Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP5073624B2 - 酸化亜鉛系半導体の成長方法及び半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛系半導体の成長方法及び半導体発光素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5073624B2
JP5073624B2 JP2008236923A JP2008236923A JP5073624B2 JP 5073624 B2 JP5073624 B2 JP 5073624B2 JP 2008236923 A JP2008236923 A JP 2008236923A JP 2008236923 A JP2008236923 A JP 2008236923A JP 5073624 B2 JP5073624 B2 JP 5073624B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
growth
single crystal
zno
crystal layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008236923A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010073750A (ja
Inventor
直史 堀尾
政幸 牧島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Stanley Electric Co Ltd
Original Assignee
Stanley Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Stanley Electric Co Ltd filed Critical Stanley Electric Co Ltd
Priority to JP2008236923A priority Critical patent/JP5073624B2/ja
Priority to US12/561,150 priority patent/US8529699B2/en
Publication of JP2010073750A publication Critical patent/JP2010073750A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5073624B2 publication Critical patent/JP5073624B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Description

本発明は、酸化亜鉛系半導体の成長方法及び半導体素子の製造方法に関し、特に、MOCVD法による酸化亜鉛系半導体層の成長方法及びこれを用いた半導体発光素子の製造方法に関する。
酸化亜鉛(ZnO)は、室温で3.37eVのバンドギャップエネルギーを有する直接遷移型の半導体で、青ないし紫外領域の光素子用の材料として期待されている。特に、励起子の束縛エネルギーが60meV、また屈折率n=2.0と半導体発光素子に極めて適した物性を有している。また、発光素子、受光素子に限らず、表面弾性波(SAW)デバイス、圧電素子等にも広く応用が可能である。さらに、原材料が安価であるとともに、環境や人体に無害であるという特徴を有している。
一般に、酸化亜鉛系化合物半導体の結晶成長方法として、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相堆積)法や、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシ)法などが利用されている。MBE法は、超高真空下での結晶成長法であり、装置が高価で生産性が低いなどの問題がある。これに対し、MOCVD法は、装置が比較的安価であるとともに、大面積成長や多数枚同時成長が可能で、スループットが高く、量産性やコスト面においても優れているという利点を有している。
MBE法を用いた酸化亜鉛の結晶成長方法として、例えば、サファイア基板上に単結晶特性を示す低温ZnO層を結晶成長し、次に高温で熱処理して平坦化した後、高温ZnO層を結晶成長することで結晶性の良好なZnO層が得られる方法が開示されている(特許文献1)。より詳細には、一般的にZnO単結晶を成長するための結晶成長の温度よりも低い成長温度を用いて形成した低温成長ZnO単結晶層について開示されている。しかしながら、当該文献に開示されている方法は、MBE法にのみ有効な成長条件・方法であり、かかる方法をMOCVD法に適用することはできない。すなわち、周知のように(例えば、特許文献2)、非ストイキオメトリ(非化学量論的組成)条件での結晶成長が可能なMBE法の成長条件をそのままMOCVD法に適用することはできない。そのため、MOCVD法を用いて酸化亜鉛系半導体の単結晶層を成長させる方法が盛んに研究されている。
