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JP5118296B2 - 積層型有機太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、光を受けて発電する光電変換層を複数積層して形成される積層型有機太陽電池に関するものである。
近年、産業の発展に伴いエネルギーの使用量が飛躍的に増加している。その中で地球環境に負荷を与えない、経済的で高性能な新しいクリーンエネルギーの生産技術の開発が求められている。なかでも、太陽電池は無限にあるといってよい太陽光を利用することから新しいエネルギー源として注目されている。現在実用化されている太陽電池の大部分は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを用いた無機太陽電池である。しかし、これら無機シリコン系太陽電池は、その製造プロセスが複雑でコストが高いという欠点を持ち合わせているため、広く一般家庭用に普及するには至ってない。このような欠点を解消するために、簡単なプロセスで低コスト・大面積化が可能な有機材料を用いた有機太陽電池の研究が盛んになってきている。
従来から研究されている有機太陽電池としては、ショットキー接合を有するもの(J.H.Schon,Appl.Phys.Lett.77,2473(2000))、P型とN型を積層した有機ヘテロ接合を有するもの(P.Pnumans,Appl.Phys.Lett.79,126(2001)、特開平6−93258号公報)、P型とN型をブレンドした有機バルクヘテロ接合を有するもの(S.E.Shaheen,Appl.Phys.Lett.78,841(2001))、電子供与性材料である導電性有機化合物、特に導電性高分子と、電子受容性材料である化合物半導体粒子を混合した光電変換層を含むもの(W.U.Huynh,Science295,2425(2002))などがある。これらの有機太陽電池は比較的高い変換効率を示すものであるが、現在変換効率はシリコン系太陽電池に比べるとかなり低く、実用的な太陽電池の開発にまでは至っていない。
このような変換効率の問題を解決する手法の一つとして、光を受けて発電する光電変換層を積層して光の利用効率を高め、変換効率を向上させる積層型の有機太陽電池が提案されている(例えば、Chemistry Letters(1990,P327)、特許文献1等参照)。
特公平8−31616号公報
しかしながら、特許文献1等で提案されている積層型有機太陽電池にあっても、エネルギー変換効率がまだ十分ではなく、また製造の工程数や製造に使用する材料の種類が多く、コストが高いという問題を有するものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、エネルギー変換効率が高く、かつ低コストで製造が可能な積層型有機太陽電池を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る積層型有機太陽電池は、第1の電極と第2の電極の間に、電子受容性材料と電子供与性材料を含有する第1の光電変換層を備えると共に、第2の電極と第3の電極の間に、電子受容性材料と電子供与性材料を含有する第2の光電変換層を備えた積層型有機太陽電池において、第1〜第3の電極の仕事関数が、第1の電極>第2の電極>第3の電極であり、第2の電極が、CuI、ITO、SnO 、AZO、IZO、GZOから選ばれる導電性透明材料により形成されていることを特徴とするものである。
また第1〜第3の電極のうち、少なくとも2つの電極を同じ電極材料で形成すると共にその表面を処理して仕事関数を変化させることによって、第1〜第3の電極の仕事関数が、第1の電極>第2の電極>第3の電極になるようにしたことを特徴とするものである。
また請求項の発明は、請求項1において、隣合う電極の仕事関数の差が0.2eV以上であることを特徴とするものである。
請求項1の本発明によれば、第1と第2の電極の仕事関数が第1の電極>第2の電極であるので、第1の光電変換層内に内部電界が生じ、電荷分離効率及び電荷輸送効率が向上し、また第2と第3の電極の仕事関数が第2の電極>第3の電極であるので、第2の光電変換層内に内部電界が生じ、電荷分離効率及び電荷輸送効率が向上するものであり、この結果、第1及び第2の各光電変換層の効率が向上し、全体のエネルギー変換効率に優れた積層型有機太陽電池を得ることができるものである。
また第1〜第3各電極のうち少なくとも2つの電極に同一の電極材料を用いることが可能になり、低コストでエネルギー変換効率に優れた積層型有機太陽電池を得ることが可能になるものである。
さらに請求項の発明によれば、電極の仕事関数の差が0.2eV以上と大きいので、光電変換層に生じる内部電界が大きくなり、電荷分離効率及び電荷輸送効率がより向上して、エネルギー変換効率がより向上するものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明に係る積層型有機太陽電池(タンデム型有機太陽電池)の基本的な構成を示すものであり、透明基板10の上に、透明導電膜からなる第1の電極1、電子受容性材料と電子供与性材料を含有して形成される第1の光電変換層2、透明導電膜からなる第2の電極3、電子受容性材料と電子供与性材料を含有して形成される第2の光電変換層4、第3の電極5の順に積層したものであり、第1の電極1と第1の光電変換層2と第2の電極3から第1のセル15が、第2の電極3と第2の光電変換層4と第3の電極5から第2のセル16が形成されるものである。勿論、この上にさらに光電変換層と電極を交互に積層して、さらに多層に形成することもできる。
