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JP5190565B1 - 斜溝を持つ靴底 - Google Patents

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JP5190565B1
JP5190565B1 JP2012549196A JP2012549196A JP5190565B1 JP 5190565 B1 JP5190565 B1 JP 5190565B1 JP 2012549196 A JP2012549196 A JP 2012549196A JP 2012549196 A JP2012549196 A JP 2012549196A JP 5190565 B1 JP5190565 B1 JP 5190565B1
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

路面に接地する接地面を持つアウトソールと、アウトソールの上に配置されたミッドソールとを備えた靴底において、ミッドソールは後足部の中央部およびアーチ部において露出しており、靴底の後足部の中央部および外側部には、後足部において後足部の外側の外縁まで斜めの前後方向に延びる斜溝が形成されており、母趾球と小趾球との中点と踵の中心とを結んだ長軸と斜溝の仮想の中心ラインとのなす角βが12°〜35°の範囲に設定され、中心ラインと前記長軸との仮想の交点が靴底の長軸上の全長に対し後端から21%〜43%の範囲に設定され、交点よりも前方の内側まで延びている。
【選択図】図1

Description

本発明は斜溝を持つ靴底に関する。
従来より、斜溝を持つ靴底は公知である。(特許文献1)
JP2008−620 A(図4、図10(b)) JP H07−236503 A
周知のとおり、靴底は軽量で、踵部の外反を抑制でき、かつ、踵部の衝撃緩衡を図る機能が求められる。
しかし、斜溝を靴底に形成するだけでは前記機能を十分に発揮し得ない。
したがって、本発明の目的は適切な斜溝を形成することで、前記各機能を発揮させることである。
本発明は、1つの局面において、路面に接地する接地面を持つアウトソール1と、前記アウトソール1の上に配置されたミッドソール2とを備えた靴底において、
前記靴底の後足部Rの中央部および外側部には、前記後足部Rにおいて前記後足部Rの外側の外縁まで斜めの前後方向に延びる斜溝4が形成されており、
母趾球O1と小趾球O5との中点O3と踵の中心O4とを結んだ長軸A2と前記斜溝4の仮想の中心ラインLcとのなす角βが12°〜35°の範囲に設定され、
前記中心ラインLcと前記長軸A2との仮想の交点Oが靴底の前記長軸A2上の全長に対し後端から21%〜43%の範囲に設定され、前記交点Oよりも前方の内側まで延びている。
本発明は、別の局面において、路面に接地する接地面を持つアウトソール1と、前記アウトソール1の上に配置されたミッドソール2とを備え、前足部F、アーチ部Mおよび後足部Rにおいて足を支持する靴底において、
前記アウトソール1は、前記アーチ部Mを覆わず前記前足部Fおよび後足部Rに分かれて配置され、かつ、前記後足部Rにおいて足の内側INおよび外側OUTの中央部Rcが欠損したU字状に形成され、
前記ミッドソール2は前記後足部Rの前記中央部Rcおよび前記アーチ部Mにおいて露出しており、
前記ミッドソール2の後足部Rの前記中央部Rcおよびアウトソール1の後足部Rの外側部11には、前記後足部Rにおいて前記後足部Rの外側OUTの外縁まで斜めの前後方向に延びる斜溝4が形成されており、
母趾球O1と小趾球O2との中点O3と踵の中心O5とを結んだ長軸A2と前記斜溝4の仮想の中心ラインLcとのなす角βが12°〜35°の範囲に設定され、
前記中心ラインLcと前記長軸A2との仮想の交点Oが前記アーチ部Mの後半部Mbから前記後足部Rの前半部Rfまでの領域に配置されている。
踵部の外反は、距骨下関節軸A1まわりに足が回転する(捩れる)ことにより生じる。前記距骨下関節軸A1は水平面内において、足部の解剖学的な前記長軸A2に対し斜めに傾いている。この傾き角度は、V.T Inman(1969)によれば平均23°で、個人差もあるため±11°程度の幅を持つ。したがって、踵部の外反の抑制には前記23°±11°に傾いた距骨下関節軸A1まわりの回転が小さくなるよう、ソールのねじれ剛性を保つことが重要である。
