実施の形態1.
先ず、本実施の形態の概要を説明する。空気調和機(室内機)は、温度検出対象範囲を走査しながら温度を検出する赤外線センサを備え、赤外線センサにより熱源検知を行って人や発熱機器の存在を検知して、快適な制御を行うようにしている。
通常室内機は部屋の高所の壁に据付られるが、室内機が据付られる壁における左右の位置は、様々である。壁の左右方向の略中央に据付られる場合もあるし、室内機から見て右側又は左側の壁に接近して据付られる場合もある。以下、この明細書では、部屋の左右方向とは、室内機(赤外線センサ3)から見た左右方向と定義する。
図1乃至図56は実施の形態1を示す図で、図1、図2は空気調和機100の斜視図、図3は空気調和機100の縦断面図、図4は赤外線センサ3と受光素子の各配光視野角を示す図、図5は赤外線センサ3を収納する筐体5の斜視図、図6は赤外線センサ3付近の斜視図((a)は赤外線センサ3が右端端部へ可動した状態、(b)は赤外線センサ3が中央部へ可動した状態、(c)は赤外線センサ3が左端端部へ可動した状態)、図7は赤外線センサ3の縦断面における縦配光視野角を示す図、図8は主婦12が幼児13を抱いている部屋の熱画像データを示す図、図9はは空気調和機100の能力帯により規定された冷房運転時の畳目安ならびに広さ(面積)を示す図、図10は図9記載の能力毎の広さ(面積)の最大面積を用いることで、能力毎における床面の広さ(面積)を規定した図、図11は能力2.2kwにおける縦横の部屋形状制限値を示す図、図12は空気調和機100の能力帯にから求まる縦横距離条件を示す図、図13は能力2.2kw時の中央据付時条件を示す図、図14は能力2.2kw時の左コーナー据付時(使用者から見て)の場合を示す図、図15は空気調和機100の能力2.2kw時に、リモコンの据付位置ボタンが中央に設定された際の熱画像データ上の床面と壁面との位置関係を示す図、図16は温度ムラによる部屋形状の算出フローを示す図、図17は図15の熱画像データ上にて壁面と床面との境界となる上下の画素間を示す図、図18は図17にて設定した境界線60の位置に対し、下方向に1画素そして上方向に2画素の合計3画素間において上下画素間の生じている温度を検知する図、図19は画素検知領域内において、温度ムラ境界を検知する温度ムラ境界検知部53により閾値を超えた画素、または、傾きの最大値を超えた画素を黒色にてマーキングしている図、図20は温度ムラによる境界線を検知した結果を示す図、図21は熱画像データ上において、境界線の下部に引かれた各素子の座標点(X,Y)を床面座標変換部55が床面座標点として変換し、床面18に投影した図、図22は能力2.2KW、リモコン中央据付条件時における初期設定条件での正面壁19位置付近の温度差を検知する対象画素の領域を示す図、図23は床面18に各熱画像データの境界線素子座標を投影した図21において、図22に示した正面壁19位置付近を検知する各素子の散布素子座標点の平均を求め正面壁19と床面18との壁面位置を求めた図、図24は人体検知位置履歴による部屋形状の算出フローを示す図、図25は直前の背景画像と人体の存在する熱画像データとの差分を行い、閾値A並びに閾値Bをもって人体の検知を判断する結果を示す図、図26は熱画像データ差分から求めた人体検知位置を床面座標変換部55にて座標変換を行った人位置座標(X,Y)点として、X軸、Y軸毎にカウント積算した様子を示す図、図27は人体位置履歴による部屋形状の判定結果を示す図、図28はL字型部屋形状のリビングにおける人体検知位置履歴の結果を示す図、図29は横方向X座標における、床面領域(X座標)に蓄積されたカウント数を示す図、図30は図29にて求めた床面領域(X座標)を領域A・B・Cと均等3分割を行い、蓄積された最大の蓄積数値がどこの領域に存在するかを求め、同時に各領域毎の最大値と最小値を求る図、図31は領域C内に蓄積データの最大蓄積数が存在する場合、最大蓄積数に対して90%以上のカウント数が領域内にγ本(0.3m毎に分解される領域の中の数)以上あることをもって判断する手段を示す図、図32は領域A内に蓄積データの最大蓄積数が存在する場合、最大蓄積数に対して90%以上のカウント数が領域内にγ本(0.3m毎に分解される領域の中の数)以上あることをもって判断する手段を示す図、図33はL字型部屋形状であると判断された場合、最大の蓄積数に対し50%以上の個所を求める図、図34は図33にて求めたL字型部屋形状の床面と壁面との境界点と閾値A以上におけるX座標、Y座標の床面領域から求めたL字型部屋形状の床面領域形状を示す図、図35は三つの情報を統合するフローを示す図、図36は能力2.8kw、リモコン据付位置条件中央にて温度ムラ検知による部屋形状の結果を示す図、図37は左壁面16までの距離が左壁最大の距離を超えている状態である場合は、左壁最大の位置まで縮小させた結果を示す図、図38は修正後の図37の部屋形状面積が面積最大値19m2以上に大きな場合は、正面壁19の距離を最大面積19m2になるまで下げて調整した結果を示す図、図39は左壁面までの距離が左壁最小に満たない場合に左壁最小の領域まで拡大することにより調整した結果を示す図、図40は修正後の部屋形状面積を算出することにより適正面積内にあるか否を判断する例を示す図、図41は各壁面間距離である、正面壁19までの距離Y座標Y_front、右壁面17のX座標X_right、左壁面16のX座標X_leftを求めた結果を示す図、図42は統合条件にて求められた正面壁19、左右壁(左壁面16、右壁面17)間のそれぞれの距離から求められた床面境界線上の各座標点を熱画像データに逆投影させた図、図43それぞれの各壁領域を太線で囲った図、図44は床面18の手前側領域に対して左右方向5分割の領域(A1、A2、A3、A4、A5)に分けた図、図45は床面の奥側領域に対して前後3分割の領域(B1、B2、B3)に分けた図、図46は計算式にて求めた輻射温度の一例を示す図、図47はカーテンの開閉状態を検知する動作のフローチャート図、図48は暖房運転時の右壁面の窓のカーテンが開いている状態のときの熱画像データを示す図、図49は図47に情報提示部を追加したフローチャート図、図50は表示部100aを有する空気調和機100の外観図、図51はリモコン200を示す平面図、図52はリモコン200側のガイダンス表示部220に表示される内容を示すフローチャート図、図53は暖房運転時において窓からの冷輻射の影響が大きいと空気調和機100が判断した場合のリモコン200のガイダンス表示部220に表示される表示内容を示す図、図54は冷房運転中に知らないうちに外気温度が室内設定温度より下がった場合のリモコン200のガイダンス表示部220に表示される表示内容を示す図、図55は赤外線センサ3より得られる省エネアドバイスの冷房・除湿運転時の詳細内容を示す図、図56は赤外線センサ3より得られる省エネアドバイスの暖房運転時の詳細内容を示す図である。
図1乃至図3により、空気調和機100(室内機)の全体構成を説明する。図1、図2共に、空気調和機100の外観斜視図であるが、見る角度が異なる点と、図1は上下フラップ43(上下風向制御板、左右に2個)が閉じているのに対して、図2は上下フラップ43が開き奥の左右フラップ44(左右風向制御板、多数)が見えている点とが異なる。
図1に示すように、空気調和機100(室内機)は、略箱状の室内機筺体40(本体と定義する)の上面に部屋の空気を吸い込む吸込口41が形成されている。
