JP2007178662A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、上記感光性樹脂層を、所定の透過率特性を有する半透明膜を備える階調マスクを用いて露光し、現像して、感光性樹脂からなる高さの調整された2種以上の同一機能部材を形成する同一機能部材形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1
Description
しかしながら、このスリットは解像限界以下である必要があるため、当然のことながら、マスクの本体パターンよりも小さな寸法に仕上げる必要があり、マスク製造に対して大きな負荷となってしまうという問題があった。さらに、広い領域を半透明にするためには、多くのスリットを配置する必要があるため、パターンデータ容量が増え、パターン形成工程や、パターンの欠陥検査工程に対する負荷の増大という問題も生じ、製造・検査時間の増大、マスク製造コストの上昇につながってしまうという問題があった。
特許文献5に記載の階調マスクは、透過率が300nmで5%以下、380nmで45%以上であり、露光光の短波長域(300nm〜350nm程度)をカットし、長波長域(350nm〜450nm程度)のみを利用するというものである。しかしながら、長波長域のみを利用する場合、短波長域を利用する場合と比較してエネルギーが低いため、硬化速度が遅く、露光に時間がかかるという問題がある。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、上記感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、上記感光性樹脂からなる高さの調整された2種以上の同一機能部材を形成する同一機能部材形成工程とを有しており、上記階調マスクは、透明基板と、遮光膜と、透過率調整機能を有する半透明膜とが順不同に積層され、上記透明基板上に上記遮光膜が設けられた遮光領域と、上記透明基板上に上記半透明膜のみが設けられた半透明領域と、上記透明基板上に上記遮光膜および上記半透明膜のいずれも設けられていない透過領域とを有し、上記半透明膜は、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が所定の範囲内であることを特徴とするものである。
図1は、本発明によりカラーフィルタにおける高さの異なる2種のスペーサ(高スペーサ11aおよび低スペーサ11b)を形成する例である。まず、図1(a)に示すように、基板1上に着色層2および遮光部3を形成し、着色層2上に透明電極層4を形成し、その上にネガ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層5を形成する。次いで、図1(b)に示すように、感光性樹脂層5を階調マスク21を介して露光する。
まず、図4(a)に示すように、基板1上に枕部6を形成し、その上にネガ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層5を形成する。着色層形成部位のうち、枕部6が設けられている領域は反射部rであり、枕部6が設けられていない領域は透過部tである。
次いで、図4(b)に示すように、感光性樹脂層5を階調マスク21を介して露光する。このとき、透過部tに対しては透過領域27を介した露光が行われ、反射部rに対しては半透明領域26を介した露光が行われる。透過領域27を介した感光性樹脂層の露光では、ネガ型感光性樹脂の光反応(硬化反応)が十分に行われるが、半透明領域26を介した感光性樹脂層の露光では、ネガ型感光性樹脂の光反応(硬化反応)は半透明膜の透過率特性に応じて不十分なものとなる。そして、現像すると、感光性樹脂層のうち、硬化反応が十分に行われた透過部tでは、厚みの厚い透過部用着色層13aが形成される。一方、反射部rでは、硬化反応の程度に応じて(半透明膜の透過率特性に応じて)、厚みの薄い反射部用着色層13bが形成される。すなわち、硬化反応の程度が不十分である程、着色層の厚みが薄くなる。
まず、図5(a)に示すように、基板1上に、赤色パターン2R、緑色パターン2G、および青色パターン2Bから構成される着色層、ならびに遮光部3を形成し、その上にネガ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層5を形成する。オーバーコート層形成部位のうち、赤色パターン2R、緑色パターン2G、および青色パターン2Bが設けられていない領域は、光がそのまま透過する白色パターンWである。
次いで、図5(b)に示すように、感光性樹脂層5を階調マスク21を介して露光する。このとき、白色パターン(W)用オーバーコート層形成部位に対しては透過領域27を介した露光が行われ、赤色パターン・緑色パターン・青色パターン(RGB)用オーバーコート層形成部位に対しては半透明領域26を介した露光が行われる。透過領域27を介した感光性樹脂層の露光では、ネガ型感光性樹脂の光反応(硬化反応)が十分に行われるが、半透明領域26を介した感光性樹脂層の露光では、ネガ型感光性樹脂の光反応(硬化反応)は半透明膜の透過率特性に応じて不十分なものとなる。そして、現像すると、感光性樹脂層のうち、硬化反応が十分に行われたW用オーバーコート層形成部位では、厚みの厚いW用オーバーコート層15aが形成される。一方、RGB用オーバーコート層形成部位では、硬化反応の程度に応じて(半透明膜の透過率特性に応じて)、厚みの薄いRGB用オーバーコート層15bが形成される。すなわち、硬化反応の程度が不十分である程、オーバーコート層の厚みが薄くなる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
