JP5003514B2 - 電磁波シールド部材 - Google Patents
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また、このようなインキをグラビア印刷(特許文献2、3)のような凹部を持つ版を用いる方法(所謂「凹版印刷(法)」)にて微細パターンで印刷しようとすると、印刷できないことはないがインキの転移性が悪くインキ抜けなどが多発し、安定したパターンが形成できないという問題があった。これは、凹版上にインキを塗布し、余分なインキをドクターブレードで掻き取った後の凹部内のインキがその上部に凹みを生じることが原因である。この凹みは、凹版上に透明基材を圧着して透明基材上に凹部内のインキを転写する際に、透明基材とインキとの密着を妨げ、透明基材上に、インキの未転写部が発生したり、密着性に劣る転写不良が発生して、電磁波シールド特性を低下させる。
しかしながら、このようにして作製した電磁波シールド部材は、プライマー層が、導電インキによる凸状印刷層が所定パターンで形成されている部分(以下、凸状パターン層と呼称する。)又は該部分とその周辺部において突出形状をなす。該プライマー層突出形状部の麓部分は、導電性粒子非含有のバインダー樹脂からなることがある凸状パターン層麓部分で覆われているか又は覆われずに露出している。ここで、プライマー層突出形状部の麓部分、又はこれを覆うことのある凸状パターン層麓部分のバインダー樹脂とからなる表面は、透明基材に対して傾斜面及び/又は彎曲面をなしているため、レンズ効果を奏し、透過する光線が、局部的に屈折して、曇度(ヘイズ)上昇や虹彩色発生という不都合を惹き起こす。
そして、導電性組成物の凸状パターン層の非形成部におけるプライマー層の表面及び導電性組成物凸状パターン層の表面は透明樹脂層で被覆され、プライマー層と透明樹脂層の屈折率の差が|np−nt|<|np−na|であるので、プライマー層突出形状部の麓部分等の露出によるレンズ効果に基づく曇度(ヘイズ)の上昇や虹彩色の発生という不都合を低減した電磁波シールド部材が提供される。
ここで、「所定のパターン」とは、電磁波シールド部材の電磁波遮蔽パターンとして一般的な、メッシュ状又はストライプ状のパターンである。
プライマー層2は、凸状パターン層3が形成されている部分及びその周辺部において山状突出形状をなしており、該プライマー層突出形状部は、凸状パターン層の頂部直下に頂部を有し、なだらかに裾野をひいた山状形状である。凸状パターン層3は、凹版形状の頂部を有する険しい山状形状であり、プライマー層突出形状部の中腹より上に形成されているので、プライマー層突出形状部裾野部は露出していて、該部分はレンズ効果を奏する。
図1においては、凸状パターン層3に導電性粒子が一様に分布しているが、導電性粒子の比重、粒径等とバインダー樹脂の粘性等との関係によっては、凸状パターン層3の下方部分(凹版印刷時の上方部分)には導電性粒子が存在しない形態が生ずる。この形態のものを本発明の第2形態の電磁波シールド部材と呼ぶ(図面は省略)。
図2は、本発明の第3形態の電磁波シールド部材の一例を示す模式的な断面図である。この形態は、凸状パターン層3がなだらかに裾野をひく形状であり(例えば、第1、2形態の凸状パターン層とはバインダー樹脂の粘性挙動が異なるため裾野をひく形状になると考えられる。)、その裾野部はプライマー層突出形状部の裾野部を覆っている。そして、この形態において、凸状パターン層3は、第2形態同様、裾野部等下方部分においては導電性粒子非含有でバインダー樹脂のみからなる。この両裾野層が重なった部分はその上に導電性粒子を含有した凸状パターン層が存在しない透明部でありレンズ効果を奏することとなる。
すなわち、第1〜3形態のプライマー層突出形状部の麓部分は、露出しているか、導電性粒子非含有のバインダー樹脂からなる凸状パターン層麓部分で覆われている透明部であり、その表面は、透明基材に対して傾斜及び/又は彎曲面をなしているため、レンズ効果に基づく曇度(ヘイズ)の上昇や虹彩色の発生という不都合が生じる。
本発明では、凸状パターン層をの非形成部におけるプライマー層の表面及び凸状パターン層の表面、すなわち凸状パターン層形成側表面を、屈折率がプライマー層2と近い透明樹脂層4で被覆することによって、これらの不都合を低減している。
以下、本発明の電磁波シールド部材の構成を説明する。
透明基材1は、電磁波シールド部材の基材であり、所望の透明性、機械的強度、プライマー層2との接着性等の要求適性を勘案の上各種材料の各種厚みのものを選択すればよい。材料としては樹脂、硝子等が、厚み形態としてはフィルム(乃至はシート)、或いは板の形態で用いられる。通常は、樹脂製の透明フィルムが好ましく用いられる。
