JP5365400B2 - 階調マスクおよび階調マスクの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、このスリットは解像限界以下である必要があるため、当然のことながら、マスクの本体パターンよりも小さな寸法に仕上げる必要があり、マスク製造に対して大きな負荷となってしまうという問題があった。さらに、広い領域を半透明にするためには、多くのスリットを配置する必要があるため、パターンデータ容量が増え、パターン形成工程や、パターンの欠陥検査工程に対する負荷の増大という問題も生じ、製造・検査時間の増大、マスク製造コストの上昇につながってしまうという問題があった。
このような階調マスクの製造方法としては、上記透明基板、遮光膜形成用層、および半透明膜形成用層とが積層したマスクブランクを順次エッチングする方法を挙げることができる。このため、階調マスクは、上述したスリットマスクのような微細なスリットを形成する必要がなく、容易に形成することができるといった利点を有する。
しかしながら、上述した従来の階調マスクではこのような要請を満たすことが困難であるといった問題があった。
このため、本発明の階調マスクを用いて形成する部材の高さ、形状等に応じて、第1半透明膜および第2半透明膜の分光スペクトル、透過率等を容易に異なるものとすることができる。このようなことから、高さおよび形状の異なる部材を自由度高く一括形成できるものとすることができる。
また、上記遮光膜形成工程が、上記第1半透明膜形成工程および第2半透明膜形成工程よりも前に実施されるものであること、すなわち、1回のエッチングのみで遮光膜形成用層から遮光膜を形成することができることにより、アライメント精度による位置ずれの影響を受けることなく遮光膜を形成することができる。また、遮光膜は、通常、階調マスクのメインパターンの形成に用いられることから、パターン精度に優れたマスクとすることができる。
さらに、上記第1半透明膜形成工程および第2半透明膜形成工程を有し、上記第1半透明膜および第2半透明膜を独立して形成するものであるため、上記第1半透明膜および第2半透明膜の分光スペクトル、透過率等を容易に異なるものとすることができる。このため、高さおよび形状の異なる部材を自由度高く一括形成できるマスクを得ることができる。
以下、本発明の階調マスク、および階調マスクの製造方法について詳細に説明する。
まず、本発明の階調マスクについて説明する。本発明の階調マスクは、透明基板と、上記透明基板上に直接形成され、遮光膜形成材料からなる遮光膜と、上記透明基板上に形成され、第1半透明膜形成材料からなる第1半透明膜と、上記透明基板上に形成され、第2半透明膜形成材料からなる第2半透明膜と、を有し、上記透明基板からなる透過領域と、上記透明基板および上記遮光膜を少なくとも含む遮光領域と、上記透明基板および上記第1半透明膜からなる第1半透明領域と、上記透明基板および上記第2半透明膜からなる第2半透明領域と、を備える階調マスクであって、上記第2半透明膜形成材料が、上記第1半透明膜形成材料とはエッチング液に対する耐性が異なるものであることを特徴とするものである。
この例において、上記遮光膜2は、その全面が上記第1半透明膜3により被覆されている。また、上記第1半透明膜3は、その一部が上記第2半透明膜4により被覆されている。
例えば、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタとしては、図2に例示するように、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部に形成される着色層とを有するカラーフィルタ形成用基板30上に、高さ精度良く形成されたスペーサ(第1スペーサ41、第2スペーサ42)に加えて、スペーサとは形状が異なる部材である配向制御用突起44を有するカラーフィルタ40や、図3に例示するように、高さが僅かに異なるように調整されたスペーサ(第1スペーサ41、第2スペーサ42、第3スペーサ43)を有するカラーフィルタ40などが要求されている。このように、高さ等が高い精度で調整された部材の形成が求められている。
しかしながら、このように高い精度が要求される部材を、要求された高さ・形状で精度良く一括で形成することは、従来の階調マスクでは困難であった。
このため、例えば、分光スペクトルが互いに異なる第1半透明膜および第2半透明膜であっても容易に形成することができ、このような本発明の階調マスクを介して露光した場合にはスペクトル形状が異なる露光光を2種類以上得ることができる。
このようなスペクトル形状が異なる露光光により感光性樹脂を露光した場合には、そのスペクトル形状に応じて感光性樹脂の硬化状態を変化させることができる。
ここで、上記半透明膜を、部材に求められる形状や、高さ精度等に応じた分光スペクトルを有するものとすることにより、上記半透明領域に対応する位置に高さが精度良く制御された部材や、頂部の形状が異なる部材等を2種類以上一括で形成することができる。
なお、図4(a)〜(b)中の符号については、図1のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
なお、図5(a)〜(b)中の符号については、図4のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
以下、本発明の階調マスクの各構成について詳細に説明する。