MOCVD法によりサファイア(Al)などの異材質基板上に酸化亜鉛(ZnO)あるいは酸化亜鉛系半導体を結晶成長させる方法について、これまで種々開示されている(例えば、特許文献2、3)。例えば、特許文献2には、A面サファイア基板又はC面炭化珪素基板上に予備バッファ層としてOを酸素源にしてMgZnO微結晶を形成し、当該微結晶を種結晶としてバッファ層本体となるMgZnO結晶を基板全面に形成することが開示されている。また、特許文献3には、低温形成した多結晶又はアモルファスの積層体を高温でアニールし、バッファ層とすることが開示されている。しかしながら、このような方法においては、多結晶が熱処理により単結晶化する際に隣り合った結晶粒界との間に欠陥が残留する。また、微結晶をバッファ層本体が結晶成長する段階で粒界合体において欠陥が残留する。従って、結晶欠陥を大幅に減少させることは難しい。このように、従来、多結晶や微結晶あるいはアモルファスからなるバッファ層を形成して結晶性を改善することが試みられているが、MOCVD法で結晶性を改善する方法は複雑であり、基板上に高品質のZnO系結晶を成長させることは困難であった。
以上説明したように、MOCVD法によりサファイア基板等の上にZnO系単結晶を成長させる方法は数多く提案されているものの、簡便かつ高品質なZnO系単結晶を成長させる方法としては問題も多い。
また、MOCVD法の場合、結晶性が向上する温度(約600℃以上)環境下で成長するとc軸方向に配向した(六角)柱状結晶、網目状結晶、(六角)ディスク状結晶になり易い性質がある。このような結晶軸方向に強く配向した多結晶や不完全単結晶では、粒界面や転移が半導体素子のリーク電流や局部的な電流集中の原因となり、素子特性や素子寿命の劣化を招来する。特に、半導体発光素子においては、リーク電流や電流集中により、発光効率、素子寿命等の特性の低下が生じる。さらに、結晶表面が平坦でない場合には、リソグラフィ、エッチング等の半導体プロセスにおけるプロセス精度の低下や製造歩留まりの低下につながる。また、劈開やブレーキングなどにおける製造歩留まりの低下も招来する。
このように、従来、MOCVD法によりサファイア基板等の異種基板上に粒界面や転移が少なくかつ平坦なZnO系半導体の単結晶を成長することは困難であった。半導体素子、特に、動作電流密度の大きい半導体発光素子の高性能化、高信頼度化を図るには、結晶欠陥の少ないかつ平坦な理想結晶に近い結晶の成長方法の開発が極めて重要である。
特許第3424814号公報 特開2005−340370号公報 特許第3859148号公報
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板上に結晶欠陥の少ない、単結晶性及び平坦性に優れた酸化亜鉛系半導体結晶の成長方法を提供することにある。また、高性能かつ高信頼性の半導体素子、特に、発光効率及び素子寿命に優れた高性能な半導体発光素子を提供することにある。さらに、製造歩留まりが高く、量産性に優れた半導体発光素子を提供することにある。
本発明は、MOCVD法により基板上に酸化亜鉛系半導体層を結晶成長する方法であって、酸素を含まない有機金属化合物と水蒸気を用い、(a)低成長温度かつ1kPa〜30kPaの範囲内の低成長圧力で結晶成長を行って第1の単結晶層を形成するステップと、(b)高成長温度かつ上記低成長圧力よりも高い圧力で結晶成長を行って上記第1の単結晶層上に第2の単結晶層を形成するステップと、を有することを特徴としている。
また、本発明は、MOCVD法により基板上に酸化亜鉛系半導体層を積層して半導体発光素子を製造する方法であって、酸素を含まない有機金属化合物と水蒸気を用い、(a)低成長温度かつ1kPa〜30kPaの範囲内の低成長圧力で結晶成長を行って第1の単結晶層を形成するステップと、(b)高成長温度かつ上記低成長圧力よりも高い圧力で結晶成長を行って上記第1の単結晶層上に第2の単結晶層を形成するステップと、(c)高成長温度かつ上記低成長圧力よりも高い圧力で結晶成長を行って上記第2の単結晶層上に発光層を形成するステップと、を有することを特徴としている。
上記低成長温度は、250℃〜450℃の範囲内の温度とすることができる。
また、上記高成長温度は、700℃〜850℃の範囲内の温度とすることができる。