一般に、ねじりの軸上に溝が存在しても、その軸まわりでのねじれ剛性は溝がない場合と殆ど変わらない。そのため、本発明では斜溝4の存在により距骨下関節軸A1のまわりの剛性は殆ど低下せず、ねじれに対する安定性が保たれる。
しかし、距骨下関節軸A1の位置をソールの形状から特定することは著しい困難を伴う。そこで、本発明においては、距骨下関節軸A1で発明を定義せずに、斜溝4のソールに対する位置、つまり前記交点Oの位置で定義した。
すなわち、1つの局面においては、前記交点Oの位置を靴底の後端からの寸法で定義し、一方、別の局面においては、前記交点Oの位置を靴底のアーチ部Mおよび後足部Rにおける位置によって定義した。
本明細書において、アーチ部Mとはアウトソール1が設けられていない中足の部位をいい、後足部Rとはアーチ部Mよりも後方の部位をいう。
本発明では斜溝4がソールの後足外側の外周まで達している。そのため、後足外側におけるソールの圧縮剛性は低下するものと考えられる。踵は後足外側から接地するが、踵が接地した直後には斜溝4がない場合に比べると、後足の外側が大きく圧縮変形し、ソール上面が傾くことが予想される。この傾きは外反とは反対の傾きであり、それにより、踵部の外反角度は、斜溝4がない場合に比較して小さいであろう。
また、前記後足外側の大きな変形により、衝撃緩衝性も向上する。
また、アウトソール1の欠損した中央部Rcおよびアーチ部Mに加え、距骨下関節軸A1に沿った斜溝4により、ソールの軽量化が図られる。
したがって、軽量化を実現しつつ、踵部の外反を抑制し、かつ、踵部の衝撃緩衝も向上する。
ここで、クレームされた斜溝4の配置により、斜溝4は、U字状(馬蹄形)のアウトソール1の後足部の外側を12°〜35°の角βで斜めに横切る。そのため、U字状で面積の小さいアウトソール1の外側における前記斜溝4の長さが長い。すなわち、U字状で面積の小さいアウトソール1に長い斜溝4が形成されている。したがって、前記軽量で、外反抑制および衝撃緩衝の効果が高い。
前記角βは本来23°に設定されるべきところ、当該23°では斜溝4の前端が母趾球O1の近傍に向かって延び、そのため、前足部Fの内側に斜溝4が形成される。そのような事態を避けるため角βは20°〜35°程度が好ましいかもしれない。なお、角βを23°+11°=34°よりも1°大きい35°以下とした理由は測定誤差を考慮したためである。
また、アウトソール1は後足部Rの中央部Rcが欠損したU字状であるから、中央部Rcが欠損していることによっても前記軽量化が図られる。ここで、前記中央部Rcにはミッドソール2に斜溝4が形成されている。したがって、ミッドソール2も前記ねじれ剛性に寄与しつつ、前記軽量化等が図られる。
図1は本発明の一実施例にかかる靴を底面の後方から見た斜視図である。 図2は同靴を底面の外側から見た斜視図である。 図3は靴底の底面図である。 図4は同靴底の底面図である。 図5は同靴底のアーチ部および後足部の拡大底面図である。 図6は足の骨格を示す平面図である。 図7Aは図3のVIIA−VIIA線断面図、図7Bは図3のVIIB−VIIB線断面図である。 図8A〜図8Cは別の実施例にかかり、図8Aはアーチ部における靴底の断面図、図8Bは後足部の前半部における同靴底の断面図、図8Cは後足部の後端における同靴底の断面図である。 図9は更に別の実施例を示す靴底の底面図である。
好ましくは、前記斜溝4は前記交点Oよりも前方の前方部4Fと、前記交点Oよりも後方の後方部4Bと有し、
前記後方部4Bの斜溝4の容積が前記前方部4Fの斜溝4の容積よりも大きい。
この場合、斜溝4の容積が大きい後方部4Bにおいては比較的変形が大きく、ミッドソール2の上面が沈み易く、したがって、着地のファーストストライクの衝撃を緩衡し易い。一方、斜溝4の容積が小さい前方部4Fにおいてはミッドソール2の上面が沈みにくく、足のアーチの内側で重心が滞留しにくい。
好ましくは、斜溝4は靴底の内側の縁まで延びていない。
この場合、ミッドソール2はアーチ部Mないし中足部において上面が沈みにくいだろう。