本発明に用いられる第1半透明膜および第2半透明膜は、上記透明基板上に形成されるものであり、所望の透過率を有するものである。
さらに、上記第2半透明膜形成材料および第1半透明膜形成材料とはエッチング液に対する耐性が異なるものである。
本発明に用いられる第1半透明膜形成材料および第2半透明膜形成材料はエッチング液に対する耐性が異なるものである。
ここで、エッチング液に対する耐性が異なる材料とは、一方の材料は所定のエッチング液でエッチングされるが、他方の材料はその所定のエッチング液に対してエッチングされない関係にある材料をいうものである。したがって、上記第1半透明膜形成材料としては、上記第2半透明膜形成材料が耐性を有するエッチング液によりエッチングされるような材料であれば良く、上記第2半透明膜形成材料としては、上記第1半透明膜形成材料が耐性を有するエッチング液によりエッチングされるような材料であれば良い。
本発明においては、なかでも、上記第1半透明膜形成材料および第2半透明膜形成材料の一方がクロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等のクロム系材料であり、上記第1半透明膜形成材料および第2半透明膜形成材料の他方が、チタン、酸化チタン、窒化チタン、酸化窒化チタン、TiおよびWを含む化合物、TiおよびMoを含む化合物等のチタン系材料であることが好ましい。上記1半透明膜形成材料および上記第2半透明膜形成材料の一方がクロム系材料であり、他方がチタン系材料であることにより、上記第1半透明膜形成材料および第2半透明膜形成材料のエッチング液に対する耐性が大きく異なるものとすることができる。このため、上記第1半透明膜および第2半透明膜をより容易に形成することができるからである。
本発明に用いられる第1半透明膜および第2半透明膜の分光スペクトルとしては、本発明の階調マスクを用いて露光することにより所望の形状・高さの部材を精度良く形成することができるものであれば良い。
ここで、分光スペクトルとは、透過率の波長依存性をいうものであり、分光スペクトルの異なる半透明膜を透過した場合、透過後の露光光は、透過した半透明膜に応じて、そのスペクトル形状(波長範囲、ピーク波長、ピーク強度比、ピーク半値幅等)が異なるものとなる。
一方、分光スペクトルが同じで、透過率のみが異なる半透明膜を透過した場合、透過後の露光光は、その透過量が異なるものとなるが、スペクトル形状は同じとなる。
本発明においては、上記第1半透明膜の分光スペクトルと、上記第2半透明膜の分光スペクトルとが異なるものであることが好ましい。分光スペクトルが異なることにより、高さおよび形状の異なる部材を自由度高く一括形成することができるからである。
このように、上記第1半透明膜および第2半透明膜が、フラット半透明膜、正傾斜半透明膜、および短波長カット半透明膜から選択されるものであることにより、本発明の階調マスクを、高さおよび形状の異なる部材を高い自由度で精度良く一括形成することが可能なものとすることができるからである。
以下、このような各分光スペクトル型の半透明膜について詳細に説明する。
本発明において、分光スペクトルがフラット型の半透明膜であるフラット半透明膜は、波長300nm〜450nmの範囲内における透過率の波長依存性がフラットなものである。
また、上述した特性を示す材料は、通常、透過する露光光の位相を変化させないものであるため、膜厚を厚くし、透過率を低くしたフラット半透明膜を用いた場合であっても、所望の位置に精度良く部材を形成することができる。このようなことから、ネガ型の感光性樹脂を露光した場合には、高さの低い部材を精度良く形成することができる。
また、上記の最大透過率および最小透過率は、300nm〜450nmの範囲内における透過率のうちの最大値および最小値であり、上記の平均透過率は、300nm〜450nmの範囲内における透過率を平均した値である。
なお、透過率の測定方法としては、本発明の階調マスクに使用する透明基板の透過率をリファレンス(100%)として、半透明膜の透過率を測定する方法を採用することができる。装置としては、紫外・可視分光光度計(例えば日立U-4000等)、またはフォトダイオードアレイを検出器としている装置(例えば大塚電子MCPD2000等)を用いることができる。
一般に、液晶表示装置などの表示装置の製造工程において、パターン形成での露光条件として露光波長域を250nm〜600nmの範囲内で設定することが多いため、250nm〜600nmの範囲内における透過率分布が上記範囲であれば、広い波長域を有効に利用することができ、パターンの形成に有利となり、高さがより精度良く制御された部材を形成することができるからである。
また上述したように、上記フラット半透明膜は透過率が低い場合であっても所望の位置に精度良く部材を形成することができる。したがって、平均透過率が上記範囲内であることにより、上記フラット半透明膜を用いることの効果をより効果的に発揮することができるからである。
また、上記フラット半透明膜がこのような材料からなるものであることにより、透過する露光光の位相変化が小さいものとすることができる。このため、透過率が低いフラット半透明膜を用いた場合であっても、所望の位置に精度良く部材を形成することができる。このようなことから、ネガ型の感光性樹脂を露光した場合には、高さの低い部材を精度良く形成することができるからである。
さらに、上述した材料であることにより、上記半透明膜形成材料が上記クロム系材料および上記チタン系材料である場合、上記第1半透明膜および第2半透明膜を容易に形成することができるからである。
