。中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト6が時計方向に回転することで、二次転写部71に向けて搬送される。
中間転写ベルト6の下方には二次転写部71が配置されている。二次転写部71は、中間転写ベルト6に圧着されると共に、中間転写ベルト6上のトナー画像に基づく色画像を被転写材(以下用紙Pという)に転写する。この例で、中間転写ベルト6の左側上方にはクリーニング部8Aが設けられ、二次転写後の中間転写ベルト6上に残存するトナー剤をクリーニングするように動作する。
カラープリンタ100には画像形成部80の他に、定着装置17及び用紙供給部200を備えている。上述の画像形成ユニット10Kの下方には、用紙供給部200が設けられ、図示しない複数の給紙トレイを有して構成される。各々の給紙トレイ内には所定のサイズの用紙Pが収容される。用紙供給部200は、所定の用紙Pを二次転写部71へ送り出すようになされる。
例えば、用紙供給部200から画像形成ユニット10Kの下方に至る用紙搬送路には、搬送ローラ22A〜22C、レジストローラ23等が設けられる。レジストローラ23は、用紙供給部200から搬送ローラ22A〜22Cを介して繰り出された所定の用紙Pを二次転写部71の手前で保持し、画像タイミングに合わせて二次転写部71へ送り出すようになされる。用紙供給部200には、画像形成ユニット10Kの下方に設けられた給紙トレイに限らず、当該カラープリンタ100の右側外部に図示しない大給紙装置を取り付け、この大給紙装置を併用して用紙Pを給紙するようにしてもよい。
二次転写部71は、中間転写ベルト6に担持された色画像を、レジストローラ23によって用紙搬送制御される所定の用紙Pに転写する。二次転写部71の下流側には定着装置17が設けられ、カラー画像が転写された用紙Pを定着処理する。定着後の用紙Pは、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ(図示せず)上に排紙される。
図2を参照して、第1の実施例に係る中間転写ユニット70の開閉例について説明する。この実施例では中間転写ユニット70がプロセス架台ユニット90と共に、装置本体部101から抜き差し可能で、かつ、プロセス架台ユニット90に対して、縦型のまま扉状に開閉可能な構造を有している。
図2に示す中間転写ユニット70は、プロセス架台ユニット90に隣接して装置本体部101を正面側から見たとき、そのほぼ中央付近に配設されている。中間転写ユニット70は、プロセス架台ユニット90の奥側(後側)に設けられた回転ヒンジ部60を介して縦型扉状に開閉自在に取り付けられる。回転ヒンジ部60は、中間転写ユニット70の奥側で、中間転写ユニット70とプロセス架台ユニット90との回転支点を構成する。もちろん、回転支点は、プロセス架台ユニット90の奥側に限定されることはなく、プロセス架台ユニット90の手前側に設定してもよい。
この例では、図10に示すような仮止め機構20(第2の実施例)により、中間転写ユニット70とプロセス架台ユニット90とが仮止めされた状態(1セット)で、装置本体部101から外部(手前側)へ抜き差しが可能になっている。装置本体部101から外部(手前側)へ中間転写ユニット70を引き出した後、仮止め機構20による付勢力に打ち勝つ引っ張り力で、プロセス架台ユニット90から中間転写ユニット70を引っ張ると、プロセス架台ユニット90の奥側に設けられた回転ヒンジ部60を介して、中間転写ユニット70を縦型扉状に開閉自在に操作ができるようになっている。
カラープリンタ100によれば、装置本体部101からの抜き差し動作を中間転写ユニット70と共にする画像形成用のプロセス架台ユニット90を備えるので、装置本体部101からプロセス架台ユニット90を抜き出した状態で、プロセス架台ユニット90に対して中間転写ユニット70を扉状に開閉できるようになる。
中間転写ユニット70がプロセス架台ユニット90の奥側に設けられた回転ヒンジ部60を介して縦型扉状に開閉自在に取り付けられるので、中間転写ユニット70を装置本体部101から降ろすことなく、中間転写ベルト6等を交換できるようになる。
ここで、図3を参照して、回転ヒンジ部60の構成例について説明する。図3に示す回転ヒンジ部60は、プロセス架台ユニット90の奥側に設けられるものである。個数は2以上である。配設位置は、プロセス架台ユニット90の奥側の上部位及び下部位であり、好ましくは、その奥側の中段にも配設するとよい。回転ヒンジ部60を複数配設するのは、大型及び重量化する中間転写ユニット70を片側の吊り元で担うためである。図中、67は中転奥パネルである。
