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JP5251845B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP5251845B2 JP2009268793A JP2009268793A JP5251845B2 JP 5251845 B2 JP5251845 B2 JP 5251845B2 JP 2009268793 A JP2009268793 A JP 2009268793A JP 2009268793 A JP2009268793 A JP 2009268793A JP 5251845 B2 JP5251845 B2 JP 5251845B2
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Description

本発明は、フレキシブルプリント基板(FPC基板)を用いた半導体装置の製造方法に関する。
半導体分野において、半導体素子を樹脂封止することは広く知られている。その一つとして、半導体素子を実装したリードフレームや回路基板を金型内に入れ、この金型内に溶融した樹脂を充填し固化する方法が知られている。
また、特許文献1には、樹脂成形を行う金型のクランプ部に接触する緩衝部材を設けることが開示されている。
特開平08−236560号公報
特許文献1に係る樹脂封止工程では、リードフレームや回路基板と金型との隙間から樹脂の漏出を防ぐため、金型によって内部の各要素を締め付けている。
一方、回路基板として可撓(とう)性基板であるフレキシブルプリント基板(FPC基板)を用いることも考えられるが、このFPC基板は一般的な硬質基板に比較して外力に対して弱いので、樹脂封止工程では金型を強く締め付けることができず、樹脂の漏出を防ぐことが困難であった。その結果、漏出した樹脂によりFPC基板上に薄膜状のバリが形成され、外観が損なわれるだけでなく、バリが付着した部分でのFPC基板の屈曲性が低下する可能性がある。
本発明は、可撓性基板上のバリの発生を低減可能な半導体装置の製造方法を実現することを目的とする。
本願の代表的な発明は、回路基板と、前記回路基板に実装された半導体素子と、前記回路基板に接続された可撓性基板とを備えた構造体を準備する工程と、
導出孔を備えた金型を準備し、前記可撓性基板の一端が前記回路基板に接続される一方、他端が前記導出孔を介して外部へ導出されるよう前記構造体を前記金型内に配置する工程と、
前記金型内の、前記導出孔近傍には前記導出孔を通じて外部へ流動しない第1の流動性を有する第1のシート状樹脂を前記導出孔を塞ぐように配置し、前記第1のシート状樹脂及び前記構造体の上方には、前記第1の流動性よりい第2の流動性を有する第2のシート状樹脂を配置する工程と、
前記金型を加熱しながら加圧することにより、前記第2のシート状樹脂を溶融させ、前記金型内の前記構造体を樹脂で被覆する工程とを備える。
本願の代表的な発明によれば、金型から外部へ導出された可撓性基板上への樹脂の流出が抑制できるので、可撓性基板上の樹脂バリを大幅に低減できる。さらに、本発明によれば、金型を強く締め付ける必要がないので、可撓性基板に加わる力を大幅に低減できる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面図 本発明の第1の実施形態に係る製造工程を示す工程断面図 本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面図 本発明の第2の実施形態に係る製造工程を示す工程断面図 本発明の他の実施形態に係る製造工程の工程断面図 本発明の第1及び第2の実施形態に係る樹脂封止装置の断面構成図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施形態で参酌する図面では、発明の理解を容易にするため、各要素が模式的に示されている。本欄においては、前出の要素と同じ要素に同一符号を付すことにより、その説明が省略されることもある。