また、前面の下部に調和空気を吹き出す吹出口42が形成されていて、吹出口42には吹き出し風の風向を制御する上下フラップ43と、左右フラップ44とが設けられる。上下フラップ43は吹き出し風の上下風向を制御し、左右フラップ44は吹き出し風の左右風向を制御する。
室内機筺体40の前面の下部で、吹出口42の上に、赤外線センサ3が設けられている。赤外線センサ3は、俯角約24.5度の角度で下向きに取り付けられている。
俯角とは、赤外線センサ3の中心軸と水平線とがなす角度である。別の言い方をすると、赤外線センサ3は、水平線に対して約24.5度の角度で下向きに取り付けられている。
図3に示すように、空気調和機100(室内機)は、内部に送風機45を備え、該送風機45を囲むように熱交換器46が配置されている。
熱交換器46は、室外機(図示せず)に搭載された圧縮機等と接続されて冷凍サイクルを形成している。冷房運転時は蒸発器として、暖房運転時は凝縮器として動作する。
吸込口41から送風機45により室内空気が吸い込まれ、熱交換器46で冷凍サイクルの冷媒と熱交換を行い、送風機45を通過して吹出口42から室内へ吹き出される。
吹出口42では、上下フラップ43と左右フラップ44とにより、上下方向及び左右方向の風向が制御される。図3は、上下フラップ43が水平吹き出しの角度になっている。
図4に示すように、赤外線センサ3は、金属缶1内部に8個の受光素子(図示せず)を縦方向に一列に配列している。金属缶1の上面には、8個の受光素子に赤外線を通すためのレンズ製の窓(図示せず)が設けられている。各受光素子の配光視野角2は、縦方向7度、横方向8度である。尚、各受光素子の配光視野角2が、縦方向7度、横方向8度のものを示したが、縦方向7度、横方向8度に限定されるものではない。各受光素子の配光視野角2に応じて、受光素子の数は変化する。例えば、1個の受光素子の縦配光視野角と受光素子の数との積が一定になるようにすればよい。
図5は、赤外線センサ3付近を裏側(空気調和機100の内部から)から見た斜視図である。図5に示すように、赤外線センサ3は、筐体5内に収納されている。そして、筐体5の上方に赤外線センサ3を駆動するステッピングモーター6が設けられる。筐体5と一体の取付部7が空気調和機100の前面下部に固定されることにより、赤外線センサ3が空気調和機100に取り付けられる。赤外線センサ3が空気調和機100に取り付けられた状態では、ステッピングモーター6と筐体5は垂直である。そして、筐体5の内部で赤外線センサ3が、俯角約24.5度の角度で下向きに取り付けられている。
赤外線センサ3は、ステッピングモーター6により左右方向に所定角度範囲を回転駆動する(このような回転駆動をここでは、可動する、と表現する)が、図6に示すように右端端部(a)から中央部(b)を経由して左端端部(c)まで可動し、左端端部(c)に来ると逆方向に反転して可動する。この動作を繰り返す。赤外線センサ3は、部屋の温度検出対象範囲を左右に走査しながら温度検出対象の温度を検出する。
ここで、赤外線センサ3による部屋の壁や床の熱画像データの取得方法について述べる。尚、赤外線センサ3等の制御は、所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータによって行われる。所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータを制御部と定義する。以下の説明では、一々夫々の制御を制御部(所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータ)が行うという記載は省略する。
部屋の壁や床の熱画像データを取得する場合、赤外線センサ3をステッピングモーター6により左右方向に可動し、ステッピングモーター6の可動角度(赤外線センサ3の回転駆動角度)1.6度毎に各位置で赤外線センサ3を所定時間(0.1〜0.2秒)停止させる。
赤外線センサ3を停止した後、所定時間(0.1〜0.2秒より短い時間)待ち、赤外線センサ3の8個の受光素子の検出結果(熱画像データ)を取り込む。
赤外線センサ3の検出結果を取り込み終了後、再びステッピングモーター6を駆動(可動角度1.6度)した後停止し、同様の動作により赤外線センサ3の8個の受光素子の検出結果(熱画像データ)を取り込む。
上記の動作を繰り返し行い、左右方向に94箇所の赤外線センサ3の検出結果をもとに検知エリア内の熱画像データを演算する。
ステッピングモーター6の可動角度1.6度毎に94箇所で赤外線センサ3を停止させて熱画像データを取り込むので、赤外線センサ3の左右方向の可動範囲(左右方向に回転駆動する角度範囲)は、約150.4度である。
図7は空気調和機100を部屋の床面から1800mmの高さに据付けた状態で、8個の受光素子が縦に一列に配列された赤外線センサ3の縦断面における縦配光視野角を示す。
図7に示す角度7°は、1個の受光素子の縦配光視野角である。
また、図7の角度37.5°は、赤外線センサ3の縦視野領域に入らない領域の空気調和機100が取り付けられた壁からの角度を示す。赤外線センサ3の俯角が0°であれば、この角度は、90°−4(水平より下の受光素子の数)×7°(1個の受光素子の縦配光視野角)=62°になる。本実施の形態の赤外線センサ3は、俯角が24.5°であるから、62°−24.5°=37.5°になる。
図8は8畳相当の部屋で主婦12が幼児13を抱いている一生活シーンを赤外線センサ3を左右方向に可動させながら得られた検出結果をもとに熱画像データとして演算した結果を示す。
図8は季節が冬で、且つ天候が曇りの日に取得した熱画像データである。従って、窓14の温度は、10〜15℃と低い。主婦12と幼児13の温度が最も高い。特に、主婦12と幼児13の上半身の温度は、26〜30℃である。このように、赤外線センサ3を左右方向に可動させることにより、例えば、部屋の各部の温度情報を取得することができる。
次に、空気調和機の能力帯と、空調運転時に生じる床面と壁面との温度差(温度ムラ)情報と、人体検知位置の履歴とから総合判断して部屋形状を決定する部屋形状検知手段(空間認識検知)について述べる。
赤外線センサ3にて取得する熱画像データにより、空調している空調エリア内の床面広さを求め、熱画像上の空調エリア内における壁面位置を求める。
熱画像上で床面、壁面(壁面とは、空気調和機100から見た正面壁、並びに左右の壁面)の領域が解ることから、個々の壁面平均温度を求めることが可能となり、熱画像上にて検出された人体に対する壁面温度を考慮した精度のよい体感温度を求めることが可能となる。
熱画像データ上で床面広さを求める手段は、下記に示す三つの情報を統合することで、精度のよい床面広さの検知並びに部屋形状を検知可能とする。
(1)空気調和機100の能力帯並びにリモコンの据付位置ボタン設定から求める形状制限値および初期設定値の部屋形状。
(2)空気調和機100の運転中に生じる床と壁の温度ムラから求まる部屋形状。
(3)人体検知位置履歴から求まる部屋形状。
空気調和機100は、空調する部屋の広さを基準に対応する能力帯に分けられている。図9は空気調和機100の能力帯により規定された冷房運転時の畳目安ならびに広さ(面積)を示した図である。例えば、空気調和機100の能力2.2kwの場合は、冷房運転時における空調広さの畳目安は6〜9畳となる。6畳から9畳の広さ(面積)は、10〜15m2である。
図10は、図9記載の能力毎の広さ(面積)の最大面積を用いることで、能力毎における床面の広さ(面積)を規定した図である。能力2.2kwの場合、図9の広さ(面積)の最大面積は15m2となる。15m2の平方根を求めることで縦横比率を1:1とした場合の縦横の距離は各3.9mとなる。最大面積15m2を固定し、縦横比率を1:2〜2:1の範囲で可変させた場合の縦横の距離で、縦横の最大距離と最小距離を設定する。