回転ヒンジ部60は、支点支持板61a,61b、軸受け支持部材62、軸受け部63a,63b、回転支点軸64及び位置決め隙間吸収用の揺動バネ65を有して構成される。揺動バネ65はダンパー部材の一例を構成する。揺動バネ65にはスプリングコイル等の付勢部材が使用される。揺動バネ65は、中間転写ユニット70に上部方向から応力が加わると、回転ヒンジ部60の上下方向で伸縮するように揺動して位置決め時の隙間を吸収する。
支点支持板61a,61b及び軸受け支持部材62の各々は、所定の厚みを有した板金部材を切り出し、孔開け、及び、折り曲げ加工して形成される。支点支持板61a,61bは、所定の形状を有してプロセス架台ユニット90の奥側に取り付けられる。例えば、支点支持板61a,61bは溶接や、ボルト・ナットによりプロセス架台ユニット90に固定される。
軸受け支持部材62は箱形状を有して、上下に図示しない軸孔(下孔)が設けられる。軸受け支持部材62の上部の軸孔には軸受け部63aが取り付けられる。軸受け支持部材62の下部の軸孔には軸受け部63bが取り付けられる。軸受け部63a,63bにはベアリング等が使用される。
回転支点軸64は、所定の外径寸法を有しており、軸受け支持部材62の上部の軸受け部63a及び、当該軸受け支持部材62の下部の軸受け部63bに通された後に、軸受け支持部材62の下部に揺動バネ65を挿入され、支点支持板61a,61bとで、回転支点軸64を挟む形態で取り付けられる。なお、回転支点軸64は無回転体である。揺動バネ65は上部位の回転ヒンジ部60の他に図示しない下部位の回転ヒンジ部60にも、また、中段部位の回転ヒンジ部60にも取り付けられる。
軸受け支持部材62と中間転写ユニット70とは、所定の厚みを有した1組の接続板69a,69bを介して接続される。図中、接続板69aのみを示している。例えば、軸受け支持部材62と接続板69a,69bとは、一方の側の接続板69a,69bで軸受け支持部材62を挟み込む形態で、4つの係合部材66a〜66dにより堅固に取り付けられる。その際に係合部材66a〜66dが、回転支点軸64の回転軸支点に直交する方向に、軸受け支持部材62を貫通するように串刺し形態となされる。
接続板69a,69bと中間転写ユニット70とは、他方の側の接続板69a,69bで中間転写ユニット70の例えば、フレーム部材5を挟み込む形態で、4つの係合部材66e〜66hにより堅固に取り付けられる。係合部材66a〜66hには、例えば、ボルト・ナットが使用される。これらにより、吊り元一箇所の回転ヒンジ部60を構成する。
他の吊り元の回転ヒンジ部60も同様にして構成されるので、その説明を省略する。上述の揺動バネ65は、図5に示すような貫通軸が受ける装填時の負荷を支えることで、中間転写ユニット70とプロセス架台ユニット90から成る複合体(以下複合体ユニット201という)の装填の容易さと軸受け部63a,63bの摩耗が低減できるようになる。
ここで、図4を参照して、回転ヒンジ部60における遊び設定例について説明する。図4に示すカラープリンタ100において、回転ヒンジ部60の回転支点軸64の周囲には、位置ずれ隙間調整用の遊びα(ガタ)が設定される。遊びα は、回転支点軸64と軸受け部63a,63bとの間に形成される隙間である。回転ヒンジ部60の回転支点軸64の周囲に遊びαを設定すると、中間転写ユニット70の上下を揺動バネ65で吸収して、その左右及び前後方向に余裕を持たせることができる。回転ヒンジ部60の回転支点軸64の周囲に位置ずれ隙間調整用の遊びαを持たせると、図5に示す貫通軸53,54による中間転写ユニット70の位置出しを高精度に実行できるようになる。
続いて、図5を参照して、複合体ユニット201の装填例について説明する。この例で、中間転写ユニット70及びプロセス架台ユニット90は、複合体ユニット201を構成し、引き出し操作及び装填操作共に一体化してなされる。
図5に示すカラープリンタ100は位置決め機構99を備えている。位置決め機構99は、位置決め用の複数の貫通軸53,54、貫通孔部83,84、ユニット型締め用の固定具93及び94を有して構成される。装置本体部101は後面パネル107や、前面パネル108を有している。
貫通軸53,54は、後面パネル107の所定の位置に取り付けられている。例えば、貫通軸53,54の各々の一端が後面パネル107の所定の位置に溶接等により固定される。貫通軸53,54の各々の他端は貫通孔部83,84を引き入れ易くするために、例えば、円錐状に尖っている。
一方、中間転写ユニット70は、中転前パネル68(前面パネル)及び中転奥パネル67を有している。中転前パネル68の所定の位置には貫通軸53,54の先端部が露出可能な位置決め用の開口部(図示せず)が設けられている。この開口部は軸受け部の一例を構成し、例えば、軸受け部用の開口部の内側に雌ネジが形成される。
この中転前パネル68の軸受け部用の開口部と、貫通軸53,54の各々を包含する位置であって、中転奥パネル67と中転前パネル68との間には、各々に対応して貫通孔部83及び84が両端部を橋架するように設けられる。貫通孔部83及び84には、貫通軸53,54の各々を包含可能な所定の内径を有した管部材(パイプ)が使用される。貫通孔部83及び84の各々の一端は、中転奥パネル67に取り付けられ、貫通孔部83及び84の各々の他端は中転前パネル68に取り付けられる。