好ましくは、アウトソール1の斜溝4は斜後方に向かって末広がりに形成される。
この場合、前述と同様にファーストストライクの衝撃を緩衡し易く、かつ、足のアーチの内側で重心が滞留しにくい。
好ましくは、前記斜溝4に直交する方向に延びる横断溝5を更に備える。
かかる横断溝5はアウトソール1を足の外側において分断し、足の外側におけるアウトソール1やミッドソール2の変形を促すだろう。
好ましくは、前記アウトソール1は、前足部Fと後足部Rとの間のアーチ部Mを覆わず前足部Fおよび後足部Rに分かれて配置され、
前記ミッドソール2のアーチ部Mの下面には樹脂の非発泡体で形成された強化部材3が付着されており、
前記強化部材3は前記斜溝4と概ね平行に延びる斜め部31を有し、この斜め部31は前記斜溝4の前方において前記斜溝4に接近して配置されている。
この場合、アーチ部Mまたはその近傍の斜溝4によるアーチ部Mの低下を強化部材3の斜め部31で抑制できるだろう。
好ましくは、前記仮想の交点Oの位置が前記中央部Rcの図心Gよりも前方に配置されている。
かかる配置により、斜溝4が距骨下関節軸A1上またはその近傍に配置される。
好ましくは、前記ミッドソール2の後足部Rの中央部Rcに形成された斜溝4は一対の互いに対面する第1および第2の縁のラインL1,L2で定義され、
前記アウトソール1に形成された斜溝4は、一対の互いに対面する第3および第4の縁のラインL3,L4で定義され、
前記第3および第4の縁のラインL3,L4が、それぞれ、前記第1および第2の縁のラインL1,L2に概ね平行であるか、あるいは、第1および第2の縁のラインL1,L2が形成する角よりも大きな角で末広がりに形成されている。
この場合、ミッドソール2とアウトソール1の斜溝4が協働し、本発明の効果が高まる。
好ましくは、前記斜溝4は前記アーチ部Mのミッドソール2の内側部20にまで延びて形成され、前記アーチ部Mの斜溝4の前記中心ラインLcに直交する横断面積の平均値は前記ミッドソール2の後足部Rの中央部Rcの斜溝4のそれよりも小さい。
好ましくは、前記斜溝4は前記アーチ部Mのミッドソール2の内側部20の縁まで延びておらず、かつ、前記アーチ部Mの前端よりも後方に前記斜溝4の先端が配置されている。
これらの場合、アーチ部Mの内側において斜溝4の横断面積が小さいか、あるいは、斜溝4がアーチ部Mの内側の縁まで延びておらず、アーチ部Mの内側におけるミッドソール上面の沈下が小さい。そのため、足の外反を抑制し得ると共に、重心がアーチ部Mの内側において滞留したりするのを抑制し得る。
好ましくは、前記アウトソール1の斜溝4は後方に向かって末広がりに形成されている。
好ましくは、前記斜溝4に対し、直交する横断溝を更に備える。
好ましくは、前記ミッドソール2のアーチ部Mの下面には樹脂の非発泡体で形成された強化部材3が付着されており、
前記強化部材3は前記斜溝4と概ね平行に延びる斜め部31を有し、この斜め部31は前記斜溝4の前方において前記斜溝4に接近して配置されている。
この場合、アーチ部Mまたはその近傍の斜溝4によるアーチ部Mの低下を強化部材3の斜め部31で抑制できるだろう。
好ましくは、前記斜め部31は前記前足部Fまで延びている。
この場合、過度なソールの屈曲を防ぎ、効率的な走行が可能となる。
好ましくは、前記強化部材3は前記アーチ部Mにおいて前記ミッドソール2の外側に沿って延びる外側部32を更に備え、
前記外側部32と前記斜め部31との間において前記ミッドソール2の下面が露出する。
この場合、強化部材3の軽量化を図り得る。
本発明はある局面において、路面に接地する接地面を持つアウトソール1と、前記アウトソール1の上に配置されたミッドソール2とを備え、前足部F、アーチ部Mおよび後足部Rにおいて足を支持する靴底において、
前記アウトソール1は、前記アーチ部Mを覆わず前記前足部Fおよび後足部Rに分かれて配置され、
前記ミッドソール2およびアウトソール1には、前記後足部Rにおいて前記後足部Rの外側の外縁まで斜めの前後方向に延びる斜溝4が形成されており、
母趾球O1と小趾球O5との中点O3と踵の中心とを結んだ長軸A2と前記斜溝4の仮想の中心ラインLcとのなす角βが12°〜35°の範囲に設定され、
