JP5107103B2 - 二次沈殿を生じない精製植物エキスの製造方法 - Google Patents
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Description
(工程1)植物エキスの濃縮物を、pH1〜4.5の酸性条件下、エタノール水溶液またはエタノールにて抽出する工程、
(工程2)工程1で得られた抽出液を、屈折糖度(20℃)でBx50°〜Bx80°の範囲内まで濃縮する工程、
(工程3)工程2で得られた濃縮物に水を添加して、屈折糖度(20℃)でBx5°〜45°となるように希釈する工程、
(工程4)工程3で得られた希釈液を濾過または遠心分離する工程、
を順に行うことを特徴とする精製植物エキスの製造方法を提供するものである。
本発明で使用することのできる植物原料は広く一般的な植物原料全般をさすが、特に茶類、コーヒー、ココア、種実類、野菜、果実、ハーブ、スパイス、海藻などを挙げることができる。コーヒーとしてはアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種のいずれの豆も使用でき、これらの生および焙煎豆が使用できる。茶類としては緑茶、紅茶、ウーロン茶、ほうじ茶、プーアール茶などのほかマテ茶、ギムネマ茶、ドクダミ茶などの一般的に嗜好飲料原料類と呼ばれるものが全般に使用できる。また、種実類としてはピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ピーカンナッツなどを例示できる。野菜類としてはキャベツ、セロリ、レタス、ブロッコリー、カリフラワー、サラダ菜、チンゲンサイ、ほうれん草、小松菜、春菊、菜の花、ミツバ、パセリ、トマト、ナス、キュウリ、カボチャ、ゴーヤ、ピーマン、パプリカ、トウガラシ、人参、大根、ゴボウ、レンコン、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ナガイモ、ヤマイモ、ヤマトイモ、ラッキョウ、ニンニク、タマネギ、ネギ、ニラ、ワケギ、シメジ、シイタケ、マツタケ、ナメコ、エノキ、マイタケ、エリンギなどが例示できる。果実類としてはオレンジ、レモン、グレープフルーツ、バナナ、リンゴ、パインアップル、ライチ、ブルーベリー、エルダーベリー、スイカ、メロン、ナシ、カキ、ウメ、モモ、アンズ、アプリコット、ブドウ、マンゴー、キウイフルーツ、イチゴなどの果物およびこれらの果汁を例示することができる。ハーブ・スパイス類としてはセージ、タイム、マジョラム、オレガノ、バジル、ペパーミント、シソ、レモンバーム、ベルベナ、セーボリー、ローズマリー、レモングラス、ブルーベリーリーフ、ベイリーフ、ユーカリリーフ、サッサフラス、サンダルウッド、ニガヨモギ、センブリ、レッドペッパー、ゴマ、シンナモン、カッシャ、スターアニス、ワサビ、西洋ワサビ、ホースラディッシュ、ミズガラシ、マスタード、トンカ豆、フェヌグリーク、サンショウ、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、オールスパイス、ナツメグ、メース、クローブ、セリ、アンゲリカ、チャービル、アニス、フェンネル、タラゴン、コリアンダー、クミン、ディル、キャラウェー、ガランガ、カルダモン、ジンジャー、ガジュツ、ターメリック、バニラ、ジュニパーベリー、ウインターグリーン、ジャーマンカモミール、ローマンカモミール、菊花、ラベンダー、ハイビスカスフラワー、サフラン、マリーゴールド、オレンジフラワー、マローフラワー、ローズヒップ、サンザシ、リュウガン、クコシ、サンデュー、オレンジピール、レモンピール、マシュマロールート、チョウセンニンジン、デンシチニンジン、エゾウコギ、ギムネマ、ルイボスティー、トチュウなどを例示することができる。海草類としてはコンブ、ワカメ、アオサ、ノリ、アオノリ、テングサなどを例示することができる。
エタノール水溶液またはエタノールの使用量としては植物エキスの濃縮物1重量部に対し、1倍量〜10倍を挙げることができる。
以下、実施例により本発明の好ましい態様をさらに詳しく説明する。
緑茶(静岡産、やぶきた、二番茶)粉砕物1000gおよび60%エタノール10Kgをフラスコに仕込み、60〜65℃で4時間攪拌抽出した。25℃まで冷却後、バスケット型遠心分離機(脱水機)にて固液分離し、分離液をNo.26濾紙(210mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にセルロースパウダー50gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し濾液7850gを得た。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、Bx70.4°(水分含量44.0%:kett赤外線水分計にて測定、pH6.0)の濃縮緑茶エキス325.0gを得た。濃縮液に4N塩酸約38.0gを加え、pHを4.5、水分含量48.6%(全液量363.0g)とした。このものを室温下で攪拌しながら、一級95%エタノール(日本アルコール販売(株)より購入、エタノール含量92W/W%)543.0gを30分かけて滴下し、さらに60分間攪拌を続けた(最終の水/エタノール=31.5/68.5)。室温下にて15時間静置し、不溶物を十分析出させた後、No.2濾紙(150mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にて吸引濾過し、濾液872.8gを得た。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、濃縮物246.5g(参考品1:Bx70.0°、水分含量44.3%:kett赤外線水分計にて測定)を得た。参考品1に、水328.7gを添加し、良く混合したところ濁りのある溶液となった。このときの希釈液のBx(20℃)は30.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、清澄な濾液543gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物237.1g(本発明品1:Bx68.0°、固形分54.4%)を得た。
