JP5119099B2 - ローダ作業機 - Google Patents
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Description
即ち、アームの最下位状態で第2リフトリンクが後下がりに傾斜しているため、図10に示すように、第2リフトリンク82が後方に水平状態である場合に比べて、仮想交点Cが前方に移動して、交点結線L5が作用交点Bを中心としてより前方側に傾くことになり、アームシリンダ79による作業具78の持ち上げ力の大きさを示す交点DE間の長さ及び点BF間の長さが短くなり、アーム77の最下位状態からのアームシリンダ79の伸長動作による作業具78の持ち上げ力が小さくなり、このため作業具78の地切り力や掘削力が小さくなった。
機体フレームを支持する左右一対の走行装置を備えたローダ作業機であって、
作業具が接地したアームの最下位状態では、第2リフトリンクが後上がりに傾斜しかつアームシリンダと側面視でクロスしている点にある。
作業具が接地したアームの最下位状態では、第2リフトリンクが後上がりに傾斜しかつ第1リフトリンクも後上がりに傾斜し、第1アーム支軸が第1リンク支軸よりも後方に位置されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、アームが下降した状態では、アームの前端部で作業具を連結している作業具支軸と第1アーム支軸とを結ぶ結線に対して、アームシリンダが略直交するように構成されている点にある。
第2リフトリンクは、基部がキャビンの後部近傍で機体フレームに第2リンク支軸により枢支され、遊端側がアームの基部に第2アーム支軸により連結されており、
アームが最上位状態では、第2リフトリンクが後上がりに傾斜しかつ遊端側がキャビンの後部近傍に位置するように構成されている点にある。
図1及び図2において、本発明に係るローダ作業機であるトラックローダは、機体フレーム1と機体フレーム1に装着したローダ作業装置(掘削作業装置)2と機体フレーム1を支持する左右一対の走行装置3とを備える。機体フレーム1の上方側に、後述する運転座席63や操縦レバー等を有する運転部5が設けられ、機体フレーム1の前部側に運転部5を取り囲むキャビン(運転者保護装置)4が搭載されている。
左右一対の側壁7の後端部上縁は、円弧状に形成されて後方に向かうに従って徐々に下方に進むように後下がり状に傾斜されている。左右一対の側壁7の上端に左右方向外方に突出した折曲縁部7aが設けられている。前壁8の上端に後方に突出した折曲縁部8aが設けられ、折曲縁部8aの左右両側に連結片8bがそれぞれ後方に延長突設され、各連結片8bが左右一対の側壁7の折曲縁部7aの前端にそれぞれ溶接されている。
側壁7の後端部に円弧状に湾曲した取付板16の内側部が側壁7に対してT字形又はL字形に交わるように配置されて溶接により固着されている。取付板16の前端部が側壁7の折曲縁部7aの後端部に溶接により重合固着されている。取付板16の外側部は側壁7の上端から外側方に突出しており、側壁7の折曲縁部7aと取付板16とで、走行装置3の上側及び後側を覆うフェンダー17が構成されている。
図1〜図7において、横連結部材19はキャビン4の後方側に設けられ、フレーム本体9の後端部であって左右一対の支持枠体11間の横連結部材19の下方側がエンジン101を収納するエンジンルームとされ、エンジンルームを覆うボンネット39は機体フレーム1の後端部に設けられ、上ボンネットカバー41と後ボンネットカバー40とを備える。
運転者保護装置であるキャビン4は、左右一対の側枠部材42と、側枠部材42の上部間に架設された屋根部材と、左右一対の側枠部材42にそれぞれ装着した左右一対の側壁体43とを備えている。左右一対の側枠部材42は、パイプ材等で構成されて、左右一対の前支柱部44と、左右一対の後支柱部45と、対応する前支柱部44の上端と後支柱部45の上端とを連結する左右一対の上横梁部46とを有している。左右の後支柱部45の下端部に左右一対の取付ブラケット47が後方に突設されている。左右一対の取付ブラケット47は、機体フレーム1の支持ブラケット22に対応するものであり、支持ブラケット22の取付孔24、係止孔25に対応して取付孔及び係止孔49が設けられている。左右の前支柱部44の下端部に載置板50が溶接等により固着されている。
左右方向のキャビン枢支部(支持軸)55が支持ブラケット22の取付孔24及び取付ブラケット47の取付孔に挿通保持され、キャビン4は、取付ブラケット47を介して機体フレーム1の支持ブラケット22に、キャビン枢支部55廻りに揺動自在に支持されている。これにより、キャビン4の底部側が機体フレーム1の上端開口を塞ぐように機体フレーム1に載置される載置状態と、キャビン4の底部側が機体フレーム1から上方に離間して機体フレーム1の上端開口を開放する倒伏状態とに姿勢変更自在とされている。図9に実線で示すように、キャビン4をキャビン枢支部55廻りに前側に揺動したとき、載置板50が緩衝材等を介して前壁8の折曲縁部8aに接当載置され、これによりキャビン4を載置状態に保持するように構成されている。また、図9に鎖線で示すように、キャビン4をキャビン枢支部55廻りに後方に揺動して倒伏したとき、一対の取付ブラケット47の係止孔49と一対の支持ブラケット22の係止孔25とが一致し、この係止孔25,49に係止ピン56を挿入することにより、キャビン4を後方に揺動した倒伏状態に保持できるようになっている。キャビン4が機体フレーム1に対して、揺動自在に支持されている。
