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JP5456873B1 - 同期機制御装置 - Google Patents

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JP5456873B1
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Abstract

【課題】同期機の電気角速度や制御軸の方向が変化しても電流制御の安定性と応答性を向上できる同期機制御装置を提供する。
【解決手段】同期機3の電気角速度による変化と同期機3の制御軸方向の変化とに応じたγ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算した値を、それぞれγ軸電圧指令およびδ軸電圧指令に加算する電圧補償部13を備え、同期機が永久磁石同期機である場合の永久磁石磁束あるいは同期機が巻線界磁型である場合に界磁巻線に電流を通流した時に発生する磁束を界磁磁束と定義した時、電圧補償部13は、同期機3の電気角速度と定義された界磁磁束と該界磁磁束の発生方向であるd軸に対する前記γ軸の位相とを用いて、γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算する。
【選択図】図1

Description

この発明は、同期機を回転駆動する電力変換手段を備えた同期機制御装置に関するものである。
回転子に永久磁石を有する永久磁石同期電動機や回転子の磁気的突極性を利用してトルクを発生させるリラクタンス電動機等の同期機をインバータ等の電力変換手段を有する同期機制御装置にて制御する際、従来は回転子に対して一定の位相方向に電機子電流ベクトルが向くように制御することが広く行われている。例えば、従来の永久磁石同期機では、電機子電流ベクトルを回転子の永久磁石磁束軸と直交する方向に制御し、所望のトルクに比例して電機子電流ベクトルの絶対値を制御する。
また、前記リラクタンス電動機は、電機子電流ベクトルの絶対値と出力トルクとが比例せず、従来の制御方式では高精度なトルク制御が難しいことが知られている。
さらに、永久磁石同期電動機の回転速度が上昇すると、永久磁石磁束による誘起電圧に起因して電機子電圧が上昇し、該誘起電圧がインバータ等の電力変換手段の出力可能な電圧を超えるため、これを防ぐため永久磁石磁束軸方向に弱め電流と呼ばれる負の電機子電流ベクトルを発生させて電機子鎖交磁束を小さくする弱め磁束制御が行われる。
ただし、弱め電流が同じでも出力トルクが異なると電機子電圧は変化するため、トルクの大きさに応じて電機子電圧を所望の値に制御することは、従来の制御方式は困難であった。
このような課題の解決を図った同期機制御装置の一例として、例えば、特許第4531751号公報(特許文献1)に示されるものがある。
特許文献1に示されている同期機制御装置は、トルク指令と磁束指令とから電機子電流指令のトルク成分であるトルク電流指令を演算するトルク電流演算器、電機子電流が電力変換手段の電流制限値を越えないよう電機子電流指令の磁化成分である磁化電流指令と前記電流制限値とに基づいて発生可能なトルク電流指令最大値とを発生するトルク電流制限生成器、前記トルク電流指令最大値に基づいてトルク電流指令に制限を加えるリミッタの3つの構成要素とから成るトルク電流指令生成器と、該トルク電流指令生成器からのトルク電流指令に基づいて磁束指令を演算する磁束指令生成器と、同期機の電機子電流または電機子電流および電機子電圧に基づいて電機子鎖交磁束を演算する磁束演算器と、磁束指令と前記電機子鎖交磁束とが一致するように磁化電流指令を作成してトルク電流指令生成器に入力する磁束制御器とを備えている。
特許文献1の同期機制御装置は、磁束指令と磁化電流指令とを参照しながらトルク電流指令を算出することで電力変換手段の出力電流の制限を考慮するとともに、トルク電流指令を参照しながら磁束指令を算出するので、前記の出力電流制限によるトルク電流指令の変動を反映した好適な磁束指令を生成することを可能とするものである。
特許第4531751号公報
特許文献1に示されている同期機制御装置では、電圧指令値を算出する際に電機子電流を所望の電機子電流指令に一致させるように、実電流値と電流指令とのみに基づいて周知のPI(比例積分)制御などによって電流制御演算を実施している。
そのため、電流変化の小さい定常状態における電流制御の安定性と応答性は確保できるものの、電機子電流が大きく変化したり、電機子電流以外の電気角速度が変化した場合に、電流制御の安定性と応答性が低下する恐れがある。
特に、電機子鎖交磁束の発生方向により、同期機の電気角速度で回転する回転子上に固定した軸(後述のdq軸)に対して制御軸の方向が常に変化するため、安定性と応答性をより確実にするためには、電気角速度の変化に加え、該制御軸の方向の変化も考慮しなければならない。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、電気角速度はもとより、制御軸の方向が変化した場合の電流制御の安定性と応答性とを向上させることを目的としている。
