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JP5314937B2 - 描画装置及び描画用データの処理方法 - Google Patents

描画装置及び描画用データの処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、描画装置及び描画用データの処理方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図12は、従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線(EB:Electron beam)描画装置は、以下のように動作する。まず、第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形例えば長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向される。そして、可変成形開口421の一部を通過して、ステージ上に搭載されたレジスト材が塗布された試料に照射される。ステージは、描画中、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動している。このように、開口411と可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、試料340の描画領域に描画される。開口411と可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式という。
図13は、従来のチップ領域を処理領域とサブフィールド領域に仮想分割した場合の一例を示す概念図である。かかる電子ビーム描画を行なうにあたり、まず、半導体集積回路のレイアウトが設計され、レイアウトデータが生成される。試料となる基板に複数のチップを描画する際には、複数のチップがマージ処理され、1つのチップ領域210に変換される。このようにして生成されたレイアウトデータに定義されたパターンを描画するにあたって、まずは、データ処理を分散処理にて行うための複数の処理領域220に仮想分割される。他方、処理領域220より小さい偏向器の偏向可能サイズでサブフィールド(SF)領域230が設定される。これらは、チップ領域210の基準位置211からそれぞれのサイズで分割される。処理領域220のサイズとSF領域230のサイズは異なり、処理領域220のサイズがSF領域230のサイズの整数倍とは限らないので、SF領域230が複数の処理領域220に跨る場合が発生し得る。このような処理領域220の境界を跨るSF領域230については、描画されないパターン(パターン抜け)を無くすために双方の処理領域に定義させて、描画する際に、パターンが重ならないように処理を行うといった方法が行われていた。
図14は、双方の処理領域にSF領域を定義した場合の一例を示す概念図である。
図14では、3つの処理領域222,224,226について一例として示している。それぞれの処理領域についてSF領域を定義すると、右側の図のようになる。2つの処理領域222,224については、跨るSF領域232が2つの処理領域222,224の両方に重複して定義される。また、2つの処理領域224,226については、跨るSF領域234が2つの処理領域224,226の両方に重複して定義される。しかしながら、パターンの微細化、及び膨大化に伴い、跨るSF領域232やSF領域234が多数存在するようになると次のような問題が生じることになる。SF領域232やSF領域234は、描画装置の偏向器の偏向可能領域であるため、SF領域が変われば、その都度、偏向器用のアンプのセトリング時間が必要となる。そのため、重複させている跨るSF領域232やSF領域234が多数存在するようになるとその分だけセトリング時間が必要となり、描画時間に加算されることになる。そのため、SFサイズが小さくなればなるほど跨るSF領域数が増え、描画時間が長くなりスループットが低下するといった問題が生じる。そこで、今度は、跨るSF領域については重複させず、一方の処理領域にだけ従属させることで描画時間の短縮を図ることが検討されている。
図15は、一方の処理領域にSF領域を定義した場合の一例を示す概念図である。
図15では、3つの処理領域222,224,226について一例として示している。左の図は図14の左の図と同じである。それぞれの処理領域についてSF領域を定義すると、右側の図のようになる。2つの処理領域222,224に跨るSF領域232を処理領域222にだけ定義させる。2つの処理領域224,226に跨るSF領域234を処理領域224にだけ定義させる。このように分割された状態で、2つの処理領域222,224に跨るパターンが定義された場合、以下にように処理されることになる。
図16は、2つの処理領域に跨るセルが定義された場合の一例を示す概念図である。
図16において、少なくとも1つの図形から構成されるセル242が処理領域222に定義される。そして、セル244が処理領域224に配置されている。そのうちのセル242については、処理領域224に跨っている。ここでは、各セルの左下の角を基準位置として、基準位置が位置する処理領域に定義させている。そして、処理領域別に分けた場合、跨るセル242については、双方の処理領域222,224に重複して定義させる。そして、以下のようにセルを分割して描画する。
