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JP5151353B2 - 回転角検出装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置 - Google Patents

回転角検出装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置 Download PDF

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JP5151353B2 JP2007249289A JP2007249289A JP5151353B2 JP 5151353 B2 JP5151353 B2 JP 5151353B2 JP 2007249289 A JP2007249289 A JP 2007249289A JP 2007249289 A JP2007249289 A JP 2007249289A JP 5151353 B2 JP5151353 B2 JP 5151353B2
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Description

本発明は、1相励磁信号を入力して第1相出力信号及び第2相出力信号を出力するレゾルバと、該レゾルバの第1相出力信号及び第2相出力信号に基づいて回転角を演算する回転角演算手段とを備えた回転角検出装置に関する。
この種の回転角検出装置としては、例えば、パルス発生手段によりレゾルバの励磁信号に同期したパルス信号を発生し、このパルス信号に基づいて停止起動されるタイマーのタイマー値をタイマー制御手段から発生し、タイマー値比較手段によってその値が所定範囲に入っているか否かを判断すると共に、全波整流されたコサイン信号及びサイン信号のサンプリングをサンプリング手段により前述のパルスと同期して行い、このサンプリングされた値に基づき演算手段においてそれらの二乗和の演算を行い、この演算値が所定の範囲にあるかどうかを演算値比較手段おいて判断することにより、エラー信号を発生するようにしたレゾルバの断線検出方法及び装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
レゾルバの出力側のコイルにショート等の異常が生じると、異常が生じた側のコイルの出力信号の回転角Xに対するサンプリング値にオフセットが発生するが、この値は異常が生じた側のコイルの他方側のコイルの最大値又は最小値のタイミングにおける当該異常が生じたコイルの値として求めることができ、このオフセットの値が0近傍の所定範囲をはずれた場合に、レゾルバの異常と判断するようにしたレゾルバの異常検出方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−210874号公報(第1頁、図2、図3) 特開2001−343253号公報(第1頁、図5)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、レゾルバから出力されるsinθ及びcosθの二乗和が所定の範囲内にない場合即ちsin2θ+cos2θ≠1である場合に、レゾルバの断線が発生したことを検出するようにしているが、sinθ又はcosθの出力がある特定の電圧に固着した場合、且つsin2θ+cos2θ=1の円上に乗る場合には、この方法によって異常を検出するためには回転体の回転が不可欠となり、回転体が回転していない場合にはレゾルバの異常を検出することができないとういう未解決の課題がある。
また、上記特許文献2に記載の従来例にあっては、レゾルバから出力されるsinθとcosθとのオフセット量を用いてレゾルバの出力巻線の異常を検出するものであるが、この従来例でも回転体が回転を継続していることを前提としたレゾルバの異常検出手段であり、回転体が回転を停止している場合には必ずしも有効な手段ではないという未解決の課題がある。
さらに、上記第1及び第2の特許文献に記載された従来例においては、比較的誤差が小さい間に異常を検出しようとすると、sin2θ+cos2θ又はオフセット量に対する閾値を小さい値に設定せざるを得ず、この場合には異常の誤検出が多くなり、実装上現実的でなく、高精度でレゾルバの異常を検出することができないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、回転体の停止状態でもレゾルバの異常を正確に検出することができると共に、レゾルバの異常を高精度で検出することができる回転角検出装置及びこれを使用した電動パワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る回転角検出装置は、1相励磁信号を入力して第1相出力信号及び第2相出力信号を出力するレゾルバと、該レゾルバの第1相出力信号及び第2相出力信号に基づいて回転角を演算する回転角演算手段とを備えた回転角検出装置であって、前記1相励磁信号の半波長の奇数倍周期で前記第1相出力信号及び第2相出力信号をサンプリングし、サンプリングした前後の第1相出力信号及び第2相出力信号の状態に基づいて当該第1相出力信号及び第2相出力信号の異常を検出する出力信号異常検出手段とを備えたことを特徴としている。
また、請求項2に係る回転角検出装置は、請求項1に係る発明において、前記出力信号異常検出手段は、各相出力信号の前後のサンプリング値の双方が各相出力信号の基準電圧と略一致するときに、該当する相出力信号が異常であるとして検出するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る回転角検出装置は、請求項1に係る発明において、前記出力信号異常検出手段は、第1相出力信号の前後のサンプリング値から当該第1相出力信号の基準電圧を減算した信号偏差の絶対値及び第2相出力信号の前後のサンプリング値から当該第2相出力信号の基準電圧を減算した信号偏差の絶対値の少なくとも一方が第2の所定値以上であるときに、該当する相出力信号の前後のサンプリング値が基準電圧を挟む逆領域に存在しない場合に、該当する相出力信号が異常であるとして検出するように構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る回転角検出装置は、請求項1に係る発明において、前記出力信号異常検出手段は、第1相出力信号の前後のサンプリング値から当該第1相出力信号の基準電圧を減算した信号偏差の絶対値及び第2相出力信号の前後のサンプリング値から当該第2相出力信号の基準電圧を減算した信号偏差の絶対値の少なくとも一方が第2の所定値以上であるときに、該当する相出力信号の前後のサンプリング値の前記信号偏差の絶対値が第3の所定値未満である場合に、該当する相出力信号が異常であるとして検出するように構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る回転角検出装置は、請求項1乃至4の何れか1つに係る発明において、前記出力信号異常検出手段は、第1相出力信号及び第2相出力信号の異常を検出した回数が連続して所定回数以上となったときに、該当する相出力信号の異常を確定するように構成されていることを特徴としている。
また、請求項6に係る回転角検出装置は、請求項1乃至5の何れか1つに係る発明において、前記回転角演算手段は、前記出力信号異常検出手段で、第1相出力信号及び第2相出力信号の異常を検出したときに、前回演算した回転角を今回の回転角として保持するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項7に係る回転角検出装置は、請求項1乃至5の何れか1つに係る発明において、前記回転角演算手段は、回転角に基づいて角速度を演算する角速度演算手段を備え、前記出力信号異常検出手段で、第1相出力信号及び体2相出力信号の異常を検出したときに、前回演算した回転角に、前記角速度演算手段で算出される前回の回転角に基づく角速度に基づいて算出したオフセット値を加算して今回の回転角を演算するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項8に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の回転角検出装置で検出した回転角に基づいて電流指令値を算出する電流指令値算出手段を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、前記1相励磁信号の半波長の奇数倍周期で前記第1相出力信号及び第2相出力信号をサンプリングするサンプリング手段と、該サンプリング手段でサンプリングした前後の第1相出力信号及び第2相出力信号の状態に基づいて当該第1相出力信号及び第2相出力信号の異常を検出する出力信号異常検出手段とを備えているので、回転体が停止状態でもレゾルバの異常を即座に検出することができると共に、レゾルバの異常を判断する閾値を小さい値に設定しても誤検出を減少させて正確な異常検出を行うことができるという効果が得られる。