貫通軸53,54は、複合体ユニット201の装填時、当該貫通軸53,54の各々に対応する貫通孔部83及び84に貫通され、これらの先端部が中転前パネル68の軸受け部用の開口部から露出するようになされる。貫通軸53,54には、所定の外径を有した金属棒体が使用される。
固定具93及び94は係合部材の一例を構成し、例えば、断面凸状の部位を有した段付き有天板円柱筒体から構成される。固定具93及び94の各々一端は、中転前パネル68の軸受け部用の開口部の内側に形成された雌ネジに螺合する雄ネジを有している。雄ネジ周囲の内側に穴部位が設けられ、この穴部部位は、円錐状に尖った貫通軸53,54の先端部が挿入可能なように加工されている。もちろん、貫通軸53及び54の各々一端に雄ネジを形成し、この雄ネジに螺合可能な雌ネジを備えた固定具93及び94を構成してもよい。これらにより、位置決め機構99を構成する。
なお、プロセス架台ユニット90は、装置本体部101の所定の位置に取り付けられたレール部材55,56a,56bに載置される。レール部材55,56a,56bには、伸縮型のスライドレールが使用される。この例では、プロセス架台ユニット90は3箇所のレール部材55,56a,56b(図6参照)によって摺動自在に支持される。レール部材55,56a,56bは、装置本体部101の図示しない内部フレームの所定の位置にビス止め等により取り付けられる。プロセス架台ユニット90は、レール部材51,52a,52b及びローラ部材57,58を有している(図7参照)。
レール部材51はレール部材55にローラ部材57を介して摺動自在に組み合わされる。レール部材52aはレール部材56aにローラ部材58を介して摺動自在に組み合わされる。図示せずも、レール部材52bはレール部材56bにローラ部材58を介して摺動自在に組み合わされる。これらによりカラープリンタ100を構成する。なお、図中、20は仮止め機構であり、21は開動規制部材である。仮止め機構20については第2の実施例で説明する。開動規制部材21については第3及び第4の実施例で説明する。
カラープリンタ100によれば、中間転写ユニット70及びプロセス架台ユニット90から成る複合体ユニット201を装置本体部101に対して自己整合的に位置合わせできるようになる。しかも、位置決め基準となる装置本体部101の前面パネル97の着脱が不要で、位置決め安定性が向上する。
ここで、図6〜図9を参照して、第1の実施例に係る複合体ユニット201の取扱例(その1〜3)について説明をする。この例では、プロセス架台ユニット90の奥側に設けられた回転ヒンジ部60を介して、中間転写ユニット70がプロセス架台ユニット90に対して縦型扉状に開閉自在に取り付けられる場合であって、装置本体部101から複合体ユニット201を引き出し、中間転写ユニット70の中間転写ベルト6を交換する場合を例に挙げる。
まず、図6に示す中転前パネル68上のユニット型締め用の固定具93及び94を緩めて、当該中転前パネル68の軸受け部用の開口部から固定具93及び94を取り外す。固定具93及び94を軸受け部用の開口部から外すと、貫通軸53,54の先端部が露出する状態となる。
次に、図6に示した貫通軸53,54の先端部が露出した状態から、図7に示すように複合体ユニット201を装置本体部101から外部へ引き出す。このとき、3箇所のレール部材55,56a,56b上のレール部材51,52a,52b及びローラ部材57,58によって摺動自在に支持されたプロセス架台ユニット90が外部へ引き出されると共に一体して、中間転写ユニット70が外部へ引き出される(図8参照)。
この例では、図7に示すように、貫通孔部83及び84が各々の貫通軸53及び54を抜けた状態から、中間転写ユニット70の開閉動作が可能となる。好ましくは、図8に示す白抜き矢印に示す方向へ引き出し、複合体ユニット201が十分に装置本体部101から外部へ引き出された状態で、中間転写ユニット70の開放操作に移行することが望ましい。
これは、貫通軸53及び54の各々が貫通孔部83及び84に挿入された状態において、回転ヒンジ部60を基準にしたプロセス架台ユニット90から中間転写ユニット70への開放操作を回避するためである。この引き出しの際及び、引き出し完了後にも、仮止め機構20により、中間転写ユニット70がプロセス架台ユニット90に仮止めされている。
そして、図9に示すプロセス架台ユニット90に対する中間転写ユニット70の開放操作を実行する。このとき、中間転写ユニット70の所定の位置に取り付けられた図示しない取っ手等を持って、ユーザは、白抜き矢印に示す方向、すなわち、中間転写ユニット70を左側に開くように操作する。
