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JP5371638B2 - 眼科撮影装置及びその方法 - Google Patents

眼科撮影装置及びその方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば眼科医院や集団健診等で用いられ、被検眼の眼底を撮影する眼科撮影装置及びその方法に関する。
従来から、被検眼の眼底にピントを合わせるために、眼底に指標を投影し、その指標像をフォーカスレンズを介して観察し、合焦調整することが行われている。また、投影された指標像を撮像し、その位置関係からオートフォーカス(AF)を実施することが知られている。
特許文献1には、眼底に投影した2つに分割されたフォーカススプリット指標像を撮像し、2つのフォーカススプリット指標像のそれぞれの位置からフォーカス状態を検出し、指標の明るさを減光する眼底カメラが開示されている。
特許文献2には、眼底にフォーカス指標を投影し、撮影光学系でフォーカス指標像を撮像して、フォーカス状態を検知する眼科装置も知られている。
特許文献3には、観察中においても電子的な撮像を行い、撮像された像そのもののコントラストを検出することにより、オートフォーカスする装置の変形例が開示されている。即ち、眼底像の高周波成分により合焦し、眼底の第1の範囲と第2の範囲とに合焦し、それぞれのフォーカスレンズ位置から光軸方向の距離を求めている。
特開平5−95907号公報 特開平8−275921号公報 特開平1−178237号公報
しかしながら、従来の眼底カメラは被検眼の角膜等で生ずる反射光を除去するために、眼底照明光束やフォーカススプリット指標光束と、観察撮影光束を被検眼の瞳の近傍で領域を分けている。従って、被検眼光学系の収差には個人差があり、フォーカススプリット指標像位置を所定位置関係にするだけで撮影すると、被検眼によってはフォーカス合わせに誤差が生じ、ピントがずれた眼底像になってしまう虞れがある。
これを解決する方法として、観察中においても電子的な撮像を行い、撮像された像そのもののコントラストを検出することにより、オートフォーカス(AF)する装置が知られている。このような装置においては、前述したように被検眼によってはフォーカス合わせに誤差を生じ、ピントがずれた眼底像になってしまう欠点は解消されるが、フォーカスの検出部位が撮影系の一部に固定的に配されているため、次のような課題が残る。
即ち、眼底像は部位によって奥行き方向の距離が異なるため、フォーカス検出範囲が固定されてしまう従来のAF検出では、フォーカス合わせをすべき部位をフォーカス検出範囲に合わせて、被検眼の視線を誘導しなくてはならない。また、一般のAF一眼レフカメラのように、フォーカス検出範囲の移動を可能としたとしても、それを手動で移動させなければならない。
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、視線検出と左右眼検出を行うことにより、眼底上の特定部位を予測してフォーカス範囲を決定し、オートフォーカスを行う眼底カメラを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る眼科撮影装置は、
被検眼に固視標を提示する固視標提示手段と、
前記被検眼が左右眼のいずれであるかを検出する左右眼検出手段と、
前記被検眼の眼底画像において、前記提示された固視標に対応する前記被検眼の固視位置である黄斑部から、前記左右眼の一方が検出された場合には乳頭部側における所定の方向及び所定の距離の位置を、前記左右眼の他方が検出された場合には前記所定の方向を左右反転した方向及び前記所定の距離の位置を、血管部の位置として検出する位置検出手段と、
前記検出された血管部の位置に基づいて、前記被検眼の眼底画像から前記検出された血管部を含む範囲を合焦検出範囲として決定する決定手段と、
合焦レンズを光路に沿って移動させながら、前記光路における前記合焦レンズの異なる複数の位置において、前記決定された合焦検出範囲の輝度信号に基づいて前記合焦レンズの合焦状態を示す値を取得する取得手段と、
前記合焦状態を示す値が所定の条件を満たす位置に、前記合焦レンズを前記光路に沿って移動させる制御手段と、を有する。
また、本発明に係る眼科撮影方法は、
被検眼に固視標を提示する工程と、
前記被検眼が左右眼のいずれであるかを検出する工程と、