本発明における感光性樹脂層形成工程は、基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する工程である。
本発明における同一機能部材形成工程は、感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、感光性樹脂からなる高さの調整された2種以上の同一機能部材を同時に形成する工程である。
以下、階調マスク、および同一機能部材の形成方法について説明する。
本発明に用いられる階調マスクは、透明基板と、遮光膜と、透過率調整機能を有する半透明膜とが順不同に積層され、透明基板上に遮光膜が設けられた遮光領域と、透明基板上に上記半透明膜のみが設けられた半透明領域と、透明基板上に遮光膜および半透明膜のいずれも設けられていない透過領域とを有するものである。また、階調マスクにおける半透明膜は、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が所定の範囲内となっている。
以下、階調マスクの各構成について説明する。
階調マスクに用いられる半透明膜は、透過率調整機能を有し、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が所定の範囲内となるものである。
さらに、高さの差が3μm以上の同一機能部材を形成する場合は、上記の365nmおよび300nmでの透過率の差が6.5%〜10.0%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは6.5%〜9.0%の範囲内である。また、高さの差が3μm以下の同一機能部材を形成する場合は、上記の365nmおよび300nmでの透過率の差が10.0%〜13.5%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは10.5%〜12.0%の範囲内である。
さらに、高さの差が3μm以上である同一機能部材を形成する場合は、上記の405nmおよび300nmでの透過率の差が10.5%〜15.5%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは12.0%〜14.0%の範囲内である。また、高さの差が3μm以下である同一機能部材を形成する場合は、上記の405nmおよび300nmでの透過率の差が15.5%〜21.0%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは16.0%〜18.0%の範囲内である。
さらに、高さの差が3μm以上である同一機能部材を形成する場合は、上記の436nmおよび300nmでの透過率の差が13.5%〜20.0%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは13.5%〜17.0%の範囲内である。また、高さの差が3μm以下である同一機能部材を形成する場合は、上記の436nmおよび300nmでの透過率の差が20.0%〜27.0%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは20.0%〜23.0%の範囲内である。
さらに、高さの差が3μm以上である同一機能部材を形成する場合は、上記の300nmでの透過率が3.5%〜15.0%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは7.0%〜10.0%の範囲内である。また、高さの差が3μm以下である同一機能部材を形成する場合は、上記の300nmでの透過率が15.0%〜70.0%の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは20.0%〜50.0%の範囲内である。
階調マスクに用いられる遮光膜は、実質的に露光光を透過しないものであり、露光波長における平均透過率が0.1%以下であることが好ましい。このような遮光膜としては、一般にフォトマスクに用いられる遮光膜を用いることができ、例えばクロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などの膜が挙げられる。中でも、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等のクロム系膜が好適に用いられる。このようなクロム系膜は、最も使用実績があり、コスト、品質の点で好ましいからである。このクロム系膜は、単層であってもよく、2層以上が積層されたものであってもよい。
階調マスクに用いられる透明基板は、一般にフォトマスクに用いられる基板を使用することができる。例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等の光学研磨された低膨張ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイアなどの可撓性のない透明なリジット材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂フィルムなどの可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。中でも、石英ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理における特性に優れている。