この発明に係る同期機制御装置は、同期機の電機子鎖交磁束の発生方向であるγ軸および前記γ軸と直交する方向であるδ軸の二軸(γδ軸)上で前記同期機を制御する同期機制御装置において、前記同期機の電気角速度による変化と前記電気角速度で回転する回転子上に固定した軸に対する前記同期機の制御軸方向の変化とに応じたγ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算した値を、それぞれγ軸電圧指令およびδ軸電圧指令に加算する電圧補償部を備え、前記同期機が永久磁石同期機である場合の永久磁石磁束あるいは前記同期機が巻線界磁型である場合に界磁巻線に電流を通流した時に発生する磁束を界磁磁束と定義した時、前記電圧補償部は、前記同期機の電気角速度と、定義された前記界磁磁束と、前記界磁磁束の発生方向であるd軸に対する前記γ軸の位相とを用いて、前記γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算するものである。
本発明によれば、同期機の電気角速度や制御軸の方向が変化した場合でも電流制御の安定性と応答性とを向上させることができる同期機制御装置を提供できる。
本発明の実施の形態1による同期機制御装置、電源および同期機とを含めた同期機制御システムの一例を示す構成図である。 実施の形態1における磁束演算器の構成の一例を示す図である。 実施の形態1における磁束演算器の他の構成例を示す図である。 実施の形態1における電流指令生成器の構成例を示す図である。 実施の形態1における電圧補償部の構成の一例を示す図である。 実施の形態1における電圧補償部の他の構成例を示す図である。 実施の形態1における電圧補償部の他の構成例を示す図である。 実施の形態1における電圧補償部の他の構成例を示す図である。 実施の形態1における電圧補償部の他の構成例を示す図である。 実施の形態2による同期機制御装置、電源および同期機とを含めた同期機制御システムの一例を示す構成図である。 実施の形態2における電圧補償部の構成の一例を示す図である。 実施の形態2における電圧補償部の他の構成例を示す図である。 実施の形態2における電圧補償部の他の構成例を示す図である。 実施の形態2における電圧補償部の他の構成例を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の一実施の形態例について説明する。
なお、各図間において、同一符号は、同一あるいは相当のものであることを表す。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による同期機制御装置、電源および同期機を含めた同期機制御システムの一例を示す構成図である。
以下、実施の形態1における同期機制御装置1の構成および各構成要素の機能について説明する。
まず、電力変換手段15の出力側から順に説明し、以降、電力変換手段15の入力側となる電圧指令の生成までの流れについて説明する。
本実施の形態における「同期機を駆動する同期機制御装置」の構成においては、電源2から供給される電力を多相交流電力へ変換する機能を有するインバータをはじめとする電力変換手段15と同期機3の電機子巻線とが接続されている。
そして、後述の構成によるγδ→UVW座標変換器14により得られる電圧指令vu*、vv*、vw* に基づいて、電力変換手段15は同期機3に電圧を印加し、同期機3を駆動する。その結果、同期機3の電機子巻線に出力電流が発生する。
なお、電源2は、直流電圧を出力する電源あるいは電池であり、単相あるいは三相の交流電源から周知のコンバータによって直流電圧を得るものも電源2の実施例として含まれる。
同期機3の出力電流である電機子巻線の電流(以下電機子電流と表記)は、電流センサをはじめとする電流検出手段16によって検出される。
なお、電流検出手段16は、「同期機3が三相回転機の場合、同期機3の三相の出力電流の内、全相の出力電流を検出する構成」、あるいは、「1つの相(例えばw相)の出力電流iwについては、検出した2つの相の出力電流iu、ivを用いてiw=−iu−ivの関係から求めるようにして、2つの相の出力電流を検出する構成」でも良い。
さらに、「各相の電流を直接検出する方法」以外に、周知の技術である「電源2と電力変換手段15との間を流れるDCリンク電流から前記出力電流を検出する方法」でも良い。
位置検出手段18は、周知のレゾルバやエンコーダ等を用いて同期機3の回転子位置θを検出する。
速度演算器20は、検出した回転子位置θに基づいて微分演算を行い、同期機3の電気角速度ωを算出する。
本発明では、同期機3が永久磁石同期機である場合、永久磁石磁束を界磁磁束と定義し、また、同期機が巻線界磁型である場合、界磁巻線に電流を通流した時に発生する磁束を界磁磁束と定義する。
同期機3の回転子位置θとは、u相電機子巻線を基準に取った軸に対する前記界磁磁束(すなわち、定義された界磁磁束)のN極方向の角度を指し、同期機1の回転速度(電気角周波数)ωで回転する回転二軸座標(以下dq軸と表記)のd軸は前記界磁磁束のN極方向に定め、以下の説明もこれに従う。q軸はd軸に対して90°進んだ直交方向に定める。
なお、本発明では、電機子鎖交磁束の発生方向をγ軸、γ軸に対して90°進んだ直交方向をδ軸とし、以下γ軸とδ軸の二軸を総称してγδ軸と表記する。
磁束演算器19は、少なくとも電流検出手段16で検出した同期機3の出力電流iu、iv、iwと後述のγδ→UVW座標変換器14により得られる電圧指令vu*、vv*、vw* に基づいて、電機子鎖交磁束の推定値(以下、推定電機子鎖交磁束と表記)、具体的には、推定電機子鎖交磁束の絶対値|Φ|と推定電機子鎖交磁束の位相∠Φとを推定する。推定電機子鎖交磁束の位相∠Φとは、d軸に対する推定電機子鎖交磁束の方向(推定γ軸方向)の角度を指す。
図2は、実施の形態1における磁束演算器19の構成図の一例である。
図2において、UVW→dq座標変換器101は次の式(1)の演算により、同期機3の出力電流iu、iv、iwを回転子位置θに基づいてdq軸上の電流id、iqに変換する。
電流型磁束演算器102では、まず次の式(2)の演算により、dq軸推定鎖交磁束Φd、Φqを算出する。
