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JP5381396B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤトレッド用ゴム組成物に関し、更に詳しくは、ドライグリップ性能を早く立上げ、そのドライグリップ性能の持続性を長くすると共に、耐ブロー性を向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
空気入りタイヤのグリップ性能は、タイヤ温度の影響が大きく、低温状態では十分なグリップ性能が得られないことが知られている。特に、レース用タイヤでは、トレッドを構成するゴム組成物が、走行開始後、できるだけ早く高温状態に達するような特性を備えていることが要求されている。このため、トレッド用ゴム組成物にカーボンブラック等の充填材を多量に配合するようにしている。しかし、充填剤を多量に配合したゴム組成物は、高速走行が長時間になると熱ダレ現象を発生し、ドライグリップ性能が徐々に低下し、ついにはブローしてしまうという問題があった。
この対策として、特許文献1は、タイヤトレッド用ゴム組成物としてガラス転移温度が高いスチレンブタジエンゴムに小粒径のカーボンブラックを配合することにより、ドライグリップ性能の立上り性の向上と耐熱ダレ性の改善を図ることを提案している。しかしながら、このタイヤトレッド用ゴム組成物は、高速走行を続行したときの耐熱性(耐ブロー性)については、まだ改善の余地があった。
特開2007−246625号公報
本発明の目的は、ドライグリップ性能の早期立上げ性と持続性を向上するのみならず、耐ブロー性も向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ガラス転移温度が−25℃以上であるスチレンブタジエンゴムを10重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積が140〜350m/gであるカーボンブラックを10〜150重量部含む充填剤を80〜150重量部、茶抽出物を0.01〜5重量部、軟化剤を60〜200重量部配合したことを特徴とする。
前記スチレンブタジエンゴムは、ガラス転移温度を−20℃以上にするとよく、前記ジエン系ゴム中に20重量%以上配合するとよい。
また、テルペンフェノール樹脂及び芳香族変性テルペン樹脂から選ばれる少なくとも1種を配合する場合には、軟化点が80〜130℃であるものを前記ジエン系ゴム100重量部に対し5〜70重量部配合するとよい。
茶抽出物は、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレート及び(−)−エピガロカテキンガレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であるとよい。
このタイヤトレッド用ゴム組成物は、空気入りタイヤの構成材料として好適に使用可能である。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物によれば、ガラス転移温度が−25℃以上であるスチレンブタジエンゴムを10重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積が140〜350m/gであるカーボンブラックを10〜150重量部含む充填剤を80〜150重量部、軟化剤を60〜200重量部配合したことにより、走行開始後のドライグリップ性能の早期立上げを可能にすると共に、その持続性を可能にすることができる。更に、茶抽出物を0.01〜5重量部配合したことにより、この茶抽出物が酸化防止剤として機能しゴム組成物の耐熱性を向上すると共に、ゴム組成物の高温時のヒステリシスロス(60℃におけるtanδ)の上昇を抑制する作用を行ない、高温状態になったタイヤの更なる発熱を抑制するため、耐熱ダレ性及び耐ブロー性を向上することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分にはジエン系ゴムが使用される。ジエン系ゴムとしては、ガラス転移温度が−25℃以上であるスチレンブタジエンゴムを必ず含むようにする。ガラス転移温度が−25℃以上のスチレンブタジエンゴムを含むことにより、高速走行時における耐熱ダレ性を向上する。スチレンブタジエンゴムのガラス転移温度は、好ましくは−20℃以上、より好ましくは−20℃〜−5℃にするとよい。なお、スチレンブタジエンゴムのガラス転移温度が高過ぎると、発熱性が大きくなるまでに時間がかかりドライグリップ性能を早期に立上げることができない。
また、スチレンブタジエンゴムの種類は、上述したガラス転移温度を有するものであれば、溶液重合スチレンブタジエンゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴムのいずれでもよい。スチレンブタジエンゴムは油展品でもよいが、油展SBRのガラス転移温度は、オイル成分を含まない状態におけるスチレンブタジエンゴムのガラス転移温度とする。また、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、低温側のベースラインと転移域の傾き(傾斜直線)とのそれぞれの延長線の交点の温度とする。