このとき、仮止め機構20によるマグネット部材の保持力を上回る外力を加える。すると、プロセス架台ユニット90では回転ヒンジ部60を基準にして、中間転写ユニット70が縦型扉状に開動し、当該プロセス架台ユニット90から中間転写ユニット70が開放される。これにより、開放状態の中間転写ユニット70で中間転写ベルト6を交換できるようになる。
このように、第1の実施例に係るカラープリンタ100によれば、装置本体部101から抜き差し可能で、かつ、縦型のまま扉状に開閉可能な構造を有した中間転写ユニット70を備え、中間転写ユニット70は、プロセス架台ユニット90の奥側に設けられた回転ヒンジ部60を介して、プロセス架台ユニット90に対して縦型扉状に開閉自在に取り付けられる。
この縦型扉状の開閉構造によって、ベルト交換時等において、装置本体部101から中間転写ユニット70を抜き出した状態で、当該中間転写ユニット70を扉状に開閉できるようになるので、カラープリンタ100の大型化及び重量化により、取り外し困難な中間転写ユニット70を装置本体部101から降ろすことなく、中間転写ベルト6等を交換できるようになる。しかも、作業者が立ったままユニット全体の隅々まで見渡せ、ユニット両側、前後への手作業の導入(アクセス)が容易となるため、メンテナンス性を格段に向上できるようになる。
また、第1の実施例によれば、位置決め機構99を備えることによって、位置決め基準となる前面パネル97の着脱が不要で、位置決め安定性が向上した。更に、回転ヒンジ部60の上下及び水平方向に遊びαを持たせたので、貫通軸53,54によるユニット位置出しを高精度化できるようになった。しかも、貫通軸53,54が受ける複合体ユニット201の装填時の負荷を揺動バネ65が支えることで、装填の容易さと軸受け部63a,63bの摩耗を低減できるようになった。
なお、第1の実施例に係るカラープリンタ100では、プロセス架台ユニット90の奥側に設けられた回転ヒンジ部60を介して、中間転写ユニット70がプロセス架台ユニット90に対して縦型扉状に開閉自在に取り付けられる場合について説明したが、これに限られることはない。
例えば、プロセス架台ユニット90の手前側に回転ヒンジ部60を設け、この回転ヒンジ部60に中間転写ユニット70を取り付け、プロセス架台ユニット90に対して中間転写ユニット70を縦型扉状に開閉自在となるように取り付けてもよい。このような取り付け方法を採った場合であっても、中間転写ユニット70を装置本体部101から降ろすことなく、中間転写ベルト6等を交換できるようになる。
続いて、図10〜図12を参照して、第2の実施例に係るカラープリンタ100における仮止め機構20について説明をする。図10に示すカラープリンタ100は、プロセス架台ユニット90と共に中間転写ユニット70が装置本体部101から抜き差し動作がなされ、かつ、縦型のまま扉状に開閉可能な構造を有し、プロセス架台ユニット90と中間転写ユニット70との間には仮止め機構20が設けられる。
仮止め機構20は、例えば、プロセス架台ユニット90に対して中間転写ユニット70が閉じられた状態の複合体ユニット201のほぼ中央部付近に配設される。この例で仮止め機構20は、プロセス架台ユニット90に対して中間転写ユニット70が閉じられた状態で、中転前パネル68の一端とプロセス架台ユニット90の前面パネル98の一端とが成す境界線上に配設される。
次に、図11を参照して、仮止め機構20の構成例について説明する。図11に示す仮止め機構20は、マグネット25、被吸着板26及び、取り付け基台205を有して構成される。
マグネット25は磁性部材の一例を構成し、位置調整用のビス29a,29bを介して取り付け基台205に、位置ずれ吸収可能に取り付けられる。マグネット25は所定の磁力を保有するものであれば、材質等を問わない。取り付け基台205は所定の形状を有してプロセス架台ユニット90の前面パネル98に位置調整自在に取り付けられる。取り付け基台205は板金部材を切削、孔開け及び折り曲げ加工することにより作成される。
この例では、前面パネル98に開口された長孔部91,92に対して取り付け基台205がユニット吸着方向に対して左右(前後)側に移動可能に、固定用のネジ部材27a,27bで取り付けられる。ここにユニット吸着方向とは、プロセス架台ユニット90を基準にして中間転写ユニット70を吸着する方向をいう。
長孔部91,92は、ネジ部材27a,27bに対して位置ずれ隙間調整用の遊びβ(ガタ)を有している。遊びβは、長孔部91,92の長手方向の長さであり、ネジ部材27a,27bの外径寸法の数倍に設定される。遊びβは、ユニット吸着方向に設定され、位置ずれ隙間を吸収する際に、マグネット25が取り付けられた取り付け基台205が位置ずれ量だけ移動するようになる。