また、上記効果を有する回転角検出装置で検出した回転角に基づいて電流指令値を算出する電流指令値算出手段を備えた電動パワーステアリング装置を構成することにより、第1相出力信号及び第2の相出力信号の異常を即座に正確に検出して、異常発生に対処することができる電動パワーステアリング装置を提供することができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合の一実施形態を示す全体構成図であって、図中、1はステアリング機構であり、このステアリング機構1はステアリングホイール2が装着されたステアリングシャフト3と、このステアリングシャフト3のステアリングホイール2とは反対側に連結されたラックピニオン機構4と、このラックピニオン機構4にタイロッド等の連結機構5を介して連結された左右の転舵輪6とを備えている。
そして、ステアリングシャフト3には、減速機7を介して電動モータ8が連結されている。この電動モータ8は、例えば三相交流駆動されるブラシレスモータで構成され、電動パワーステアリング装置の操舵補助力を発生する操舵補助力発生用モータとして動作する。
また、電動モータ8は車両に搭載されたバッテリ11から出力されるバッテリ電圧Vbがヒューズ12及びイグニッションスイッチ20を介して供給されてモータ制御を行う制御装置13によって駆動制御される。
この制御装置13には、ステアリングシャフト3に配設された操舵トルクセンサ16で検出されたステアリングホイール2に入力される操舵トルクTが入力されていると共に、電動モータ8に配設されたレゾルバ17から出力される正弦波出力信号及び余弦波出力信号が入力され、さらに車速検出部としての車速センサ18で検出した車速検出値Vsが入力されている。
ここで、操舵トルクセンサ16は、ステアリングホイール2に付与されてステアリングシャフト3に伝達された操舵トルクTを検出するもので、例えば、操舵トルクを図示しない入力軸及び出力軸間に介挿したトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を磁気信号で検出し、それを電気信号に変換するように構成されている。
レゾルバ17は、制御装置13の励磁信号発生部21cから出力される1相の正弦波でなる励磁信号sinωtが増幅器20aで増幅されて入力されると、この励磁信号sinωtで変調されて電動モータ8の回転角θに応じた90°位相が異なる2相の正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθを出力する。これら正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθは、増幅器20bで増幅されて制御装置13に入力される。
制御装置13は、図2に示すように、増幅器20aで増幅された励磁信号sinωtが増幅器20cで増幅されてA/D変換器20dによってディジタル信号に変換されて入力されると共に、増幅器20bで増幅された正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθがA/D変換器20eで変換入ディジタル信号に変換されて入力されると共に、励磁信号sinωtを出力する角度情報演算部21と、操舵トルクセンサ16で検出した操舵トルク検出値Tと車速センサ18で検出した車速Vとに基づいて電動モータ8を駆動制御する電圧指令値Varef〜Vcrefを演算する指令値演算部22と、この指令値演算部22から出力される電圧指令値Varef〜Vcrefが入力され、これら電圧指令値Varef〜Vcrefに基づいて電動モータ8を駆動するモータ駆動部23とで構成されている。
角度情報演算部21は、レゾルバ17から出力される正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθに基づいてtan-1θを算出してモータ回転角θmを算出するモータ角度算出部21aと、レゾルバ17から出力される正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθと、増幅器20cからA/D変換器20dを介して入力される励磁信号sinωtに基づいてレゾルバ17の2相出力信号の異常を検出する出力信号異常検出手段としての異常検出部21bと、励磁信号sinωtを発生する励磁信号発生部21cとで構成されている。そして、励磁信号発生部21cで発生された励磁信号sinωtがD/A変換器20fでアナログ信号に変換されて増幅器20aに供給される。
異常検出部21bは、図3に示す異常検出処理を実行して、レゾルバ17の出力信号異常を検出する。この異常検出処理は、図4に示すように、所定時間(例えば1msec)毎のタイマ割込処理として実行され、まず、ステップS1で、A/D変換器20dを介して励磁信号sinωtを読込み、次いでステップS2に移行して、異常検出開始フラグFSが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには、異常検出開始タイミングではないものと判断してステップS3に移行する。
このステップS3では、励磁信号sinωtが最大値に達したか否かを判定し、最大値に達したときには、ステップS4に移行して、励磁信号sinωtの半波長の奇数倍周期を計数する計数値Nを“1”だけインクリメントした値を新たな計数値Nに設定してからステップS5に移行する。ここで、計数値Nは、制御装置13を起動した初期状態における初期化処理で、後述する設定値Nsから“1”を減算した値N=Ns−1に設定される。
ステップS5では、計数値Nが励磁信号sinωtの波長を2λとしたときに(2n+1)λ(nは自然数)に相当する値即ち励磁信号sinωtの半波長の奇数倍周期に設定された設定値Nsに達したか否かを判定し、N<Nsであるときにはそのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、N=NsであるときにはステップS6に移行する。
このステップS6では、異常検出開始フラグFSを“1”にセットし、次いでステップS7に移行して、計数値Nを“0”にクリアしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS3の判定結果が、励磁信号sinωtが最大値ではないときには、ステップS8に移行して、励磁信号sinωtが最小値であるか否かを判定し、麗人信号sinωtが最小値ではないときにはそのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、最小値であるときには前記ステップS4に移行する。
一方、前記ステップS2の判定結果が、異常検出開始フラグFSが“1”であるときには、異常検出開始タイミングであるものと判断してステップS9に移行し、励磁信号sinωtと正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθとの位相遅れを考慮して励磁信号sinωtのピークに対する正弦波出力信号sinθのピークの遅れ分を計数する第2の計数値Mを“1”だけインクリメントし、次いでステップS10に移行して、第2の計数値Mが予め設定した設定値Msに達したか否かを判定し、M<Msであるときには、そのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、M=MsであるときにはステップS11に移行して、第2の計数値Mを“0”にクリアしてからステップS12に移行する。