具体的には、上記階調マスクを用いてカラーフィルタを構成する各部材を形成する場合、上記部材としては、所望の発色を有する顔料を含む着色層およびカーボン微粒子、金属酸化物等の遮光性粒子を含む遮光部を挙げることができる。また、カラーフィルタと薄膜トランジスタ(TFT)基板との間に配置され、液晶層の厚みを所望の厚みに設定するための部材であるスペーサ、近傍の液晶分子にプレチルト角を与える作用、および電気力線を所望の方向に歪ませる作用をなすことにより、液晶層の液晶分子の配向方向を複数方向に制御することを可能とする部材である配向制御用突起、着色層を保護するとともに、着色層表面を平坦化するための部材であり、通常透明である保護層(オーバーコート層)等を挙げることができる。
このため、通常、ネガ型の感光性樹脂により形成され、高さが低く、高い平坦性が求められるオーバーコート層の形成に適しているのである。
なお、上述したようなカラーフィルタの各部材については、カラーフィルタに一般的に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明において、分光スペクトルが正傾斜型の半透明膜である正傾斜半透明膜は、波長300nm〜450nmの範囲内において、波長が長くなるにつれて透過率が高くなるものである。
一方、分光スペクトルが正傾斜型である場合、波長が長くなるにつれて透過率が高くなるものであることにより、感光性樹脂層の表面のみを先に硬化することなく露光することができる。このため、高さが精度良く制御された部材を形成することが可能となる。
また、長波長域(350nm〜450nm程度)だけでなく短波長域(300nm〜350nm程度)の光も所定の透過率で透過させることができるため、短波長域の光の、エネルギーが高く、硬化速度が速いという利点と、長波長域での光の、短波長域の光と比較して散乱し難く、感光性樹脂の深部まで到達することができ、感光性樹脂の内部の硬化および基板との密着性が良好なものとするという利点とを有するものとすることができる。
また、平均透過率が上記範囲未満では、本発明の階調マスクを用いたパターン形成において、上記正傾斜半透明領域と遮光領域との透過率の差が出にくくなる場合があるからである。また、上記正傾斜半透明膜を構成する材料は、一般的に透過する光の位相を変化させる性質を有するものである。このため、平均透過率が上記範囲未満であることにより、位相変化に伴う影響が大きくなり、精度良く部材を形成することが困難となるからである。
このようなことから、平均透過率が上記範囲内であることにより、精度良く部材を形成することができるからである。
また、上述した材料であることにより、上記半透明膜形成材料が上記クロム系材料および上記チタン系材料である場合、上記第1半透明膜および第2半透明膜を容易に形成することができるからである。
また、上記材料が酸化窒化クロム(CrxOyNz)である場合、CrとOとNとの元素比率はCr:60%以内、O:30%〜70%の範囲内、N:40%以内であることが好ましく、中でもCr:35%〜45%の範囲内、O:40%〜60%の範囲内、N:2%〜20%の範囲内であることが好ましい。
具体的には、上記階調マスクを用いてカラーフィルタを構成する各部材を形成する場合、上記部材としては、着色層、遮光部、スペーサ、配向制御用突起、オーバーコート層等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、スペーサであることが好ましい。上記正傾斜半透明膜は、上述したように、高さが精度良く制御された部材を形成することができる。このため、高さが精度良く制御されていることが要求されるスペーサの形成に適しているからである。
本発明において、分光スペクトルが短波長カット型の半透明膜である短波長カット半透明膜は、波長300nm〜450nmの範囲内において、短波長域における露光光の透過が遮断され、短波長域における透過率が極めて低いものである。
一方、上記短波長カット半透明膜は、短波長域における露光光の透過が遮断されるものであることにより、上記短波長カット半透明膜を透過後の露光光は、感光性樹脂層の表面で吸収されやすい短波長の含有率を少ないものとすることができる。このため、感光性樹脂層の表面の硬化を緩やかなものとすることができる。したがって、頂部が滑らかな半円形状の部材を形成することができる。
また、透明基板からなる透過領域により形成される部材との高さを十分に異なるものとすることができるからである。
また、上述した材料であることにより、上記半透明膜形成材料が上記クロム系材料および上記チタン系材料である場合、上記第1半透明膜および第2半透明膜を容易に形成することができるからである。
具体的には、上記階調マスクを用いてカラーフィルタを構成する各部材を形成する場合、上記部材としては、着色層、遮光部、スペーサ、配向制御用突起、オーバーコート層等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、配向制御用突起であることが好ましい。上記短波長カット半透明膜は、上述したように、頂部が滑らかな半円形状の部材を形成することができる。このため、通常、頂部が滑らかな半円形状の部材であることが要求される配向制御用突起の形成に適しているからである。
本発明に用いられる半透明膜としては、波長が長くなるにつれて透過率が低くなる負傾斜半透明膜を有するものであっても良い。