階調マスクにおける遮光領域は、透明基板上に遮光膜が設けられた領域である。遮光領域では、透明基板上に少なくとも遮光膜が形成されていればよく、透明基板上に遮光膜および半透明膜が形成されていてもよい。
このような階調マスクを用いた場合には、例えば図10に示すように高さの異なる高スペーサ11aおよび低スペーサ11bを同時に形成することができる。
また、図8に例示する階調マスクのC−C線断面図を図13に示す。このような階調マスクを用いた場合には、例えば図14に示すように反射部rおよび透過部tに応じて部分的に膜厚の異なる着色層(透過部用着色層13aおよび反射部用着色層13b)を同時に形成することができる。
本発明においては、遮光膜上に低反射層が形成されていてもよい。低反射層を設けることにより、階調マスクの使用時において、ハレーションを防止することができる。
低反射層としては、例えば酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等の膜が挙げられる。遮光膜がクロム系膜である場合、これらの膜は遮光膜のエッチング時に同時にエッチングすることが可能である。
本発明に用いられる階調マスクは、透過率が3段階以上に段階的に変化するものであり、2階調のマスクに限定されるものではなく、後述するようにパターニングを繰り返すことにより、2階調以上の多階調のマスクとすることが可能である。
本発明に用いられる階調マスクの製造方法としては、透明基板上に半透明膜および遮光膜をパターン状に形成することにより、所望の位置に遮光領域、半透明領域、および透過領域を配置することができる方法であれば特に限定されるものではないが、2つの好ましい態様を挙げることができる。以下、各態様について説明する。
本態様の階調マスクの製造方法は、透明基板上に遮光膜を成膜したマスクブランクを準備するマスクブランク準備工程と、遮光膜の一部をパターニングする第1パターニング工程と、パターニングされた遮光膜が形成された透明基板の全面に半透明膜を成膜する半透明膜成膜工程と、遮光膜および半透明膜をパターニングする第2パターニング工程とを有するものである。
本態様の階調マスクを作製するには、まず透明基板22上に遮光膜24aを成膜したマスクブランク50を準備する(図15(a)、マスクブランク準備工程)。
次に、遮光膜24a上にレジスト材料を塗布し、塗布後に所定時間ベークし、第1レジスト膜51aを形成する(図15(b))。次に、遮光膜をパターン露光する。この際、半透明領域26と遮光領域25とが接する境界、および半透明領域26と透過領域27とが接する境界を形成するように、半透明領域26は第1レジスト膜51aが除去される露光量で露光し、遮光領域25および透過領域27は第1レジスト膜51aが残存する露光量で露光する。続いて、現像することにより、第1レジストパターン51bを形成する(図15(c))。次に、第1レジストパターン51bより露出している遮光膜24aをエッチングして、遮光膜中間パターン24bを形成し(図15(d))、残存している第1レジストパターン51bを除去する(図15(e))。この遮光膜中間パターン24bでは、後述する第2パターニング工程にて半透明膜と同じ箇所をエッチングする部分はエッチングされずに残存している。なお、図15(b)〜(e)は第1パターニング工程である。
次に、遮光膜中間パターン24bが形成された透明基板22の全面に、半透明膜23aを成膜する(図15(f)、半透明膜成膜工程)。
次に、半透明膜23a上にレジスト材料を塗布し、塗布後に所定時間ベークし、第2レジスト膜52aを形成する(図15(g))。続いて、遮光膜および半透明膜のパターン露光を行う。この際、遮光領域25と透過領域27とが接する境界、および半透明領域26と透過領域27とが接する境界を形成するように、透過領域27は第2レジスト膜52aが除去される露光量で露光し、遮光領域25および半透明領域26は第2レジスト膜52aが残存する露光量で露光する。次に、現像することにより、第2レジストパターン52bを形成する(図15(h))。次に、第2レジストパターン52bより露出している半透明膜23aをエッチングし、続いて、下層の遮光膜中間パターン24bが露出している箇所をさらにエッチングすることにより、半透明膜パターン23bおよび遮光膜パターン24cを形成する(図15(i))。次いで、残存している第2レジストパターン52bを除去し(図15(j))、階調マスクを得ることができる。なお、図15(g)〜(j)は第2パターニング工程である。
以下、本態様の階調マスクの製造方法における各工程について説明する。
本態様におけるマスクブランク準備工程は、透明基板上に遮光膜を成膜したマスクブランクを準備する工程である。
透明基板上に遮光膜としてクロム膜が形成されたマスクブランクは、一般的に使用されているマスクブランクであり、容易に入手可能である。
