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JP5094620B2 - キャップ付容器 - Google Patents

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Description

本発明は、有底筒状の容器と、容器の口部に装着されるキャップと、を備えるキャップ付容器に関する。
この種のキャップ付容器として、例えば下記特許文献1に示されるように、容器と、容器の口部に嵌合されると共に注出口を有する注出キャップ、及び注出キャップに着脱可能に螺着され注出口を覆うオーバーキャップを有するキャップと、を備える構成が知られている。
ところで従来、キャップ付容器として、容器、注出キャップ及びオーバーキャップの組立作業を容易にするために、オーバーキャップを注出キャップに螺着させると共に注出キャップを口部に螺着させた構成が提案されている。このようなキャップ付容器では、口部に注出キャップを装着する作業と、注出キャップにオーバーキャップを装着する作業と、が同じ螺着作業となるので、下記特許文献1に記載されたキャップ付容器のように螺着と嵌合の両方を行う場合に比べて組立作業が容易となる。
しかしながら、上記したキャップ付容器では、オーバーキャップを注出キャップに対してキャップ周方向に回転させて取り外すとき又は装着するときに、注出キャップがオーバーキャップと共にキャップ周方向に回転させられる、つまり注出キャップが共回りして口部から外れる恐れがある。
そこで、このキャップ付容器に、注出キャップ及び容器の相対的なキャップ周方向に沿った緩み側の移動を規制する規制部が備えられた構成が知られている。このキャップ付容器では、注出キャップの前述の共回りに起因して、この注出キャップが口部から外れるのを防ぐことができる。
ところで近年では、容器内の内容物を使い切った後に、この容器に例えばパウチ等の他の容器に収容された内容物を詰め替えることで、キャップ付容器を再利用する需要者が増えている。
実公平3−8606号公報
しかしながら、前記従来のキャップ付容器では、注出キャップと一体に形成された規制部が容器に係合することで前述の共回りを規制しているので、容器から注出キャップを取り外すのが実用上不可能であった。そのため、需要者が容器に内容物を詰め替える際に、内容物を注出キャップの注出口から注ぎ込まざるを得ず、内容物をこぼさないで詰め替えるために細心の注意が要求され、需要者に負担がかかっていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、オーバーキャップを取り外すとき又は装着するときに注出キャップが共回りして口部から外れるのを規制した上で、注出キャップを容器から容易に取り外すことができるキャップ付容器を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るキャップ付容器は、有底筒状の容器と、該容器の口部に着脱可能に螺着されると共に注出口を有する注出キャップ、及び該注出キャップに着脱可能に螺着され注出口を覆うオーバーキャップを有するキャップと、を備えるキャップ付容器であって、前記容器に対してキャップ軸方向に弾性変形可能に形成された弾性連結片と、該弾性連結片に連結され前記注出キャップよりもキャップ径方向の外側に位置する押下部と、前記注出キャップの周壁部に形成された第1係合部に係合する第2係合部と、を有すると共に、前記第1係合部と前記第2係合部とが係合することで、前記注出キャップ及び前記容器の相対的なキャップ周方向に沿った緩み側の移動を規制する規制部が備えられ、前記押下部を押下したときに、前記弾性連結片がキャップ軸方向に弾性変形させられて、前記第1係合部と前記第2係合部との係合が解除されることを特徴とするものである。
本発明に係るキャップ付容器によれば、第1係合部と第2係合部とが係合することで、注出キャップ及び容器の相対的なキャップ周方向に沿った緩み側の移動が規制されるので、オーバーキャップを取り外すとき又は装着するときに注出キャップが共回りして容器の口部から外れるのを規制することができる。しかも、押下部を押下することで、弾性連結片がキャップ軸方向に弾性変形させられて、第1係合部と第2係合部との係合が解除されて注出キャップ及び容器の相対的なキャップ周方向に沿った緩み側の移動の規制が解除されるので、注出キャップを容器から容易に取り外すことができる。