水分の測定方法:Kett赤外線水分計
固形分の測定方法:固形分(%)=(100−水分(%))
として計算した。
実施例1と同様にして246.5gの参考品1を得た。参考品1に、水184.9gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は40.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液408.9gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物235.5g(本発明品2:Bx68.2°、固形分54.5%)を得た。
実施例1と同様にして246.5gの参考品1を得た。参考品1に、水616.3gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は20.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液850.0gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物241.1g(本発明品3:Bx68.1°、固形分54.4%)を得た。
実施例1と同様にして246.5gの参考品1を得た。参考品1に、水1479gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は10.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液1895gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物242.5g(本発明品4:Bx68.0°、固形分53.9%)を得た。
実施例1と全く同ーの条件および方法で得られた抽出濾液(7850g)をロータリーエバポレーターにて濃縮し、Bx40°の濃縮緑茶エキス431.3g(pH6.0)を得た。濃縮液に42.5%リン酸水溶液(85%リン酸を水で1:1に希釈した溶液)91.0gを加えpHを2.9とした後、噴霧乾燥し、濃縮緑茶エキス粉末171.4gを得た。この粉末に99%エタノール(エタノール含量99.5W/W%)1028.4g(対粉末6倍量)を加え、室温下で90分間攪拌を行った(水/エタノール=1/99、抽出中のpH2.9)後、濾紙(No.2、150mm)にて吸引濾過し、濾液1011.1gを得た。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮した後、30%水酸化ナトリウム1.11gにてpH4.5に調整しさらに濃縮し、濃縮物123.6g(参考品2:Bx68.0°)を得た。参考品2に水296.6gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は20.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液405.6gを得た。 得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物119.8g(本発明品5:Bx68.1°、固形分54.4%)を得た。
実施例1と同様にして246.5gの参考品1を得た。参考品1に、水98.6gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は50.0°であった。希釈液(温度20℃)を3000×Gの重力加速度で10分間遠心分離したが、沈降物はほとんど得られず、希釈液から除去される成分はほとんどなかった。上清をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物241.5g(比較品1:Bx68.1、固形分54.4%)を得た。
表1に示す配合にてビタミン入り果汁・野菜ドリンク(果汁および野菜汁合計15%)用調合液を調整した。これに本発明品1〜5、比較品1、参考品1または参考品2を飲料に0.55重量%添加し、137℃、30秒間加熱殺菌後、88℃まで冷却し500mlペットボトルに充填し、2分保持後、室温(25℃)まで冷却し、飲料とした。
− :沈殿は発生していない
± :僅かに沈殿が発生している
+ :沈殿が発生している
++:沈殿が多量に発生している
