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JP5163455B2 - エレベータの乗客救出装置 - Google Patents

エレベータの乗客救出装置 Download PDF

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JP5163455B2 JP2008306927A JP2008306927A JP5163455B2 JP 5163455 B2 JP5163455 B2 JP 5163455B2 JP 2008306927 A JP2008306927 A JP 2008306927A JP 2008306927 A JP2008306927 A JP 2008306927A JP 5163455 B2 JP5163455 B2 JP 5163455B2
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Description

この発明は、トラクション式エレベータのかご内に閉じ込められた乗客を救出する際に使用されるエレベータの乗客救出装置に関するものである。
トラクション式エレベータにおいて停電や故障等が発生し、エレベータのかごが昇降路内で停止すると、乗客はかごから出ることができず、いわゆる閉じ込めが発生する。かかる場合、かご内の乗客から通報を受けたエレベータ保守員等は、閉じ込めが発生したエレベータの現場に到着すると、通常、エレベータ巻上機のブレーキ装置を強制的に解放することにより、主ロープのかご側に作用する重量とつり合いおもり側に作用する重量との差を利用して、かごを最寄り階の乗場まで走行させ、乗客を救出している。
しかし、かごが昇降路内で停止した際に、主ロープに作用するかご側重量とつり合いおもり側重量とが均衡していると、保守員等がブレーキ装置を解放してもかごが動くことはなく、乗客を救出することができない。このため、従来では、このような事態が発生すると、図8に示す以下の方法によって乗客の救出を行っていた。なお、図8はかご内に閉じ込められた乗客を救出する従来の方法を説明するための図である。図8において、18はエレベータのかごに連動して移動するガバナロープ、34はガバナロープ18に取り付けられたロープ把持具、35はロープ把持具34に取り付けられたアンバランスおもりを示している。
かご内に閉じ込められた乗客からの通報を受けたエレベータ保守員は、現場に到着すると、先ず、昇降路1のピットに進入して、ガバナロープ18にロープ把持具34を、また、このロープ把持具34にアンバランスおもり35を取り付ける。即ち、アンバランスおもり35の重量をガバナロープ18の一側に作用させることにより、主ロープに作用するかご側重量とつり合いおもり側重量との間に、強制的に不均衡な状態を作り出す。そして、上記不均衡状態を維持したまま巻上機のブレーキ装置を解放し、かごを上昇或いは下降させる。なお、アンバランスおもり35がピットの底面に接触する等してかごの移動が停止すると、ロープ把持具34とアンバランスおもり35とをガバナロープ18の上方に付け直して再びかごを移動させていた。
また、エレベータのかご内に閉じ込められた乗客を救出するための従来技術として、昇降路内で索状体を主ロープに連結した後、この索状体を乗場側から引っ張ることにより、かごを最寄り階まで移動させるようにしたものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−201074号公報
図8に示す従来の乗客救出方法では、かごが最寄り階の乗場に到着するまで、ロープ把持具34とアンバランスおもり35とを何度も付け替える必要があった。このため、この付け替え作業に多大な手間と時間とが必要になり、作業性が悪く、且つ迅速な救出が困難になるといった問題があった。
また、特許文献1に記載のものでは、索状体の取り付けや索状体の方向を転換するための滑車の設置等、かごを移動させるまでの前作業に時間が掛かるといった問題があった。このため、例えば、かごがドアゾーン(ドアの開閉可能位置)の近傍に停止している等、かごを僅かに移動させれば乗客を救出することができる場合であっても、保守員が現場に到着してから実際に乗客を救出するまでに長時間を要してしまうことがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、エレベータのかご内に乗客が閉じ込められ、エレベータ巻上機のブレーキ装置を解放させてもかごが走行しない場合に、簡単な操作で且つ迅速に乗客を救出することができるエレベータの乗客救出装置を提供することである。
この発明に係るエレベータの乗客救出装置は、エレベータのかごに乗客が閉じ込められた際に、かごの昇降動作に連動するエレベータロープを強制的に移動させて、かごを上昇或いは下降させるエレベータの乗客救出装置であって、エレベータロープが巻き掛けられた滑車の綱溝に上記エレベータロープを押し付けるための押付具と、滑車の一部に係合するための係合体と、一端部側に係合体が、中間部に押付具が設けられたレバーと、を備え、上記レバーは、係合体が滑車の一部に係合し、且つ、押付具がエレベータロープに接触した状態で、その他端部側が所定の方向に付勢されることにより、押付具によってエレベータロープを滑車の綱溝に押し付けた状態のまま、滑車を所定の方向に付勢して回転させるものである。