前記被検眼の眼底画像において、前記提示された固視標に対応する前記被検眼の固視位置である黄斑部から、前記左右眼の一方が検出された場合には乳頭部側における所定の方向及び所定の距離の位置を、前記左右眼の他方が検出された場合には前記所定の方向を左右反転した方向及び前記所定の距離の位置を、血管部の位置として検出する工程と、
前記検出された血管部の位置に基づいて、前記被検眼の眼底画像から前記検出された血管部を含む範囲を合焦検出範囲として決定する工程と、
合焦レンズを光路に沿って移動させながら、前記光路における前記合焦レンズの異なる複数の位置において、前記決定された合焦検出範囲の輝度信号に基づいて前記合焦レンズの合焦状態を示す値を取得する工程と、
前記合焦状態を示す値が所定の条件を満たす位置に、前記合焦レンズを前記光路に沿って移動させる工程と、を有する。
本発明に係る眼底カメラによれば、視線検出手段と左右眼検出手段からの出力を基に眼底部位を推定し、眼底上の特定位置を検出することで、所望の部位にフォーカス検出範囲を合わせることができる。
また、眼底撮像手段に撮影される眼底像に対して、フォーカス状態検出手段によりコントラスト検出を行い、被検眼光学系の収差に影響されない精度の良いオートフォーカスを実現することができる。
実施例1の眼底カメラの構成図である。 眼底カメラの外観図である。 左右眼検出手段による検出方法の説明図である。 フォーカス状態検出手段の構成図である。 表示モニタに表示した眼底像の説明図である。 フォーカス検出範囲決定手段の構成図である。 制御方法のフローチャート図である。 コントラスト検出の原理図である。 AF評価値の算出方法の説明図である。 実施例3の眼底位置検出手段の構成図である。 実施例4の眼底位置検出手段の構成図である。
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本実施例における眼底カメラの構成図である。基台1上に図示しない架台を介して、眼底カメラの光学系である光学ユニットを内蔵する筐体2が水平方向に移動自在に載置されている。この筐体2内には、観察用光源3から被検眼Eに対向した対物レンズ4に至る照明光学系が設けられている。照明光学系の光路L1上には、被検眼Eの眼底Erを照明する眼底照明手段である観察用光源3、撮影用光源5が設けられ、撮影用光源5の前方にはリレーレンズ6、ミラー7が配列されている。ミラー7の反射方向の光路L2上には、リレーレンズ8、9、孔あきミラー10が順次に配列されている。また、観察用光源3には定常光を発するハロゲンランプ等が用いられ、撮影用光源5には可視光を発するストロボ光源等が用いられている。
孔あきミラー10の後方には、観察撮影光学系として、光軸に沿って移動してフォーカスを調整するフォーカスレンズ11、撮影レンズ12、ハーフミラー13、被検眼Eの眼底Erと共役な位置に配置された眼底撮像手段14が順次に配列されている。ハーフミラー13の反射方向には、例えばLED等の光源から成る固視標提示手段15が配置されている。
眼底撮像手段14の出力はフォーカス状態検出手段21に接続されている。フォーカス状態検出手段21の出力は、駆動制御手段22を介してフォーカスレンズ11用のレンズ駆動手段23に接続され、また視線検出手段24を介して固視標提示手段15に接続され、更に照明光量制御手段25を介して観察用光源3に接続されている。
基台1と筐体2の間には左右眼検出手段26が配置されており、この左右眼検出手段26の出力はフォーカス状態検出手段21に接続されている。左右眼検出手段26は筐体2と基台1の位置関係を検出する機能を有しており、観察撮影光学系が被検者の左右眼の何れを観察しているか否かを判別することができる。
また、フォーカス状態検出手段21には表示モニタ27が接続され、この表示モニタ27の画面にはフォーカス検出範囲を例えば枠により表示するフォーカス検出範囲表示部27aが付設されている。
検者は表示モニタ27に映出された眼底像を観察しながら、被検眼Eと筐体2に内蔵された光学ユニットとの位置合わせの微調整を行った後に、フォーカス調整を行って撮影を行う。なお、フォーカス調整は駆動制御手段22がレンズ駆動手段23を介してフォーカスレンズ11を駆動させることにより行う。本実施例における眼底カメラは、このフォーカス調整を自動的に実行するオートフォーカス機能を有している。
このように構成された眼底カメラでは、フォーカス検出は撮影光束により結像される眼底像そのもののコントラスト検出によって行う。従って、撮像光束の外側の前眼部Epを介してフォーカス指標を投影する従来の装置とは異なり、被検眼Eのレンズ収差によらないフォーカス調整を行うことができる。