一方、被吸着板26は断面L形状を有して、中間転写ユニット70の中転前パネル68に取り付けられる。被吸着板26は、例えば、マグネット25に対峙する位置であって、中転前パネル68の一端とプロセス架台ユニット90の前面パネル98の一端とが成す境界線付近の位置に、2個の固定用のビス28a,28bを介して中転前パネル68にネジ止めされる。これらにより、仮止め機構20を構成する。
ここで、図12A及びBを参照して、仮止め機構20の動作例について説明する。この例では、ユニット収納時、複合体ユニット201が固定具93,94によって装置本体部101に固定されるまでの間、仮止め機構20によって、中間転写ユニット70をプロセス架台ユニット90へ仮止めして置ける機能が発揮される。
図12Aに示すカラープリンタ100によれば、図9に示した中間転写ユニット70の開放状態から、閉動作がなされ、その閉動作完了直前の状態である。この状態でマグネット25が被吸着板26を吸着するようになる。図12Bに示す仮止め機構20によれば、マグネット25と被吸着板26とが吸着する。中間転写ユニット70がプロセス架台ユニット90に仮止めされた状態である。
この状態で、図7に示した中間転写ユニット70では、その貫通孔部83が貫通軸53へ挿入され、貫通孔部84が貫通軸54へ挿入される。更に、この吸着状態の複合体ユニット201を装置本体部101の奥側に押し込むと、図5及び図6に示した装填状態となされる。貫通軸53,54の各々の先端部は、中転前パネル68で対応する軸受け部用の開口部に露出した状態となる。
その後、中転前パネル68の軸受け部用の開口部に固定具93,94を取り付けてユニット型締めを行う。その際に、円錐状に尖った貫通軸53,54の先端部が固定具93及び94の各々の穴部位に挿入され、自動芯出し(位置出し)がなされる。また、仮止め機構20の調整機能が働いてユニット吸着方向の位置ずれ隙間を吸収するように、マグネット25が自己整合的に移動する。これらにより、装置本体部101への複合体ユニット201の装填を完了する。
このように第2の実施例に係るカラープリンタ100によれば、プロセス架台ユニット90と装置本体部101から抜き差し動作が共になされ、かつ、縦型のまま扉状に開閉可能な構造を有する中間転写ユニット70を備え、このプロセス架台ユニット90と中間転写ユニット70との間には仮止め機構20が設けられ、この仮止め機構20が位置ずれ隙間調整用の遊びβを有するものである。
この位置ずれ隙間調整用の遊び構造によって、中間転写ユニット70及びプロセス架台ユニット90から成る複合体ユニット201を装置本体部101に装填する際に、ラフガイドの役割を持たせると共に、中間転写ベルト6や感光体ドラム1E,1F,1Y,1M,1C,1Kとの間の干渉や、装置本体部101と中間転写ユニット70等との間の干渉を回避できるようになる。
続いて、図13〜図17を参照して、第3の実施例に係るカラープリンタ100におけるストッパーリンク機構30について説明する。この例では、第1〜第2の実施例で説明した中間転写ユニット70の開放時、回転ヒンジ部603の回転力を応用して、押圧部材31を回転させることにより、装置本体部101と干渉する位置であって、中間転写ベルト6を内包する位置から押圧部材31を突出するようにした。
図13Aに示すカラープリンタ100は、第1〜第2の実施例で説明した中間転写ユニット70に加えて、押圧部材31や、第1のリンク機構の一例を構成するストッパーリンク機構30等を有している。ストッパーリンク機構30は、回転伝達歯車32,34、歯車固定ピン33,35、アーム支持軸受け部36,38及びアーム支持軸37(回転軸)を有して連動部が構成される。
押圧部材31は、図9に示した開動規制部材21の一例を構成し、当該中間転写ユニット70の開動量を規制するものである。例えば、押圧部材31は、第1〜第2の実施例で説明した装置本体部101に対する当該中間転写ユニット70の開放時に、装置本体部101と干渉する位置であって、中間転写ベルト6を内包する位置から突出するようになされる。
図14に示す回転ヒンジ部603は連動部を構成し、中間転写ユニット70の開閉動作と連動して押圧部材31を突出させるように動作する。回転ヒンジ部603の回転支点軸64には回転伝達歯車32が取り付けられる。回転伝達歯車32は、図示しない軸孔を有しており、この軸孔に回転支点軸64が通され、歯車固定ピン33で回転支点軸64に固定される。
回転ヒンジ部603で回転支点軸64に対して直交する軸受け支持部材62の側面には、アーム支持軸受け部36が取り付けられる。アーム支持軸受け部36ではアーム支持軸37(回転軸)の一端が回転自在に軸支される。このアーム支持軸37の一端には、回転伝達歯車34が取り付けられる。アーム支持軸受け部36は軸受け支持部材62の側面から中転奥パネル67に延在するようにして取り付けられる。