ジエン系ゴムにおけるガラス転移温度が−25℃以上のスチレンブタジエンゴムの配合量は10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは25〜100重量%である。ガラス転移温度が−25℃以上のスチレンブタジエンゴムの配合量が10重量%未満であると、ゴムの発熱が低すぎて初期グリップが低下する。更には周回を通してグリップ性能が低いタイヤとなる。
本発明において、ガラス転移温度が−25℃以上のスチレンブタジエンゴム以外のジエン系ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ガラス転移温度が−25℃未満のスチレン−ブタジエンゴム等が挙げられる。なかでも、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ガラス転移温度が−25℃未満のスチレン−ブタジエンゴムが好ましい。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックを配合することによりゴムの強度を高くする。カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し10〜150重量部、好ましくは60〜140重量部である。カーボンブラックの配合量が10重量部未満の場合には、ゴム強度を十分に高くすることができない。また、カーボンブラックの配合量が150重量部を超えると、耐熱ダレ性が悪化する。また、タイヤトレッド用ゴム組成物の粘度が増大し成形加工性が悪化する。
本発明において好適に使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(NSA)が140〜350m/g、好ましくは190〜300m/gである。カーボンブラックの窒素吸着比表面積が140m/g未満の場合には、ゴム強度を十分に高くすることができない。窒素吸着比表面積が350m/gを超えると耐熱ダレ性及び耐ブロー性が悪化する。また、ウェットグリップ性能が悪化すると共に、ゴム粘度が高くなり加工性が悪化する。カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS K6217−2に準拠して求めるものとする。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラック以外の充填剤を配合してもよい。カーボンブラック10〜150重量部を含む充填剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し80〜150重量部、好ましくは10〜70重量部である。したがって、ジエン系ゴムにカーボンブラックだけを配合するときは、カーボンブラックの配合量を80〜150重量部にする。カーボンブラックを含む充填剤の配合量が80重量部未満の場合には、ゴム強度を十分に高くすることができない。また、カーボンブラックを含む充填剤の配合量が150重量部を超えると、耐熱ダレ性が悪化する。また、タイヤトレッド用ゴム組成物の粘度が増大し成形加工性が悪化する。
カーボンブラック以外の充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、マイカ等が例示される。なかでもシリカが好ましく、タイヤトレッド用ゴム組成物のウェットグリップ性能を向上することができる。
なお、シリカは粒子表面に存在するシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集しやすいため、ジエン系ゴムに対する分散性が悪いという課題がある。シリカの分散性が悪いと、ウェットグリップ性能を向上する作用が十分に得られない。本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、後述するように、茶抽出物を配合することにより、シリカの分散性を向上するのでヒステリシスロスを一層小さくすることができる。
タイヤトレッド用ゴム組成物において、シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し20〜140重量部が好ましく、より好ましくは30〜130重量部にするとよい。シリカの配合量が20重量部未満では、ウェットグリップ性能を向上する効果が十分に得られない。また、シリカ配合量が140重量部を超えると、ゴムに混合することが難しく、シリカ分散度が高い均一な状態のトレッド用ゴム組成物を得るのが難しい。またスコーチタイムが短くなりトレッド用ゴム組成物の押出性も悪化し生産性が悪くなる。
本発明において好適に使用するシリカは、CTAB吸着比表面積が好ましくは100〜250m/g、より好ましくは110〜200m/gであるとよい。シリカのCTAB吸着比表面積が100m/g未満の場合には、ゴム強度を十分に高くすることができない。シリカのCTAB吸着比表面積が250m/gを超えるとゴム粘度が高くなり加工性が悪化する。シリカのCTAB吸着比表面積は、ASTM−D3765−80の規格に準拠して求めるものとする。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に配合する茶抽出物は、酸化防止剤として機能し耐熱性を高くするため、タイヤトレッド用ゴム組成物の耐熱ダレ性及び耐ブロー性を向上することができる。また、茶抽出物は意外にもゴム組成物の高温時のヒステリシスロス(60℃におけるtanδ)を小さくし、高温状態になったタイヤが更に発熱するのを抑制することにより、耐熱ダレ性及び耐ブロー性を一層向上することができる。この理由は明らかではないが、カーボンブラック又はカーボンブラック及び充填剤と茶抽出物とを共に配合することにより、カーボンブラック及び充填剤の分散性が向上するためと考えられる。