本態様における第1パターニング工程は、遮光膜の一部をパターニングする工程である。遮光膜のパターニング方法としては特に限定されるものではなく、通常、リソグラフィー法が用いられる。リソグラフィー法を用いる場合、マスクブランクの遮光膜上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第1レジスト膜を形成する。
また、図示しないが、第1レジスト膜にネガ型レジスト材料を用いた場合は、半透明領域では露光せず、遮光領域および透過領域で第1レジスト膜が感光される露光量で露光する。
なお、遮光膜および半透明膜の同じ箇所を一括してエッチングするためのパターン露光は、第2パターニング工程で行う。
遮光膜がクロム系膜である場合には、硝酸セリウム系ウェットエッチャントが好適に用いられる。
また、遮光膜が低反射機能を有する場合は、第1レジスト膜を露光するための露光光の散乱によって、本来露光されるべき領域でない領域が露光されてしまうことを防止することができる。
本態様における半透明膜成膜工程は、パターニングされた遮光膜が形成された透明基板の全面に半透明膜を成膜する工程である。なお、半透明膜の成膜方法については、上記半透明膜の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本態様における第2パターニング工程は、遮光膜および半透明膜をパターニングする工程である。遮光膜および半透明膜のパターニング方法としては特に限定されるものではなく、通常、リソグラフィー法が用いられる。リソグラフィー法を用いる場合、遮光膜および半透明膜が形成された透明基板上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第2レジスト膜を形成する。
なお、第2レジスト膜の材料については、上記第1パターニング工程の項に記載した第1レジスト膜の材料と同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、図示しないが、第2レジスト膜にネガ型レジスト材料を用いた場合は、透過領域では露光せず、遮光領域および半透明領域で第2レジスト膜が感光される露光量で露光する。
なお、パターン露光のその他の点、および現像については、上記第1パターニング工程の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様の階調マスクの製造方法は、透明基板上に半透明膜および遮光膜がこの順に積層されたマスクブランクを準備するマスクブランク準備工程と、半透明膜および遮光膜の一部をパターニングする第1パターニング工程と、遮光膜のみをパターニングする第2パターニング工程とを有するものである。
本態様の階調マスクを作製するには、まず透明基板22上に半透明膜23aおよび遮光膜24aがこの順に積層されたマスクブランク50を準備する(図16(a)、マスクブランク準備工程)。
次に、遮光膜24a上にレジスト材料を塗布し、塗布後に所定時間ベークし、第1レジスト膜53aを形成する(図16(b))。次に、半透明膜および遮光膜のパターン露光を行う。この際、遮光領域25と透過領域27とが接する境界、および半透明領域26と透過領域27とが接する境界を形成するように、透過領域27は第1レジスト膜53aが除去される露光量で露光し、遮光領域25および半透明領域26は第1レジスト膜53aが残存する露光量で露光する。続いて、現像することにより、第1レジストパターン53bを形成する(図16(c))。次に、第1レジストパターン53bより露出している半透明膜23aおよび遮光膜24aをエッチングして、半透明膜パターン23bおよび遮光膜中間パターン24bを形成し(図16(d))、残存している第1レジストパターン53bを除去する(図16(e))。この遮光膜中間パターン24bでは、後述する第2パターニング工程にて遮光膜のみをエッチングする部分はエッチングされずに残存している。なお、図16(b)〜(e)は第1パターニング工程である。
次に、半透明膜パターン23bおよび遮光膜中間パターン24bが形成された透明基板22上にレジスト材料を塗布し、塗布後に所定時間ベークし、第2レジスト膜54aを形成する(図16(f))。続いて、遮光膜のパターン露光を行う。この際、半透明領域26と遮光領域25とが接する境界、および半透明領域26と透過領域27とが接する境界を形成するように、半透明領域26は第2レジスト膜54aが除去される露光量で露光し、遮光領域25および透過領域27は第2レジスト膜54aが残存する露光量で露光する。次に、現像することにより、第2レジストパターン54bを形成する(図16(g))。次に、第2レジストパターン54bより露出している遮光膜中間パターン24bをエッチングして、遮光膜パターン24cを形成し、(図16(h))、残存している第2レジストパターン54bを除去する(図16(i))。なお、図16(f)〜(i)は第2パターニング工程である。このようにして階調マスクを得ることができる。
以下、本態様の階調マスクの製造方法における各工程について説明する。
本態様におけるマスクブランク準備工程は、透明基板上に半透明膜および遮光膜がこの順に積層されたマスクブランクを準備する工程である。なお、透明基板、半透明膜および遮光膜については、上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
