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JP5127207B2 - 太陽電池素子、及びそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池素子、及びそれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池素子、及びそれを用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、環境保護の観点から家庭用の太陽電池の需要が著しく増加する傾向にある。太陽電池の構成としては、図1に示す通り、厚み0.2〜0.5mm程度、大きさ100〜150mm角程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン等からなる一導電型の半導体基板を準備し、上述の半導体基板とは逆導電型の不純物を拡散させpn接合を形成している。また、半導体基板の受光面側に反射防止膜を設けることも一般的である。
電極形成には、印刷法が広く用いられる。印刷法は、自動化が容易で生産性が高いという利点を有していることから、種々の電子デバイスの電極形成の手法として一般的な手法である。印刷法は、導電を担う金属粉末を有機バインダーや有機溶剤と混練したペーストをスクリーン印刷などの手法で被形成体に塗布した後、これを熱処理炉内で焼成することで有機成分を蒸発させ、金属粉末の焼結体としての電極を形成する手法である。
太陽電池の場合は、アルミニウム粉末を含むアルミペーストをシリコン基板の裏面側に塗布し、これを焼成することで、電極形成のみならずp層の形成も併せて行える。また、裏面電極には、集電電極の役割を果たすアルミ電極層の他に、銀粉末を含む銀ペーストをシリコン基板の裏面側に塗布し、これを焼成することで出力取出電極の役割を果たす銀電極層を設けている。
このように、アルミ電極層と銀電極層とは、物性の異なる材料を主成分として構成されているため、両者を導通する界面(接触領域)では、アルミ電極層と銀電極層との直列抵抗が上昇するおそれがあった。通常、直列抵抗の上昇を抑制するためには、アルミ電極層と銀電極層との接触領域を増加させればよいが、接触領域の増加に伴い、半導体基板の反りが発生するおそれがあった。
半導体基板の反りを抑制するための技術として、SiOやAlなどを添加したアルミペーストを用いたアルミ電極層がある(例えば特許文献1参照)。
また、半導体基板とのコンタクト性の観点から、下記特許文献2には、半導体基板の両主面側に銀、有機ビヒクル、ガラスフリットを含む導電性ペーストを焼き付けて電極を形成する太陽電池素子の製造方法において、導電性ペーストに亜鉛またはその化合物のうち一種または複数種を含有することにより、半導体基板とのオーミックコンタクト性を向上させて、良好な変換効率を持つ太陽電池素子の製造方法が開示されている。
特開2003−223813号公報 特開2002−198547号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、シリコン基板の反りを低減することはできるものの、ペーストに添加したSiOやAlなどが焼成後もそのままの形で存在するため、裏面電極の抵抗損失が増大し、結果的に太陽電池素子の出力特性を低下させるという問題が生じていた。
また、出力特性の観点から、アルミ電極層と銀電極層との接触面積の増加に伴い、半導体基板1の反りがさらに大きくなる。それゆえ、アルミ電極層と銀電極層との接触面積を減少させることで、シリコン基板の反りは緩和できるものの、接触面積の減少に伴って裏面電極の抵抗が増加し、結果的に太陽電池素子の出力特性を低下させるおそれがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アルミニウムを主成分とする第1集電電極と、銀を主成分とする第2集電電極との直列抵抗の上昇を抑制し、以って出力特性を維持しつつ、反りが緩和された太陽電池素子、及びそれを用いた太陽電池モジュールを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、半導体基板の一部に形成され、該半導体基板で発生したキャリアを集電する、アルミニウムを主成分とする第1集電電極と、該第1集電電極の少なくとも一部に積層され、該第1集電電極で集めたキャリアを集電する、銀を主成分とする第2集電電極とを備えた太陽電池素子であって、前記第2集電電極は、亜鉛又は亜鉛アルミおよび亜鉛スズのうち少なくとも1つを有する亜鉛合金からなる粒子を含有してなることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の太陽電池素子であって、前記第2集電電極は、前記銀100重量部に対して、7重量部以上の前記亜鉛又は亜鉛合金の粒子を含むものであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の太陽電池素子であって、前記第2集電電極は、その一部と前記半導体基板とが接してなることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の太陽電池素子であって、前記半導体基板を平面視した際に、前記第2集電電極は、その総面積に対し、前記第1集電電極上に位置する面積が半分以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の太陽電池素子であって、前記第2集電電極は、前記銀100重量部に対して、35重量部以下の前記亜鉛又は亜鉛合金からなる粒子を含むものであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の太陽電池素子であって、前記第1集電電極は、亜鉛、亜鉛合金、又は酸化亜鉛のうち少なくとも一種を含有してなることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5に記載の太陽電池素子を備えてなる太陽電池モジュールであって、前記第2集電電極上に、リードが半田接合されてなることを特徴とする。
