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JP5235080B2 - 銅合金箔及びそれを用いたフレキシブルプリント基板 - Google Patents

銅合金箔及びそれを用いたフレキシブルプリント基板 Download PDF

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Description

本発明はフレキシブルプリント基板等の配線部材に用いて好適な圧延銅箔及びそれを用いたフレキシブルプリント基板に関する。
フレキシブルプリント基板(以下、「FPC」と称する)はフレキシブル性を有するため、電子回路の折り曲げ部や可動部に広く使用されている。例えば、HDDやDVD及びCD−ROM等のディスク関連機器の可動部や、折りたたみ式携帯電話機の折り曲げ部等にFPCが用いられている。また、最近では電子機器の小型化に伴い、デジタルカメラや携帯電話、HDD、プリンター、液晶パネル周り等の狭い空間に、FPCが折りたたんで実装されている。
このようなことから、FPCには繰り返しの曲げに対する高い耐久性(耐屈曲特性)が要求されている。そのため、FPCの導電材として用いられる銅箔には、電解銅箔よりも高い耐屈曲特性を有する圧延銅箔、特にタフピッチ銅や無酸素銅の圧延銅箔が使用されている。
また、近年、FPCのファインピッチ化の要求から、従来のようなベースフィルム、接着剤及び銅箔からなる3層基板に替えて、ベースフィルムと銅箔からなる2層銅貼り積層板が増加する傾向にある。この2層銅貼り積層板は、銅箔へのベースフィルムの接着が従来より高温(350℃程度)で行われることが多く、また、使用される圧延銅箔の厚みも20μm以下であり従来よりも薄くなっている。
ところで、接着のために純銅系銅箔を長時間加熱すると、耐熱性が低いため軟化するという問題がある。そこで、所定の成分を含有する圧延銅合金箔が開示されている(特許文献1、2参照)。
特開昭62-189738号公報 特開昭64-12538号公報
しかしながら、従来の圧延銅合金箔の場合、耐屈曲特性が充分とはいえなかった。
すなわち、本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、耐熱性、導電性、及び屈曲性に優れた銅合金箔及びそれを用いたフレキシブルプリント基板の提供を目的とする。
本発明者らは種々検討した結果、Sn,Mg,In及びAgが耐熱性、導電性、及び屈曲性を共に向上させる添加元素であり、これらのうち2種以上を添加すればよいことを見出した。又、これらの元素が耐熱性及び導電性を向上させる度合(効き具合)を実際に調査し、各元素の添加割合を規定することで、耐熱性及び導電性をより一層向上させることに成功した。
すなわち、本発明の銅合金箔は、0.05〜0.25質量%のSn、0.03〜0.1質量%のMg、0.03〜0.7質量%のIn及び0.02〜0.1質量%のAgのうち、少なくとも2種を含み、残部がCu及び不可避的不純物からなる厚み20μm以下の銅合金箔であって、式1:[Snの質量%]+1.9×[Mgの質量%]+1.5×[Inの質量%]+0.9×[Agの質量%]≧0.10、及び式2: 2.88×[Snの原子%]+0.65×[Mgの原子%]+1.06×[Inの原子%]+0.14×[Agの原子%]≦0.42の関係を満たす。
焼鈍時間を30分としたときの半軟化温度が350℃以上であることが好ましく、350℃で30分焼鈍後の導電率が80%IACS以上であることが好ましい。
400℃で30分焼鈍後に平均結晶粒径が2μm以上7μm以下の再結晶粒が形成され、かつ伸びが15%以上であることが好ましい。
本発明のフレキシブルプリント基板は、請求項1〜3のいずれかに記載の銅合金箔が未再結晶の状態で樹脂基材と積層された銅貼り積層板を用いたものである。
又、本発明のフレキシブルプリント基板は、前記銅合金箔が再結晶した状態で樹脂基材と積層された銅貼り積層板を用いたものである。
本発明によれば、耐熱性、導電性、及び屈曲性に優れた銅合金箔が得られる。
以下、本発明に係る銅合金箔の実施の形態について説明する。なお、本発明において%は特に断らない限り、質量%を示すものとする。
(組成)