前記中心ラインLcと前記長軸A2との仮想の交点Oが前記アーチ部Mの後半部Mbから前記後足部Rの前半部Rfまでの領域に配置され、
前記ミッドソール2のアーチ部Mの下面には樹脂の非発泡体で形成された強化部材3が付着されており、
前記強化部材3は前記斜溝4と概ね平行に延びる斜め部31を有し、この斜め部31は前記斜溝4の前方において前記斜溝4に接近して配置されている。
この局面においては、アーチ部Mまたはその近傍の斜溝4によるアーチ部Mの低下を強化部材3の斜め部31で抑制できるだろう。
好ましくは、前記斜め部31は前記前足部Fまで延びている。
この場合、過度なソールの屈曲を防ぎ、効率的な走行が可能となる。
好ましくは、前記強化部材3は前記アーチ部Mにおいて前記ミッドソール2の外側に沿って延びる外側部32を更に備え、
前記外側部32と前記斜め部31との間において前記ミッドソール2の下面が露出する。
この場合、強化部材3の軽量化が図られる。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。本発明の範囲は請求の範囲によってのみ定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
以下、本発明の一実施例が図面にしたがって説明される。
図1および図2に示すように、靴底はアウトソール1およびミッドソール2を備えている。なお、図1〜図5においてはアウトソール1の接地面に形成された微細な溝(いわゆる意匠)は、省略されている。
図3の規則正しい網点で示すように、アウトソール1は前足部Fおよび後足部Rに配置されている。アウトソール1は例えばゴムの発泡体又は非発泡体で形成され、路面と接する接地面1s(図7A)を有している。なお、図3において、アウトソール1には規則正しい大きい網点が施されている。
ミッドソール2は、例えばEVAなどの樹脂の発泡体で形成され、図2に示すように、アウトソール1の上に配置され、着地の衝撃を緩和するものである。そのため、ミッドソール2はアウトソール1よりも厚く形成されている。
図1〜図3に示すように、ミッドソール2の下面2u(図7A)には、後述する斜溝4および横断溝5が設けられ、複数個のパーツに分離された前記アウトソール1が設けられている。これらの図に示すように、前記ミッドソール2は後足部Rの中央部Rcおよび/またはアーチ部Mにおいて露出していてもよい。
図3に明示するように、前記アウトソール1は、前記アーチ部Mを覆わず前記前足部Fおよび後足部Rに分かれて配置され、かつ、前記後足部Rにおいて中央部Rcが欠損したU字状に形成されている。すなわち、後足部Rの中央部Rcにはミッドソール2の表面にアウトソール1が設けられていない。
ここで、「アウトソール1の中央部Rcが欠損したU字状」とは、アウトソール1が複数の斜溝4および横断溝5により後足部Rにおいて複数のパーツに分離されていることを含み、更に、中央部Rcにはアウトソール1が設けられておらず、かつ、後足部Rの前端においてアウトソール1が斜溝4で内外に分断されていることを意味する。
なお、中央部Rcのだ円形状の領域においてミッドソール2は若干、凹んでいてもよい。
図1〜図3において、前記斜溝4および横断溝5の底面には規則正しくない細かい網点が施されている。
ミッドソール2のアーチ部Mの内側部20、前記ミッドソール2の後足部Rの中央部Rcおよびアウトソール1の外側部11において、斜溝4は前記アーチ部Mの内側INの内縁から前記後足部Rの外側OUTの外縁まで斜めの前後方向に延びる。
前記斜溝4の前記中央部Rcにおける最深部の深さは、例えば、5mm〜10mm程度が好ましく、また、前記斜溝4の前記外側部11における最深部の深さは、例えば、5mm〜15mm程度が好ましい。深さが小さすぎると軽量化などの効果が十分に得られず、一方、深さが大きすぎると足の安定した支持が得られないからである。
前記斜溝4の前記中央部Rcにおける幅は、横断溝5の部位を除くと、例えば、5mm〜15mm程度が好ましい。溝の幅が大きすぎると、ねじれ剛性の低下が大きくなり、一方、溝の幅が小さいと軽量化などの効果が得られないからである。