この発明によれば、エレベータのかご内に乗客が閉じ込められ、エレベータ巻上機のブレーキ装置を解放させてもかごが走行しない場合に、簡単な操作で且つ迅速に乗客を救出することができるようになる。
この発明をより詳細に説明するため、添付の図面に従ってこれを説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
先ず、図1に基づき、トラクション式エレベータの構成について具体的に説明する。
図1はトラクション式エレベータの基本構成を示す図である。図1において、1はエレベータの昇降路、2は昇降路1内を昇降するエレベータのかご、3は昇降路1内をかご2とは互いに逆方向に昇降するつり合いおもり、4はかご2とつり合いおもり3とを釣瓶式に懸架する主ロープである。主ロープ4は、昇降路1のピットに設置された巻上機5の駆動綱車6にその一部が巻き掛けられており、駆動綱車6の回動に連動して移動する。即ち、巻上機5によって駆動綱車6が駆動されることにより、かご2(及び、つり合いおもり3)は昇降路1内を昇降する。
具体的に、主ロープ4は、一端部が昇降路1の頂部に設置された支持梁7に弾性的に連結されている。そして、主ロープ4は、上記一端部側から、かご2下部の返し車8及び9、支持梁7に設けられた返し車10、上記駆動綱車6、支持梁7に設けられた返し車11、つり合いおもり3の吊り車12に順次巻き掛けられ、他端部が上記支持梁7に弾性的に連結されている。即ち、図1はかご2とつり合いおもり3とが2:1ローピング方式で懸架されている場合を一例として示している。
また、巻上機5は、上記駆動綱車6、この駆動綱車6を回転駆動するための電動機13、駆動綱車6の回動を阻止してかご2の静止を保持するブレーキ装置14によってその要部が構成される。
つり合いおもり3は、かご2を昇降させる際に必要な巻上機5の負担を軽減させるために備えられたものである。このつり合いおもり3は、例えば、かご2に定員の半分の乗客が乗った時に、主ロープ4に作用するかご2側重量とつり合いおもり3側重量とがほぼ等しくなるように、その重量が設定されている。
15はかご2の昇降速度を常時監視し、かご2が所定の過速状態となった際にかご2を非常停止させるための調速機である。この調速機15は、例えば、調速用の綱車16、張り車17、ガバナロープ18、アーム19、調速部(図示せず)によりその要部が構成される。
ガバナロープ18は無端状を呈しており、昇降路1の頂部に回動自在に設けられた綱車16と昇降路1のピットに回動自在に設けられた張り車17とに巻き掛けられている。また、アーム19は、ガバナロープ18をかご2の昇降動作に連動させる機能を有しており、かご2とガバナロープ18とに連結されている。即ち、かご2の昇降動作に伴いガバナロープ18が移動し、綱車16がかご2の昇降方向に応じた方向に回転する。そして、調速機15(調速部)は、この綱車16の回転速度に基づきかご2の昇降速度を検出し、かご2が所定の過速状態となった際にかご2を非常停止させるように動作する。
上記構成を有するトラクション式エレベータにおいて閉じ込めが発生すると、乗客から通報を受けたエレベータ保守員は、上述の通り、先ず、巻上機5のブレーキ装置14を強制的に解放して、かご2の移動(走行)を試みる。そして、上記動作によってもかご2が移動しない場合は、図2乃至図4に示す乗客救出装置20を使用して、かご2を最寄り階の乗場まで移動させる。ここで、図2はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの乗客救出装置を用いた乗客の救出方法を説明するための図、図3はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの乗客救出装置を示す平面図、図4はこの発明の実施の形態1におけるエレベータの乗客救出装置を示す正面図である。なお、図2は図1に示すA部に相当する。
図2乃至図4において、乗客救出装置20は、閉じ込め発生時に、かご2の昇降動作に連動するエレベータロープ(本実施の形態においては、ガバナロープ18)を、人為操作によって強制的に移動させるためのものである。具体的に、上記乗客救出装置20は、レバー21、押付具22、固定ピン23によってその要部が構成されている。
レバー21は、例えば、所定の長さを有する棒状部材からなり、中間部に押付具22が、一端部(先端部)に固定ピン23が設けられている。