そうした透明フィルムとしては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等をベースとするフィルムが好ましいが、これに限定されない。具体的には、透明フィルムの材料としては、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、トリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の含ハロゲン樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエーテルサルホン、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、(メタ)アクリロニトリル樹脂等が使用できる。なかでも、二軸延伸PETフィルムが透明性、耐久性に優れ、しかもその後の工程で電離放射線照射処理を経た場合でも熱変形等しない耐熱性を有する点で好適である。
透明基材の表面には、必要に応じて、後述するプライマー層と基材との密着性を改善するために易接着層を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理などの表面処理を行ってもよい。該易接着層としては、該透明基材1とプライマー層2との両方に接着性のある樹脂から構成する。易接着層の樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等の樹脂の中から適宜選択する。
プライマー層2は、その主目的が凸状パターン層3を印刷形成時に、版から被印刷物へのインキ転移性を向上させ、転移後のインキと被印刷物とのインキ密着性を向上させるための層である。また、基本的機能として、透明基材及び凸状パターン層の双方に密着性が良く、また開口部(凸状パターン層非形成部)の光透過性確保のために透明な層でもある。プライマー層は単層でも多層でもよい。
更に、このプライマー層2は、凹版印刷時の凹版に接触している間に液状から固化させる層として形成される層であり、最終的に電磁波シールド材となったときに固化している層として形成される。
該電離放射線重合性化合物としては、電離放射線で架橋等の反応により重合硬化するモノマー及び/又はプレポリマーが用いられる。
かかるモノマーとしては、ラジカル重合性モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート類、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。尚、ここで(メタ)アクリレートとの表記は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。カチオン重合性モノマーとして、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどの脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどグリシジルエーテル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどビニルエーテル類、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどオキセタン類等が挙げられる。
また、かかるプレポリマーとしては、ラジカル重合性プレポリマーとして、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートプレポリマー、不飽和ポリエステルプレポリマー等が挙げられる。その他、カチオン重合性プレポリマーとして、例えば、ノボラック系型エポキシ樹脂プレポリマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂プレポリマー等が挙げられる。
これらモノマー、或いはプレポリマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、1種類単独で用いる他、モノマーを2種類以上混合したり、プレポリマーを2種類以上混合したり、或いはモノマー1種類以上とプレポリマー1種類以上とを混合して用いたりすることができる。
なお、電離放射線としては、紫外線、又は電子線が代表的なものであるが、この他、可視光線、X線、γ線等の電磁波、或いはα線等の荷電粒子線を用いることもできる。
当該電離放射線硬化性組成物は、溶剤を含んでもよいが、その場合塗布後に乾燥工程が必要であるため、溶剤を含まないタイプ(ノンソルベントタイプ)であることが好ましい。