図1は、本実施形態に係る半導体装置の構成を示す断面図である。この半導体装置は、2つの半導体素子1、可撓性を有するフレキシブル基板(FPC基板)2、回路基板3、封止樹脂4a、4bを備える。本実施形態では、説明の簡略化のため、2つの半導体素子しか示されていないが、実際には、説明されない複数の半導体素子および電子部品が回路基板3上に実装されている。回路基板3については、種々の樹脂基板、セラミック基板、FPC基板やリードフレーム等、半導体素子を実装でき、その表面に半導体素子と電気的に接続可能な回路が形成されている基板であれば、本形態に適用可能である。
半導体素子1はバンプ接合部8により回路基板3に電気的に接続される。FPC基板2の一端は回路基板3に電気的に接続され、他端は封止樹脂4a、4bから外部へ導出されている。FPC基板2と回路基板3との接続は、はんだ、異方性導電性フィルム、導電性ペースト、或いはコネクタを介して適宜行われる。
封止樹脂4a、4bの主材料はエポキシ樹脂である。封止樹脂4aは樹脂中に粉末状のシリカフィラーが高密度に配合され、樹脂内部に分散している。これにより後述する通り、加熱時に樹脂の流動を抑制できる。封止樹脂4bはシリカフィラーの配合量が封止樹脂4aに比べて少ない。これにより、後述する通り加熱時に樹脂が流動し、半導体素子1やFPC基板2の凹凸形状に追従することが可能となる。
封止樹脂4a、4bはシリカフィラーの配合量が異なるが、母材のエポキシ樹脂その他の材料については同じ材質で構成されているため、封止樹脂4a、4b間界面の接着状況は、半導体素子1やFPC基板2、回路基板3との界面接着状況に比べ強固である。封止樹脂4aは、FPC基板2が封止樹脂4a、4bから外部へ導出される部位に配置されている。シリカフィラーは、後述の樹脂封止工程における封止樹脂4aの流動性(第1の流動性)、及び封止樹脂4bの流動性(第2の流動性)を考慮して、その配合量を調整する。本実施形態では、樹脂の流動性を調整するためにシリカフィラーを用いているが、流動性を調整できるフィラーであれば、シリカフィラーに限らない。
次に、このような半導体装置の製造方法について説明する。説明は樹脂封止の工程を中心に説明される。図6には、樹脂封止装置のワーク設置部の概略構成図が示されている。ワークとは、図1に示される半導体装置を得るための構成要素の総称を言うものであり、構造体と称することもある。この樹脂封止装置には、ワークを載置するワーク設置台10、ワークを加圧する加圧板9、ワークを加熱する加熱手段(図示されない)、ワーク雰囲気を真空にする真空チャンバー12、ワークの上下から加圧力を付与する加圧装置11から構成されている。
図6(a)の状態から加圧装置11が下降し、真空チャンバ12によりワークの周囲が外気から遮断された時(図6(b)の状態)、チャンバ13に接続された図示しない真空ポンプを作動して開始され、ワークの雰囲気が真空引きされる。その後、加圧手段12がさらに下降し、加圧板9がワークの上端と接触することでワークに上下方向の加圧力が付与される。なお、加圧板9およびワーク設置台10には図示しないヒータが内蔵されており、温度調節手段によりワークの温度をコントロールできる。
図2には、ワークおよびその周辺の要部拡大断面図が示されている。図2(a)では、成形金型5内に、回路基板3、回路基板3に実装された半導体素子1、回路基板1に接続されたFPC基板2を備えたワーク(構造体)が配置されている。この成形金型5はFPC基板2の他端を外部へ導出するための導出孔5aを備える。成形金型5内には、導出孔5a近傍に対応して第1の流動性を有するシート状の封止樹脂4aが配置され、その封止樹脂4aの上方には、第1の流動性よりい第2の流動性を有するシート状の封止樹脂4bが配置される。シート状の樹脂4a、4bは基材6により保持されている。ワーク(構造体)はワーク設置台に固定された固定ジグ7により保持されている。基材6としては、加圧時に湾曲しないような剛性を有し、かつ、加熱時に膨張しないような低線膨張係数となる材質のものが好ましい。また、硬化後において、封止樹脂4との離型性が良好な表面状態を有するものが好ましい。
