JP5590298B2 - 圧力制御装置及び圧力制御方法 - Google Patents
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Description
しかし、ロードセルは、電動モータから射出スクリューに至る射出軸系において機械に組み込むための構造が複雑になると共に、検出器自体が高価であるうえに、歪みゲージを検出部に貼り付ける構造のために、検出器不良が発生するおそれがある。
また、電動射出成形機では、射出して金型を充填した後、所定の圧力を保持して加圧を続ける工程(保圧工程)を必要とする。保圧工程において、電動モータを用いて一定の圧力を保持するように印加する場合、電動モータが過負荷状態となる恐れがある。その問題を回避するために、必要とされる目標圧力に振動成分を重畳して圧力制御を行うことにより、電動モータ(サーボモータ)の実効負荷率を低下させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、本発明の他の目的は、機械の構成を簡単にすることができ、信頼性が得られるサーボモータを用いた圧力制御装置及び圧力制御方法を提供することである。
すなわち、請求項1に係るサーボモータを用いた圧力制御装置は、サーボモータにより動力伝達部を介して作動体を作動させ、該作動体によって受圧体に力を作用させる機械において、前記受圧体に作用させる力の制御を、制御手段により前記サーボモータの出力トルク又は回転速度を制御して行う圧力制御装置であって、前記制御手段は、駆動部と動力伝達部と作動体とから構築された前記機械の制御モデルに対して構築され、かつ前記駆動部への電流指令と前記駆動部からの回転情報とに基づいて前記作動体が受ける力を推定するオブザーバと、前記駆動部に対する電流指令と前記駆動部の回転情報とにより前記オブザーバが推定した力に基づいて、前記作動体が受圧体に作用させる力をフィードバック制御するフィードバック制御部と、を備え、前記オブザーバは、前記電流指令として重畳させた振動に応じて生じる抗力を、前記作動体に作用する力の外乱として同定した前記制御モデルに基づいて構成される外乱オブザーバ部を備え、前記外乱オブザーバ部から出力される状態量に基づいて、前記電流指令に重畳する振動の影響を低減するようにして、前記作動体に作用する力を推定することを特徴とする。
なお、上記のサーボモータを用いた圧力制御装置及び圧力制御方法において、前記機械は、前記サーボモータによりプーリとベルトを介してボールねじ軸またはボールナットを回転させ、これらに螺合するボールナットまたはボールねじ軸を介して射出機構の射出スクリューを作動させて、型締機構によって型締めされた金型に溶融樹脂を圧力を制御しながら射出して成形を行う電動射出成形機としてもよい。
すなわち、請求項1に係るサーボモータを用いた圧力制御装置及び請求項5に係る圧力制御方法によれば、サーボモータにより動力伝達手段を介して作動体を作動させ、該作動体によって受圧体に力を作用させる機械において、前記受圧体に作用させる力の制御を、制御手段により前記サーボモータの出力トルク又は回転速度を制御して行う圧力制御装置であって、制御手段は、駆動部と動力伝達部と被駆動部とから構築された機械の制御モデルに対して構築され、かつ駆動部への電流指令と駆動部からの回転情報とに基づいて被駆動部が受ける力を推定するオブザーバと、駆動部に対する電流指令と駆動部の回転情報とによりオブザーバが推定した力に基づいて、作動体が受圧体に作用させる力をフィードバック制御するフィードバック制御部と、を備える。また、オブザーバは、電流指令として重畳させた振動に応じて生じる抗力が、機械インピーダンス要素を介して被駆動部に作用する力を外乱として同定した制御モデルに基づいて構成される外乱オブザーバ部を備える。そして、オブザーバは、外乱オブザーバ部から出力される状態量に基づいて、機械インピーダンス要素の特性に応じて電流指令に重畳する振動の影響を低減し、被駆動部に作用する力を推定することができるので、その力に基づいてサーボモータの動作をフィードバック制御することにより、作動体が受圧体に作用させる力をロードセル等の力検出器を使わずに正確に制御することができる。
これにより、機械にロードセルを組み込む格別の手段が不要となるので、機械の構成を簡単にすることができると共に、サーボモータを用いた圧力制御装置の信頼性を高めることができる。