図17は、図16における跨るセルを分割する場合の一例を示す概念図である。
図16に示したように、跨るセル242は、双方の処理領域222,224に重複して定義しているが、それぞれの処理領域に属するSF領域236,238の境界でセルを分割し、自己の処理領域に属するSF内の部分だけ定義するように分配する。図17では、セル242内の図形を2つの部分図形252,254に分割し、部分図形252を処理領域222に、部分図形254を処理領域224に定義する。この処理によりパターンが重複して描画されないようにすることができる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このようにSFの境界で単純にセルを分割すると、処理領域224にだけ定義されていたセル244についてもSF領域236,238の境界で2つの部分図形256,257に分割されることになる。しかし、セル244は、処理領域224にだけにしか定義されていないので、部分図形257がどこにも定義されずに抜けてしまうといった問題が生じる。このように、跨るSF領域を一方の処理領域にだけ定義するようにすると、処理領域224内に位置しながらも該当するSF領域238から外れてしまった部分についてはパターン抜けが生じることになる。
特開2007−242823号公報
上述したように、複数の処理領域に跨るSF領域を一方にだけ定義させ、複数の処理領域に跨るセルについては双方に定義した上で、SF境界で跨るセルを分割するとパターン抜けが生じる場合があるといった問題があった。パターン抜けが生じると描画が終了しても描画された基板は使用することができない。
本発明は、かかる問題点を克服し、パターン抜けが生じないようにデータを処理することが可能な描画装置及び描画用データの処理方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様における描画装置は、
少なくとも1つの図形から構成される複数のセルがチップ領域に定義されたレイアウトデータを記憶する記憶部と、
レイアウトデータを分散処理する複数の処理領域の境界を定義する処理領域境界情報を入力し、処理領域境界情報を用いて、処理領域にマージン幅を付した複数のセル抽出枠を決定するセル抽出枠決定部と、
セル抽出枠毎に、レイアウトデータに定義された複数のセルの中から他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルを抽出するセル抽出部と、
抽出されたセルの内、前記処理領域よりも小さいサイズでチップ領域を仮想分割し、いずれかの処理領域に属するように定義された複数のサブフィールド領域内に位置するセル内の前記図形を複数の部分図形に分割して異なる当該処理領域に分配する図形分配部と、
処理領域毎に、分配された部分図形のデータを分散処理するデータ処理部と、
データ処理後の出力データに基づいて、荷電粒子ビームを用いて試料に複数のセルが示すパターンを描画する描画部と、
を備えたことを特徴とする。
処理領域にマージン幅を付した複数のセル抽出枠で跨るセルを抽出することにより、サブフィールド領域内に位置しながら抽出されないセルを無くすことができる。そのため、セル部分を分配する際に、パターン抜けが発生することを防止できる。
セル抽出枠決定部は、複数の方向について、処理領域の境界と処理領域からはみ出すサブフィールド領域の境界との差分をそれぞれ演算し、複数の方向について演算された複数の差分の中から最大値をマージン幅として設定すると好適である。
或いは、セル抽出枠決定部は、複数の方向について、処理領域の境界と処理領域からはみ出すサブフィールド領域の境界との差分をそれぞれ演算し、複数の方向について演算された複数の差分をそれぞれの方向に対してマージン幅として設定しても好適である。
或いは、セル抽出枠決定部は、サブフィールド領域の幅寸法をマージン幅として設定しても好適である。
本発明の一態様における描画用データの処理方法は、
少なくとも1つの図形から構成される複数のセルがチップ領域に定義されたレイアウトデータを分散処理する複数の処理領域の境界を定義する処理領域境界情報を入力し、処理領域境界情報を用いて、処理領域にマージン幅を付した複数のセル抽出枠を決定する工程と、
セル抽出枠毎に、レイアウトデータに定義された複数のセルの中から他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルを抽出する工程と、
抽出されたセルの内、前記処理領域よりも小さいサイズでチップ領域を仮想分割し、いずれかの処理領域に属するように定義された複数のサブフィールド領域内に位置するセル内の前記図形を複数の部分図形に分割して異なる当該処理領域に分配する工程と、
処理領域毎に、分配された部分図形のデータを出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、パターン抜けが生じないようにデータを処理することができる。その結果、跨るSF領域を双方の処理領域に定義させる場合よりも描画時間を短縮しながらパターン抜けを発生させずに描画することができる。
以下、各実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、荷電粒子ビーム描画装置の一例として、特に、可変成形型の電子ビーム描画装置について説明する。以下、電子ビーム描画装置を一例として説明するが、これに限るものではなく、レーザマスク描画装置についても同様に当てはめることができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。