図11に、能力2.2kwにおける縦横の部屋形状制限値の図を示す。能力毎の最大面積15m2の平方根より縦横比率1:1の場合の縦横の各距離は3.9mとなる。最大面積15m2を固定し、縦横比率を1:2〜2:1の範囲で可変させた場合の縦横の距離で、縦横の最大距離を設定する。縦横比率1:2の場合は、縦2.7m:横5.5mとなる。同様に縦横比率2:1の場合は、縦5.5m:横2.7mとなる。
図12に空気調和機100の能力帯にから求まる縦横距離条件を示す。図12の初期値の値は、能力毎における対応面積の中間面積の平方根から求めている。例えば能力2.2kwの適応面積は10〜15m2となり、中間面積は12m2となる。12m2の平方根より初期値3.5mを求めている。以下能力帯毎における初期値の縦横距離の算出は同様な考え方から求めている。同時に最小値(m)、最大値(m)は図10の算出の通りである。
従って、空気調和機100の能力毎により求まる部屋形状の初期値は、図12の初期値(m)を縦横の距離とする。但し、リモコンからの据付位置条件により空気調和機100の設置位置の原点を可変することとする。
図13に、能力2.2kw時の中央据付時条件を示す。図13に示すように、初期値の横距離中間地点を空気調和機100の原点とする。空気調和機100の原点は、縦横3.5mの部屋の中央部(横から1.8m)の位置関係となる。
図14に、能力2.2kw時の左コーナー据付時(使用者から見て)の場合を示す。コーナー据付時の場合は、左右に近いほうの壁までの距離を空気調和機100の原点から(横幅の中心点)0.6mの距離とする。
従って、(1)空気調和機100の能力帯並びにリモコンの据付位置ボタン設定から求める形状制限値および初期設定値の部屋形状は、上記記載の条件にて空気調和機100の能力帯から設定された床面広さに、リモコンの据付位置条件をもって空気調和機100の据付位置を決めることで、赤外線センサ3から取得される熱画像データ上に床面と壁面との境界線を求めることを可能としている。
図15に、空気調和機100の能力2.2kw時に、リモコンの据付位置ボタンが中央に設定された際の熱画像データ上の床面と壁面との位置関係を示す。赤外線センサ3側から見て左壁面16、正面壁19、右壁面17、そして床面18が熱画像データ上に示されている様子がうかがえる。初期設定時における能力2.2kwの床面形状寸法は図13に示す通りである。以下、左壁面16、正面壁19、右壁面17をまとめて壁面と呼ぶ。
次に、(2)空気調和機100の運転中に生じる床と壁の温度ムラから求まる部屋形状の算出手段について説明する。図16に、温度ムラによる部屋形状の算出フローを示す。上記記述の赤外線センサ3を駆動する赤外線センサ駆動部51から、赤外線画像取得部52にて熱画像データとして生成された縦8*横94の熱画像上において、基準壁位置算出部54にて、熱画像データ上における温度ムラ検知を行う範囲を制約することを特徴とする。
以下、図15における、空気調和機の能力2.2KW時でリモコン据付条件が中央時条件にて基準壁位置算出部54の機能説明を行う。
図17は、図15の熱画像データ上に壁面と床面18との境界となる上下の画素間の境界線60を示している。境界線60より上の画素が壁面温度を検知する配光画素となり、境界線60より下側の画素が床面温度を検知する配光画素となる。
そして、図18において、図17にて設定した境界線60の位置に対し、下方向に1画素そして上方向に2画素の合計3画素間において、上下画素間の生じている温度を検知することを特徴とする。
全熱画像データすべての画素間にて温度差を探すのではなく、壁面と床面との境界線60上を中心に温度差を検知して壁面と床面との境界線60上に生じる温度を検知することを特徴とする。
全画素検知による余分なソフト演算処理の低減(演算処理時間の短縮と負荷低減)と誤検知処理(ノイズデバンス処理)を併せ持つことを特徴とする。
次に上記記載の画素間領域に対する、温度ムラによる境界を検知する温度ムラ境界検知部53は、
(a)床面温度と壁面温度の熱画像データから得られる絶対値による判断手段、(b)検知領域内における上下画素間における温度差の奥行き方向における傾き(1次微分)の最大値による判断手段、(c)検知領域内における上下画素間における温度差の奥行き方向における傾きの傾き(2次微分)の最大値による判断手段のいずれか一つの手段により境界線60を検知可能とすることを特徴とする。
図19は、上記画素検知領域内において、温度ムラ境界を検知する温度ムラ境界検知部53により閾値を超えた画素、または、傾きの最大値を超えた画素を黒色にてマーキングしている。また、上記の温度ムラ境界を検知する閾値または最大値を超えない個所については、マーキングを実施してはいないことを特徴とする。
図20は、温度ムラによる境界線を検知した結果を示す。画素間の境界線を線引きする条件は、温度ムラ境界検知部53において、閾値または最大値を超えた黒マーキングされた画素の下部、そして検知領域のおける上下画素間において閾値または、最大値を超えていない列においては、図17にて基準壁位置算出部54にて初期設定を行った画素間の基準位置にて線引きすることを条件とする。
そして、熱画像データ上において、境界線の下部に引かれた各素子の座標点(X,Y)を、床面座標変換部55が床面座標点として変換し、床面18に投影したものが図21となる。94列分の境界線60の下部に引かれた素子座標が投影される結果となることが理解できる。
図22は、能力2.2kw、リモコン中央据付条件時における初期設定条件での正面壁19位置付近の温度差を検知する対象画素の領域を示す。
先に、床面18に各熱画像データの境界線素子座標を投影した図21において、図22に示した正面壁19位置付近を検知する各素子の散布素子座標点の平均を求め正面壁19と床面18との壁面位置を求めたものが図23となる。
正面壁境界線線引き手段と同様な考え方で、右壁面17並びに左壁面16に対応する各素子の散布素子座標点の平均で境界線を引くこととする。そして左右の左壁面境界線20、右壁面境界線21と正面壁境界線22とを結んだ領域が床面領域となる。
また、より温度ムラ検知による精度のよい床壁境界線を線引きする手段として、図22にて正面境界線を求める領域の素子座標Yの平均値と標準偏差σを求めることで、σ値が閾値に以下になる素子対象のみで平均値を再計算する手段もある。
同様に左右壁面境界線算出においても、各素子座標Xの平均値と標準偏差σを用いることは可能である。
また、左右壁面境界線を算出する他の一つの手段は、正面壁境界線算出により求まったY座標、つまり空気調和機100据付け側の壁面からの距離に対して、Y座標間距離の中間領域1/3〜2/3に分布された各素子のX座標の平均を用いて左右壁面間の境界線を求めることも可能である。いずれの場合においても問題がない。
上記手段による正面左右壁位置算出部56にて求めることができた空気調和機100の据付位置を原点とした正面壁19までの距離Yと、左壁面16までの距離X_leftと、右壁面17までの距離X_rightとを検知履歴蓄積部57にて各距離総和として積算すると共に距離検出カウンタとして回数を積算していき、検知距離の総和とカウント数との割り算をもって平均化された距離を求めることとする。左右壁についても同様な手段にて求めるものとする。
尚、検知履歴蓄積部57にてカウントする検知回数が閾値回数より多くなっている場合に限り、温度ムラによる部屋形状の判定結果を有効とする。
