以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1及び図2により、第1実施形態における画像形成装置としてのコピー機1における全体構造を説明する。図1は、第1実施形態のコピー機1を右側から視た斜視図である。図2は、図1に示すコピー機1における各構成要素の配置を説明するための図である。
図1及び図2に示すように、画像形成装置としての第1実施形態のコピー機1は、コピー機1における上方側に配置される画像読取装置200と、コピー機1における下方側に配置され画像読取装置200からの画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
画像読取装置200について説明する。
図2に示すように、画像読取装置200は、蓋部材70と、原稿Gの画像を読み込む読取部201と、を備える。
蓋部材70は、読取部201に対して不図示の連結部により開閉可能に連結される。蓋部材70は、後述する読取面202Aを保護する機能を有する。
読取部201は、読取面202Aと、内部空間204に配置される光源としてのランプ240と、複数のミラー221、222及び223と、結像レンズ230と、読取手段としてのCCD235と、CCD235により読み取られた画像データに対して所定の処理をすると共に該画像データを装置本体M側に出力させるCCD基板236と、を備える。
読取面202Aは、原稿Gが載置されるコンタクトガラス202の垂直方向上面に沿って形成される。
読取部201は、内部空間204に配置され読取面202Aと平行な方向に移動する第1枠体211及び第2枠体212を備える。上述のランプ240及びミラー221は、第1枠体211に収容される。また、ミラー222及び223は、第2枠体212に収容される。
読取部201の内部空間204において、複数のミラー221、222及び223は、原稿Gからの光を結像レンズ230に入光させるための光路Hを形成する。また、第1枠体211が副走査方向Xに一定速度Aで移動すると共に、第2枠体212が副走査方向Xに一定速度A/2で移動するので、画像読み取り動作時においても光路Hの長さは一定に保持される。これにより、読取面202Aに載置された原稿Gの画像が読み取られる。
装置本体Mについて説明する。
装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部と、用紙Tを画像形成部に給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部とを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体100により構成される。図1に示すように、ケース体100は、ケース本体110と、カバー体120と、手差し給紙部600を構成するドア蓋613と、を有する。ケース本体110は、装置本体Mの略全体を覆っている。
カバー体120は、ケース体100(装置本体M)の前面側に設けられている。カバー体120は、ケース本体110に対して水平方向に回動可能となっている。カバー体120の回動によってケース本体110の内部における前面部分が露出する。これにより、ユーザは、後述するトナーカートリッジ5a、5b、5c、5dの交換、用紙詰まりの回復、メンテナンス等をケース本体110の前面から行うことができる。
手差し給紙部600を構成するドア蓋613は、ケース体100(装置本体M)の右側面(図2において右側)に開閉可能に配置される。手差し給紙部600及びドア蓋613については、後に詳述する。
図2に示すように、前記画像形成部は、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8と、対抗ローラ18と、定着部9と、を備える。
図2に示すように、給排紙部は、給紙カセット52と、手差し給紙部600と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、第1排紙部50aと、第2排紙部50bとを備える。
以下、画像形成部及び給排紙部の各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部について説明する。
画像形成部においては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対して、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部においては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対抗ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して垂直な方向に延びる回転軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成される。
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部201により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に帯電した電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を現像する(感光体ドラムの表面にトナー画像を形成する)。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つのトナー色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置可能な現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成される。
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに現像された各色のトナー画像が順次転写される。中間転写ベルト7は、駆動ローラ35、対抗ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡される。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとの間で、中間転写ベルト7における所定部分が挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像が中間転写ベルト7に順次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の電圧印加手段により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナーを所定の回収機構へ搬送させて、回収させる。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の電圧印加手段により、中間転写ベルト7に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して接離される。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8に対向する側には、対抗ローラ18が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対抗ローラ18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。2次転写ローラ8と対抗ローラ18との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像が用紙Tに2次転写される。