このステップS12では、A/D変換器20bを介して振幅をBとした正弦波出力信号Bsinθ(n)を読込んで所定の一時記憶領域に記憶し、次いでステップS13に移行して、正弦波出力信号の前回値が読込済であるか否かを判定し、前回を読込済みではないとき即ち最初に正弦波出力信号Bsinθ(n)を読込んだときには、ステップS14に移行して、読込んだ正弦波出力信号Bsinθ(n)を現在値記憶領域に更新記憶し、次いでステップS15に移行して、異常検出開始フラグFSを“0”にリセットしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS13の判定結果が、正弦波出力信号の前回値を読込済みであるときにはステップS16に移行して、前回読込んで現在値記憶領域に記憶されている正弦波出力信号Bsinθ(n)を前回値Asinθ(n-1)(Aは振幅)として前回値記憶領域に更新記憶すると共に、現在値Bsinθ(n)を現在値記憶領域に更新記憶してからステップS17に移行する。
このステップS17では、現在値記憶領域に記憶されている正弦波出力信号Bsinθ(n)と前回記憶領域に記憶されている正弦波出力信号Asinθ(n-1)とが夫々基準電圧Vsに略等しいか否かを判定し、Asinθ(n-1)≒Vs且つBsinθV≒Vs且つAcosθ(n-1)≒Vs且つBcosθV≒Vsであるときにはレゾルバ17から出力される正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθが基準電圧Vsから変化せず、固着しているものと判断してステップS18に移行する。
このステップS18では、異常検出回数計数値Iを“1”だけインクリメントしてからステップS19に移行して、異常検出回数計数値Iが例えば“2”以上の所定値Isに達したか否かを判定し、I=IsであるときにはステップS20に移行して、正弦波出力信号sinθに固着異常が発生したことを表す異常検出フラグFAを“1”にセットし、次いでステップS21に移行して、異常検出開始フラグFSを“0”にリセットしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。また、前記ステップS19の判定結果が、I<Isであるときにはそのまま前記ステップS21にジャンプする。
一方、前記ステップS17の判定結果が、Asinθ(n-1)≒Vs且つBsinθ(n)≒Vsではないときには、ステップS22に移行して、異常検出回数計数値Iを“0”にクリアしてからステップS23に移行し、正弦波出力信号の前回値Asinθ(n-1)と基準電圧Vsとの偏差の絶対値|Asinθ(n-1)−Vs|が予め設定した第1の所定値αを超えているか否かを判定し、|Asinθ(n-1)−Vs|>αであるときにはステップS24に移行する。
このステップS24では、正弦波出力信号の現在値Bsinθ(n)と基準電圧Vsとの偏差の絶対値|Bsinθ(n)−Vs|が前記第1の所定値αを超えているか否かを判定し、|Bsinθ(n)−Vs|>αであるときにはステップS25に移行する。
このステップS25では、正弦波出力信号の前回値Asinθ(n-1)、基準電圧Vs及び現在値Bsinθ(n)がその順に値が大きくなっているか即ち前回値Asinθ(n-1)及び現在値Bsinθ(n)が基準電圧Vsを挟んで逆側に存在するか否かを判定し、Asinθ(n-1)<Vs<Bsinθ(n)であるときには後述するステップS31にジャンプし、Asinθ(n-1)<Vs<Bsinθ(n)ではないときにはステップS26に移行して、正弦波出力信号の現在値Bsinθ(n)、基準電圧Vs及び前回値Asinθ(n-1)がその順に値が大きくなっているか即ち、現在値Bsinθ(n)及び前回値Asinθ(n-1)が基準電圧Vsを挟んで逆側に存在するか否かを判定する。
そして、ステップS26の判定結果が、sinθ(n)<Vs<sinθ(n-1)でないときには、正弦波出力信号sinθに固着異常が発生している可能性があるものと判断してステップS27に移行し、正弦波出力信号の前回値Asinθ(n-1)と現在値Bsinθ(n)との偏差の絶対値|Asinθ(n-1)−Bsinθ(n)|が予め設定した第2の所定値β未満であるか否かを判定し、|Asinθ(n-1)−Bsinθ(n)|≧βであるときには、正弦波出力信号sinθに固着異常が発生していないものと判断して、ステップS28に移行して、異常検出回数計数値J及びKを“0”にクリアしてからステップS29に移行し、異常検出開始フラグFSを“0”にリセットしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS23の判定結果が、|Asinθ(n-1)−Vs|≦αであるとき及び前記ステップS24の判定結果が、|Bsinθ(n)−Vs|≦αであるときにはステップS30に移行して、異常検出回数計数値J及びKを“0”にクリアし、次いでステップS31に移行して、異常検出開始フラグFSを“0”にリセットしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
さらに、前記ステップS27の判定結果が、|Asinθ(n-1)−Bsinθ(n)|<βであるときには、正弦波出力信号sinθに固着異常が発生しているものと判断してステップS32に移行し、異常検出回数計数値Jを“1”だけインクリメントしてからステップS33に移行し、異常検出回数計数値Jが例えば“2”以上の所定値Jsに達したか否かを判定し、J=JsであるときにはステップS34に移行して、正弦波出力信号sinθに固着異常が発生したことを表す異常検出フラグFAを“1”にセットし、次いでステップS35に移行して、異常検出開始フラグFSを“0”にリセットしてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。また、前記ステップS33の判定結果が、J<Jsであるときにはそのまま前記ステップS35にジャンプする。
この図3の異常検出処理において、第1の所定値α及び第2の所定値βの値は、電動モータ8の最大モータ回転速度に対する正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθのサンプリング周期を考慮して、誤診断しない程度の値に設定されている。
また、上記異常検出処理は、レゾルバ17から出力される余弦波出力信号cosθについても上記図4の処理におけるAsinθ(n)及びBsinθ(n-1)をCcosθ(n)及びDcosθ(n-1)に置換したことを除いて同様の処理を行って、余弦波出力信号cosθの異常検出を行う。
さらに、前記モータ角度算出部21aは、図4に示すように、モータ角度算出処理を実行する。このモータ角度算出処理は、図4に示すように、所定時間(例えば1msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS51で、前述した異常検出処理で設定される異常検出フラグFAが“1”にセットされているか否かを判定し、異常検出フラグFAが“0”にリセットされているときには、レゾルバ17が正常であるものと判断して、ステップS52に移行する。
このステップS52では、正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθを読込み、次いでステップS53に移行して、読込んだ正弦波出力信号Esinθ(n)及び余弦波出力信号Fcosθ(n)に基づいて下記(1)式の演算を行って電気角で表されるモータ回転角θmを算出する。
θm=tan-1(Esinθ(n)/Fcosθ(n)) …………(1)
次いで、ステップS54に移行して、算出したモータ回転角θmをモータ回転角記憶領域に更新記憶してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
一方、前記ステップS51の判定結果が、異常検出フラグFAが“1”にセットされているときにはステップS55に移行して、前回モータ回転角記憶領域に記憶した前回のモータ回転角θm(n-1)を読込み、次いでステップS56に移行して、レゾルバ異常継続回数計数値Xを“1”だけインクリメントして新たなレゾルバ異常継続回数計数値Xを算出してからステップS57に移行し、レゾルバ異常継続回数計数値Xが予め設定された所定値Xs以上となったか否かを判定し、X<Xsであるときには、そのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰するが、X≧Xsであるときには、ステップS58に移行して、後述する指令値演算部22で実行する操舵補助制御処理を停止させてからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