また、本発明に係るキャップ付容器では、前記注出キャップの周壁部の外周面には、キャップ径方向の外側に向けて突設されると共に、前記押下部に係合することで、前記注出キャップ及び前記容器の相対的なキャップ周方向に沿った締付側の移動を規制する周方向位置決め部が備えられていることが好ましい。
この場合、周方向位置決め部と押下部とが係合することで、注出キャップ及び容器の相対的なキャップ周方向に沿った締付側の移動が規制されるので、注出キャップを容器から取り外して内容物を詰め替えた後に、注出キャップを容器に装着するときに、周方向位置決め部と押下部とが互いに当接するまで注出キャップを口部に締め付けていくことで、注出キャップの容器に対するキャップ周方向の位置決めを行うことが可能となるため、この位置決めを容易且つ高精度に行うことができる。
また、本発明に係るキャップ付容器では、前記第1係合部における前記容器に対する前記注出キャップのキャップ周方向に沿った緩み側を向く面と、前記第2係合部における前記容器に対する前記注出キャップのキャップ周方向に沿った締付側を向く面とが係合し、前記第1係合部のキャップ径方向の大きさは、前記容器に対する前記注出キャップのキャップ周方向に沿った緩み側から締付側に向かうに従い小さくなり、前記第2係合部のキャップ径方向の大きさは、前記容器に対する前記注出キャップのキャップ周方向に沿った緩み側から締付側に向かうに従い大きくなっていることが好ましい。
この場合、第1係合部のキャップ径方向の大きさが、容器に対する注出キャップのキャップ周方向に沿った緩み側から締付側に向かうに従い小さくなり、第2係合部のキャップ径方向の大きさが、容器に対する注出キャップのキャップ周方向に沿った緩み側から締付側に向かうに従い大きくなっているので、注出キャップを容器から取り外して内容物を詰め替えた後、注出キャップと容器とを相対的にキャップ周方向に沿った締付側に移動させて注出キャップを容器に装着する過程で、第1係合部及び第2係合部が互いに乗り越えて係合するのに要する力を抑えることができる。
本発明に係るキャップ付容器によれば、オーバーキャップを取り外すとき又は装着するときに注出キャップが共回りして口部から外れるのを規制した上で、注出キャップを容器から容易に取り外すことができる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係るキャップ付容器の第1実施形態を、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態に係るキャップ付容器1は、図1に示すように、有底筒状の容器2と、容器2の口部3に着脱可能に螺着されると共に注出口4aを有する注出キャップ4、及び注出キャップ4に着脱可能に螺着され注出口4aを覆うオーバーキャップ5を有するキャップ6と、を備えている。
なお、図示の例では、容器2の口部3、注出キャップ4及びオーバーキャップ5は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。以下、この共通軸をキャップ軸Oと称し、キャップ軸Oに沿ってオーバーキャップ5側を上側、容器2側を下側と称する。
容器2は、口部3の下端に連設された首部7と、首部7の下端に連設され下側に向かうに従い漸次拡径された肩部8と、を備えている。
口部3の外周面には、雄ネジ3aが形成されている。また、図示の例では、首部7は、その内周面が口部3の内周面と面一であると共にその外径が口部3の外径より大きくなるように、キャップ径方向の肉厚が口部3より厚肉に形成されている。
更に、この容器2には、図1の紙面右側に図示しない把手が肩部8に連設されている。以下、図1に示す容器2において、キャップ軸Oに対して把手が位置する側、つまり図1の紙面においてキャップ軸Oの右側を容器後側と称し、図1の紙面においてキャップ軸Oの左側を容器前側と称する。
また、図2に示すように、首部7の外周面には、キャップ周方向に間隔をあけて複数(図示の例では3つ)の固定凸部7aがキャップ径方向の外側に向けて突設されている。図示の例では、3つの固定凸部7aのうちの1つが首部7の外周面における容器前側に配設され、この固定凸部7aからキャップ周方向に沿って一方側及び他方側にそれぞれ等間隔づつ離れて残りの2つの固定凸部7aが各別に配設されている。また、図1に示すように、固定凸部7aのキャップ軸O方向の大きさは、首部7のキャップ軸O方向の大きさと等しくなっている。