茶抽出物の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.03〜4重量部である。茶抽出物の配合量が0.01重量部未満であると、所期の効果を得ることができない。また、茶抽出物の配合量が5重量部を超えると、却って充填剤の分散性を悪化させるため、耐熱ダレ性及び耐ブロー性が悪化する。また、ウェットグリップ性能が悪化する。
本発明で使用する茶抽出物は、緑茶、烏龍茶、紅茶から選ばれる少なくとも1種からの抽出物であり、これらの茶葉又は茶葉の粉砕物から、水若しくは熱水、有機溶剤を抽出剤とし5〜60℃の抽出温度で抽出するとよい。有機溶剤としては例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、グリセリンなどが例示される。これらの抽出剤は単独で使用してもよいし、複数を組合わせて使用してもよい。
茶抽出物は、上記の抽出剤で抽出した画分を使用する。水若しくは熱水、有機溶剤で抽出したときは、その抽出液を茶抽出物としてそのまま使用してもよいが、取扱い性の観点からは、抽出液から噴霧乾燥や凍結乾燥等により水分を除去して粉末状にして使用するとよい。
本発明で使用する茶抽出物は、茶由来のポリフェノール類を含む。このポリフェノール類はフラボノイドを主成分とし、フラボノイドはフラボン、フラボノール、フラバノール、フラボン配糖体などが例示される。また、複数のフラボノイドが結合することにより縮合型タンニンが生成する。フラボノイドのうちフラバノールが、フラバン−3−オール骨格を有するカテキン類である。
本発明において、茶抽出物に含まれるポリフェノール類をカテキン及びカテキン以外の茶ポリフェノール類に大別するものとする。カテキンとしては、例えば(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキンガレート等が例示される。茶抽出物としては、上述の化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものであればよい。茶抽出物は、とりわけカテキンを含むことが好ましく、茶抽出物中のカテキンの含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは6〜85重量%にするとよい。カテキンの含有量が5重量%未満であると、酸化防止性能が十分に得られない。
また、カテキン以外の茶ポリフェノール類としては、カテキン以外の茶由来のフラボノイド類及びフラボノイド類以外の茶ポリフェノール類であるものとする。これら茶ポリフェノール類を含有することにより、カテキンだけを配合した場合よりもゴム中へのカテキンの分散性を良好にする。このためカテキンの抗酸化効果をより高くすると共に、茶ポリフェノール類の抗酸化効果との相乗効果が期待できる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物に使用する茶抽出物は、上述した茶抽出物をそのまま使用してもよいし、他の天然化合物及び/又は界面活性剤を添加した混合物からなる酸化防止剤として使用してもよい。天然化合物としては、例えばトコフェロール、アスコルビン酸、茶由来のポリフェノールを除いたポリフェノール、植物油、動物油等を例示することができる。界面活性剤としては、例えばモノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合脂肪酸エステル等を例示することができる。
このような酸化防止剤は市販されており、例えば太陽化学社製サンフェノンDK(茶カテキンを74重量%含む茶由来ポリフェノールを92重量%、ミネラル,灰分などを8量%含む茶抽出物)、サンフラボンHG(茶カテキンを73重量%含む茶由来ポリフェノールを89重量%、ミネラル,灰分などを11量%含む茶抽出物)、サンカトールNo1(茶カテキンを70重量%含む茶由来ポリフェノールを10重量%含有し、これを界面活性剤で処理したもの)等を例示することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、軟化剤を配合することによりドライグリップ性能及びウェットグリップ性能を向上する。軟化剤の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し60〜200重量部、好ましくは70〜180重量部にする。軟化剤の配合量が60重量部未満であると、ドライグリップ性能及びウェットグリップ性能を向上する作用が得られない。また、軟化剤の配合量が200重量部を超えると、耐熱ダレ性及び耐ブロー性が悪化する。なお、軟化剤は、タイヤトレッド用ゴム組成物中に含まれるすべての軟化剤であり、軟化剤の配合量とは、ジエン系ゴムが油展品であるときは油展された軟化剤成分(プロセス油又は伸展油)とゴム組成物に配合された軟化剤との合計量をいうものとする。
軟化剤としては、石油系軟化剤や植物油系軟化剤が挙げられ、石油系軟化剤としては例えばパラフィン系オイル、アロマ系オイル、ナフテン系オイルなどが例示される。なかでも、アロマオイルが好ましい。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、テルペンフェノール樹脂及び/又は芳香族変性テルペン樹脂を配合することができる。テルペンフェノール樹脂及び芳香族変性テルペン樹脂を配合することにより、タイヤトレッド用ゴム組成物の走行開始後、ドライグリップ性能の早期の立上げを可能にすると共に、そのドライグリップ性能の持続性を可能にして耐熱ダレ性を向上することができる。