この図4のモータ回転角算出処理における正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθのサンプリング周期即ちタイマ割込周期は、電動モータ8の最大モータ回転速度に対して十分に速い速度でサンプリングできるように設定されている。
指令値演算部22は、操舵トルク検出値T及び車速Vが供給される操舵補助電流指令値演算部24を有する。この操舵補助電流指令値演算部24は、入力される操舵トルクT及び車速Vに基づいて操舵補助電流指令値算出用マップを参照して操舵補助電流指令値Irefを算出して出力する。この操舵補助電流指令値算出用マップは、図5に示すように、横軸に操舵トルクTをとり、縦軸に操舵補助電流指令値Irefをとると共に、車速Vをパラメータとした放物線状の曲線で表される特性線図で構成され、操舵トルクTが“0”からその近傍の設定値Ts1までの間は操舵補助電流指令値Irefが“0”を維持し、操舵トルクTが設定値Ts1を超えると最初は操舵補助電流指令値Irefが操舵トルクTの増加に対して比較的緩やかに増加するが、さらに操舵トルクTが増加すると、その増加に対して操舵補助電流指令値Irefが急峻に増加するように設定され、この特性曲線が車速の増加に従って傾きが小さくなるように設定されている。
この操舵補助電流指令値演算部24から出力される操舵補助電流指令値Irefはベクトル制御を行うd−q軸電流指令値演算部25に供給される。
このd−q軸電流指令値演算部25には、角度情報演算部21で算出されたモータ回転角θmと、このモータ回転角θmを微分して角速度ωを演算する角速度演算部31から出力される角速度ωとが入力され、入力される電流指令値Iref、モータ回転角θm及び角速度ωに基づいてd−q軸座標におけるd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを算出し、算出したd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを2相/3相変換部26に出力する。
この2相/3相変換部26では、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを角度情報演算部21から出力されるモータ回転角θmに基づいて電動モータ8の3相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefに変換する。
そして、2相/3相変換部26から出力される3相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefが減算部27に供給され、この減算部27で3相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefから例えば後述するインバータ回路30に設けられたモータ電流検出部19で検出したモータ電流Ima、Imb及びImcを減算して電流偏差ΔIa、ΔIb及びΔIcを算出して電流制御部28に供給する。
電流制御部28では、入力される電流偏差ΔIa、ΔIb及びΔICを例えば比例・積分制御処理(PI制御処理)して3相電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefを算出し、これら3相電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefをモータ駆動回路23へ出力する。
この指令値演算部22では、図6に示す指令値演算処理を実行する。この指令値演算処理は、図6に示すように、所定時間(1msec)毎のタイマ割込処理として実行される。この指令値演算処理は、図6に示すように、所定時間(例えば1msec)毎にタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS61で、操舵トルクセンサ16、レゾルバ17、車速センサ18、モータ電流検出部19等の各種センサの検出値を読込み、次いでステップS62に移行して、操舵トルクTをもとに前述した図5に示す操舵補助電理流指令値算出マップを参照して操舵補助電理流指令値Irefを算出してからステップS63に移行する。
このステップS63では、電気角θeを微分して角速度ωを算出し、次いでステップS64に移行して、ステップS62で算出した操舵補助電流指令値Irefにd−q軸電流指令値演算部25と同様のd−q軸指令値演算処理を実行してd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを算出し、次いでステップS65に移行して2相/3相変換処理を行ってモータ電流指令値Iaref〜Icrefを算出する。
次いで、ステップS66に移行して、モータ電流指令値Iaref〜Icrefからモータ電流Ima〜Imcを減算して電流偏差ΔIa〜ΔIcを算出し、次いでステップS67に移行して、電流偏差ΔIa〜ΔIcについてPI制御処理を行って電圧指令値Varef〜Vcrefを算出し、次いでステップS68に移行して算出した電圧指令値Varef〜VcrefをPWM制御部29に出力してから操舵補助制御処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
さらに、モータ駆動回路23は、指令値演算部22の電流制御部28から出力される3相電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefに基づいてパルス幅変調信号を形成するパルス幅変調(PWM)制御部29と、例えば6個の電界効果トランジスタ等のスイッチング素子で構成され、これらスイッチング素子をパルス幅変調制御部29から出力されるパルス幅変調信号でスイッチング制御することにより、電動モータ8に供給する3相モータ駆動電流Ima、Imb及びImcを形成するインバータ回路30とを備えている。そして、インバータ回路30から出力される3相モータ駆動電流Ima、Imb及びImcが電動モータ8に供給される。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、車両がイグニッションスイッチ20をオフ状態として駐車しているものとすると、この状態では、制御装置13にバッテリ11からの電力が供給されないので、制御装置13は作動を停止しており、図3に示す異常検出処理、図4に示すモータ角度算出処理及び図6に示す操舵補助制御処理は実行されておらず、電動モータ8は停止状態を継続し、操舵補助力の発生を停止している。
この状態から、イグニッションスイッチ20をオン状態とすると、これにより、制御装置13にバッテリ11からの電力が供給されることにより、制御装置13が作動状態となって、図3に示す異常検出処理、図4に示すモータ角度算出処理及び図6に示す操舵補助制御処理が実行開始される。
このとき、電動モータ8の回転角を検出するレゾルバ17が正常であるものとすると、図3の異常検出処理で異常検出フラグFAが“0”にリセットされた状態を維持するので、図4のモータ角度算出処理で、ステップS51からステップS52に移行して、レゾルバ17から出力される正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθを読込み、次いで、ステップS53で前記(2)式の演算を行うことにより、モータ回転角θmを算出し、これをモータ角度記憶領域に更新記憶して(ステップS54)からタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
また、図6の操舵補助制御処理では、ステップS61で操舵トルクT、車速V、電気角θe、モータ電流Ima〜Imc等の各種検出値を読込み、次いでステップS62に移行して、操舵トルクT及び車速Vに基づいて図5に示す操舵補助電流指令値Irefを算出し、次いでステップS63に移行して、電気角θeを微分して電気角速度ωを算出する。