また、このような負傾斜半透明膜の形成に用いられる酸化窒化クロムのCrとOとNとの元素比率はCr:40%〜60%の範囲内、O:1%〜10%の範囲内、N:35%〜55%の範囲内であることが好ましく、中でもCr:45%〜55%の範囲内、O:1%〜5%の範囲内、N:40%〜50%の範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる半透明膜(第1半透明膜および第2半透明膜)は、上記透明基板上に形成されるものであり、上記透明基板上に直接形成された領域を有するものであれば良く、上記遮光膜上に形成されるものであっても良い。
本発明に用いられる透明基板は、一般にフォトマスクに用いられる基板を使用することができる。例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等の光学研磨された低膨張ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイアなどの可撓性のない透明なリジット材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂フィルムなどの可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。本発明においては、なかでも、石英ガラスであることが好ましい。石英ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理における特性に優れているからである。
また、本発明に用いられる透明基板は、必要に応じて、その表面に他の材料がコーティングされたものであっても良い。
本発明に用いられる遮光膜は、上記透明基板上に直接形成されるものであり、実質的に露光光を透過しないものである。
ここで、上記透明基板上に直接形成されるとは、通常、上記遮光膜と上記透明基板との間に他の層を介することなく、上記遮光膜が上記透明基板上に接するように形成されるものをいうが、必要に応じて上記透明基板との間に他の層を介して形成されるものであっても良い。
なお、同種の材料とは、主成分となる金属元素が同一であり、エッチング液に対する薬液耐性の傾向が同一の材料である。
上記遮光膜形成材料が上記半透明膜形成材料と同種の材料である場合の具体例としては、上記半透明膜形成材料が上記クロム系材料またはチタン系材料である場合において、上記遮光膜形成材料を、上記クロム系材料またはチタン系材料とした場合を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、上記遮光膜形成材料が上記第1半透明膜形成材料および第2半透明膜形成材料のいずれか一方と同種の材料である場合には、上記第1半透明膜および第2半透明膜の少なくともいずれか一方により被覆されるものであることが好ましく、特に、上記遮光膜形成材料と同種の材料により被覆されるものであることが好ましい。上記遮光膜が上記半透明膜により覆われることにより、上記半透明膜を形成する際に、上記遮光膜がレジストにより覆われるものとすることができる。したがって、上記半透明膜を形成する際に用いられるエッチング液と接触することを防ぐことができる。このため、上記半透明膜をエッチングにより形成する際に用いるエッチング液により、上記遮光膜がエッチングされることを防ぐことができるため、パターン精度の良い遮光膜とすることができるからである。
また、上記遮光膜形成材料と同種の材料からなる半透明膜により覆われることにより、より効果的に、上記エッチング液との接触を防ぐことができるからである。
本発明の階調マスクは、上記透明基板、遮光膜、第1半透明膜および第2半透明膜を有するものであり、上記透過領域、上記遮光領域、上記第1半透明領域、および上記第2半透明領域を少なくとも有するものである。
本発明の階調マスクは、透過領域、遮光領域、第1半透明領域および第2半透明領域を備えるものである。
このような透過領域としては、通常、上記透明基板のみからなるものであるが、透過率に大きな影響を及ぼさない限り、他の層を有するものであっても良い。
このような遮光領域としては、上記第1半透明膜や、第2半透明膜を含むものであっても良い。また、上記透明基板、第1半透明膜、第2半透明膜通常および遮光膜以外に、透過率に大きな影響を及ぼさない限り、他の層を含むものであっても良い。
このような第1半透明領域としては、通常、上記透明基板および第1半透明膜のみからなるものであるが、透過率に大きな影響を及ぼさない限り、他の層を含むものであっても良い。
このような第2半透明領域としては、通常、上記透明基板および第2半透明膜のみからなるものであるが、透過率に大きな影響を及ぼさない限り、他の層を含むものであっても良い。
このような半透明膜積層領域としては、通常、上記透明基板、第1半透明膜および第2半透明膜のみからなるものであるが、透過率に大きな影響を及ぼさない限り、他の層を含むものであっても良い。
本発明の階調マスクは、上記透明基板、遮光膜、第1半透明膜および第2半透明膜を少なくとも有するものであれば良いが、必要に応じて、その他の構成を有するものであっても良い。
このようなその他の構成としては、具体的には、上記遮光膜上に形成され、本発明の階調マスクの使用時において、ハレーションを防止することができる低反射層を挙げることができる。なお、上記低反射層としては、例えば酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等の膜が挙げられる。遮光膜がクロム系膜である場合、これらの膜は遮光膜のエッチング時に同時にエッチングすることが可能である。