以下、本発明の一実施の形態に係るサーボモータを用いた圧力制御装置を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るサーボモータを用いた圧力制御装置を、電動射出成形機の射出圧力を制御する制御装置に適用した一例を示す。図1において、1は電動射出成形機(機械)であり、支持盤2に取り付けられた先端にノズル3を有する加熱筒4と、該加熱筒4内に軸回りに回転自在にかつ軸方向に移動自在に挿入された射出スクリュー(受圧体)5と、該射出スクリュー5の外端を回転自在に支持する支持台6とを有する。また、前記支持台6は、前記支持盤2とこれに対向配置した他の支持盤7に対して回転自在に支承された一対のボールねじ軸8に、該ボールねじ軸8に螺合されたボールナット9を介して2箇所で支持されている。
すなわち、前記電動射出成形機1の制御モデル(制御モデル)38は、図4に示すように、前記サーボモータ11が、トルク定数Ktを有するトルク定数要素35aと、加え合わせ点35bを介して前記トルク定数要素35aに結合されたトルク/回転要素35cとを含む伝達要素からなる駆動部35として構成される。なお、トルク/回転要素35cには、パルスエンコーダ(位置検出器)14及び射出速度フィードバック入力回路28を含むこととし、駆動部35の出力として前記サーボモータ11の回転角速度ωmを得るものとして以下、説明する。
そして、前記オブザーバ19は、前記駆動部35に対する電流指令値(電流指令)ICMDが引き出し点35fから供給されると共に、駆動部35からの出力である前記サーボモータ11の回転角速度(回転情報)ωmが射出速度フィードバック入力回路28から供給され、推定されたトルク(力または圧力)である外力の直流成分の推定値τext_dc(ハット)を出力する。
また、前記オブザーバ19は、前記オブザーバ19に供給される電流指令値ICMDと回転角速度ωmとに基づいて状態変数を導く外乱オブザーバ部19aと、外乱オブザーバ部19aによって導かれた状態変数、すなわち、外乱オブザーバ部19aによって推定された外乱の影響を低減させる振動除去部19bを備える。前記オブザーバ19に関する詳細な説明は、後述とする。
図2は、射出圧力設定部17の構成を示すブロック図である。
また、図3は、圧力制御の指令値について示す図である。
射出圧力設定部17は、前記射出圧力P における保圧設定値Pi(P1〜P3)を、それぞれ、図3(a)に示すように、時間tに関して変化しない一定値として設定する一定値設定部17aと、この一定値設定部17aに設定された一定値の保圧設定値Piを加工し、図3(b)に示すように、所定の周波数f(周期ω0)と振幅Aの圧力変動(振動)を伴った保圧指令値を出力する設定値加工部17bと、前記保圧指令値の周波数f(周期ω0)を設定する周波数設定部17cと、前記保圧指令値の振幅Aを設定する振幅設定部17dと、前記一定値設定部17aと前記設定値加工部17bのいずれかを一方を前記射出圧力フィードバック制御部20 に切換え接続するための切換スイッチ(切換手段)17eとを備えている。
前記切換スイッチ17eは、前記一定値設定部17aからの一定の保圧設定値Piと前記設定値加工部17bからの保圧指令値Pcのいずれによって前記サーボモータ11を回転作動させるかの設定切り換えを行うものである。なお、前記一定値設定部17a、周波数設定部17c、振幅設定部17dはそれぞれ設定キー等によって適宜数値を入力するようになっている。
なお、射出制御装置における圧力制御の指令値の詳細な制御方法については、特許文献3などを参照する。
図4に示される前記制御モデル38において、前記駆動部35(サーボモータ11)のトルク定数要素35aに電流指令値ICMDが入力されると、動力伝達部36を介して被駆動部37を作動させる。これにより、駆動部35の回転位置θmが変化するとともに、出力としての回転角速度ωmが変化する。そして、前記オブザーバ19が前記電流指令値ICMDと前記回転角速度ωmとを取り込む。前記電流指令値ICMDによって本来発生されるべき回転角速度ωLと前記取り込んだ実際の回転角速度ωmとの偏差が生じる。
前記オブザーバ19は、導かれた回転角速度の偏差に基づいて駆動部35に加わった反抗トルクを推定する。その反抗トルクから被駆動部37が抵抗物モデル39から受ける力に対する反抗力(推定トルク(外力の直流成分の推定値τext_dc(ハット)))を推定する。この推定トルク(外力の直流成分の推定値τext_dc(ハット))が電動射出成形機1の射出圧力のフィードバック制御用の入力信号として使用されることとなる。