また図2に示すように、第1の電極1と第1の光電変換層2の間、第2の電極3と第2の光電変換層4の間にそれぞれ正孔輸送層11、12を設けるようにしたり、第1の光電変換層2と第2の電極3の間、第2の光電変換層4と第3の電極5の間にそれぞれ電子輸送層13,14を設けるようにしたりすることもできる。
次に、上記の積層型有機太陽電池を構成する材料について説明する。
上記の基板10は、光透過性を有するものであり、無色透明の他に、多少着色されているものであってもよく、またスリガラス状のものであってもよい。例えば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透明ガラス板、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ等の樹脂、フッ素系樹脂等から任意の方法によって作製されたプラスチックフィルムやプラスチック板などを用いることができる。またさらに、基板10内に基板10を構成する母剤と屈折率の異なる粒子、粉体、泡等を含有することによって、光拡散効果を有するようにしたものも使用可能である。
上記の第1の電極1は、セル15,16の光電変換層2,4内に発生した正孔を効率よく収集するための電極であり、仕事関数の大きい金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が4eV以上のものを用いるのがよい。このような電極材料としては、具体的には、金などの金属、CuI、ITO(インジウム錫酸化物)、SnO、AZO、IZO、GZO等の導電性透明材料を挙げることができる。
上記の第2の電極3は、第1の電極1側のセル15では電子を、第3の電極5側のセル16では正孔を効率よく収集するための電極であり、第1の電極1と同様の電極材料を用いることができる。
上記の第1及び第2の電極1,3は、例えば、上記の電極材料を基板10の表面に真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の方法により薄膜に形成することによって作製することができる。また、第1及び第2の電極1,3を透過させて光電変換層2,4に光を到達させるためには、電極1,3の光透過率を70%以上にすることが好ましい。さらに、電極1,3のシート抵抗は数百Ω/口以下とすることが好ましく、特に好ましくは100Ω/口以下とするものである。ここで、電極1,3の膜厚は、電極1,3の光透過率、シート抵抗等の特性を上記のように制御するために、材料により異なるが、500nm以下、好ましくは10〜200nmの範囲に設定するのがよい。
上記の第3の電極5は、セル15,16の光電変換層2,4中に発生した電子を効率よく収集するための陰極であり、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関数が5eV以下のものであることが好ましい。このような陰極となる第3の電極5の電極材料としては、アルカリ金属、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属、希土類等、およびこれらと他の金属との合金、例えばナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/LiF混合物を例として挙げることができる。また、アルミニウム、Al/Al混合物なども使用可能である。また、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、あるいは金属酸化物を陰極の下地として用い、さらに前述の仕事関数が5eV以下である材料(あるいはこれらを含有する合金)を1層以上積層して用いてもよい。例えば、アルカリ金属/Alの積層、アルカリ金属のハロゲン化物/アルカリ土類金属/Alの積層、Al/Alの積層などが例として挙げられる。また、ITO、IZOなどに代表される透明電極材料を用い、陰極となる第3の電極5側からも光を入射させる方式に形成してもよい。
この第3の電極5は、例えばこれらの電極材料を真空蒸着法やスパッタリング法等の方法によって薄膜に形成することによって作製することができる。さらにこの陰極となる第3の電極5の上にAl等の金属をスパッタで積層したり、フッ素系化合物、フッ素系高分子、その他の有機分子や高分子等を、蒸着、スパッタ、CVD、プラズマ重合、塗布した後の紫外線硬化や熱硬化、その他の方法で薄膜として形成することも可能である。
また上記の正孔輸送層11,12を形成する正孔輸送材料としては、正孔を輸送する能力を有し、さらに電子の正孔輸送層11,12への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物を挙げることができる。具体的にはフタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1′−ビフェニル)−4,4′−ジアミン(TPD)や、4,4′−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジアミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポリアリールアルカン、ブタジエン、4,4′,4″−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDAT)、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリエチレンジオキサイドチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子など高分子材料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