そして、算出した操舵補助電流指令値Irefと電気角θe及び電気角速度ωとに基づいて、d−q軸指令値演算処理を行って、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを算出し(ステップS64)、次いで、算出したd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを2相/3相変換処理して、3相のモータ電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefを算出する(ステップS65)。
そして、この3相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefとモータ電流検出部19で検出されたモータ検出電流Ima、Imb及びImcとの電流偏差ΔIa、ΔIb及びΔIcが減算部27で算出され、これら電流偏差ΔIa、ΔIb及びΔIcが電流制御部28で例えばPI制御処理されて電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefが算出され、これら電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefがパルス幅変調制御部29でパルス幅変調されてインバータ回路30に供給されることにより、このインバータ回路30から電動モータ8に3相モータ駆動電流Ima、Imb及びImcが供給されて電動モータ8が回転駆動される。
このため、電動モータ8によって、操舵トルクセンサ16で検出した操舵トルクTに応じた最適な操舵補助力を発生し、この操舵補助力が減速機7を介してステアリングシャフト3に伝達されることにより、ステアリングホイール2を軽く操舵することができる。
このとき、レゾルバ17の異常の有無が、図3に示す異常検出処理で検出される。レゾルバ17から出力される正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθが正常であるときには、制御装置13の励磁信号発生部21cから図7(a)に示すように、基準電圧Vsを中心とする正弦波でなる励磁信号sinωtを供給することにより、図7(b)に示すように、基準電圧Vsに対して、電動モータ8の回転軸に連結されたロータの回転角θに応じた振幅で且つ励磁信号sinωtに対して所定の位相遅れを有する正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθを出力する。
このため、図3の異常検出処理では、制御装置13にバッテリ11から電力が投入されて、作動開始状態となったときに、初期化処理によって、異常検出開始フラグFS及び異常検出フラグFAが共に“0”に設定されると共に、各種計数値I、J、Mが“0”にクリアされ、さらに計数値Nが設定値Nsから“1”を減算した値(Ns−1)に設定される。つまり、計数値Nについては、励磁信号sinωtの最大値又は最小値を最初に検出したときに、正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθの最初のサンプリング開始タイミングとなるように初期値が設定される。
したがって、図7(a)に示すように、励磁信号sinωtが時点t0で基準電圧Vsと等しい状態から基準電圧Vsを超える領域に増加したものとすると、時点t1で励磁信号sinωtの最大値となることにより、ステップS3からステップS4に移行して、計数値Nが“1”だけインクリメントされることにより、計数値Nが設定値Nsに達することになり、ステップS5からステップS6に移行して、異常検出開始フラグFSが“1”にセットされ、次いでステップS7に移行して計数値Nが“0”にクリアされる。
このため、次のタイマ割込周期で、異常検出開始フラグFSが“1”にセットされているので、ステップS2からステップS9に移行する。
このとき、第2の計数値Mが“0”にクリアされているので、M=1となるが、設定値Ms未満であるので、そのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、時点t2で、正弦波出力信号sinθ(n)が最大値に達して第2の計数値Mが所定値Msに達すると、サンプリングポイントに達したものと判断して、ステップS10からステップS11に移行して、第2の計数値Mが“0”にクリアされ、次いで正弦波出力信号sinθ(n)を読込む。
このとき、初めての正弦波出力信号sinθ(n)の読込みであり、正弦波出力信号の前回値sinθ(n-1)が存在しないので、ステップS13からステップS14に移行して、読込んだ正弦波出力信号sinθ(n)を現在値記憶領域に記憶してから異常検出開始フラグFSを“0”にリセットする。
このため、次のタイマ割込周期では、異常検出開始フラグFSが“0”にリセットされていることから、ステップS2からステップS3に移行し、励磁信号sinωtが最大値を過ぎているので、ステップS8に移行するが最小値ではないので、そのままタイマ割込処理を終了する。
その後、タイマ割込処理を継続して、時点t3で励磁信号sinωtの最小値を検出すると、ステップS8からステップS4に移行して、計数値NをインクリメントしてN=1となるが、所定値Ns(例えばNs=3)には達していないので、そのままタイマ割込処理を終了する。
その後、時点t4で、最大値を検出すると計数値Nが“2”となり、次いで時点t5で励磁信号sinωtの最小値を検出すると、計数値Nが“3”となり、設定値Nsと一致するので、ステップS5からステップS6に移行して、異常検出開始フラグFSを“1”にセットし、ステップS7で計数値Nを“0”にクリアする。
このため、次のタイマ割込周期で、ステップS2からステップS9に移行し、正弦波出力信号sinθ(n)が最大値となるサンプリングポイントで正弦波出力信号sinθ(n)を読込む(ステップS12)。
この時点では、前回値sinθ(n-1)を読込み済みであるので、ステップS13からステップS16に移行して、前回の正弦波出力信号sinθ(n)を前回値sinθ(n-1)として前回値記憶領域に更新記憶すると共に、現在値sinθ(n)を現在値記憶領域に更新記憶する。
次いで、記憶されている正弦波出力信号の前回値Asinθ(n-1)が基準電圧Vsに略等しく(Asinθ(n-1)≒Vs)且つ現在値Bsinθ(n)が基準電圧Vsに略等しい(Bsinθ(n)≒Vs)かを判定する(ステップS17)。
このとき、図7(a)に示すように、レゾルバ17で入力される励磁信号sinωtに対して所定の位相遅れを有して電動モータ8の回転角に応じて正弦波出力信号sinθ(n)及び余弦波出力信号cosθ(n)が出力されている正常状態では、時点t2での正弦波出力信号の前回値Asinθ(n-1)に対して、波長2λの励磁信号sinωtの半波長λの奇数倍周期(2n+1)λ(=3λ)となる時点t6では、励磁信号sinωtが時点t2での値に対して基準電圧Vsを挟んで反対側の値となり、この時点t6での現在値Bsinθ(n)も、前回値Asinθ(n-1)に対して基準電圧Vsを挟んで反対側の値となる。
すなわち、図8に示すように、時点t2でのモータ回転角θ(n-1)の位置Paに対して、時点t6でのモータ回転角θ(n)の位置Pbは中心を通る対角線上の位置となり、正弦波出力信号sinθの前回値Asinθ(n-1)と現在値Bsinθ(n)とが夫々基準電圧Vsと略一致することはなく、図3の処理において、ステップS17からステップS22に移行して、異常検出回数計数値Iを“0”にクリアしてからステップS23に移行する。
このステップS23では、前回値Asinθ(n-1)が基準電圧Vsより大きく、両者の偏差の絶対値|Asinθ(n-1)−Vs|>αとなるので、ステップS24に移行し、現在値Bsinθ(n)が基準電圧Vsより小さく、両者の偏差の絶対値|Bsinθ(n)−Vs|>αとなるので、ステップS25に移行し、前回値Asinθ(n-1)<Vs<Bsinθ(n)ではないので、ステップS26に移行し、Bsinθ(n)<Vs<Asinθ(n-1)であるので、正常と判断されてステップS28に移行し、異常検出回数計数値J及びKを“0”にクリアすると共に、ステップS29に移行して異常検出開始フラグFSを“0”にリセットすることになり、異常検出フラグFAは“0”にリセットされた状態に維持される。
同様に、余弦波出力信号cosθについても、図3と同様の異常検出処理を行ったときに、正常と判断されて異常検出フラグFAは“0”にリセットされた状態に維持される。