次に、(3)人体検知位置履歴から求まる部屋形状の算出について説明する。図24に人体検知位置履歴による部屋形状の算出フローを示す。人体検出部61は、赤外線センサ3を駆動する赤外線センサ駆動51部の出力から赤外線画像取得部52にて熱画像データとして生成された縦8*横94の熱画像データを、直前の熱画像データとの差分を取ることで人体の位置を判断することを特徴としている。
人体の有無ならびに人体の位置を検出する人体検出部61は、熱画像データの差分を取る際に、人体の比較的表面温度の高い頭部付近を差分検知可能とする閾値Aと、やや表面温度の低い足元部分の差分検知可能とする閾値Bを個々に持つことを特徴としている。
図25は、直前の背景画像と人体の存在する熱画像データとの差分を行い、閾値A並びに閾値Bをもって人体の検知を判断している。閾値Aを超える熱画像データの差分領域を人体頭部付近と判断し、閾値Aにて求めた領域に隣接する閾値Bを超える熱画像差分領域を求める。その際、閾値Bにて求まる差分領域は、閾値Aにて求められた差分領域に隣接していることを前提とする。つまり、閾値Bを超えたのみの差分領域は人体とは判断しない。熱画像データ間の差分閾値の関係は、閾値A>閾値Bとなることを示す。
この手段により求めた人体の領域は、人体の頭部から足元までの領域を検知することを可能とし、人体の足元個所を示す差分領域最下端部の中央部分の熱画像座標X、Yを持って人体位置座標(X,Y)とする。
熱画像データの差分により求められた人体の足元位置座標(X,Y)を左記の温度ムラ検知に時に説明した図21のように床面座標点として変換する床面座標変換部55を介して、人体位置履歴蓄積部62は人体位置履歴を蓄積していくことを特徴とする。
図26は熱画像データ差分から求めた人体検知位置を床面座標変換部55にて座標変換を行った人位置座標(X,Y)点として、X軸、Y軸毎にカウント積算した様子を示す。人体位置履歴蓄積部62において、図26に示すように、横方向X座標並びに奥行きY座標の最小分解は0.3m毎とする領域を確保し、軸毎に0.3m間隔にて確保された領域に人位置検知毎に発生する位置座標(X,Y)を、当てはめカウントしていくものとする。
この人体位置履歴蓄積部62からの人体検知位置履歴情報により、部屋形状である床面18、壁面(左壁面16、右壁面17、正面壁19)を壁位置判断部58にて求める。
図27は人体位置履歴による部屋形状の判定結果を示す。横方向X座標並びに奥行きY座標に蓄積された最大の蓄積数値に対して10%以上の領域の範囲をもって床面領域と判断することを特徴とする。
次に、人体検知位置履歴の蓄積データから部屋形状が長方形(正方形)なのか、L字型形状であるのかを推定し、L字型部屋形状の床面18と壁面(左壁面16、右壁面17、正面壁19)付近の温度ムラを検知することで精度のよい部屋形状を算出する例を説明する。
図28は、L字型部屋形状のリビングにおける人体検知位置履歴の結果を示す。横方向X座標並びに奥行きY座標の最小分解は0.3m毎とする領域を確保され、軸毎に0.3m間隔にて確保された領域に人体検知毎に発生する位置座標(X,Y)を当てはめカウントしていくものである。
当然、人体はL字の部屋形状内を移動することから、左右方向の床面領域(X座標)並びに奥行方向の床面領域(Y座標)に蓄積されるカウント数は、各X,Y座標毎の奥行き領域(面積)に比例する形になる。
人体検知位置履歴の蓄積データから部屋形状が長方形(正方形)なのか、L字型形状であるのか判断する手段を説明する。
図29は、横方向X座標における、床面領域(X座標)に蓄積されたカウント数を示している。閾値Aは蓄積された最大の蓄積数値に対して10%以上をもって床面X方向の距離(幅)と判断することを特徴としている。
そして、図30に示すように、図29にて求めた床面領域(X座標)を領域A・B・Cと均等3分割を行い、蓄積された最大の蓄積数値がどこの領域に存在するかを求め、同時に各領域毎の最大値と最小値を求ることを特徴としている。
蓄積された最大の蓄積数値が領域C(または領域A)に存在し、領域C内における最大値と最小値との差がΔα以内であることと、領域Cの最大蓄積数値と領域A内における最大蓄積数との差がΔβ以上のとき、L字型部屋形状であると判断する。
各領域毎の最大値と最小値との差Δαを求めることは、人体検知位置履歴の蓄積データから部屋形状を推定するためのノイズデバンス処理の一つである。図31に示すように、領域C内に蓄積データの最大蓄積数が存在する場合、最大蓄積数に対して90%以上のカウント数が領域内にγ本(0.3m毎に分解される領域の中の数)以上あることをもって判断する手段もある。領域Cにて上記演算処理を実施後、領域Aにても同様な演算を行うことでL字型部屋形状であることを判断する(図32参照)。
上記によりL字型部屋形状であると判断された場合は、図33に示すように、最大の蓄積数に対し50%以上の個所を求める。本説明は横方向のX座標をもって説明しているが、奥行き方向のY座標における蓄積データにおいても同様である。
横方向のX座標並びに、奥行き方向のY座標の床面領域における最大の蓄積数に対する50%以上の閾値Bを境とする座標点をL字型部屋形状の床と壁面との境界点であると判断することを特徴とする。
図34は、図33にて求めたL字型部屋形状の床面と壁面との境界点と閾値A以上におけるX座標、Y座標の床面領域から求めたL字型部屋形状の床面領域形状を示す。
上記で求めたL字型形状の床面形状結果を温度ムラ部屋形状アルゴリズムにおける基準壁位置演算部54にフィードバックし、熱画像データ上における温度ムラ検知を行う範囲を再計算させることを特徴とする。
次に部屋形状を求める三つの情報を統合する方法について説明する。但し、L字型形状の床面形状結果を温度ムラ部屋形状アルゴリズムにおける基準壁位置演算部54にフィードバックし、熱画像データ上における温度ムラ検知を行う範囲を再計算させる処理は、ここでは除く。
図35に三つの情報を統合するフローを示す。(2)空気調和機100運転中に生じる床面18と壁面との温度ムラから求まる部屋形状は、温度ムラ境界検知部53により検知履歴蓄積部57にてカウントする検知回数が閾値回数より多くなっている場合に限り、温度ムラ有効性判定部64にて、温度ムラによる部屋形状の判定結果を有効とする。
同様に、(3)人体検知位置履歴から求まる部屋形状、による人体位置履歴蓄積部62から求まる部屋形状も、人体位置履歴蓄積部62が人体位置履歴を蓄積する人体検知位置履歴回数が閾値回数より多くなっている場合に限り、人体位置有効性判定部63にて、人体検知位置履歴による部屋形状の判定結果を有効とする前提条件のもとで、壁位置判断部58にて下記の条件により判断を行う。
イ.(2)と(3)共に無効の場合は、(1)による空気調和機100の能力帯並びにリモコンの据付位置ボタン設定から求める初期設定値の部屋形状とする。
ロ.(2)が有効で(3)が無効の場合は、(2)による出力結果を部屋形状とする。ただし(2)の部屋形状が(1)の図12にて決まる辺の長さに収まらない場合、または面積に収まらない場合は、その範囲に伸縮させることとする。ただし、面積により伸縮させる場合は、正面壁19までの距離をもって修正させることとする。