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色トナーを溶融して用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱ローラ9aと、加熱ローラ9aに圧接される加圧ローラ9bと、を備える。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟持するようにして搬送する。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの間に挟持されるように用紙Tが搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融し、用紙Tに定着される。
次に、給排紙部について説明する。
図2に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する給紙カセット52が2個上下に配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの筐体から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図2において左側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
装置本体Mの右側面(図2において右側)には、手差し給紙部600が設けられる。手差し給紙部600は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部600は、閉状態において装置本体Mの一部を構成する手差しトレイ610と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ610は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ610には、用紙Tが載置される。手差し給紙部600は、開状態の手差しトレイ610に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
装置本体Mにおける上方側には、第1排紙部50a及び第2排紙部50bが設けられる。第1排紙部50a及び第2排紙部50bは、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。第1排紙部50a及び第2排紙部50bの詳細については後述する。
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ローラ8までの第1搬送路L1と、2次転写ローラ8から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から第1排紙部50aまでの第3搬送路L3と、手差し給紙部600から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を後処理装置(図示せず)に搬送する後処理搬送路Lcとを備える。
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、後処理搬送路Lcが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出された用紙Tの搬送方向を、第1排紙部50aに向かう第3搬送路L3又は第2排紙部50bに向かう後処理搬送路Lcに整流させる(切り換える)。
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正やトナー画像とのタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
戻し搬送路Lbは、用紙Tの両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(非印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、感光体ドラム2により非印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
第3搬送路L3における端部には、第1排紙部50aが形成される。第1排紙部50aは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第1排紙部50aは、装置本体Mの右側面側(図2において右側、手差し給紙部600側)に向けて開口している。第1排紙部50aは、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
第1排紙部50aにおける開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が転写され第1排紙部50aから排紙された用紙Tが積層して集積される。
後処理搬送路Lcにおける端部には、第2排紙部50bが形成される。第2排紙部50bは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第2排紙部50bは、装置本体Mの左側面側(図2において左側。後処理装置が連結される側)に向けて開口している。第2排紙部50bは、後処理搬送路Lcを搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
第2排紙部50bにおける開口側には、後処理装置(図示せず)が連結される。後処理装置は、画像形成装置(コピー機1)から排出される用紙の後処理(ステープル、パンチ等)を行うものである。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
次に、主搬送路L1〜L3(第1搬送路L1、第2搬送路L2及び第3搬送路L3を合わせて以下「主搬送路」ともいう)及び戻り搬送路Lbにおける紙詰まり(JAM)を解消するための構造について簡単に説明する。
