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JP5279219B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、RCC(リンギングチョークコンバータ)方式などのスイッチング電源装置に関し、特にその出力側に過電流が発生した場合に、スイッチング電源装置の回路素子を保護する過電流保護回路に関するものである。
RCC方式のスイッチング電源(以下RCC電源と称する)は、他励方式のスイッチング電源と異なり、電源制御用ICなどの高価な制御素子を使わないため、低コストであるという利点がある。さらにRCC電源で生成した電圧とは異なる電圧出力を得るためにDC−DCコンバータ回路を接続する手法がある。このDC−DCコンバータについても自励方式をとることによって、高価な制御用ICを使用することなく、低コストで回路を構成することができる。またこれらの電源やコンバータ回路には、その出力側が過電流状態になった場合に、発火発煙等を防止し、かつ回路素子を破壊から保護するために過電流保護回路を設けることが多い(特許文献1)。以下従来のRCC電源(従来例1、特許文献2)、DC−DCコンバータ(従来例2、特許文献3)、および各々の過電流保護回路について説明する。
〈RCC電源の基本動作〉
図5において、絶縁トランス1は、入力側の1次巻線Npと出力側の2次巻線Nsおよび1次側の補助巻線Nbによって構成されている。補助巻線Nbは、スイッチング素子であるMOS−FET2のゲート電圧を制御するトランジスタ3の駆動用巻線である。
入力電圧Eは、AC(交流)入力電圧をブリッジダイオード(図示せず)で整流し、アルミ電解コンデンサ(図示せず)にて平滑された直流電圧である。入力電圧Eは、1次巻線Npの一端とMOS−FET2のソース端子の間に印加され、入力電圧Eの(+)側は1次巻線Npの巻き始めに接続され、入力電圧Eの(−)側はMOS−FET2のソース端子に接続されている。また、補助巻線Nbは1次巻線Npと同極に、2次巻線Nsは異極に接続されている。
入力電圧Eの(+)側とMOS−FET2のゲート間には、起動抵抗4が接続され、ゲートとソース間には起動抵抗5が接続されている。また、MOS−FET2のゲートと補助巻線Nbの巻き始めとの間には、コンデンサ6とゲート抵抗7,8が接続されている。ゲート抵抗8の両端には、補助巻線Nb側をカソードの向きにしたダイオード9が接続されており、MOS−FET2のターンオン/ターンオフのスピードを調整することで高効率化を実現している。
トランジスタ3のベースと入力電圧Eの(−)側との間にコンデンサ10が接続されている。補助巻線Nbとトランジスタ3のベースとの間には、抵抗11が接続され、コンデンサ10とで時定数回路を構成している。
フォトカプラ12のコレクタとMOS−FET2のゲートとの間には、抵抗13が接続され、フォトカプラ12に流れる電流を制限している。フォトカプラ12のエミッタは、トランジスタ3のベースに接続されている。
絶縁トランス1の2次巻線Nsの巻き終わりには、整流用のダイオード14のアノード側が接続されている。整流ダイオード14のカソード側と2次巻線Nsの巻き始めとの間には、電解コンデンサ17が接続され、平滑を行っている。出力電圧V1は、抵抗20,21によって分圧され、分圧された電圧は、シャントレギュレータ22のref端子に接続され、基準電圧と比較することでフォトカプラ12のダイオードに流れる電流を制御している。
次に、スイッチング動作について説明する。
MOS−FET2は、起動抵抗4,5によりゲートにバイアスが印加され、導通状態となる。MOS−FET2が導通状態になると、1次巻線Npに入力電圧Eが印加され、補助巻線Nbに巻き始め側を(+)とする電圧が誘起される。このとき、2次巻線Nsにも電圧が誘起されるが、整流ダイオード14のアノード側を(−)とする電圧であるため、2次側には電流が流れない。したがって、1次巻線Npを流れる電流は絶縁トランス1の励磁電流だけで、絶縁トランス1には励磁電流の2乗に比例したエネルギーが蓄積される。この励磁電流は、時間に比例して増大する。補助巻線Nbに誘起された電圧により、コンデンサ6および抵抗7,8を介してMOS−FET2のゲートが充電され、さらに導通状態が継続される。