テルペンフェノール樹脂及び/又は芳香族変性テルペン樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、好ましくは5〜70重量部、より好ましくは10〜65重量部にするとよい。配合量が5重量部未満であると、ドライグリップ性能の早期立上り性を向上することができない。また、配合量が70重量部を超えると、ドライグリップ性能の早期立ち上がり性には優れるが、ドライグリップ性能の持続性及び耐熱ダレ性が悪化する。
本発明で使用するテルペンフェノール樹脂及び芳香族変性テルペン樹脂は、軟化点が80〜130℃のものが好ましい。より好ましい軟化点は85〜125℃にするとよい。軟化点が80℃未満であると、ドライグリップ性能が十分に得られない。また、軟化点が130℃を超えると、走行初期のドライグリップ性能の立上りを早くすることができない。なお、軟化点とはJIS K6220−1に準拠し、DSC(示差走査熱量計)により測定する軟化点をいう。
このようなテルペンフェノール樹脂及び芳香族変性テルペン樹脂は、通常タイヤ用ゴム組成物に使用されるものから適宜選択して使用することができる。テルペンフェノール樹脂としては、例えばヤスハラケミカル社製YSポリスターT100(軟化温度100℃)、YSポリスターT115(軟化温度115℃)、YSポリスターU115(軟化温度115℃)等を例示することができる。また、芳香族変性テルペン樹脂としては、例えばヤスハラケミカル社製YSレジン TO85(軟化温度85℃)、YSレジン TO105(軟化温度105℃)、YSレジン TO115(軟化温度115℃)、YSレジン TO125(軟化温度125℃)、等を例示することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、カップリング剤などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してタイヤトレッド用ゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、走行開始後のドライグリップ性能の早期立上げを可能にすると共に、その早く立上げたドライグリップ性能の持続性を可能にすることができる。また、ゴム組成物の耐熱性が高いと共に、高温時のヒステリシスロスを抑制するため、耐熱ダレ性を一層高くし、耐ブロー性を向上することができる。このタイヤトレッド用ゴム組成物は、レース用タイヤとしてだけでなく、乗用車用タイヤにも好適に使用することができる。これらの空気入りタイヤは、ドライグリップ性能が優れると共に、耐ブロー性が優れるので高速走行を安全に行なうことができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1,2に示す配合からなる14種類のタイヤトレッド用ゴム組成物(実施例1〜8、比較例1〜6)を、それぞれ硫黄及び加硫促進剤を除く配合成分を秤量し、16Lのバンバリーミキサーで10分間混練し、温度160℃でマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを16Lのバンバリーミキサーに供し、硫黄及び加硫促進剤を加え混合し、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。
得られた14種類のタイヤトレッド用ゴム組成物(実施例1〜8、比較例1〜6)をそれぞれ所定形状の金型中で、150℃、30分間加硫して試験片を作製し、下記に示す方法により耐ブロー性を測定した。
耐ブロー性
グッドリッチ式フレクソメータ(上島製作所社製)を使用して、JIS K6265に準拠するように、荷重20kg、ストローク4.4mm、回転数1800rpm、雰囲気温度100℃の条件で、疲労破壊が起きるまでの時間を測定した。得られた結果は、比較例1を100にする指数として、表1,2に示した。この指数が大きいほど耐ブロー性が優れていることを意味する。
また、得られた14種類のゴム組成物によりタイヤトレッド部を構成したタイヤサイズ195/55R15のレース用空気入りタイヤを製作した。得られた空気入りタイヤを、それぞれリムサイズ15×6Jに空気圧150kPaでリム組し、競技車両に装着し、テストドライバーがウェット条件のサーキットコース(一周約2km)を5周及びドライ条件のサーキットコース(一周約2km)を10周走行させたときの周回毎のラップタイムを計測し、下記の判定方法によりウェットグリップ性能、ドライグリップ性の初期性能(走行前半のドライグリップ性能)及びドライグリップ性能の持続性(走行後半のドライグリップ性能)を評価し、得られた結果を表1に示した。
ドライグリップの初期性能(走行前半のドライグリップ性能)
ドライ条件のサーキットコースを10周連続走行したときの1〜3ラップの平均タイムを、比較例1の空気入りタイヤの平均タイムを基準タイムとし、以下の判定基準により評価した。評点が高いほど走行初期のドライグリップ性能の早期立上りが優れることを意味する。
5:平均ラップタイムが、基準タイムより0.5秒以上速い。