本態様における第1パターニング工程は、半透明膜および遮光膜の一部をパターニングする工程である。半透明膜および遮光膜のパターニング方法としては特に限定されるものではなく、通常、リソグラフィー法が用いられる。リソグラフィー法を用いる場合、マスクブランクの遮光膜上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第1レジスト膜を形成する。
また、図示しないが、第1レジスト膜にネガ型レジスト材料を用いた場合は、透過領域では露光せず、遮光領域および半透明領域で第1レジスト膜が感光される露光量で露光する。
なお、遮光膜のみをエッチングするためのパターン露光は、第2パターニング工程で行う。
本態様における第2パターニング工程は、遮光膜のみをパターニングする工程である。遮光膜のパターニング方法としては特に限定されるものではなく、通常、リソグラフィー法が用いられる。リソグラフィー法を用いる場合、パターニングされた半透明膜および遮光膜の上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第2レジスト膜を形成する。
また、図示しないが、第2レジスト膜にネガ型レジスト材料を用いた場合は、半透明領域では露光せず、遮光領域および透過領域で第2レジスト膜が感光される露光量で露光する。
本発明においては、感光性樹脂からなる高さの調整された2種以上の同一機能部材を同時に形成することができる。
なお、同一機能部材とは、機能が同一である部材をいう。例えば、図1に例示する高スペーサ11aは、カラーフィルタと薄膜トランジスタ(TFT)基板との間に配置される液晶層の厚みを所望の厚みに設定するための部材であり、また低スペーサ11bはカラーフィルタとTFT基板との間に荷重がかかった場合、TFT基板に当接し、高スペーサと協働して、カラーフィルタとTFT基板との距離(液晶層の厚み)の更なる変化を阻止するための部材である。したがって、高スペーサおよび低スペーサは同一機能部材である。また図3に例示する反射部用突起12aおよび透過部用突起12bは両者とも、近傍の液晶分子にプレチルト角を与える作用、および電気力線を所望の方向に歪ませる作用をなすことにより、液晶層の液晶分子の配向方向を複数方向に制御することを可能とする部材である。したがって、反射部用突起および透過部用突起は同一機能部材である。さらに図4に例示する透過部用着色層13aおよび反射部用着色層13bは両者とも、通常、赤色パターン、緑色パターン、および青色パターンから構成され、本発明により製造されるカラーフィルタを用いて液晶表示装置とした際にカラー表示を可能とする部材である。したがって、透過部用着色層および反射部用着色層は同一機能部材である。また図5に例示するW用オーバーコート層15aおよびRGB用オーバーコート層15bは両者とも、着色層を保護するとともに、着色層表面を平坦化するための部材である。したがって、W用オーバーコート層およびRGB用オーバーコート層は同一機能部材である。
現像は、一般的な現像方法に従って行うことができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上述した感光性樹脂層形成工程および同一機能部材形成工程を順次繰り返し行うものであってもよい。例えば、図4に示すように上記感光性樹脂層形成工程および同一機能部材形成工程により着色層を形成した後、図1に例示するスペーサや図3に例示する配向制御用突起を上記感光性樹脂層形成工程および同一機能部材形成工程により形成してもよい。また例えば、図1に示すように上記感光性樹脂層形成工程および同一機能部材形成工程によりスペーサを形成した後に、図3に例示する配向制御用突起を上記感光性樹脂層形成工程および同一機能部材形成工程により形成してもよい。さらに例えば、図3に示すように上記感光性樹脂層形成工程および同一機能部材形成工程により配向制御用突起を形成した後に、図1に例示するスペーサを上記感光性樹脂層形成工程および同一機能部材形成工程により形成してもよい。
着色層は、通常、赤色パターン、緑色パターンおよび青色パターンから構成されるものである。着色層は、例えば所望の着色剤を含有する感光性樹脂組成物を使用した顔料分散法により形成することができる。さらに、着色層の形成方法としては、印刷法、電着法、転写法、インクジェット法等の一般的な方法を使用することもできる。
着色層の厚みは、例えば0.5〜3.0μmの範囲で設定することができる。
遮光部は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等によりクロム等の金属薄膜を形成し、この金属薄膜をパターニングすることにより形成することができる。この場合、遮光部の厚みは、200〜5000Å程度とすることができる。
また、遮光部は、カーボン微粒子等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物等を用いて樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングすることにより形成することもできる。さらに、遮光部は、カーボン微粒子、金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性樹脂組成物を用いて樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングすることにより形成することもできる。