最初に、オブザーバを二慣性反力推定オブザーバとして構成する場合の各状態変数に関する微分方程式を順に示す。各式に示される変数は、ICMDがモータ電流指令値、Ktがトルク定数、Rgがギア比、Ksがバネ定数、Jmがモータ慣性モーメント、Dmがモータ粘性係数、JLが負荷側慣性モーメント、DLが負荷側粘性係数である。
図6に示されるサーボモータ側から供給されるトルクτmに応じて慣性モーメントJmの駆動対象を駆動し回転角速度ωmを得る。ただし、回転角速度ωmは、供給されるトルクτmに対して、負荷側からの負荷側トルクτLの影響を受け変化する。
本実施形態では、電動射出成形機1の射出スクリュー(受圧体)5(以下、「射出軸」という。)を駆動する力指令値にあたる外力の直流成分τext_dcに外力の高調波成分τext_acを重畳させて、静止摩擦力が電動射出成形機1の射出軸に影響しない様に制御する。その外力の高調波成分τext_acの基本周波数をω0として示す。
外力の高調波成分τext_acが重畳された指令値によって、電動射出成形機1の射出軸が駆動される。射出軸が駆動され、溶融樹脂(射出対象物)を加圧した際に反力の高調波成分を生じる。
その反力の高調波成分は、指令値に基づいて駆動された外力の高調波成分τext_acによって生じることから、同じ周波数成分、つまり基本周波数ω0に生じる。
その高調波の反力は、重畳した高調波と同じ周波数であるが、溶融樹脂は機械インピーダンスを持つので同じ周波数の反力でも、重畳した高調波の力の位相と反力の位相が異なり、位相の値は未知となる。それゆえ、どのような波形の反力が加わるかを予測できないため、モデル化することができない。
したがって、この高調波成分の影響について、通常のオブザーバによる推定方法では完全に排除することができない。通常のオブザーバとは、状態オブザーバ及び外乱オブザーバの双方のことである。
そこで、図7に示すように、射出軸が受ける外力の直流成分τext_dcは、射出圧による反力が重畳する外力の高調波成分τext_acと同じ周波数の固有振動数の機械インピーダンス要素90を通過して、射出軸に加わる負荷側トルクτLとみなし、この固有振動数ω0の影響を受けない高次外乱オブザーバを構成する。
つまり、この高次外乱オブザーバは、射出軸に加わる負荷側トルクτLを外乱入力とする外乱オブザーバ部19aを構築し、その推定出力とする状態量に負荷側トルクτLの推定値を含めて構成する。
なお、射出軸に作用する負荷側トルクτLは、外力τextによって変化する。その、外力τextは、外力の直流成分τext_dcと、重畳された外力の高調波成分τext_acとの加算値であり、式(4)として示される。
結果的に、電動射出成形機1が押す力の高調波も、溶融樹脂が環境から受ける高調波も影響を受けないで、外乱入力(反力)を推定することが可能となる。
本実施形態による2慣性系でモデル化される射出成型機において、負荷側トルクτLは、機械インピーダンス要素90の影響を受けトルクτmに影響を与える。
また、外乱オブザーバ部19aの状態変数に関する微分方程式を、式(5)として示す。
図9に示される電動射出成形機1の制御モデル38Bは、式(6)として示す状態方程式と、式(7)として示す出力方程式とによって示すことができる。
高次外乱オブザーバを反力推定オブザーバに適用するために、モデルパラメータを当てはめ、各状態変数の微分式を導いて、式(8)として示す。
図10に示した構成に基づいて、オブザーバ19における外乱オブザーバ部19aを同定することができる。
そして、式(9)として示した状態方程式に基づいて、例えば、「ゴピナスの設計法」を用いて高次外乱を考慮した反力推定オブザーバを設計する。
設計した反力推定オブザーバを式(11)に示す。
θs(ハット)は、ねじり角θsの推定値である。ωL(ハット)は、負荷側回転角速度ωLの推定値である。τL(ハット)、τL(ドットハット)、τL(ツードットハット)は、それぞれ推定された負荷側トルクτLの推定値、τLの一次微分の推定値、τLの二次微分の推定値である。
上記に示した手順により、外乱オブザーバ部19aを要素とするオブザーバ19を構成することができる。
また、外乱オブザーバ部19aから状態変数が供給される振動除去部19bは、先に示した機械インピーダンス要素90と逆の特性を有するものとする。オブザーバ19によって外力の直流成分τext_dcの推定値が導かれる。
図11は、本実施形態の射出制御装置におけるオブザーバを用いて推定した射出軸の反抗トルク(圧力推定値)を示す図である。