図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例である。描画装置100は、試料101に所定のパターンを描画する。描画部150は、描画室103と描画室103の上部に配置された電子鏡筒102を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1のアパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2のアパーチャ206、対物レンズ207、主偏向器208及び副偏向器209を有している。そして、描画室103内には、XYステージ105が配置され、XYステージ105上に描画対象となる試料101が配置される。試料101として、例えば、半導体装置が形成されるウェハにパターンを転写する露光用のマスクが含まれる。また、このマスクは、例えば、まだ何もパターンが形成されていないマスクブランクスが含まれる。制御部160は、制御計算機ユニット110,130、磁気ディスク装置140,142,144、及び制御回路146を有している。制御計算機ユニット110,130、磁気ディスク装置140,142,144、及び制御回路146は、図示しないバスにより互いに接続されている。制御計算機ユニット110内には、データ入力部112、セル抽出枠決定部114、セル抽出部116、サブフィールド分割部118(図形分配部)、データ出力部120、及びメモリ122が配置されている。また、制御計算機ユニット130内には、複数のCPU132と複数のメモリ134が配置されている。ここで、制御計算機ユニット110内のデータ入力部112、セル抽出枠決定部114、セル抽出部116、サブフィールド分割部118、及びデータ出力部120の各機能の処理をソフトウェアにより実施させても構わない。或いは、データ入力部112、セル抽出枠決定部114、セル抽出部116、サブフィールド分割部118、及びデータ出力部120の各機能は、電気的な回路によるハードウェアにより構成されても構わない。或いは、電気的な回路によるハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、かかるハードウェアとファームウェアとの組合せでも構わない。また、ソフトウェアにより、或いはソフトウェアとの組合せにより実施させる場合には、制御計算機ユニット110に入力される情報或いは演算処理中及び処理後の各情報はその都度メモリ122に記憶される。図1では、本実施の形態1を説明する上で必要な構成部分以外については記載を省略している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれても構わないことは言うまでもない。
図2は、実施の形態1におけるチップ領域を処理領域とサブフィールド領域に仮想分割した場合の一例を示す概念図である。上述したように、電子ビーム描画を行なうにあたり、まず、半導体集積回路のレイアウトが設計され、レイアウトデータが生成される。試料となる基板に複数のチップを描画する際には、複数のチップがマージ処理され、一点鎖線で示す1つのチップ領域10に変換される。このようにして生成されたレイアウトデータに定義されたパターンを描画するにあたって、まずは、データ処理を分散処理にて行うための複数の処理領域20(図2において実線で示す)に基準位置11を基準に仮想分割される。複数の処理領域20でチップ領域10を覆うように設定する。描画装置は、x方向に向かって処理領域20毎に描画を行ない、x方向最後の処理領域20まで描画した後に、y方向に移動し、次のx方向に並ぶ処理領域20列を順に描画する。そのため、処理領域20のy方向の幅寸法は主偏向器208の偏向可能なサイズとすると好適である。他方、処理領域20より小さい副偏向器209の偏向可能サイズでサブフィールド(SF)領域30(図2において点線で示す)が基準位置11を基準に設定される。複数のSF領域30全体でチップ領域10を覆うように設定する。SF領域30は、処理領域20よりも小さいサイズでチップ領域10が仮想分割された領域であり、いずれかの処理領域20に属するように定義される。そして、描画装置100では、主偏向器208で1つのSF領域30の例えば中心に電子ビーム200を偏向し、副偏向器209で該当するSF領域30内の所望する位置にビームを偏向させることで描画が行われる。これらは、チップ領域10の基準位置11からそれぞれのサイズで分割される。処理領域20のサイズとSF領域30のサイズは異なり、処理領域20のサイズがSF領域30のサイズの整数倍とは限らないので、SF領域30が複数の処理領域20に跨る場合が発生し得る。
図3は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。まず、磁気ディスク装置140には、レイアウトデータが外部より転送され、格納(記憶)される。磁気ディスク装置140,142,144は、記憶部の一例となる。レイアウトデータでは、少なくとも1つの図形から構成される複数のセルがチップ領域10に定義されている。複数のセルの中には、複数の処理領域20に跨るセルも含まれる。そして、制御計算機ユニット110において、描画用データの処理が開始される。