注出キャップ4は、キャップ軸Oと同軸に配設された外筒部(周壁部)9及び内筒部10と、内筒部10のキャップ径方向の内側に配設されると共に前記注出口4aを有する筒状のノズル部11と、を備えている。
外筒部9は、多段の円筒状に形成され、上筒部12と、上筒部12におけるキャップ軸O方向の中間部にキャップ径方向の外方に向けて突設されたフランジ部13と、フランジ部13の外周縁部から下方に向けて延設された下筒部14と、を備えている。
上筒部12の外周面には、雄ネジ12aが形成されている。また、上筒部12の下端縁におけるキャップ径方向内側部分には下方に向けて嵌合筒部15が延設され、この嵌合筒部15が容器2の口部3内に嵌合されていると共に、前記下端縁におけるキャップ径方向外側部分が口部3の上端開口縁と当接している。
下筒部14の内径は、容器2の首部7の外径とほぼ等しく、下筒部14の下端は、首部7の上端よりも上側に位置している。また、下筒部14の内周面には雌ネジ14aが形成されており、この雌ネジ14aが口部3の雄ネジ3aに螺合している。ここで、図示の例では、容器2に対する注出キャップ4のキャップ周方向に沿った締付側D1が、このキャップ付容器1の上面視における時計回り側であり、容器2に対する注出キャップ4のキャップ周方向に沿った緩み側D2が、このキャップ付容器1の上面視における反時計回り側である(図3参照)。
また、図1に示すように、口部3のキャップ径方向の内側に内筒部10が配設されている。この内筒部10の上端は前記上筒部12の下端と連結され、内筒部10と前記嵌合筒部15との間には隙間があいている。図示の例では、内筒部10の下端は、容器2の口部3の下端より上側に位置している。
ノズル部11は、その中心軸がキャップ軸Oに対してずらされて配設されると共に、その上端開口が前記注出口4aとなっている。ここで、注出キャップ4において、キャップ軸Oに対してノズル部11がずらされた方向をキャップ前側とする。本実施形態では、キャップ前側と容器前側とが一致した状態で注出キャップ4が容器2の口部3に装着されている。以下では、キャップ前側及び容器前側を単に前側、キャップ後側及び容器後側を単に後側と称する。
ノズル部11の下端開口面は、前側から後側に向かうに従い漸次下側に向かって傾斜している。また、ノズル部11は、下側から上側に向かうに従い後側側面が前側に傾斜して、漸次縮径されている。更に、図示の例では、ノズル部11の後側側面には、キャップ軸O方向に沿って延在し、注出口4aとノズル部11の下端開口とをつなぐ開口が形成されている。
ノズル部11の下端は、口部3の下端より下側に位置すると共に、内筒部10の下端からキャップ径方向の内側に向かうに従い下方に向けて延びる連結部10aに連結されている。また、ノズル部11の上端は、外筒部9の上端より上方に位置している。
このノズル部11を有する注出キャップ4が装着された本実施形態のキャップ付容器1では、前側が下方を向くように傾けられることで、内容物が注出口4aから確実に注出される。
オーバーキャップ5は、有頂筒状に形成された本体筒16と、本体筒16におけるキャップ軸O方向の中間部からキャップ径方向の外方に向けて突設されたフランジ部17と、フランジ部17の外周縁部から下方に向けて延設された装着筒18と、を備え、これら本体筒16、フランジ部17及び装着筒18がいずれもキャップ軸Oと同軸に配設されている。
本体筒16の外径は注出キャップ4の内筒部10の内径より小さく、本体筒16の下端は、前記内筒部10のキャップ径方向の内側で且つノズル部11のキャップ径方向の外側に配設されている。
装着筒18の内周面には、雌ネジ18aが形成され、この雌ネジ18aが注出キャップ4の上筒部12の雄ネジ12aに螺合している。また、フランジ部17の下面には下方に向けて嵌合筒部17aが延設され、この嵌合筒部17aが前記上筒部12内に嵌合されている。
なお、図示の例では、前述した各雄ネジ3a、12a及び各雌ネジ14a、18aそれぞれの螺設方向は同じになっている。このため、このキャップ付容器1では、オーバーキャップ5と注出キャップ4とを相対的にキャップ周方向に沿った緩み側に移動させたときに、注出キャップ4と容器2とが相対的にキャップ周方向に沿った緩み側に移動するように注出キャップ4を共回りさせる力が、この注出キャップ4に対して作用する。