また、固視標提示手段15から発した光束はハーフミラー13で反射し、撮影レンズ12、フォーカスレンズ11、孔あきミラー10の孔部、対物レンズ4を経て被検眼Eに到達する。検者は被検者にこの固視標提示手段15による輝点を提示することで、被検者の視線の動きを規制する。また、図示しない固視標移動手段によって固視標提示手段15の輝点の位置を動かすことにより、被検眼Eの視線の向きを任意の方向に向けることができる。
図2は本実施例における眼底カメラの外観図を示し、基台1上には矢印方向の前後左右に移動可能な架台31が載置されている。この架台31上には、図1に示す眼底カメラの光学系を内蔵した筐体2及び表示モニタ27が載置されると共に、撮影スイッチ32を有する操作桿33が設けられている。
検者は操作桿33を操作し、架台31を水平面上で自在に調整する。基台1と架台31の間には、左右眼検出手段26が設けられていることから、筐体2の左右位置を検出し、被検者Sの左右眼のうち、何れの被検眼Eに対して観察・撮影がなされているかを検知することができる。
図3は左右眼検出手段26による検出方法の説明図を示し、基台1の上面には高低差が設けられて、低い部分1aと高い部分1bとが設けられている。架台31の底面に設けられた例えばマイクロスイッチから成る左右眼検出手段26が、基台1の低い部分1aの上部に位置するときはオフ状態に、高い部分1bに位置するときはオン状態になる。つまり、低い部分1aを左側、高い部分1bを右側に設けることにより、左右眼検出手段26のオン/オフを検出し、筐体2の左右位置を検出することができる。
図4に示すように、フォーカス状態検出手段21には、眼底Er上の特定位置を検出する眼底位置検出手段21aと、この眼底位置検出手段21aからの信号を基にフォーカス検出範囲を決定するフォーカス検出範囲決定手段21bが内蔵されている。更にフォーカス状態検出手段21には、AF評価値とそのAF評価値が得られたときフォーカスレンズ11の位置とを記憶するAF評価値記憶手段21cが内蔵されている。眼底位置検出手段21aは視線検出手段24と左右眼検出手段26の出力により、被検眼Eの視線位置からフォーカス検出を行うべき眼底位置を検出する。
図5は表示モニタ27に表示された眼底像の説明図であり、乳頭部N、中大血管部V、黄斑部Yの位置関係は、個人によって大きく変化することはない。また、一般に左右眼ではこの位置関係は左右反転した構成となる。ここで、黄斑部Yの中心は被検眼Eの固視位置に対応し、乳頭部N及び中大血管部Vはこの黄斑部Yから所定角度、所定距離離れた位置にあると推定できる。即ち、中大血管部Vを例にすれば、黄斑部Yの中心Oから角度θの方向に画角15度相当の位置Aを中心に、中大血管部Vをフォーカス検出範囲として決定すればよい。
フォーカス検出範囲決定手段21bは眼底位置検出手段21aによって検出された眼底Er上の特定位置の出力を基に、フォーカスを合わせるべき範囲であるフォーカス検出範囲を決定する。なお本実施例においては、フォーカス検出範囲の大きさの補正を検者が行うため、図6に示すようにフォーカス検出範囲決定手段21内に表示モニタ27でカーソルにより補正するフォーカス検出範囲補正手段21dが設けられている。これは推定により、フォーカス検出範囲として定められた範囲と、検者が実際にフォーカスを合わせたいと考える眼底Erの特定位置との差を補正するために使用される。
フォーカス状態検出手段21はフォーカス検出範囲決定手段21bで決定されたフォーカス検出範囲のAF評価値を算出し、更にこのときのフォーカスレンズ11の位置情報をAF評価値記憶手段21cに記憶する。
図7は本実施例におけるAF制御方法のフローチャート図を示している。このフローチャート図においては、中大血管部Vをフォーカス検出範囲としてオートフォーカス制御を行う。先ず、オートフォーカスが開始される前に、ステップS1において、左右眼検出手段26により被検眼Eの左右眼の何れを観察しているのかを検出する。ステップS2において、視線検出手段24は固視標提示手段15が、どの位置に固視標を提示しているのかを検出することにより、被検眼Eの視線方向を得る。