具体的な修正方法について説明を行う。能力2.8kw、リモコン据付位置条件中央にて温度ムラ検知による部屋形状の結果を図36に示す。図12より、空気調和機100の能力2.8kw時における縦横の辺の長さの最小値は3.1m、最大値は6.2mとなる。そのためリモコン中央据付条件から、右側の壁面までの距離X_right並びに左側の壁面までの距離X_leftの制限距離は、図12の半分となるように決める。そのため、図中に示した右壁最小/左壁最小の距離は1.5m、右壁最大/左壁最大の距離は3.1mとなる。図35に示した温度ムラによる部屋形状のように、左壁面16までの距離が左壁最大の距離を超えている状態である場合は、図37に示すように左壁最大の位置まで縮小させることとする。
同様に、図36に示すように右壁までの距離が右壁最小と右壁最大の間に位置する場合は、そのままの位置関係を維持することとする。図37のように左壁最大に縮小した後、部屋形状の面積を求め、図12に示す能力2.8kw時の面積範囲13〜19m2の適正範囲内になっているか確認する。
仮に修正後の図37の部屋形状面積が面積最大値19m2以上に大きな場合は、図38に示すように、正面壁19の距離を最大面積19m2になるまで下げることで調整することとする。
図39に示すケースも同様に、左壁面16までの距離が左壁最小に満たない場合は、左壁最小の領域まで拡大することとなる。
その後、図40に示すように、修正後の部屋形状面積を算出することにより適正面積内にあるか否を判断することとする。
ハ.(2)が無効で(3)が有効の場合も、(3)による出力結果を部屋形状とする。上記(2)が有効で(3)が無効の場合のロと同様に、(1)で決まる辺の長さ、面積の制限に適合するように修正を行うこととする。
ニ.(2)、(3)ともに有効の場合は、(2)の温度ムラによる部屋形状を基準として、それより(3)の人体検知位置履歴による部屋形状の方が、壁までの距離が狭い面があった場合は、最大0.5mの幅で(2)の温度ムラによる部屋形状の出力を狭める方向に修正する。
逆に、(3)の方が広い場合は修正を行わないこととする。そして、修正後の部屋形状に関しても(1)で決まる辺の長さ、面積の制限に適合するように修正を加える。
上記の統合条件より、図41に示すように各壁面間距離である、正面壁19までの距離Y座標Y_front、右壁面17のX座標X_right、左壁面16のX座標X_leftを求めることができる。
次に床壁輻射温度の算出について説明する。上記の統合条件にて求められた正面壁19、左右壁(左壁面16、右壁面17)間のそれぞれの距離から求められた床面境界線上の各座標点を、熱画像データに逆投影させたものを図42(図5)に示す。
図42の熱画像データ上にて、床面18の領域、正面壁19、左壁面16、右壁面17の領域が区切られる様子が理解できる。
まず壁面温度の算出に関しては、熱画像データ上にて求められた各壁領域の熱画像データから求まる温度データの平均を壁温度とする。
図43に示すように、各壁領域を太線で囲った領域がそれぞれの各壁領域となる。
次に床面18の温度領域について説明する。熱画像データ上の床面領域を、例えば、左右方向に5分割、奥行き方向に3分割の合計15分割の領域に細分する。尚、分割する領域の数は、これに限定されるものではなく、任意でよい。
図44に示す例は、床面18の手前側領域に対して左右方向5分割の領域(A1、A2、A3、A4、A5)に分けたものである。
同様に図45にて、床面の奥側領域に対して前後3分割の領域(B1、B2、B3)に分けたものである。いずれも領域毎に前後左右の床面領域が重なり合っていることを特徴としている。従って、熱画像データ上には、正面壁19、左壁面16、右壁面17の温度並びに15分割された床面温度の温度データが生成されることとなる。分割された各床面領域の温度は、夫々の平均温度とする。この熱画像データ上に領域分けされた各温度情報をもとに、熱画像データが撮像する居住エリア内における各人体の輻射温度を求めることを特徴とする。
以下に示す計算式にて各人体毎の床面並びに壁面からの輻射温度を求める。
ここで、
T_calc:輻射温度
Tf.ave:人体が検知された場所の床面温度
T_left:左壁面温度
T_front:正面壁温度
T_right:右壁面温度
Xf:人体検知位置のX座標
Yf:人体検知位置のY座標
X_left:左側壁面間距離
Y_front:正面壁面間距離
X_right:右側壁面間距離
α、β、γ:補正係数
人体が検知された場所における、床面温度と、各壁面の壁面温度と、各壁面間距離の影響を考慮した輻射温度の算出を行うことが可能となっている。
図46に上記計算式にて求めた輻射温度の一例を示す。熱画像データ上にて被験者A並びに被験者Bが熱画像データ上にて撮像する居住空間内にて検知された条件にて、輻射温度を試算している。正面壁温度T_front:23℃、T_left:15℃、T_right:23℃、被験者Aの床面温度Tf.ave=20℃、被験者Bの床面温度Tf.ave=23℃、輻射温度演算式上の補正係数はすべて1にて計算した結果、被験者Aの輻射温度T_calc=18℃、被験者Bの輻射温度T_calc=23℃と求めることができる。
従来床面18のみの温度にて輻射温度を計算していたが、部屋形状を認識することで求められる壁面温度からの輻射温度を考慮することが可能となり、人体が体全体にて体感する輻射温度を求めることが可能となった。
次に、上述の部屋形状を認識することで求められる壁面温度を利用して、カーテンの開閉状態を検知する例について説明する。空調中の部屋において、カーテンを開けた状態より閉めた状態の方が空調効率が良い場合が多いため、カーテンを開いていることを検知した場合は、空気調和機100の利用者にカーテンを閉めるように促すことができるようにするためである。
図47のフローチャートにより、カーテンの開閉状態を検知するフローについて説明する。
尚、以下に示す制御は、所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータによって行われる。ここでも、所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータを制御部と定義する。以下の説明では、一々夫々の制御を制御部(所定の動作がプログラムされたマイクロコンピュータ)が行うという記載は省略する。
熱画像取得部101は、赤外線センサ3を温度検出対象範囲を左右に走査して温度検出対象の温度を検出するにより熱画像を獲得する。
既に述べたように、部屋の壁や床の熱画像データを取得する場合、赤外線センサ3をステッピングモーター6により左右方向に可動し、ステッピングモーター6の可動角度(赤外線センサ3の回転駆動角度)1.6度毎に各位置で赤外線センサ3を所定時間(0.1〜0.2秒)停止させる。赤外線センサ3を停止した後、所定時間(0.1〜0.2秒より短い時間)待ち、赤外線センサ3の8個の受光素子の検出結果(熱画像データ)を取り込む。赤外線センサ3の検出結果を取り込み終了後、再びステッピングモーター6を駆動(可動角度1.6度)した後停止し、同様の動作により赤外線センサ3の8個の受光素子の検出結果(熱画像データ)を取り込む。上記の動作を繰り返し行い、左右方向に94箇所の赤外線センサ3の検出結果をもとに検知エリア内の熱画像データを演算する。
床壁検知部102は、前述の制御部が、赤外線センサ3を走査して部屋の熱画像データを取得し、熱画像データ上で、以下に示す三つの情報を統合することで、空調している空調エリア内の床面広さを求め、熱画像データ上の空調エリア内における壁領域(壁面位置)を獲得する。
(1)空気調和機100の能力帯並びにリモコンの据付位置ボタン設定から求める形状制限値および初期設定値の部屋形状;
(2)空気調和機100の運転中に生じる床と壁の温度ムラから求まる部屋形状;
(3)人体検知位置履歴から求まる部屋形状。