回転伝達歯車32,34には傘歯車が使用される。回転伝達歯車32,34の歯車比は1:1である。回転伝達歯車32,34は歯車比を換えず、回転支点軸64の回転軸方向を直交する回転軸方向に変換するようになされる。回転伝達歯車34には傘歯車が使用される。回転伝達歯車34は、図示しない軸孔を有しており、この軸孔にアーム支持軸37の一端が取り付けられ、歯車固定ピン35でアーム支持軸37に固定される。
一方、アーム支持軸37の他端は図13に示すように、中転前パネル68を貫通するようになされる。このアーム支持軸37の他端が貫通する中転前パネル68の部分には開口部(図示せず)が設けられ、この開口部には、アーム支持軸受け部38が取り付けられる。アーム支持軸受け部38ではアーム支持軸37の他端が回転自在に軸支される。このアーム支持軸37の他端には、図13Bに示すような形状の押圧部材31が取り付けられる。これらにより、ストッパーリンク機構30を構成し、回転支点軸64の回転力によって押圧部材31を回転するようになされる。
続いて、図15〜図17を参照して、ストッパーリンク機構30の動作例(その1〜3)について説明する。この例では、中間転写ユニット70の開放時、ストッパーリンク機構30が押圧部材31を連結駆動して、装置本体部101と接触する寸前の位置を限界に中間転写ユニット70の開動を制限するようにした。
これらを動作条件にして、図15に示すストッパーリンク機構30によれば、中間転写ユニット70が閉じている状態である。この状態は、図8に示したように中間転写ユニット70及びプロセス架台ユニット90から成る複合体ユニット201が装置本体部101から外部へ引き出され、中間転写ユニット70が開放可能な位置で、当該中間転写ユニット70の開放動作を未だ行っていない状態である。
図16に示すストッパーリンク機構30によれば、図15に示した中間転写ユニット70が閉じた状態から半開き、例えば、図中の角度θが60°になった状態である。角度θは、中間転写ユニット70の閉じた位置を基準にしたとき、この閉じ位置と、中間転写ユニット70が任意に開いた位置との間を成す角度である。
回転ヒンジ部603は、ストッパーリンク機構30によって、回転支点軸64と押圧部材31とを連結駆動することにより、ユニット回転角を押圧部材31の回転移動量に変換するようになる。この結果、押圧部材31も角度θ=60°だけ回転する。すなわち、ストッパーリンク機構30は、中間転写ユニット70を開動する角度θに基づいて押圧部材31を連結駆動することにより、当該押圧部材31も角度θだけ回転する(図13参照)。
図17に示すストッパーリンク機構30によれば、図16に示した角度θ=60°の状態から、更に中間転写ユニット70が回転操作されて、中間転写ユニット70が全開(θ=90°)になった状態である。このとき、押圧部材31がフレーム部材5より突出して装置本体部101に当接するので、押圧部材31が装置本体部101と接触する寸前の位置で、中間転写ユニット70の開動が制限される。これにより、中間転写ベルト6を保護できるようになる。
このように第3の実施例に係るカラープリンタ100によれば、プロセス架台ユニット90と装置本体部101から抜き差し動作が共になされ、かつ、縦型のまま扉状に開閉可能な構造を有する中間転写ユニット70がストッパーリンク機構30を備え、押圧部材31がストッパーリンク機構30によって連結駆動され、当該中間転写ユニット70の開動量を規制するようになる。
この規制構造によって、装置本体部101に対して中間転写ユニット70を開放した時に、装置本体部101と接触する寸前の位置を限界にして、中間転写ユニット70の開動を制限できるので、ベルト交換時に障害とならずに、装置本体部101と中間転写ユニット70との間の干渉を回避できるようになる。しかも、中間転写ベルト6を内包する位置よりも、押圧部材31が突出してストッパー機能を発揮するので、中間転写ユニット70の開放時、中間転写ベルト6を保護できるようになる。
図18〜図22を参照して、第4の実施例に係るカラープリンタ100のストッパーリンク機構40の構成例について説明する。この例では、第1〜第2の実施例で説明した中間転写ユニット70の開放時、回転ヒンジ部604の回転力によるてこの原理を応用して、押圧部材41を移動することにより、装置本体部101と干渉する位置であって、中間転写ベルト6を内包する位置から押圧部材41を突出するようにした。
図18Aに示すカラープリンタ100は、第1〜第2の実施例で説明した中間転写ユニット70に加えて、押圧部材41や、第2のリンク機構の一例を構成するストッパーリンク機構40等を有している。ストッパーリンク機構40は、ストッパーピン42、回転支点部43、アーム支持受け部46,48及びアーム部材47を有して連結駆動部が構成される。この例で、ストッパーリンク機構40は、ユニット干渉限界位置に押圧部材41を移動するようになる。ここにユニット干渉限界位置とは、中間転写ユニット70が開動されたとき、中間転写ベルト6が装置本体部101に干渉する際の限界となる位置をいう。