表2における本発明品は、緑茶エキスの濃縮物を、酸性条件下、エタノール水溶液またはエタノールにて抽出し、エタノール抽出液を濃縮し、濃縮物に水を添加した後、希釈液を濾過または遠心分離した精製緑茶エキスである。一方、比較品および参考品は、本発明品に対し、エタノール抽出液の濃縮物に水を添加した希釈液を濾過等する工程を行っていない緑茶エキスである。表2に示した飲料では、これらの発明品、比較品または参考品を同じ量添加した。その結果、表2に示した通り、本発明品を添加した飲料は比較品または参考品を添加した飲料と比べて、70℃、7日間保存後における沈殿発生量が明らかに少なく、緑茶エキス無添加の飲料と同程度の結果であった。このことより、エタノール抽出液の濃縮物に水を添加した希釈液を濾過等する工程が飲料に添加した場合の保存後の沈殿発生防止に著しい効果があるものと認められた。
焙煎したコーヒー豆1000g(L値20)を粉砕した後、撹拌を行いながら、14倍量の90℃熱水で、15分間抽出を行った。抽出終了後、市販の紙製の濾過フィルターで抽出液を濾過し、濾液を氷冷し、コーヒー抽出液10870gを得た(以下コーヒー抽出液1とする)。コーヒー抽出液1を434.8g秤量し(飲料1000g 処方でコーヒーエキス由来のBx1°)、これに、本発明品1〜5、比較品1、参考品1または参考品2をそれぞれ5.5g添加し、さらにショ糖を61gを添加し完全に溶解した後、重曹を加えpHを6.9 に調整し、さらに水を加えて、全体を1000gとした。90℃に昇温後、190gずつ缶に充填し、レトルト殺菌を行い(124℃、20分間、F=39)缶入りコーヒー飲料を得た。
得られたコーヒー飲料を70℃、7日間保存し、20℃冷却後、スピッツ管を使用し、重力加速度1500×Gにて10分間遠心分離し、沈殿量(容量)を測定した。それぞれの保存前後の沈殿量を表3に示す。
実施例7において、コーヒー抽出液に替えて水を使用する以外は実施例7と全く同様に、本発明品1〜5、比較品1、参考品1または参考品2の精製緑茶エキスを添加し飲料を調整し、沈殿の確認を行った。
すなわち、水434.8gを用意し、これに本発明品1〜5、比較品1参考品1または参考品2を5.5g添加し、さらにショ糖を61gを添加し完全に溶解した後、重曹を加えpHを6.9 に調整し、さらに水を加えて、全体を1000gとした。90℃に昇温後、190gずつ缶に充填し、レトルト殺菌を行い(124℃、20分間、F=39)缶入り飲料を得た。
得られた飲料を70℃、7日間保存し、20℃冷却後、スピッツ管を使用し、重力加速度1500×Gにて10分間遠心分離し、沈殿量(容量)を測定した。それぞれの保存前後の沈殿量を表4に示す。
ウーロン茶(鉄観音 K−107、福建省産)1000gを3Lカラムに仕込み65℃に加温した40%エタノール10Kgを100ml/分でカラム上部より送り込み、ウーロン茶原料が全量溶剤に浸った後、溶剤の送り込み速度と同じ速さで、カラム下部より抽出液を抜き取り、仕込み溶剤を使い切った後は空気を送り込むことにより原料内の溶液を抜き取り、抽出液を得た(抽出所要時間約2時間)。抽出液は抜き取りと同時に冷却し、25℃とし、全液を合わせ、No.26濾紙(210mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にセルロースパウダー50gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し濾液8485gを得た。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、Bx70.0°(水分含量42.5%:kett赤外線水分計にて測定、pH6.0)の濃縮ウーロン茶エキス352.0gを得た。濃縮液に4N塩酸約41.2gを加え、pHを4.5、水分含量47.3%(全液量393.2g)とした。このものを室温下で攪拌しながら、一級95%エタノール(日本アルコール販売(株)より購入、エタノール含量92W/W%)580.0gを30分かけて滴下し、さらに60分間攪拌を続けた(最終の水/エタノール=30.7/69.3)。室温下にて15時間静置し、不溶物を十分析出させた後、No.2濾紙(150mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にて吸引濾過し、濾液965.2gを得た。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、濃縮物255.9g(参考品3:Bx70.1°、水分含量44.3%:kett赤外線水分計にて測定)を得た。参考品3に、水341.2gを添加し、良く混合したところ濁りのある溶液となった。このときの希釈液のBx(20℃)は30.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、清澄な濾液577.3gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物283.4g(本発明品6:Bx60.0°、固形分49.2%)を得た。
実施例8と同様にして255.9gの参考品3を得た。参考品3に、水192.5gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は40.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液428.6gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物251.8g(本発明品7:Bx68.0°、固形分54.2%)を得た。