ステップ(S)102において、データ入力部112は、複数の処理領域20の境界を定義する処理領域境界情報を入力する。また、SF領域30の幅寸法等が定義されたSF情報も一緒に入力する。
S104において、セル抽出枠決定部114は、データ入力部112から処理領域境界情報を入力する。そして、処理領域境界情報を用いて、処理領域20にマージン幅を付した複数のセル抽出枠を決定する。
図4は、実施の形態1におけるマージン幅の決定方法の一例を示す図である。
セル抽出枠決定部114は、SF領域20の幅寸法をマージン80のマージン幅として設定する。すなわち、マージン幅を固定値として設定する。データ入力部112により入力されたSF情報を用いて、SF領域30の幅寸法はかかるSF情報から得ればよい。そして、設定されたマージン幅を処理領域の境界72に付加する。或いは、以下のようにマージン幅を設定しても好適である。
図5は、実施の形態1におけるマージン幅の決定方法の他の一例を示す図である。
セル抽出枠決定部114は、複数の方向について、処理領域20の境界72と処理領域20からはみ出すSF領域30の境界との差分、或いは、処理領域20の境界と処理領域20の内側に位置するSF領域30の境界との差分をそれぞれ動的に演算し、複数の方向について演算された複数の差分をそれぞれの方向のマージン幅84,86として設定しても好適である。或いは、以下のようにマージン幅を設定しても好適である。
図6は、実施の形態1における処理領域とSF領域との位置関係の一例を示す概念図である。セル抽出枠決定部114は、複数の方向について、処理領域20の境界と処理領域20からはみ出すSF領域30の境界との差分、或いは、処理領域20の境界と処理領域20の内側に位置するSF領域30の境界との差分をそれぞれ動的に演算する。そして、複数の方向について演算された複数の差分をそれぞれの方向のマージン幅を得る。図6では、上辺マージンと下辺マージンと左辺マージンと右辺マージンとを示している。そして、セル抽出枠決定部114は、複数の方向について演算された複数の差分の中から最大値をマージン幅として設定する。
図7は、実施の形態1におけるマージンが付加された処理領域の一例を示す図である。
例えば、図6では、左辺マージンが最大値となるので、左辺マージンと同じ幅だけ、上下辺と右辺にマージン26を付加する。ここでは、上辺と右辺についてはマージンが処理領域20の外側に付加され、下辺と左辺については内側に付加される場合を示している。
以上のように少なくとも、処理領域20の境界と処理領域20からはみ出すSF領域30の境界との差分、或いは、処理領域20の境界と処理領域20の内側に位置するSF領域30の境界との差分だけマージンが付加されていれば、部分図形の抜けを防止することができる。
S106において、セル抽出部116は、セル抽出枠毎に、レイアウトデータに定義された複数のセルの中から他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルと当該処理領域のセル抽出枠内にセル基準位置が配置されるセルとを抽出する。
図8は、実施の形態1における2つの処理領域に跨るセルが定義された場合の一例を示す概念図である。
図8において、処理領域22にはマージン26が付加されている。よって、処理領域22にマージン26を付加した領域がセル抽出枠23となる。処理領域24にマージンを付加したセル抽出枠については記載を省略している。ここで、各セルの左下の角部をセル基準位置とすると、セル42は処理領域22に定義される。そして、セル44は、処理領域24内に基準位置が位置することになるので、処理領域24に定義される。また、セル44は、処理領域22のマージン26内に基準位置が位置するので、処理領域22にも定義される。セル44は、他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠23に跨るセルとなる。他方、セル42は、セル抽出枠23内にセル基準位置が配置されながらも処理領域24にマージンを付加した図示しないセル抽出枠に跨るセルとなる。よって、セル抽出枠毎に、セル抽出枠内にセル基準位置が配置されるセルと他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルを抽出する。これを処理領域別に分けた場合、セル42,44は、双方の処理領域22,24のセル抽出枠で重複して抽出されることになる。ここでは、各セルの左下の角を基準位置として、基準位置が位置する処理領域に定義させている。図8では、各処理領域の左下の角を基準位置62,64として、基準位置62,64から各セル42,44の基準位置を定義する例を示している。
S108において、サブフィールド分割部118は、抽出されたセルの内、当該処理領域に属するように定義された複数のサブフィールド領域内に位置するセル内の図形部分を当該処理領域に分配する。
図9は、図8における跨るセルを分割する場合の一例を示す概念図である。
図8に示したように、双方のセル抽出枠を跨るセル42,44は、双方の処理領域22,24のセル抽出枠で重複して抽出されるが、それぞれの処理領域に属するSF領域36,38の境界で、サブフィールド分割部118はセル42,44を分割する。そして、自己の処理領域に属するSF領域36,38内の部分だけ該当する処理領域に定義するように分配する。図9では、セル42内の図形を2つの部分図形52,54に分割し、部分図形52を処理領域22に、部分図形54を処理領域24に分配し、定義する。そして、セル44内の図形を2つの部分図形56,58に分割し、部分図形56を処理領域22に、部分図形58を処理領域24に分配し、定義する。以上のように構成することで、定義されたSF領域36が処理領域22からはみ出している場合でそのはみ出たSF領域36内に位置する部分図形56が存在する場合でも部分図形56を処理領域22に定義させることができる。よって、パターン抜けを防止することができる。