ここで、Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、Φm:同期機の界磁磁束
を表す。
そしてdq軸推定鎖交磁束Φd、Φqから、次式の演算により、推定電機子鎖交磁束の絶対値|Φ|と推定電機子鎖交磁束の位相∠Φとを算出し、出力する。
また、図1において、前記磁束演算器19の代わりに以下に示す磁束演算器19aを用いても良い。
図3は、実施の形態1における磁束演算器の他の構成例を示す図である。
磁束演算器19aは、前記磁束演算器19における電流型磁束演算器102の代わりに電圧型磁束演算器104を有する。
図3において、UVW→dq座標変換器103は、次の式(5)の演算により、電圧指令vu*、vv*、vw*を回転子位置θに基づいてdq軸上の電圧指令vd*、vq*に変換する。
ただし、式(5)において電流検出手段16で検出された同期機3の電機子電流iu、iv、iwの値に基づく制御演算が、電力変換手段15から出力される三相電圧vu、vv、vwに反映されるまでの制御演算遅れ時間(無駄時間)を考慮し、回転子位置θに対し、前記制御演算遅れ時間に基づく位相補正量θd1分補正した位相で座標変換しても良い。
電圧型磁束演算器104では、まず、dq軸推定鎖交磁束Φd、Φqを算出する。
ここで、Rは同期機の電機子巻線の抵抗を表す。
そしてdq軸推定鎖交磁束Φd、Φqから、式(3)、式(4)の演算により、推定電機子鎖交磁束の絶対値|Φ|と推定電機子鎖交磁束の位相∠Φとを算出し、出力する。
図2に示した電流型磁束演算器102を有する磁束演算器19は、回転速度にかかわらず磁束の推定が可能であるが、磁束推定にインダクタンス値を使用するので、磁気飽和等による同期機3の特性変動の影響を受けやすい。
一方、図3に示した電圧型磁束演算器104を有する磁束演算器19aは、インダクタンス値を用いないので同期機3の特性変動の影響を受けにくいが、回転速度が小さい、あるいは、電機子電圧が低い場合には、外乱等の影響によって推定精度が低下することがある。
これらの問題を解決する方法として、電流型磁束演算器102と電圧型磁束演算器104とを併用して、回転速度が小さい、あるいは電圧指令(変調率)が小さい領域では電流型磁束演算器102を主に使用し、これらが上昇すると電圧型磁束演算器104を主に使用するように、磁束演算器を切り換える方法を用いても良い。
さらに、細やかな切り換えを行えるように、回転速度ωあるいは電圧指令(変調率)を参照した重み付けを行いながら前記2種類の磁束演算器の出力を平均化するなどの方法を用いても良い。
以上、電力変換手段15の出力側の動作について説明した。以降、電力変換手段15の入力側となる電圧指令の生成までの流れについて順に説明する。
UVW→γδ座標変換器17は、同期機3の出力電流iu、iv、iwを次の式(7)の演算により、γδ軸上の電流(検出値)iγ、iδに変換する。
電流指令生成器11は、トルク指令値τ*、PN間電圧Vpn、電気角速度ω、電機子鎖交磁束の絶対値|Φ|より、γδ軸電流指令値iγ*、iδ*を算出する。
図4は、実施の形態1における電流指令生成器の構成例を示す図である。
電流指令生成器11は、トルク電流指令生成器201、磁束指令生成器202と、磁束制御器203とから構成される。
トルク電流指令生成器201は、同期機制御装置外部から与えられるトルク指令τ*と後述の磁束指令調整器24から出力される電機子鎖交磁束指令Φ*とに基づいて、次の式(8)により、トルク電流指令iδ*を算出する。
ここで、Pm:同期機3の極対数を表す。
磁束指令生成器202は、入力されたトルク電流指令iδ*に対して好適な電機子鎖交磁束指令Φ*を出力する。なお、出力する磁束指令Φ*は、(同期機1の電機子巻線の)電流ベクトルiの絶対値|i|一定の条件下において、最大のトルクを出力するような磁束指令でも良いし、同期機3を動作させる上で発生する損失(銅損、鉄損、機械損などを含む)を最小とするような磁束指令でもよい。
磁束制御器203は、(電機子鎖交)磁束誤差ΔΦが0になるよう調整し、磁束誤差ΔΦに基づいて磁化電流指令iγ*を生成する。磁束誤差ΔΦは、推定電機子鎖交磁束の絶対値|Φ|を磁束指令生成器202により生成される電機子鎖交磁束指令Φ*から減じて算出される値であり、該演算式は次の式(9)となる。
γ軸電流iγは同期機の磁化成分である磁化電流であるので、γ軸電流により電機子鎖交磁束を操作することができる。具体的には、磁化電流の増減量と電機子鎖交磁束の増減量はγ軸方向インダクタンスLγを比例係数にして比例関係となり、磁束誤差ΔΦが0になるよう調整するための制御器としては直達項を持たない積分器が好適であり、次の式(10)のような積分制御演算を用いて、磁化電流指令iγ*を生成する。
ここで、Kf:磁束制御器の積分項ゲイン、s:ラプラス演算子を表す。
電流制御器12は、γδ軸電流指令iγ*、iδ*とγδ軸電流iγ、iδとの偏差に基づいて、次の式(11)に示す比例積分制御(PI制御)を行い、PI制御に基づくγδ軸電圧指令vγ*pi、vδ*piを生成する。
ここで、Kpγ:電流制御γ軸比例ゲイン、Kiγ:電流制御γ軸積分ゲイン、Kpδ:電流制御δ軸比例ゲイン、Kiδ:電流制御δ軸積分ゲインを表す。
電圧補償部13は、前記PI制御に基づくγδ軸電圧指令vγ*pi、vδ*piに対して、電気角速度ωやd軸に対する制御軸(すなわちγ軸)の角度である推定電機子鎖交磁束の位相∠Φの変化によるγδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを補償し、補償後のγδ軸電圧指令vγ*、vδ*を算出し、出力する。