実施例8と同様にして255.9gの参考品3を得た。参考品3に、水604.5gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は20.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液841.8gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物243.2g(本発明品8:Bx68.1°、固形分54.3%)を得た。
実施例8と同様にして255.9gの参考品3を得た。参考品3に、水1422.3gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は10.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液1645.8gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物234.5g(本発明品9:Bx68.0°、固形分54.1%、)を得た。
実施例8と全く同ーの条件および方法で得られた抽出濾液(8480g)をロータリーエバポレーターにて濃縮し、Bx40°の濃縮ウーロン茶エキス449.6g(pH6.0)を得た。濃縮液に42.5%リン酸水溶液(85%リン酸を水で1:1に希釈した溶液)85.6gを加えpHを3.0とした後、噴霧乾燥し、濃縮ウーロン茶エキス粉末181.4gを得た。この粉末に99%エタノール(エタノール含量99.5W/W%)1088.4g(対粉末6倍量)を加え、室温下で90分間攪拌を行った(水/エタノール=1/99、抽出中のpH3.0)後、濾紙(No.2、150mm)にて吸引濾過し、濾液1050.3gを得た。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮した後、30%水酸化ナトリウム1.25gにてpH4.5に調整しさらに濃縮し、濃縮物143.2g(参考品4:Bx68.0°)を得た。参考品4に水343.7gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は20.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液453.6gを得た。 得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物126.5g(本発明品10:Bx68.0°、固形分54.2%)を得た。
実施例8と同様にして255.9gの参考品3を得た。参考品3に、水92.3gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は50.0°であった。希釈液(温度20℃)を3000×Gの重力加速度で10分間遠心分離したが、沈降物はほとんど得られず、希釈液から除去される成分はほとんどなかった。上清をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物251.8g(比較品2:Bx67.9、固形分53.9%)を得た。
焙煎大麦(L値35)粗挽き500g、焙煎玄米(L値54)粗挽き500gおよび焙煎ハトムギ(L値28)粗挽き500gを95℃熱水30Kgに投入し、ゆっくり5分間攪拌した後、ネル濾過フィルターにて熱時濾過し、濾液を20℃まで冷却し、さらにNo.26濾紙(300mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にセルロースパウダー250gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し混合茶抽出濾液21.59Kgを得た。混合茶抽出濾液216gに本発明品6〜10、比較品2、参考品3または参考品4を飲料に1.0重量%添加し、重曹にてpHを6.5に調整した後、さらに水を加えて、全体を1000gとした。137℃、30秒間加熱殺菌後、88℃まで冷却し500mlペットボトルに充填し、2分保持後、室温(25℃)まで冷却し、飲料とした。
得られた飲料を70℃、7日間保存し、沈殿発生状況を目視にて確認した。結果を表5に示す。
− :沈殿は発生していない
± :僅かに沈殿が発生している
+ :沈殿が発生している
++:沈殿が多量に発生している
表5における本発明品は、ウーロン茶エキスの濃縮物を、酸性条件下、エタノール水溶液またはエタノールにて抽出し、エタノール抽出液を濃縮し、濃縮物に水を添加した後、希釈液を濾過または遠心分離した精製ウーロン茶エキスである。一方、比較品および参考品は、本発明品に対し、エタノール抽出液の濃縮物に水を添加した希釈液を濾過等する工程を行っていないウーロン茶エキスである。表5に示した飲料では、これらの発明品、比較品または参考品を同じ量添加した。その結果、表5に示した通り、本発明品を添加した飲料は比較品または参考品を添加した飲料と比べて、70℃、7日間保存後における沈殿発生量が明らかに少なく、ウーロン茶エキス無添加の飲料と同程度の結果であった。このことより、エタノール抽出液の濃縮物に水を添加した希釈液を濾過等する工程が飲料に添加した場合の保存後の沈殿発生防止に著しい効果があるものと認められた。
前記表1に示した配合にてビタミン入り果汁・野菜ドリンク(果汁および野菜汁合計15%)用調合液を調製した。これに本発明品6〜10、比較品2、参考品3または参考品4を飲料に0.55重量%添加し、137℃、30秒間加熱殺菌後、88℃まで冷却し500mlペットボトルに充填し、2分保持後、室温(25℃)まで冷却し、飲料とした。 得られた飲料を70℃、7日間保存し、沈殿発生状況を目視にて確認した。結果を表6に示す。
