JP5314937B2 - 描画装置及び描画用データの処理方法 - Google Patents
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Description
可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は、以下のように動作する。まず、第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向される。そして、可変成形開口421の一部を通過して、ステージ上に搭載されたレジスト材が塗布された試料に照射される。ステージは、描画中、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動している。このように、開口411と可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、試料340の描画領域に描画される。開口411と可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という。
図14では、3つの処理領域222,224,226について一例として示している。それぞれの処理領域についてSF領域を定義すると、右側の図のようになる。2つの処理領域222,224については、跨るSF領域232が2つの処理領域222,224の両方に重複して定義される。また、2つの処理領域224,226については、跨るSF領域234が2つの処理領域224,226の両方に重複して定義される。しかしながら、パターンの微細化、及び膨大化に伴い、跨るSF領域232やSF領域234が多数存在するようになると次のような問題が生じることになる。SF領域232やSF領域234は、描画装置の偏向器の偏向可能領域であるため、SF領域が変われば、その都度、偏向器用のアンプのセトリング時間が必要となる。そのため、重複させている跨るSF領域232やSF領域234が多数存在するようになるとその分だけセトリング時間が必要となり、描画時間に加算されることになる。そのため、SFサイズが小さくなればなるほど跨るSF領域数が増え、描画時間が長くなりスループットが低下するといった問題が生じる。そこで、今度は、跨るSF領域については重複させず、一方の処理領域にだけ従属させることで描画時間の短縮を図ることが検討されている。
図15では、3つの処理領域222,224,226について一例として示している。左の図は図14の左の図と同じである。それぞれの処理領域についてSF領域を定義すると、右側の図のようになる。2つの処理領域222,224に跨るSF領域232を処理領域222にだけ定義させる。2つの処理領域224,226に跨るSF領域234を処理領域224にだけ定義させる。このように分割された状態で、2つの処理領域222,224に跨るパターンが定義された場合、以下にように処理されることになる。
図16において、少なくとも1つの図形から構成されるセル242が処理領域222に定義される。そして、セル244が処理領域224に配置されている。そのうちのセル242については、処理領域224に跨っている。ここでは、各セルの左下の角を基準位置として、基準位置が位置する処理領域に定義させている。そして、処理領域別に分けた場合、跨るセル242については、双方の処理領域222,224に重複して定義させる。そして、以下のようにセルを分割して描画する。
図16に示したように、跨るセル242は、双方の処理領域222,224に重複して定義しているが、それぞれの処理領域に属するSF領域236,238の境界でセルを分割し、自己の処理領域に属するSF内の部分だけ定義するように分配する。図17では、セル242内の図形を2つの部分図形252,254に分割し、部分図形252を処理領域222に、部分図形254を処理領域224に定義する。この処理によりパターンが重複して描画されないようにすることができる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このようにSFの境界で単純にセルを分割すると、処理領域224にだけ定義されていたセル244についてもSF領域236,238の境界で2つの部分図形256,257に分割されることになる。しかし、セル244は、処理領域224にだけにしか定義されていないので、部分図形257がどこにも定義されずに抜けてしまうといった問題が生じる。このように、跨るSF領域を一方の処理領域にだけ定義するようにすると、処理領域224内に位置しながらも該当するSF領域238から外れてしまった部分についてはパターン抜けが生じることになる。
少なくとも1つの図形から構成される複数のセルがチップ領域に定義されたレイアウトデータを記憶する記憶部と、
レイアウトデータを分散処理する複数の処理領域の境界を定義する処理領域境界情報を入力し、処理領域境界情報を用いて、処理領域にマージン幅を付した複数のセル抽出枠を決定するセル抽出枠決定部と、
セル抽出枠毎に、レイアウトデータに定義された複数のセルの中から他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルを抽出するセル抽出部と、
抽出されたセルの内、前記処理領域よりも小さいサイズでチップ領域を仮想分割し、いずれかの処理領域に属するように定義された複数のサブフィールド領域内に位置するセル内の前記図形を複数の部分図形に分割して異なる当該処理領域に分配する図形分配部と、
処理領域毎に、分配された部分図形のデータを分散処理するデータ処理部と、
データ処理後の出力データに基づいて、荷電粒子ビームを用いて試料に複数のセルが示すパターンを描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする。
少なくとも1つの図形から構成される複数のセルがチップ領域に定義されたレイアウトデータを分散処理する複数の処理領域の境界を定義する処理領域境界情報を入力し、処理領域境界情報を用いて、処理領域にマージン幅を付した複数のセル抽出枠を決定する工程と、