また、上記低成長圧力よりも高い圧力は、40kPa〜120kPaの範囲内の圧力とすることができる。
以下においては、MOCVD法により基板上に単結晶性及び平坦性に優れた酸化亜鉛系半導体結晶層を成長する方法について図面を参照して詳細に説明する。また、当該成長方法により形成された半導体素子として半導体発光素子(LED:Light Emitting Diode)を例に説明する。
なお、本明細書中において定義される「低成長温度」とは、例えば、200℃〜650℃程度の、一般的にZnO単結晶を成長するための結晶成長の温度よりも50℃〜500℃程度低い温度をいう。また、「高成長温度」とは、一般的にZnO単結晶を成長する際に適した成長温度であり、上記の「低成長温度」よりも高く、850℃程度以下の温度をいう。
図1は、本発明により基板10上に成長された酸化亜鉛系半導体結晶層(以下、ZnO系半導体層と表記する。)を示す断面図である。より詳細には、MOCVD法を用いてZnO層11と、ZnO系半導体層12とをサファイア基板上に成長する。なお、以下においては、ZnO系半導体層12として、MgZn(1−x)O(0≦x≦0.68)を成長する場合を例に説明する。
なお、以下において、ZnO系半導体はZnOベースの他の化合物結晶であってもよい。例えば、Zn(亜鉛)の一部がカルシウム(Ca)で置き換えられたZnO系化合物結晶であってもよい。あるいは、O(酸素)の一部がセレン(Se)、硫黄(S)やテルル(Te)などで置き換えられたZnO系化合物結晶であってもよい。
結晶成長に用いたMOCVD装置(図示しない)は、反応容器(チャンバ)を有し、反応容器内には基板10を保持するサセプタ、サセプタを加熱するヒーター、及び材料ガスを基板に吹付けるシャワーヘッドが設けられている。また、排気ポンプ及び容器内圧力を調整する圧力調整装置が設けられている。
基板10として、コランダム構造を有するα−サファイア単結晶のサファイア(Al)基板が用いられる。本実施例においては、サファイアA面({11−20}面)を結晶成長面として当該サファイアA面上にZnO層11を成長する。以下においては、サファイアA面({11−20}面)を主面(結晶成長面)とする基板をA面サファイア基板とも称する。なお、ここで、ミラー指数{ }は等価な面の代表値を示している。
本実施例においては、有機金属化合物材料(または有機金属材料)として、酸素を含まない材料を用いた。すなわち、構成分子内に酸素原子を含まない材料、及び酸素分子を含まない材料を用いた。
より具体的には、亜鉛(Zn)源としてDMZn(ジメチル亜鉛)、マグネシウム(Mg)源としてCp2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)、ガリウム(Ga)源としてTEGa(トリエチルガリウム)をそれぞれ用いた。尚、上記した材料以外にもDEZn(ジエチル亜鉛)、TMGa(トリメチルガリウム)などを用いることができる。酸素を含まない有機金属材料は、低温で熱分解し易く、O(酸素)やHO(水蒸気)とは室温でも反応するので、低温での結晶成長に適している。
酸素源としての液体材料として、HO(水蒸気)を用いた。HOは、酸素を分子中に含まない有機金属材料と室温程度でも高い反応性を有するので、ZnO結晶の低温成長に適している。また、HO分子は分子内における分極が大きく、また、2つの孤立電子対を有しており、結晶表面等への吸着能力に優れている。
n型不純物源としては、TMGa(トリメチルガリウム)を用い、p型不純物源としては、NH(アンモニア)ガスを用いた。なお、これらのガスは、窒素やAr(アルゴン)などの不活性ガスで希釈されていても構わない。
また、輸送(キャリア)ガスとして窒素を用いた。液体または固体材料の蒸気と気体材料(以下、材料ガスという。)はキャリアガスによってシャワーヘッドに送り込まれ、基板に供給される。
図2は、当該MOCVD法による結晶成長に用いられた結晶成長シーケンスを示している。まず、MOCVD装置内のサセプタにA面サファイア基板10をセットし、反応容器圧力を10kPa(キロパスカル)に調整した(時間T=T1)。
次に、酸素源としてHO(水蒸気)を640μmol/minの流量でシャワーヘッドから基板10への供給を開始した(T=T2)。また、ヒーターで基板10を室温(RT)から900℃まで昇温し、基板10の脱ガス処理を10分間行った(T=T3〜T4)。これ以降、成長終了までHO(水蒸気)を同じ流量で流し続けた。
脱ガス処理後、基板温度を400℃まで降下し、亜鉛原料としてDMZn(ジメチル亜鉛)を1μmol/minの流量で基板10に約15分間供給した(T=T5〜T6:ZnO層11の成長期間、図2の期間G1A)。なお、このときの水蒸気流量と有機金属(DMZn)の流量比(FH2O/FDMZn比)、いわゆるVI/II比は640である。