ここで、前述した注出キャップ4の外筒部9には、第1係合部19が形成されている。本実施形態では、第1係合部19は、図1及び図3に示すように、外筒部9にキャップ径方向に向けて突設されると共に、そのキャップ径方向の大きさは、前記緩み側D2から前記締付側D1に向かうに従い小さくなっている。
本実施形態では、第1係合部19は、前記外筒部9の下筒部14の外周面における後側部分にキャップ径方向の外側に向けて突設されている。第1係合部19の横断面視形状は、図3に示すように、直角三角形状となっている。第1係合部19における前記緩み側D2の端縁は、前記下筒部14の外周面からキャップ径方向の外側に延びる平坦面である第1係合面(第1係合部19における前記緩み側D2を向く面)19aなっている。また、第1係合部19における前記締付側D1の端縁は、前記下筒部14の外周面と一致している。更に、第1係合部19のキャップ周方向に沿った長さは、例えば前記下筒部14の外周面の周長の約1/24となっている。
また、第1係合部19は、図1に示すように、前記下筒部14の外周面における下端に突設されている。図示の例では、第1係合部19のキャップ径方向の大きさは、キャップ周方向に沿った同一の位置でキャップ軸O方向の位置に関わらず一定の大きさになっている。
そして、本実施形態のキャップ付容器1には、図1から図3に示すように、容器2に対してキャップ軸O方向に弾性変形可能に形成された弾性連結片20と、弾性連結片20に連結され注出キャップ4よりもキャップ径方向の外側に位置する押下部21と、第1係合部19に係合する第2係合部22と、を有すると共に、第1係合部19と第2係合部22とが係合することで、注出キャップ4及び容器2の相対的なキャップ周方向に沿った緩み側の移動を規制する規制部23が備えられている。更に、規制部23は、弾性連結片20に連結されると共に容器2の首部7に固着された基部24を備えており、これら弾性連結片20、押下部21、第2係合部22及び基部24が、例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等の樹脂材料で一体に形成されている。また、図示の例では、規制部23は、容器2とは異なる部材で構成されている。
基部24の横断面視形状は、図2に示すように、C字状となっている。また、基部24は、その内径が容器2の首部7の外径と等しく、そのキャップ径方向の内側に首部7が嵌合されている。更に、基部24は、この基部24におけるキャップ周方向の両端部が後側に位置するように配設されている。図示の例では、基部24の内周面の周長が、例えば首部7の外周面の周長の約3/4となっている。また、図1に示すように、基部24のキャップ軸O方向の大きさは、首部7のキャップ軸O方向の大きさより大きく、基部24の上端は、注出キャップ4の下筒部14の下端より下側に位置している。
また、図2に示すように、基部24の内周面には、首部7の固定凸部7aが係合された複数(図示の例では3つ)の固定凹溝24aが、前記固定凸部7aに対応してキャップ周方向に間隔をあけて設けられている。更に、固定凹溝24aは、図1に示すように、基部24の下面に開口している。また、固定凹溝24aは、図1及び図2に示すように、その横断面視形状及び縦断面視形状が固定凸部7aと同形同大に形成されている。この固定凹溝24aと固定凸部7aとが係合することにより、基部24は首部7に固着され、この基部24を有する規制部23と容器2とは相対的なキャップ周方向に沿った双方向の移動が規制されている。
弾性連結片20は、図2及び図3に示すように、基部24のキャップ周方向の両端部と連結されてこの基部24に対して後側に配置され、この基部24と併せてリング形状をなすように形成されている。図示の例では、弾性連結片20の内周面は、首部7の外周面における後側部分に沿うように形成されると共に、その周長が例えば首部7の外周面の周長の約1/4となっている。
また、図1に示すように、弾性連結片20は、基部24のキャップ周方向の両端部における上端と連結され、そのキャップ軸O方向の大きさは、例えば基部24のキャップ軸O方向の大きさの約1/3となっている。このため、弾性連結片20は、基部24に比べてキャップ軸O方向に沿う曲げ剛性が低く、キャップ軸O方向に弾性変形可能とされている。また、弾性連結片20の下面は、容器2の首部7の上面より下側に位置している。また、弾性連結片20の上面と基部24の上面とは面一となっており、弾性連結片20の上面は、下筒部14の下端より下側に位置している。