請求項8の発明は、半導体基板の一部に形成され、該半導体基板で発生したキャリアを集電する、アルミニウムを主成分とする第1集電電極と、該第1集電電極の少なくとも一部に積層され、該第1集電電極で集めたキャリアを集電する、銀を主成分とする第2集電電極とを備えた太陽電池素子であって、前記第2集電電極は、ガラスを含有するとともに、亜鉛粉末、亜鉛アルミ粉末および亜鉛スズ粉末のうち少なくとも1つを有する亜鉛成分が前記ガラスに対して外添加されてなることを特徴とする。
本発明の太陽電池素子によれば、半導体基板の一部に形成され、該半導体基板で発生したキャリアを集電する、アルミニウムを主成分とする第1集電電極と、該第1集電電極の少なくとも一部に積層され、該第1集電電極で集めたキャリアを集電する、銀を主成分とする第2集電電極とを備えた太陽電池素子であって、前記第2集電電極は、亜鉛又は亜鉛アルミおよび亜鉛スズのうち少なくとも1つを有する亜鉛合金からなる粒子を含有してなることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1集電電極と第2集電電極との間で導通をとった際に、両者の界面における直列抵抗の上昇を抑制でき、太陽電池素子の出力特性の低下を抑制することができる。
また、前記第2集電電極は、前記銀100重量部に対して、7重量部以上の前記亜鉛又は亜鉛合金の粒子を含むものであることが好ましく、反りを抑制するために第1集電電極と第2集電電極とが重なる積層領域を従来よりも狭くした場合であっても、上述の通り直列抵抗の上昇を抑制できるため、太陽電池素子の出力特性の低下を維持しつつ、太陽電池素子の反りを低減することができる。
また、前記第2集電電極は、その一部と前記半導体基板とが接してなることが好ましく、上述の効果に加え、第1集電電極と第2集電電極とが重なる領域を従来よりも狭くすることができ、太陽電池素子の反りを低減することができる。
また、前記半導体基板を平面視した際に、前記第2集電電極は、その総面積に対し、前記第1集電電極上に位置する面積が半分以下であることが好ましく、より太陽電池素子の反りを低減することができる。
また、前記第2集電電極は、前記銀100重量部に対して、35重量部以下の前記亜鉛又は亜鉛合金からなる粒子を含むものであることが好ましく、上述の効果に加え、第2集電電極の半田濡れ性を好適に維持することができる。
また、前記第1集電電極は、亜鉛、亜鉛合金、又は酸化亜鉛のうち少なくとも一種を含有してなることが好ましく、太陽電池素子の反りをより一層抑制することができる。
また、請求項5に記載の太陽電池素子の前記第2集電電極上に、リードが半田接合されることが好ましく、上述の効果を備えた太陽電池素子を用いた、耐久性に優れ、高性能な太陽電池モジュールとすることができる。
また、本発明の太陽電池素子によれば、半導体基板の一部に形成され、該半導体基板で発生したキャリアを集電する、アルミニウムを主成分とする第1集電電極と、該第1集電電極の少なくとも一部に積層され、該第1集電電極で集めたキャリアを集電する、銀を主成分とする第2集電電極とを備えた太陽電池素子であって、前記第2集電電極は、ガラスを含有するとともに、亜鉛粉末、亜鉛アルミ粉末および亜鉛スズ粉末のうち少なくとも1つを有する亜鉛成分が前記ガラスに対して外添加されてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1集電電極と第2集電電極との間で導通をとった際に、両者の界面における直列抵抗の上昇を抑制でき、太陽電池素子の出力特性の低下を抑制するとともに、このガラスにより半導体基板と第2集電電極との接着強度を向上させることができる。
<太陽電池素子>
以下、本発明に係る太陽電池素子について説明する。
図1は本発明に係る太陽電池素子の一例を示す断面構造の概略図であり、図2(a)は本発明に係る太陽電池素子の表面電極を示す上視図、図2(b)は裏面電極を示す下視図である。なお、図中、1は半導体基板(シリコン基板)、2は拡散層、3は反射防止膜、4は表面電極、5は裏面電極、5aは第1集電電極、5bは第2集電電極、6は裏面電界領域を示す。
ここで、図1に示す太陽電池素子の作用について簡単に説明する。
太陽電池素子の受光面側である反射防止膜3の側から光が入射すると、主にp型半導体であるシリコン基板1のバルク領域で吸収・光電変換されて電子−正孔対(電子キャリアおよび正孔キャリア)が生成される。この光励起起源の電子キャリアおよび正孔キャリア(光生成キャリア)によって、太陽電池素子の表側に設けられた表面電極4と、裏側に設けられた裏面電極5との間に光起電力を生じる。
反射防止膜3は、反射防止膜となる膜の屈折率と膜厚とによって所望の光波長領域で反射率を低減させて、光生成キャリア量を増大させる役割を果たし、太陽電池素子の光電流密度Jscを向上させる。