次に、本発明の階調マスクの製造方法について説明する。本発明の階調マスクの製造方法は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、遮光膜形成材料からなる遮光膜形成用層とを有する積層体の上記遮光膜形成用層をパターン状にエッチングすることにより、遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、上記透明基板上に、上記遮光膜を覆うように、第1半透明膜形成材料からなる第1半透明膜形成用層を形成した後、上記第1半透明膜形成用層をパターン状にエッチングすることにより、上記透明基板上に直接形成された第1半透明膜を形成する第1半透明膜形成工程と、上記透明基板上に、上記遮光膜および第1半透明膜を覆うように、上記第1半透明膜形成材料とはエッチング液に対する耐性が異なる第2半透明膜形成材料からなる第2半透明膜形成用層を形成した後、上記第2半透明膜形成用層を、上記第1半透明膜形成材料が耐性を有するエッチング液である第2半透明膜形成材料用エッチング液によりパターン状にエッチングすることにより、上記透明基板上に直接形成された第2半透明膜を形成する第2半透明膜形成工程と、を有することを特徴とするものである。
次いで、図7(c)に示すように、上記透明基板1上に、上記遮光膜2を覆うように、上記遮光膜形成材料と同種の材料である第1半透明膜形成材料からなる第1半透明膜形成用層23を積層し、その後、上記第1半透明膜を形成する領域にレジスト25を形成した後、上記第1半透明膜形成用層23を、上記第1半透明膜形成材料をエッチングすることができるエッチング液によりエッチングし、さらにレジスト25の除去をこの順で行うことにより、上記透明基板1上、および、上記遮光膜2の全面上に第1半透明膜3を形成する(図7(d))。
ここで、図7(a)〜(b)が遮光膜形成工程であり、(c)〜(d)が第1半透明膜形成工程であり、(e)〜(f)が第2半透明膜形成工程である。
その後、図8(c)に示すように、上記遮光膜2を覆うように上記遮光膜形成材料とはエッチング液に対する耐性が異なる材料である第1半透明膜形成材料からなる第1半透明膜形成用層23を積層し、その後、上記第1半透明膜を形成する領域にレジスト25を形成する。次いで、上記第1半透明膜形成用層23を、上記遮光膜形成材料が耐性を有するエッチング液によりエッチングを行い、さらにレジスト25を除去することにより上記透明基板1および遮光部2の一部上に第1半透明膜3を形成する(図8(d))。
ここで、図8(a)〜(b)が遮光膜形成工程であり、(c)〜(d)が第2半透明膜形成工程であり、(e)〜(f)が第1半透明膜形成工程である。
また、上記遮光膜形成工程が、上記第1半透明膜形成工程および第2半透明膜形成工程よりも前に実施されるものであること、すなわち、1回のエッチングのみで遮光膜形成用層から遮光膜を形成することができることにより、アライメント精度による位置ずれの影響を受けることなく遮光膜を形成することができる。また、遮光膜は、通常、階調マスクのメインパターンの形成に用いられることから、パターン精度に優れたマスクとすることができる。
さらに、上記第1半透明膜形成工程および第2半透明膜形成工程を有し、上記第1半透明膜および第2半透明膜を独立して形成するものであるため、上記第1半透明膜および第2半透明膜の分光スペクトル、透過率等を容易に異なるものとすることができる。このため、高さおよび形状の異なる部材を自由度高く一括形成できるマスクを得ることができる。
以下、本発明の階調マスクの製造方法の各工程について詳細に説明する。
本発明の階調マスクの製造方法における遮光膜形成工程は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、遮光膜形成材料からなる遮光膜形成用層とを有する積層体の上記遮光膜形成用層をパターン状にエッチングすることにより、遮光膜を形成する工程である。
なお、本工程により形成される遮光膜としては、上記「A.階調マスク」の項に記載の内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本工程に用いられる積層体は、透明基板と、遮光膜形成用層とを有するものである。
このような透明基板および遮光膜形成用層を構成する遮光膜形成材料としては、上記「A.階調マスク」の項に記載した透明基板および遮光膜形成材料と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程において、上記積層体の遮光膜形成用層をパターン状にエッチングし、遮光膜を形成する方法としては、階調マスクにおける遮光膜の形成に一般的に用いられる方法を使用することができる。
具体的には、上記遮光膜を形成したい領域にレジストをパターン状に形成した後、上記遮光膜形成材料をエッチングすることができるエッチング液によりエッチングし、次いで、レジストを除去する方法を挙げることができる。
また、露光後のレジスト膜の現像方法としては、一般的な現像方法を用いることができる。