− :沈殿は発生していない
± :僅かに沈殿が発生している
+ :沈殿が発生している
++:沈殿が多量に発生している
表6に示したとおり、ビタミン入り果汁・野菜ドリンクに対しても実施例13と同様、本発明品は比較品、参考品と比べ保存後の沈殿量が少なく、保存後の沈殿発生防止に著しい効果があるものと認められた。
焙煎コーヒー豆(コロンビア L値20)の粉砕物1000gをカラムに充填し(カラム内径7cm、長さ25cm、1本につきコーヒー豆200gを充填し、5本連結)、95℃に加温した軟水を流速1500ml/hrでカラム上部から下部へ送り込み、カラム下部から抜き取った抽出液は、次のカラムの上部へ順次送り込み5本目のカラムより最終的な抽出液を抜き取る方法にて連続抽出を行い、抜き取り液がBx1.0°を下回った時点で抽出終了(所要時間約3時間)とし、Bx9.9°のコーヒーエキス2589gを得た。得られたコーヒーエキスは20℃に冷却後、No.26濾紙(210mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土50gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液2564g(以下、コーヒー抽出液2とする)を得た。コーヒー抽出液2をロータリーエバポレーターにて濃縮し、Bx70.0°(水分含量41.2%:kett赤外線水分計にて測定、pH5.7)の濃縮コーヒーエキス335.3gを得た。濃縮液に4N塩酸約33.5gを加え、pHを4.5、水分含量46.0%(全液量362.0g)とした。このものを室温下で攪拌しながら、一級95%エタノール(日本アルコール販売(株)より購入、エタノール含量92W/W%)562.3gを30分かけて滴下し、さらに60分間攪拌を続けた(最終の水/エタノール=29.1/70.9)。室温下にて15時間静置し、不溶物を十分析出させた後、No.2濾紙(150mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にて吸引濾過し、濾液928.7gを得た。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、濃縮物315.3g(参考品5:Bx68.4°、固形分57.0%)を得た。参考品5に、水420.4gを添加し、良く混合したところ濁りのある溶液となった。このときの希釈液のBx(20℃)は30.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、清澄な濾液704gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物293.4g(本発明品11:Bx68.2°、固形分56.8%)を得た。
実施例15と同様にして315.3gの参考品5を得た。参考品5に、水236.5gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は40.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液495gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物289.8g(本発明品12:Bx68.2°、固形分57.0%)を得た。
実施例15と同様にして315.3gの参考品5を得た。参考品5に、水788.2gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は20.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液1059.6gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物292.8g(本発明品13:Bx68.3°、固形分56.9%)を得た。
実施例15と同様にして315.3gの参考品5を得た。参考品5に、水1891.9gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は10.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液2188gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物297g(本発明品14:Bx68.3°、固形分57.1%)を得た。
実施例15と全く同ーの条件および方法で得られたコーヒー抽出液2(2564g)を得、ロータリーエバポレーターにて濃縮し、Bx44°の濃縮コーヒーエキス541.5g(pH5.7)を得た。濃縮液に42.5%リン酸水溶液(85%リン酸を水で1:1に希釈した溶液)84.5gを加えpHを2.9とした後、噴霧乾燥し、濃縮コーヒーエキス粉末2236.5gを得た。この粉末に99%エタノール(エタノール含量99.5W/W%)1419g(対粉末6倍量)を加え、室温下で90分間攪拌を行った(水/エタノール=1/99、抽出中のpH2.9)後、濾紙(No.2、150mm)にて吸引濾過し、濾液1380gを得た。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮した後、30%水酸化ナトリウム1.33gにてpH4.5に調整しさらに濃縮し、濃縮物174.8g(参考品6:Bx62.1°、固形分51.2%)を得た。参考品6に水367.0gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は20.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液520.4gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物152.2g(本発明品15:Bx68.2°、固形分57.0%)を得た。