時定数回路を構成している抵抗11およびコンデンサ10には、補助巻線Nbから電荷が充電され、コンデンサ10の両端の電圧がトランジスタ3のベース・エミッタ間電圧VBE1より高くなる。すると、トランジスタ3が導通状態となり、MOS−FET2のゲート電圧が低下することで、MOS−FET2は非導通状態となる。このとき、絶縁トランスの各巻線には起動時と逆向きの電圧が発生し、2次巻線には整流ダイオード14のアノード側を(+)とする電圧が発生するため、絶縁トランス1に蓄積されたエネルギーが整流・平滑され、2次側に伝達される。
絶縁トランス1に蓄えられているエネルギーが2次側にすべて伝達されると、MOS−FET2は再び導通状態となる。これは、MOS−FET2のドレイン−ソース間の電圧に比例した電圧が補助巻線Nbに発生し、MOS−FET2が非導通状態になった直後はゲートが(−)にバイアスされている。そして、2次側にエネルギーの伝達が終わると(−)のバイアスが徐徐に低下するため、Cカップリングしているコンデンサ6から再びMOS−FET2のゲートが(+)方向にバイアスされるからである。
図5の例では、V1の直流出力を生成するシングルフィードバックを例に取って説明する。
フォトカプラ12からの電流は、出力電圧V1が高いときに多く流れるので、それによってコンデンサ10に電流が供給され、充電時間が短くなる。これは、MOS−FET2の導通時間が短くなることを意味しており、これによって絶縁トランス1に蓄積されるエネルギーが減少することで出力電圧V1が下がり、出力電圧が低い場合は逆の動作となり、出力電圧V1が上がる。このようにして、RCC電源は定電圧動作を行っている。
図6は、RCC方式における各部の波形を示している。
同図において、VGはMOS−FET2のゲート電圧を、VDSはMOS−FET2のドレイン−ソース電圧を、IDはドレイン電流を、ISは2次側の整流ダイオード14に流れる電流をそれぞれ示している。
まず、MOS−FET2のオン期間について説明する。起動抵抗4,5によりゲートにバイアスが印加され、VGの電位が上昇することによってMOS−FET2は導通状態となり、ドレイン電流IDは時間とともに正の傾きで直線的に増加し、絶縁トランス1にエネルギーが蓄積される。このとき、MOS−FET2が導通状態であるため、ドレイン−ソース電圧VDSはほぼ零になっており、2次側の整流ダイオード14は逆バイアスされているため、整流ダイオード14の電流ISは零である。
コンデンサ10が充電され、トランジスタ3が導通状態になると、MOS−FET2のゲート電圧VGは零になり、MOS−FET2は非導通状態となる。このため、ドレイン電流IDは零になり、ドレイン−ソース電圧VDSは入力電圧E、出力電圧V1の巻線比倍(Np/Ns)の電圧、およびサージ電圧を重畳したものとなる。このとき、2次側の整流ダイオード14は導通状態となり、絶縁トランス1に蓄積されたエネルギーが2次側に伝達される。整流ダイオード14の電流ISは負の傾きで直線的に減少する。このような動作を繰り返すことでスイッチング動作を継続し、2次側に電力を供給している。
〈RCC電源の過電流保護回路の動作〉
出力V1とGND24の間に負荷15が接続されている。GND24から絶縁トランス1の2次巻線Nsの巻き始めとの間に電流検出抵抗27を挿入している。負荷15に流れる電流は、電流検出抵抗27によって電圧に変換され、OPアンプ(Operational amplifier)40の非反転(+)入力端子に入力される。一方、OPアンプ40の反転(−)入力端子には、基準電圧としてGND24の電位すなわちゼロボルトが抵抗36を介して入力されている。また、OPアンプ40の出力端子には、抵抗41が接続され、抵抗41の一端にはフォトカプラ33の発光側のカソード端子が接続されている。
負荷15に流れる負荷電流をI1とすると、OPアンプ40の非反転入力端子には、
V9=R39×(V1+I1×R27)/(R38+R39)−I1×R27 …(1)
で決定される電圧が印加されることになる。R38、R39は抵抗38および抵抗39の抵抗値である。