このような遮光膜形成材料用エッチング液としては、具体的には、用いる材料により異なるものであるが、上記遮光膜形成材料が、上記クロム系材料である場合には、硝酸セリウム第二アンモンと過塩素酸との混合溶液や、硫酸と燐酸との混合溶液を用いることができ、なかでも硝酸セリウム第二アンモン溶液と過塩素酸との混合溶液を好ましく用いることができる。
また、上記遮光膜形成材料が、上記チタン系材料である場合には、フッ酸や、水酸化カリウムと過酸化水素との混合溶液を用いることができ、なかでも水酸化カリウムと過酸化水素との混合溶液を好ましく用いることができる。
本発明の階調マスクの製造方法における第1半透明膜形成工程は、上記透明基板上に、上記遮光膜を覆うように、第1半透明膜形成材料からなる第1半透明膜形成用層を形成した後、上記第1半透明膜形成用層をパターン状にエッチングすることにより、上記透明基板上に直接形成された第1半透明膜を形成する工程である。
なお、本工程により形成される第1半透明膜および用いられる第1半透明膜形成材料としては、上記「A.階調マスク」の項に記載の内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、上記第1半透明膜形成材料が、上記第2半透明膜形成材料とはエッチング液に対する耐性が異なるものであることにより、後述する第2半透明膜形成工程において、上記第1半透明膜が上記第2半透明膜形成材料用エッチング液によりエッチングされないものとすることができる。このため、上記第1半透明膜を精度良く形成することができる。
具体的には、上記第1半透明膜を形成したい領域にレジストを形成し、次いで、上記第1半透明膜形成材料をエッチングすることができるエッチング液により、エッチングし、その後、レジストを除去する方法を挙げることができる。
なお、レジストを形成する方法およびレジストを除去する方法については、上記「1.遮光膜形成工程」の項に記載した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
具体的には、上記第1半透明膜を形成したい領域に形成するものであれば良く、上記遮光膜が形成された領域であっても良い。
本工程においては、上記遮光膜形成材料が上記第1半透明膜形成材料と同種の材料である場合、上記レジストが、上記遮光膜が形成された全領域に形成するものであることが好ましい。このような領域にレジストを形成することにより、上記遮光膜がエッチング液と接触することを防ぐことができる。このため、本工程により、上記遮光膜がエッチングされることを効果的に防ぐことができ、パターン精度の良い遮光膜を得ることができるからである。また、上記第1半透明領域と遮光領域が接する部位では、上記第1半透明膜を、上記第1半透明領域の境界部含めて遮光膜を覆う連続した膜とすることができる。その結果、上記第1半透明膜を遮光膜との位置合わせ精度に依存せず形成することができ、さらにその場合であっても、上記第1半透明領域および遮光領域の境界は上記遮光膜のエッジで決定されることから、両領域のエッジを精度良く形成できるからである。
また、このように遮光膜をパターン精度良く形成することができ、両領域のエッジを精度良く形成できることから、例えば、既に説明した図1に示すように遮光領域の開口部に第1半透明領域が形成され第1半透明領域が遮光領域により区分されている場合、既に説明した図2、図3および図4(b)に示すように独立した部材、すなわち、遮光領域に対応する領域により区分けされた部材を精度良く形成できるものとすることができるからである。
本発明の階調マスクの製造方法における第2半透明膜形成工程は、上記透明基板上に、上記遮光膜および第1半透明膜を覆うように、上記第1半透明膜形成材料とはエッチング液に対する耐性が異なる第2半透明膜形成材料からなる第2半透明膜形成用層を形成した後、上記第2半透明膜形成用層を、上記第1半透明膜形成材料が耐性を有するエッチング液である第2半透明膜形成材料用エッチング液によりパターン状にエッチングすることにより、上記透明基板上に直接形成された第2半透明膜を形成する工程である。
なお、本工程により形成される第2半透明膜および用いられる第2半透明膜形成材料としては、上記「A.階調マスク」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、上記第2半透明膜形成材料および第2半透明膜形成材料用エッチング液を用いることにより、上記第2半透明膜形成材料のみをエッチングすることができる。このため、上記第1半透明領域および第2半透明領域を精度良く形成することができる。
具体的には、上記第2半透明膜を形成したい領域にレジストを形成し、次いで、上記第2半透明膜形成材料用エッチング液により、エッチングし、その後、レジストを除去する方法を挙げることができる。
なお、レジストを形成する方法およびレジストを除去する方法については、上記「1.遮光膜形成工程」の項に記載した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
このような第2半透明膜形成材料用エッチング液としては、具体的には、用いる材料により異なるものであるが、上記第1半透明膜形成材料が上記クロム系材料であり、上記第2半透明膜形成材料がチタン系材料である場合には、フッ酸や、水酸化カリウムと過酸化水素との混合溶液を用いることができ、なかでも水酸化カリウムと過酸化水素との混合溶液を好ましく用いることができる。
また、上記第1半透明膜形成材料が上記チタン系材料であり、上記第2半透明膜形成材料がクロム系材料である場合には、硝酸セリウム第二アンモンと過塩素酸との混合溶液や、硫酸と燐酸との混合溶液を用いることができ、なかでも硝酸セリウム第二アンモン溶液と過塩素酸との混合溶液を好ましく用いることができる。