成形金型5は封止樹脂4を加圧して封止する際に封止樹脂4が外側へ流出するのを防止し、さらに加圧装置11の加圧力が上下方向だけでなく半導体装置のあらゆる方向に付与され、半導体素子1の側面にも樹脂を押し付けられるようにするためのものである。また、成形金型5によりFPC基板2の外部引出し部が挟まれた構造となるが、FPC基板2と成形金型5間には僅かな隙間を設けているため、加圧時におけるFPC基板2への影響は最小限にできる。
本実施形態では、封止樹脂4aの幅は、FPC基板2の引き出し部の幅より大きく設定している。これにより成形金型5とFPC基板2との隙間が封止樹脂4aで押しつぶされ、封止樹脂4bの隙間への進入を塞き止めることができる。封止樹脂4aは流動性が抑制されており隙間に進入することはない。封止樹脂4bはその他の領域を樹脂封止できるよう樹脂量を調節するが、成形金型5、構造体、封止樹脂4aにより形成された領域の容積より大きな体積となるようにする。余剰分の樹脂は加圧時に成形金型上面からオーバーフローさせる。オーバーフローした樹脂により発生する樹脂バリは簡単に除去できる。
本実施形態の樹脂封止工程は以下の手順により実施される。
(1)図2(a)の状態から加圧装置11を下降し、真空チャンバ12よりワーク(構造体)の周囲を外気から遮断する。
(2)真空ポンプによりワーク(構造体)の周囲の雰囲気を真空状態にする。
(3)加圧板9およびワーク設置台10に内蔵されたヒータブロックによりワーク(構造体)を加熱する。
(4)封止樹脂4が溶融温度に到達後、加圧装置11を下降していくとまず、図2(b)のように封止樹脂4aが成形金型5のFPC基板2の外部引き出し部まで達する。さらに、図2(c)に示すように、加圧装置を下降することで、封止樹脂4に加圧力が作用してワーク(構造体)が埋め込み封止される。
(5)加圧装置11による加圧状態を保持しながら真空チャンバ12内の真空状態を大気開放する。大気開放することで枠型5外部からワーク内に大気圧がかかる。
(6)上記(5)の状態を保持するか、もしくはこの状態からワークの温度を上げて1次硬化を行う。加圧装置11と大気圧の作用により半導体素子1の凹凸形状に封止樹脂4bが追従していく。ただし、成形金型5のFPC基板2を引出すための隙間は封止樹脂4bに加圧力が作用し流動が起こる前に封止樹脂4aにより押しつぶされており、封止樹脂4bの隙間への進入を塞き止めることができる。また、封止樹脂4aは流動性が抑制されており隙間に進入しない。
(7)1次硬化終了後、装置および枠型からワークを取り出し、取り出したワークを2次硬化させる。
(8)樹脂表面に発生した除去可能なバリを除去して図1に示す半導体装置が得られる。
本実施形態の構成によれば、金型から外部へ導出された可撓性基板上への樹脂の流出が抑制できるので、可撓性基板上の樹脂バリを大幅に低減できる。さらに、金型を強く締め付ける必要がないので、可撓性基板に加わる力を大幅に低減できる。さらに、樹脂封止を真空雰囲気下で実施することにより、空気の巻込みを抑制することができ、樹脂封止された半導体装置の成形性を確保することができる。さらに、2種類の封止樹脂の基本的な材料構成が同じであるため、両者の界面での接着強度を強固なものにすることができる。さらに、第1の封止樹脂が樹脂封止時にFPC基板引出し部への樹脂の流動を抑えるので、FPC基板表面の樹脂バリの発生を抑制することができる。さらに、成形金型と樹脂封止される半導体装置により形成された領域の容積より大きい封止樹脂を加圧成形することにより樹脂の充填不足による成形不良を解消し、かつ樹脂バリの発生箇所をコントロールすることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態の半導体装置の構成を示す断面図である。図4は、樹脂封止工程を示す要部断面図である。本形態では、FPC基板2の外部引き出しを封止樹脂4表面から引き出す構成について例示する。第1の実施形態と同一の構成については同一符号を付すことによりその説明を省略する。