以下、前記γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deの導出について説明する。
d軸電圧vdq軸電圧 vq は以下の式(12)により表される。
ここで、p:微分演算子(=d/dt)を表す。
式(12)において、id、iqの時間変化が小さい場合、vd、vq は以下の式(13)に
より表される。
γ軸電圧 vγ、δ軸電圧 vδは以下の式(14)により表される。
式(14)に式(13)のvd、vqを代入すると、vγ、vδは、以下の式(15)により表される。
γ軸電流iγ、δ軸電流iδは、以下の式(16)により表される。
式(16)より、vγ、vδは、以下の式(17)により表される。
ここで、
とおくと、vγ、vδは、以下の式(19)により表される。
式(19)より、前記PI制御に基づくγδ軸電圧指令vγ*pi、vδ*piに対して、補償すべきγδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを、例えば次の式(20)により定義する。
補償すべきγδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを式(20)とすることにより、d軸に
対して制御軸(γ軸)の方向が変化した場合の電流制御の安定性と応答性とを向上させることができる。
図5は、実施の形態1における電圧補償部の構成図の一例である。
電圧補償部13は、界磁磁束記憶器301と、γ軸電圧補償器302と、δ軸電圧補償器303とから構成される。
界磁磁束記憶器301は、同期機の界磁石磁束Φmを記憶している。
γ軸電圧補償器302とδ軸電圧補償器303は、式(20)に基づいて、γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する。
γδ→uvw座標変換器14は、電圧補償部13による補償後のγδ軸電圧指令vγ*、vδ*を、次の式(21)に基づいて、uvw相電圧指令vu*、vv*、vw* へ座標変換する。
ただし、式(21)において電流検出手段5で検出された同期機3の出力電流iu、iv、iwの値に基づく制御演算が電力変換手段4から出力される三相電圧vu、vv、vwに反映されるまでの制御演算遅れ時間(無駄時間)を考慮し、(θ+∠Φ)に対し、前記制御演算遅れ時間に基づく位相補正量θd2分補正した位相で座標変換しても良い。
電力変換手段15は、前記の通り、電圧指令vu*、vv*、vw*に基づいて同期機3に電圧vu、vv、vwを印加する。
本実施の形態によれば、電気角速度ωやd軸に対する制御軸(すなわちγ軸)の角度である推定電機子鎖交磁束の位相∠Φの変化に応じたγδ軸電圧の変化分を補償するので、特許文献1の同期機制御装置と比較して電流制御安定性と応答性とが向上する。
さらに、実際のγδ軸電流(検出値)の変化をも考慮することにより、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の応答性がより向上する。
図6は、実施の形態1における電圧補償部の他の構成例を示す図であって、前記電圧補償部13とは異なる構成の電圧補償部13aを示している。
電圧補償部13aは、界磁磁束記憶器301と、γ軸電圧補償器302aと、δ軸電圧補償器303aと、δ軸インダクタンス記憶器304と、γ軸インダクタンス記憶器305とから構成される。
δ軸インダクタンス記憶器304、γ軸インダクタンス記憶器305は、それぞれδ軸インダクタンスLδ、γ軸インダクタンスLγを記憶している。
γ軸電圧補償器302aと、δ軸電圧補償器303aは、次の式(22)に基づいて、γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する。
γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deに、式(22)の右辺第1項の「−ω・Lδ・iδ」、「ω・Lγ・iγ」を含めることにより、電圧補償部13を用いる場合と比較して、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の応答性がより向上する。
また、γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する際に、γδ軸電流(検出値)の代わりに、検出時のノイズ等の影響を受けないγδ軸電流指令値を用いてもよい。
図7は、実施の形態1における電圧補償部の他の構成例を示す図であって、前記電圧補償部13、電圧補償部13aとは異なる構成の電圧補償部13bを示している。
電圧補償部13bは、界磁磁束記憶器301と、γ軸電圧補償器302bと、δ軸電圧補償器303bと、δ軸インダクタンス記憶器304と、γ軸インダクタンス記憶器305とから構成される。γ軸電圧補償器302bと、δ軸電圧補償器303bは、次の式(23)に基づいて、γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する。
γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deの算出に、検出ノイズ等の影響を受けないγδ軸電流指令値を用いることにより、電圧補償部13を用いる場合と比較して、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の安定性がより向上する。
また、γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する際に、γδ軸電流(検出値)の代わりに、iγとiγ*との重み平均値と、iδとiδ*との重み平均値とを用いてもよい。