このように、減圧成長条件(成長圧力Pg=10kPa)において成長温度(Tg)を400℃とし、成長速度が1.7nm/minで、層厚が25nmのZnO層(低温成長単結晶層、以下、単に第1の単結晶層ともいう。)11を成長した。
ZnO層11の成長後、基板温度を800℃まで昇温し、10分間の熱処理(アニール)を行った(T=T7〜T8)。後述するように、この熱処理により、ZnO層11の結晶性および平坦性は更に向上した。
熱処理(アニール)が終了した後、ZnO層(低温成長単結晶層)11の場合よりも高い温度かつ高い圧力でZnO系半導体層12を成長した。反応容器圧力を10kPaから80kPaまで昇圧した。基板温度が安定した後、DMZnを10μmol/minの流量でシャワーヘッドからZnO層11上に供給した(T=T9〜T10:ZnO系半導体層12の成長期間、図2の期間G2)。なお、このときの水蒸気流量と有機金属(DMZn)の流量比(FH2O/FMO比)、いわゆるVI/II比は64である。基板10にDMZnを約60分間供給し、層厚が約1μmのZnO系半導体層(ZnO層)12を形成した。
なお、ZnO系半導体層12の成長前の、基板温度が安定するまでの待機時間をZnO層11の熱処理と兼用することもできる。
このように、ZnO層11の成長圧力よりも高い圧力(80kPa)において成長温度(Tg)を高成長温度(800℃)とし、成長速度が17nm/minで、層厚が約1μmのZnO系半導体層12(高温成長単結晶層、以下、単に第2の単結晶層ともいう。)を形成した。なお、本実施例においては、ZnO系半導体層12としてZnOを成長する場合を例に説明するが、これに限らない。DMZnに加えて、例えば、同様に酸素原子を含まない有機金属化合物であるCp2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を用いることにより三元結晶であるMgZn(1−x)O結晶を成長することができる。
ZnO系半導体層12の成長が終了した後、水蒸気を流しながら冷却した。基板温度が300℃以下になった後、水蒸気の供給を止めた(T=T11)。
以上、説明したように、基板上にZnO層(第1の単結晶層)11及びZnO系半導体層(第2の単結晶層)12が成長された結晶成長層付き基板(以下、単に、成長層付き基板という。)15が製造された。
[ZnO層(低温成長単結晶層、第1の単結晶層)11の結晶性]
上記した成長工程(T=T5〜T6)で得られたZnO層11は、A面({11−20}面)サファイア基板にc軸配向した単結晶層である。すなわち、α−サファイア単結晶の{11−20}面を主面とした基板上に、酸化亜鉛の{0001}面が単結晶積層される。RHEED(反射高速電子線回折)及びAFM(原子間力顕微鏡)測定によって当該ZnO層11の単結晶性及び平坦性について調べた。
図3(a)は、成長工程(T=T5〜T6)を終了した後、熱処理(アニール)を行わなかった場合、すなわち成長後のZnO層11のRHEED回折像を示す図である。図3(a)に示すように、等間隔に並んだストリーク状のRHEED回折像が得られた。これから表面結晶配列が単一であること、平滑であることがわかる。また、AFM(原子間力顕微鏡)測定によって、1μmエリアのRms(二乗平均粗さ)が0.62nm(ナノメートル)であることがわかった。ZnO結晶のc軸長(格子定数)はc=5.207Åであるので、表面粗さはZnO結晶のc軸長と同等であり、結晶層表面が平坦であることがわかった。これらの結果から、ZnO層11が平坦性の良好な単結晶層であることが確認された。
また、図3(b)は、ZnO層11の成長後、800℃の温度で3分間の熱処理を行った場合のRHEED回折像を示している。本実施例においては、熱処理時の圧力Paは低圧力(結晶成長時と同じPa=Pg=10kPa)として行った。また、上記したように、HO(水蒸気)を基板10に供給しつつ、すなわち、水蒸気雰囲気下で熱処理を行った。
図3(b)に示すように、熱処理を行うことによってRHEED回折像は、熱処理を行わなかった場合(図3(a))に比べ、更に明確なストリーク状となっていることが確認された。また、AFM測定において、Rms(二乗平均粗さ)が0.5nm以下となり、ZnO結晶のc軸長以下になったことがわかった。従って、熱処理によって、単結晶性と平坦性が向上していることが確認された。つまり、第1の単結晶層11は、薄膜ではあるがサブナノレベルで平坦な、低温成長の単結晶層である。
このように、ZnO層11は、結晶成長を終えた段階で既に良好な平坦性及び単結晶層を有しており、さらに熱処理により単結晶性が向上すること、及びZnO結晶のc軸長以下の平坦性を有することが確認された。