熱画像取得部101で獲得した熱画像から、前述の処理で生成した背景熱画像(図43)に対して、以下で説明する温度条件判定部(室温判定部103、外気温判定部104)の処理を適用することにより、現在の温度条件が窓状態の検知が必要な状態かどうかを判定する。
窓状態の検知が必要な状態とは、例えば暖房運転時であれば、室温に対し外気温度が一定温度(例えば5℃)より低く、窓が冷えており、カーテンを開けた状態では暖房効率が悪い状態を示す。
逆に冷房時であれば、室温に対し外気温度が一定温度(例えば5℃)より高く、窓が温まっており、カーテンを開けた状態では冷房効率が悪い状態を示す。
温度条件判定部の室温判定部103は、室温を検知する手段である。室温は、以下に示す方法で概算することができる。
(1)背景熱画像の画像全体の平均温度;
(2)背景熱画像の床領域の平均温度;
(3)空気調和機100の室内機筺体40(本体)の吸込口41に搭載された室温サーミスタ温度計(図示せず)の値。
外気温判定部104は、外気温度を検知する手段である。外気温度は、以下に示す方法で概算することができる。
(1)空気調和機100の室外機(図示せず)に搭載の外気温サーミスタ温度計(図示せず)の値;
(2)または、以下の方法で代用しても窓状態の検知が必要な状態かどうかの判定には支障がない。
a.(暖房時)背景熱画像の壁領域中で最も低い温度の領域;
b.(冷房時)背景熱画像の壁領域中で最も高い温度の領域。
室温判定部103、外気温判定部104で検知した室温と外気温度の差が一定値(例えば5℃)以上であれば、以下の窓状態検知部へ処理を進める。
窓状態検知部では、背景熱画像中の顕著な温度差(所定の温度差、例えば5℃、)がある領域を窓領域31(図48)として検知し、その窓領域31の時間変化を監視することと同時にカーテンを閉める動作を検知可能とする。
例えば、暖房時の室内温度分布を赤外線センサ3で撮影したとき、図48に示すような熱画像が得られる。熱画像の中の右壁面の低温部分を窓領域31として検知する。図48では、色の濃さで温度の高低を表している。色の濃い方が、温度が低い。
壁領域内温度差判定部105で、背景熱画像において壁領域内の温度差が一定値(例えば5℃)以上あるかどうかを判定する。壁領域内の温度差は、暖房時、冷房時、部屋の広さ、空調開始後の経過時間等により変化するが、空調時には床温度もしくは室温といった基準温度に対し壁温度は差がある場合が多く、単純に基準温度からの差の閾値処理だけで窓領域31の有無を判定することは難しい。
そこで、壁領域内温度差判定部105では、同じ壁内の温度に顕著な差があれば、窓領域31が存在するという考えに基づき壁領域内の温度差の有無を判定する。
壁領域内温度差判定部105で、壁領域内に顕著な温度差がないとなった場合は窓領域31なしと判定し、以降の処理は行わない。
壁領域内外気温度領域抽出部106で、背景熱画像において壁領域内で外気温度に近い領域を抽出する。つまり冷房時には壁領域内で温度の高い領域を、暖房時には壁領域内で温度が低い領域を抽出する。
背景熱画像において壁領域内で外気温度に近い領域の抽出方法としては、壁領域内の平均温度に対して一定温度(例えば5℃)以上温度の高い(低い)領域を抽出する方法がある。
ただし、壁領域内外気温度領域抽出部106では、微小な領域を誤検出として削除する。例えば、窓の最低サイズを幅80cm×高さ80cmとする。床壁検知部102で検知した床壁の位置と、赤外線センサ3の設置角度とから熱画像上の各位置に窓があった場合の熱画像上の窓のサイズが計算できる。計算で算出した熱画像上の窓のサイズが、窓の最低サイズ以下の広さの領域の場合には、微小な領域として削除する。
窓領域抽出部107で、壁領域内外気温度領域抽出部106で抽出した領域の中で窓領域31である可能性の高い領域を抽出する。
窓領域抽出部107は、壁領域内外気温度領域抽出部106において、一定時間(例えば10分)以上窓領域31として抽出され続けた領域を窓領域31として検知する。
窓領域内温度判部108で、窓領域抽出部107で窓領域31として検知した領域内の温度変化を監視し、窓として判定された領域の温度が壁平均温度付近まで変化したかどうかを判定し、変化があれば窓領域31がなくなったと判定する。
カーテン閉め動作判定部109で、窓領域抽出部107で検知した窓領域31の全部が、窓領域内温度判部108において窓領域31ではないと判定されればカーテンが閉められたと判定する。
また、窓領域抽出部107で窓領域31が検知されている状態で、壁領域内温度差判定部105において、窓領域31なしと判定された場合もカーテンが閉められたと判定する。
以上のように、熱画像取得部101が赤外線センサ3を温度検出対象範囲を左右に走査して温度検出対象の温度を検出するにより熱画像を獲得し、床壁検知部102が熱画像データ上の空調エリア内における壁領域を獲得し、温度条件判定部により現在の温度条件が窓状態の検知が必要な状態かどうかを判定し、検知が必要な状態であれば、窓状態検知部が背景熱画像中の顕著な温度差がある領域を窓領域31として検知し、その窓領域31の時間変化を監視することと同時にカーテンを閉める動作を検知可能とする。
そのように構成することにより、空調に余計な消費電力が必要な状態である外気温の影響を受けた窓の露出を検出し、空気調和機100の利用者に、カーテン等を閉める動作を促すことを可能とする。
空気調和機100の利用者が、カーテン等を閉めることにより、空気調和機100の消費電力を低減することができる。
次に、例えば、外気温の影響を受けた窓の露出を検出し、空気調和機100の利用者にカーテン等を閉める動作を促す具体的な方法について説明する。
図49のフローチャートは、図47のカーテンの開閉状態を検知するフローチャートに情報提示部(ユーザーインターフェイス部110)を追加したものである。
情報提示部(ユーザーインターフェイス部110)は、ユーザー自身、気が付きにくい又はわからない省エネの情報をユーザーに伝えることで、ユーザーの省エネ行動を促すことを目的とする。
特に省エネ知識がなくても、リモコン200(図51)に表示されたガイダンス内容を実行することにより省エネ運転が可能となるものである。
本実施の形態に記述している赤外線センサ3により求まる熱画像から得られる基本情報は、以下の3点である。
(1)居住空間エリア内の人体の位置(部屋の何処に居るのかという検知結果)情報。
(2)時間軸あたりの人体の検知結果から求める人体の活動量(移動量)情報。常に違う場所で人体が検知されているようなときは、活動量(移動量)が大と判定する。逆に同じ場所に滞在する場合(ソファーでリラックしている状態など)は、活動量(移動量)が小と判定する。
(3)空間認識より求めた壁面内のある窓領域31の温度情報。
ユーザーに省エネ行動を促す省エネアドバイスは、この3つの情報を元に実施する。
ユーザー自身、気が付きにくい又はわからない省エネの情報を、情報提示部のユーザーインターフェイス部110で伝えることで、ユーザーの省エネ行動を促すことを目的とし、特に省エネ知識がなくてもリモコンに表示されたガイダンス内容を実行することにより省エネ運転が可能となることを特徴とする。
以下、ユーザーインターフェイス部110の詳細について記述する。
図50に示すように、空気調和機100は、室内機筺体40の前面に表示部100aを備える。表示部100aは、ECOランプ20(ガイダンス可能表示)等を有する。