また、通常、シリコンに対してp型不純物元素として作用するアルミニウムをシリコン基板1の裏面に拡散させ、シリコン基板1の裏面側表層部にp領域となった裏面電界領域6を形成する。裏面電界領域6は、BSF(Back Surface Field)領域とも呼ばれ、シリコン基板1の裏面近くで光生成キャリアによる再結合による効率の低下を防ぐ。そのためシリコン基板1の裏面近くで発生した光生成キャリアが、この電界によって加速される結果、電力が有効に取り出されることとなり、特に長波長の光感度が増加する。この結果、光電流密度Jscが向上し、またこの裏面電界領域6(BSF領域)では少数キャリア(電子)密度が低減されるので、裏面電極5に接する領域でのダイオード電流量(暗電流量)を低減する働きをすることで、開放電圧Vocが向上する。
例えば、本発明の太陽電池素子は、上述した図1のような構造の場合、半導体基板1としてシリコン基板1を用い、アルミニウムを主成分とする第1集電電極5aを備えた太陽電池素子とすることができる。そして、この第1集電電極5aと導通するとともに銀を主成分とする第2集電電極5bを備え、この第2集電電極5bに亜鉛又は亜鉛合金からなる粒子を含有してなることを特徴とする。
なお、本発明にかかる太陽電池素子において、導通とは第1集電電極5aと、第2集電電極5bとが、その少なくとも一部で接触した状態を示すものとする。また、銀を主成分とする第2集電電極5bとは、第2集電電極5bを構成する成分のうち、銀の成分が最も多く、尚且つ、銀粒子の含有重量と、亜鉛粒子又は亜鉛合金粒子の含有重量とを比較した場合に、銀粒子の含有重量の方が大きいものを示すものである。
かかる構成によれば、第1集電電極と第2集電電極との間で導通をとった際に、両者の界面における直列抵抗の上昇を抑制できる。換言すれば、第1集電電極と第2集電電極との間の界面抵抗を低減させることができる。界面抵抗の発生要因の一つとして界面での酸化膜形成が考えられるが、本発明によれば、第2集電電極中の亜鉛又は亜鉛合金からなる粒子によって、第1集電電極と第2集電電極との界面発生する酸化膜を抑制する、または焼成における昇温時に溶融した亜鉛が、降温時にアルミと銀の界面において亜鉛が凝固することにより、亜鉛を介して第1集電電極と第2集電電極が導通するためと推測される。それゆえ、太陽電池素子の出力特性の低下を抑制することができる。
また、第2集電電極5bは、銀100重量部に対して、7重量部以上の亜鉛又は亜鉛合金の粒子を含むものであることが好ましく、反りを抑制するために第1集電電極5aと第2集電電極5bとが重なる積層領域を従来よりも狭くした場合であっても、上述の通り直列抵抗の上昇を抑制できるため、太陽電池素子の出力特性の低下を維持しつつ、太陽電池素子の反りを低減することができる。なお、半導体基板1の厚みが200μm以下と薄い場合、特に効果的である。
また、第2集電電極5bは、その一部と半導体基板1とが接してなることが好ましく、上述の効果に加え、第1集電電極5aと第2集電電極5bとが重なる領域を従来よりも狭くすることができ、太陽電池素子の反りを低減することができる。
また、半導体基板1を平面視した際に、第2集電電極5bは、その総面積に対し、第1集電電極5a上に位置する面積が半分以下であることが好ましく、より太陽電池素子の反りを低減することができる。
また、第2集電電極5bは、銀100重量部に対して、35重量部以下の亜鉛又は亜鉛合金からなる粒子を含むものであることが好ましく、上述の効果に加え、第2集電電極5bの半田濡れ性を好適に維持することができるため好ましい。
また、第1集電電極5aは、亜鉛粒子、亜鉛合金粒子、又は酸化亜鉛粒子の少なくともいずれか一種を含有してなることが好ましく、太陽電池素子の反りをさらに抑制したものとすることができる。
また、太陽電池素子の第2集電電極5b上に、リードが半田接合されてなることが好ましく、上述の効果を備えた太陽電池素子を用いたことで、耐久性に優れ、高性能な太陽電池モジュールとすることができる。
本発明に係る他の太陽電池素子によれば、半導体基板の一部に形成されたアルミニウムを主成分とする第1集電電極と、前記第1集電電極と導通する銀を主成分とする第2集電電極と、を備えた太陽電池素子であって、前記第2集電電極は、ガラスを含有するとともに、亜鉛成分が前記ガラスに対して外添加されてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、亜鉛成分がガラスに対して外添加されてなるため、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの間で導通をとった際に、両者の界面における直列抵抗の上昇を抑制でき、太陽電池素子の出力特性の低下を抑制するとともに、このガラスによって、半導体基板1と第2集電電極5bとの接着強度を向上させることができる。
なお、第1集電電極5a及び第2集電電極5b中の亜鉛粒子及び亜鉛合金粒子の存在、若しくは、亜鉛元素(亜鉛成分)の有無を確かめる手法として、例えばEPMA(Electron Probe Microanalysis)による測定が挙げられる。具体的には、亜鉛粒子及び亜鉛合金がSEM(Scanning Electron Microscope)写真やTEM(Transmission Electron Microscope)写真によって粒子状態が確認できる場合は、その粒子範囲で、例えば、日本電子製JXA−8100を用いてEPMAによる成分分析を行なえば、測定対象粒子が亜鉛粒子、若しくは亜鉛合金粒子であるか確認することができる。これらは、亜鉛又は亜鉛合金の集合体からなる粒子や導電性を有する粒子であると推測される。
また、例え第2集電電極5bのSEM写真やTEM写真で亜鉛粒子及び亜鉛合金粒子が確認できない場合であっても、EPMAによる成分分析によって、例えば上述した粒子範囲程度の領域で亜鉛成分が検出された周囲で成分分析をすれば、亜鉛粒子又は亜鉛合金粒子が存在していたことを推測できる。例えば、銀と亜鉛とが合金を形成していれば、亜鉛成分を検出した領域付近で銀成分も検出することができる。