実施例15と同様にして315.3gの参考品5を得た。参考品5に、水126.1gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は50.0°であった。希釈液(温度20℃)を3000×Gの重力加速度で10分間遠心分離したが、沈降物はほとんど得られず、希釈液から除去される成分はほとんどなかった。上清をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物306.2g(比較品3:Bx68.0°、固形分56.8%)を得た。
前記表1に示した配合にてビタミン入り果汁・野菜ドリンク(果汁および野菜汁合計15%)用調合液を調整した。これに本発明品11〜15、比較品3、参考品5または参考品6を飲料中に0.6重量%添加し、137℃、30秒間加熱殺菌後、88℃まで冷却し500mlペットボトルに充填し、2分保持後、室温(25℃)まで冷却し、飲料とした。
得られた飲料を70℃、7日間保存し、沈殿発生状況を目視にて確認した。結果を表7に示す。
− :沈殿は発生していない
± :僅かに沈殿が発生している
+ :沈殿が発生している
++:沈殿が多量に発生している
表7における本発明品は、高濃度濃縮コーヒーエキスを、酸性条件下、エタノール水溶液またはエタノールにて抽出し、エタノール抽出液を濃縮し、濃縮物に水を添加した後、希釈液を濾過または遠心分離した精製コーヒーエキスである。一方、比較品および参考品は、本発明品に対し、エタノール抽出液の濃縮物に水を添加した希釈液を濾過する工程を行っていないコーヒーエキスである。表7に示した飲料はこれらの発明品、比較品または参考品を同一量添加したものである。その結果、表7に示した通り、本発明品を添加した飲料は比較品または参考品を添加した飲料と比べて、70℃、7日間保存後における沈殿発生量が明らかに少なく、精製コーヒーエキス無添加の飲料と同程度の結果であった。このことより、エタノール抽出液の濃縮物に水を添加した希釈液を濾過等する工程が、飲料に添加した場合の保存後の沈殿発生防止に著しい効果があるものと認められた。
アスコルビン酸ナトリウム1.5gを溶解した85℃熱水30Kgにスリランカ産紅茶(ディンブラ BOP)1000gを投入し、5分間ゆっくりと攪拌しながら抽出を行った。抽出終了後、ネル濾過フィルターで抽出液を濾過し、濾液を20℃まで氷冷し、さらにNo.26濾紙(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にて濾過し抽出液27.8Kgを得た。(Bx1.1°、pH5.15 以下紅茶抽出液1とする)。紅茶抽出液1を273g秤量し(飲料1000g 処方で紅茶エキス由来のBx0.3°)、これに、本発明品11〜15、比較品3、参考品5または参考品6を5.0g添加し、さらにショ糖を61gを添加し完全に溶解した後、重曹を加えpHを6.9 に調整し、さらに水を加えて、全体を1000gとした。90℃に昇温後、190gずつ缶に充填し、レトルト殺菌を行い(124℃、20分間、F=39)缶入り紅茶飲料を得た。
得られた紅茶飲料を70℃、7日間保存し、20℃冷却後、スピッツ管を使用し、重力加速度1500×Gにて10分間遠心分離し、沈殿量(容量)を測定した。それぞれの保存前後の沈殿量を表8に示す。
実施例21において、紅茶抽出液1に替えて水を使用する以外は実施例21と全く同様に、本発明品11〜15、比較品3、参考品5または参考品6を添加し飲料を調整し、沈殿の確認を行った。
すなわち、水434.8gを用意し、これに本発明品11〜15、比較品3、参考品5または参考品6を5.0g添加し、さらにショ糖を61gを添加し完全に溶解した後、重曹を加えpHを6.9 に調整し、さらに水を加えて、全体を1000gとした。90℃に昇温後、190gずつ缶に充填し、レトルト殺菌を行い(124℃、20分間、F=39)缶入り飲料を得た。
得られた飲料を70℃、7日間保存し、20℃冷却後、スピッツ管を使用し、重力加速度1500×Gにて10分間遠心分離し、沈殿量(容量)を測定した。それぞれの保存前後の沈殿量を表9に示す。