この図の縦軸は、射出軸の反抗トルク(圧力推定値、MPa(メガパスカル))を示し、横軸は時間(秒)の経過を示す。
波形G11は、オブザーバを用いて推定した射出軸の反抗トルク(圧力推定値)を示すグラフである。また、波形G12は、ロードセルによって検出された圧力を示すグラフである。
図に示したグラフでは、時刻t2から時刻t3の保圧工程において、ロードセルで検出された圧力と推定圧力に一致が見られる。
図12は、一般的なオブザーバ方式による推定結果を示す図である。
この図では、本実施形態と制御方式が異なる構成を用いた結果を示し、また、印加する指令値も高調波成分を重畳した場合の結果が示される。
波形G31は、オブザーバを用いて推定した射出軸の反抗トルク(圧力推定値)である。また、波形G32は、ロードセルによって検出された圧力である。
時刻t2から時刻t3の保圧工程では、重畳した高調波と同じ周波数成分の変動が、推定圧力の波形G31に生じている。
本実施形態による図11の結果と比較すると、指令値に高調波成分を重畳させたことによる推定圧力の振動性の誤差が低減できていることが示される。
以下、本発明の一実施の形態に係るサーボモータを用いた圧力制御装置を、添付図面を参照して説明する。
図13は、本発明の一実施の形態に係るサーボモータを用いた圧力制御装置を、電動射出成形機の射出圧力を制御する制御装置に適用した他の形態を示す。図1、図4と同じ構成には、同じ符号を附す。
この図13に示される電動射出成形機(機械)1は、図4に示された制御モデル38とオブザーバ19に加え、線形摩擦補償部40を備える。
線形摩擦補償部40は、クーロン摩擦補間演算を行うクーロン摩擦補間部41と、クーロン摩擦補間部41によって変換された補償値に、予め定められる比例係数を乗算する係数演算子42とを備える。
線形摩擦補償部40は、サーボモータ11が反転するときにクーロン摩擦が変化するため、その影響を低減させる。線形摩擦補償部40は、回転方向が変化する変化点において発生する急峻な変化を低減させるため、変化点付近の特性を補間することにより、摩擦力の影響を低減させることができる。
線形摩擦補償部40は、分岐点35dから分岐されるサーボモータ11の回転角速度ωmに基づいて、摩擦力の変化によるモータトルクの補償量を生成する。生成されたモータトルクの補償量は、加算器43において、モータトルクに加算される。これにより、補償されたモータトルクが、オブザーバ19に供給される。
つまり、オブザーバ19として構成した制御モデルでは、クーロン摩擦力を補償する構成としていないものである。しかし、入力される制御指令値ICMDと発生させるモータトルクとが対応するため、上記の補償方法で静止摩擦力の影響を低減させることができる。
図15に示されるグラフは、クーロン摩擦補間部41が有する変換特性を示す。
縦軸は、回転角速度に応じて補償された摩擦力を示し、横軸が回転角速度を示す。
モータ速度の値が、−v0から+v0までの範囲をsin特性で補間する。
具体的な補間特性を、式(15)として示す。
このシミュレーションでは、保圧振動10Hz、オブザーバ極70rad/sの条件で構成された制御系を用いて、シミュレーションに用いる実験値を取得した。取得された実験値(モータトルク、モータ回転数)に基づいて、オブザーバの構成を変えて、異なる構成のオブザーバによる推定値の違いを比較する。制御対象とする2慣性系制御モデルのパラメータは、式(16)に示す値を用いる。
図16(a)は、本実施形態の射出制御装置において、オブザーバに供給する指令値にクーロン摩擦補償を施して推定した射出軸の反抗トルク(圧力推定値)を示す図である。
この図の縦軸は、射出軸の反抗トルク(圧力推定値、MPa(メガパスカル))を示し、横軸は時間(秒)の経過を示す。
波形G41は、クーロン摩擦補償を施して、オブザーバを用いて推定した射出軸の反抗トルク(圧力推定値)を示すグラフである。また、波形G42は、ロードセルによって検出された圧力を示すグラフである。
図16(b)は、図16(a)の一部を拡大して示した図である。
波形G51は、波形G41の一部を示す。波形G52は、波形G42の一部を示す。
抽出した範囲は、時刻4秒から5秒までの1秒間であり、保圧工程(図16(a)参照)にあたる。
波形G51の変動と、波形G52の変動を比べると、波形G51の方が少ない。また、平均値の圧力差が約0.7(MPa)であり、波形G52を基準として平均値を比べても102%であり、推定値として十分な値が示された。