本発明に係る銅合金箔は、0.05〜0.25質量%のSn、0.03〜0.1質量%のMg、0.03〜0.7質量%のIn及び0.02〜0.1質量%のAgのうち、少なくとも2種を含み、残部がCu及び不可避的不純物からなる。
まず、Sn,Mg,In及びAgを添加元素に選んだ理由について説明する。図1は、銅箔の添加元素としてよく用いられるCu,Sn,Mg,Ag,In,Fe,Cr,Zn,Ti,Be,Cdをそれぞれ純度99.96%以上の電気銅に所定量添加し溶解し、得られた鋳塊を熱間圧延で厚さ10mmにした後、冷間圧延と焼鈍を繰り返して、厚さ0.1mmとしたときの、半軟化温度を示す図である。
半軟化温度は、試料を焼鈍してゆきビッカース硬さを測定した際の、焼鈍前のビッカース硬さと、完全に軟化したとき(30分焼鈍後にそれ以上焼鈍温度を上げても強度(ビッカース硬さ)が変化しない状態を、完全に軟化したとみなす)ときの中間のビッカース硬さを示す焼鈍温度を示す。
図1から、添加元素によって半軟化温度が異なることがわかる。純銅の半軟化温度は160℃であるので、この温度を基準とし、各元素の半軟化温度が160℃から上昇した分(ΔT)を求めて表1に比較した。
Snは耐熱性を向上させる元素として有効であることが知られており、本発明ではSnを添加元素を選択する際の基準におく。従って、表1より、SnのΔTSnを1としたとき、各元素(0.05%添加時)のΔTの比(ΔT/ΔTSn)を求めた。この比がSnに対して各元素が耐熱性を向上させる度合(効き具合)を示す。この比より、Snと同等(上記比が0.7以上)の元素は、Mg,Ag,In,Cr,Ti,Cdである。
又、表1には、マティーセン則(Maeehiessen)におけるΔρi(成分Iの比抵抗への寄与率:μΩcm/at.%)を示す。マティーセン則によれば、銅合金の比抵抗ρは、純物質(純Cu)の比抵抗ρCuと、添加元素の比抵抗の和で表される。又、添加元素の比抵抗は、Δρi×Ni(成分Iの合金中の濃度: at.%)で表される。
つまり、マティーセン則は、ρ=ρCu+ΣΔρi×Niで表される。
従って、Δρiは各元素が導電性を低下させる度合(効き具合)を示す。
なお、Δρiは文献値(著者:村上陽太郎・亀井清 著、「朝倉金属工学シリーズ 非鉄金属材料学」、初版第1刷、朝倉書店、1978年4月発行、p13)によった。
Δρiを比較すると、耐熱性の観点から選択した元素のうち、SnよりΔρiが小さい(=導電性を低下させにくい)元素は、Mg,Ag,In,Cdであるが、Cdは毒性があるので除くと、Mg,Ag,Inが選択される。
以上のことから、耐熱性及び導電性を向上させる元素としてSn,Mg,In,Agを選択する。
又、後述する実施例において、Sn,Mg,In,Agのうち、どの元素を添加すると耐熱性、導電性だけでなく屈曲性も向上するかを詳細に調査した結果、Sn,Mg,In,Agのうち2種以上を添加したときにのみ、効果が生じることが判明した。従って、本発明においては、Sn,Mg,In,Agのうち少なくとも2種を含有するよう規定する。
添加元素の添加量を多くするほど耐熱性は向上するが、導電性は低下する傾向にある。そのため、Sn,Mg,In,Agの最適な添加量を規定する必要がある。又、上記したように、Sn,Mg, In,Agはそれぞれ耐熱性、導電性への効き具合が異なる。従って、添加量を求める際には、元素による耐熱性や導電性の効き具合を反映させる必要がある。
しかしながら、上記したように添加元素の添加量を多くすると耐熱性は向上するが、導電性は低下するため、耐熱性を最適化する添加量の規定と、導電性を最適化する添加量の規定とは、両立しない。そこで、本発明においては、耐熱性を最適化する範囲と導電性を最適化する範囲とをそれぞれ別の関係式で規定し、これらの関係式を共に満たす部分を添加元素の最適な添加量として規定する。
まず、耐熱性を最適化する添加量の規定として、Sn,Mg, In,Agの添加量に対して各元素の耐熱性の効き具合として、表1を係数(ΔT/ΔTSn)を重み付けした式1を規定する。
ここで、式1は、
[Snの質量%]+1.9×[Mgの質量%]+1.5×[Inの質量%]+0.9×[Agの質量%]≧0.10