特に、ガラスを構成する成分に亜鉛成分が存在する場合は、酸化物の状態で存在するため、亜鉛成分を検出した領域付近で酸素成分も検出される。また、酸素雰囲気で焼成工程を経ることによって、亜鉛粒子自体にも酸素成分が検出される場合もあるが、ガラスについてZnOのみではガラス化は不可能であり、ガラスにはSiOやB等の他の成分も含まれていることから、亜鉛成分を検出した領域付近でシリコン成分やボロン成分等の他の成分が検出されればガラスと判定することもできる。特に、ガラスは第2集電電極5bと半導体基板1との間に存在していることが多いことから、その界面部分を分析することにより、ガラスの成分を推定することが可能である。それゆえ、亜鉛成分とガラス成分との違いが区別でき、亜鉛成分がガラスに対して外添加されていることが確認できる。
<太陽電池素子の製造方法>
以下、太陽電池素子の製造方法について説明する。
半導体基板1は、単結晶又は多結晶シリコンなどから成る。この半導体基板1として半導体シリコンを用いる場合、ボロン(B)などのp型の導電型を呈する半導体不純物を1×1016〜1018atoms/cm程度含有し、比抵抗0.2〜2.0Ω・cm程度の半導体基板1が好適に用いられる。単結晶シリコン基板1の場合は引き上げ法などによって形成され、多結晶シリコン基板1の場合は鋳造法などによって形成される。多結晶シリコン基板1は、大量生産が可能であり製造コスト面で単結晶シリコン基板1よりも有利であるので、ここでは多結晶シリコンを用いた例によって説明する。
多結晶シリコンのインゴットは、例えば、鋳造法によって形成され、500μm以下、より好ましくは350μm以下の厚みにスライスして、10cm×10cmまたは25cm×25cm程度の大きさに切断され、シリコン基板1とする。なお、シリコン基板1の切断面の機械的ダメージ層や汚染層を清浄化するために、表面をNaOHやKOHあるいはフッ酸やフッ硝酸などでごく微量エッチングすることが望ましい。
その後、ドライエッチング方法やウェットエッチング方法を用いて、シリコン基板1の表面に微小な突起を形成するのが望ましい。
次に、n型の拡散層2を形成する。n型化ドーピング元素としてはP(リン)を用いることが好ましく、シート抵抗が30〜300Ω/□程度のn型とする。これによって上述のp型バルク領域との間にpn接合部が形成される。
拡散層2は、ペースト状態にしたPをシリコン基板1表面に塗布して熱拡散させる塗布熱拡散法、ガス状態にしたPOCl(オキシ塩化リン)を拡散源とした気相熱拡散法、及びpイオンを直接拡散させるイオン打ち込み法などによって形成される。この拡散層2は0.2〜0.5μm程度の深さに形成される。なお、目的とする面と反対側の面にも拡散領域が形成される場合には、その部分に予め拡散防止膜(不図示)を形成したり、その部分を後からエッチングして除去すればよい。例えば、このシリコン基板1の表面側以外の拡散層2の除去は、シリコン基板1の表面側にレジスト膜を塗布し、フッ酸又はフッ酸と硝酸の混合液を用いてエッチング除去した後、レジスト膜を除去することにより行う。
なお、拡散層2の形成方法は上記方法に限定されるものではなく、例えば薄膜技術を用いて、水素化アモルファスシリコン膜や、微結晶シリコン膜を含む結晶質シリコン膜などを形成してもよい。さらに、シリコン基板1と拡散層2との間にi型シリコン領域(不図示)を形成してもよい。
次に、反射防止膜3を形成する。反射防止膜3の材料は、SiNx膜(Si34ストイキオメトリを中心にして組成比(x)には幅がある)、TiO2膜、SiO膜、MgO膜、ITO膜、SnO2膜、ZnO膜などを用いることができる。その厚みは、材料によって適宜選択されて、適当な入射光に対して無反射条件を実現できるようにする。例えば半導体基板1がシリコン基板1である場合、屈折率は1.8〜2.3程度、厚み500〜1200Å程度にすればよい。
反射防止膜3の形成方法は、PECVD(plasma enhanced chemical vapor deposition)法、蒸着法、スパッタ法などを用いて形成する。なお、反射防止膜3は、後述するファイヤースルー法で表面電極4を形成しない場合は、表面電極4を形成するために所定のパターンでパターニングしておく。パターニング法としてはレジストなどマスクを用いたエッチング法(ウェットあるいはドライ)や、反射防止膜3形成時にマスクを予め形成しておき、反射防止膜3形成後にこれを除去する方法を用いることができる。一方、反射防止膜3の上に表面電極4の電極ペーストを直接塗布し焼き付けることによって表面電極4と拡散層2を電気的に接触させる、いわゆるファイヤースルー法を用いる場合は前記パターニングの必要はない。なお、図2(a)ではファイヤースルー法を用いるため前記パターニングを行っていない。
さらに、シリコン基板1の裏面側には、一導電型半導体不純物元素が高濃度に拡散された裏面電界領域6(BSF領域)を形成することが望ましい。p型の不純物元素としてはB(ボロン)やAl(アルミニウム)を用いることができ、不純物元素濃度を高濃度として、p型とすることによって後述する裏面電極5との間にオーミックコンタクトを得ることができる。製法としてはBBr(三臭化ボロン)を拡散源とした熱拡散法を用いて温度800〜1100℃程度で形成したり、特にアルミニウムの場合はアルミニウム粉末と、有機ビヒクルなどからなるアルミペーストを印刷法で塗布したのち、温度600〜850℃程度で熱処理(焼成)してアルミニウムをシリコン基板1に向けて拡散したりする方法を用いることができる。