図17は、一般的なオブザーバ方式による推定結果を示す図である。
図17(a)では、一般的なオブザーバを用いて、クーロン摩擦補間処理を行わないで比較した結果を示す。
波形G61は、オブザーバを用いて推定した射出軸の反抗トルク(圧力推定値)である。また、波形G62は、ロードセルによって検出された圧力である。
時刻t2から時刻t3の保圧工程では、重畳した高調波と同じ周波数成分の変動が、主意定圧力の波形G61に生じている。また、時刻t3以降の背圧工程においても差が生じている。
波形G71は、波形G51の一部を示す。波形G72は、波形G52の一部を示す。
抽出した範囲は、時刻4秒から5秒までの1秒間であり、保圧工程(図17(a)参照)にあたる。
波形G71が示す推定圧力の振動成分の振幅は、約7(MPa)にも達する。
図18(a)では、第1実施形態による構成に基づいて比較した結果を示す。
波形G81は、オブザーバを用いて推定した射出軸の反抗トルク(圧力推定値)である。また、波形G82は、ロードセルによって検出された圧力である。
時刻t2から時刻t3の保圧工程では、重畳した高調波と同じ周波数成分の変動が、推定圧力の波形G81に生じている。また、時刻t3以降の背圧工程においても差が生じている。
波形G91は、波形G81の一部を示す。波形G92は、波形G82の一部を示す。
抽出した範囲は、時刻4秒から5秒までの1秒間であり、保圧工程(図18(a)参照)にあたる。
波形G91が示す振動成分の振幅は、図16(b)と同じ程度であるが、平均値の差は図16(b)に比べて大きな値が示される。
このように、図16から図18に示した結果から、図16に示した、クーロン摩擦補償処理を本実施形態に示すオブザーバ19に供給する制御指令値に対して補償することにより、推定精度を高めることができる。
図19は、本実施形態を適用した射出制御装置を用いた結果を示す図である。
実際の射出制御装置(ニイガタマシンテクノ社のモデルMD75X)の圧力制御装置(モーションコントローラ)に、本実施形態として示した圧力制御方法を適用し比較を行った。
図19(a)は、本実施形態に示したようにオブザーバの入力側でクーロン摩擦補償を施して、本実施形態のオブザーバを用いて推定した射出軸の反抗トルク(圧力推定値)を示すグラフである。
この図の縦軸は、射出軸の反抗トルク(圧力推定値、MPa(メガパスカル))を示し、横軸は時間(秒)の経過を示す。
波形G101は、クーロン摩擦補償を施して、本実施形態のオブザーバを用いて推定した射出軸の反抗トルク(圧力推定値)を示すグラフである。また、波形G102は、ロードセルによって検出された圧力を示すグラフである。
本実施形態の構成としたことにより、時刻t2から時刻t3にかけての保圧工程における振動成分も観測されず、時刻t3から時刻t4にかけての背圧工程においても、2つの波形の一致性が高いことが示されている。
この図の縦軸は、射出軸の反抗トルク(圧力推定値、MPa(メガパスカル))を示し、横軸は時間(秒)の経過を示す。
波形G111は、クーロン摩擦補償を施して、従来方式のオブザーバを用いて推定した射出軸の反抗トルク(圧力推定値)を示すグラフである。また、波形G112は、ロードセルによって検出された圧力を示すグラフである。
これにより、シミュレーションで観測された現象を実際の射出制御装置を用いた場合でも再現することができ、本実施形態として示した構成を用いたシミュレーション結果についても妥当性を示された。
例えば、本実施形態では、外乱を生じる機械インピーダンス要素90の特性を二次系として示したが、必要とされる次数を選択することができる。選択した機械インピーダンス要素の次数に応じて、外乱オブザーバ部19aが推定する負荷側トルクτLの次数を合わせて定め、さらに、その後段の振動除去部19bの特性も、機械インピーダンス要素90(共振系)に対応した逆の特性(減衰系)の特性に変更する。
また、その摩擦補償の補償量については、構成する制御系の構成に依存することから適用する制御系に応じて適宜定めることとする。
また、オブザーバが参照するサーボモータの回転情報は、回転角度として検出される位置情報、又は、回転角速度情報とすることができる。
さらに、電動モータにより伝動機構を介してねじ軸にナットを螺合してなる直線移動機構を作動させ、該直線移動機構に連結された加圧盤を移動させて、該加圧盤と固定盤との間でワークを加圧成形するプレス機械において、加圧盤に加える圧力(力)を制御する場合、その他の産業機械において圧力(力)の制御を行う場合にも適用することができる。