そして上記の第1および第2の光電変換層2,4において電子供与性材料として用いる電子供与性有機化合物としては、フタロシアニン系顔料、インジゴ、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、メロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物、また有機電子写真感光体に用いられる電荷移動剤、電気伝導性有機電荷移動錯体、更には導電性高分子も用いることができる。
フタロシアニン系顔料としては、中心金属がCu,Zn,Co,Ni,Pb,Pt,Fe,Mg等の2価のもの、無金属フタロシアニン、アルミニウムクロロフタロシアニン、インジウムクロロフタロシアニン、ガリウムクロロフタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属のフタロシアニン、その他バアナジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の酸素が配位したフタロシアニン等を挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
電荷移動剤としては、ヒドラジン化合物、ピラゾリン化合物、トリフェニルメタン化合物、トリフェニルアミン化合物等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
電気伝導性有機電荷移動錯体としては、テトラチオフルバレン、テトラフェニルテトラチオフラバレン等を挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
導電性高分子としては、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体など、トルエン等の有機溶媒に可溶なものを挙げることができるが、特にこれに限定されるものではない。
また上記の第1および第2の光電変換層2,4において用いる電子受容性材料としては、導電性高分子、半導体粒子、フラーレン及びその誘導体などを挙げることができる。半導体粒子としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、CdS、CdSe、CdTe、InP,InAs、CuInSe、CuInS、GaAs、CuS、ZnS、Si、Ge等を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。導電性高分子としては、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体など、トルエン等の有機溶媒に可溶なものを挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の層構成で形成される本発明の積層型太陽電池にあって、第1〜第3の電極1,3,5の仕事関数は、第1の電極1よりも第2の電極3が小さく、第2の電極3より第3の電極5が小さくなるように、すなわち第1の電極1>第2の電極3>第3の電極5の関係になるように設定してある。このように、仕事関数を第1の電極1>第2の電極3の関係に設定することによって、第1の光電変換層2内に内部電界が生じ、電荷分離効率及び電荷輸送効率が向上するものであり、また仕事関数を第2の電極3>第3の電極5の関係に設定することによって、第2の光電変換層4内に内部電界が生じ、電荷分離効率及び電荷輸送効率が向上するものであり、第1及び第2の各光電変換層2,4の効率を向上させて、全体のエネルギー変換効率に優れた積層型有機太陽電池を得ることができるものである。
このとき、第1の電極1と第2の電極3の仕事関数の差、第2の電極3と第3の電極5の仕事関数の差は、それぞれ0.2eV以上であることが好ましい。隣合う電極1,3,5の仕事関数の差は大きいほど望ましいものであり、このように仕事関数の差を0.2eV以上に設定することによって、光電変換層2,4に生じる内部電界が大きくなり、電荷分離効率及び電荷輸送効率がより向上して、エネルギー変換効率がより向上するものである。
そして上記のように、第1〜第3の電極1,3,5の仕事関数が第1の電極1>第2の電極3>第3の電極5の関係になるようにするにあたって、各電極1,3,5の電極材料として仕事関数が異なる3種類のものを用いる必要はなく、電極1,3,5の表面を処理して仕事関数を変化させることによって、仕事関数が第1の電極1>第2の電極3>第3の電極5の関係になるようにすることができるものである。従ってこの場合には、電極1,3,5の電極材料として総て異なるものを用いるときのように、製造の工程数や製造に使用する材料の種類が多くなってコスト高になることがなく、低コストで製造することが可能になるものである。
例えば2種類の電極材料を用い、電極1,3,5のうち2つの電極を一方の電極材料で、1つの電極を他方の電極材料で作製し、同じ電極材料の電極のうち少なくとも一方の表面を処理して仕事関数を変化させることによって、仕事関数が第1の電極1>第2の電極3>第3の電極5の関係になるようにすることができるものである。また同じ電極材料で電極1,3,5を作製し、3つの電極1,3,5のうち少なくとも2つの電極の表面を処理して仕事関数を変化させることによって、仕事関数が第1の電極1>第2の電極3>第3の電極5の関係になるようにすることができるものである。