なお、この裏面電界領域6(BSF領域)を熱拡散法で形成する場合は、既に形成してある拡散層2には酸化膜などの拡散バリアをあらかじめ形成しておくことが望ましい。またアルミペーストを印刷して焼成する方法を用いれば、印刷面だけに所望の拡散領域を形成することができるだけではなく、既に述べたように拡散層2形成時に同時に裏面側にも形成されているn型の逆導電型の拡散層2を除去する必要もない。この裏面電界領域6(BSF領域)は、シリコン基板1の裏面近くでキャリアの再結合による効率の低下を防ぐために、シリコン基板1の裏面側に内部電界を形成するものである。
次に、表面電極4と裏面電極5(第1集電電極5a、第2集電電極5b)とを以下のようにして形成する。
表面電極4は、例えば銀等からなる金属粉末と、有機ビヒクルとガラスフリットを銀100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添加してペースト状にした銀ペーストから構成され、これを図2(a)に示す格子状等の所定の電極形状に塗布し、最高温度が600〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することにより表面電極4を形成する。塗布法としては、スクリーン印刷法などの周知の方法を用いることができ、塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させたほうが好ましい。
次に裏面電極5について説明する。
まず、第1集電電極5aは、例えばアルミニウム粉末と、アルミニウム100重量部に対して10〜30重量部となる有機ビヒクルと、を含有するアルミペーストから構成され、これを図2(b)に示すように、後述する第2集電電極5bを形成する部位を除いて裏面のほぼ全面に塗布する。塗布法としては、スクリーン印刷法などの周知の方法を用いることができ、塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させることが好ましい。これを焼成することで、本発明の第1集電電極5aを得ることができる。
次に、第2集電電極5bは、例えば銀粉末などからなる金属粉末と、有機ビヒクルとガラスフリットを銀100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添加してペースト状にし、さらに亜鉛又は亜鉛合金の少なくともいずれかを含む亜鉛系金属粉末を含有した銀ペーストから構成され、これを図2(b)に示される電極形状となるように塗布する。なお、アルミペーストの一部と接する位置に、銀ペーストを塗布して、電極焼成後に第1集電電極5aと第2集電電極5bとの一部が重なるように形成する。塗布法としては、スクリーン印刷法などの周知の方法を用いることができ、塗布後、所定の温度で溶剤を蒸散させて乾燥させることが好ましい。
そして、焼成炉内にて最高温度が600〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成することにより本発明の第2集電電極5bを焼き付け電極として得ることができる。
また、第1集電電極5aは主に半導体基板1で発生したキャリアを集電する役割を有し、第2集電電極5bは第1集電電極5aで集めたキャリア(電力)を集め、外部に出力する役割を有している。
以上のようにして、本発明に係る太陽電池素子を作製することができる。
なお、上述した裏面電極5の形成方法が本発明の特徴部分であるため、その詳細について以下に説明する。
まず、本発明で用いる銀ペーストは、銀粉末と、亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末を含有してなるものである。
亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末の粒径は、平均粒径20μm以下、より好ましくは10μm以下であることが好ましい。例えば、亜鉛粉末においては、その粒径が75μmの開口径を持つふるいを通過する粒径であればよく、より好ましくは、平均粒径が30μm以下、さらには平均粒径15μm以下であることが好ましい。
亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末の形状は、球状、フレーク状、不定形状等の粉末を用いることができる。
亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末の純度は、97%以上であれば、特に出力特性に影響与えることなく使用することができる。
なお、亜鉛合金粉末は、亜鉛アルミ合金粉末、亜鉛スズ合金粉末等を用いることができる。また、銀粉末の粒径は、平均粒径が0.5から1.0μm程度の粉末を用いればよい。
有機ビヒクルは、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂およびメチルメタクレートなどのアクリル樹脂およびブチラール樹脂等から選択される少なくとも1種類の樹脂をブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ターピネオール、水素添加ターピネオール、水素添加ターピネオールアセテート、メチルエチルケトン、イソボニルアセテート、ノピルアセテート等の有機溶剤に溶解させたものを用いることができる。
ガラスフリットは、少なくともB又はSiO含み、PbO、ZnO、Al3、SnO等の成分をさらに含むものなどから構成すればよく、例えば、PbO−SiO−B系やBi−PbO−SiO−B系、また鉛レスのZnO−SiO−B系等を用いることができ、太陽電池素子とした場合に、第1集電電極5a及び第2集電電極5bと半導体基板1との接着強度、及び反りの影響を考慮すると、銀またはアルミニウム100重量部に対して0.1〜5重量部ほど添加することが好ましい。
以上のようにして本発明にかかる銀ペーストとすることができる。