押下部21は、図1及び図3に示すように、その外形形状が直方体状に形成され、一対の側面21a、21bがそれぞれ前側及び後側を向くと共に、他の一対の側面21c、21dが第1係合部19の第1係合面19aと平行になるように配設されている。また、図1に示すように、押下部21の側面21a、21b、21c、21dのうち、前側を向く側面21aの下端に弾性連結片20における後側の端部が連結され、押下部21の上端が第1係合部19の上端より下側に位置している。また、図示の例では、押下部21の下面には、孔が形成されている。
また、押下部21は、図3に示すように、そのキャップ周方向における中間部が第1係合部19における第1係合面19aのキャップ径方向の外側に位置するように配設されている。また、図示の例では、押下部21の前側を向く側面21aは、横断面視でキャップ軸Oを中心とする円弧状をなす凹曲面に形成され、この側面21aと前記下筒部14の外周面との間のキャップ径方向の大きさは、キャップ周方向の位置に関わらず一定で、第1係合部19における第1係合面19aのキャップ径方向の大きさより大きくなっている。
第2係合部22は、図1及び図3に示すように、規制部23に突設されると共に、そのキャップ径方向の大きさは、前記緩み側D2から前記締付側D1に向かうに従い大きくなっている。
本実施形態では、第2係合部22は、図3に示すように、押下部21の前側を向く側面21aにおける前記緩み側D2部分にキャップ径方向の内側に向けて突設されている。第2係合部22の横断面視形状は、直角三角形状となっている。また、第2係合部22における前記締付側D1の端縁は、押下部21の前側を向く側面21aからキャップ径方向の内側に延びて第1係合面19aと平行な平坦面である第2係合面(第2係合部22における前記締付側D1を向く面)22aとなっている。また、第2係合部22における前記緩み側D2の端縁は、押下部21の前側を向く側面21aと一致している。また、図示の例では、第2係合部22における第2係合面22aのキャップ径方向の大きさは、第1係合部19における第1係合面19aのキャップ径方向の大きさと等しくなっている。そして、第2係合部22は、その第2係合面22aが第1係合部19の第1係合面19aと当接するように配設されている。この当接により、第1係合部19と第2係合部22とが係合し、注出キャップ4及び容器2の相対的なキャップ周方向に沿った緩み側の移動を規制することができる。
また、図1に示すように、第2係合部22の下端は、弾性連結片20の上面と連結されている。また、第2係合部22の上端は、第1係合部19及び押下部21の各上端より下側に位置している。また、図示の例では、第2係合部22のキャップ径方向の大きさは、キャップ周方向に沿った同一の位置でキャップ軸O方向の位置に関わらず一定の大きさになっている。
また、図1及び図3に示すように、注出キャップ4の外筒部9の外周面には、キャップ径方向の外側に向けて突設されると共に、押下部21に係合することで、注出キャップ4及び容器2の相対的なキャップ周方向に沿った締付側の移動を規制する周方向位置決め部25が備えられている。
図3に示すように、本実施形態では、周方向位置決め部25は、前記外筒部9の下筒部14の外周面において第1係合部19に対して前記緩み側D2に離れた位置に配設され、第1係合部19との間にキャップ周方向に沿った間隔があけられている。周方向位置決め部25は、その前記締付側D1部分で押下部21の前記緩み側D2を向く側面21cに当接するように形成されている。このように当接することで、周方向位置決め部25と押下部21とが係合し、注出キャップ4及び容器2の相対的なキャップ周方向に沿った締付側の移動を規制することができる。
図示の例では、第1係合部19と周方向位置決め部25とのキャップ周方向に沿った間隔は、例えば前記下筒部14の外周面の周長の約1/24となっている。また、図示の例では、周方向位置決め部25における前記締付側D1の端縁は、第1係合面19aに平行な平坦面である位置決め面25aとなっており、そのキャップ径方向の大きさが、例えば押下部21の前側を向く側面21aと前記下筒部14の外周面との間のキャップ径方向の大きさの約2倍となっている。更に、図示の例では、周方向位置決め部25は、前記緩み側D2から前記締付側D1に向かうに従いキャップ径方向の大きさが大きくなっている。
また、周方向位置決め部25は、図1に示すように、前記下筒部14の外周面における下端に突設されている。周方向位置決め部25の上端は、押下部21の上端よりも上側に位置している。また、周方向位置決め部25のキャップ径方向の大きさは、キャップ周方向に沿った同一の位置でキャップ軸O方向の位置に関わらず一定の大きさになっている。