図2に示すように、装置本体Mの左側面側(図2において左側)には、主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbが主に上下方向に延びるように並列している。装置本体Mの左側面側(図2において左側)には、装置本体Mの左側面の一部を形成するように、カバー体40が設けられている。カバー体40は、その下端部において、支点軸43を介して装置本体Mに連結されている。支点軸43は、その軸方向が主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbを横断する方向に沿って配設されている。カバー体40は、支点軸43を中心として閉位置(図2に示す位置)と開位置(図示せず)との間を回動自在に構成されている。
カバー体40は、支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第1のカバー部41と、同じ支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第2のカバー部42とから構成されている。第1のカバー部41は、第2のカバー部42よりも装置本体Mの外側(左側面側)に位置する。なお、図2において、左下がりの破線でハッチングされた部分が第1のカバー部41であり、右下がりの破線でハッチングされた部分が第2のカバー部42である。
カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41は、その外面側が装置本体Mの外面(左側面)の一部を形成している。
また、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第2のカバー部42は、その内面側(装置本体M側)が主搬送路L1〜L3の一部を形成している。
更に、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41の内面側と第2のカバー部42の外面側とが、戻り搬送路Lbの少なくとも一部を形成している。つまり、戻り搬送路Lbは、第1のカバー部41と第2のカバー部42との間に形成されている。
本実施形態のコピー機1は、このような構成のカバー体40を備えることにより、主搬送路L1〜L3で紙詰まり(JAM)が発生した際には、カバー体40を図2に示す閉位置から、開位置(図示せず)に回動して主搬送路L1〜L3を開放することにより、主搬送路L1〜L3に詰まった用紙を処理することができる。一方、戻り搬送路Lbで紙詰まりが発生した際には、カバー体40を開位置に回動した後、支点軸43を中心に第2のカバー部42を装置本体M側(図2において右側)に回動させて戻り搬送路Lbを開放することにより、戻り搬送路Lbに詰まった用紙を処理することができる。
次いで、図1、図2とともに図3を参照して、手差し給紙部600について説明する。図3は、コピー機1における開閉部材としての手差しトレイ610が装置本体Mから右側方へ開いた状態をコピー機1の背面側からみた斜視図である。手差し給紙部600は、例えば、給紙カセット52にセットされていない大きさや種類の用紙に画像を形成する場合に、装置本体Mから引き出して使用するものである。そのため、手差し給紙部600は、給紙カセット52の上方において、ケース本体110の一側面(図1における右側面)110aに設けられる。また、手差し給紙部600は、手差しトレイ610と、給紙コロ66とを備える。
図2に示すように、手差しトレイ610は、装置本体M(ケース本体110)に垂直方向における下方側に形成された回動軸(軸線)619aを中心に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。具体的には、手差しトレイ610は、装置本体M(ケース本体110)に対して、軸線619aを中心として支軸619のまわりに回動自在(開閉自在)に取り付けられる。詳細には、手差しトレイ610は、その基端部(下端部)が第1搬送路L1の上方に隣接して配置された手差し用の手差し搬送路Laの入口近傍において、支軸619を介して装置本体Mに回動自在(開閉自在)に取り付けられる。手差しトレイ610は、開放位置にあるときに用紙Tが載置される。給紙コロ66は、手差しトレイ610に載置された用紙Tを、手差し搬送路La及び第1合流部P1を介して、第1搬送路L1に給紙する。
図1に示すように、手差しトレイ610は、閉位置にあるときにケース本体110の外面(右側面110a)の一部を構成するドア蓋613と、閉位置にあるときに装置本体Mの内側に配置される給紙板(不図示)とを備えている。ドア蓋613は、その外面が平板状(平面状)となっている。ドア蓋613は、手差しトレイ610が閉位置にある場合、該ドア蓋613の外面がケース本体110と面一(同一平面)となり、ケース本体110の外面の一部となる。ドア蓋613の外面には、取手部617が設けられている。取手部617は、ドア蓋613の回動移動(開閉移動)に利用される。具体的には、ユーザは、取手部617を持ってドア蓋613を外側に引くことにより、手差しトレイ610を開放位置まで回動させることができる。また、取手部617を持ってドア蓋613をケース本体110側に押し込むことにより、手差しトレイ610を閉位置まで回動させることができる。
図3に示すように、ドア蓋613は、該ドア蓋613における下端部(下端縁)の両端部が支軸619によって装置本体Mに回動自在に取り付けられる。ここで、支軸619は、図3に示すように、ドア蓋613の両端部間を延びる1本のものでもよく、あるいは、中間部分がなく、左右に分割されたもの(図示せず)でもよい。そして、支軸619における両方の端部619b(一方のみを図示する)が、装置本体M(ケース本体110)に形成された手差しトレイ610用の窓穴111(図2参照)において、窓穴111の下端部(下端縁)の両側に形成された軸支部(不図示)に支持されることにより、ドア蓋613は、装置本体Mに回動自在に取り付けられる。
図3に示すように、ドア蓋613の下端部には、軸線619aの近傍に配置され一端である係止端620aが手差しトレイ610に係止される軸線619aの方向に伸縮可能な弾性部としての引っ張りコイルばね620と、装置本体Mの係止部112と弾性部620の他端である移動端620bとをつなぐ線状部としてのワイヤー621と、を有する線状部材625が設けられている。
線状部材625における長手方向に伸縮可能な弾性部としての引っ張りコイルばね620は、その長手方向が支軸619(軸線619a)と略平行となるように配置される。引っ張りコイルばね620は、支軸619に隣接して配置されている。引っ張りコイルばね620は、その一端(係止端620a)がドア蓋613の内側に係止(固定)され、その他端(移動端620b)が線状部としてのワイヤー621の一方の端部621dに連結されている。