本発明の電磁波シールド部材は、凸状パターン層3が、プライマー層2上に、所定のパターンで設けられている。該パターンは、電磁波シールド部材に通常採用されるメッシュ状であってもストライプ状であってもよく、その線幅と線間ピッチも通常採用されている寸法であればよい。例えば、線幅は5〜30μmとすることができ、線間ピッチは100〜500μmとすることができる。またメッシュやストライプ形状の電磁遮蔽パターンとは別に、それと導通を保ちつつ隣接した全ベタ等の接地パターンが設けられる場合もある。
この凸状パターン層3は、代表的な導電性組成物である導電性粒子とバインダー樹脂を含む導電インキを、後述する凹版印刷法によりプライマー層2上に所定のパターンで形成することができる。
また、版の凹部への充填に適した流動性を得るために、これら樹脂は通常、溶剤に溶けたワニスとして使用する。溶剤の種類には特に制限はなく、一般的に印刷インキに用いられる溶剤を使用できる。溶剤の含有量は通常、10〜70質量%程度であるが、必要な流動性が得られる範囲でなるべく少ないほうが好ましい。また、電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、もともと流動性があるため、必ずしも溶剤を必要としない。
黒色顔料としては、導電性粉末としても機能するカーボンブラック、Fe3O4、CuO−Cr2O3、CuO−Fe3O4−Mn2O3、CoO−Fe2O3−Cr2O3等が挙げられるが、その種類や形状は特に制限はなく、バインダー樹脂中に分散容易な平均粒子径0.1μm以下の着色力の大きな黒色顔料又は黒色染料が好ましい。なお、カーボンブラックを用いる場合には、チャンネルブラック、ファーネスブラック又はランプブラック等の色材用カーボンブラックや、導電性カーボンブラック、アセチレンブラック等を挙げることができ、中でも平均粒子径が20nm以下のものが好ましく用いられる。また、黒色染料としては、アニリンブラック等の染料を用いることができる。
また、導電インキの流動性や安定性を改善するために、導電性や、プライマー層との密着性に悪影響を与えない限りにおいて適宜フィラーや増粘剤、界面活性剤、酸化防止剤などを添加してもよい。
導電インキを凹版印刷して所定のパターンの凸状パターン層3を形成するには、例えば、凹版の凹部のみにドクターブレードなどを利用して導電インキを充填し、これに液状プライマー層を片面に形成済みの透明基材を、該プライマー層が凹版に接する向きで加圧ローラで圧着するなどして該プライマー層を接触させて、接触している状態でプライマー層を液状から固体状に固化させた後、透明基材を凹版から離して離版させることで、透明基材上の固化したプライマー層上にインキを転移させることで、印刷すればよい。
また、導電インキは、版上で半硬化固化させ離版後に完全硬化させてもよい。
凸状パターン層とプライマー層突出形状部分との界面を中心に凸状パターン層の断面TEM観察を行ったところ、プライマー層2と凸状パターン層3との界面がグラデーションのようになっており、また細かく入り組んだ構造も観察され、境界部分が一部なじんでいる(相溶)していることが確認された。また、凸状パターン層3の表面部分をSIMS分析したところ、プライマー層2に含まれるプライマー成分が観測され、プライマー成分の一部が硬化前に導電インキ中に侵入していることが確認された。これらの状況から考えると、流動性があるプライマー層2が導電インキに接触した際に、その境界部分の相溶及び/又は境界の乱れが生じ、この状態でプライマー層2を固化させると、境界部分から導電インキ内部に向かう領域で、導電インキの増粘やゲル化などの現象が起こり、導電インキを版から引き抜きやすくなっているのではないかと推測された。または、流動性のあるプライマー層のプライマー成分の一部が版内の導電インキ層と混ざり、プライマー層を固化させた際に導電インキ層の粘度を全体的に上げていることが推察される。いずれにしろ、流動性のあるプライマー層2を導電インキ層に接触させて、プライマー層2を固化させた後に剥離すれば、導電インキ層が完全に固化していないにもかかわらず、ほぼ100%近い転移が可能であった。
前記第1形態の電磁波シールド部材の場合の界面は、プライマー層と導電性粒子とバインダー樹脂を含む凸状パターン層下方部分とが交互に入り組んでいる。
また、前記第2形態、第3形態の電磁波シールド部材の場合の界面は、プライマー層と導電性粒子非含有のバインダー樹脂からなる凸状パターン層下方部分とが交互に入り組んでいる。なお、この界面形態の第1態様において、入り組んだ界面は、全体としては中央が高い山型の断面形態となっている。
前記第1形態の電磁波シールド部材(導電性粒子が凸状パターン層3中に一様に分布)の場合の界面は、プライマー層2と凸状パターン層3との界面の近傍に、プライマー層に含まれるプライマー成分及び/又は凸状パターン層を構成する成分が他方の層へ侵入する領域が存在している。