透明電極層の形成材料としては、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、またはその合金等を挙げることができる。
透明電極層の成膜方法としては、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法を用いることができる。
この透明電極層の厚みは、例えば200〜5000Å程度とすることができる。
枕部の形成材料としては、例えば感光性アクリル樹脂、感光性ポリイミド、ポジレジスト、カルド樹脂、ポリシロキサン、ベンゾシクロブテン等を挙げることができる。
枕部の形成方法としては、上記材料を用いて例えばフォトリソグラフィー法等により、形成することができる。
配向膜の厚みは、500〜1000Å程度とすることができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、所定の透過率特性を有する半透明膜を備える階調マスクを用いていることから、液晶表示装置用のカラーフィルタの製造、特に大型の液晶表示装置用のカラーフィルタの製造や半透過型液晶表示装置用のカラーフィルタの製造に適している。
また、本発明のカラーフィルタの製造方法は、モノクロの液晶表示装置用の基板、例えば高スペーサおよび低スペーサを有する基板などの製造に適用することもできる。
[実施例1]
(階調マスクの作製)
光学研磨された390mm×610mmの合成石英基板上にクロム膜(遮光膜)が厚み100nmで成膜されている常用のマスクブランク上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製 ip−3500)を厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置(マイクロニック社製 LRS11000−TFT3)で、所望の遮光膜中間パターンを描画した。
次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製 NMD3)で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜をエッチングし、さらに残ったレジストパターンを剥膜することで、所望の遮光膜中間パターンを得た。クロム膜のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)を用いた。クロム膜のエッチング時間は、60秒であった。
<成膜条件>
・ガス流量比 Ar:CO2:N2=1:0.5:0.5
・パワー:1.5kW
・ガス圧:3mTorr
酸化窒化炭化クロム膜の膜厚は35nmとした。酸化窒化炭化クロム膜の分光スペクトルを図17に示す。
次に、酸化窒化炭化クロム膜上に市販のフォトレジスト(東京応化製 ip−3500)を再度、厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレート上で15分ベークした。
続いて半透明膜パターンとなる像を再度、レーザ描画装置(マイクロニック社製 LRS11000−TFT3)で描画し、専用デベロッパー(東京応化社製 NMD3)で現像し、レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをマスクとして、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)で半透明膜および遮光膜をエッチングし、半透明膜パターンおよび遮光膜パターンを得た。エッチングは半透明膜および遮光膜に対して行った。
最後に残ったレジストを剥膜し、パターン寸法検査、パターン欠陥検査などの検査工程を経て、必要に応じてパターン修正を行い、階調マスクを得た。
基板として、大きさが300mm×400mm、厚みが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この基板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み1000Å)を形成した。このクロム薄膜上にポジ型感光性レジスト(東京応化工業(株)製 OFPR−800)を塗布し、所定のマスクを介して露光、現像してレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクとして、クロム薄膜をエッチングして、線幅20μm、ピッチ100μmのブラックマトリックスを形成した。
感光性樹脂組成物、青色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
・赤顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B) 4.8重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
・緑顔料(アビシア社製 モナストラルグリーン9Y−C) 4.2重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
・青顔料(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F) 6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース5000) 0.6重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