図3に示すように、線状部材625におけるワイヤー621は、その一方の端部621dが引っ張りコイルばね620における他端(移動端620b)に連結されると共に、ワイヤー621の他方の端部621eが装置本体Mの係止部112に係止される。ワイヤー621は、第1方向変換部材としての第1プーリ622及び第2方向変換部材としての第2プーリ623により架設方向が変更され、ワイヤー621の他方の端部621eが装置本体Mの係止部112に係止される。ここで、第1プーリ622及び第2プーリ623は、ドア蓋613の内面側(閉状態において装置本体Mの内側に配置される面)において装置本体Mの背面側の端部(端縁)近傍に配置される。
ワイヤー621は、引っ張りコイルばね620と連結された端部621dから第1プーリ622までの部分である第1の部分621aと、第1プーリ622から第2プーリ623までの部分である第2の部分621bと、第2プーリ623から係止部112に係止された端部621eまでの部分である第3の部分621cとを有して構成される。
ワイヤー621の第1の部分621aは、引っ張りコイルばね620と連結された端部621dから支軸619の軸線619aと平行に延びて、第1プーリ622に至る。第1プーリ622は、ワイヤー621における引っ張りコイルばね620の移動端620bから第1プーリ622までの第1の部分621aに対して、ワイヤー621における第1プーリ622から第2プーリ623までの第2の部分621bが実質的に直交するように、ワイヤー621の架設方向をドア蓋613の面(平面)に垂直な軸622aのまわりに方向変更する。
ワイヤー621の第2の部分621bは、第1プーリ622からドア蓋613の平面と平行に延びて、第2プーリ623に至る。第2プーリ623は、ワイヤー621における第2プーリ623から装置本体Mの係止部112に係止された端部621eまでの第3の部分621cが、第2の部分621bとともに支軸619の軸線619aと直交する平面内に配置されるように、ワイヤー621の架設方向を支軸619の軸線619aと平行な軸623aのまわりに方向変更する。
ワイヤー621の第3の部分621cは、第2プーリ623から支軸619の軸線619aと直交する平面内を延びて、装置本体Mの係止部112に至る。装置本体Mの係止部112の高さ位置は、例えば、ワイヤー621の第2の部分621bおよび第3の部分621cを含む平面と支軸619との交点から第2プーリ623までの距離と、前記交点から係止部112の高さまでの距離とが、ほぼ等しくなる高さに設定されることができる。
上記のように構成された手差し給紙部600は、手差しトレイ610を開放位置まで回動させて装置本体Mから引き出すことで、ドア蓋613の内側にある給紙板(不図示)に用紙Tが載置可能な状態となる。そして、給紙コロ66が駆動されることで、用紙Tは、手差し搬送路Laから第1合流部P1を経て第1搬送路L1に給紙される。更に、用紙Tは、2次転写ローラ8と対抗ローラ18とによって挟み込まれることで、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたトナー画像が2次転写される。続いて、用紙Tが定着部9の加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの間に挟持されることで、2次転写されたトナーが溶融し、用紙Tに定着される。その後、用紙Tは、必要に応じて、その両面に画像の形成が行われ、第1排紙部50aから排紙集積部M1に排出されるか、あるいは、第2排紙部50bから排出される。
続けて、手差しトレイ610の開閉動作について説明する。
まず、図3に示すように、手差しトレイ610を開放位置まで回動移動させることで、ドア蓋613に設けた第2プーリ623の位置は、係止部112から離間される。これにより、ワイヤー621の第3の部分621cにおける長さは、ドア蓋613(手差しトレイ610)が閉状態の場合に比べて長くなる。
一方、ワイヤー621の第2の部分621bの長さは変わらないから、第3の部分621cの長さが長くなった分だけ、ワイヤー621の第1の部分621aの長さが短くなる。そのため、第1の部分621aの長さが短くなった分だけ、引っ張りコイルばね620が長手方向(軸線619a方向)に伸びることになる。つまり、ワイヤー621の第3の部分621cの長さが長くなるストローク長だけ、引っ張りコイルばね620が長手方向(軸線619a方向)に伸長する。
したがって、手差しトレイ610を閉位置から開放位置まで回動させるのに応じて、引っ張りコイルばね620が長手方向に伸びる。手差しトレイ610を閉位置から開放位置まで回動させた場合、引っ張りコイルばね620が伸長することで生じる引っ張り力によって、手差しトレイ610には、開放方向と反対側の閉方向への力が加えられる。更に、回動(開放)初期よりも回動(開放)終期に近づくにつれて、手差しトレイ610に対して加えられる開放位置への移動を抑制する引っ張り力が徐々に大きく作用することになる。つまり、手差しトレイ610に対して加えられる開方向への力が一定である場合、手差しトレイ610の回動(開放)速度は少しずつ遅くなる。
また、手差しトレイ610を開放位置から閉位置まで回動させる場合、引っ張りコイルばね620は、伸長状態で発生した引っ張り力(弾性力)により手差しトレイ610における開放位置から閉位置への回動移動を補助する。
上述の通り、引っ張りコイルばね620は、手差しトレイ610を閉位置から開放位置に移動させる場合には、手差しトレイ610の急激な移動を抑制し、手差しトレイ610を開放位置から閉位置に移動させる場合には、手差しトレイ610の回動移動を補助する。
第1実施形態によれば、線状部材625における弾性部としての引っ張りコイルばね620および線状部としてのワイヤー621、第1方向変換部材としての第1プーリ622および第2方向変換部材としての第2プーリ623は、開閉部材としての手差しトレイ610の開閉に関するダンパ構造を構成する。このダンパ構造は、簡単な構成で邪魔にならず、充分なダンパ効果を発揮することができる。このダンパ構造により、開閉部材としての手差しトレイ610を開閉する際に、ユーザの開閉作業の負担を軽減することができる。
また、第1実施形態によれば、第1プーリ622と第2プーリ623とは、ドア蓋613における装置本体Mの背面側における端部近傍に配置されるから、装置本体Mの正面側には、第1プーリ622及び第2プーリ623が配置されない。そのため、例えば、コピー機1の正面側から手差し給紙部600を操作する際に、操作が行われる正面側からはワイヤー621の第3の部分621cが全く邪魔にならない。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に比して、本発明の特徴部分である「装置本体に回動可能に取り付けられた開閉部材と、弾性部及び線状部を有する線状部材と、第1方向変換部材と、第2方向変換部材とを備える構成」を、手差しトレイ610ではなく、搬送路Lで紙詰まり等が発生した場合に装置本体Mから回動させる第1のカバー部41(カバー体40)に適用した点が主として異なる。第1実施形態における本発明の特徴部分(600番台の符号)と第2実施形態における本発明の特徴部分(後述するように、400番台の符号)とで対応する部材については、下2桁が同じ符号を付してある(例えば、第1実施形態における「第1プーリ622」と第2実施形態における「第1プーリ422」)。