また、OPアンプ40の反転入力端子にはゼロボルトが入力されており、正常時において非反転入力端子電圧V9はゼロボルトよりも高い電圧に設定されている。これに対して負荷15に過負荷状態が発生した時は、非反転入力端子電圧V9がゼロボルトよりも低くなるように設定する。よって過負荷状態になることによってOPアンプ40の出力電圧がOPアンプ40のGND電位まで低下する。OPアンプ40の出力電圧が低下することにより、フォトカプラ33のフォトダイオードが発光し、それを受けて同じくフォトカプラ33の受光側のフォトトランジスタが導通する。これによりトランジスタ3のベースに電流が流れて導通状態となることで、MOS−FET2がオフとなる。この状態は、過負荷状態が解除されるまで継続される。この一連の動作によって、スイッチング素子であるMOS−FET2の発振を停止させ、1次側および2次側出力の過電流状態による各素子の破壊を防止する。
なお、図示例では、過電流検出のための検出抵抗27を負荷15の低電位側(GND側)に設けているが、高電位側すなわちV1側に設けても良い。さらに過電流検知回路としてOPアンプ40を使用しているが、コンパレータを使用しても同様の効果が得られる。
ここで式(1)から非反転入力端子電圧V9=0とすると、
I1=V1×R39/(R27×R38) …(2)
となり、過電流保護回路が動作する電流値I1が出力電圧V1に比例していることがわかる。図7は式(2)で表されるV1とI1の関係をグラフにしたものである。出力電圧V1をV1’とした場合、保護動作電流はI1’以上となる。出力電圧V1’を変えずに、保護動作電流を変更したい場合は、R39、R38あるいはR27を調整し、図7の直線の傾きを変えることによって任意設定することが可能である。
〈自励式DC−DCコンバータ回路の基本動作〉
図8は入力電圧V1として、V1よりも低い電圧V2を出力する降圧型の自励式DC−DCコンバータ回路の回路図である。これを用いて基本動作を説明する。まず電圧制御はコンパレータ46によって行われるため、専用の制御ICを必要としない。コンパレータ46の反転(−)入力端子には、電圧V1を抵抗47と抵抗48で分圧した値が入力される。この値(基準電圧とする)をV2に設定することによって、この自励式DC−DCコンバータの出力電圧がV2となる。したがってV2は以下のように表される。
V2=V1×R48/(R47×R48) …(3)
式(3)において、R47もしくはR48の値を調整することで所望の出力電圧V2が得られる。一方、非反転(+)入力端子には、抵抗49を介してV2が入力される。コンパレータ46はV2が基準電圧よりも高くなった場合は、コンパレータ46内部の出力トランジスタ(図示せず)がオープンとなりMOS−FET43を非導通状態にする。また、V2が基準電圧よりも低くなった場合は、コンパレータ46内部の出力トランジスタが導通状態となり、MOS−FET43も導通状態となる。
図9は自励式DC−DCコンバータ回路の各波形を示している。まずMOS−FET43が導通状態のとき、入力電圧V1から抵抗42およびチョークコイル44を介して平滑コンデンサ45に電流I2が供給され、出力V2が上昇する。コンパレータ46は、V2が基準電圧よりも上昇したため、MOS−FET43を非導通状態にしてV1からの電流供給を遮断する。このときチョークコイル44に流れていた電流が遮断されるため、チョークコイル44は蓄えられたエネルギーを放出しようとして、回生ダイオード51を介して回生電流が流れるため、平滑コンデンサ45への電流供給I2は継続される。やがてチョークコイル44に蓄えられたエネルギーがすべて放出されると、平滑コンデンサ45への電流供給I2がゼロとなる。MOS−FET43が非導通状態となった後は、負荷電流I3によって徐々に出力電圧V2が低下する。この電圧低下をコンパレータ46が検知して再びMOS−FET43を導通させる。前記のプロセスを繰り返すことによって出力V2を所望の電圧値に保持することが可能となる。
〈自励式DC−DCコンバータ回路の過電流保護回路の動作〉