押付具22は、ガバナロープ18を張り車17の綱溝に押し付けるためのものである。この押付具22は、ガバナロープ18に接触する部分が、その押し付け時に、ガバナロープ18のみに接触して張り車17の綱溝に接触しない所定の形状を呈しており、張り車17に巻き掛けられているガバナロープ18の外形に合わせて、側面視凹状の円弧を呈するように形成されている。また、押付具22は、軸部材24を介してレバー21に回動自在(或いは、揺動自在)に設けられ、ガバナロープ18に対する接触部分が、レバー21の一端部側を向くように配置されている。なお、上記軸部材24は、レバー21の中間部に締結固定されており、その軸方向がレバー21の長手方向と直交するように、レバー21の一側方に突出して配置されている。
固定ピン23は、張り車17の一部に係合する係合体を構成する。本実施の形態では、係合体(固定ピン23)は、張り車17のスポーク17aに一側から接触することによって張り車17に係合する。なお、この固定ピン23は、その軸方向がレバー21の長手方向と直交し、上記軸部材24と同様にレバー21の一側方に突出するように配置されている。即ち、固定ピン23は、押付具22のガバナロープ18に対する接触部分と対向するように配置されている。
次に、上記構成を有する乗客救出装置20の使用方法について具体的に説明する。
エレベータの保守員は、巻上機5のブレーキ装置14を強制的に解放してもかご2が動かない場合、上記乗客救出装置20を図2に示すように張り車17に取り付け、ガバナロープ18を一側に移動させる。なお、図2は、張り車17が、かご2或いはつり合いおもり3の昇降方向を案内するガイドレール25に、取付腕26を介して取り付けられた場合を示したものである。
具体的には、先ず、乗客救出装置20の押付具22を、ガバナロープ18のうち、張り車17の綱溝に巻き掛けられている部分に接触させる。また、押付具22がガバナロープ18に接触する方向とは反対の方向から、乗客救出装置20の固定ピン23を、張り車17の上側に配置されたスポーク17aに接触させる。そして、保守員は、この接触状態を維持したまま、張り車17の側方に突出したレバー21の他端部側を下方(図2に示すa方向)に付勢し、張り車17に対して、レバー21の付勢方向と同じ方向に力を加える。
即ち、図2において、レバー21の他端部側をa方向に付勢することにより、押付具22によってガバナロープ18を張り車17の綱溝に押し付けた状態のまま、張り車17をb方向に付勢して回転させることができる。なお、ガバナロープ18が張り車17の綱溝に押し付けられているため、張り車17がb方向に回転することに伴い、ガバナロープ18がc方向に移動する。そして、このガバナロープ18が移動した方向及び距離に応じて、かご2が上昇或いは下降する。
また、上記作業においては、張り車17のスポーク17aに接触する固定ピン23を支点、押付具22を支持する軸部材24を作用点とするてこの原理によって、レバー21の他端部側を実際に付勢する力よりも大きな力を張り車17に対して作用させることができる。このため、作業員は容易に張り車17を回転させることができ、乗客を救出する際の時間と労力とを大幅に低減させることが可能となる。
そして、保守員は、かご2が最寄り階の乗場に到着する(或いは、かご2がドアゾーンに達する)まで、乗客救出装置20を使用して張り車17を回転させる。その後、かご2が最寄り階の乗場に到着すると、保守員は、乗場側からエレベータのドアを開放して、乗客をかご2内から脱出させる。
なお、かご2が最寄り階の乗場に到着するまでには、乗客救出装置20を張り車17に対して何度も付け替えて、上記動作を繰り返す必要がある。しかし、上記構成の乗客救出装置20であれば、レバー22をa方向に付勢して張り車17をb方向に回転させた後、レバー22の他端部側を反対の方向(図2のd方向)に付勢して僅かに移動させれば、乗客救出装置20を張り車17から簡単に取り外すことができる。また、押付具22と固定ピン23とをそれぞれガバナロープ18とスポーク17aとに接触させることにより、乗客救出装置20を張り車17に対して簡単に取り付けることができる。即ち、乗客救出装置20は、張り車17に対する着脱が容易であり、上記付け替え作業に要する手間と時間とを大幅に低減させることが可能となる。
このため、張り車17に、ガバナロープ18を緊張させるためのおもり等が設置されていることにより、レバー22の1回の回転角度が、例えば、1/4回転程度に限られている場合であっても、作業効率が低下することもなく、迅速な救出が可能となる。
この発明の実施の形態1によれば、エレベータのかご2内に乗客が閉じ込められ、巻上機5のブレーキ装置14を強制解放した際にかご2が走行しない場合であっても、簡単な操作で且つ迅速に乗客を救出することが可能となる。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2におけるエレベータの乗客救出装置を用いた乗客の救出方法を説明するための図、図6はこの発明の実施の形態2におけるエレベータの乗客救出装置を示す平面図、図7はこの発明の実施の形態2におけるエレベータの乗客救出装置を示す正面図である。なお、図5は図1に示すA部に相当する。