なお、第1の単結晶層11としてZnO層を成長する場合を例に説明したが、ZnOベースの他の化合物結晶であってもよい。
[低温成長単結晶層(第1の単結晶層)11の成長条件]
本実施例においては、基板10としてαサファイア(α−Al)の{11−20}面であるA面サファイア基板、当該酸素を含まない有機金属化合物材料としてDMZnを用い、成長温度を400℃、成長圧力を10kPaとしてZnO層(第1の単結晶層)11の成長を行った場合を例に説明した。また、成長速度が1.7nm/minで、成長層厚が25nmの場合を例に説明した。
しかし、上記実施例において示した基板、材料ガス、成長温度、成長圧力、成長速度、成長層厚等の条件は例示にすぎず、これらに限定されない。熱処理条件を含む成長条件を変えてZnO層11を成長し、平坦性の高い単結晶層を成長するための条件について検討した。以下に、ZnO層(第1の単結晶層)11の成長条件について詳細に説明する。
<基板>
A面サファイア基板が最適である。サファイア結晶のA面とZnO結晶のC面との格子不整合が小さいからである。すなわち、サファイア<0001>方向(酸素原子)とZnO<11−20>方向(亜鉛原子)の格子ミスマッチは0.07%であり、サファイア<10−10>方向(酸素原子)とZnO<10−10>方向(亜鉛原子)の格子ミスマッチは2.46%である。ここで、サファイア<0001>方向にZnO<11−20>方向がロックされるので、ZnO結晶は成長時に30°回転ドメインを形成することなく単結晶成長が可能となる。
また、用いることが可能な基板としては、基板面上にc軸配向したZnO結晶の場合では、当該基板面が60°、120°、180°の回転対称位置に格子整合点が存在するような結晶基板であればよい。またa軸あるいはm軸配向したZnO結晶の場合では、180°の回転対称位置に格子整合点が存在するような結晶基板であればよい。例えば、R面サファイア基板、M面サファイア基板、SiC(炭化珪素)基板、GaN(窒化ガリウム)基板、Ga(酸化ガリウム)基板、Si(シリコン)基板などを用いることができる。
<成長温度>
成長温度は、一般的にZnO単結晶を成長するための結晶成長温度(「高成長温度」という。)よりも低い温度(「低成長温度」という。)であることが適切である。当該高成長温度では、島状成長しやすく、層状単結晶になりにくいからである。
より詳細には、成長温度は、250℃〜450℃の範囲内が好ましい。さらに、300℃〜400℃の温度範囲内であることがより好ましい。250℃以下ではマイグレーション長が短くなるため、アモルファス化、多結晶化し易くなる。また、上記したように、450℃以上になると島状成長しやすくなり、平坦性が低下しやすくなる(Rms値が大きくなる)。
<成長圧力>
単結晶成長のためには、基板面上での反応化学種(DMZn、HO、中間生成物、結晶化前のZn原子、結晶化前のO原子等)のマイグレーション長が大きい方がよい。従って、減圧成長が好適であり、具体的には、成長圧力として1kPa〜30kPaが好適であり、より好ましくは5kPa〜20kPaである。成長圧力が1kPa以下になると著しく成長速度が遅くなる。
<材料ガス>
低成長圧力、低成長温度下でZnO単結晶層を形成するには高い相互反応性を有する材料選択が必要である。相互反応性が低いと結晶成長しなかったり、アモルファス化あるいは多結晶化するからである。Zn源としては、構成分子中に酸素を含まず、酸素源材料と高い反応性を有する有機金属化合物が好適である。上記したDMZnの他には、例えば、DEZn(ジエチル亜鉛)がある。また、酸素源としては、分子内での分極が大きく、有機金属化合物材料と高い反応性を有するHO(水蒸気)が適している。
<成長速度>
成長速度は0.4nm/min〜9nm/minの範囲内であることが好ましい。さらに、0.8nm/min〜4nm/minの範囲内であることがより好ましい。成長速度が、9nm/min以上では表面の凹凸が大きくなり、十分な平坦性が得られない場合がある。
<成長層厚>
成長層厚は5nm〜60nmの範囲内が良く、また、10nm〜40nmの範囲内であることが好ましい。さらに、より好ましくは15nm〜30nmである。すなわち、層厚が5nm未満では結晶層が基板表面を十分に覆うことができない場合がある。また、60nm以上では表面の凹凸が大きくなり、十分な平坦性が得られない場合がある。
<VI/II比(FH2O/FMO 比)>
水蒸気流量と有機金属(DMZn)流量比(FH2O/FDMZn 比)は、2程度以上ならば良い。具体的には2000程度あれば十分である。水蒸気流量はシャワーヘッド内で水蒸気が凝集を起こさない飽和水蒸気量の70%程度までが良い。