図10は、マージンを付加する場合としない場合とで抽出されるセルの違いを説明するための概念図である。
図10(a)に示すように、マージン幅を付加していない処理領域28で領域内セルと跨るセルとを抽出した場合、実線で示す10個のセル46が抽出され、点線で示す6つのセルが抽出されないことになる。これに対し、図10(b)に示すように、マージン29を付加した処理領域28で示すセル抽出枠27で領域内セルと跨るセルとを抽出した場合、実線で示す12個のセル46が抽出され、点線で示す4つのセルが抽出されないことになる。すなわち、Aで示す2つのセルが新たに抽出されることになる。かかるAで示すセルは、処理領域28内には位置せず、処理領域28に定義されるSF領域内に跨る可能性の高いセルである。よって、図示しない隣の処理領域に定義されるSF領域との境界で分割された場合、処理領域28内か否かで抽出するとパターン抜けとなってしまう可能性が大きい。しかし、実施の形態1では、セル抽出枠27で抽出することでかかるパターン抜けとなってしまう可能性が大きいセル(Aで示す)をも漏らさず抽出することができる。
S110において、データ出力部120は、処理領域毎に、分配されたセルのデータを磁気ディスク装置142に出力する。そして、磁気ディスク装置142は、入力した各セルのデータを格納(記憶)する。
S112において、データ処理部の一例となる制御計算機ユニット130は、処理領域毎に、磁気ディスク装置142から分配されたセルのデータを読み出し、処理領域毎に分配されたセルのデータを分散処理する。具体的には、複数のCPU132と各CPU132に対応するメモリ134とで、並列処理すればよい。そして、データ処理されて装置内フォーマットに変換されたデータ(ショットデータ)は磁気ディスク装置144に出力され、格納される。そして、制御回路146は、磁気ディスク装置144からショットデータを読み出し、描画部150を制御して描画を行うことになる。
S114において、描画部150は、データ処理後の出力データに基づいて、電子ビームを用いて試料101に複数のセルが示すパターンを描画する。具体的には以下のように動作する。
電子銃201から出た電子ビーム200は、照明レンズ202により例えば長方形の穴を持つ第1のアパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず例えば長方形に成形する。そして、第1のアパーチャ203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2のアパーチャ206上に投影される。かかる第2のアパーチャ206上での第1のアパーチャ像の位置は、偏向器205によって制御され、ビーム形状と寸法を変化させることができる。そして、第2のアパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、主偏向器208により所望する処理領域中の所望するSF領域上に偏向され、副偏向器209によりSF領域中の所望する位置に偏向されることにより所望する位置に照射される。
また、以上の説明において、「〜部」或いは「〜工程」と記載したものは、コンピュータで動作可能なプログラムにより構成することができる。或いは、ソフトウェアとなるプログラムだけではなく、ハードウェアとソフトウェアとの組合せにより実施させても構わない。或いは、ファームウェアとの組合せでも構わない。また、プログラムにより構成される場合、プログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録される。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
図11は、実施の形態1におけるチップ領域を処理領域とサブフィールド領域に仮想分割した場合の他の一例を示す概念図である。複数の処理領域21(図11において実線で示す)は、同じ長さ(x方向:図11の水平方向)で仮想分割される必要はなく、データ量に応じて適宜長さを可変にしても構わない。複数の処理領域21でチップ領域10を覆うように基準位置11を基準に設定する点は図2と同様である。処理領域21のy方向(図11の上方向)の幅寸法は主偏向器208の偏向可能なサイズとすると好適である。SF領域30(図11において点線で示す)は、図2と同様である。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての描画装置及び描画用データの処理方法は、本発明の範囲に包含される。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるチップ領域を処理領域とサブフィールド領域に仮想分割した場合の一例を示す概念図である。 実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1におけるマージン幅の決定方法の一例を示す図である。 