また、電動モータ8が図8の位置Paで回転停止している状態では、前述した時点t6のサンプリングポイントに達したときに、励磁信号sinωtがその手前で最小値となることから図8の位置Pbと同一となり、上記と同様に正常と判断される。
このように、レゾルバ17から出力される正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθが正常であるときには、異常検出フラグFAが“0”にリセットされた状態を継続することにより、図4のモータ角度算出処理で、レゾルバ17から出力される正弦波出力信号Csinθ(n)及び余弦波出力信号Dcosθ(n)に基づいてモータ回転角θmを算出する。
これに応じて、前述したように、図6の操舵補助制御処理で、操舵トルクT及び車速Vに基づいて算出した操舵補助電流指令値Irefと電気角θe及び電気角速度ωとに基づいてd−q軸電流指令値演算処理を行って、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを算出し、算出したd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを2相/3相変換して3相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefを算出し、算出した3相電流指令値Iaref、Ibref及びIcrefとモータ電流検出部19で検出したモータ電流Ima、Imb及びImcとの電流偏差ΔIa、ΔIb及びΔIcを算出し、これら電流偏差ΔIa、ΔIb及びΔIcに対してPI制御処理を行って、電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefを算出し、これら電圧指令値Varef、Vbref及びVcrefをモータ駆動回路23に出力することにより、電動モータ8を回転駆動して操舵トルクTに応じた最適な操舵補力を発生させる。
ところが、図9に示すように、例えば正弦波出力信号sinθに図9(b)に示すように、時点t2より遅れた時点t4′で基準電圧Vsを超えており、例えば最大値に近い値を継続する固着異常が発生すると、時点t2でサンプリングされる前回値Asinθ(n-1)と、時点t6でサンプリングされる現在値Bsinθ(n)とが略同じ値となる。
このため、正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθの前回値で表される位置Paに対する現在値で表される位置が前述した図8で表される本来の第3象限の位置Pbに対して第2象限の位置Pb′となる。
したがって、図3の異常検出処理で、前回値Asinθ(n-1)に対して現在値Bsinθ(n)が僅かに小さい値となるが、両者は基準電圧Vsより高い状態となる。
このため、図3の処理において、ステップS17からステップS22に移行して、異常検出回数計数値Iを“0”にクリアしてからステップS23に移行し、|Asinθ(n-1)−Vs|がαより大きく、|Bsinθ(n)−Vs|がαより大きいので、ステップS25に移行する。このとき、前回値Asinθ(n-1)及び現在値Bsinθ(n)が共に基準電圧Vsより大きいので、ステップS25からステップS26を経てステップS27に移行する。
このとき、前回値Asinθ(n-1)と現在値Bsinθ(n)との偏差の絶対値|Asinθ(n-1)−Bsinθ(n)|が小さい値となって、第2の所定値β未満となることにより、正弦波出力信号sinθの固着異常と判断してステップS32に移行し、異常検出回数計数値Jを“1”だけインクリメントしてからステップS33で異常検出開始フラグFSを“0”にリセットしてタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
その後、正弦波出力信号sinθの最大値及び最小値を検出した後に、最大値を検出する時点t7で、再度異常検出開始フラグFSが“1”にセットされ、正弦波出力信号の現在値Bsinθ(n)が最大値となる時点t8で、サンプリングポイントに達し、正弦波出力信号の現在値Bsinθ(n)が読込まれる。
この状態でも、前回の時点t6での正弦波出力信号の現在値Bsinθ(n)でなる前回値Asinθ(n-1)と現在値Bsinθ(n)とは同じ値を継続するので、前述した時点t6での異常検出処理と同様に、ステップS27からステップS32に移行して、異常検出回数計数値Jをインクリメントして、この異常検出回数計数値Jが所定値Jsに達することになり、ステップS33からステップS34に移行して、異常検出フラグFAが正弦波出力信号sinθの固着異常を表す “1”にセットされ、次いでステップS35で異常検出開始フラグFSが“0”にリセットされる。
このように、図3の異常検出処理で、異常検出フラグFAが“1”にセットされると、図4のモータ回転角算出処理で、ステップS51からステップS55に移行して、モータ回転角記憶領域に記憶されている前回のモータ回転角θm(n-1)を読込む。次いで、ステップS56に移行して、異常継続回数計数値Xをインクリメントするが、異常継続回数計数値Xが所定値Xsに達しないので、そのままタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
このため、レゾルバ17の正弦波出力信号sinθに固着異常が発生した場合には、このレゾルバ17の正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθに基づいて前記(2)式に従ってモータ回転角θmを算出することなく、前回算出したモータ回転角θm(n-1)を維持するので、モータ回転角θmがレゾルバ17の正弦波出力信号sinθに固着異常が発生する直前の値θm(n-1)に保持される。
したがって、不確かな正弦波出力信号sinθ及び正常な余弦波出力信号cosθに基づいて不確かなモータ回転角θm(n)が算出されることを確実に防止することができ、不確かなモータ回転角θm(n)に基づいてd−q軸電流指令値算出処理が行われることを防止することができる。
このように、レゾルバ17の正弦波出力信号sinθに固着異常が発生した場合に、モータ回転角θmが異常発生直前の回転角θm(n-1)を保持することにより、制御中のモータ回転角θmが不定となることを防止して、電動モータ8の駆動制御を継続することができ、異常継続回数計数値Xが所定値Xsに達したときに、操舵補助制御を中止するか又はレゾルバ17に代えて別途電動モータ8のモータ回転角を推定するモータ回転角推定手段を設け、異常継続回数計数値Xが所定値Xsに達したときに、レゾルバ17に基づくモータ回転角θmの算出からモータ回転角推定手段で推定したモータ回転角θm′に切換えて、操舵補助制御を継続することができる。
同様に、レゾルバ17の余弦波出力信号cosθに固着異常が発生した場合も、上記正弦波出力信号sinθと同様の処理を実行することにより、余弦波出力信号cosθの固着異常を正確に検出することができる。さらに、電動モータ8が回転停止している状態でも、正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθの何れかに固着異常が発生したときには、前回値と現在値とが略同一値となることにより、固着異常を確実に検出することができる。
また、例えばレゾルバ17の正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθを増幅する増幅器20bで異常が発生して、例えば正弦波出力信号sinθが基準電圧Vsに固定される異常が発生した場合には、図3の異常検出処理で、正弦波出力信号sinθの前回値Asinθ(n-1)と現在値Bsinθ(n)とが夫々基準電圧Vsに略等しくなるので、ステップS17からステップS18に移行して、異常検出回数計数値Iを“1”だけインクリメントして新たな異常検出回数計数値Iを算出するが、この異常検出回数計数値Iが所定値Isに達しないので、異常検出開始フラグFSを“0”にクリアしてからタイマ割込処理を終了して、所定のメインプログラムに復帰し、次のサンプリングポイントに達したときに、現在値Bsinθ(n-1)が基準電圧Vsと略一致する場合には、ステップS18に移行して、異常検出回数計数値Iをインクリメントすることにより、異常検出回数計数値Iが所定値Isに達して、ステップS20に移行して異常検出フラグFAが“1”にセットされる。