従って、機体フレーム1の横連結部材19の前方にキャビン4が搭載されており、機体フレーム1の横連結部材19の前方にキャビン4が搭載可能なキャビン搭載部が、前壁8の折曲縁部8a、側壁7の折曲縁部7a等で形成され、横連結部材19はキャビン4の上下方向中央よりも下方に位置しかつその上部にキャビン4を後上方へ上昇させるキャビン枢支部55が設けられている。
図1及び図2において、左右一対の走行装置3は、前後一対の従動輪68と一対の従動輪68間の上方に配置した駆動輪69とトラックフレーム73とを有し、左右一対の走行装置3のトラックフレーム73が、フレーム本体9の左右一対の側壁7に溶接により一体に取り付けられている。左右一対の走行装置3は、従動輪68及び駆動輪69にクローラ70を巻き掛けてなるクローラ走行装置により構成され、駆動軸71の回転により駆動輪69を駆動軸71廻りに回転させて、走行装置3が駆動するようになっている。一対の従動輪68はトラックフレーム73の前後両端にそれぞれ横軸廻りに遊転自在に支持され、一対の従動輪68のうちの一方は図示省略のテンション調整機構によりテンション調整方向に付勢されている。一対の従動輪68間に複数の転輪72が設けられ、複数の転輪72はそれぞれトラックフレーム73に横軸廻りに遊転自在に支持されている。走行装置3の駆動軸71はキャビン4の後端部の下方に配置されている。
ローダ作業装置2は、左右一対のアーム77とアーム77の先端に装着したバケット(作業具)78とを備える。
図8に示すように、アーム77の基部の後端における内側壁129と外側壁128との間に取付孔を有する第1連結ボス141が設けられ、延長取付壁131と内側ブラケット132との間に取付孔を有する第2連結ボス142が設けられ、アーム77の基部の第1連結ボス141及び延長取付壁131の前方であって内側壁129と外側壁128との間に取付孔を有する第3連結ボス143が設けられている。
図8及び図9に示すように、第1リフトリンク81は、内側壁156と外側壁157とを有すると共に、内側壁156と外側壁157との後端部間を連結する後連結壁158を有し、第1リフトリンク81は、内側壁156と外側壁157と後連結壁158とで前側が開口したコの字状に形成されている。また、第1リフトリンク81は、内側壁156と外側壁157との前後方向の中途部同士を連結する中途部連結壁159を有している。第1リフトリンク81の上遊端部の内側壁156と外側壁157との間に上支持ボス部161が設けられ、第1リフトリンク81の基端部の内側壁156と外側壁157とに下支持ボス部162が設けられている。
左右一対のアームシリンダ79は、左右一対の第1リフトリンク81に対してその外側壁157と内側壁156との間の外側壁157よりに配置されている。第2リフトリンク82はアームシリンダ79よりも左右方向内方側に配置され、側面から見てアームシリンダ79と第2リフトリンク82とがクロス可能になるように構成されている。
図1、図2、図9及び図10に示すように、作業具78が接地したアーム77の最下位状態で左右一対の第2リフトリンク82が後上がりに傾斜するように構成され、アーム77が最下位状態から最上位状態になるまでのアーム77の上昇動作の全範囲に亘って、左右一対の第2リフトリンク82が、後ろ上がりに傾斜した状態を維持するように構成されている。また、アームシリンダ79の伸縮によるアーム77の昇降動作によって第2リフトリンク82がその基部(第2リンク支軸86)を支点に90度よりも小さい範囲θで上下揺動するように構成されている。
前記実施の形態によれば、作業具78が接地したアーム77の最下位状態で左右一対の第2リフトリンク82が後上がりに傾斜するように構成されているので、図10に示すように、第2リフトリンク82が後方に水平状態である場合に比べて、仮想交点Cが後方に移動して、交点結線L5が作用交点Bを中心としてより後方側に傾くことになり、アームシリンダ79による作業具78の持ち上げ力の大きさを示す交点DE間の長さ及び点BF間の長さが長くなり、アーム77の最下位状態からのアームシリンダ79の伸長動作による作業具78の持ち上げ力が大きくなり、このため作業具78の地切り力や掘削力が大きくなる。
即ち、図10に示すように、第1アーム支軸88が第1リンク支軸85よりも後方に位置することによって、アーム77が下降した状態で第1リフトリンク81が後上がりに傾斜することになるため、第1リフトリンク81が前上がりの状態又は上方に真っ直ぐな状態に比べて、仮想交点Cが後方に移動して、交点結線L5が作用交点Bを中心としてより後方側に傾くことになり、交点DE間の長さ即ち点BF間の長さが長くなり、アーム77が下降した状態からのアームシリンダ79の伸長動作による作業具78の持ち上げ力が大になって、作業具78の地切り力や掘削力も大になり、作業具78をよりスムーズに持ち上げることができるようになるのである。