続いて、ステップS3で図示しないAF開始スイッチによりAF動作の開始を指示し、ステップS4に進む。ステップS4において、眼底位置検出手段21aは視線検出手段24と左右眼検出手段26からの出力を基に、図示しない眼底像パターンメモリに記憶された標準眼底像の中で、中大血管部Vがある位置をフォーカス検出範囲決定手段21bに受け渡す。そして、フォーカス検出範囲決定手段21bは眼底位置検出手段21aからの出力を基に、フォーカス検出範囲を決定する。
次に、ステップS5において、フォーカス状態検出手段21はこの範囲のAF評価値を算出するが、このAF評価値の算出方法については図8を基に後述する。ステップS6において、算出されたAF評価値をAF評価値記憶手段21cに記憶する。
図8はコントラスト検出によるフォーカス検出原理の説明図である。このフォーカス検出方式は、輝度信号の特定高周波数成分が合焦時に最大となることを利用したものであり、フォーカス状態検出手段においては、入力された輝度信号の高周波数成分を検出しAF評価値として用いる。
図8において、横軸はフォーカスレンズ11の位置、縦軸はAF評価値の量をそれぞれ示しており、合焦位置M2においてはAF評価値が最大となり、例えばフォーカスが大きくずれた位置M1では、AF評価値は小さくなる。本実施例では、このコントラスト検出の原理を用いて、人眼光学系の観察収差に合ったフォーカス補正を行う。
そして、ステップS7においては、このコントラスト検出の原理を用い、ステップS6において記憶されたAF評価値の中に、図8に示した位置M2である極大点が含まれるか否かを検出する。このとき、初回のステップS7における判断は、極大点の判断ができないためステップS8に進み、フォーカスレンズ11を所定量駆動する。そして、再びステップS5においてAF評価値の算出を行う。ステップS7においてAF評価値に極大点が検出されない場合には、ステップS8に進むステップを繰り返す。なお、パターン認識又はAF評価値の極大点検出が、所定回数サイクルの中で判別できなかった場合にはエラーとすることが考えられる。
次に、ステップS7でAF評価値の極大点が検出された場合には、ステップS9に進み、フォーカス状態検出手段21はフォーカスレンズ11の移動量を算出する。フォーカスレンズ11の移動量とは、AF評価値の極大点を検出した位置までのフォーカスレンズ11の駆動量のことである。ステップS7において算出されたフォーカスレンズ11の移動量を基に、ステップS10において、駆動制御手段22はレンズ駆動手段23に信号を送信し、フォーカスレンズ11が駆動されオートフォーカスを完了させる。
このように本実施例においては、ステップS9で算出したフォーカスレンズ11の移動量を基に、ステップS10においてフォーカスレンズ11を駆動し、オートフォーカスを完了させている。しかし、ステップS10の後にステップS2〜S4を行ってAF評価値を算出し、最初に極大が判定されたAF評価値と比較を行い、これらのAF評価値の差が或る閾値以下である場合に、オートフォーカスを完了させるようにしてもよい。
図9はフォーカス検出範囲が中大血管部Vのパターンである場合のAF評価値についての説明図である。画像中から簡単に高周波成分を検出する方法として、例えば対象画素と縦横斜めに隣接する8画素との輝度信号を比較し、最も大きい差の値を対象画素の有するAF評価値とするAF評価値算出方法がある。画像G1は血管が上下方向に存在する場合の画像の一部を切り出した画像の例であり、“0”、“1”の輝度信号を有している。
本画像に対してこの検出方法を用いた場合に、画像G2に示すように各画素に対するAF評価値を得ることになる。これらの各画素のAF評価値の総和を、画像全体としてのAF評価値とすることが可能である。
より簡単、高速に、AF評価値を算出する方法として、隣接する2画素と輝度信号を比較し、差がなければ“0”、差があれば“1”とする方法の採用が考えられる。この方法によれば、上述した方法に比べて、比較する画素の数が少なくなるため、計算負荷を低減することができる。しかし、画像G1に示した画像に対して、上下方向に隣接する2画素と比較する方法を用いると、その出力は画像G3となり、対象となる血管のエッジを検出することができなくなる。
一方、血管壁が左右方向に存在するような画像G4に対して適用した場合には、その出力は画像G5のようになり、上述した方法で、AF評価値を算出した画像G2と同様の結果を得ることができる。即ち、上述のように方向依存性のある検出方法を選択することは、演算時間の短縮が可能となる反面で、対象となる画像を適切に選択しなければならない。