ユーザーがわからない(気が付かない)省エネ情報を、赤外線センサ3からの情報を基に得ることができた空気調和機100は、室内機筺体40の表示部100aのECOランプ20(ガイダンス可能表示)を点灯させることで、まずユーザーに省エネの情報があることを告知する。
図51に示すリモコン200(遠隔制御装置)は、ユーザーが手元において空気調和機100の運転を制御するものであるが、ここで示すリモコン200は、通常の運転入/切、温度設定等のボタンの他に、ECOアドバイスボタン210(情報要求ボタン)、ガイダンス表示部220を備える。
ユーザーは、室内機筺体40の表示部100aで点灯するECOランプ20に気が付くことで、リモコン200の操作部に設けられたECOアドバイスボタン210(情報要求ボタン)を押し、詳細な省エネ情報を得ることができる。
室内機筺体40とリモコン200との間の省エネ情報の受け渡し技術手段は、双方向の赤外通信でも無線通信でもどちらでもよい。
詳細な省エネ情報は、リモコン200のガイダンス表示部220に表示することを特徴とする。尚、リモコン200に音声を発する機能を持たせ、詳細な省エネ情報を音声によりユーザーに告知するようにしてよい。ユーザーがリモコン200のガイダンス表示部220の表示に気が付かない場合でも、詳細な省エネ情報を音声によりユーザーに告知することにより、確実に省エネ情報をユーザーに伝えることができる。
また、室内機筺体40のECOランプ20と、リモコン200側のECOアドバイスボタン210のイラストは同じものを採用し、且つリモコン側200のECOアドバイスボタン210のカラーを緑色にしているので、室内機筺体40のECOランプ20も緑色のLED(発光ダイオード)もしくは緑色のフィルターを採用し共有機能化を表現していることも特徴の一つである。但し、図50、図51の例は、室内機筺体40のECOランプ20と、リモコン200側のECOアドバイスボタン210のイラストが、全く同じではない。
以下、空気調和機100の室内機筺体40側のECOランプ20の点灯条件について述べる。
赤外線センサ3から求める熱画像を解析・分析することにより得られるユーザーの気が付かない省エネ情報が空気調和機100の運転中に発生した場合(ECOアドバイス発生条件の成立時)に、ECOランプ20を点灯させる。但し、空気調和機100の運転開始直後等の運転が安定してないときは点灯させない。即ち、空気調和機100の運転状態が安定時であることが条件である。
次に、ECOランプ20の消灯条件について記載する。消灯条件は下記に示す3点とする。
(1)リモコン200のECOアドバイスボタン210をユーザーが押すことで空気調和機100の本体から省エネ情報を受信した場合。
(2)空気調和機100がECOランプ20をもってユーザー側に省エネ情報を提示している状態で(ECOランプ20点灯中)、ユーザーがECOランプ20点灯に気が付かないうちに(リモコン200のECOアドバイスボタン210を押していない状態で)、空気調和機100の本体側が提示した省エネ情報をユーザーが解消した場合。本体側が提示した省エネ情報は、例えば、暖房運転時、“壁面に冷たい場所があり、カーテン・ドアを閉めると、省エネになります”というものである。このとき、ユーザーが、自発的にカーテン・ドアを閉めると、空気調和機100はそれを検知してECOランプ20を消灯する。
(3)ECOランプ20が点灯してからある所定の時間が経過した場合(約30分程度とする)。
以上の3点にて、ECOランプ20を消灯させることとする。
以下にリモコン200側のECOアドバイスボタン210を押したときに表示するガイダンス表示部220の内容について記載する。
ガイダンス表示部220においては、省エネアドバイスの情報のほか、空気調和機100の運転モード又は運転状況についての内容を表示することが可能となっている。
空気調和機100が、ECOランプ20を点灯している状況で、ユーザーがリモコン200側のECOアドバイスボタン210を押した場合は、ガイダンス表示部220には省エネアドバイスの情報を表示することを特徴としている。
さらには、省エネアドバイスにそった最適な運転モードへの設定変更をガイドする内容を表示することを特徴としている。
空気調和機100がECOランプ20が点灯していない時に、ユーザーがリモコン200側のECOアドバイスボタン210を押した場合は、空気調和機100の運転状況の内容を表示することを特徴としている。
以下、図52のフローチャートにそって詳細の説明を行なう。空気調和機100の運転開始直後の所定時間(α時間)が経過していないとき(つまり空気調和機100の実運転状況としてはコンプレッサー(圧縮機)が起動する前の時間や暖房運転開始前の冷風防止時間などが上げられる)に、リモコン側のECOアドバイスボタン210を押したときは、空気調和機100の運転情報の表示を実施する。例えば、“ただいま運転開始準備中です”といった内容となる。
その後、空気調和機100が運転を開始し安定するまでの間(変動時)に、ユーザーがリモコン200側のECOアドバイスボタン210を押した場合においても、空気調和機100の運転情報の表示を実施する。例えば“設定温度に近づけています”といった内容となる。
その後、空気調和機100の運転状況が安定状態に移行後、赤外線センサ3からの情報を持って省エネアドバイス内容が確定された場合は、空気調和機100の本体表示のECOランプ20を点灯させる。
ECOランプ20点灯時に、ユーザーがリモコン200側のECOアドバイスボタン210を押した場合は、リモコン200のガイダンス表示部220に省エネアドバイスの内容を表示する。
その省エネアドバイスの内容を表示した後に、最適な運転モードへの切り替えを奨励するガイド内容を表示する。ユーザーがそのガイド内容にしたがってリモコン200の操作を実行した場合は、空気調和機100はその運転内容に沿った運転を実行する。
運転モード変更後の所定時間(β時間)経過内に再度、ユーザーがECOアドバイスボタン210を押した場合は、先のガイダンスで奨励した運転モードの解除を実行するか否かのガイド表示を行なう。“設定を元に戻しますか?”といった内容となる。
ユーザーが先の省エネ運転モードに対し快適性を優先するなどの場合は、アドバイス解除指示にのっとり運転モードを元に戻す動作を実行させることを特徴としている。
以下に省エネアドバイスの詳細な表現方法に関し記載する。赤外線センサ3を用いた窓検知アルゴリズムにおいて、暖房運転時において窓からの冷輻射の影響が大きいと空気調和機100が判断した場合は、以下のような表示内容をリモコン200のガイダンス表示部220に表示を行なう(図53)。
最初に、“壁面に冷たい場所があります”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり“カーテン・ドアを閉めると”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり“省エネになります”といった内容を5秒間表示する。
この省エネアドバイスの内容を表示することにより、ユーザーに省エネ行動を促すことを目的とする。
さらには、冷房運転中に知らないうちに外気温が室内設定温度より下がった場合などは、以下のような表示内容をリモコン200のガイダンス表示部220に表示を行なう(図54)。
最初に、“設定温度と外気温度が近づいています”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり“送風運転でも快適です”という内容を5秒間表示し、さらに冷房運転から送風運転に切り替えるためのガイダンス表示を示す、“送風運転移行?はい:“エコ”押す いいえ:放置” といった内容を5秒間表示する。