従って、第1実施形態において説明がされている部材と対応する第2実施形態における部材については、説明を省略することがある。また、第2実施形態における装置本体Mは、第1実施形態における装置本体Mと基本的な構成が同じであるため、説明を省略することがある。
図4は、第2実施形態のコピー機1を左側から視た斜視図である。図5は、コピー機1における開閉部材としての第1のカバー部41が装置本体Mから左側方へ開いた状態をコピー機1の背面側から視た斜視図である。図6は、第1のカバー部41が閉じた状態のコピー機1の内部を背面側から視た斜視図である。図7は、第1のカバー部41が開いた状態のコピー機1におけるワイヤー421が掛け渡される態様を上方から視た図である。図8は、第1のカバー部41が閉じた状態のコピー機1におけるワイヤー421が掛け渡される態様を上方から視た図である。
図9は、装置本体Mの所定位置に固定部材500を介して固定軸部材510が固定された状態を示す斜視図である。図10(A)は、固定部材500が外された状態の装置本体Mを示す斜視図で、図10(B)は、固定部材500及び固定軸部材510を示す斜視図である。図11(A)から図11(C)は、ワイヤー421を装置本体Mの係止部530に順次巻き付ける過程を示す図である。
なお、図5から図8においては、第2実施形態における特徴部分とは関係の薄い構成の図示を省略している。
図4から図6に示すように、第2実施形態のコピー機1においては、第1のカバー部41は、装置本体Mに垂直方向の下方側に形成された支点軸(支軸)43(図2参照)を中心に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。具体的には、第1のカバー部41は、装置本体Mに対して、支点軸43を中心として回動自在(開閉自在)に取り付けられる。第1のカバー部41は、図5に示す開放位置にあるときに、搬送路L(図2参照)に詰まった用紙を処理することができる。
図4に示すように、第1のカバー部41は、閉位置にあるときにケース本体110の外面(左側面110)の一部を構成するカバー蓋413と、カバー蓋413の外面に設けられる取手部417とを備えている。カバー蓋413は、その外面が平板状(平面状)となっている。カバー蓋413は、第1のカバー部41が閉位置にある場合に、カバー蓋413の外面がケース本体110と面一(同一平面)となり、ケース本体110の外面の一部となる。
取手部417は、カバー蓋413の回動移動(開閉移動)に利用される。具体的には、ユーザは、取手部417を持ってカバー蓋413を外側に引くことにより、第1のカバー部41を開放位置まで回動させることができる。また、取手部417を持ってカバー蓋413をケース本体110側に押し込むことにより、第1のカバー部41を閉位置まで回動させることができる。
図4から図6に示すように、第1のカバー部41は、その下端部(下端縁)の両端部が支点軸(支軸)43(図2参照)によって装置本体Mに回動自在に取り付けられる。なお、図5及び図6には、この支点軸43の軸線419aのみを一点鎖線で示している。支点軸43は、第1のカバー部41の両端部間を延びる1本のものでもよく、あるいは、中間部分がなく、左右に分割されたものでもよい。
第1のカバー部41の下端部には、引っ張りコイルばね420とワイヤー421とを有する線状部材425が設けられている。引っ張りコイルばね420は、軸線419aの近傍に配置され、一端である係止端420aが第1のカバー部41に係止され、軸線419aの方向に伸縮可能な弾性部として機能する。ワイヤー421は、装置本体Mの係止部530(図11参照。詳細は後述)と弾性部420の他端である移動端420bとをつなぐ線状部として機能する。
線状部材425における長手方向に伸縮可能な引っ張りコイルばね420は、その長手方向が軸線419aと略平行となるように配置される。引っ張りコイルばね420は、軸線419aに隣接して配置されている。引っ張りコイルばね420は、その一端(係止端420a)が第1のカバー部41の内側に係止(固定)され、その他端(移動端420b)がワイヤー421の一方の端部421dに連結されている。
線状部材425におけるワイヤー421は、その一方の端部421dが引っ張りコイルばね420における他端(移動端420b)に連結される。図5から図8に示すように、ワイヤー421は、第1方向変換部材としての第1プーリ422、第2方向変換部材としての第2プーリ423、及び第3方向変換部材としての固定軸部材510により架設方向が変更される。そして、ワイヤー421は、図11に示すように、ワイヤー421における第4の部分421f(固定軸部材510に掛けられた部分よりも他方の端部421e側の部分)が装置本体M(図5参照)の係止部530に係止される。
図5から図8及び図11に示すように、ワイヤー421は、引っ張りコイルばね420と連結された端部421dから第1プーリ422までの部分である第1の部分421aと、第1プーリ422から第2プーリ423までの部分である第2の部分421bと、第2プーリ423から固定軸部材510までの部分である第3の部分421cと、固定軸部材510から端部421eまでの部分である第4の部分421fとを有して構成される。
図5及び図6に示すように、第1プーリ422及び第2プーリ423は、第1のカバー部41のカバー蓋413の内面側(閉状態において装置本体Mの内側に配置される面)において装置本体Mの前面側の端部(端縁)近傍に配置される。図5から図10に示すように、固定軸部材510は、第1のカバー部41によって覆われる装置本体Mのフレーム部151の内面151aに配置される。フレーム部151の内面151aは、上下方向に且つ左右方向に拡がる平面状であり、装置本体Mにおける第1のカバー部41が収容される収容空間に対向する面である。固定軸部材510は、装置本体Mの前面側から背面側に向けて延びている。
次に、固定軸部材510について詳述する。
図9及び図10に示すように、固定軸部材510は、装置本体Mのフレーム部151の内面151aに設けられた係止孔521に、固定部材500を介して固定され、装置本体Mに対して回転不能に構成されている。
係止孔521は、装置本体Mにおける固定軸部材510が固定される位置に設けられる孔である。係止孔521は、少なくとも、後述する固定部材500の係止片502を挿入し得る形状を有する。
装置本体Mにおける係止孔521の近傍(詳細には、係止孔521の近傍の下方)には、雌ネジ522及び一対の回り止め用突起523,523が設けられている。
固定部材500は、板状の固定部材本体501と、係止孔521に挿入される係止片502とを有する。固定部材500は、係止片502を係止孔521に挿入させた状態で装置本体Mのフレーム部151の内面151aに固定可能である。