本実施の形態における乗客救出装置27は、上記乗客救出装置20と同様の機能を備えたものであり、例えば、レバー28、押付具29、受け具(係合体)30によってその要部が構成される。
レバー28は、例えば、所定の長さを有する棒状の第1レバー28aと第2レバー28bとからなり、全体の中間部に押付具29が、一端部(先端部)に受け具30が設けられている。具体的には、第1レバー28aの一端部に、軸部材31を介して押付具29が回動自在(或いは、揺動自在)に設けられている。なお、押付具29及び軸部材31は、実施の形態1における押付具22及び軸部材24と実施的に同様の機能を有しており、第1レバー28aに対する取り付けも、押付具22及び軸部材24のレバー21に対する取り付けと同様に構成されている。
上記第2レバー28bは、第1レバー28aよりも短い部材からなり、その一端部が、第1レバー28aの中間部(一端部寄り)に、軸部材32を介して回動自在(揺動自在)に設けられている。また、第2レバー28bは、第1レバー28aに対して所定の角度を有するように配置され、その他端部(先端部)に、取付ボルト33によって受け具30が固定されている。
なお、第2レバー28bの先端部に固定された上記受け具30は、張り車17の一部に係合する係合体を構成する。本実施の形態では、係合体(受け具30)は、外側面に綱溝が形成された環状部材の内側面17bに接触することによって張り車17に係合する。具体的に、受け具30は、張り車17に接触する部分が、上記環状部材の内側面17bの形状に合わせて、側面視凸状の円弧を呈するように形成されている。また、この張り車17に対する接触部分は、押付具29のガバナロープ18に対する接触部分に対向するように配置されており、第1レバー28aと第2レバー28bとの角度によって、上記対向する両者間の距離が変化するように構成されている。具体的には、第2レバー28bが軸部材32を中心に回転し、第1レバー28aの長手方向と第2レバー28bの長手方向とが平行な状態に近づくに従って、受け具30の張り車17に対する接触部分と押付具29のガバナロープ18に対する接触部分とが接近するように構成されている。
次に、上記構成を有する乗客救出装置27の使用方法について具体的に説明する。
エレベータの保守員は、巻上機5のブレーキ装置14を強制的に解放してもかご2が動かない場合、上記乗客救出装置27を図5に示すように張り車17に取り付け、ガバナロープ18を一側に移動させる。
具体的には、先ず、第1レバー28aと第2レバー28bとが折り曲がるように第2レバー28bを回転させ、押付具29と受け具30との間に十分な距離を確保する。そして、乗客救出装置27の押付具29を、ガバナロープ18のうち、張り車17の綱溝に巻き掛けられている部分に接触させる。また、押付具29と受け具30とが接近するように第2レバー28bを回転させ、受け具30を上記環状部材の内側面17bに接触させる。
その後、保守員は、上記接触状態を維持したまま、第1レバー28aの他端部側を下方(図5に示すa方向)に付勢し、張り車17に対して、レバー28の付勢方向と同じ方向に力を加える。なお、乗客救出装置27を張り車17に対して取り付ける際は、第1レバー28aの他端部側が下方に移動した時に、第1レバー28aの長手方向と第2レバー28bの長手方向とが平行な状態に近づく、即ち押付具29と受け具30とが接近するように予めその向きを設定しておく。
図5において、第1レバー28aの他端部側をa方向に付勢することにより、押付具29によってガバナロープ18を張り車17の綱溝に押し付けた状態のまま、張り車17をb方向に付勢して回転させることができる。なお、第1レバー28aの他端部側がa方向に付勢されることによって押付具29と受け具30とが接近するため、張り車17をb方向に付勢することにより、ガバナロープ18と張り車17の環状部材とは、共に、押付具29及び受け具30によって挟み込まれた状態となる。そして、このような状態で張り車17がb方向に回転するため、この張り車17の回転に伴い、ガバナロープ18がc方向に移動する。そして、このガバナロープ18が移動した方向及び距離に応じて、かご2が上昇或いは下降する。
また、上記構成の乗客救出装置27を使用すれば、てこの原理により、第1レバー28aの他端部側を実際に付勢する力よりも大きな力を張り車17に対して作用させることができる。このため、作業員は容易に張り車17を回転させることができ、乗客を救出する際の時間と労力とを大幅に低減させることが可能となる。
そして、保守員は、かご2が最寄り階の乗場に到着する(或いは、かご2がドアゾーンに達する)まで、乗客救出装置27を使用して張り車17を回転させる。その後、かご2が最寄り階の乗場に到着すると、保守員は、乗場側からエレベータのドアを開放して、乗客をかご2内から脱出させる。