即ち、図10に示すように、第1リンク支軸85が下シリンダ支軸91よりも前方に位置する場合に比べて、第1リフトリンク81が機体フレーム1に対してより後方に位置することになるため、仮想交点Cが後方に移動し、交点結線L5が、作用交点Bを中心としてより大きく後方側に揺動することになり、その結果交点DE間の長さ即ち点BF間の長さが長くなり、アームシリンダ79の伸長動作による作業具78の持ち上げ力が大になって、作業具78の地切り力や掘削力も大きくなり、作業具78をよりスムーズに持ち上げることができるようになる。
2 ローダ作業装置
3 走行装置
5 運転部
77 アーム
78 バケット(作業具)
79 アームシリンダ
81 第1リフトリンク
82 第2リフトリンク
85 第1リンク支軸
86 第2リンク支軸
88 第1アーム支軸
89 第2アーム支軸
91 下シリンダ支軸
92 上シリンダ支軸
97 作業具支軸
Claims (5)
- 機体フレーム(1)の上方側に運転部(5)が設けられ、機体フレーム(1)及び運転部(5)の左右両側にアーム(77)が設けられ、左右アーム(77)の先端側に作業具(78)が設けられ、アーム(77)の先端側が機体フレーム(1)の前方側で昇降するように、左右各アーム(77)の基部側が後側の第1リフトリンク(81)と前側の第2リフトリンク(82)とを介して機体フレーム(1)の後部に上下揺動自在に支持され、アーム(77)の基部側と機体フレーム(1)の後下部との間にアーム(77)を昇降動作させるアームシリンダ(79)が設けられており、
機体フレーム(1)を支持する左右一対の走行装置(3)を備えたローダ作業機であって、
作業具(78)が接地したアーム(77)の最下位状態では、第2リフトリンク(82)が後上がりに傾斜しかつアームシリンダ(79)と側面視でクロスしていることを特徴とするローダ作業機。 - 機体フレーム(1)の上方側に運転部(5)が設けられ、機体フレーム(1)及び運転部(5)の左右両側にアーム(77)が設けられ、左右アーム(77)の先端側に作業具(78)が設けられ、アーム(77)の先端側が機体フレーム(1)の前方側で昇降するように、左右各アーム(77)の基部側が後側の第1リフトリンク(81)と前側の第2リフトリンク(82)とを介して機体フレーム(1)の後部に上下揺動自在に支持され、アーム(77)の基部側と機体フレーム(1)の後下部との間にアーム(77)を昇降動作させるアームシリンダ(79)が設けられており、
機体フレーム(1)を支持する左右一対の走行装置(3)を備えたローダ作業機であって、
第1リフトリンク(81)は下側基部が機体フレーム(1)に第1リンク支軸(85)により枢支され、上遊端側がアーム(77)の基部に第1アーム支軸(88)により連結されており、
作業具(78)が接地したアーム(77)の最下位状態では、第2リフトリンク(82)が後上がりに傾斜しかつ第1リフトリンク(81)も後上がりに傾斜し、第1アーム支軸(88)が第1リンク支軸(85)よりも後方に位置されていることを特徴とするローダ作業機。 - 機体フレーム(1)の上方側に運転部(5)が設けられ、機体フレーム(1)及び運転部(5)の左右両側にアーム(77)が設けられ、左右アーム(77)の先端側に作業具(78)が設けられ、アーム(77)の先端側が機体フレーム(1)の前方側で昇降するように、左右各アーム(77)の基部側が後側の第1リフトリンク(81)と前側の第2リフトリンク(82)とを介して機体フレーム(1)の後部に上下揺動自在に支持され、アーム(77)の基部側と機体フレーム(1)の後下部との間にアーム(77)を昇降動作させるアームシリンダ(79)が設けられており、
機体フレーム(1)を支持する左右一対の走行装置(3)を備えたローダ作業機であって、
作業具(78)が接地したアーム(77)の最下位状態では、第2リフトリンク(82)が後上がりに傾斜していて、第2リフトリンク(82)を延長した第2リンク延長線(L4)が第1リフトリンク(81)と交差していることを特徴とするローダ作業機。 - アーム(77)が下降した状態では、アーム(77)の前端部で作業具(78)を連結している作業具支軸(97)と第1アーム支軸(88)とを結ぶ結線(L)に対して、アームシリンダ(79)が略直交するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のローダ作業機。
- 機体フレーム(1)の前部側に運転部(5)を取り囲むキャビン(4)が搭載され、
第2リフトリンク(82)は、基部がキャビン(4)の後部近傍で機体フレーム(1)に第2リンク支軸(86)により枢支され、遊端側がアーム(77)の基部に第2アーム支軸(89)により連結されており、
アーム(77)が最上位状態では、第2リフトリンク(82)が後上がりに傾斜しかつ遊端側がキャビン(4)の後部近傍に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のローダ作業機。
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