次に、本発明の太陽電池素子の裏面電極5の形成方法について説明する。
本発明の太陽電池素子の裏面電極5の形成方法は、アルミニウム粉末と、有機ビヒクルと、からなるアルミニウムペーストを、半導体基板の一主面に塗布する工程と、アルミニウムペーストを焼成する工程により第1集電電極5aを形成し、銀粉末と、有機ビヒクルと、ガラスフリットと、亜鉛又は亜鉛合金の少なくともいずれかを含む亜鉛系金属粉末と、からなる銀ペーストを、少なくともその一部が前記アルミニウムペーストを塗布する位置と一部が重なるように、半導体基板の一主面に塗布する工程と、銀ペーストを焼成する工程により第2集電電極5bを形成すること、を備えてなるものである。また、上記焼成工程を同時に行ってもよく、例えば、半導体基板1の一主面に形成されたアルミペースト(第1集電電極5a)上に、銀粉末と、有機ビヒクルと、亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末の少なくともいずれかを含む亜鉛系金属粉末と、を含んでなる銀ペーストを、その少なくとも一部がアルミペースト(第1集電電極5a)と重なるように塗布する工程と、その後、前記アルミペースト及び銀ペーストを焼成する工程と、を備えてなるものである。
塗布方法は、スクリーン印刷法、ロールコーター方式及びディスペンサー方式など種々の手法を用いることができる。
焼成方法は、上述した銀ペーストを焼成炉内にて最高温度が600〜850℃で数十秒〜数十分程度焼成するものであり、第2集電電極5bを形成することができる。
この熱処理によって、銀ペースト中の亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末の一部が溶融し、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの間で導通をとった際に、両者の界面における直列抵抗の上昇を抑制できるものと考えられる。それゆえ、本発明に係る太陽電池素子は、その出力特性の低下を抑制したものとなる。
したがって、例え太陽電池素子の反りの抑制を目的として、第1集電電極5aと第2集電電極5bとが重なる領域を従来よりも狭くした場合であっても、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの界面における直列抵抗の上昇を抑制できるため、出力特性の低下を抑制しつつ、太陽電池素子の反りも抑制することができる。
なお、出力特性向上の観点から、高速焼成による急昇温、急冷却であることが好ましいが、降温速度が30℃/秒以上の急冷却の場合、焼成後の半導体基板1がより大きく反ることとなるが、銀ペースト中に亜鉛系金属粉末を含有させることにより、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの界面における直列抵抗の上昇を抑制できるため、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なり領域を小さくし、急冷却を行っても反りを十分に低減することが可能である。なお、降温速度は、半導体基板1に熱電対を取り付けて温度プロファイル(温度−時間)をとり、ピーク温度後の温度プロファイルの傾きから算出される。
また、銀ペーストは、その少なくとも一部とシリコン基板1とが接してなることが好ましく、上述の効果に加え、第1集電電極5aと第2集電電極5bとが重なる領域を従来よりも狭くすることができ、太陽電池素子の反りを低減することができる。
また、アルミペーストは、亜鉛粉末、亜鉛合金粉末、又は亜鉛化合物粉末の少なくともいずれかを含有してなることが好ましく、太陽電池素子の反りをさらに抑制したものとすることができる。アルミペースト中の亜鉛系金属粉末の添加量としては、アルミニウム100重量部に対して5重量部以上30重量部以下であることが好ましい。上記範囲にあることによって、本発明の効果を十分に得ることができる。なお、亜鉛化合物としては特に酸化亜鉛が好ましく、この酸化亜鉛は結晶構造を有している。また、亜鉛合金としては特に亜鉛アルミ合金が好ましい。また、亜鉛系金属粉末の平均粒径は印刷性の観点から、粒径の小さいものを用いたほうが好ましいが、より反りを低減させるために、例えば、平均粒径50μm以下15μm以上であることが好ましい。
また、前記銀ペーストは、前記銀粉末100重量部に対して、7重量部以上35重量部以下の亜鉛粉末及び亜鉛合金粉末を含むことが好ましい。この構成によれば、接触抵抗の低下を抑制しながら、第2集電電極5bの半田濡れ性を好適に維持した太陽電池素子とすることができる。
また、モジュール化を行う際に用いるリードとして、例えば厚みが0.1〜0.2mm、幅が約2mmの銅箔を用い、その全面を半田材料によって被覆したものを用いることができる。なお、銀ペースト中の亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末の含有量の増加に伴い、第2集電電極5bと半導体基板1との接着強度は低下するものの、太陽電池素子の反りは緩和することができる。したがって、太陽電池素子の反りの緩和を接着強度よりも優先させたい場合は、第2集電電極5bとリードとの接続に導電性接着剤を用いればよい。
以上のようにして、本発明にかかる太陽電池モジュールを製造することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正および変更を加えることが出来る。たとえば太陽電池素子の構造は、上述した構造に限定されるものではなく、焼成電極が片面にしかない太陽電池素子に使用することも可能であるし、結晶系シリコン太陽電池素子に限定されるものでもない。