本実施形態では、FPC基板2の他端が図3に示すように封止樹脂4b上側の一部を切り抜き、切り抜き箇所に封止樹脂4aを配置する。封止樹脂4aの切り出し寸法は第1の実施形態と同じくFPC基板2の引出し部の幅より大きく切り出している。なお、封止樹脂4aが配置された箇所の封止樹脂4bの厚さは封止樹脂全体の厚さより薄くする。薄くすることで図4(a)のように封止樹脂4bが加圧変形するより先に封止樹脂4aがFPC基板の接合部上面に到達し、図4(b)のように加圧作用で封止樹脂4bを流動させる際にFPC基板引出し部が封止樹脂4aにより塞き止められ、封止樹脂4bが外部へ流出するのを抑制することができる。本実施例における樹脂封止工程については第1の実施形態の説明を参酌できる。
本形態においても第1の実施形態同様、FPC基板を用いた半導体装置の樹脂封止において、FPC基板を金型により締め付けることなく、FPC基板も表面のバリを抑制することができる。
なお、上述の実施形態では、封止樹脂4a、4bの材料としてエポキシ樹脂を用いたが、封止樹脂4aとしてはアクリルゴムなど樹脂封止工程の前にすでに硬化状態となるゴム弾性体を用いることも可能である。また、封止樹脂4bとしては不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化ウレタン樹脂などの種々熱硬化性樹脂を用いてもよい。
また、フィラーとして粉末状シリカの他にアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素などの高熱伝導性セラミックスなどの粉末微粒子または繊維を用いることで樹脂材料の熱伝導率を高め、高い放熱性を有する樹脂パッケージが得られる。
また、本実施形態では、1つの半導体装置の樹脂封止方法について例示したが、これに限定するものではない。例えば、図5のように、複数の半導体装置が単一の回路基板上に構成され、この回路基板を本実施形態で示した方法により樹脂封止した後、ダイシング工程によりパッケージ化された半導体装置を個片化するといった手順をとることで、複数の半導体装置の樹脂封止を一括して行うことができ、生産性をさらに向上させることができる。
本発明は、可撓性基板が外部に導出された樹脂封止型半導体装置の封止に適用できる。
1 半導体素子
2 FPC基板
3 回路基板
4a、4b 封止樹脂
5 成形金型
5a 導出孔
6 樹脂基材
7 ワーク固定ジグ
8 バンプ接合部
9 加圧板
10 ワーク設置台
11 加圧装置
12 真空チャンバ

Claims (4)

  1. 回路基板と、前記回路基板に実装された半導体素子と、前記回路基板に接続された可撓性基板とを備えた構造体を準備する工程と、
    導出孔を備えた金型を準備し、前記可撓性基板の一端が前記回路基板に接続される一方、他端が前記導出孔を介して外部へ導出されるよう前記構造体を前記金型内に配置する工程と、
    前記金型内の、前記導出孔近傍には前記導出孔を通じて外部へ流動しない第1の流動性を有する第1のシート状樹脂を前記導出孔を塞ぐように配置し、前記第1のシート状樹脂及び前記構造体の上方には、前記第1の流動性よりい第2の流動性を有する第2のシート状樹脂を配置する工程と、
    前記金型を加熱しながら加圧することにより、前記第2のシート状樹脂を溶融させ、前記金型内の前記構造体を樹脂で被覆する工程とを備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1のシート状樹脂は、前記構造体を樹脂で被覆する工程において硬化状態であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1のシート状樹脂及び前記第2のシート状樹脂を構成する主材料は同種であり、前記第1のシート状樹脂は前記第2のシート状樹脂よりその内部に粉末状シリカフィラーが高密度に分散されたことを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記構造体を樹脂で被覆する工程は真空雰囲気中で実施されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の半導体装置の製造方法。
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