これにより、外乱オブザーバ部19aの特性を容易に定めることができる。
これにより、作用する力の変化量を高次成分まで推定することができ、推定された情報から影響を低減することができる。
これにより、作用する力の変化量を高次成分まで推定することができ、推定された情報から影響を低減することができる。
これにより、外乱オブザーバ部19aによって推定された状態変数から、容易に外乱として検出される電流指令(制御指令値)に重畳させた振動の影響を容易に低減することができる。
4 加熱筒
5 射出スクリュー(受圧体)
6 支持台
8 ボールねじ軸
9 ボールナット
10,12 プーリ
13 タイミングベルト(ベルト)
14 パルスエンコーダ(位置検出器)
15 制御装置
16 射出速度設定部
17 射出圧力設定部
18 電流検出器
19 オブザーバ
20 射出圧力フィードバック制御部
Claims (5)
- サーボモータにより動力伝達部を介して作動体を作動させ、該作動体によって受圧体に力を作用させる機械において、前記受圧体に作用させる力の制御を、制御手段により前記サーボモータの出力トルク又は回転速度を制御して行う圧力制御装置であって、
前記制御手段は、駆動部と動力伝達部と作動体とから構築された前記機械の制御モデルに対して構築され、かつ前記駆動部への電流指令と前記駆動部からの回転情報とに基づいて前記作動体が受ける力を推定するオブザーバと、
前記駆動部に対する電流指令と前記駆動部の回転情報とにより前記オブザーバが推定した力に基づいて、前記作動体が受圧体に作用させる力をフィードバック制御するフィードバック制御部と、
を備え、
前記オブザーバは、
前記電流指令として重畳させた振動に応じて生じる抗力を、前記作動体に作用する力の外乱として同定した前記制御モデルに基づいて構成される外乱オブザーバ部を備え、
前記外乱オブザーバ部から出力される状態量に基づいて、前記電流指令に重畳する振動の影響を低減するようにして、前記作動体に作用する力を推定する
ことを特徴とするサーボモータを用いた圧力制御装置。 - 前記外乱オブザーバ部は、
前記電流指令と前記回転情報とに基づいて、前記作用する力の変化量と、前記力の変化量の高次成分とからなる状態量を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーボモータを用いた圧力制御装置。 - 前記回転情報に基づいて、前記機械において生じる摩擦の影響を前記電流指令に対して補償する摩擦補償部を備え、
前記オブザーバは、
前記補償された電流指令と、前記回転情報とに基づいて、前記作用する力の変化量と、前記力の変化量の高次成分とからなる状態量を推定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサーボモータを用いた圧力制御装置。 - 前記外乱オブザーバ部は、
前記外乱を、前記電流指令として重畳させた振動の周波数と同じ周波数の固有振動数の機械インピーダンス要素を経て前記作動体に作用するとみなした前記制御モデルに基づいて構成される
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のサーボモータを用いた圧力制御装置。 - サーボモータにより動力伝達部を介して作動体を作動させ、該作動体によって受圧体に力を作用させる機械において、前記受圧体に作用させる力の制御を、前記サーボモータの出力トルク又は回転速度を制御して行う圧力制御方法であって、
前記機械を駆動部と動力伝達部と作動体とからなる制御モデルとして構築し、該制御モデルに対して、前記駆動部への電流指令と駆動部からの回転情報とに基づいて前記作動体が受ける力を推定するオブザーバを構築し、
前記駆動部に対する電流指令と前記駆動部の回転情報とにより前記オブザーバが推定した力に基づいて、前記作動体が受圧体に作用させる力をフィードバック制御する際に、
前記オブザーバは、
前記電流指令として重畳させた振動に応じて生じる抗力を、前記作動体に作用する力の外乱として同定した前記制御モデルに基づいて構成される外乱オブザーバ部から出力される状態量に基づいて、前記電流指令に重畳する振動の影響を低減するようにして、前記作動体に作用する力を推定する
ことを特徴とするサーボモータを用いた圧力制御方法。
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