セル抽出枠毎に、レイアウトデータに定義された複数のセルの中から他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルを抽出する工程と、
抽出されたセルの内、前記処理領域よりも小さいサイズでチップ領域を仮想分割し、いずれかの処理領域に属するように定義された複数のサブフィールド領域内に位置するセル内の前記図形を複数の部分図形に分割して異なる当該処理領域に分配する工程と、
処理領域毎に、分配された部分図形のデータを出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。
図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例である。描画装置100は、試料101に所定のパターンを描画する。描画部150は、描画室103と描画室103の上部に配置された電子鏡筒102を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、主偏向器208及び副偏向器209を有している。そして、描画室103内には、XYステージ105が配置され、XYステージ105上に描画対象となる試料101が配置される。試料101として、例えば、半導体装置が形成されるウェハにパターンを転写する露光用のマスクが含まれる。また、このマスクは、例えば、まだ何もパターンが形成されていないマスクブランクスが含まれる。制御部160は、制御計算機ユニット110,130、磁気ディスク装置140,142,144、及び制御回路146を有している。制御計算機ユニット110,130、磁気ディスク装置140,142,144、及び制御回路146は、図示しないバスにより互いに接続されている。制御計算機ユニット110内には、データ入力部112、セル抽出枠決定部114、セル抽出部116、サブフィールド分割部118(図形分配部)、データ出力部120、及びメモリ122が配置されている。また、制御計算機ユニット130内には、複数のCPU132と複数のメモリ134が配置されている。ここで、制御計算機ユニット110内のデータ入力部112、セル抽出枠決定部114、セル抽出部116、サブフィールド分割部118、及びデータ出力部120の各機能の処理をソフトウェアにより実施させても構わない。或いは、データ入力部112、セル抽出枠決定部114、セル抽出部116、サブフィールド分割部118、及びデータ出力部120の各機能は、電気的な回路によるハードウェアにより構成されても構わない。或いは、電気的な回路によるハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、かかるハードウェアとファームウェアとの組合せでも構わない。また、ソフトウェアにより、或いはソフトウェアとの組合せにより実施させる場合には、制御計算機ユニット110に入力される情報或いは演算処理中及び処理後の各情報はその都度メモリ122に記憶される。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれても構わないことは言うまでもない。
セル抽出枠決定部114は、SF領域20の幅寸法をマージン80のマージン幅として設定する。すなわち、マージン幅を固定値として設定する。データ入力部112により入力されたSF情報を用いて、SF領域30の幅寸法はかかるSF情報から得ればよい。そして、設定されたマージン幅を処理領域の境界72に付加する。或いは、以下のようにマージン幅を設定しても好適である。
セル抽出枠決定部114は、複数の方向について、処理領域20の境界72と処理領域20からはみ出すSF領域30の境界との差分、或いは、処理領域20の境界と処理領域20の内側に位置するSF領域30の境界との差分をそれぞれ動的に演算し、複数の方向について演算された複数の差分をそれぞれの方向のマージン幅84,86として設定しても好適である。或いは、以下のようにマージン幅を設定しても好適である。
例えば、図6では、左辺マージンが最大値となるので、左辺マージンと同じ幅だけ、上下辺と右辺にマージン26を付加する。ここでは、上辺と右辺についてはマージンが処理領域20の外側に付加され、下辺と左辺については内側に付加される場合を示している。
図8は、実施の形態1における2つの処理領域に跨るセルが定義された場合の一例を示す概念図である。
図8において、処理領域22にはマージン26が付加されている。よって、処理領域22にマージン26を付加した領域がセル抽出枠23となる。処理領域24にマージンを付加したセル抽出枠については記載を省略している。ここで、各セルの左下の角部をセル基準位置とすると、セル42は処理領域22に定義される。そして、セル44は、処理領域24内に基準位置が位置することになるので、処理領域24に定義される。また、セル44は、処理領域22のマージン26内に基準位置が位置するので、処理領域22にも定義される。セル44は、他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠23に跨るセルとなる。他方、セル42は、セル抽出枠23内にセル基準位置が配置されながらも処理領域24にマージンを付加した図示しないセル抽出枠に跨るセルとなる。よって、セル抽出枠毎に、セル抽出枠内にセル基準位置が配置されるセルと他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルを抽出する。これを処理領域別に分けた場合、セル42,44は、双方の処理領域22,24のセル抽出枠で重複して抽出されることになる。ここでは、各セルの左下の角を基準位置として、基準位置が位置する処理領域に定義させている。図8では、各処理領域の左下の角を基準位置62,64として、基準位置62,64から各セル42,44の基準位置を定義する例を示している。