一方、レゾルバ17から出力される正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθが正常であるが電動モータ8の回転速度が、異常検出処理における正弦波出力信号sinθのサンプリング周期に対して速い場合に、正弦波出力信号sinθ又は余弦波出力信号cosθの固着異常と誤判定する場合が生じる。
すなわち、図11に示すように、先ず、最初のサンプリングポイントでサンプリングした正弦波出力信号Bsinθ(n-1)及び余弦波出力信号Dcosθ(n-1)で表される位置が正弦波出力信号Bsinθ(n-1)及び余弦波出力信号Dcosθ(n-1)が共に負となる位置Paであるものとし、この状態で、次回のサンプリングポイントでサンプリングしたときに、電動モータ8が速く回転して回転正弦波出力信号Bsinθ(n)及び余弦波出力信号Dcosθ(n)が共に正となって、余弦波出力信号cosθ(n)が前回値cosθ(n-1)と略等しくなる位置Pbとなった場合を考える。この場合には、正弦波出力信号の前回値Asinθ(n-1)及び現在値Bsinθ(n)については、基準電圧Vsを挟む値となることから正常と判断されるが、余弦波出力信号の前回値Ccosθ(n-1)及び現在値Dcosθ(n)については、両者の値が正値で一致することから、図3の異常検出処理と同様でsinθをcosθに置換した異常検出処理で、上記と同様に、ステップS23及びS24を経てステップS25に移行したときに、Ccosθ(n-1)<Vs<Dcosθ(n)ではないので、ステップS26に移行して、Dcosθ(n)<Vs<Ccosθ(n-1)でもないので、ステップS27に移行する。
このステップS27では、前回値Ccosθ(n-1)及び現在値Dcosθ(n)が略一致しているので、両者の偏差の絶対値|Ccosθ(n)−Dcosθ(n-1)|が第2の所定値β未満となり、固着異常の可能性があると判断されてステップS32に移行し、異常検出回数計数値Jが“1”だけインクリメントされるが、所定値Jsには達しないので、異常検出開始フラグFSが“0”にリセットされてタイマ割込処理を終了する。
その後、励磁信号sinωtの半周期が3回過ぎることにより、再度サンプリングポイントとなって、レゾルバ17から出力される正弦波出力信号Bsinθ(n)及び余弦波出力信号Dcosθ(n)を読込んだときに、電動モータ8が同一回転速度を継続している場合には、図11のモータ位置が位置Pcに移動する。この状態では、位置Pbでの前回値Asinθ(n-1)及びCcosθ(n-1)に対して、位置Pcでの現在値Bsinθ(n)及びDcosθ(n)が夫々異なる値となり、図11においてハッチングで示す固着異常と判定する電圧範囲を逸脱することになる。
しかしながら、前回の位置Pbでの正弦波出力信号Asinθ(n-1)及びCcosθ(n-1)の符号と現在位置Pcでの現在値Bsinθ(n)及びDcosθ(n)の符号とが一致し、共に基準電圧Vsより高くなるので、ステップS25及びステップS26を経てステップS27に移行する。
このとき、正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθともに、前回値と現在値との符号が一致しているが値が大きく異なることから、前回値から現在値を減算した偏差の絶対値|Asinθ(n-1)−Bsinθ(n)|及び|Ccosθ(n-1)−Dcosθ(n)|の値がともに第2の所定値βより大きな値となり、正常と判断されてステップS27からステップS28に移行し、異常検出回数計数値J及びKを夫々“0”にクリアすると共に、異常検出開始フラグFSを“0”にリセットする。
このため、異常検出フラグFAが“1”にセットされることはなく、電動モータ8の回転速度が速いことによる固着異常と誤判定した場合の誤判定を継続することはなく、正確な固着異常判定を行うことができる。
同様に、図11において、サンプリング周期内で電動モータ8の回転により、位置PaからPbに移動したときに、励磁信号sinωtの周期が反転して、位置Pbとは中心を通る対角線上の位置Pb′が検出された場合には、正弦波出力信号の前回値Asinθ(n-1)と現在値Bsinθ(n)とが符号が一致して略同一値となることにより、図3の異常検出処理で、サンプリングポイントに達したときに、ステップS27からステップS28に移行して、異常検出回数計数値Jを“1”だけインクリメントする。
この場合でも、次回のサンプリングポイントで位置Pcの中心を通る対角線上の位置Pc′となることにより、正弦波出力信号の前回値Asinθ(n-1)と現在値Bsinθ(n)とが符号が一致しても大きく異なる値となることから、|Asinθ(n-1)−Bsinθ(n)|が第2の所定値βより大きな値となり、ステップS27からステップS28に移行して、異常検出回数計数値Jを“0”にクリアしてから異常検出開始フラグFSを“0”にリセットすることになる。
このため、異常検出フラグFAは“0”にリセットされた状態を維持し、レゾルバ17の正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθが固着異常と誤検出されることなく、正確な固着異常検出を行うことができる。
なお、正弦波出力信号sinθ(又は余弦波出力信号cosθ)の前回のサンプリングポイントにおけるモータ回転角θmが0°、90°、180°及び360°である場合に、電動モータ8の想定外回転速度により、現在のサンプリングポイントにおけるモータ回転角θmが180°進むか又は遅れる状態を継続する場合には、正弦波出力信号sinθ(又は余弦波出力信号cosθ)の固着異常として検出されることになる。
このように、電動モータ8が想定外の速度で回転されることにより、誤判定した場合には、前述した固着異常の場合と同様に、モータ回転角θmが変更せず保持されるので、このモータ回転角θmをもとに算出されるd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefも同一値を維持することから、操舵補助制御処理としてはブレーキとして働き、実際に異常な速度でステアリングホイール2が補助操舵される状態は運転者にとって好ましい状況ではないため、ステアリングホイール2の操舵速度に制動を与えることにより、運転者に違和感を与えることなく、操舵速度を落とすことができる。
このように、電動パワーステアリング装置の制御装置13に異常検出部21bを有する回転角情報演算部21を設けることにより、電動モータ8の回転角を検出するレゾルバ17から出力される正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθの固着異常を迅速且つ正確に検出することができるので、誤ったモータ回転角θmに基づいてd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefが算出されることを確実に防止することができると共に、固着異常発生時に、モータ回転角θmを保持することにより操舵補助制御処理を所定時間継続したり、レゾルバ17以外の回転角推定手段を適用して操舵補助制御処理を継続したりすることができる。
なお、上記実施形態においては、レゾルバ17から出力される正弦波出力信号sinθ及び余弦波出力信号cosθの固着異常を、図3の処理におけるステップS26及びS27で、前回値Asinθ(n-1)と基準電圧Vsとの偏差の絶対値が第1の所定値α以上で、且つ現在値Bsinθ(n)と基準電圧Vsとの偏差の絶対値が第1の所定値α以上であるときに、前回値<基準電圧<現在値となるか現在値<基準電圧<前回値となる場合には正常と判断し、両者を満足しない場合には一応固着異常であると判断し、ステップS27で、前回値と現在値との偏差の絶対値が第2の所定値β未満であるときに固着異常と判断するようにした場合について説明したが、ステップS25及びS26の判定とステップS27の判定との何れか一方を省略するようにしてもよく、さらにはステップS17の判定処理を省略するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、上記実施形態においては、図3の異常検出処理で固着異常が検出されて異常検出フラグFAが“1”にセットされたときに、図4のモータ回転角算出処理で、モータ回転角θmを前回値に保持する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図12に示すように、異常検出フラグFAが“1”にセットされたときに、ステップS71で、前回のモータ回転角θmを微分したモータ角速度ω(n-1)を読込み、次いでステップS72で、読込んだモータ角速度ω(n-1)をモータ回転角θmのオフセット値として、前回のモータ回転角θm(n-1)に加算して現在のモータ回転角θm(n)を推定するようにしてもよく、このモータ回転角の推定を前述した異常継続回数計数値Xが所定値Xsに達するまで継続するようにしてもよい。この場合には、固着異常が生じた直前のモータ角速度ω(n-1)をモータ回転角θmのオフセット値とするので、モータ回転角θmを比較的正確な値に推定することができ、この間略正確な操舵補助制御処理を継続することができる効果が得られる。