図8は、実施の形態1における電圧補償部の他の構成例を示す図であって、前記電圧補償部13、電圧補償部13a、電圧補償部13bとは異なる構成の電圧補償部13cを示している。
電圧補償部13cは、界磁磁束記憶器301と、γ軸電圧補償器302cと、δ軸電圧補償器303cと、δ軸インダクタンス記憶器304と、γ軸インダクタンス記憶器305と、δ軸電流重み係数記憶器306と、数値記憶器307、307aと、γ軸電流重み係数記憶器308とから構成される。
δ軸電流重み係数記憶器306、γ軸電流重み係数記憶器308は、それぞれδ軸電流重み係数kδ、γ軸電流重み係数kγを記憶している。
数値記憶器307、307aは、1という数値を記憶している。
γ軸電圧補償器302cとδ軸電圧補償器303cは、次の式(24)に基づいてγδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する。
γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deの算出に、iγとiγ*との重み平均値と、iδとiδ*との重み平均値とを用いることにより、電圧補償部13を用いる場合と比較して、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の応答性と安定性の両方がより向上する。
また、式(18)に示すように、Lγ、Lδの値は、γδ軸電流iγ、iδ、dq電流id、iq、∠Φによって変化する値であるため、逐次Lγ、Lδの値を補正するような構成としてもよい。
図9は、実施の形態1における電圧補償部の他の構成例を示す図であって、前記電圧補償部13、電圧補償部13a〜電圧補償部13cとは異なる構成の電圧補償部13dを示している。
電圧補償部13dは、界磁磁束記憶器301と、γ軸電圧補償器302cと、δ軸電圧補償器303cと、δ軸電流重み係数記憶器306と、数値記憶器307、307aと、γ軸電流重み係数記憶器308と、δ軸インダクタンス演算器309と、γ軸インダクタンス演算器310とから構成される。
δ軸インダクタンス演算器309とγ軸インダクタンス演算器310は、それぞれトルク指令τ*や電気角速度ωを入力として、Lδ、Lγの値を演算して出力する。
Lγ、Lδの値は、式(18)に示すようにγδ軸電流iγ、iδ、dq電流id、iq、∠Φの複数のパラメータに基づく関数として表されるが、これら複数のパラメータの関数としてLγ、Lδの値を演算する代わりに、トルク指令τ*と電気角速度ωとよって変化する値と見なして、トルク指令τ*と電気角速度ωとを入力としてLγ、Lδの値を出力するようなテーブル、あるいは数式という形で前記δ軸インダクタンス演算器309と、γ軸インダクタンス演算器310とを実現する。該テーブルや数式は、予め解析や実測に基づいて作成しておく。
逐次Lγ、Lδの値を補正することにより、電圧補償部13cを用いる場合と比較して、電圧補償精度がより向上し、より電流制御の安定性と応答性とを向上できる。
以上説明したように、実施の形態1による同期機制御装置は、同期機3の電機子鎖交磁束の発生方向であるγ軸および前記γ軸と直交する方向であるδ軸の二軸(γδ軸)上で前記同期機3を制御する同期機制御装置において、前記同期機3の電気角速度による変化と前記電気角速度で回転する回転子上に固定した軸に対する前記同期機の制御軸方向の変化とに応じたγ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算した値を、それぞれγ軸電圧指令およびδ軸電圧指令に加算する電圧補償部13を備え、前記同期機3が永久磁石同期機である場合の永久磁石磁束あるいは前記同期機3が巻線界磁型である場合に界磁巻線に電流を通流した時に発生する磁束を界磁磁束と定義した時、前記電圧補償部13は、前記同期機3の電気角速度と、定義された前記界磁磁束と、前記界磁磁束の発生方向であるd軸に対する前記γ軸の位相とを用いて、前記γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算する。
従って、従来例と比較して、電気角速度、同期機の電気角速度で回転する回転子上に固定した軸に対する制御軸の方向の変化に応じたγ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を補償することが可能となり、同期機制御装置電流制御の安定性と応答性とが向上する。
また、電圧補償部13a(図6参照)は、γδ軸上のインダクタンスとγδ軸上の電流検出値を用いて、γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算する。
従って、図5に示した電圧補償部13を用いた場合と比較して、実際のγδ軸電流値の変化をも考慮することが可能となり、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の応答性がより向上する。
また、電圧補償部13b(図7参照)は、γδ軸上のインダクタンスとγδ軸上の電流指令値を用いて、γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算する。
従って、図5に示した電圧補償部13を用いた場合と比較して、検出ノイズの影響が無いγδ軸上の電流指令値を用いながら、γδ軸電流値の変化を考慮することが可能となり、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の安定性がより向上する。