自励式DC−DCコンバータ回路の過電流保護回路として、図8の例では電流制限用のトランジスタ59を使用している。負荷57の負荷電流もしくはチョークコイル44の励磁電流が増加していくと、抵抗42の両端電圧が大きくなり、この電圧がトランジスタ59のベース−エミッタ間電圧VBE2を超えると、トランジスタ59が導通状態となる。このときコンパレータ46の反転(−)入力端子には電圧V2が入力されており、これに対して非反転(+)入力端子には、トランジスタ59が導通状態により電圧V2よりも高い電圧が入力される。このため、コンパレータ46は出力オープンとなり、MOS−FET43が非導通状態となり電流供給を停止する。
ただし前述の回路だけでは、MOS−FET43がオフした後に抵抗42の両端電圧が低下することでトランジスタ59が再び非導通状態となり、コンパレータ46の出力電圧がV2となり、MOS−FET43が導通状態となる。負荷57の過電流状態が継続されたまま、これらの動作を繰り返すことでMOS−FET43に過大な熱ストレスがかかり、MOS−FET43の故障に至ってしまう。そこでツェナーダイオード53およびダイオード58を過電流保護回路として併用している。負荷57に過電流状態が発生すると前述のようにトランジスタ59によって電流制限を行っているため、V2出力が低下する。
ここでツェナーダイオード53のツェナー電圧をVz1、V1とV2の所定電圧(正常時における電圧)をV1R、V2Rとすると、
Vz1=V1R−V2R+V3R …(4)
となるようにツェナーダイオード53を選択した場合、V2電圧が所定電圧V2RよりもV3Rだけ低下すると、ツェナーダイオード53は導通状態となる。また回生ダイオードD51から回生電流が流れているときは、回生ダイオードD51の順方向電圧をVf1とすると、ダイオード58のカソード電圧は−Vf1となる。したがってコンパレータ46の反転(−)入力端子に入力される電圧は、ダイオード58の順方向電圧をVf2とすると、Vf2−Vf1となり、ダイオード51、58の順方向電圧がほぼ等しいと考えるとゼロとなる。一方、コンパレータ46の非反転(+)入力端子には、ツェナーダイオード53が導通している限り、以下の式で表される正の電圧が印加される。
V4=(V1−Vz1―V2)×R49/(R49+R50)+V2 …(5)
よってコンパレータ46の出力はオープンとなり、MOS−FET43はオフし電流供給が遮断される。負荷57の過電流状態が解除され、V2電圧が復帰してツェナーダイオード53が非導通となるまで前述の状態が継続される。
以上説明したように、トランジスタやダイオードといった単純なディスクリート部品のみで安価に過電流保護回路を構成することができる。
特開2004−242439号公報 特開昭62−277070号公報 特開2006−141124号公報
しかしながら、これら従来のRCC電源およびDC−DCコンバータの過電流保護回路の構成では、V1が規定の電圧に到達している定常状態においては問題無いが、その規定の電圧に到達するまでの過渡状態において問題が2つあった。
ひとつは平滑コンデンサ(図5の17、図8の52,45)への充電電流や、V1もしくはV2電源が供給されるユニットの突入電流や起動電流がV1の起動時に発生するため、瞬間的にV1の出力電流が増大する問題である。これに対応するためには式(2)に記載の抵抗値R39、R38、R27を調整してRCC電源の過電流保護の動作電流をあげる手方が考えられる。また、図5に示すようにOPアンプ40の入力端子間にコンデンサ19を入れるなどして、時定数をもたせて瞬間的な過電流状態は検知しないようにする手法が考えられる。しかし前者の手法はV1出力が定常状態における過電流保護の動作点を必要以上に高く設定する必要があり、後者の手法は過電流保護が動作するまでに要する時間が長くなり、いずれも装置の安全性設計を行う上で制約条件となってしまう。
もうひとつは、出力V1を供給する回路(接続回路)において、他の電源系やバッテリーが無い場合、その回路は電圧V1を基準として動作させる必要がある。特に接続回路の安全保護回路を構成した場合に、V1が起動する過渡時においては、その安全保護回路が正常に動作しないという問題がある。