<熱処理条件>
上記したように、ZnO層11は結晶成長を終えた段階で既に良好な平坦性及び単結晶層を有しているが、熱処理を行うことによって、さらに単結晶性及び平坦性を向上させることができる。また、マイグレーション長が長くなる低圧力下において熱処理を行うのがよい。なお、熱処理に適した圧力範囲はZnO層11の成長圧力の範囲と同じである。
具体的には、成長したZnO層11の熱処理温度は700℃〜1100℃が適当である。また処理時間は、1〜60分の範囲が適切である。処理温度は800℃〜1000℃、処理時間は3分〜10分がさらに好ましい。処理温度が700℃未満では効果が低く、1100℃以上では層表面が荒れる。また、処理時間が60分以上では膜の蒸発により膜欠損が発生する場合がある。
[ZnO系半導体層(高温成長単結晶層、第2の単結晶層)12の成長条件]
サブナノレベルで平坦で、かつ単結晶性に優れたZnO層(第1の単結晶層)11の上に、2次元結晶成長モード(横方向成長モード)での成長が行われる条件を用い、ZnO系半導体層(第2の単結晶層)12を成長している。
ここで、本実施例においては、ZnO層11の上に、酸素を含まない有機金属化合物材料(DMZn)と水蒸気を用い、高温成長(800℃)とし、成長圧力をZnO層11の成長圧力よりも高い80kPaとして、ZnO層11上にMgZn(1−x)O結晶層(第2の結晶層)12の成長を行う場合を例に説明した。また、成長速度が17nm/minで、成長層厚が1μmの場合を例に説明した。
しかし、上記実施例において示したZnO層11上へのZnO系半導体層12の成長条件は例示にすぎず、これらに限定されない。成長条件を変えてZnO系半導体層を成長し、平坦性及び単結晶に優れたZnO系半導体層12を成長するための条件について検討した。その結果、上記したZnO層11は、僅かではあるが、ある種の結晶性の揺らぎを有しており、これによりZnO層11上への結晶成長には最適な条件があることがわかった。以下に、ZnO層(第1の単結晶層)11上にZnO系半導体層(第2の単結晶層)12を成長する場合の成長条件について詳細に説明する。
<成長圧力>
成長圧力と成長層の結晶性、平坦性との関係について評価を行った。成長層厚(TH)が0.125μmの場合のZnO層(第2の単結晶層)12のX線回折(10−10)ωロッキングカーブの半値幅(FWHM)(図4)から、成長圧力を高くすると結晶性が向上することがわかった。また、成長圧力を高くすると横方向成長(2次元成長モード)が促進され、c軸に直交する面(C面)が平坦化されることがわかった。結晶性が良好で、ZnO系半導体層(第2の単結晶層)表面に凹凸やピットが無く平坦な結晶成長面を得るには、高い成長圧力が望ましいことがわかった。具体的には、成長圧力は40kPa以上が良い。また、60kPa以上が好ましく、80kPa以上であることがさらに好ましい。上限としては、120kPa程度が適切である。尚、この上限値はMOCVD装置の気密性の上限値であり、成膜条件ではない。
<成長温度>
成長温度と成長層の結晶性、平坦性との関係について評価を行った。成長層厚(TH)が0.125μmの場合のZnO層12のX線回折(10−10)ωロッキングカーブの半値幅(FWHM)は成長温度が高温になるに従い狭くなり(図5)、転移密度が減少して結晶性が向上するとともに、平坦性が向上することがわかった。具体的には、平坦な面がc軸方向に形成される700℃以上が良い。上限はHO(水蒸気)で成長が困難になる850℃程度である。740℃〜810℃の温度範囲内が好ましく、さらには780℃〜810℃が最も好ましい。
<成長層厚>
成長層厚と成長層の結晶性、平坦性との関係について評価を行った。図6は、成長層厚に対する成長層のX線回折(0002)ωロッキングカーブの半値幅(FWHM)を示す図である。ZnO層(第1の単結晶層)11上に形成するZnO系半導体層(第2の単結晶層)12は、始めに島状成長し、時間とともに単結晶の島が合体し層状のZnO系半導体層になる。
図7は、ZnO層12の成長層表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を、成長圧力(Pg)が10kPa(図7(a))及び80kPa(図7(b))の場合についてそれぞれ示している。なお、成長層厚は1.0μmである。成長圧力を80kPaとして結晶成長を行った場合に、良好な表面モフォロジーを有する平坦性に優れた結晶層が得られていることがわかる。また、X線回折ロッキングカーブ及び電子顕微鏡(SEM)評価により、極めて良好な単結晶性及び平坦性を有する結晶面を得るには、層厚1.5μm以上がより好ましいことがわかった。