また、前記第2形態、第3形態の電磁波シールド部材(凸状パターン層3の下方部分は導電性粒子非含有でバインダー樹脂のみからなる)の場合の界面は、プライマー層に含まれるプライマー成分及び/又は導電性粒子非含有の凸状パターン層下方部分のバインダー樹脂が他方の層へ侵入する領域が存在している。
本発明の電磁波シールド部材は、凸状パターン層形成側表面が透明樹脂層4で被覆されている。透明樹脂層4は、屈折率がプライマー層の屈折率に近いものを選ぶことにより、プライマー層突出形状部の麓部分又はその上に(導電性粒子非含有のバインダー樹脂からなる)凸状パターン層麓部分が積層された傾斜又は彎曲面である「透明レンズ効果発生部分」を被覆して、レンズ効果に基づくヘイズ上昇や虹彩色発生という不具合を低減させるものである。
また、透明樹脂層は必然的に凸状パターン層形成後に設けられ、且つ凸状パターン層の面には本来は不要であるが、塗工形成が容易である点で、凸状パターン層の面も含めて区別せず形成するのが好ましい。
具体的な膜形成法としては、たとえば次のような方法が挙げられる。
凸状パターン層形成側表面に、透明樹脂層形成用の塗液、それもなるべく無溶剤の塗液を施した上にセパレータフィルムをラミネートして、そのセパレータフィルムの上からラミネートローラなどで加圧して表面を平らにならす。或いは、セパレータフィルム上に粘着剤層など熱可塑状態となるプレ透明化層を形成した積層フィルムを、凸状パターン層形成側表面にラミネートしてローラ加圧してもよい。これらセパレータフィルムは平坦化の後、剥離除去する。或いは、着色フィルタやハードコート層などの機能層となるフィルムを、セパレータフィルムの代わりに用いて、平坦化の後に剥離しなくてもよい。
更に、実用上目立って好ましい程度の効果を得るために、透明樹脂層とプライマー層との屈折率差は0.14以下とするのがよく、更に好ましくは、透明樹脂層の屈折率ntとプライマー層の屈折率npを実質的に同等とする。実質的に同等とは完全同一(屈折率差0.00)でもよいが、実用上ヘーズ上昇を無視できるためには、該屈折率差|np−nt|≦0.05とすればよい。
なお、実質的同等まで屈折率差を減らすには、プライマー層と透明樹脂層に同じ材料を用いるのが容易であるが、隣接層との密着性なども考慮して異なる材料を用いてもよい。
なお、ヘーズはJIS K−7136(2000)「プラスチック−透明材料のヘーズの求め方」に準拠して測定する。
また、熱硬化性樹脂としては、熱硬化型アクリル系樹脂、熱硬化型ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂などである。また、アクリル系、シリコーン系などのゴム系樹脂も熱可塑性、熱硬化性、電離放射線硬化性の各種樹脂形態で使用できる。尚、該電離放射線硬化性樹脂としては、プライマー層を構成する樹脂として例示したものと同様の物の中から選択できる。
導電性粒子として平均粒径約2μmの鱗片状銀粒子93質量部、バインダー樹脂として熱可塑性のポリエステルウレタン樹脂7質量部、溶剤としてブチルカルビトールアセテート25質量部を配合し、十分に攪拌混合した後、3本ロールで混練りして導電インキを調製した。
先ず、透明基材として、片面に易接着処理がされた幅1000mmで厚さ100μmの長尺ロール巻ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。供給部にセットしたPETフィルムを繰り出し、易接着処理面にプライマー層用の光硬化性樹脂組成物を厚さ5μmとなるように塗布形成した。塗布方式は、通常のグラビアリバース法を採用し、光硬化性樹脂組成物としては、ウレタンアクリレート系プレポリマーからなる感光性樹脂を使用した。未硬化時の粘度は145mPa・s(at25℃、E型粘度計)で流動性であり、屈折率(液)は1.463、屈折率(硬化後)は1.489であった。
続いて、線幅が20μmで線ピッチが300μm、版深10μmの正方格子状のメッシュパターンとなる凹部が形成された凹部ロールに、導電インキとしての銀ペースト(藤倉化成製FA333)を充填し、その凹部ロールにプライマーを厚み5μmで塗布したPETフィルムを密着させ、400〜500nmの光を照射し、プライマーを硬化せしめて、しかる後凹版凹部内に充填された銀ペーストをプライマー上に転移させた後、熱処理を行い、該銀ペーストを硬化せしめて、電磁波シールド部材を得た。
さらに120度10分間乾燥させた電磁波シールド部材にアクリル系樹脂からなる透明樹脂層(屈折率:1.47)を被覆し、その上面にPETフィルムを貼り合わせた層構成とした。そのヘイズを評価し(メッシュ面から測定)、2.4%という数値を得た。