このように画像G1、G2に対して隣の画素値との輝度の差を画像G2、G5のようにマッピングし、この差が大きいほど隣の画素との輝度差が大きいことになり、その結論を画像全体のAF評価値としている。
本実施例1で挙げた中大血管部Vは、図5に示すように黄斑部Yをほぼ中心とした円弧状の走行を示し、更に太い幹となる部位分は乳頭部N付近に存在することから、ほぼ±45°の方向にその血管のエッジが存在する。そのため、その方向に選択性のある検出方法を採ることにより、AF評価値の感度を低下させることなく、低負荷かつ高速なオートフォーカス制御が可能となる。
ここでは、眼底像の中大血管部Vをフォーカス検出範囲として用いたが、他の部位、例えば乳頭部Nや黄斑部Yの位置を検出し、それらに対してオートフォーカスを行うことも、勿論可能である。
また、フォーカス状態検出手段21はAF評価値を計算する際に、各画素の輝度値を参照しているため、決定したフォーカス検出範囲の輝度値が飽和が生じているか否かを検出するようにしてもよい。また、飽和を起こしている場合には、フォーカス状態検出手段21は照明光量制御手段25に信号を送信し、観察用光源3の光量を調節することで、より高精度なオートフォーカスを実現することができる。
このように、フォーカス検出範囲を自動で決定することで、オートフォーカスの操作性の向上が達成できる。
実施例1においては、眼底Er上の1つの特定位置を検出してオートフォーカスを行った。しかし、本実施例2においては、オートフォーカス開始前に検者が眼底Er上のどの部位にフォーカス検出範囲を設定するかを選択し、その選択に基づいて、フォーカス検出範囲を決定してオートフォーカスを行うようにしている。
検者は予め症例に応じて、フォーカスを行うべき部位を表示モニタ27条でカーソルにより部位選択手段によって選択する。更に、視線検出手段24と左右眼検出手段26の出力に基づいて、フォーカス状態検出手段21の眼底位置検出手段21aは選択された眼底部位の位置を検出し、フォーカス検出範囲決定手段21bに引き渡す。眼底位置検出手段21aはフォーカス検出範囲をフォーカス状態検出手段21に受け渡し、フォーカス状態検出手段21はフォーカス検出範囲のAF評価値を算出する。この動作及びそれ以降の動作は、実施例1と同様である。
検者は1つの眼底部位を選択したが、複数の部位を選択することも可能である。この場合に、複数の部位に対してAF評価値を算出し、その和の値を総合評価値とすればよい。この総合評価値の極大値を検出することで、検者が選択した複数の部位に対し平均的にピントの合った画像を得ることができる。
これにより、検者の着目したい部位に合焦した眼底像を撮影でき、診断価値の高い眼底像を検者は得ることができる。
実施例2においては、検者はオートフォーカス開始前にフォーカス検出範囲を選択しているが、本実施例3においては、検者が表示モニタ27に表示された複数の眼底部位の中からフォーカス検出範囲を選択し、オートフォーカスを行う。本実施例3では、眼底Erの複数の特定位置を検出し、フォーカス検出範囲決定手段21bに引き渡す。
本実施例3では、図10に示すようにフォーカス検出範囲決定手段21bは、フォーカス検出範囲補正手段21dとフォーカス検出範囲選択手段21eを有している。表示モニタ27のフォーカス検出範囲表示部27aは、眼底位置検出手段21aによって検出された複数の眼底Er上の特定位置を検者に提示する。検者はカーソルによるフォーカス検出範囲選択手段21eを用いて、設定すべき部位のフォーカス検出範囲の1つを選択する。
なお、検者は1つの眼底部位を選択するのではなく、実施例2と同様に複数の部位を選択することも可能である。選択された眼底Er上の特定位置をフォーカス検出範囲決定手段21bに引き渡す。また、この動作及びその移行の動作は実施例1と同様である。
実施例2、3においては、複数パターンが認識された眼底像の部位の中から、検者が選択した1つ又は複数のフォーカス検出範囲のAF評価値を算出した。しかし、本実施例4においては、眼底Erの検出した複数の特定位置の全てに対してAF評価値を算出、評価しオートフォーカスを行う。
複数の部位パターンを有する眼底位置検出手段21aが検出した眼底Er上の特定位置に対し、フォーカス状態検出手段21はそれぞれの部位に対するAF評価値を算出する。フォーカス状態検出手段21はそれら和の値を総合評価値とし、この総合評価値の極大値を検出することで、パターン認識した複数の部位に平均的にピントの合った画像を得ることができる。