また、電圧補償部13c(図8参照)は、γδ軸上のインダクタンスと、γδ軸上の電流検出値とγδ軸上の電流指令値との重み平均値を用いて、γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算する。
従って、図5に示した電圧補償部13を用いた場合と比較して、γδ軸上の電流検出値と電流指令値との両方を用いてγδ軸電圧の変化分を演算することが可能となり、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の応答性と安定性の両方がより向上する。
また、電圧補償部13d(図9参照)は、電気角速度とトルク指令とに基づいてLγ、Lδの値を補正する。
従って、図6〜図8に示した電圧補償部を用いた場合と比較して、γδ軸上のインダクタンスの値が一定ではない場合において、トルク指令や電気角速度に応じて逐次γδ軸上のインダクタンスの値を補正することが可能となり、電圧補償精度がより向上し、電流制御の安定性と応答性とを向上できる。
実施の形態2.
前述した実施の形態1における同期機制御装置では、γδ軸インダクタンスLγ、Lδが一定値でない場合において、予め解析や実測に基づいて作成したテーブルあるいは数式に基づいて、トルク指令τ*や電気角速度ωの値からLγ、Lδの値を算出し、逐次Lγ、Lδの値を補正している。
しかしながら、トルク指令τ*や電気角速度ωの値からLγ、Lδの値を算出するための前記テーブルあるいは数式を予め解析や実測に基づいて作成することは容易ではなく、多くの工数を要する。
一般的に、dq軸上のインダクタンスLd、Lqは、dq軸電流id、iqのみに依存して変化することが多く、さらに、飽和の影響を無視すれば一定値として扱うことができ、γδ軸上のインダクタンスLγ、Lδと比較して演算処理上扱い易い。
このことを鑑み、実施の形態2では、dq軸上のインダクタンスLd、Lqを用いて、前記γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する構成とする。
図10は、実施の形態2における同期機制御装置1aと電源2と同期機3とを含めた同期機制御システムを示すものである。
実施の形態2における同期機制御装置1aの構成は、実施の形態1における同期機制御装置1の構成とほぼ同じであるが、磁束演算器19の出力信号としてdq軸電流id、iqが追加されていることと、γδ→dq座標変換器21が追加されていることと、電圧補償部13eの構成が異なる。
γδ→dq座標変換器21は、γδ軸電流指令iγ*、iδ*をdq軸電流指令id*、iq* へ座標変換する。
図11は、実施の形態2における電圧補償部13eの構成図の一例である。
電圧補償部13eは、界磁磁束記憶器301と、γ軸電圧補償器302eと、δ軸電圧補償器303eと、d軸インダクタンス記憶器311と、q軸インダクタンス記憶器312とから構成される。
d軸インダクタンス記憶器311、q軸インダクタンス記憶器312は、それぞれd軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqを記憶している。
γ軸電圧補償器302eと、δ軸電圧補償器303eは、次の式(26)の演算により前記γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する。
本実施の形態によれば、電気角速度ωやd軸に対する制御軸(すなわちγ軸)の角度である推定電機子鎖交磁束の位相∠Φの変化に応じたγδ軸電圧の変化分を補償する際、実際のdq軸電流(検出値)の変化をdq軸インダクタンスに基づいて考慮することにより、前記テーブルあるいは数式を予め解析や実測に基づいて作成する工数が減少し、演算処理も容易となるとともに、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の応答性もより向上する。
また、γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する際に、dq軸電流(検出値)の代わりに、検出時のノイズ等の影響を受けないdq軸電流指令値を用いてもよい。
図12は、実施の形態2における電圧補償部の他の構成例を示す図であって、前記電圧補償部13eとは異なる電圧補償部13fの構成を示している。
電圧補償部13fは、界磁磁束記憶器301と、γ軸電圧補償器302fと、δ軸電圧補償器303fと、d軸インダクタンス記憶器311と、q軸インダクタンス記憶器312とから構成される。
γ軸電圧補償器302fと、δ軸電圧補償器303fとは、次式の演算により前記γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する。
電圧補償部13fを用いてγδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出することにより、電圧補償部13を用いる場合と比較して、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の安定性がより向上する。
また、電圧補償部13eを用いた場合と同様に、前記γδ軸上のインダクタンスを補正するためのテーブルあるいは数式を予め解析や実測に基づいて作成する工数が減少し、演算処理も容易となる。
また、γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する際に、dq軸電流(検出値)の代わりに、idとid*の重み平均値とiqとiq*の重み平均値を用いてもよい。
図13は、実施の形態2における電圧補償部の他の構成例を示す図であって、前記電圧補償部13eとは異なる電圧補償部13gの構成を示している。