そして、本発明の銀ペーストを塗布・焼成して第2集電電極5bを形成し、アルミペーストを塗布・焼成して第1集電電極5aを形成する際に、一度に焼成工程を行なってもよいし、別々の焼成工程を経ても構わない。また、上記説明のように、アルミペーストを塗布して、第1集電電極5aを形成した後に銀ペーストを塗布して第2集電電極5bを形成してもよいし、図4に示す他の実施形態のように、電極形成順序が逆であっても本発明の効果を得ることができる。
また、アルミペーストを塗布した後の乾燥は、銀ペーストを塗布するときに印刷機の作業テーブルやスクリーンに前にアルミペーストが付着するといった問題がなければ省略しても構わない。
また、第2集電電極5bは図2(b)のような帯状に形成される必要はなく、図5(a)のようにポイント状、また、図5(b)のように網目状に形成されるものであってもよい。さらに、図5(c)のように第2集電電極5bの一部として枝部5bを設けて、第1集電電極5aと重ねて導通を取るようにしても構わない。
厚みが150μmで、外形が15cm×15cmの多結晶シリコンのp型半導体基板1表面にリン原子を拡散させて、シート抵抗が70Ω/□となるn型の拡散層2を形成した。その上に窒化シリコン膜からなる反射防止膜3を形成した。そして、裏面側にアルミペーストを略全面に塗布・焼成して第1集電電極5aと裏面電界領域(BSF領域)6を形成した。また、表面側に銀ペーストを塗布・焼成して表面電極4を形成した。また、裏面側に銀ペーストを塗布・焼成して第2集電電極5bを形成した。
第1集電電極5aは、アルミニウム粉末100重量部に対して有機ビヒクルは20重量部、ガラスフリットは0.5重量部含有したアルミペーストを14.5cm×14.5cmの面積で銀ペーストが形成される部分に開口部を設けるようにして塗布した。塗布したアルミペーストの重量は、1600mgで、最高温度が790℃、降温速度30℃/秒で焼成して第1集電電極5aを形成した。
第2集電電極5bは、銀粉末100重量部に対して有機ビヒクルは20重量部、ガラスフリットは0.5重量部含有し、さらに亜鉛粉末(実施例1)又は亜鉛アルミ粉末(実施例2)又は亜鉛スズ粉末(実施例3)を10重量部含有した銀ペーストを、図1および図2(b)に示されるように第2集電電極5bの周囲が第1集電電極5aと重なるように、第1集電電極5aの開口部の位置に塗布し、最高温度600℃、降温速度30℃/秒で焼成して形成した。また、比較例として、亜鉛粉末、亜鉛合金粉末を含まない以外は、上記と同様の条件で銀ペーストを焼成して、従来の銀電極層を形成した。
なお、各条件において、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なり面積を変化させた。ここでは、帯状に形成した第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なる幅を変化させて、太陽電池素子を作製した。
以上のようにして作製した各々の太陽電池素子について、太陽電池素子の反り量および出力特性を評価した。
なお、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なり面積については、「第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なり部分の総面積/第2集電電極5bの総面積」を%で表記した。図3は、本実施例にかかる太陽電池素子の反り量の評価方法について説明するための図である。ここで、反り量とは、シリコン基板1の厚みを含んだ値とし、具体的には、図3に示すように、水平面に載置した場合の最低部(水平面)と最高部との高さの差で反り量を評価した。
表1に太陽電池素子の反り量および出力特性の評価結果を示す。
Figure 0005127207
表1に示すように、実施例1〜3および比較例において、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なり面積を減らすことにより、重なり面積比60%で反り量が3.70mm〜3.88mmであったものが、重なり面積比50%とすることにより反り量が2.82mm〜3.01mm、重なり面積比を半分以下の30%とすることにより2.50mm〜2.65mmにまで減少させることができた。
このとき、比較例においては、上記重なり面積を縮小するに伴い、その出力特性は、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なり面積比60%で3.701Wあったものが、重なり面積比を半分以下の30%とすることにより3.608Wと太陽電池出力が低下した。
しかしながら、本発明にかかる実施例1〜3の太陽電池素子の出力特性は、重なり面積比60%で3.715W〜3.724Wあったものが、重なり面積比を半分以下の30%とした場合も3.701〜3.719Wと出力特性の低下がほとんど見られなかった。5%にした場合であっても、3.672〜3.686Wと同様の面積比を有する比較例よりも高い出力特性を維持することができた。
以上の結果より、第2集電電極中に亜鉛粒子又は亜鉛合金粒子を含有する太陽電池素子において、「第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なり部分の総面積/第2集電電極5bの総面積」が5%以上50%以下、より好ましくは10%以上40%以下とすることにより、反りを低減することができ、さらに出力特性の低下を抑えた太陽電池素子を作製することが可能となる。