で表され、左辺の添加量が0.10以上であることを必要とする。後述する実施例により、Sn,Mg, In,Agの添加量を変化させた時の式1の左辺の値と半軟化温度との関係について多数のデータを取り、これを図2にプロットした。すると、半軟化温度が約400℃以下では、式1の左辺と半軟化温度との間にほぼ直線関係があり、最小二乗法で求めた直線の傾きから、半軟化温度が350℃となる時の式1の左辺の値が0.10であることが判明した。従って、式1の左辺の値を0.10以上とすることで、耐熱性が向上する。
なお、式1を規定する際、半軟化温度を350℃以上とした理由は、ベースフィルムと銅箔からなる2層銅貼り積層板を製造する工程での一般的な熱処理温度が300〜350℃であるからである。
次に、導電性を最適化する添加量の規定として、Sn,Mg, In,Agの添加量に対して各元素の導電性の効き具合を係数として重み付けした式2を規定する。各係数はΔρiをそのまま採用する。
ここで、式2は、
2.88×[Snの原子%]+0.65×[Mgの原子%]+1.06×[Inの原子%]+0.14×[Agの原子%]≦0.42
で表され、左辺の添加量が0.42以下であることを必要とする。この理由は、マティーセン則によれば、銅合金全体の導電率を80%IACS以上とするには、添加元素の比抵抗が0.42以下となる必要があるからである。つまり、マティーセン則において
2.16(導電率80%を比抵抗で表した値)=1.73(純Cuの比抵抗)+ΣΔρi×Ni
で表され、これより、添加元素の比抵抗(ΣΔρi×Ni)は、0.43となるが、誤差を考慮して0.42を上限とする。
なお、導電率80%を基準とした理由は、上記2層銅貼り積層板に要求される導電率が80%IACS以上であるからである。
Sn,Mg,In,Agの各元素の添加量はそれぞれ、Sn:0.05〜0.25%、Mg:0.03〜0.1%、In:0.03〜0.1%、Ag :0.02〜0.1%とする。各元素の添加量が上記各範囲の下限未満であると、耐熱性と屈曲性が向上せず、上記各範囲の上限を超えると、導電性が80%未満となる。
又、本発明の銅合金箔は、未再結晶の状態でも、又は再結晶した状態でも以下の樹脂基材等と積層した銅貼り積層板を形成することができる。この場合、未結晶の銅合金箔を用いた方が銅貼り積層板を形成後の強度は向上するが、以下の条件を満足すれば、再結晶した銅貼り積層板であっても高屈曲性は得られる。
通常、再結晶時の結晶粒径が大きいと、銅箔厚み方向に結晶粒界が存在しない場合や、回路単位長さ当たりの結晶粒界も少なくなる場合がある。このような場合、粒界による強化効果が得られず、曲げによって生じる銅箔表面の引っ張りや圧縮応力に対しての耐性が低い。そこで、結晶粒径を小さくして結晶粒界を増やすことで強化し、屈曲性を低下させないことが必要となる。
そして、本発明者らが屈曲性を低下させないために必要な結晶粒径を実験で調べたところ、再結晶後の結晶粒径が7μmを超えると屈曲性の低下が著しくなることが判明した。一方、再結晶後の結晶粒径を2μm未満にすることは、細かな温度管理が必要で工業的ではなく、又、未再結晶粒と再結晶粒の混粒組織になると微視的に機械的性質の差が大きくなり、微細な回路にした時の屈曲性が低下することから、再結晶時の好ましい平均結晶粒径は2μm以上7μm以下に規定した。
再結晶粒の粒径を上記した範囲に調整するための方法として、未再結晶の銅合金箔に400℃で30分の熱処理を行うことが挙げられる。この温度条件は、実用の銅貼り積層板およびフレキシブルプリント基板の加工時の熱に適合し、製造も容易である。
なお、再結晶粒の粒径を小さくしても再結晶していない銅箔より強度は低下し、小さい応力で塑性変形する。これに対しては、銅箔に大きな延性を付与することで、塑性変形が起きても屈曲性を伸ばすことができると考えられる
そして、本発明者らが実験したところ、上記した再結晶粒の平均結晶粒径が2μm〜 7μmのフレキシブルプリント基板の場合、屈曲性が良好なものはいずれも伸びが15%以上になったことから、本発明の銅合金箔が再結晶された状態で使用される場合の好ましい伸びは15%以上に規定される。
このように、本発明の銅合金箔において、400℃で30分焼鈍後の伸びが15%以上であることが好ましい。なお、本発明の銅合金箔において、フレキシブルプリント基板に加工したとき、15%以上の伸びが得られるものは、原箔(銅合金箔)の段階で400℃で30分熱処理した際に15%以上の伸びがあるものに相当する。