固定部材本体501は、略矩形の板状であり、その表側に固定軸部材510の基端部511が連結される。固定部材本体501の裏側は、装置本体Mにおける係止孔521の近傍の部分に当接する。図10に示すように、固定部材本体501は、その下部の中央部に、雄ネジ524を挿通させるための挿通孔503を備えていると共に、挿通孔503に対して水平方向両側に、一対の回り止め用孔504,504を備えている。
係止片502は、少なくとも固定部材500の固定部材本体501の周縁部における、開閉部材である第1のカバー部41とは反対側に位置する部分(以下「係止片設置部分」ともいう)501aに設けられる。係止片設置部分501aは、固定部材500の上縁部における第1のカバー部41とは反対側に位置する部分であり、固定部材500の上縁部の長さの半分以上の長さを有する。
係止片502は、固定部材本体501と一体的に板金加工により形成されている。係止片502は、固定部材本体501の係止片設置部分501aから、固定部材本体501及び係止片502の厚み方向に固定部材本体501の裏側に向けて屈曲し、更に固定部材本体501の面方向の外側(上側)に屈曲した形状を有している。
固定部材500は、係止片502が装置本体Mの係止孔521に挿入され、挿通孔503に挿通された雄ネジ524が装置本体Mの雌ネジ522に螺合され、一対の回り止め用孔504,504にそれぞれ一対の回り止め用突起523,523が挿通されて引っ掛けられた状態で、装置本体Mに固定される。
図5から図8に示すように、固定軸部材510は、装置本体Mのフレーム部151に固定された状態において、第2プーリ423から離れる方向に延びるワイヤー421が周面513に掛けられて、ワイヤー421の架設方向を方向変更する。詳細には、固定軸部材510は、ワイヤー421の架設方向を軸線419aと平行な軸のまわりに方向変更する。
固定軸部材510における周面513を含む部分は、固定軸部材510の基端部511から先端部512に向けて断面積が大きくなる略円錐台形状を有する。図7及び図8に示すように、固定軸部材510の先端部512には、周状のつば部514が設けられている。つば部514は、周面513に掛けられたワイヤー421が先端部512側から外れることを防止することを主目的として設けられる。
図5に示すように、第1のカバー部41を開放した状態において、装置本体Mの内側には、紙詰まりやメンテナンスの際に装置本体Mの左側(第1のカバー部41の側)に回動される回動部材431が設けられている。回動部材431は、回動部材431における固定軸部材510側の端部には、操作レバー432が設けられている。操作レバー432を掴んで装置本体Mの内側から第1のカバー部41の側(装置本体Mにおける左側面側)に回動させることで、回動部材431を回動させることができる。
本実施形態においては、図5から図8に示すように、ワイヤー421は、フレーム部151の内面151aに固定軸部材510を介して固定された固定軸部材510に掛けられるため、フレーム部151の内面151aに近接して配設される設計になっている。一方、回動部材431における装置本体Mの前側の端部は、フレーム部151の内面151aに近接しているため、操作レバー432は、フレーム部151の内面151aに近接して配設される設計になっている。また、操作レバー432は、回動部材431の回動に伴って第1のカバー部41側に回動する。そのため、回動部材431の回動に伴う操作レバー432の軌跡は、第1のカバー部41が閉状態におけるワイヤー421の第4の部分421fの位置と重なる。
ただし、実際には、第1のカバー部41が閉状態において、回動部材431を回動させることはない(できない)ため、前述の操作レバー432の軌跡が問題となることはない。一方、第1のカバー部41が開放状態において、回動部材431を回動させるときには、前述の操作レバー432の軌跡が問題となる。しかし、本実施形態においては、後述するように、第1のカバー部41を閉状態から開放状態に移動させると、ワイヤー421の第4の部分421fの位置が操作レバー432の軌跡を回避するように、固定軸部材510の基端部511側(装置本体Mの前面側)に移動する。そのため、操作レバー432を回動させても、操作レバー432がワイヤー421の第4の部分421fに接触することを防止できる。
次に、係止部530について詳述する。
図11に示すように、装置本体Mは、そのフレーム部151の側面151bに、係止部530を備えている。フレーム部151の側面151bは、上下方向に且つ前後方向に拡がる平面状であり、装置本体Mの左側面の下部の前面近傍を被覆するパネル135(図4参照)に被覆される面である。
係止部530は、係合溝531aを有する第1巻き付け部材531と、第1巻き付け部材531に対向する第2巻き付け部材532とを備えている。
第1巻き付け部材531及び第2巻き付け部材532は、板金加工された板状部材からなり、装置本体Mから装置本体Mの横方向外側に起立すると共に、先端部が上方向及び下方向に突出している。第1巻き付け部材531には、係合溝531aが設けられている。第2巻き付け部材532には、係合溝531aに相当する溝は設けられていない。
係合溝531aは、第1巻き付け部材531を上下方向に分割するように、第1巻き付け部材531の基端部から第1巻き付け部材531の先端部に向けて延びている。つまり、第1巻き付け部材531は、2個のL字形状の板状部材が、係合溝531aを挟んで配置した構成を有している。また、係合溝531aは、第1巻き付け部材531の基端部から装置本体Mの前方向にも延びている。係合溝531aは、ワイヤー421よりも太く且つ抜け止め部421g(詳細は後述)よりも細い幅を有している。
ワイヤー421の掛け渡される態様について、改めて詳述する。
図5から図8に示すように、ワイヤー421の第1の部分421aは、引っ張りコイルばね420と連結された端部421dから支点軸43(図2参照)の軸線419aと平行に延びて、第1プーリ422に至る。第1プーリ422は、ワイヤー421の第1の部分421aに対して、ワイヤー421の第2の部分421bが実質的に直交するように、ワイヤー421の架設方向を第1のカバー部41の外面に垂直な軸422aのまわりに方向変更する。
ワイヤー421の第2の部分421bは、第1プーリ422から第1のカバー部41の外面と平行に延びて、第2プーリ423に至る。第2プーリ423は、ワイヤー421の第3の部分421cが第2の部分421bとともに支点軸43(図2参照)の軸線419aと直交する平面とほぼ平行に配置されるように、ワイヤー421の架設方向を支点軸43の軸線419aと平行な軸423aのまわりに方向変更する。