そして、本実施形態のキャップ付容器1では、図4に示すように、押下部21を押下したときに、弾性連結片20がキャップ軸O方向に弾性変形させられて、第1係合部19と第2係合部22との係合が解除される。図示の例では、押下部21を押下することで、弾性連結片20が前側(基部24側)から後側(押下部21側)に向かうに従い下側に向かうように弾性変形させられ、弾性連結片20の後側部分が、押下部21及び第2係合部22と共に容器2に対してキャップ軸O方向の下側に変位する。そして、この弾性連結片20の後側部分が肩部8の上面に接触するまで変位したときに、第2係合部22の上端が第1係合部19の下端より下側まで変位して、第1係合部19と第2係合部22との係合が解除される。この状態で、注出キャップ4と容器2とを相対的にキャップ周方向に沿った緩み側に移動させることで、注出キャップ4を容器2から取り外すことができる。
次に、以上のように形成されたキャップ付容器1において、注出キャップ4を容器2から取り外して内容物を詰め替えた後、注出キャップ4を容器2に装着する方法について説明する。
注出キャップ4と容器2とを相対的にキャップ周方向に沿った締付側に移動させると、第1係合部19における前記締付側D1の部分と第2係合部22における前記緩み側D2の部分とが当接する。その後更に、注出キャップ4と容器2とを相対的にキャップ周方向に沿った締付側に移動させると、第1係合部19と第2係合部22とが摺接しつつ互いに乗り越えて、第1係合部19が第2係合部22に対して前記締付側D1に、第2係合部22が第1係合部19に対して前記緩み側D2にそれぞれ移動する。これにより、第1係合部19の第1係合面19aと第2係合部22の第2係合面22aとが当接する。
更にこの際、周方向位置決め部25の位置決め面25aが押下部21の前記緩み側D2を向く側面21cに当接することで、注出キャップ4及び規制部23の相対的なキャップ周方向に沿った締付側の移動が規制されると共に、キャップ前側と容器前側、及びキャップ後側と容器後側がそれぞれ一致させられる。
以上のように形成された本実施形態に係るキャップ付容器1によれば、第1係合部19と第2係合部22とが係合することで、注出キャップ4及び容器2の相対的なキャップ周方向に沿った緩み側の移動が規制されるので、オーバーキャップ5を取り外すときに注出キャップ4が共回りして容器2の口部3から外れるのを規制することができる。しかも、押下部21を押下することで、弾性連結片20がキャップ軸O方向に弾性変形させられて、第1係合部19と第2係合部22との係合が解除されて注出キャップ4及び容器2の相対的なキャップ周方向に沿った緩み側の移動の規制が解除されるので、注出キャップ4を容器2から容易に取り外すことができる。
また、周方向位置決め部25と押下部21とが係合することで、注出キャップ4及び容器2の相対的なキャップ周方向に沿った締付側の移動が規制されるので、注出キャップ4を容器2に装着するときに、周方向位置決め部25の位置決め面25aと押下部21の前記緩み側D2を向く側面21cとが互いに当接するまで注出キャップ4を口部3に締め付けていくことで、注出キャップ4の容器2に対するキャップ周方向の位置決めを行うことが可能となるため、この位置決めを容易且つ高精度に行うことができる。
また、第1係合部19のキャップ径方向の大きさが、前記緩み側D2から前記締付側D1に向かうに従い小さくなり、第2係合部22のキャップ径方向の大きさが、前記緩み側D2から前記締付側D1に向かうに従い大きくなっているので、注出キャップ4と容器2とを相対的にキャップ周方向に沿った締付側に移動させて注出キャップ4を容器2に装着する過程で、第1係合部19及び第2係合部22が互いに乗り越えて係合するのに要する力を抑えることができる。
なお、本実施形態では、第1係合部19が前記下筒部14の外周面にキャップ径方向の外側に向けて突設され、第2係合部22が押下部21の前側を向く側面21aにキャップ径方向の内側に向けて突設されているものとしたが、これに限られず、例えば、第1係合部19が前記下筒部14の内周面にキャップ径方向の内側に向けて突設され、第2係合部22が弾性連結片20の上面に上側に向けて突設されていてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係るキャップ付容器の第2実施形態を、図5から図7を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付しその説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
