JP5582343B2 - 半導電性ゴム材料 - Google Patents
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Description
(1) 一般式(I)で表されるモノマー。
(2)アルキレンオキサイド。
(3)エピハロヒドリン。
(4)エチレン性不飽和基含有モノマー。
(1) 一般式(I)
で表される単量体から誘導される繰り返し単位1〜30モル%、(2)アルキレンオキサイドから誘導される繰り返し単位40〜80モル%、(3)エピハロヒドリンから誘導される繰り返し単位10〜40モル%、(4)エチレン性不飽和基含有モノマーから誘導される繰り返し単位0〜10モル%を有するポリエーテル共重合体、該ポリエーテル共重合体を含有することを特徴とする加硫可能な半導電性ゴム組成物、該半導電性ゴム組成物を加硫してなる半導電性加硫ゴム材料、及び半導電性ゴムロール、又はベルトである。
本発明の(1)ポリエーテル共重合体とは、一般式(I)
で表される単量体から誘導される繰り返し単位1〜30モル%、(2)アルキレンオキサイドから誘導される繰り返し単位40〜80モル%、(3)エピハロヒドリンから誘導される繰り返し単位10〜40モル%、(4)エチレン性不飽和基含有モノマーから誘導される繰り返し単位0〜10モル%を有するポリエーテル共重合体である。
本発明におけるポリエーテル共重合体の構成要素の一つである(1)一般式(I)で表されるモノマーは、以下に示される。
共重合させた場合に側鎖となるエチレンオキサイドユニットの数は、大きすぎるとポリマーの結晶性が発現し本発明におけるゴムとしての物性が損なわれるために、n=0〜10であることが好ましく、n=1〜5であることがより好ましく、n=2〜4であることが特に好ましい。
また、Rは炭素数が2〜4である直鎖状もしくは分岐状のアルキル基またはアルケニル基であり、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tーブチル基、アリル基が好ましい。Rは炭素数が2〜4であれば、ポリエーテル共重合体のムーニー粘度は低下しすぎることないため、加工および成形が容易となるので好ましい。
本発明の構成要素の一つである(2)アルキレンオキサイドは、ポリエーテル系共重合体の低抵抗化の観点からエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドであることが好ましく、エチレンオキサイドであることが特に好ましい。
本発明の構成要素の一つである(3)エピハロヒドリンはエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリンより選択される少なくとも一つであることが好ましく、より好ましくはエピクロルヒドリンである。
本発明の構成要素の一つである(4)エチレン性不飽和基含有モノマーは、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルが例示され、アリルグリシジルエーテルであることが好ましい。
本発明における半導電性ゴム組成物とは、加硫前のゴム組成物を指し、少なくとも上記のポリエーテル共重合体を含有し、加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、受酸剤等を含有してもよい。
本発明の半導電性ゴム組成物を加硫するために用いられる加硫剤は、塩素原子の反応性を利用する公知の加硫剤、例えば、ポリアミン類、チオウレア類、チアジアゾール類、メルカプトトリアジン類、ピラジン類、キノキサリン類等と側鎖二重合結合の反応性を利用する公知の加硫剤、例えば、有機過酸化物、硫黄、モルホリンポリスルフィド類、チオラムポリスルフィド類等が挙げられる。
本発明の半導電ゴム組成物には、加硫速度の調整、加硫物の熱安定性の見地から受酸剤となる金属化合物を含有してよい。本発明で用いられる受酸剤としては、公知の受酸剤を使用できるが、好ましくは金属化合物および/または無機マイクロポーラス・クリスタルである。金属化合物としては、周期表第II族(2族および12族)金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表III族(3族および13族)金属の酸化物、水酸化物、カルボン酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、周期表第IV族(4族および14族)金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸塩等の金属化合物が挙げられる。
MgXZnYAlZ(OH)(2(X+Y)+3Z−2)CO3・wH2O(II)
[式中、XとYはそれぞれX+Y=1〜10の関係を有する0〜10の実数、Zは1〜5の実数、wは0〜10の実数をそれぞれ示す。]