ワイヤー421の第3の部分421cは、第2プーリ423から支点軸43(図2参照)の軸線419aと直交する平面とほぼ平行に延びて、固定軸部材510に至る。固定軸部材510は、ワイヤー421の第4の部分421fが、係止部530に向かうように、ワイヤー421の架設方向を支点軸43の軸線419aと平行な軸510aのまわりに方向変更する。
図6及び図8に示すように、第1のカバー部41が閉状態において、固定軸部材510と第2プーリ423とは、装置本体Mの前後方向、横方向及び高さ方向の全てにおいて、ほぼ同じ位置に配置される。詳細には、装置本体Mの横方向には、第2プーリ423が固定軸部材510よりも外側に配置される。
図11に示すように、ワイヤー421の第4の部分421fには、ワイヤー421よりも太い抜け止め部421gが設けられている。太い抜け止め部421gは、ワイヤー421の径よりも大きい直径を有する球形状を有している。ワイヤー421は、抜け止め部421gを装置本体Mの係合溝531aに引っ掛けることで、装置本体Mのフレーム部151に固定することができる。
ただし、抜け止め部421gを装置本体Mの係合溝531aに引っ掛けるだけでは、抜け止め部421gが係合溝531aから抜けて、装置本体Mのフレーム部151へのワイヤー421の固定が解消されやすい。そこで、抜け止め部421gを係合溝531aに引っ掛けた状態で、ワイヤー421における抜け止め部421gよりも他方の端部421e側の部分を、第1巻き付け部材531及び第2巻き付け部材532に順次巻き付けて、装置本体Mに固定することができる。
引っ張りコイルばね420及びワイヤー421を有する線状部材425は、例えば、以下の手順で、第1のカバー部41又は装置本体Mに取り付けられる。
線状部材425を第1のカバー部41又は装置本体Mに取り付ける際には、(第1のカバー部41を閉じた状態で作業ができないため、)第1のカバー部41を開放した状態で作業を行う。第1のカバー部41を開放した状態で、まず、線状部材425の引っ張りコイルばね420を第1のカバー部41の内側に取り付ける。次に、線状部材425のワイヤー421を、第1プーリ422、第2プーリ423及び固定軸部材510に、この順で掛け渡す。そして、ワイヤー421における他方の端部421e側の部分を外側に引っ張った状態で、第1のカバー部41を閉じる。
なお、ワイヤー421において、抜け止め部421gよりも他方の端部421e側の長さを十分に設定する理由は、第1のカバー部41が開放状態では、第1のカバー部41の閉状態のときよりも、ワイヤー421の第3の部分421cの長さが長くなるので、その状態でも、ワイヤー421における他方の端部421e側の部分を作業者が掴めるようにするためである。
第1のカバー部41を閉じた際、ワイヤー421における第3の部分421cの長さが短くなるので、ワイヤー421における固定軸部材510に掛けられた部分と他方の端部421eとの間の部分の長さが長くなる。次に、ワイヤー421の第4の部分421fをフレーム部151における内面151aと側面151bとの角に掛け、抜け止め部421gを装置本体Mの係合溝531aに引っ掛ける。そして、ワイヤー421における抜け止め部421gよりも他方の端部421e側の部分を第1巻き付け部材531及び第2巻き付け部材532に順次巻き付けて、装置本体Mに固定する。
このようにして、線状部材425を第1のカバー部41又は装置本体Mに取り付けることができる。
次に、第1のカバー部41の開閉動作について説明する。
まず、図5及び図7に示すように、第1のカバー部41を開放位置まで回動移動させることで、第2プーリ423の位置は、装置本体Mの横方向外側に移動し、固定軸部材510から離間される。これにより、ワイヤー421の第3の部分421cの長さは、第1のカバー部41が、図6及び図8に示す閉状態の場合に比べて長くなる。
一方、ワイヤー421の第2の部分421b及び第4の部分421fの長さは変わらないから、第3の部分421cの長さが長くなった分だけ、ワイヤー421の第1の部分421aの長さが短くなる。従って、第1の部分421aの長さが短くなった分だけ、引っ張りコイルばね420が長手方向(軸線419aの方向)に伸びることになる。つまり、ワイヤー421の第3の部分421cの長さが長くなるストローク長だけ、引っ張りコイルばね420が長手方向(軸線419a方向)に伸長する。
したがって、第1のカバー部41を閉位置から開放位置まで回動させるのに応じて、引っ張りコイルばね420が長手方向に伸びる。第1のカバー部41を閉位置から開放位置まで回動させた場合に、引っ張りコイルばね420が伸長することで生じる引っ張り力によって、第1のカバー部41には、開放方向と反対側の閉方向への力が加えられる。更に、回動(開放)初期よりも回動(開放)終期に近づくにつれて、第1のカバー部41に対して加えられる開放位置への移動を抑制する引っ張り力が徐々に大きく作用することになる。つまり、第1のカバー部41に対して加えられる開方向への力が一定である場合、第1のカバー部41の回動(開放)速度は少しずつ遅くなる。
また、第1のカバー部41を開放位置から閉位置まで回動させる場合、第1のカバー部41は、伸長状態で発生した引っ張り力(弾性力)により第1のカバー部41における開放位置から閉位置への回動移動を補助する。
上述の通り、引っ張りコイルばね420は、第1のカバー部41を閉位置から開放位置に移動させる場合には、第1のカバー部41の急激な移動を抑制し、第1のカバー部41を開放位置から閉位置に移動させる場合には、第1のカバー部41の回動移動を補助する。
次に、ワイヤー421の位置の変化させることにより、回動部材431の操作レバー432とワイヤー421の第4の部分421fとの接触を回避する構造について説明する。
図5から図8に示すように、固定軸部材510の周面513には、ワイヤー421が掛けられる。固定軸部材510の周面513に掛けられたワイヤー421は、固定軸部材510の周面513を滑り、固定軸部材510の基端部511側に位置したり、あるいは固定軸部材510の先端部512側に位置することができる。固定軸部材510の周面513に掛けられたワイヤー421が、固定軸部材510の基端部511側に位置するか、あるいは固定軸部材510の先端部512側に位置するかは、固定軸部材510の周面513に掛けられたワイヤー421に対して加わる張力における固定軸部材510の軸方向の分力、固定軸部材510の周面513とワイヤー421との間の摩擦力などとの関係によって定まる。
第2実施形態においては、図6及び図8に示すように、第1のカバー部41が閉状態において、第2プーリ423が固定軸部材510の先端部512に近接する。そのため、固定軸部材510の周面513に掛けられたワイヤー421には、固定軸部材510の先端部512の方向に張力が加わる。そのため、固定軸部材510の周面513に掛けられたワイヤー421は、固定軸部材510の先端部512の近傍に位置することになる。なお、固定軸部材510の先端部512には、つば部514が設けられているため、ワイヤー421が固定軸部材510の先端部512の近傍に位置しても、固定軸部材510の周面513から外れにくい。