まず、本実施形態に係るキャップ付容器30では、図5及び図6に示すように、注出キャップ4の外筒部9にキャップ軸O方向に沿って延びる係合凹溝31が形成されている。図示の例では、係合凹溝31は、前記外筒部9の下筒部14の内周面における後側部分に、この下筒部14の下面に開口している。また、図5に示すように、係合凹溝31の上端は、押下部21の上端より下側に位置している。また、図6に示すように、係合凹溝31のキャップ周方向に沿った大きさは、例えば前記下筒部14の内周面の周長の約1/12となっている。
また、図5に示すように、第2係合部33は、弾性連結片20の上面に上側に向けて突設され、係合凹溝31内に配設されている。第2係合部33の上端は、係合凹溝31の上側端面より下側に位置している。また、図6に示すように、第2係合部33は横断面視において係合凹溝31と同形同大に形成されている。
以上により、係合凹溝31を画成する周壁部のうち、前記緩み側D2を向く係合周壁部(第1係合部)32と、第2係合部33とが当接することで係合し、注出キャップ4及び規制部23の相対的なキャップ周方向に沿った緩み側の移動が規制されている。しかも、本実施形態では、第2係合部33が、係合凹溝31を画成する周壁部のうち、前記締付側D1を向く周壁部31aとも当接して係合しているので、注出キャップ4及び規制部23の相対的なキャップ周方向に沿った締付側の移動も規制されている。
また、図6に示すように、押下部21の前側を向く側面21aにおける前記締付側D1の端部に、キャップ径方向の内側に向けて位置決め凸部34が突設されている。位置決め凸部34の横断面視形状は矩形状に形成され、位置決め凸部34と前記下筒部14の外周面との間にはキャップ径方向に隙間があいている。
また、図5及び図6に示すように、周方向位置決め部35は、前記下筒部14の外周面における下端に、キャップ径方向の外側に向けて突設されている。また、図6に示すように、周方向位置決め部35は、その横断面視形状が矩形状に形成されており、そのキャップ径方向の大きさがキャップ周方向の位置に関わらず一定で、押下部21の前側を向く側面21aと前記下筒部14の外周面との間のキャップ径方向の大きさより小さくなっている。また、周方向位置決め部35は、その前記締付側D1を向く面35aが、押下部21の位置決め凸部34における前記緩み側D2を向く面34aと当接するように配設されている。
そして、本実施形態のキャップ付容器30では、第1実施形態に示したキャップ付容器1と同様に、図7に示すように、押下部21を押下したときに、弾性連結片20がキャップ軸O方向に弾性変形させられて、係合周壁部32と第2係合部33との係合が解除される。図示の例では、弾性連結片20の後側部分が肩部8の上面に接触するまで押下部21を押下することで、キャップ軸O方向の下側に変位された第2係合部33の上端が係合凹溝31の下端より下側まで変位して、係合周壁部32と第2係合部33との係合が解除される。
以上のように形成された本実施形態に係るキャップ付容器30によれば、上記第1実施形態に示したキャップ付容器1と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、係合凹溝31及び第2係合部33それぞれの周長を互いに同等にして、注出キャップ4及び規制部23の相対的なキャップ周方向に沿った双方向の移動を規制したが、第2係合部33の周長を係合凹溝31の周長よりも短くし、第2係合部33が係合凹溝31を形成する周壁部のうち係合周壁部32とのみ係合するように形成しても良い。
また、上記実施形態では、係合凹溝31が外筒部9の下筒部14の内周面における後側部分に形成されているものとしたが、係合凹溝31が形成される位置はこれに限られず、例えば、前記下筒部14の外周面における後側部分に形成されていても良い。
なお、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、規制部23は容器2と別部材としたが、容器2と一体であっても構わない。この場合、基部24を形成しなくても良い。