電圧補償部13gは、界磁磁束記憶器301と、γ軸電圧補償器302gと、δ軸電圧補償器303gと、数値記憶器307b、307cと、d軸インダクタンス記憶器311と、q軸インダクタンス記憶器312と、d軸電流重み係数記憶器313と、γ軸電流重み係数記憶器314とから構成される。
γ軸電圧補償器302gとδ軸電圧補償器303gは、次の式(28)の演算により前記γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する。数値記憶器307b、307cは、1という数値を記憶している。d軸電流重み係数記憶器313とq軸電流重み係数記憶器314は、それぞれd軸電流重み係数kd、q軸電流重み係数kqを記憶している。γ軸電圧補償器302gと、δ軸電圧補償器303gとは、次の式(28)の演算により前記γδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出する。
電圧補償部13gを用いてγδ軸電圧の変化分vγ*de、vδ*deを算出することにより、電圧補償部13を用いる場合と比較して、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の応答性と安定性の両方がより向上する。
また、電圧補償部13eを用いた場合と同様に、前記γδ軸上のインダクタンスを補正するためのテーブルあるいは数式を予め解析や実測に基づいて作成する工数が減少し、演算処理も容易となる。
また、一般的にdq軸電流id、iqが変化すると、磁束飽和の影響でdq軸インダクタンスLd、Lqは変化することから、磁気飽和の影響を考慮するような構成としても良い。
図14は、実施の形態2における電圧補償部の他の構成例を示す図であって、前記電圧補償部13eとは異なる電圧補償部13hの構成を示している。
電圧補償部13hは、界磁磁束記憶器301と、γ軸電圧補償器302gと、δ軸電圧補償器303gと、数値記憶器307b、307cと、d軸電流重み係数記憶器313と、γ軸電流重み係数記憶器314と、d軸インダクタンス演算器315と、q軸インダクタンス演算器316とから構成される。
d軸インダクタンス演算器315は、dq軸電流id、iqよりd軸インダクタンスLdを算出する。q軸インダクタンス演算器316は、dq軸電流id、iqよりq軸インダクタンスLqを算出する。d軸インダクタンス演算器315と、q軸インダクタンス演算器316は、例えばidとid*の重み平均値と、iqとiq*の重み平均値とを入力として、Ld、Lqの値を出力するようなテーブル、あるいは数式という形で実現する。
磁束飽和を考慮して逐次Ld、Lqの値を補正することにより、電圧補償部13gを用いる場合と比較して、電圧補償精度がより向上し、より電流制御の安定性と応答性の両方を向上できる。
以上説明したように、実施の形態2による同期機制御装置の電圧補償部13e(図11参照)は、電気角速度と、該電気角速度で回転する回転子上に固定し、界磁磁束の発生方向であるd軸およびd軸と直交する方向であるq軸の二軸(dq軸)上におけるインダクタンスと、dq軸上の電流検出値を用いて、γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算する。
従って、図5に示した電圧補償部13を用いた場合と比較して、実際のdq軸電流値の変化をも考慮することにより、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の応答性がより向上するとともに、図9に示した電圧補償部13dを用いた場合と比較して、電気角速度とトルク指令とに基づいてγδ軸上のインダクタンスを補正するためのテーブルあるいは数式を予め解析や実測に基づいて作成する工数が減少し、演算処理も容易となる。
また、電圧補償部13f(図12参照)は、dq軸上のインダクタンスと、dq軸上の電流指令値を用いて、γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算する。
従って、図5に示した電圧補償部13を用いた場合と比較して、検出ノイズの影響が無いdq軸上の電流指令値を用いながら、dq軸電流値の変化を考慮することにより、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の安定性がより向上するとともに、図11に示した電圧補償部13eを用いた場合と同様に、前記γδ軸上のインダクタンスを補正するためのテーブルあるいは数式を予め解析や実測に基づいて作成する工数が減少し、演算処理も容易となる。
また、電圧補償部13g(図13参照)は、dq軸上のインダクタンスとdq軸上の電流検出値とdq軸上の電流指令値との重み平均値を用いて、γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算する。
従って、図5に示した電圧補償部13を用いた場合と比較して、dq軸上の電流検出値と電流指令値との両方を用いてγδ軸電圧の変化分を演算することにより、電機子電流が大きく変化した時の電流制御の応答性と安定性の両方がより向上するとともに、図11に示した電圧補償部13eを用いた場合と同様に、γδ軸上のインダクタンスを補正するためのテーブルあるいは数式を予め解析や実測に基づいて作成する工数が減少し、演算処理も容易となる。
また、電圧補償部13h(図14参照)は、dq軸上の電流指令値とdq軸上の電流検出値の内の少なくても一つ以上を用いてd軸インダクタンスを演算するd軸インダクタンス演算器と、q軸インダクタンスを演算するq軸インダクタンス演算器とを備える。