次に、銀ペーストに含有する亜鉛粉末の含有量を1重量部〜40重量部に変化させ(実施例4〜11)、実施例1と同様の製造方法を用いて太陽電池素子を作製した。比較例としては、上述した実施例1の評価結果を用いた。また、各条件において、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なり面積を変化させた。
実施例4〜11の太陽電池素子について、太陽電池素子の反り量および出力特性、第2集電電極5bと半田で全面を被覆された銅箔からなるリードとの溶着度を評価した。
なお、溶着度についての評価は、次のように規定した。○はリードを3Nで引っ張った際に、第2集電電極5bからリードが外れないもの、△はリードを1.5Nで引っ張った際に、第2集電電極5bからリードが外れないものである。
表2に太陽電池素子の反り量、出力特性、及び溶着度の評価結果を示す。
Figure 0005127207
表2に示すように、例えば、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なり面積比を30%にした場合において、7重量部以上であれば、その出力特性は3.710W以上と、亜鉛の添加量を増加させた場合であっても、実施例1と同様に反りを低減しつつ、太陽電池素子の出力特性をより好ましく維持することができた。
また、亜鉛の添加量が銀100重量部に対して35重量部以下であれば、第2集電電極5bと半田との溶着性を好適に維持することができた。
さらに、亜鉛の添加量が7重量部以上35重量部以下であれば、太陽電池素子の出力特性を3.710W以上で維持し、且つ半田との溶着度も好適に維持することができた。
さらに、銀ペーストに含有する亜鉛の含有量を10重量部とし、本発明の第1集電電極5aであるアルミペースト中に亜鉛(実施例12)又は亜鉛アルミ(実施例13)又は酸化亜鉛(実施例14)を10重量部含有し、実施例1と同様の製造方法を用いて太陽電池素子を作製した。比較例としては、上述した実施例1の評価結果を用いた。また、各条件において、第1集電電極5aと第2集電電極5bとの重なり面積を変化させた。
以上のようにして作製したそれぞれの太陽電池素子について、太陽電池素子の反り量および出力特性を評価した。
表3に太陽電池素子の反り量および出力特性の評価結果を示す。
Figure 0005127207
表3に示すように、第1集電電極5aに亜鉛、亜鉛化合物、又は亜鉛合金をのうち少なくともいずれか一種を含有することにより、出力特性の低下を抑制しつつ、より一層、太陽電池素子の反りを低減することができた。
一般的な太陽電池素子の一実施形態を示す図である。 本発明に係る太陽電池素子の電極形状の一例を示す図であり、(a)は受光面側(表面)、(b)は非受光面側(裏面)である。 シリコン基板の反り量の評価方法について説明するための図である。 一般的な太陽電池素子の他の実施形態を示す図である。 一般的な太陽電池素子の非受光面側における他の実施形態を示す図である。
符号の説明
1・・・半導体基板、シリコン基板
2・・・拡散層
3・・・反射防止膜
4・・・表面電極
5・・・裏面電極
5a・・第1集電電極
5b・・第2集電電極
5c・・枝部
6・・・裏面電界領域(BSF領域)

Claims (8)

  1. 半導体基板の一部に形成され、該半導体基板で発生したキャリアを集電する、アルミニウムを主成分とする第1集電電極と、
    該第1集電電極の少なくとも一部に積層され、該第1集電電極で集めたキャリアを集電する、銀を主成分とする第2集電電極とを備えた太陽電池素子であって、
    前記第2集電電極は、亜鉛又は亜鉛アルミおよび亜鉛スズのうち少なくとも1つを有する亜鉛合金からなる粒子を含有してなることを特徴とする太陽電池素子。
  2. 前記第2集電電極は、前記銀100重量部に対して、7重量部以上の前記亜鉛又は亜鉛合金の粒子を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池素子。
  3. 前記第2集電電極は、その一部と前記半導体基板とが接してなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の太陽電池素子。
  4. 前記半導体基板を平面視した際に、前記第2集電電極は、その総面積に対し、前記第1集電電極上に位置する面積が半分以下であることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池素子。
  5. 前記第2集電電極は、前記銀100重量部に対して、35重量部以下の前記亜鉛又は亜鉛合金からなる粒子を含むものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の太陽電池素子。
  6. 前記第1集電電極は、亜鉛、亜鉛合金、又は酸化亜鉛のうち少なくとも一種を含有してなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の太陽電池素子。
  7. 請求項5に記載の太陽電池素子の前記第2集電電極上に、リードが半田接合されてなることを特徴とする太陽電池モジュール。
  8. 半導体基板の一部に形成され、該半導体基板で発生したキャリアを集電する、アルミニウムを主成分とする第1集電電極と、
    該第1集電電極の少なくとも一部に積層され、該第1集電電極で集めたキャリアを集電する、銀を主成分とする第2集電電極とを備えた太陽電池素子であって、
    前記第2集電電極は、ガラスを含有するとともに、亜鉛粉末、亜鉛アルミ粉末および亜鉛スズ粉末のうち少なくとも1つを有する亜鉛成分が前記ガラスに対して外添加されてなる
    ことを特徴とする太陽電池素子。
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