図9に示すように、斜溝4はアーチ部Mにおいて内側INの内縁まで延びていなくてもよい。前記斜溝4が前記アーチ部Mのミッドソール2の内側部20まで延びていない場合、前記アーチ部Mまたは前記後足部Rの前端よりも後方に前記斜溝4の前端が配置されていてもよい。
図6において、距骨下関節軸A1と長軸A2とのなす角αは23°±11°であるといわれている。ここで、前記長軸A2は、母趾球O1の中心と小趾球O5の中心との中点O3と踵の中心O4とを結んだ直線で表される。
一方、前記距骨下関節軸A1は距骨頭O6と踵骨外側結節O7とを結んだ直線で表される。
前記斜溝4は前記距骨下関節軸A1に沿って形成されている。すなわち、図5の前記長軸A2と前記斜溝4の仮想の中心ラインLcとのなす角βは12°〜35°の範囲に設定され、たとえば本実施例の場合、約30°に設定されている。
前記中心ラインLcと前記長軸A2との仮想の交点Oは、前記アーチ部Mの後半部から前記後足部Rの前半部Rfまでの領域に配置されている。これを寸法的な割合で表すと、図5の前記仮想の交点Oは靴底の前記長軸A2上の全長に対し後端から21%〜43%の範囲に設定されている。前記斜溝4は前記交点Oよりも前方の内側および後方の外側まで延びている。
本実施例の場合、前記仮想の交点Oの位置は後足部Rの中央部Rcに設けられ、かつ、前記中央部Rcの図心Gよりも前方に配置されている。かかる配置により、斜溝4が距骨下関節軸A1(図6)上に配置される。なお、図心Gとは中央部Rcの平面図形の中心をいう。
前記斜溝4は前記交点Oよりも前方の前方部4Fと、前記交点Oよりも後方の後方部4Bとを有する。前記後方部4Bの斜溝4の容積Vbは前記前方部4Fの斜溝4の容積Vfよりも大きい。
ここで、斜溝4の容積Vb,Vfは斜溝4の横断面積に斜溝4の当該部位の長さを積分した値となる。したがって、例えば前記アーチ部Mの斜溝4は浅くなっており、前記中心ラインLcに直交する横断面積の平均値については図8A〜図8Cに示すように、前記アーチ部Mの斜溝4の横断面積の平均値は、前記ミッドソール2の後足部Rの中央部Rcの斜溝4のそれよりも小さい。
本実施例の場合、図2のアーチ部Mにおいて斜溝4の深さは斜め前方に延びるに従い徐々に浅くなっている。また、図7Aの後足部Rの中央部Rcにおいて斜溝4の断面積が最も大きく、図7Bの後足部Rの後方では斜溝4の断面積が若干小さくてもよい。
図5において、前記ミッドソール2の後足部Rの中央部Rcに形成された斜溝4は一対の互いに平行で対面する第1および第2の縁のラインL1,L2で定義される。一方、前記アウトソール1に形成された斜溝4は、一対の互いに平行で対面する第3および第4の縁のラインL3,L4で定義される。
本実施例の場合、前記第3および第4の縁のラインL3,L4は、それぞれ、前記第1および第2の縁のラインL1,L2に概ね平行であるが、図9に示すように第1および第2の縁のラインL1,L2が形成する角よりも大きな角で末広がりに形成されていてもよい。すなわち、前記アウトソール1の外側部11の斜溝4は斜後方に向かって末広がりに形成されていてもよい。
図5の前記横断溝5は斜溝4に対し直交する方向に延びており、本実施例の場合、横断溝5は斜溝4に直交するように配置されているが、横断溝5と斜溝4となす角は、70°〜90°程度に設定されていてもよい。
前記横断溝5はU字状のアウトソール1の内側部10および外側部11において、前記アウトソール1を複数個に分離している。なお、図9に示すように、前記横断溝5は内側INから外側OUTに延びるに従い幅広に形成されていてもよい。
図4の網点で示すように、前記ミッドソール2のアーチ部Mの下面には樹脂の非発泡体で形成された強化部材3が付着されている。前記強化部材3は前記斜溝4と概ね平行に延びる斜め部31を有し、この斜め部31は前記斜溝4の前方において前記斜溝4に接近して配置されている。前記斜め部31はアーチ部Mから前足部Fの少なくとも後端まで延びていてもよい。
前記強化部材3は前記アーチ部Mにおいて前記ミッドソール2の外側に沿って延びる外側部32を更に備える。前記外側部32と前記斜め部31との間において前記ミッドソール2の下面である露出部22が露出する。
前記斜め部31と外側部32との間には両者31,32を連結する連結部33が架設されている。すなわち前記ミッドソール2の露出部22は前記斜め部31、外側部32および連結部33に囲まれた領域において露出している。