具体的には、上記第2半透明領域を形成したい領域に形成するものであれば良く、上記遮光膜が形成された領域を含むものであっても良い。
本工程においては、なかでも、上記遮光膜形成材料が上記第2半透明膜形成材料と同種の材料である場合には、上記遮光膜が形成された領域のうち上記第1半透明膜により被覆された以外の領域にもレジストを形成するものであることが好ましい。
このような領域にレジストを形成することにより、上記遮光膜がエッチング液と接触することを防ぐことができる。このため、本工程により、上記遮光膜がエッチングされることを効果的に防ぐことができ、パターン精度の良い遮光膜を得ることができるからである。また、上記第2半透明領域と遮光領域が接する部位では、上記第2半透明膜を、上記第2半透明領域の境界部含めて遮光膜を覆う連続した膜とすることができる。その結果、上記第2半透明膜を遮光膜との位置合わせ精度に依存せず形成することができ、さらにその場合であっても、上記第2半透明領域および遮光領域の境界は上記遮光膜のエッジで決定されることから、両領域のエッジを精度良く形成できるからである。
さらに、このように遮光膜をパターン精度良く形成することができ、両領域のエッジを精度良く形成できることから、独立した部材を精度良く形成できるものとすることができるからである。
本発明の階調マスクの製造方法は、上述した遮光膜形成工程、第1半透明膜形成工程、および第2半透明膜形成工程を少なくとも有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有するものであっても良い。
このようなその他の工程としては、上記遮光膜上に低反射層を形成する低反射層形成工程を挙げることができる。
1.階調マスクの作製
光学研磨された390mm×610mmの合成石英基板上にクロム膜(遮光膜)が厚み100nmで成膜されている常用のマスクブランク上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製 ip−3500)を厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置(マイクロニック社製 LRS11000−TFT3)で、所望の遮光膜中間パターンを描画した。
次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製 NMD3)で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜をエッチングし、さらに残ったレジストパターンを剥膜することで、所望のパターンの遮光膜を得た。クロム膜のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)を用いた。クロム膜のエッチング時間は、60秒であった。
その後、遮光膜パターンが形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行い、よく洗浄した。
・ガス流量比 Ar:O2=4:1
・パワー:1.3kW
・ガス圧:3.5mTorr
短波長カット半透明膜形成用層の膜厚は20nmとした。
その後、短波長カット半透明膜および遮光膜が形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行った。
・ガス流量比 Ar:N2=4:1
・パワー:1.3kW
・ガス圧:3.5mTorr
フラット半透明膜形成用層の膜厚は10nmとした。
フラット半透明膜形成用層のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)を用いた。フラット半透明膜形成用層のエッチング時間は、60秒であった。
なお、上記短波長カット半透明膜のうち、その上部にレジストパターンが形成されなかった領域についても、上記フラット半透明膜形成用層のエッチングに用いたエッチング液によりエッチングされなかった。
これにより、既に説明した図1に示すような、第1半透明膜(短波長カット半透明膜)および第2半透明膜(フラット半透明膜)を有する階調マスクを得た。
なお、得られた階調マスクは、第1半透明膜(短波長カット半透明膜)のi線(365nm)の透過率が50%であり、第2半透明膜(フラット半透明膜)のi線(365nm)の透過率が30%であった。
基板として、大きさが300mm×400mm、厚みが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この基板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み1500Å)を形成した。このクロム薄膜上にポジ型感光性レジスト(東京応化工業(株)製 OFPR−800)を塗布し、所定のマスクを介して露光、現像してレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクとして、クロム薄膜をエッチングして、線幅20μm、ピッチ100μmのブラックマトリックスを形成した。
・赤顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B) 4.8重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