本発明の半導電性ゴム組成物の製造方法としては、従来ポリマー加工の分野において利用されている任意の手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を用いることができる。
本発明の半導電性ゴム組成物を加硫してなる半導電性加硫ゴム材料は、前記半導電性ゴム組成物を通常100〜200℃に加熱する事で得られ、加硫時間は温度により異なるが、0.5〜300分の間で行われるのが通常である。加硫成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、エアーバス、赤外線あるいはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
尚、実施例、比較例で用いた配合剤を以下に示す。
※1 大内新興化学株式会社製 チアゾール系加硫促進剤「ノクセラーDM」
※2 大内新興化学株式会社製 チウラム系加硫促進剤「ノクセラーTS」
得られたポリエーテル共重合体の共重合組成について、塩素含有量、ヨウ素価および1H−NMRスペクトルにより求める。
塩素含有量はJIS K7229に記載の方法に従い、電位差滴定法によって求めた。
電位差滴定は電極に複合銀電極C−878を備えた京都電子工業株式会社製AT−420N電位差滴定装置を用いて行い、得られた塩素含有量からエピクロロヒドリンユニットのモル分率を算出する。
ヨウ素価はJIS K6235に準じた方法で測定した。共栓付きフラスコにサンプル約0.70gとクロロホルム80mLを加えて40℃に加熱してサンプルを溶解させた後、ウィイス試薬20mLと酢酸ナトリウム水溶液10mLを加えてよく振り混ぜ、暗所で20分間静置する。次に20%ヨウ化カリウム水溶液5mLを加えてよく振り混ぜる。その後、微量複合白金電極(酸化還元滴定)を備えた自動滴定装置を用いて0.1N−チオ硫酸ナトリウム水溶液で電位差滴定を行い、得られたヨウ素価から不飽和基を含有するモノマーユニット(エチレン性不飽和基含有モノマーユニット又は不飽和基を含有する場合の一般式(I)で表されるモノマーユニット)のモル分率を算出する。
1H−NMRスペクトルは重水素化クロロホルムを溶媒に用いてJEOL GSX270 FT−NMR Spectrometerで測定し、エチレン性不飽和基含有モノマーユニットと一般式(I)で表されるモノマーユニットとのプロトン比から一般式(I)で表されるモノマーユニットのモル分率を算出する。
アルキレンオキサイドのモル分率は、一般式(I)で表されるモノマーユニットのモル分率、エピクロロヒドリンユニットのモル分率、エチレン性不飽和基含有モノマーユニットのモル分率より算出する。
また、ポリエーテル共重合体のムーニー粘度(ML1+4)は、JIS K6300に記載の方法に従い、Lローターを用いて100℃で測定を行う。
ポリエーテル共重合体を表1に示す各配合剤とともにオープンロールで混練りし、170℃で15分プレス加硫し2mm厚の加硫シートを得て、各条件の体積固有抵抗を測定する。
加硫シートを10℃/15%RH、23℃/50%RH、35℃/85%RH環境下にて状態調整を行った後、JIS K6271に準拠し、二重リング電極を用いた三菱油化株式会社製ハイレスタを用いて、10V印加、1分後の体積固有抵抗を測定する。
体積抵抗率の環境依存性は低温低湿環境での体積固有抵抗と高温高湿環境での体積固有抵抗の対数をとり、その差で定義する。環境依存性(LL/HH [log])は、log10(10℃×15%RHの体積固有抵抗)−log10(35℃×85%RHの体積固有抵抗) で算出する。なお、LL/HH [log]が低い方が環境変動に対しての体積固有抵抗の変動が小さいことを示す。
内容量10LのSUS反応器(温度計および攪拌装置付き)の内部を窒素置換し、上記の有機錫−リン酸エステル縮合物触媒3.6g、水分10ppm以下のノルマルヘキサン2.3kg、ジエチレングリコールプロピルグリシジルエーテル150g、エチレンオキシド(以下EOと略称)310gの1/3量、エピクロルヒドリン(以下EPと略称)220g、アリルグリシジルエーテル(以下AGEと略称)61gを仕込み、20℃にて20時間反応させた。尚、反応時間3時間目と6時間目に各々EO310gの1/3量を添加した。反応溶液を除去した後、減圧下60℃にて8時間乾燥し、ポリマー(1)を得た。得られたポリマー(1)は上記の重合体の分析においてポリマー組成を決定し、ムーニー粘度を測定した。上記の体積固有抵抗の測定方法により、加硫シートとして10℃/15%RH、23℃/50%RH、35℃/85%RH環境下における体積固有抵抗を測定し、環境依存性を計算した。結果は表2に示す。
ジエチレングリコールプロピルグリシジルエーテルの代わりにジエチレングリコールブチルグリシジルエーテルを用い、使用するジエチレングリコールブチルグリシジルエーテル、EO、EP、AGEの量を各260g、230g、210g、62gに変えた以外は、実施例1と同様の条件でポリマー(2)を得た。得られたポリマー(2)は実施例1と同様に上記の重合体の分析においてポリマー組成を決定し、ムーニー粘度を測定した。また、上記の体積固有抵抗の測定方法により、加硫シートとして10℃/15%RH、23℃/50%RH、35℃/85%RH環境下における体積固有抵抗を測定し、環境依存性を計算した。結果は表2に示す。