本発明の銅合金箔は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、銅インゴットに上記添加物を添加して溶解、鋳造した後、熱間圧延し、冷間圧延と焼鈍を行うことにより箔を製造することができる。 又、本発明の銅合金箔に(1)樹脂前駆体(例えばワニスと呼ばれるポリイミド前駆体)をキャスティングして熱をかけて重合させること、(2)ベースフィルムと同種の熱可塑性接着剤を用いてベースフィルムを本発明の銅合金箔にラミネートすること、により、銅合金箔と樹脂基材の2層からなる銅貼り積層板が得られる。又、本発明の銅合金箔に接着剤を塗着したベースフィルムをラミネートすることにより、銅合金箔と樹脂基材とその間の接着層の3層からなる銅貼り積層板が得られる。これらにフォトリソグラフィー技術を用いて回路を形成し、必要に応じて回路にめっきを施し、カバーレイフィルムをラミネートすることでフレキシブルプリント基板が得られる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。又、本発明の作用効果を奏する限り、上記実施形態における銅合金がその他の成分を含有してもよい。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
純度99.96%以上の電気銅に、表2、3に示す元素をそれぞれ添加し、鋳塊を得た。この鋳塊を熱間圧延して厚さ10mmとした後、表面を面削し、冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最終厚さ0.1mmの板状試料とした。
各板状試料について、半軟化温度を測定した。半軟化温度は、板状試料を焼鈍してゆき、焼鈍前のビッカース硬さと、完全に軟化したときのビッカース硬さを求め、これらの中間のビッカース硬さを示すときの焼鈍温度とした。
又、上記鋳塊を熱間圧延して厚さ10mmとした後、表面を面削し、冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最終厚さ0.02mm(20μm)の箔を得た。得られた箔の片面に銅粗化めっきを行い、キャスト法でポリイミド(厚み30μm)と箔を積層した後にエッチング加工を行って所定パターンの回路を形成し、FPCサンプル(幅12.7mmの長尺状で、回路幅1mm)を得た。
各FPCサンプルについて、4端子法により25℃の導電率を測定した。又、以下の方法で屈曲試験を行った。
屈曲試験は、FPCサンプルを長手方向にU字に曲げ、一端を可動板に固定し、他端を固定板に固定し、可動板をFPCサンプルの長辺方向に往復振動させて行った。試験条件は、U字の曲率半径1.3mm、振動ストローク5mm、振動周波数1200回/分とした。また、屈曲試験中の試料の電気抵抗を測定し、初期抵抗から10%抵抗が増加するまでの屈曲回数を求めた。
又、上記箔に対し、FPC加工における熱履歴と同等の熱処理として350℃で15分間の焼鈍を施した後、JIS-Z2241に従って引張強度を測定し、0.2%耐力(YS:yielding strength)を求めた。試料はJIS Z 2241に従って作製した。
さらに、本発明の銅合金箔(未再結晶)に、キャスト法でポリイミド(厚み30μm)と箔を積層した後にエッチング加工を行って所定パターンの回路を形成し、FPCサンプル(幅12.7mmの長尺状で、回路幅1mm)を得た。このものに400℃で30分間の熱処理を施した後、上記と同様にして0.2%耐力、屈曲試験を行ったと共に、平均粒径(JIS H 0501)及び伸び(JIS Z 2241)を測定した。
得られた結果を表2〜表4に示す。

表2〜表4から明らかなように、Sn、Mg、In及びAgのうち少なくとも2種を含み、かつ式1及び式2の関係を満たす各実施例の場合、半軟化温度が350℃以上であり、導電率が80%以上であると共に屈曲回数が10万回以上となった。また、400℃で30分間の熱処理を行った場合には、伸びが15%以上であるとともに屈曲回数が10万回以上となった。