このガイダンス内容に対し、ユーザーがECOアドバイスボタン210を押せば運転モードとして冷房運転から送風運転に変更されることを意味する。
図55により、赤外線センサ3より得られる省エネアドバイスの冷房・除湿運転時の詳細内容を説明する。このときの省エネアドバイスの内容は、例えば、以下に示すようなものであり、優先順位の大きい方から記載する。
(1)アドバイス概要は、“ソフト省エネ効果を教える”であり、お客さんにとっては、“知らなかった”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“空気温度のみで制御しています”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“体感で体に感じる温度で運転” という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“体感設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置” といった内容を5秒間表示する。
(2)アドバイス概要は、“人の動きを検知し、滞留が一定時間を超えている場合は、人が集まった方が省エネ運転が可能なことを教える”であり、お客さんにとっては、“知らなかった”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“お部屋全体を空調しています”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“風よけで省エネになります”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“風よけ設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置” といった内容を5秒間表示する。
(3)アドバイス概要は、“ムーブアイでの夏の日射、冬の低い輻射でドア/カーテンの開閉を確認し閉めることをすすめる”であり、お客さんにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“壁面に暖かい場所があります”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“カーテン・ドアを閉めると”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“省エネになります”といった内容を5秒間表示する。
(4)アドバイス概要は、“足元が寒いお客さんに対してのワンポイントアドバイス”であり、お客さんにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220の表示については省く。
(5)アドバイス概要は、“活動量を検知したときのアドバイス”であり、お客さんにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“空気が汚れやすい状態です”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“ミストで浮遊菌を抑制します”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“ミスト設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。尚、“うっかりしていた”には、例えば、気づいていなかった、意識していなかった、忘れていた、などが含まれる。
図56により、赤外線センサ3より得られる省エネアドバイスの暖房運転時の詳細内容を説明する。このときの省エネアドバイスの内容は、例えば、以下に示すようなものであり、優先順位の大きい方から記載する。
(1)アドバイス概要は、“ソフト省エネ効果を教える”であり、お客さんにとっては、“知らなかった”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“空気温度のみで制御しています”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“体感で体に感じる温度で運転” という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“体感設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置” といった内容を5秒間表示する。
(2)アドバイス概要は、“人の動きを検知し、滞留が一定時間を超えている場合は、人が集まった方が省エネ運転が可能なことを教える”であり、お客さんにとっては、“知らなかった”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“お部屋全体を空調しています”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“風よけで省エネになります”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“風よけ設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置” といった内容を5秒間表示する。
(3)アドバイス概要は、“ムーブアイでの夏の日射、冬の低い輻射でドア/カーテンの開閉を確認し閉めることをすすめる”であり、お客さんにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“壁面に暖かい場所があります”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“カーテン・ドアを閉めると”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“省エネになります”といった内容を5秒間表示する。
(4)アドバイス概要は、“足元が寒いお客さんに対してのワンポイントアドバイス”であり、お客さんにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“風向が上向きです。足元寒くない?”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“風速自動で省エネになります”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“風速自動に設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。
(5)アドバイス概要は、“活動量を検知したときのアドバイス”であり、お客さんにとっては、“うっかりしていた”ものである。リモコン200のガイダンス表示部220には、表示1で“空気が汚れやすい状態です”という内容を5秒間表示した後、表示内容がかわり表示2で“ミストで浮遊菌を抑制します”という内容を5秒間表示し、さらに表示内容がかわり表示3で“ミスト設定?はい:“エコ”押す いいえ:放置”といった内容を5秒間表示する。
以上のように、ユーザー自身、気が付きにくい又はわからない省エネの情報を、情報提示部のユーザーインターフェイス部110で伝えることで、ユーザーの省エネ行動を促すことができ、特に省エネ知識がなくてもリモコンに表示されたガイダンス内容を実行することにより省エネ運転が可能となる。