図8のDC−DCコンバータ回路において、負荷57をショートした場合を例として説明する。DC−DCコンバータの過電流保護回路が動作するためには、V1は少なくともVz1以上の電圧である必要がある。V1がVz1に達するまでは、DC−DCコンバータの過電流保護回路が動作しないため過電流状態が継続される。V2の電流はV1から供給されるため、V1を生成するRCC電源から電流供給が行われる。しかし、図7からわかるようにV1電圧に比例して過電流保護動作点が決定されるため、V1電圧が低い状態では、本来の意図する保護電流I1’よりも低い電流値で保護動作が働いてしまう。RCC電源の過電流保護回路が動作することですべての電流供給は一度停止するが、停止状態を一定時間保持するラッチ機能が無い場合、DC−DCコンバータのMOS−FET43がオフとなる。このため、過電流状態が解除され再びRCC電源からの電流供給が開始されると、MOS−FET43は再びオンとなる。このようにDC−DCコンバータ回路が過電流状態のまま前述の動作を繰り返すことによって、MOS−FET43を始めとする各素子の破壊が発生し、過電流保護の役目を果たすことができない。過電流保護状態を保持するラッチ機能を設けるか、バッテリー素子を用いたV1電圧に依存しない保護回路を構成することで、問題を解決することは可能であるが、いずれも大幅なコストアップとなってしまう。
本発明は、このような状況のもとでなされたものであり、大きなコストアップをすることなく、確実にかつ安全に過電流保護回路が動作するスイッチング電源装置を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
(1)一次巻線と二次巻線を有する絶縁トランスと、前記一次巻線に接続され、前記一次巻線に印加される電圧をスイッチングするスイッチング部と、前記二次巻線に接続され、前記二次巻線に発生した電圧を整流及び平滑する整流平滑部と、前記整流平滑部からの直流電圧を検出し、検出された直流電圧に応じて前記スイッチング部のスイッチング動作を制御する制御部と、前記直流電圧を第一電圧と前記第一電圧よりも低い第二電圧に切り換える電圧切換部と、前記整流平滑部から出力される電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部による検出値が、前記電圧切換部によって切り換えられた直流電圧に応じた閾値を超えると前記スイッチング部のスイッチング動作を停止する過電流保護部と、を備え、前記過電流保護部は、前記電圧切換部によって前記直流電圧が前記第一電圧に切り換えられた状態において、前記閾値を第一閾値電圧に設定する第一閾値電圧設定部と、前記電圧切換部によって前記直流電圧が前記第二電圧に切り換えられた状態において、前記閾値を前記第一閾値電圧より低い第二閾値電圧に設定する第二閾値電圧設定部とを有することを特徴とするスイッチング電源装置。
本発明によれば、安価な回路構成で、出力電圧に応じて過電流保護の動作電流設定を自動的に切り換えることが可能となる。これにより電源起動時の過渡状態において突入電流のような負荷電流が瞬間的に上昇した場合でも、電流検知回路に時定数をもたせることなく、設定電流値だけが変化するため、応答性を損なわない過電流保護回路を構成することができる。
また出力電圧を切り換える構成において、出力電圧が変わると、自動的に過電流保護の動作電流値が切り換わるため、出力電圧に応じた最適な上限電流値を設定することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例にもとづいて詳しく説明する。
図1は、実施例1である“スイッチング電源装置”の構成を示す回路図である。同図中、前記図5と同様の機能の要素に関しては同一符号を付し、その説明を省略する。なお、請求項との対応関係では、一次巻線はNp、二次巻線はNs,整流平滑部は14、17、直流出力電圧はV1,制御部は20〜21、電流検出部は27、検出出力は抵抗27の電圧に相当する。一次巻線の他端と前記スイッチング素子の他端は直流電圧Eの供給端(接続部)に相当する。直流電力は直流電圧Eから入力され、整流平滑部から出力される。
過電流検知回路として使用しているOPアンプ40の非反転(+)入力端子に、図5に示す従来例1では抵抗2個でV1を分圧した電圧を入力していたが、本実施例では、ツェナーダイオード64、抵抗61〜63によって生成される基準電圧V5を入力している。ツェナーダイオード64のツェナー電圧をVz2として、基準電圧V5は以下のように表される。
V1<Vz2のとき
V5=R63×(V1+I1×R27)/(R61+R62+R63)−I1×R27