4:平均ラップタイムが、基準タイムより0.2秒以上0.5秒未満速い。
3:平均ラップタイムと基準タイムとの差が0.2秒未満の範囲内にある。
2:平均ラップタイムが、基準タイムより0.2秒以上0.5秒未満遅い。
1:平均ラップタイムが、基準タイムより0.5秒以上遅い。
ドライグリップの持続性(走行後半のドライグリップ性能)
ドライ条件のサーキットコースを10周連続走行したときの8〜10ラップの平均タイムを、比較例1の空気入りタイヤの平均タイムを基準タイムとし、以下の判定基準により評価した。評点が高いほどドライグリップ性能の持続性が優れることを意味する。
5:平均ラップタイムが、基準タイムより0.5秒以上速い。
4:平均ラップタイムが、基準タイムより0.2秒以上0.5秒未満速い。
3:平均ラップタイムと基準タイムとの差が0.2秒未満の範囲内にある。
2:平均ラップタイムが、基準タイムより0.2秒以上0.5秒未満遅い。
1:平均ラップタイムが、基準タイムより0.5秒以上遅い。
ウェットグリップ性能
ウェット条件のサーキットコースを5周連続走行したときの5ラップ平均タイムを、比較例1の空気入りタイヤの平均タイムを基準タイムとし、以下の判定基準により評価した。評点が高いほどウェットグリップ性能が優れることを意味する。
5:平均ラップタイムが、基準タイムより0.5秒以上速い。
4:平均ラップタイムが、基準タイムより0.2秒以上0.5秒未満速い。
3:平均ラップタイムと基準タイムとの差が0.2秒未満の範囲内にある。
2:平均ラップタイムが、基準タイムより0.2秒以上0.5秒未満遅い。
1:平均ラップタイムが、基準タイムより0.5秒以上遅い。
Figure 0005381396
Figure 0005381396
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
SBR1:乳化重合スチレンブタジエンゴム、ガラス転移温度−20℃(日本ゼオン社製NIPOL 9529、SBR100重量部に対しアロマオイル50重量部添加の油展品)
SBR2:乳化重合スチレンブタジエンゴム、ガラス転移温度−35℃(日本ゼオン社製NIPOL 9526、SBR100重量部に対しアロマオイル50重量部添加の油展品)
カーボンブラック1:窒素吸着比表面積125m/g(昭和キャボット社製N234)
カーボンブラック2:窒素吸着比表面積142m/g(三菱化学社製ダイアブラックA)
カーボンブラック3:窒素吸着比表面積250m/g(コロンビアンケミカルスカンパニー社製Raven2500ULTRA)
カーボンブラック4:窒素吸着比表面積390m/g(コロンビアンケミカルスカンパニー社製CD2019)
シリカ:デグッサ社製7000GR(CTAB吸着比表面積155m/g)
カップリング剤:シランカップリング剤、デグッサ社製Si69
茶抽出物:茶カテキンを70重量%含む茶由来ポリフェノールを10重量%含有しこれを界面活性剤で処理したもの、太陽化学社製サンカトールNo1
芳香族テルペン樹脂:芳香族変性テルペン樹脂、軟化温度85℃(ヤスハラケミカル社製YSレジン TO85)
テルペンフェノール樹脂:軟化温度125℃(ヤスハラケミカル社製YSレジン TO125)
アロマオイル:ジャパンエナジー社製プロセスX−140
酸化防止剤1:フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
酸化防止剤2:フレキシス社製SANTOFLEX 3C
亜鉛華:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
加硫促進剤1:大内新興化学工業社製ノクセラーTOT−N
加硫促進剤2:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄

Claims (5)

  1. ガラス転移温度が−25℃以上であるスチレンブタジエンゴムを10重量%以上含むジエン系ゴム100重量部に対し、窒素吸着比表面積が140〜350m/gであるカーボンブラックを10〜150重量部含む充填剤を80〜150重量部、茶抽出物を0.01〜5重量部、軟化剤を60〜200重量部配合したタイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記スチレンブタジエンゴムのガラス転移温度が−20℃以上であり、そのスチレンブタジエンゴムを前記ジエン系ゴム中に20重量%以上配合した請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 軟化点が80〜130℃であるテルペンフェノール樹脂及び芳香族変性テルペン樹脂から選ばれる少なくとも1種を、前記ジエン系ゴム100重量部に対し5〜70重量部配合した請求項1又は2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 前記茶抽出物が、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピカテキンガレート及び(−)−エピガロカテキンガレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1,2又は3に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を使用した空気入りタイヤ。
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