生コーヒー豆(インドネシア産ロブスタ)の粉砕物1000gをカラムに充填し(カラム内径7cm、長さ25cm、1本につき生コーヒー豆200gを充填し、5本連結)、95℃に加温した軟水を流速1500ml/hrでカラム上部から下部へ送り込み、カラム下部から抜き取った抽出液は、次のカラムの上部へ順次送り込み5本目のカラムより最終的な抽出液を抜き取る方法にて連続抽出を行い、抜き取り液がBx1.0°を下回った時点で抽出終了(所要時間約3時間)とし、Bx8.9°の生コーヒー豆抽出液2620gを得た。得られた生コーヒー豆抽出液は20℃に冷却後、No.26濾紙(210mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土50gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液2597g(以下、生コーヒー豆抽出液とする)を得た。生コーヒー豆抽出液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、Bx70.4°(水分含量41.2%:kett赤外線水分計にて測定、pH5.7、クロロゲン酸16.1%、カフェイン5.6%)の濃縮生コーヒー抽出物326.0gを得た。濃縮液に4N塩酸約36.0gを加え、pHを4.5、水分含量46.0%(全液量362.0g)とした。このものを室温下で攪拌しながら、一級95%エタノール(日本アルコール販売(株)より購入、エタノール含量92W/W%)543.0gを30分かけて滴下し、さらに60分間攪拌を続けた(最終の水/エタノール=29.6/70.4)。室温下にて15時間静置し、不溶物を十分析出させた後、No.2濾紙(150mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にて吸引濾過し、濾液844.3gを得た。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮し、濃縮物283.2g(参考品7:Bx68.4°、固形分57.0%、クロロゲン酸18.35%、カフェイン5.63%)を得た。参考品7に、水362.5gを添加し、良く混合したところ濁りのある溶液となった。このときの希釈液のBx(20℃)は30.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、清澄な濾液640gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物267.2g(本発明品16:Bx68.4°、固形分57.0%、クロロゲン酸18.0%、カフェイン5.56%)を得た。
試料適当量(約0.04g)を100mlメスフラスコに精秤し、イオン交換水にて100mlとする。その5mlを100mlメスフラスコにとり、イオン交換水を加えて100mlに希釈し、希釈液の波長325nmの吸光度を測定する。ここで測定した吸光度をA、試料採取量をBとしたとき、次式によりクロロゲン酸量を算出する(クロロゲン酸の325nmにおける吸光係数を52000として計算する)。
クロロゲン酸(g)={A×(100÷5)×(50÷B)}÷52000
カフェインの分析方法:HPLC法
実施例22と同様にして283.2gの参考品7を得た。参考品7に、水201.1gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は40.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液445gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物260.8g(本発明品17:Bx68.0°、固形分56.8%、クロロゲン酸17.5%、カフェイン5.38%)を得た。
実施例22と同様にして283.2gの参考品7を得た。参考品7に、水685.3gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は20.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液945.6gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物265.8g(本発明品18:Bx68.3°、固形分56.9%、クロロゲン酸17.8%、カフェイン5.49%)を得た。
実施例22と同様にして283.2gの参考品7を得た。参考品7に、水1653.9gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は10.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液1895gを得た。得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物270g(本発明品19:Bx68.0°、固形分56.8%、クロロゲン酸18.7%、カフェイン5.58%)を得た。
実施例22と全く同ーの条件および方法で得られた生コーヒー豆抽出液(2597g)を得、ロータリーエバポレーターにて濃縮し、Bx44°の濃縮生コーヒー抽出物518.6g(pH5.7)を得た。濃縮液に42.5%リン酸水溶液(85%リン酸を水で1:1に希釈した溶液)82.0gを加えpHを2.9とした後、噴霧乾燥し、濃縮生コーヒーエキス粉末215.0gを得た。この粉末に99%エタノール(エタノール含量99.5W/W%)1290g(対粉末6倍量)を加え、室温下で90分間攪拌を行った(水/エタノール=1/99、抽出中のpH2.9)後、濾紙(No.2、150mm)にて吸引濾過し、濾液1255gを得た。濾液をロータリーエバポレーターにて濃縮した後、30%水酸化ナトリウム1.21gにてpH4.5に調整しさらに濃縮し、濃縮物158.9g(参考品8:Bx62.0°、固形分51.2%、クロロゲン酸17.5%、カフェイン5.54%)を得た。参考品8に水333.7gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は20.0°であった。希釈液(温度20℃)をNo.2濾紙(90mm)(ADVANTEC東洋濾紙株式会社製)にケイソウ土10gをプレコートしたヌッチェにて吸引濾過し、濾液473.4gを得た。 得られた濾液をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物138.4g(本発明品20:Bx68.1°、固形分56.9%、クロロゲン酸20.6%、カフェイン5.92%)を得た。