…(6)
V1≧Vz2のとき
V5=R63×Vz2/(R62+R63)−I1×R27 …(7)
反転(−)入力端子にはGND電位すなわちゼロボルトが入力されているため、V5=0とすると、
V1<Vz2のとき
I1=R63×V1/{R27×(R61+R62)} …(8)
V1≧Vz2のとき
I1=R63×Vz2/{R27×(R62+R63)} …(9)
図2はこれら式(8)、式(9)で表されるV1、I1およびVz2の関係をグラフにしたものである。出力電圧V1がVz2以下の場合、保護動作電流I1(所定値)はV1に比例する。出力電圧V1がVz2以上の場合、V1に依存することなく一定の保護動作電流値となる。このように出力電圧V1に応じて、保護動作電流値が段階的に変化する。
図7と図2を比較して明らかなように、両者とも出力電圧V1=V1’のときの保護動作電流はI1’で同じである。しかし、図2では出力電圧V1がゼロボルトから起動する過程において、Vz2からV1’の範囲において保護動作電流はI1’と正常動作範囲が拡大している。従来例1では、RCC電源の起動中においてV1が低い場合は、RCC電源の過電流保護動作点が低いために、RCC電源に接続されたDC−DCコンバータ回路が出力ショートされるとRCC電源の過電流保護回路が意図せず動作する。逆にDC−DCコンバータの過電流保護回路が期待通りに動作せず回路素子が破壊する問題があった。
しかし、本実施例ではRCC電源が起動中においてV1が低い状態であっても、RCC電源の過電流保護動作点はV1が定常の時と同じであるため、RCC電源の過電流保護回路は動作せず、V1が起動を完了させることができる。よってV1が正常に起動するため、DC−DCコンバータの過電流保護回路は正常に動作して、素子の破壊を防止することが可能となる。
また2段階設定されたRCC電源の保護動作電流は、式(8)および式(9)から明らかなように、各々調整することが可能である。よってV1が定常状態の保護動作電流よりもV1<Vz2の起動時の保護動作電流を高く設定することができ、起動時の突入電流対策のために回路に時定数をもたせることなくRCC電源の過電流保護回路を正常に機能させることが可能となる。これにより定常時の過電流保護回路の応答性を損なうことなく、起動時の突入電流にも対応することができ、より安全性を保持したまま設計の自由度が向上する。
図3は、実施例2である“スイッチング電源装置”の構成を示す回路図である。図3を用いて実施例2について説明する。実施例1では、図1に示すように、出力電圧V1は、シャントレギュレータ22のリファレンス電圧および抵抗20,21によって決定されていた。すなわちV1は一意に決まっている。これに対して本実施例では、この出力電圧V1が可変される構成例である。
図3のフィードバック回路65は、図1におけるシャントレギュレータ22および抵抗20,21の機能を果たす回路である。出力電圧V1を可変するための例としては、抵抗20もしくは抵抗21を可変抵抗とすることで任意の電圧値に調整する例が挙げられる。または制御IC等を介在させることによりソフト制御によるPWM調整で出力電圧V1を任意に切り換える例が挙げられる。
このように定常状態における出力電圧V1が切り換わる構成において、その過電流保護回路の動作点すなわち出力電流の上限値を出力電圧V1に応じて可変させることは、電源としての有用性を大いに高めるものである。
本実施例では具体的にV1出力として電圧値V6と電圧値V7(V6<V7とする)で2値切り換えを行う構成について説明する。
図3にはツェナーダイオード66と67が使用されている。これらのツェナー電圧をVz6およびVz7(Vz6<Vz7)、トランジスタ73のベース−エミッタ間電圧をVBE3とする。
V1がゼロボルトから立ち上がり、Vz6に到達した後、Vz7に到達するまでに、まずツェナー電圧の低いツェナーダイオード66だけが導通状態となる。さらにV1が(Vz7+VBE3)以上の電圧に到達すると、ツェナーダイオード67およびトランジスタ73が導通状態となる。このようにV1の電圧値に応じて、OPアンプ40の非反転(+)入力端子に入力される電圧が切り換わる。
電圧値V6と電圧値V7における最大出力電流を各々I6、I7とすると、OPアンプ40の非反転(+)端子に入力される電圧V8は以下のように表される。