ジエチレングリコールプロピルグリシジルエーテルの代わりにジエチレングリコールアリルグリシジルエーテルを用い、使用するジエチレングリコールアリルグリシジルエーテル、EO、EP、AGEの量を各220g、330g、200g、0gに変えた以外は、実施例1と同様の条件でポリマー(3)を得た。得られたポリマー(3)は実施例1と同様に上記の重合体の分析においてポリマー組成を決定し、ムーニー粘度を測定した。また、上記の体積固有抵抗の測定方法により、加硫シートとして10℃/15%RH、23℃/50%RH、35℃/85%RH環境下における体積固有抵抗を測定し、環境依存性を計算した。結果は表2に示す。
ジエチレングリコールプロピルグリシジルエーテルを使用せず、使用するEO、EP、AGEの量を各390g、270g、85gに変えた以外は、実施例1と同様の条件でゴム状ポリマー(4)を得た。得られたポリマー(4)は実施例1と同様に上記の重合体の分析においてポリマー組成を決定し、ムーニー粘度を測定した。また、上記の体積固有抵抗の測定方法により、加硫シートとして10℃/15%RH、23℃/50%RH、35℃/85%RH環境下における体積固有抵抗を測定し、環境依存性を計算した。結果は表2に示す。
ジエチレングリコールプロピルグリシジルエーテルを使用せず、使用するEO、EP、AGEの量を各270g、410g、75gに変えた以外は、実施例1と同様の条件でゴム状ポリマー(5)を得た。得られたポリマー(5)は実施例1と同様に上記の重合体の分析においてポリマー組成を決定し、ムーニー粘度を測定した。また、上記の体積固有抵抗の測定方法により、加硫シートとして10℃/15%RH、23℃/50%RH、35℃/85%RH環境下における体積固有抵抗を測定し、環境依存性を計算した。結果は表2に示す。
ジエチレングリコールプロピルグリシジルエーテルの代わりにジエチレングリコールフェニルグリシジルエーテルを用い、使用するジエチレングリコールフェニルグリシジルエーテル、EO、EP、AGEの量を各170g、300g、220g、59gに変えた以外は、実施例1と同様の条件でゴム状ポリマー(6)を得た。得られたポリマー(6)は実施例1と同様に上記の重合体の分析においてポリマー組成を決定し、ムーニー粘度を測定した。また、上記の体積固有抵抗の測定方法により、加硫シートとして10℃/15%RH、23℃/50%RH、35℃/85%RH環境下における体積固有抵抗を測定し、環境依存性を計算した。結果は表2に示す。
ジエチレングリコールプロピルグリシジルエーテルの代わりにジエチレングリコールドデシルグリシジルエーテルを用い、使用するジエチレングリコールドデシルグリシジルエーテル、EO、EP、AGEの量を各280g、250g、180g、49gに変えた以外は、実施例1と同様の条件でゴム状ポリマー(7)を得た。得られたポリマー(7)は実施例1と同様に上記の重合体の分析においてポリマー組成を決定し、ムーニー粘度を測定した。また、上記の体積固有抵抗の測定方法により、加硫シートとして10℃/15%RH、23℃/50%RH、35℃/85%RH環境下における体積固有抵抗を測定し、環境依存性を計算した。結果は表2に示す。
従って、表2より本発明のポリエーテル共重合体は適度なムーニー粘度を有しているために加工性に優れ、ポリエーテル共重合体を含む半導電性ゴム組成物を加硫してなる半導電性ゴム材料は、電気抵抗値が低く、耐環境性に優れ、周囲の環境条件の変化によっても、安定した電気抵抗値を示していることが分かる。
Claims (8)
- (2)アルキレンオキサイドがエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドから選択される少なくとも一つである請求項1記載のポリエーテル共重合体。
- (3)エピハロヒドリンがエピクロルヒドリン及び/又はエピブロモヒドリンである請求項1又は2に記載のポリエーテル共重合体。
- (4)エチレン性不飽和基含有モノマーがアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテルである請求項1〜3いずれかに記載のポリエーテル共重合体。
- 請求項1〜4いずれかに記載のポリエーテル共重合体を含有することを特徴とする加硫可能な半導電性ゴム組成物。
- 請求項5に記載の半導電性ゴム組成物を加硫してなる半導電性加硫ゴム材料。
- 請求項6に記載の半導電性加硫ゴム材料よりなる半導電性ゴムロール。
- 請求項6に記載の半導電性加硫ゴム材料よりなる半導電性ベルト。
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