押圧部材41は、図9に示した開動規制部材21の他の一例を構成し、当該中間転写ユニット70の開動量を規制するものである。例えば、押圧部材41は、第1〜第2の実施例で説明した装置本体部101に対する当該中間転写ユニット70の開放時に、装置本体部101と干渉する位置であって、中間転写ベルト6を内包する位置から突出するようになされる。
図18Aに示す回転ヒンジ部604は連系駆動部を構成し、中間転写ユニット70の開閉動作と連系して押圧部材41を突出させるように動作する。回転ヒンジ部604の回転支点軸64には、図19に示すようなストッパーピン42が取り付けられる。例えば、回転支点軸64には、図示しないピン孔が設けられ、このピン孔にストッパーピン42が挿通され、ストッパーピン42が回転支点軸64に固定される。
回転ヒンジ部604で回転支点軸64に対して直交する軸受け支持部材62の側面には、アーム支持受け部46が取り付けられる。アーム支持受け部46ではアーム部材47(天秤棒)の一端が細い棒状に加工される。この細い棒状に加工されたアーム部材47の一端がストッパーピン42で当接されて移動される。アーム支持受け部46は長孔部から成り、軸受け支持部材62の側面から中転奥パネル67に延在し、アーム部材47の細状端部位が揺動自在に係合される。
この例では、図18Aに示すアーム部材47のほぼ中央部位がプレス加工されている。プレス加工されたアーム部材47の中央部位には、図示しない軸孔が設けられ、回転支点部43となされる。回転支点部43は、アーム支点部材43a、アーム規制バネ43b、固定部材43c及び揺動バネ43dを有している。アーム支点部材43aは棒状部位を有して、フレーム部材5の所定の位置に取り付けられる。
アーム支点部材43aの棒状部位は、アーム規制バネ43bを通して、更に、アーム部材47の中央部位の図示しない軸孔を通して貫通される。アーム規制バネ43bは、アーム部材47を所定の方向へ付勢するようになされる。アーム支点部材43aの棒状部位は、固定部材43cによって固定される。これにより、アーム部材47が回転支点部43を基準にして自在に回動できるようになる。
一方、アーム部材47の他端は中転前パネル68を貫通するようになされる。このアーム部材47の他端が貫通する中転前パネル68の部分には、長孔部(図示せず)が設けられ、この長孔部がアーム支持受け部48を構成する。アーム支持受け部48ではアーム部材47の他端が揺動自在に係合される。このアーム部材47の他端には、図18Bに示すような形状(錘状)の押圧部材41が取り付けられる。これらにより、ストッパーリンク機構40を構成し、回転支点軸64のストッパーピン42によって押圧部材41を所定の方向へ移動するようになされる。
続いて、図20〜図22を参照して、カラープリンタ100のストッパーリンク機構40の動作例(その1〜3)について説明する。この例では、中間転写ユニット70の開放時、ストッパーリンク機構40が押圧部材41を連結駆動して、装置本体部101と接触する寸前の位置を限界に中間転写ユニット70の開動を制限するようにした。
これらを動作条件にして、図20に示すストッパーリンク機構40によれば、中間転写ユニット70が閉じている状態である。この状態は、図8に示したように中間転写ユニット70及びプロセス架台ユニット90から成る複合体ユニット201が装置本体部101から外部へ引き出され、中間転写ユニット70が開放可能な位置で、当該中間転写ユニット70の開放動作を未だ行っていない状態である。
図21に示すストッパーリンク機構40によれば、図18や図20に示した中間転写ユニット70が閉じた状態から半開き、例えば、図中の角度θが60°になった状態である。角度θは、中間転写ユニット70の閉じた位置を基準にしたとき、この閉じ位置と、中間転写ユニット70が任意に開いた位置との間を成す角度である。
回転ヒンジ部604は、ストッパーリンク機構40によって、回転支点軸64の回転力によるてこの原理、すなわち、ストッパーピン42とアーム部材47の端部とが成す当接部が力点、回転支点部43が支点、押圧部材41が作用点とした力学状態を応用して、押圧部材41を移動することにより、中間転写ユニット70の回転動作を押圧部材41の突出移動量に変換するようになる。
この例では、中間転写ユニット70が角度θ=60°だけ回転した時点では、第3の実施例に示した押圧部材31と異なり、押圧部材41が何らの変化も示さない。すなわち、ストッパーリンク機構40において、アーム支持受け部46では、未だアーム部材47の一端に、ストッパーピン42が到達していない状態である。この状態から、ユーザーは更に、中間転写ユニット70を開動操作する。