従って、磁気飽和によりLd、Lqが変化する場合、図11、図12、図13に示した電圧補償部を用いた場合と比較して、dq軸インダクタンスLd、Lqが変化することを考慮してγ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を補償するので、電圧補償精度がより向上し、電流応答性も向上する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形省略することが可能である。
本発明は、同期機の電気角速度や制御軸の方向が変化した場合でも、電流制御の安定性と応答性とを向上させることができる同期機制御装置の実現に有用である。
1,1a 同期機制御装置 2 電源 3 同期機
11 電流指令生成器 12 電流制御器
13、13a〜13h 電圧補償部
14 γδ→uvw座標変換器 15 電力変換手段
16 電流検出手段 17 uvw→γδ座標変換器
18 位置検出手段 19、19a 磁束演算器
20 速度演算器 21 γδ→dq座標変換器
101 uvw→dq座標変換器 102 電流型磁束演算器
103 uvw→dq座標変換器 104 電圧型磁束演算器
201 トルク電流生成器 202 磁束指令生成器
203 磁束制御器 301 界磁磁束記憶器
302、302a〜302g γ軸電圧補償器
303、303a〜303g δ軸電圧補償器
304 δ軸インダクタンス記憶器 305 γ軸インダクタンス記憶器
306 δ軸電流重み係数記憶器
307、307a〜307c 数値記憶器
308 γ軸電流重み係数記憶器 309 δ軸インダクタンス演算器
310 γ軸インダクタンス演算器 311 d軸インダクタンス記憶器
312 q軸インダクタンス記憶器 313 d軸電流重み係数記憶器
314 q軸電流重み係数記憶器 315 d軸インダクタンス演算器
316 q軸インダクタンス演算器

Claims (9)

  1. 同期機の電機子鎖交磁束の発生方向であるγ軸および前記γ軸と直交する方向であるδ軸の二軸(γδ軸)上で前記同期機を制御する同期機制御装置において、
    前記同期機の電気角速度による変化と前記電気角速度で回転する回転子上に固定した軸に対する前記同期機の制御軸方向の変化とに応じたγ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算した値を、それぞれγ軸電圧指令およびδ軸電圧指令に加算する電圧補償部を備え、
    前記同期機が永久磁石同期機である場合の永久磁石磁束あるいは前記同期機が巻線界磁型である場合に界磁巻線に電流を通流した時に発生する磁束を界磁磁束と定義した時、
    前記電圧補償部は、前記同期機の電気角速度と、定義された前記界磁磁束と、前記界磁磁束の発生方向であるd軸に対する前記γ軸の位相とを用いて、前記γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算することを特徴とする同期機制御装置。
  2. 前記電圧補償部は、前記γδ軸上のインダクタンスと前記γδ軸上の電流検出値を用いて、前記γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算することを特徴とする請求項1に記載の同期機制御装置。
  3. 前記電圧補償部は、前記γδ軸上のインダクタンスと前記γδ軸上の電流指令値を用いて、前記γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算することを特徴とする請求項1に記載の同期機制御装置。
  4. 前記電圧補償部は、前記γδ軸上のインダクタンスと前記γδ軸上の電流検出値と前記γδ軸上の電流指令値との重み平均値を用いて、前記γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算することを特徴とする請求項1に記載の同期機制御装置。
  5. 前記電圧補償部は、前記電気角速度とトルク指令とに基づいて、前記γ軸上のインダクタンスおよびδ軸上のインダクタンスの値を補正することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の同期機制御装置。
  6. 前記電圧補償部は、前記電気角速度と、前記電気角速度で回転する回転子上に固定し、前記界磁磁束の発生方向であるd軸および前記d軸と直交する方向であるq軸の二軸(dq軸)上におけるインダクタンスと前記dq軸上の電流検出値を用いて、前記γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算することを特徴とする請求項1に記載の同期機制御装置。
  7. 前記電圧補償部は、前記dq軸上のインダクタンスと、前記dq軸上の電流指令値を用いて、前記γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算することを特徴とする請求項6に記載の同期機制御装置。
  8. 前記電圧補償部は、前記dq軸上のインダクタンスと、前記dq軸上の電流検出値と前記dq軸上の電流指令値との重み平均値を用いて、前記γ軸電圧とδ軸電圧の各々の変化分を演算することを特徴とする請求項6に記載の同期機制御装置。
  9. 前記電圧補償部は、前記dq軸上の電流指令値と前記dq軸上の電流検出値の内の少なくても一つ以上を用いてd軸インダクタンスを演算するd軸インダクタンス演算器と、q軸インダクタンスを演算するq軸インダクタンス演算器とを備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の同期機制御装置。
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