図8に示したように、双方のセル抽出枠を跨るセル42,44は、双方の処理領域22,24のセル抽出枠で重複して抽出されるが、それぞれの処理領域に属するSF領域36,38の境界で、サブフィールド分割部118はセル42,44を分割する。そして、自己の処理領域に属するSF領域36,38内の部分だけ該当する処理領域に定義するように分配する。図9では、セル42内の図形を2つの部分図形52,54に分割し、部分図形52を処理領域22に、部分図形54を処理領域24に分配し、定義する。そして、セル44内の図形を2つの部分図形56,58に分割し、部分図形56を処理領域22に、部分図形58を処理領域24に分配し、定義する。以上のように構成することで、定義されたSF領域36が処理領域22からはみ出している場合でそのはみ出たSF領域36内に位置する部分図形56が存在する場合でも部分図形56を処理領域22に定義させることができる。よって、パターン抜けを防止することができる。
図10(a)に示すように、マージン幅を付加していない処理領域28で領域内セルと跨るセルとを抽出した場合、実線で示す10個のセル46が抽出され、点線で示す6つのセルが抽出されないことになる。これに対し、図10(b)に示すように、マージン29を付加した処理領域28で示すセル抽出枠27で領域内セルと跨るセルとを抽出した場合、実線で示す12個のセル46が抽出され、点線で示す4つのセルが抽出されないことになる。すなわち、Aで示す2つのセルが新たに抽出されることになる。かかるAで示すセルは、処理領域28内には位置せず、処理領域28に定義されるSF領域内に跨る可能性の高いセルである。よって、図示しない隣の処理領域に定義されるSF領域との境界で分割された場合、処理領域28内か否かで抽出するとパターン抜けとなってしまう可能性が大きい。しかし、実施の形態1では、セル抽出枠27で抽出することでかかるパターン抜けとなってしまう可能性が大きいセル(Aで示す)をも漏らさず抽出することができる。
20,21,22,24,28,220,222,224,226 処理領域
23,27 セル抽出枠
30,36,38,230,232,234,236,238 SF領域
42,44,46,242,244 セル
52,54,56,58,252,254,256,257 部分図形
11,62,64,211 基準位置
72 境界
26,29,80 マージン
84,86 マージン幅
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110,130 制御計算機ユニット
112 データ入力部
114 セル抽出枠決定部
116 セル抽出部
118 セル分配部
120 データ出力部
122 メモリ
132 CPU
134 メモリ
140,142,144 磁気ディスク装置
146 制御回路
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
206,420 第2のアパーチャ
204 投影レンズ
205 偏向器
207 対物レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース
Claims (5)
- 少なくとも1つの図形から構成される複数のセルがチップ領域に定義されたレイアウトデータを記憶する記憶部と、
前記レイアウトデータを分散処理する複数の処理領域の境界を定義する処理領域境界情報を入力し、前記処理領域境界情報を用いて、前記処理領域にマージン幅を付した複数のセル抽出枠を決定するセル抽出枠決定部と、
セル抽出枠毎に、前記レイアウトデータに定義された複数のセルの中から他の処理領域内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルを抽出するセル抽出部と、
抽出されたセルの内、前記処理領域よりも小さいサイズで前記チップ領域を仮想分割し、いずれかの処理領域に属するように定義された複数のサブフィールド領域内に位置するセル内の前記図形を複数の部分図形に分割して異なる当該処理領域に分配する図形分配部と、
前記処理領域毎に、分配された部分図形のデータを分散処理するデータ処理部と、
データ処理後の出力データに基づいて、荷電粒子ビームを用いて試料に前記複数のセルが示すパターンを描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする描画装置。 - 前記セル抽出枠決定部は、複数の方向について、前記処理領域の境界と前記処理領域からはみ出すサブフィールド領域の境界との差分をそれぞれ演算し、前記複数の方向について演算された複数の差分の中から最大値を前記マージン幅として設定することを特徴とする請求項1記載の描画装置。
- 前記セル抽出枠決定部は、前記サブフィールド領域の幅寸法を前記マージン幅として設定することを特徴とする請求項1記載の描画装置。
- 前記セル抽出枠決定部は、複数の方向について、前記処理領域の境界と前記処理領域からはみ出すサブフィールド領域の境界との差分をそれぞれ演算し、前記複数の方向について演算された複数の差分をそれぞれの方向のマージン幅として設定することを特徴とする請求項1記載の描画装置。
- 少なくとも1つの図形から構成される複数のセルがチップ領域に定義されたレイアウトデータを分散処理する複数の処理領域の境界を定義する処理領域境界情報を入力し、前記処理領域境界情報を用いて、前記処理領域にマージン幅を付した複数のセル抽出枠を決定する工程と、
セル抽出枠毎に、前記レイアウトデータに定義された複数のセルの中から他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルを抽出する工程と、
抽出されたセルの内、前記処理領域よりも小さいサイズで前記チップ領域を仮想分割し、いずれかの処理領域に属するように定義された複数のサブフィールド領域内に位置するセル内の前記図形を複数の部分図形に分割して異なる当該処理領域に分配する工程と、
前記処理領域毎に、分配された部分図形のデータを出力する工程と、
を備えたことを特徴とする描画用データの処理方法。
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