次に、ブラックマトリックス、着色層を覆うように酸化インジウムスズ(ITO)からなる透明電極層(厚み1500Å)をスパッタリング法により形成した。
<露光条件>
・露光量:100mJ/cm2(I線換算)
・露光ギャップ:150μm
(階調マスクの作製)
下記のように半透明膜を成膜した以外は、実施例1と同様にして階調マスクを作製した。
遮光膜中間パターンが形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行い、よく洗浄した後、高屈折率層(屈折率:2.5、厚み:29nm、TiO2膜)と低屈折率層(屈折率:1.5、厚み:48nm、SiO2膜)とを交互に計15層(1層目および15層目は高屈折率層)、スパッタリング法にて成膜した。これにより、波長330nm以下の短波長域をカットする半透明膜を得た。
実施例1と同様にして、カラーフィルタを作製した。
実施例1、比較例1の階調マスクを用いて形成された高スペーサおよび低スペーサの断面形状を走査型電子顕微鏡にて観察し、寸法を測定した。結果を表1に示す。
(階調マスクの作製)
実施例1と同様の方法により、赤色パターン用、緑色パターン用、および青色パターン用の階調マスクをそれぞれ作製した。
大きさが100mm×100mm、厚みが0.7mmのガラス基板を準備した。このガラス基板上にネガ型感光性樹脂組成物(JSR製 オプトマーNN850)を塗布し、所定のマスクを用いて露光、現像して、枕部を形成した。このとき、形成された枕部は、高さが2.5μm、ストライプ幅が60μmであった。
次いで、ガラス基板上に枕部を覆うようにして実施例1で用いた赤色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、減圧乾燥後、80℃にて3分間プリベークした。その後、上記の赤色パターン用の階調マスクを介して下記条件にて露光した。
<露光条件>
・露光量:60mJ/cm2(I線換算)
・露光ギャップ:150μm
その後、緑色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、青色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物を用いて、同様の操作により、緑色パターン、青色パターンを形成した。これにより、反射部と透過部とで厚みの異なる赤色パターン、緑色パターン、青色パターンが配列された着色層を形成した。
得られたカラーフィルタについて、分光特性を分光光度計にて測定した。CIE色度座標を表2に示す。
2 … 着色層
3 … 遮光部
4 … 透明電極層
5 … 感光性樹脂層
6 … 枕部
11a … 高スペーサ
11b … 低スペーサ
12a … 反射部用突起
12b … 透過部用突起
13a … 透過部用着色層
13b … 反射部用着色層
21 … 階調マスク
22 … 透明基板
23 … 半透明膜
24 … 遮光膜
25 … 遮光領域
26 … 半透明領域
27 … 透過領域
Claims (5)
- 基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、前記感光性樹脂からなる高さの調整された2種以上の同一機能部材を形成する同一機能部材形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
前記階調マスクは、透明基板と、遮光膜と、透過率調整機能を有する半透明膜とが順不同に積層され、前記透明基板上に前記遮光膜が設けられた遮光領域と、前記透明基板上に前記半透明膜のみが設けられた半透明領域と、前記透明基板上に前記遮光膜および前記半透明膜のいずれも設けられていない透過領域とを有し、前記半透明膜は、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が6.5%〜13.5%の範囲内であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記半透明膜および前記遮光膜がクロム系膜であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記半透明膜は、波長405nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長405nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が10.5%〜21.0%の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記半透明膜は、波長436nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長436nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が13.5%〜27.0%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記半透明膜の波長300nmでの透過率が3.5%〜70%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
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