また、上記各実施形態では、注出キャップ4に周方向位置決め部25、35を設けたが、この周方向位置決め部25、35は無くても構わない。
また、上記各実施形態では、押下部21は直方体状としたが、形状に制限は無い。
また、上記各実施形態では、弾性連結片20を規制部23の他の構成と同部材としたが、他の部材より剛性が低い部材を用いても良い。
また、上記各実施形態において、オーバーキャップ5の本体筒16の外表面には、本体筒16を上下反転させた状態で本体筒16内に内容物を注入したときに、その注入された内容物の液量を示す目盛り等が設けられていてもよい。この場合、注出キャップ4から取り外したオーバーキャップ5を計量キャップとして用いることができる。
また、雄ネジ12a及び雌ネジ18aの各螺設方向と、雄ネジ3a及び雌ネジ14aの各螺設方向とを互いに逆向きにしてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、上記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係る第1実施形態のキャップ付容器における要部の拡大された縦断面図である。 図1に示すA−A線矢視断面図であって、容器の首部及び規制部のみを示した図である。 図1に示すB−B線矢視断面図であって、容器の口部、首部、注出キャップの下筒部、及び規制部のみを示した図である。 図1に示すキャップ付容器の弾性連結片を弾性変形させた状態を示す図である。 本発明に係る第2実施形態のキャップ付容器における要部の拡大された縦断面図である。 図5に示すC−C線矢視断面図であって、容器の首部及び規制部のみを示した図である。 図5に示すキャップ付容器の弾性連結片を弾性変形させた状態を示す図である。
符号の説明
O キャップ軸
1、30 キャップ付容器
2 容器
3 口部
4 注出キャップ
4a 注出口
5 オーバーキャップ
6 キャップ
9 外筒部(注出キャップの周壁部)
19 第1係合部
19a 第1係合面(第1係合部における容器に対する注出キャップのキャップ周方向に沿った緩み側を向く面)
20 弾性連結片
21 押下部
22、33 第2係合部
22a 第2係合面(第2係合部における容器に対する注出キャップのキャップ周方向に沿った締付側を向く面)
23 規制部
25、35 周方向位置決め部
32 係合周壁部(第1係合部)

Claims (3)

  1. 有底筒状の容器と、該容器の口部に着脱可能に螺着されると共に注出口を有する注出キャップ、及び該注出キャップに着脱可能に螺着され注出口を覆うオーバーキャップを有するキャップと、を備えるキャップ付容器であって、
    前記容器に対してキャップ軸方向に弾性変形可能に形成された弾性連結片と、該弾性連結片に連結され前記注出キャップよりもキャップ径方向の外側に位置する押下部と、前記注出キャップの周壁部に形成された第1係合部に係合する第2係合部と、を有すると共に、前記第1係合部と前記第2係合部とが係合することで、前記注出キャップ及び前記容器の相対的なキャップ周方向に沿った緩み側の移動を規制する規制部が備えられ、
    前記押下部を押下したときに、前記弾性連結片がキャップ軸方向に弾性変形させられて、前記第1係合部と前記第2係合部との係合が解除されることを特徴とするキャップ付容器。
  2. 請求項1に記載のキャップ付容器において、
    前記注出キャップの周壁部の外周面には、キャップ径方向の外側に向けて突設されると共に、前記押下部に係合することで、前記注出キャップ及び前記容器の相対的なキャップ周方向に沿った締付側の移動を規制する周方向位置決め部が備えられていることを特徴とするキャップ付容器。
  3. 請求項1又は2に記載のキャップ付容器において、
    前記第1係合部における前記容器に対する前記注出キャップのキャップ周方向に沿った緩み側を向く面と、前記第2係合部における前記容器に対する前記注出キャップのキャップ周方向に沿った締付側を向く面とが係合し、
    前記第1係合部のキャップ径方向の大きさは、前記容器に対する前記注出キャップのキャップ周方向に沿った緩み側から締付側に向かうに従い小さくなり、
    前記第2係合部のキャップ径方向の大きさは、前記容器に対する前記注出キャップのキャップ周方向に沿った緩み側から締付側に向かうに従い大きくなっていることを特徴とするキャップ付容器。
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