V1<Vz6のとき
V8=(R70+R71)×(V1+I1×R27)/(R68+R69+R70
+R71)−I1×R27 …(10)
Vz6≦V1<Vz7+VBE3のとき
V8=(R70+R71)×Vz6/(R69+R70+R71)−I1×R27
…(11)
V1≧Vz7+VBE3のとき
V8=R70×Vz6/(R69+R70)−I1×R27 …(12)
反転(−)入力端子にはGND電位すなわちゼロボルトが入力されているため、V8=0とすると、
V1<Vz6のとき
I1=(R70+R71)×V1/{R27×(R68+R69)} …(13)
Vz6≦V1<Vz7+VBE3のとき
I1=(R70+R71)×Vz6/{R27×(R69+R70+R71)}
…(14)
V1≧Vz7+VBE3のとき
I1=R70×Vz6/{R27×(R69+R70)} …(15)
図4はこれら式(13)〜式(15)で表されるV1、I1の関係をグラフにしたものである。出力電圧V1がVz6以下の場合、保護動作電流I1はV1に比例する。出力電圧V1がVz6以上かつVz7+VBE3未満の場合、V1に依存することなく一定の保護動作電流値I6となる。さらに出力電圧V1がVz7+VBE3以上の場合、V1に依存することなく一定の保護動作電流値I7となる。
本実施例によれば、図4から明らかなように出力電圧V1がV6およびV7に切り換わると、保護動作電流値もI6、I7と切り換わる。また起動時も含めて3段階設定されたRCC電源の保護動作電流は、式(13)〜式(15)から明らかなように、各々調整することが可能である。
このようにして、出力電圧を切り換え可能なRCC電源において、出力電圧を切り換えるだけで、自動的にその保護動作電流値すなわち最大出力電流を変えることができる。
実施例1のスイッチング電源装置の構成を示す回路図 実施例1の動作を示す図 実施例2の構成を示す回路図 実施例2の動作を示す図 従来例1の構成を示す回路図 従来例1の各動作波形を示す図 従来例1の動作を示す図 従来例2の構成を示す回路図 従来例2の各動作波形を示す図
符号の説明
1 絶縁トランス
3 MOS−FET
22 シャントレギュレータ
40 OPアンプ
14 整流用のダイオード
17 電解コンデンサ

Claims (2)

  1. 一次巻線と二次巻線を有する絶縁トランスと、
    前記一次巻線に接続され、前記一次巻線に印加される電圧をスイッチングするスイッチング部と、
    前記二次巻線に接続され、前記二次巻線に発生した電圧を整流及び平滑する整流平滑部と、
    前記整流平滑部からの直流電圧を検出し、検出された直流電圧に応じて前記スイッチング部のスイッチング動作を制御する制御部と、
    前記直流電圧を第一電圧と前記第一電圧よりも低い第二電圧に切り換える電圧切換部と、
    前記整流平滑部から出力される電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部による検出値が、前記電圧切換部によって切り換えられた直流電圧に応じた閾値を超えると前記スイッチング部のスイッチング動作を停止する過電流保護部と、
    を備え、
    前記過電流保護部は、前記電圧切換部によって前記直流電圧が前記第一電圧に切り換えられた状態において、前記閾値を第一閾値電圧に設定する第一閾値電圧設定部と、前記電圧切換部によって前記直流電圧が前記第二電圧に切り換えられた状態において、前記閾値を前記第一閾値電圧より低い第二閾値電圧に設定する第二閾値電圧設定部とを有することを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記第一閾値電圧設定部と前記第二閾値電圧設定部の夫々は、ツェナーダイオードと抵抗を含む過電流検出回路であって、前記第二閾値電圧設定部のツェナーダイオードのツェナー電圧は、前記第一閾値電圧設定部のツェナーダイオードのツェナー電圧より低いことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
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