一方、図5及び図7に示すように、第1のカバー部41が開放状態においては、第2プーリ423が固定軸部材510から装置本体Mの横方向外側に移動する。そのため、固定軸部材510の周面513に掛けられたワイヤー421に加わる張力は、固定軸部材510の先端部512側への分力よりも固定軸部材510の基端部511側への分力の方が大きくなる。そのため、固定軸部材510の周面513に掛けられたワイヤー421は、固定軸部材510の基端部511の近傍に位置することになる。
ここで、図6及び図8に示すように、第1のカバー部41が閉状態において、固定軸部材510の周面513に掛けられたワイヤー421は、固定軸部材510の先端部512の近傍に位置するため、平面視で操作レバー432の軌跡に重なることになる。しかし、第1のカバー部41が閉状態において、操作レバー432は回動しないため、ワイヤー421と操作レバー432とが接触することはない。
一方、図5及び図7に示すように、第1のカバー部41が開放状態において、装置本体Mの前後方向に視た場合に、ワイヤー421の第4の部分421fは、操作レバー432の軌跡と重なる位置に位置している。しかし、固定軸部材510の周面513に掛けられた状態のワイヤー421は、固定軸部材510の基端部511の近傍に位置し、操作レバー432と接触しない位置にずれることになる。
このように、第2実施形態においては、図7及び図8に示すように、固定軸部材510における周面513を含む部分は、固定軸部材510の基端部511から先端部512に向けて断面積が徐々に変化する略円錐台形状を有しているため、固定軸部材510の周面513にワイヤー421を掛けることにより、第1のカバー部41の回動に従ってワイヤー421の位置(固定軸部材510の軸方向に沿う位置)を変化させる構成を実現することができる。従って、第1のカバー部41が閉状態、開放状態及び開閉過程において、操作レバー432とワイヤー421とが接触しない構成を容易に実現することができる。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、線状部材425における弾性部としての引っ張りコイルばね420および線状部としてのワイヤー421、第1方向変換部材としての第1プーリ422および第2方向変換部材としての第2プーリ423は、開閉部材としての第1のカバー部41の開閉に関するダンパ構造を構成する。このダンパ構造は、簡単な構成で邪魔にならず、充分なダンパ効果を発揮することができる。このダンパ構造により、開閉部材としての第1のカバー部41を開閉する際に、ユーザの開閉作業の負担を軽減することができる。
更に、第2実施形態によれば、図9に示すように、固定部材500の係止片502は、少なくとも固定部材500の周縁部における、第1のカバー部41(図5及び図6参照)とは反対側に位置する部分(上縁部)に設けられるため、以下の効果が奏される。図5、図6及び図9に示すように、固定軸部材510に掛けられたワイヤー421に第1のカバー部41に向かう張力が加わると、固定軸部材510を介して、固定部材500に第1のカバー部41に向かう方向の力が加わる。しかしながら、少なくとも固定部材500の周縁部における、第1のカバー部41とは反対側に位置する部分に設けられた係止片502が、固定部材500に加わる第1のカバー部41に向かう方向の力に十分に対抗することができる。
また、図11に示すように、ワイヤー421には、ワイヤー421よりも太い抜け止め部421gが設けられており、装置本体M(図5参照)は、ワイヤー421よりも太く且つ抜け止め部421gよりも細い係合溝531aを備えている。そのため、前述したように、ワイヤー421の端部421e側の部分を装置本体Mに容易に固定することができる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。例えば、本実施形態において、画像形成装置としてカラーコピー機1について説明しているが、これに限定されず、モノクロコピー機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等であってもよい。
また、第1実施形態では、開閉部材として手差しトレイ610を例示して説明し、また、第2実施形態では、開閉部材として第1のカバー部41を例示して説明しているが、これに限定されず、縦搬送ユニット、両面ユニットなど、装置本体に対して支軸のまわりに回動可能に取り付けられた各種の開閉ユニットに適用することができる。
第2実施形態においては、図7及び図8に示すように、周面513の断面積が徐々に変化する略円錐台形状を有する固定軸部材510にワイヤー421を掛けることにより、第1のカバー部41の回動に従ってワイヤー421の位置を固定軸部材510の軸方向に沿って変化させる構成を採用し、ワイヤー421と回動部材431(図5参照)の操作レバー432との接触を回避する構成を実現しているが、これに制限されず、ワイヤー421との接触を回避する部材は、第2実施形態における操作レバー432に制限されない。
第3方向変換部材としての固定軸部材510における周面513を含む部分は、図7及び図8に示すように、固定軸部材510の基端部511から先端部512に向けて断面積が徐々に小さくなる略円錐台形状を有していてもよく、あるいは、断面積が変化しない略円柱形状を有していてもよい。
第3方向変換部材としての固定軸部材510は、装置本体Mに対して回転可能に構成されていてもよい。第3方向変換部材としての固定軸部材510は、固定部材500を介さずに、装置本体Mに直接固定されていてもよい。
固定部材500における係止片502が設けられる位置は、例えば、固定部材500の上縁部の全域に設けられていてもよく、また、固定部材500の上縁部及び内側の側縁部の両方に設けられていてもよい。
1……コピー機(画像形成装置)、110……ケース本体、111……窓穴、112……係止部(所定部)、41……第1のカバー部(開閉部材)、43……支点軸(支軸)、610……手差しトレイ(開閉部材)、619……支軸、419a,619a……軸線、420,620……引っ張りコイルばね(弾性部)、420a,620a……係止端、420b,620b……移動端、421,621……ワイヤー(線状部)、421a,621a……第1の部分、421b,621b……第2の部分、421c,621c……第3の部分、421d,621d……端部、421e,621e……端部、421f……第4の部分、421g……抜け止め部、422,622……第1プーリ(第1方向変換部材)、422a,622a……軸、423,623……第2プーリ(第2方向変換部材)、623a……軸、425,625……線状部材、500……固定部材、502……係止片、510……固定軸部材(第3方向変換部材)、510a……軸、511……基端部、512……先端部、513……周面、521……係止孔、531a……係合溝、M……装置本体