電極1,3,5の表面処理は、例えば酸やアルカリの溶液を塗布して処理したり、オゾンで表面を処理したりすることによって行うことができるものである。また電極1,3,5のうち2つ以上の電極を表面処理する場合、同じ処理で表面処理をする他、異なる方法(すなわち異なる条件)で表面処理をするようにしてもよい。例えば、同じ電極材料で電極1,3,5を作製する場合、2つの電極の表面を異なる条件で処理してそれぞれ異なる数値で仕事関数を変化させることによって、仕事関数が第1の電極1>第2の電極3>第3の電極5の関係になるようにすることができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚み0.7mmのガラス基板10の片面に、ITO(インジウム錫酸化物)をスパッタして、シート抵抗7Ω/□の第1の電極1が陽極として形成されたITOガラス(三容真空社製)を用い、これをアセトン、イソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
そして第1の電極1の表面にUV−オゾン処理を10分間行なった。次に、この第1の電極1の面上に、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルフォネート(PEDOT:PSS)をスピンコート法により100nmの厚みに成膜し、正孔輸送層11を形成した。
次に正孔輸送層11の上に、1質量部のポリ(2−メトキシ−5−(3′,7′−ジメチルオクチルオキシ)1,4−フェニレン−ビニレン)(MDMO−PPV)と、4質量部のフラーレン誘導体[6,6]−PCBMとを混合したクロロベンゼン溶液を、スピンコート法により100nmの厚みに成膜して、第1の光電変換層2を形成した。
次に、第1の光電変換層2の上にITOをスパッタして、シート抵抗7Ω/□の第2の電極3を中間電極として形成した。
次にこの第2の電極3の上に、ポリエチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルフォネート(PEDOT:PSS)をスピンコート法により100nmの厚みに成膜し、正孔輸送層12を形成した。
次に、正孔輸送層12の上に、上記の第1の光電変換層2と同じ材料・条件で、第2の光電変換層4を形成した。
そして、この第2の光電変換層4の表面上に、真空蒸着により厚み1nmのLiF膜と厚み120nmのAl膜を順次成膜して、第3の電極5を陰極として形成することによって、タンデム型有機太陽電池を得た(図2参照)。
(実施例2)
実施例1において、第1の電極1の表面処理を、UV−オゾンの代りに、1mM濃度の安息香酸溶液を用いて、室温にて5分間処理して行なうようにした。その他は実施例1と同様にしてタンデム型有機太陽電池を得た。
(実施例3)
実施例1において、第1の電極1の表面処理を実施例2と同様にして安息香酸で行ない、また第2の電極3の表面にUV−オゾン処理を1分間行なうようにした。その他は実施例1と同様にしてタンデム型有機太陽電池を得た。
(実施例4)
実施例1において、第1の電極を、ITOの代りに、IZO(インジウム亜鉛酸化物)を用いて形成すると共に表面処理は行なわないようにした。その他は実施例1と同様にしてタンデム型有機太陽電池を得た。
(実施例5)
実施例1において、第1の電極を、ITOの代りに、IZOを用いて形成すると共に実施例1と同じ表面処理を行なった。その他は実施例1と同様にしてタンデム型有機太陽電池を得た。
(比較例1)
実施例1において、第1の電極1の表面処理を行わず(従っていずれの電極1,3,5も表面処理を行わない)、その他は実施例1と同様にしてタンデム型有機太陽電池を得た。
上記の実施例1〜5及び比較例1で得た積層型有機太陽電池について、第1〜第3の電極1,3,5の仕事関数を、仕事関数測定装置(理研計器社製「FAC−1」)を用いて測定し、第1の電極1の仕事関数を「0.0eV」とした相対値で表1に示す。
また、上記の実施例1〜5及び比較例1で得た積層型有機太陽電池を、電流電圧計(KEYTHLEY社製「2400モデル」)に接続し、100mW/cmの強度のソーラーシミュレータ(山下電装社製)を用いて変換効率を測定した。結果を、比較例1の変換効率を「1.00」とした相対値で示す。
Figure 0005118296
表1にみられるように、仕事関数が第1の電極>第2の電極>第3の電極となるように形成した各実施例の変換効率は、実施例1が1.06、実施例2が1.10、実施例3が1.13、実施例4が1.04、実施例5が1.11となり、比較例1の1.00に対して高い変換効率が得られることが確認される。
積層型有機太陽電池の層構成の一例を示す概略図である。 積層型有機太陽電池の層構成の他の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 第1の電極
2 第1の光電変換層
3 第2の電極
4 第2の光電変換層
5 第3の電極

Claims (2)

  1. 第1の電極と第2の電極の間に、電子受容性材料と電子供与性材料を含有する第1の光電変換層を備えると共に、第2の電極と第3の電極の間に、電子受容性材料と電子供与性材料を含有する第2の光電変換層を備えた積層型有機太陽電池において、第1〜第3の電極の仕事関数が、第1の電極>第2の電極>第3の電極であり、第2の電極が、CuI、ITO、SnO、AZO、IZO、GZOから選ばれる導電性透明材料により形成され
    第1〜第3の電極のうち、少なくとも2つの電極を同じ電極材料で形成すると共にその表面を処理して仕事関数を変化させることによって、第1〜第3の電極の仕事関数が、第1の電極>第2の電極>第3の電極になるようにしたことを特徴とする積層型有機太陽電池。
  2. 隣合う電極の仕事関数の差が0.2eV以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層型有機太陽電池。
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