実施例22と同様にして283.2gの参考品7を得た。参考品7に、水104.2gを添加し、良く混合した。このときの希釈液のBx(20℃)は50.0°であった。希釈液(温度20℃)を3000×Gの重力加速度で10分間遠心分離したが、沈降物はほとんど得られず、希釈液から除去される成分はほとんどなかった。上清をロータリーエバポレーターにてBx68°まで濃縮し、濃縮物278.4g(比較品4:Bx68.1°、固形分56.9%、クロロゲン酸18.4%、カフェイン5.63%)を得た。
前記表1に示した配合にてビタミン入り果汁・野菜ドリンク(果汁および野菜汁合計15%)用調合液を調整した。これに本発明品16〜20、比較品4、参考品7または参考品8を飲料中のクロロゲン酸含量として60mg/100mlとなるように添加し、137℃、30秒間加熱殺菌後、88℃まで冷却し500mlペットボトルに充填し、2分保持後、室温(25℃)まで冷却し、飲料とした。
得られた飲料を70℃、7日間保存し、沈殿発生状況を目視にて確認した。結果を表10に示す。
− :沈殿は発生していない
± :僅かに沈殿が発生している
+ :沈殿が発生している
++:沈殿が多量に発生している
表10における本発明品は、高濃度濃縮生コーヒー豆抽出物を、酸性条件下、エタノール水溶液またはエタノールにて抽出し、エタノール抽出液を濃縮し、濃縮物に水を添加した後、希釈液を濾過または遠心分離した精製生コーヒー豆抽出物である。一方、比較品および参考品は、本発明品に対し、エタノール抽出液の濃縮物に水を添加した希釈液を濾過等する工程を行っていない生コーヒー豆抽出物である。表10に示した飲料では、これらの発明品、比較品または参考品をクロロゲン酸濃度として同一となるように添加した。その結果、表10に示した通り、本発明品を添加した飲料は比較品または参考品を添加した飲料と比べて、70℃、7日間保存後における沈殿発生量が明らかに少なく、生コーヒー豆抽出物無添加の飲料と同程度の結果であった。このことより、エタノール抽出液の濃縮物に水を添加した希釈液を濾過等する工程が飲料に添加した場合の保存後の沈殿発生防止に著しい効果があるものと認められた。
実施例21と全く同様の方法で紅茶抽出液1を得た。(27.8Kg、Bx1.1°、pH5.15)。紅茶抽出液1を273g秤量し(飲料1000g 処方で紅茶エキス由来のBx0.3°)、これに、本発明品16〜20、比較品4、参考品7または参考品8を飲料中のクロロゲン酸含量として100mg/100gとなるように添加し、さらにショ糖を61gを添加し完全に溶解した後、重曹を加えpHを6.9 に調整し、さらに水を加えて、全体を1000gとした。90℃に昇温後、190gずつ缶に充填し、レトルト殺菌を行い(124℃、20分間、F=39)缶入り紅茶飲料を得た。
得られた紅茶飲料を70℃、7日間保存し、20℃冷却後、スピッツ管を使用し、重力加速度1500×Gにて10分間遠心分離し、沈殿量(容量)を測定した。それぞれの保存前後の沈殿量を表11に示す。
実施例28において、紅茶抽出液1に替えて水を使用する以外は実施例28と全く同様に、本発明品16〜20、比較品4、参考品7または参考品8の精製生コーヒー豆抽出物を添加し飲料を調整し、沈殿の確認を行った。
すなわち、水434.8gを用意し、これに本発明品16〜20、比較品4、参考品7または参考品8を希釈時のクロロゲン酸含量として100mg/100gとなるように添加し、さらにショ糖を61gを添加し完全に溶解した後、重曹を加えpHを6.9 に調整し、さらに水を加えて、全体を1000gとした。90℃に昇温後、190gずつ缶に充填し、レトルト殺菌を行い(124℃、20分間、F=39)缶入り飲料を得た。
得られた飲料を70℃、7日間保存し、20℃冷却後、スピッツ管を使用し、重力加速度1500×Gにて10分間遠心分離し、沈殿量(容量)を測定した。それぞれの保存前後の沈殿量を表12に示す。
Claims (3)
- 精製植物エキスの製造方法であって、
(工程1)植物エキスの濃縮物を、pH1〜4.5の酸性条件下、エタノール水溶液またはエタノールにて抽出する工程、
(工程2)工程1で得られた抽出液を、屈折糖度(20℃)でBx50°〜Bx80°の範囲内まで濃縮する工程、
(工程3)工程2で得られた濃縮物に水を添加して、屈折糖度(20℃)でBx5°〜45°となるように希釈する工程、
(工程4)工程3で得られた希釈液を濾過または遠心分離する工程、
を順に行うことを特徴とする精製植物エキスの製造方法。 - 植物エキスの濃縮物が植物原料を水または水とエタノールの混液で抽出し、濃縮したものであることを特徴とする請求項1に記載の精製植物エキスの製造方法。
- 植物エキスの濃縮物の水分含量が50%以下であり、かつ、エタノール水溶液またはエタノールにおける水/エタノールの重量比が50/50〜0/100であることを特徴とする請求項1または2に記載の精製植物エキスの製造方法。
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