本実施例4においては、図11に示すようにフォーカス検出範囲決定手段21bに、フォーカス検出範囲絞り込み手段21fが設けられている。これにより、眼底位置検出手段21aが検出した眼底の特定位置に対し、フォーカス検出範囲絞り込み手段21fが、最もAF評価値の高い1つの部位を自動的にフォーカス検出範囲として決定し、フォーカス状態検出手段21に引き渡す。
これにより、自動的に良好なピント状態の眼底像を撮影できるので、AF操作性の高い眼底カメラを検者は操作することができる。
1 基台
2 筐体
11 フォーカスレンズ
14 眼底撮像手段
15 固視標提示手段
21 フォーカス状態検出手段
21a 眼底位置検出手段
21b フォーカス検出範囲決定手段
21c AF評価値記憶手段
21d フォーカス検出範囲補正手段
21e フォーカス検出範囲選択手段
21f フォーカス検出範囲絞り込み手段
23 レンズ駆動手段
24 視線検出手段
26 左右眼検出手段
27 表示モニタ
27a フォーカス検出範囲表示部

Claims (21)

  1. 被検眼に固視標を提示する固視標提示手段と、
    前記被検眼が左右眼のいずれであるかを検出する左右眼検出手段と、
    前記被検眼の眼底画像において、前記提示された固視標に対応する前記被検眼の固視位置である黄斑部から、前記左右眼の一方が検出された場合には乳頭部側における所定の方向及び所定の距離の位置を、前記左右眼の他方が検出された場合には前記所定の方向を左右反転した方向及び前記所定の距離の位置を、血管部の位置として検出する位置検出手段と、
    前記検出された血管部の位置に基づいて、前記被検眼の眼底画像から前記検出された血管部を含む範囲を合焦検出範囲として決定する決定手段と、
    合焦レンズを光路に沿って移動させながら、前記光路における前記合焦レンズの異なる複数の位置において、前記決定された合焦検出範囲の輝度信号に基づいて前記合焦レンズの合焦状態を示す値を取得する取得手段と、
    前記合焦状態を示す値が所定の条件を満たす位置に、前記合焦レンズを前記光路に沿って移動させる制御手段と、
    を有することを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 前記血管部の位置は、中大血管部の位置であり、
    前記所定の方向は、±略45度の方向であることを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
  3. 前記取得手段が、前記合焦検出範囲の輝度信号の周波数成分に基づいて、前記合焦状態を示す値を取得することを特徴とする請求項に記載の眼科撮影装置。
  4. 前記被検眼の眼底を撮像する撮像手段を有し、
    前記取得手段が、前記眼底画像における中大血管部を含む範囲について、前記撮像手段における隣の画素との輝度差を前記合焦レンズの合焦状態を示す値として取得することを特徴とする請求項2または3に記載の眼科撮影装置。
  5. 前記被検眼の眼底を撮像する撮像手段を有し、
    前記取得手段が、前記眼底画像における血管部の方向に基づいて、該血管部を含む範囲について、前記撮像手段における隣の画素に対する輝度差を前記合焦レンズの合焦状態を示す値として取得することを特徴とする請求項2または3に記載の眼科撮影装置。
  6. 前記合焦検出範囲の大きさを変更する指示を行う指示手段を有し、
    前記制御手段が、前記変更された大きさの合焦検出範囲の輝度信号に基づいて、前記合焦レンズを前記光路に沿って移動させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  7. 前記合焦検出範囲を示す表示形態を前記眼底画像に対応させた状態で表示手段に表示させる表示制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  8. 前記制御手段が、前記合焦検出範囲の輝度信号に基づいて、光源から発生される光量を調整し、前記調整された光量による前記合焦検出範囲の輝度信号に基づいて、前記合焦レンズを前記光路に沿って移動させることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  9. 前記合焦検出範囲の輝度信号が飽和しているか否かを判断する判断手段を有し、
    前記判断手段が前記合焦検出範囲の輝度信号が飽和していると判断した場合に、前記制御手段が、前記合焦検出範囲の輝度信号に基づいて、光源から発生される光量を調整することを特徴とする請求項に記載の眼科撮影装置。