前記斜め部31は斜溝4の上方において斜溝4に沿って配置されていればよく、したがって、図9のように、アーチ部Mの概ね全域を覆う強化部材3にも斜め部31が存在する。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、アウトソール1は前足部Fから後足部Rまでの概ね全長にわたって、かつ、全域に設けられていてもよい。更に、アーチ部Mや後足部Rにおいてミッドソール2は露出していなくてもよい。強化部材3や横断溝5は設けなくてもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
本発明はランニングなどの種々のアスレチックシューズに利用できる。
1:アウトソール 1s:接地面 10:内側部 11:外側部
2:ミッドソール 2u:下面 20:内側部 22:露出部
3:強化部材 31:斜め部 32:外側部 33:連結部
4:斜溝 4F:前方部 4B:後方部
5:横断溝
A1:距骨下関節軸 A2:長軸
Lc:中心ライン L1〜L4:第1〜第4ライン
F:前足部
R:後足部 Rc:中央部 Rf:前半部
M:アーチ部 Mb:後半部
O:交点
O1:母趾球 O2:小趾球
IN:内側 OUT:外側
α,β:角

Claims (19)

  1. 路面に接地する接地面を持つアウトソール1と、前記アウトソール1の上に配置されたミッドソール2とを備えた靴底において、
    前記靴底の後足部Rの中央部および外側部には、前記後足部Rにおいて前記後足部Rの外側の外縁まで斜めの前後方向に延びる斜溝4が形成されており、
    母趾球O1と小趾球O5との中点O3と踵の中心O4とを結んだ長軸A2と前記斜溝4の仮想の中心ラインLcとのなす角βが12°〜35°の範囲に設定され、
    前記中心ラインLcと前記長軸A2との仮想の交点Oが靴底の前記長軸A2上の全長に対し後端から21%〜43%の範囲に設定され、前記交点Oよりも前方の内側まで延びている。
  2. 請求項1の靴底において、前記斜溝4は前記交点Oよりも前方の前方部4Fと、前記交点Oよりも後方の後方部4Bと有し、
    前記後方部4Bの斜溝4の容積が前記前方部4Fの斜溝4の容積よりも大きい。
  3. 請求項1もしくは2の靴底において、前記斜溝4は靴底の内側の縁まで延びていない。
  4. 請求項1、2もしくは3の靴底において、前記アウトソール1の斜溝4は斜後方に向かって末広がりに形成されている。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項の靴底において、前記斜溝4に対し直交する方向に延びる横断溝5を更に備える。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項の靴底において、
    前記アウトソール1は、前足部Fと前記後足部Rとの間のアーチ部Mを覆わず前記前足部Fおよび前記後足部Rに分かれて配置され、
    前記ミッドソール2のアーチ部Mの下面には樹脂の非発泡体で形成された強化部材3が付着されており、
    前記強化部材3は前記斜溝4と概ね平行に延びる斜め部31を有し、この斜め部31は前記斜溝4の前方において前記斜溝4に接近して配置されている。
  7. 路面に接地する接地面を持つアウトソール1と、前記アウトソール1の上に配置されたミッドソール2とを備え、前足部F、アーチ部Mおよび後足部Rにおいて足を支持する靴底において、
    前記アウトソール1は、前記アーチ部Mを覆わず前記前足部Fおよび後足部Rに分かれて配置され、かつ、前記後足部Rにおいて足の内側INおよび外側OUTの中央部Rcが欠損したU字状に形成され、
    前記ミッドソール2は前記後足部Rの前記中央部Rcおよび前記アーチ部Mにおいて露出しており、
    前記ミッドソール2の後足部Rの前記中央部Rcおよびアウトソール1の後足部Rの外側部11には、前記後足部Rにおいて前記後足部Rの外側OUTの外縁まで斜めの前後方向に延びる斜溝4が形成されており、
    母趾球O1と小趾球O2との中点O3と踵の中心O5とを結んだ長軸A2と前記斜溝4の仮想の中心ラインLcとのなす角βが12°〜35°の範囲に設定され、