・緑顔料(アビシア社製 モナストラルグリーン9Y−C) 4.2重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
・青顔料(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F) 6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース5000) 0.6重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
次に、ブラックマトリックス、着色層を覆うように酸化インジウムスズ(ITO)からなる透明電極層(厚み1500Å)をスパッタリング法により形成した。
・露光量:100mJ/cm2(i線換算)
・露光ギャップ:150μm
1.階調マスクの作製
実施例1と同様にして、所望のパターンの遮光膜を形成し、その後、膜厚70nmであり、所望のパターンの短波長カット半透明膜(第1半透明膜)を形成した。
なお、上記短波長カット半透明膜のうち、その上部にレジストパターンが形成されなかった領域についても、上記正傾斜半透明膜形成用層のエッチングに用いたエッチング液によりエッチングされなかった。
・ガス流量比 Ar:CO2:N2=2:1:1
・パワー:1.3kW
・ガス圧:3.5mTorr
正傾斜半透明膜形成用層の膜厚は16nmとした。
実施例1と同様にして、透明電極上に凸形状の3種のパターンを有するカラーフィルタを作製した。
実施例1の階調マスク、および実施例2の階調マスクを用いて透明電極上に形成された凸状のパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡にて観察した。評価結果を下記表1に示す。
また、実施例2より、透明電極上に高さの高い柱状スペーサおよび高さの低い補助スペーサを形成することができた。また、これと同時に御椀形状の配向制御突起を形成することができた。
このように実施例1および2で作製した階調マスクを用いることにより、高さおよび形状の異なるパターンを一括で形成することができた。
2 … 遮光膜
3 … 第1半透明膜
4 … 第2半透明膜
10 … 階調マスク
11 … 透過領域
12 … 遮光領域
13 … 第1半透明領域
14 … 第2半透明領域
20 … 積層体
22 … 遮光膜形成用層
23 … 第1半透明膜形成用層
24 … 第2半透明膜形成用層
25 … レジスト
30 … カラーフィルタ形成用基板
34 … 感光性樹脂層
40 … カラーフィルタ
41 … 第1スペーサ
42 … 第2スペーサ
43 … 第3スペーサ
44 … 第1配向制御突起
46 … オーバーコート層
Claims (5)
- 透明基板と、前記透明基板上に直接形成され、遮光膜形成材料からなる遮光膜と、前記透明基板上に形成され、第1半透明膜形成材料からなる第1半透明膜と、前記透明基板上に形成され、第2半透明膜形成材料からなる第2半透明膜と、を有し、
前記透明基板からなる透過領域と、前記透明基板および前記遮光膜を少なくとも含む遮光領域と、前記透明基板および前記第1半透明膜からなる第1半透明領域と、前記透明基板および前記第2半透明膜からなる第2半透明領域と、を備える階調マスクであって、
前記第2半透明膜形成材料が、前記第1半透明膜形成材料とはエッチング液に対する耐性が異なるものであることを特徴とする階調マスク。 - 前記第1半透明膜形成材料および前記第2半透明膜形成材料の一方がクロム系材料であり、他方がチタン系材料であることを特徴とする請求項1に記載の階調マスク。
- 前記遮光膜形成材料が、前記第1半透明膜形成材料および前記第2半透明膜形成材料の一方と同種の材料であり、
前記遮光膜が、前記第1半透明膜および前記第2半透明膜の少なくとも一方により被覆されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の階調マスク。 - 前記第1半透明膜の分光スペクトルと、前記第2半透明膜の分光スペクトルとが異なることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の階調マスク。
- 透明基板と、前記透明基板上に形成され、遮光膜形成材料からなる遮光膜形成用層とを有する積層体の前記遮光膜形成用層をパターン状にエッチングすることにより、遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、
前記透明基板上に、前記遮光膜を覆うように、第1半透明膜形成材料からなる第1半透明膜形成用層を形成した後、前記第1半透明膜形成用層をパターン状にエッチングすることにより、前記透明基板上に直接形成された第1半透明膜を形成する第1半透明膜形成工程と、
前記透明基板上に、前記遮光膜および第1半透明膜を覆うように、前記第1半透明膜形成材料とはエッチング液に対する耐性が異なる第2半透明膜形成材料からなる第2半透明膜形成用層を形成した後、前記第2半透明膜形成用層を、前記第1半透明膜形成材料が耐性を有するエッチング液である第2半透明膜形成材料用エッチング液によりパターン状にエッチングすることにより、前記透明基板上に直接形成された第2半透明膜を形成する第2半透明膜形成工程と、
を有することを特徴とする階調マスクの製造方法。
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