実施の形態1におけるマージン幅の決定方法の他の一例を示す図である。 実施の形態1における処理領域とSF領域との位置関係の一例を示す概念図である。 実施の形態1におけるマージンが付加された処理領域の一例を示す図である。 実施の形態1における2つの処理領域に跨るセルが定義された場合の一例を示す概念図である。 図8における跨るセルを分割する場合の一例を示す概念図である。 マージンを付加する場合としない場合とで抽出されるセルの違いを説明するための概念図である。 実施の形態1におけるチップ領域を処理領域とサブフィールド領域に仮想分割した場合の他の一例を示す概念図である。 従来の可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。 従来のチップ領域を処理領域とサブフィールド領域に仮想分割した場合の一例を示す概念図である。 双方の処理領域にSF領域を定義した場合の一例を示す概念図である。 一方の処理領域にSF領域を定義した場合の一例を示す概念図である。 2つの処理領域に跨るセルが定義された場合の一例を示す概念図である。 図16における跨るセルを分割する場合の一例を示す概念図である。
符号の説明
10,210 チップ領域
20,21,22,24,28,220,222,224,226 処理領域
23,27 セル抽出枠
30,36,38,230,232,234,236,238 SF領域
42,44,46,242,244 セル
52,54,56,58,252,254,256,257 部分図形
11,62,64,211 基準位置
72 境界
26,29,80 マージン
84,86 マージン幅
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110,130 制御計算機ユニット
112 データ入力部
114 セル抽出枠決定部
116 セル抽出部
118 セル分配部
120 データ出力部
122 メモリ
132 CPU
134 メモリ
140,142,144 磁気ディスク装置
146 制御回路
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
206,420 第2のアパーチャ
204 投影レンズ
205 偏向器
207 対物レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (5)

  1. 少なくとも1つの図形から構成される複数のセルがチップ領域に定義されたレイアウトデータを記憶する記憶部と、
    前記レイアウトデータを分散処理する複数の処理領域の境界を定義する処理領域境界情報を入力し、前記処理領域境界情報を用いて、前記処理領域にマージン幅を付した複数のセル抽出枠を決定するセル抽出枠決定部と、
    セル抽出枠毎に、前記レイアウトデータに定義された複数のセルの中から他の処理領域内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルを抽出するセル抽出部と、
    抽出されたセルの内、前記処理領域よりも小さいサイズで前記チップ領域を仮想分割し、いずれかの処理領域に属するように定義された複数のサブフィールド領域内に位置するセル内の前記図形を複数の部分図形に分割して異なる当該処理領域に分配する図形分配部と、
    前記処理領域毎に、分配された部分図形のデータを分散処理するデータ処理部と、
    データ処理後の出力データに基づいて、荷電粒子ビームを用いて試料に前記複数のセルが示すパターンを描画する描画部と、
    を備えたことを特徴とする描画装置。
  2. 前記セル抽出枠決定部は、複数の方向について、前記処理領域の境界と前記処理領域からはみ出すサブフィールド領域の境界との差分をそれぞれ演算し、前記複数の方向について演算された複数の差分の中から最大値を前記マージン幅として設定することを特徴とする請求項1記載の描画装置。
  3. 前記セル抽出枠決定部は、前記サブフィールド領域の幅寸法を前記マージン幅として設定することを特徴とする請求項1記載の描画装置。
  4. 前記セル抽出枠決定部は、複数の方向について、前記処理領域の境界と前記処理領域からはみ出すサブフィールド領域の境界との差分をそれぞれ演算し、前記複数の方向について演算された複数の差分をそれぞれの方向のマージン幅として設定することを特徴とする請求項1記載の描画装置。
  5. 少なくとも1つの図形から構成される複数のセルがチップ領域に定義されたレイアウトデータを分散処理する複数の処理領域の境界を定義する処理領域境界情報を入力し、前記処理領域境界情報を用いて、前記処理領域にマージン幅を付した複数のセル抽出枠を決定する工程と、
    セル抽出枠毎に、前記レイアウトデータに定義された複数のセルの中から他の処理領域枠内にセル基準位置が配置されながらも当該処理領域のセル抽出枠に跨るセルを抽出する工程と、
    抽出されたセルの内、前記処理領域よりも小さいサイズで前記チップ領域を仮想分割し、いずれかの処理領域に属するように定義された複数のサブフィールド領域内に位置するセル内の前記図形を複数の部分図形に分割して異なる当該処理領域に分配する工程と、
    前記処理領域毎に、分配された部分図形のデータを出力する工程と、
    を備えたことを特徴とする描画用データの処理方法。
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