素子の製造のために必要なミクロンオーダーの厚膜を成長するには、厚膜化過程において結晶性が良化する方向に進む方法が好ましい。この点、前記、図6及び図7より、本発明は、厚膜化過程において結晶性、平坦性共に良化する優れた2次元モードの結晶成長方法である。
<成長速度>
成長速度は、5nm/min〜60nm/minの範囲内であることが好ましい。成長速度が60nm/min以上では異常成長が発生し易くなる。
<結晶組成>
ZnO系半導体層12としては、例えば、MgZn(1−x)O (0≦x≦0.43)結晶を用いることができる。しかし、Mg組成xが大きくなると、a軸方向の格子定数差が大きくなり成膜した半導体結晶層の欠陥密度が高くなるので、0≦x≦0.3の範囲内であることがより好ましい。
また、上記したように、ZnO系半導体層12は、ZnOベースの他の化合物結晶であってもよい。例えば、Zn(亜鉛)の一部がCaで置き換えられたZnO系化合物結晶であってもよく、あるいは、O(酸素)の一部がSe、SやTeなどで置き換えられたZnO系化合物結晶であってもよい。
<材料ガス>
高温での成長は、結晶成長面における反応化学種のマイグレーション長が十分得られ高品質なZnO結晶が成長可能になる。反面、酸素源になる気体材料の基板表面への付着が困難になり、成長が阻害される。酸素源として、分子内での分極が大きく、高温においても基板表面に吸着するHO(水蒸気)が適している。
Zn源としては、酸素を含まず、酸素源材料と高い反応性を有する有機金属化合物が好適である。上記したDMZnの他には、例えば、DEZn(ジエチル亜鉛)がある。Mg源としては、Cp2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)がある。
<成長開始方法>
図8は、ZnO系半導体層12の成長開始方法を模式的に示している。図8(a)は、成長の開始時点(図2、T=T9)から成長終了時点(図2、T=T10)までDMZn流量FDMZnを一定に保持して成長を行う場合を示している。なお、DMZn流量が10μmol/minの場合を例に示している。
図8(b)は、DMZn流量を段階的に10μmol/minまで増加させて成長を行う場合を示している。具体的には、3μmol/minで5分、次に6μmol/minで5分、最後に10μmol/minとし、図8(a)に示す場合と同様、層厚が約1μmのZnO系半導体層(ZnO層)12を形成する。
また、図8(c)は、DMZn流量を成長開始から10分間で10μmol/minまでリニアに増加させ、その後一定流量で成長を行う場合を示している。この場合においても、層厚が約1μmのZnO系半導体層(ZnO層)12を形成する。なお、MgZn(1−x)O 等の結晶成長を行う場合には有機金属ガス(Cp2Mg等)の流量をDMZnの流量と同様に変化させればよい。
成長開始時にDMZn流量を段階的に、あるいはリニアに増加させて成長を行うことによってZnO系半導体層12の成長初期段階における島状結晶の密度を低減させることができる。この結果、成長層の平坦化厚膜を薄くできる(例えば、1.5μm以下)効果がある。
<ドーパント>
ZnO系半導体層12の導電型(n型)を調整するにはTMGa(トリメチルガリウム)、TEGa(トリエチルガリウム)、TMAl(トリメチルアルミニウム)、TMIn(トリメチルインジウム)、TEIn(トリエチルインジウム)の何れか1種類以上を添加すればよい。しかし、島状結晶が合体しc軸垂直方向の結晶面(C面)が平坦化する前に添加すると、平坦化を阻害することがあるので、結晶面が平坦化する成長時間の後半にドープされることが好ましい。具体的には、層厚1.0μm以降に添加することがさらに好ましい。つまり、ZnO系半導体層12は、少なくとも層厚1.0μmのアンドープ層であることが好ましい。
以上、詳細に説明したように、上記した成長条件を用いれば、薄膜ではあるが平坦性及び単結晶性に優れた第1の単結晶層11の上に、高い平坦性及び結晶性を有するZnO系半導体層12を成長させることができる。つまり、かかるZnO系半導体層(第2の単結晶層)12は、さらに高い平坦性及び結晶性を有しつつ、素子製造への適用に十分な層厚を有するように成長することができるので、広範に素子製造に適用することが可能である。例えば、ZnO系半導体層12上に、直接、発光層(活性層)、LED発光動作層や半導体レーザ素子におけるクラッド層、あるいは電子デバイス等の素子動作層を成長することができる。あるいは、上記した成長条件により成長されるZnO系半導体層12をLED発光動作層やクラッド層、素子動作層の一部として成長するようにしてもよい。