プライマー層用の光硬化性樹脂組成物として、エポキシアクリレート35重量部、ウレタンアクリレート12重量部、単官能モノマーを44重量部、3官能モノマーを9重量部、さらに光開始剤としてイルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)を3重量部添加したものを使用した以外は実施例1と同様にして、電磁波シールド部材を得た。光硬化性樹脂組成物の粘度は約1300mPa・s(at25℃、E型粘度計)であり、屈折率(液体)は1.5345、屈折率(硬化後)は1.5616であった。
さらに電磁波シールド部材に透明粘着層を貼り合わせ、さらに上面にPETフィルムを貼り合わせることで複合部材を得た。そのヘイズを評価し、3.6%という数値を得た。
実施例1において、透明樹脂層の被覆を省略した電磁波シールド部材について、ヘイズを評価し(メッシュ面から測定)、6.5%という数値を得た。
2 プライマー層
3 凸状パターン層
4 透明樹脂層
Claims (4)
- 透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された、導電性粒子及びバインダー樹脂を含む導電性組成物からなる導電性の凸状パターン層とを有する電磁波シールド部材であって、
前記プライマー層は、前記凸状パターン層が形成されている部分及びその周辺部において山状突出形状をなし、
プライマー層と凸状パターン層との界面近傍には、プライマー成分と凸状パターン層成分とが混在している領域が存在し、
凸状パターン層の非形成部におけるプライマー層の表面及び凸状パターン層の表面は透明樹脂層で被覆されていて、プライマー層の屈折率をnp、透明樹脂層の屈折率をnt、空気の屈折率をnaとしたときに、これらの関係が、|np−nt|<|np−na|である、電磁波シールド部材。 - 透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された、導電性粒子及びバインダー樹脂を含む導電性組成物からなる導電性の凸状パターン層とを有する電磁波シールド部材であって、
前記プライマー層は、前記凸状パターン層が形成されている部分及びその周辺部において山状突出形状をなし、
凸状パターン層中に、プライマー層に含まれるプライマー成分が存在し、
凸状パターン層の非形成部におけるプライマー層の表面及び凸状パターン層の表面は透明樹脂層で被覆されていて、プライマー層の屈折率をnp、透明樹脂層の屈折率をnt、空気の屈折率をnaとしたときに、これらの関係が、|np−nt|<|np−na|である、電磁波シールド部材。 - 透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された、導電性粒子及びバインダー樹脂を含む導電性組成物からなる導電性の凸状パターン層とを有する電磁波シールド部材であって、
前記プライマー層は、前記凸状パターン層が形成されている部分又は該部分とその周辺部において山状突出形状をなし、該凸状パターン層は下方部分において導電性粒子非含有であり、該プライマー層突出形状部の麓部分は、導電性粒子非含有のバインダー樹脂からなる凸状パターン層麓部分で覆われているか又は覆われずに露出しており、
プライマー層と凸状パターン層との界面近傍には、プライマー成分と凸状パターン層成分とが混在している領域が存在し、
凸状パターン層の非形成部におけるプライマー層の表面及び凸状パターン層の表面は透明樹脂層で被覆されていて、プライマー層の屈折率をnp、透明樹脂層の屈折率をnt、空気の屈折率をnaとしたときに、これらの関係が、|np−nt|<|np−na|である、電磁波シールド部材。 - 透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された、導電性粒子及びバインダー樹脂を含む導電性組成物からなる導電性の凸状パターン層とを有する電磁波シールド部材であって、
前記プライマー層は、前記凸状パターン層が形成されている部分又は該部分とその周辺部において山状突出形状をなし、該凸状パターン層は下方部分において導電性粒子非含有であり、該プライマー層突出形状部の麓部分は、導電性粒子非含有のバインダー樹脂からなる凸状パターン層麓部分で覆われているか又は覆われずに露出しており、
凸状パターン層中に、プライマー層に含まれるプライマー成分が存在し、
凸状パターン層の非形成部におけるプライマー層の表面及び凸状パターン層の表面は透明樹脂層で被覆されていて、プライマー層の屈折率をnp、透明樹脂層の屈折率をnt、空気の屈折率をnaとしたときに、これらの関係が、|np−nt|<|np−na|である、電磁波シールド部材。
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