    前記中心ラインLcと前記長軸A2との仮想の交点Oが前記アーチ部Mの後半部Mbから前記後足部Rの前半部Rfまでの領域に配置されている。
  8. 請求項7の靴において、前記仮想の交点Oの位置が前記中央部Rcの図心Gよりも前方に配置されている。
  9. 請求項8の靴において、前記ミッドソール2の後足部Rの中央部Rcに形成された前記斜溝4は一対の互いに対面する第1および第2の縁のラインL1,L2で定義され、
    前記アウトソール1に形成された前記斜溝4は、一対の互いに対面する第3および第4の縁のラインL3,L4で定義され、
    前記第3および第4の縁のラインL3,L4が、それぞれ、前記第1および第2の縁のラインL1,L2に概ね平行であるか、あるいは、前記第1および第2の縁のラインL1,L2が形成する角よりも大きな角で末広がりに形成されている。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項の靴底において、前記斜溝4は前記アーチ部Mのミッドソール2の内側部20にまで延びて形成され、前記アーチ部Mの斜溝4の前記中心ラインLcに直交する横断面積の平均値は前記ミッドソール2の後足部Rの中央部Rcの斜溝4のそれよりも小さい。
  11. 請求項7〜9のいずれか1項の靴底において、前記斜溝4は前記アーチ部Mのミッドソール2の内側部20の縁まで延びておらず、かつ、前記アーチ部Mの前端よりも後方に前記斜溝4の先端が配置されている。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項の靴底において、前記アウトソール1の前記斜溝4は斜後方に向かって末広がりに形成されている。
  13. 請求項7〜12のいずれかの1項の靴底において、前記斜溝4に対し、直交する横断溝を更に備える。
  14. 請求項7〜13のいずれか1項の靴底において、前記ミッドソール2のアーチ部Mの下面には樹脂の非発泡体で形成された強化部材3が付着されており、
    前記強化部材3は前記斜溝4と概ね平行に延びる斜め部31を有し、この斜め部31は前記斜溝4の前方において前記斜溝4に接近して配置されている。
  15. 請求項14の靴底において、前記斜め部31は前記前足部Fまで延びている。
  16. 請求項15の靴底において、前記強化部材3は前記アーチ部Mにおいて前記ミッドソール2の外側の縁に沿って延びる外側部32を更に備え、
    前記外側部32と前記斜め部31との間において前記ミッドソール2の下面が露出する。
  17. 路面に接地する接地面を持つアウトソール1と、前記アウトソール1の上に配置されたミッドソール2とを備え、前足部F、アーチ部Mおよび後足部Rにおいて足を支持する靴底において、
    前記アウトソール1は、前記アーチ部Mを覆わず前記前足部Fおよび前記後足部Rに分かれて配置され、
    前記ミッドソール2および前記アウトソール1には、前記後足部Rにおいて前記後足部Rの外側の外縁まで斜めの前後方向に延びる斜溝4が形成されており、
    母趾球O1と小趾球O5との中点O3と踵の中心とを結んだ長軸A2と前記斜溝4の仮想の中心ラインLcとのなす角βが12°〜35°の範囲に設定され、
    前記中心ラインLcと前記長軸A2との仮想の交点Oが前記アーチ部Mの後半部Mbから前記後足部Rの前半部Rfまでの領域に配置され、
    前記ミッドソール2のアーチ部Mの下面には樹脂の非発泡体で形成された強化部材3が付着されており、
    前記強化部材3は前記斜溝4と概ね平行に延びる斜め部31を有し、この斜め部31は前記斜溝4の前方において前記斜溝4に接近して配置されている。
  18. 請求項17において、前記斜め部31は前記前足部Fまで延びている。
  19. 請求項18において、前記強化部材3は前記アーチ部Mにおいて前記ミッドソール2の外側に沿って延びる外側部32を更に備え、
    前記外側部32と前記斜め部31との間において前記ミッドソール2の下面が露出する。
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