なお、かご2が最寄り階の乗場に到着するまでには、乗客救出装置27を張り車17に対して何度も付け替えて、上記動作を繰り返す必要がある。しかし、上記構成の乗客救出装置27であれば、第1レバー28aをa方向に付勢して張り車17をb方向に回転させた後、第1レバー28aの他端部側を反対の方向(図5のd方向)に付勢して僅かに移動させれば、乗客救出装置27を張り車17から簡単に取り外すことができる。また、押付具29と受け具30とによってガバナロープ18と張り車17の上記環状部材とを挟み込むことにより、乗客救出装置27を張り車17に対して簡単に取り付けることができる。即ち、乗客救出装置27は、張り車17に対する着脱が容易であり、上記付け替え作業に要する手間と時間とを大幅に低減させることが可能となる。
その他は、実施の形態1と同様の構成及び効果を有する。
なお、上記説明においては、乗客救出時に、調速機15の張り車17を回転させてガバナロープ18を移動させる場合について説明した。しかし、これは単に一例を示したものであり、配置や構成上の問題が無ければ、他の返し車や駆動綱車6等、エレベータロープが巻き掛けられている全ての滑車に対して適用できることは言うまでもない。
トラクション式エレベータの基本構成を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータの乗客救出装置を用いた乗客の救出方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータの乗客救出装置を示す平面図である。 この発明の実施の形態1におけるエレベータの乗客救出装置を示す正面図である。 この発明の実施の形態2におけるエレベータの乗客救出装置を用いた乗客の救出方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態2におけるエレベータの乗客救出装置を示す平面図である。 この発明の実施の形態2におけるエレベータの乗客救出装置を示す正面図である。 かご内に閉じ込められた乗客を救出する従来の方法を説明するための図である。
符号の説明
1 昇降路、 2 かご、 3 つり合いおもり、 4 主ロープ、 5 巻上機、
6 駆動綱車、 7 支持梁、 8 返し車、 9 返し車、 10 返し車、
11 返し車、 12 吊り車、 13 電動機、 14 ブレーキ装置、
15 調速機、 16 綱車、 17 張り車、 17a スポーク、
17b 内側面、 18 ガバナロープ、 19 アーム、 20 乗客救出装置、
21 レバー、 22 押付具、 23 固定ピン、 24 軸部材、
25 ガイドレール、 26 取付腕、 27 乗客救出装置、 28 レバー、
28a 第1レバー、 28b 第2レバー、 29 押付具、 30 受け具、
31 軸部材、 32 軸部材、 33 取付ボルト、 34 ロープ把持具、
35 アンバランスおもり

Claims (4)

  1. エレベータのかごに乗客が閉じ込められた際に、前記かごの昇降動作に連動するエレベータロープを強制的に移動させて、前記かごを上昇或いは下降させるエレベータの乗客救出装置であって、
    前記エレベータロープが巻き掛けられた滑車の綱溝に前記エレベータロープを押し付けるための押付具と、
    前記滑車の一部に係合するための係合体と、
    一端部側に前記係合体が、中間部に前記押付具が設けられたレバーと、
    を備え、
    前記レバーは、前記係合体が前記滑車の前記一部に係合し、且つ、前記押付具が前記エレベータロープに接触した状態で、その他端部側が所定の方向に付勢されることにより、前記押付具によって前記エレベータロープを前記滑車の前記綱溝に押し付けた状態のまま、前記滑車を前記所定の方向に付勢して回転させることを特徴とするエレベータの乗客救出装置。
  2. レバーは、その他端部側が所定の方向に付勢されて滑車が回転した後、前記所定の方向とは反対の方向に前記他端部側が付勢されることにより、前記滑車からの取り外しが可能なことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの乗客救出装置。
  3. 係合体は、押付具のガバナロープに対する接触部分と対向するように配置され、前記接触部分が前記ガバナロープに接触する方向とは反対の方向から滑車の一部に接触することにより、前記滑車に係合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの乗客救出装置。
  4. レバーは、
    一端部に押付具が設けられた第1レバーと、
    一端部が前記第1レバーの中間部に揺動自在に設けられ、他端部に係合体が設けられた第2レバーと、
    を備え、
    外側面に綱溝が形成された滑車の環状部材に前記係合体が、また、エレベータロープに前記押付具がそれぞれ接触した状態で、前記第1レバーの他端部側が所定の方向に付勢されることにより、前記係合体と前記押付具とによって前記環状部材及び前記エレベータロープを共に挟み込んだ状態のまま、前記滑車を前記所定の方向に付勢して回転させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータの乗客救出装置。
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