  10. 前記合焦レンズを含む光学部が設けられ且つ基台に対して可動する架台を有し、
    前記左右眼検出手段が、前記基台に対する前記架台の位置に応じて、前記被検眼が左右眼のいずれであるかを検出することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  11. 被検眼に固視標を提示する工程と、
    前記被検眼が左右眼のいずれであるかを検出する工程と、
    前記被検眼の眼底画像において、前記提示された固視標に対応する前記被検眼の固視位置である黄斑部から、前記左右眼の一方が検出された場合には乳頭部側における所定の方向及び所定の距離の位置を、前記左右眼の他方が検出された場合には前記所定の方向を左右反転した方向及び前記所定の距離の位置を、血管部の位置として検出する工程と、
    前記検出された血管部の位置に基づいて、前記被検眼の眼底画像から前記検出された血管部を含む範囲を合焦検出範囲として決定する工程と、
    合焦レンズを光路に沿って移動させながら、前記光路における前記合焦レンズの異なる複数の位置において、前記決定された合焦検出範囲の輝度信号に基づいて前記合焦レンズの合焦状態を示す値を取得する工程と、
    前記合焦状態を示す値が所定の条件を満たす位置に、前記合焦レンズを前記光路に沿って移動させる工程と、
    を有することを特徴とする眼科撮影方法。
  12. 前記血管部の位置は、中大血管部の位置であり、
    前記所定の方向は、±略45度の方向であることを特徴とする請求項11に記載の眼科撮影方法。
  13. 前記取得する工程において、前記合焦検出範囲の輝度信号の周波数成分に基づいて、前記合焦状態を示す値を取得することを特徴とする請求項12に記載の眼科撮影方法。
  14. 前記取得する工程において、前記眼底画像における中大血管部を含む範囲について、前記被検眼の眼底を撮像する撮像手段における隣の画素との輝度差を前記合焦レンズの合焦状態を示す値として取得することを特徴とする請求項12または13に記載の眼科撮影方法。
  15. 前記取得する工程において、前記眼底画像における血管部の方向に基づいて、該血管部を含む範囲について、前記被検眼の眼底を撮像する撮像手段における隣の画素に対する輝度差を前記合焦レンズの合焦状態を示す値として取得することを特徴とする請求項12または13に記載の眼科撮影方法。
  16. 前記合焦検出範囲の大きさを変更する指示を行う工程を有し、
    前記移動させる工程において、前記変更された大きさの合焦検出範囲の輝度信号に基づいて、前記合焦レンズを前記光路に沿って移動させることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の眼科撮影方法。
  17. 前記合焦検出範囲を示す表示形態を前記眼底画像に対応させた状態で表示手段に表示させる工程を有することを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の眼科撮影方法。
  18. 前記合焦検出範囲の輝度信号に基づいて、光源から発生される光量を調整する工程を有し、
    前記移動させる工程において、前記調整された光量による前記合焦検出範囲の輝度信号に基づいて、前記合焦レンズを前記光路に沿って移動させることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の眼科撮影方法。
  19. 前記合焦検出範囲の輝度信号が飽和しているか否かを判断する工程を有し、
    前記合焦検出範囲の輝度信号が飽和していると判断された場合に、前記調整する工程において、前記合焦検出範囲の輝度信号に基づいて、光源から発生される光量を調整することを特徴とする請求項18に記載の眼科撮影方法。
  20. 前記左右眼のいずれであるかを検出する工程において、前記合焦レンズを含む光学部が設けられ且つ基台に対して可動する架台の前記基台に対する位置に応じて、前記被検眼が左右眼のいずれであるかを検出することを特徴とする請求項11乃至19のいずれか1項に記載の眼科撮影装方法
  21. 請求項11乃至2のいずれか1項に記載の眼科撮影方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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