図22に示すストッパーリンク機構40によれば、図21に示した角度θ=60°の状態から、中間転写ユニット70が開動操作されて、中間転写ユニット70が全開(θ=90°)になる直前に至った状態である。このとき、アーム支持受け部46では、アーム部材47の一端にストッパーピン42が到達し、ストッパーピン42がアーム部材47の一端に当接される。
この例では、揺動バネ43dの付勢力に打ち勝つ当接力が、ストッパーピン42からアーム部材47に与えられると、ストッパーピン42がアーム部材47の一端を移動するようになる。この移動により、押圧部材41がフレーム部材5より突出して装置本体部101に当接するので、押圧部材41が装置本体部101と接触する寸前の位置で、中間転写ユニット70の開動を制限できるようになる。
このように第4の実施例に係るカラープリンタ100によれば、プロセス架台ユニット90と装置本体部101から抜き差し動作が共になされ、かつ、縦型のまま扉状に開閉可能な構造を有する中間転写ユニット70を備え、連結駆動部を構成するストッパーリンク機構40が、ユニット干渉限界位置に押圧部材41を移動するようになる。
この規制構造によって、装置本体部101に対して中間転写ユニット70を開放した時に、装置本体部101と接触する寸前の位置を限界に中間転写ユニット70の開動を制限できるので、ベルト交換時に障害とならずに、装置本体部101と中間転写ユニット70との間の干渉を回避できるようになる。しかも、中間転写ユニット70の開放時、中間転写ベルト6を保護できるようになる。
図23を参照して、第5の実施例に係るカラープリンタ500のプロセス架台ユニット95の開閉例について説明する。図23に示すカラープリンタ500は、中間転写ユニット75、プロセス架台ユニット95及び装置本体部105を備え、第1〜第4の実施例と同様にして、プロセス架台ユニット95は、中間転写ユニット75と装置本体部105から抜き差し動作が共になされ、かつ、縦型のまま扉状に開閉可能な構造を有している。
装置本体部105は、装置本体部105から抜き差し可能な画像形成用のプロセス架台ユニット95及び、抜き差し動作が共になされる中間転写ユニット75を備えている。プロセス架台ユニット95は、装置本体部105の内部に装着されてカラー画像を形成する。中間転写ユニット75はプロセス架台ユニット95によって形成されたカラー画像を転写する。プロセス架台ユニット95は、中間転写ユニット75と装置本体部105から抜き差し動作が共になされ、かつ、縦型のまま扉状に開閉可能な構造を有している。
この例で、中間転写ユニット75の下方には、一対のレール部材52b(一方のみ記載)が設けられると共に、中間転写ユニット75の左側には、図示しないレール部材が設けられている。中間転写ユニット75の奥側には、図3で説明したような回転ヒンジ部60が設けられ、この回転ヒンジ部60にプロセス架台ユニット95が取り付けられる。このプロセス架台ユニット95は、第1〜第4の実施例と異なり、回転ヒンジ部60を介して中間転写ユニット75に対して縦型扉状に開閉自在に取り付けられる(縦型扉状の開閉構造)。
この縦型扉状の開閉構造を採ることにより、プロセス架台ユニット95を装置本体部105から降ろすことなく、感光体ドラム1E,1F,1Y,1M,1C,1K等を交換できるようになる。もちろん、第2の実施例で説明した仮止め機構20や、第3及び第4の実施例で説明したストッパーリンク機構30,40をプロセス架台ユニット95に適用してもよい。
このように第5の実施例に係るカラープリンタ500によれば、装置本体部105から抜き差し可能な画像形成用のプロセス架台ユニット95を備え、このプロセス架台ユニット95は、中間転写ユニット75と装置本体部105から抜き差し動作が共になされ、かつ、縦型のまま扉状に開閉可能な構造を有している。この構造によって、感光体ドラム1E又は1F,1Y,1M,1C,1K等の交換時において、装置本体部105からプロセス架台ユニット95を抜き出した状態で、中間転写ユニット75に対してプロセス架台ユニット95を扉状に開閉できるようになるので、カラープリンタ500の大型化により、取り外し困難なプロセス架台ユニット95を装置本体部105から降ろすことなく、感光体ドラム1E又は1F,1Y,1M,1C,1K等を交換できるようになる。
なお、カラープリンタ500において、中間転写ユニット75の奥側に設けられた回転ヒンジ部60を介して、プロセス架台ユニット95が中間転写ユニット75に対して縦型扉状に開閉自在に取り付けられる場合について説明したが、これに限られることはない。
例えば、中間転写ユニット75の手前側に回転ヒンジ部60を設け、この回転ヒンジ部60にプロセス架台ユニット95を取り付け、中間転写ユニット75に対してプロセス架台ユニット95を縦型扉状に開閉自在となるように取り付けてもよい。このような取り付け方法を採った場合であっても、プロセス架台ユニット95を装置本体部105から降ろすことなく、感光体ドラム1E,1F,1Y,1M,1C,1K等を交換できるようになる。