さらに、上記実施形態においては、d軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefを2相/3相変換して、3相電流指令値Iaref〜Icrefを算出し、これら3相電流指令値Iaref〜Icrefとモータ電流検出値Ima〜Imcとの電流偏差ΔIa〜ΔIcを算出して、これらを電流制御処理することにより、3相の電圧指令値Varef〜Vcrefを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、モータ電流検出値Ima〜Imcを3相/2相変換してd軸モータ電流検出値Imd及びq軸モータ電流検出値Imqを算出し、これらとd軸電流指令値Idref及びq軸電流指令値Iqrefとの電流偏差ΔId及びΔIqを算出し、これら電流偏差ΔId及びΔIqを電流制御処理してd軸電圧指令値Vdref及びq軸電圧指令値Vqrefを算出し、これらを2相/3相変換して3相電圧指令値Varef〜Vcrefを算出するようにしてもよい。
さらにまた、上記実施形態においては、増幅器で増幅された励磁信号及びレゾルバ17の正弦波出力信号をA/D変換器20d及び20eでディジタル信号に変換して制御装置13に入力する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、制御装置13をマイクロコンピュータで構成した場合には、A/D変換器20d及び20eを省略して、励磁信号、正弦波出力信号及び余弦波出力信号をマイクロコンピュータのA/D変換ポートに直接入力するようにすればよい。
本発明の第1の実施形態を示す全体構成図である。 図1の制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 制御装置で実行する異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。 制御装置で実行するモータ回転角算出処理手順の一例を示すフローチャートである。 制御装置で使用する操舵補助電流指令値算出用マップを示す特性線図である。 制御装置で実行する操舵補助制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 レゾルバの正弦波出力信号及び余弦波出力信号が正常であるときの波形図である。 正常時の前回のサンプリングポイントでの位置と現在のサンプリングポイントでの位置との関係を示す説明図である。 レゾルバの正弦波出力信号が固着異常であるときの波形図である。 固着異常時の前回のサンプリングポイントでの位置と現在のサンプリングポイントでの位置との関係を示す説明図である。 レゾルバの正弦波出力信号及び余弦波出力が正常時における誤検出の説明に供する説明図である。 制御装置で実行するモータ回転角算出処理手順の他の例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…ステアリング機構、2…ステアリングホイール、3…ステアリングシャフト、4…ラックピニオン機構、5…連結機構、6…転舵輪、7…減速機、8…電動モータ、13…制御装置、16…操舵トルクセンサ、17…レゾルバ、18…車速センサ、19…モータ電流検出部、20a〜20c…増幅器、20d,20e…A/D変換器、20f…D/A変換器、21…角度情報演算部、21a…モータ角度算出部、21b…異常検出部、21c…励磁信号発生部、22…指令値演算部、23…モータ駆動部、24…操舵補助電流指令値演算部、25…d−q軸電流指令値演算部、26…2相/3相変換部、27…減算部、28…電流制御部、29…パルス幅変調(PWM)制御部、30…インバータ回路、31…角速度演算部

Claims (8)

  1. 1相励磁信号を入力して第1相出力信号及び第2相出力信号を出力するレゾルバと、該レゾルバの第1相出力信号及び第2相出力信号に基づいて回転角を演算する回転角演算手段とを備えた回転角検出装置であって、
    前記1相励磁信号の半波長の奇数倍周期で前記第1相出力信号及び第2相出力信号をサンプリングし、サンプリングした前後の第1相出力信号及び第2相出力信号の状態に基づいて当該第1相出力信号及び第2相出力信号の異常を検出する出力信号異常検出手段とを備えたことを特徴とする回転角検出装置。
  2. 前記出力信号異常検出手段は、各相出力信号の前後のサンプリング値の双方が各相出力信号の基準電圧と略一致するときに、該当する相出力信号が異常であるとして検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 前記出力信号異常検出手段は、第1相出力信号の前後のサンプリング値から当該第1相出力信号の基準電圧を減算した信号偏差の絶対値及び第2相出力信号の前後のサンプリング値から当該第2相出力信号の基準電圧を減算した信号偏差の絶対値の少なくとも一方が第2の所定値以上であるときに、該当する相出力信号の前後のサンプリング値が基準電圧を挟む逆領域に存在しない場合に、該当する相出力信号が異常であるとして検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転角検出装置。
  4. 前記出力信号異常検出手段は、第1相出力信号の前後のサンプリング値から当該第1相出力信号の基準電圧を減算した信号偏差の絶対値及び第2相出力信号の前後のサンプリング値から当該第2相出力信号の基準電圧を減算した信号偏差の絶対値の少なくとも一方が第2の所定値以上であるときに、該当する相出力信号の前後のサンプリング値の前記信号偏差の絶対値が第3の所定値未満である場合に、該当する相出力信号が異常であるとして検出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転角検出装置。
  5. 前記出力信号異常検出手段は、第1相出力信号及び第2相出力信号の異常を検出した回数が連続して所定回数以上となったときに、該当する相出力信号の異常を確定するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の回転角検出装置。
  6. 前記回転角演算手段は、前記出力信号異常検出手段で、第1相出力信号及び第2相出力信号の異常を検出したときに、前回演算した回転角を今回の回転角として保持するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の回転角検出装置。
  7. 前記回転角演算手段は、回転角に基づいて角速度を演算する角速度演算手段を備え、前記出力信号異常検出手段で、第1相出力信号及び体2相出力信号の異常を検出したときに、前回演算した回転角に、前記角速度演算手段で算出される前回の回転角に基づく角速度に基づいて算出したオフセット値を加算して今回の回転角を演算するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の回転角検出装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載の回転角検出装置で検出した回転角に基づいて電流指令値を算出する電流指令値算出手段を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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