一方、添加元素を含まない比較例1の場合、及びSnのみ0.05質量%未満含む比較例2の場合、いずれも式1の値が0.10未満であり、半軟化温度が350℃未満となり、さらに屈曲回数が10万回未満となった。また、400℃で30分間の熱処理を行った場合には、伸びが15%未満となり、屈曲回数が10万回未満となった。
式2の値が0.42を超えた比較例3の場合、導電率が80%未満となった。
Snのみを0.25%を超えて添加した比較例3の場合、式2の値が0.42を超え導電率が80%未満となった。
Agのみを本発明の規定量の範囲内で添加した比較例4、5の場合、式1の値が0.10未満であり、半軟化温度が350℃未満となり、さらに屈曲回数が10万回未満となった。また、400℃で30分間の熱処理を行った場合には、伸びが15%未満となり、屈曲回数が10万回未満となった。
Sn、Mg及びAgをそれぞれ規定量の下限未満添加した比較例6の場合、式1の値が0.10未満となり半軟化温度が350℃未満となり、さらに屈曲回数が10万回未満となった。また、400℃で30分間の熱処理を行った場合には、伸びが15%未満となり、屈曲回数が10万回未満となった。
Sn、Mg及びAgをそれぞれ規定量の上限を超えて添加した比較例7の場合、式2の値が0.42を超え導電率が80%未満となった。
Sn、Mg及びInをそれぞれ規定量の下限未満添加した比較例6の場合、式1の値が0.10未満となり半軟化温度が350℃未満となり、さらに屈曲回数が10万回未満となった。また、400℃で30分間の熱処理を行った場合には、伸びが15%未満となり、屈曲回数が10万回未満となった。
表2〜表4から、Sn、Mg及びAgのうちSnのみを添加し、さらにFeを添加した比較例9の場合、半軟化温度が350℃未満となり、導電率が80%未満となった。
Sn、Mg及びAgのうちSnのみを添加し、さらにCrを添加した比較例10の場合、導電率が80%未満となった。
Sn、Mg及びAgのうちSnのみを添加し、さらにZnを添加した比較例11の場合、半軟化温度が350℃未満となった。
Sn、Mg及びAgをいずれも添加せず、代わりにFeとZnを添加した比較例12の場合、半軟化温度が350℃未満となり、導電率が80%未満となった。
Sn、Mg及びAgをいずれも添加せず、代わりにCrとZnを添加した比較例12の場合、半軟化温度が350℃未満となった。
なお、表2〜表4の各実施例及び比較例の式1の値に対する半軟化温度の関係、及び式2の値に対する導電率の関係を、それぞれ図2,3に示す。
添加元素を加えた銅の半軟化温度を示す図である。 Sn,Mg,In,Agの添加量を変化させた時の式1の値と半軟化温度との関係を示す図である。 式2の値に対する導電率の関係を示す図である。

Claims (6)

  1. 0.05〜0.25質量%のSn、0.03〜0.1質量%のMg、0.03〜0.1質量%のIn、及び0.02〜0.1質量%のAgのうち、少なくとも2種を含み、残部がCu及び不可避的不純物からなる厚み20μm以下の銅合金箔であって、
    式1:[Snの質量%]+1.9×[Mgの質量%]+1.5×[Inの質量%]+0.9×[Agの質量%]≧0.10、及び式2: 2.88×[Snの原子%]+0.65×[Mgの原子%]+1.06×[Inの原子%]+0.14×[Agの原子%]≦0.42の関係を満たす銅合金箔。
  2. 焼鈍時間を30分としたときの半軟化温度が350℃以上である請求項1に記載の銅合金箔。
  3. 350℃で30分焼鈍後の導電率が80%IACS以上である請求項1又は2に記載の銅合金箔。
  4. 400℃で30分焼鈍後に平均結晶粒径が2μm以上7μm以下の再結晶粒が形成され、かつ伸びが15%以上である請求項〜3のいずれかに記載の銅合金箔。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の銅合金箔が未再結晶の状態で樹脂基材と積層された銅貼り積層板を用いたフレキシブルプリント基板。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の銅合金箔が再結晶した状態で樹脂基材と積層された銅貼り積層板を用いたフレキシブルプリント基板。
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