ここで、本明細書において、動作層又は素子動作層とは、半導体素子がその機能を果たすために含まれるべき半導体で構成される層を指すこととする。例えば、単純なトランジスタであればn型半導体、p型半導体及びn型半導体(またはp型半導体、n型半導体及びp型半導体)のpn接合によって構成される構造層を含む。なお、p型半導体層、発光層及びn型半導体層(または、p型半導体層及びn型半導体層)から構成され、注入されたキャリアの再結合によって発光動作をなす半導体層を、特に、発光動作層という。
[成長層付き基板15]
上記工程により得られた成長層付き基板15は、冷却せずに引き続きMOCVD装置で半導体素子の製造に用いることができる。あるいは、冷却した後、さらにMOCVD装置、あるいは他の結晶成長装置を用いて半導体素子の製造を行うこともできる。
すなわち、成長層付き基板15を用いれば、MOCVD装置あるいは他の結晶成長装置を用いて、単結晶性及び平坦性に優れた単結晶層(ZnO系半導体層12)上に直接に単結晶の成長を行うことが可能である。従って、結晶欠陥が少なく、単結晶性及び平坦性に優れた高品質のZnO系半導体層を形成することができる。
また、成長層付き基板15を用いて、MOCVD以外の方法、例えば、MBE、プラズマCVD、PLD(Pulsed Laser Deposition)、ハイドライドVPEなどの種々の方法により光半導体素子、種々の電子デバイスなどを形成することも可能である。
このように、本発明によれば、光半導体素子、種々の電子デバイスの製造に適用可能な、結晶欠陥が少なく、単結晶性及び平坦性に優れた高品質の単結晶層が形成された成長層付き基板を提供することができる。
図9は、本発明により基板10上に成長した半導体発光素子構造の断面図を示している。より詳細には、上記実施例によりZnO層11及びZnO系半導体層12が形成された成長層付き基板15上に、n型ZnO系半導体層21、ZnO系半導体活性層22及びp型ZnO系半導体層23からなる発光動作層(以下、LED動作層ともいう。)20を形成した。また、LED動作層20の結晶成長条件は、以下において明記されていない限り、ZnO系半導体層12の成長条件と同様であった。すなわち、結晶成長シーケンスは、図2に示したのと同様であり、T=T9〜T10の期間(G2)と同様の成長温度、成長圧力、材料ガス等を用い、ZnO系半導体層12上にn型ZnO系半導体層21、ZnO系半導体活性層22及びp型ZnO系半導体層23を順次成長した。なお、LED動作層20の成長温度、成長圧力等の成長条件はZnO系半導体層12の成長条件と必ずしも同じでなくとも良い。すなわち、LED動作層20の結晶成長条件は、ZnO系半導体層12の結晶成長条件の範囲内であることが好ましい。
このように、良好な平坦性、単結晶性を有するZnO系半導体層12上に、ZnO系半導体層12と同様な成長条件でLED動作層を成長することにより、平坦で結晶性に優れたLED動作層を形成することが可能である。なお、以下においては、ZnO系半導体として、MgZn(1−x)Oを用いた場合を例に説明する。
n型ZnO系半導体層21は、アンドープのZnO系半導体層12を成長した後、成長温度及び成長圧力をそのまま維持し(成長温度800℃、圧力80kPa)、成長を行った。なお、上記したように、アンドープZnO系半導体層12は、層厚は少なくとも1.0μmであることが好ましい。
O(水蒸気)を640μmol/minに保ち、DMZn流量を10μmol/minから30μmol/minに増加して、層厚3μmのGaドープMgZn(1−x)O結晶を成長した。なお、Mg材料ガス(Cp2Mg)の流量はMgの結晶組成xに応じて調整すればよい。
また、導電型(n型)制御のため、MgZn(1−x)Oの結晶成長と同時にTEGaをMgZn(1−x)O結晶中の濃度が5×1018(cm−3)となるようにドープした。
次に、DMZn流量を1μmol/minに減らし、層厚30nmの活性層22(MgZn(1−x)O結晶)を成長した。ここで、DMZnの流量を減ずることによって、DMZn流量に対するHO(水蒸気)流量比(VI/II比)を21から640に増加させた。これにより、成長層中の酸素欠損等を減らすことができるので、高い発光効率を得ることができた。
次に、p型ZnO系半導体層23を成長した。具体的には、DMZn流量を1μmol/minとし、層厚100nmのN(窒素)ドープMgZn(1−x)O結晶を成長した。ここで、MgZn(1−x)Oの結晶成長と同時に、p型不純物材料(ドーパント)としてNH(アンモニア)を180μmol/minの流量で供給し、窒素不純物濃度Na(N)=8×1019(cm−3)となるように結晶成長を行った。
上記工程が終了した後、基板温度が300℃になるまで水蒸気を流したまま圧力80kPaを維持した。基板温度が300℃以下になった後、水蒸気を止めて基板温度が室温になるまで待ち、反応容器から取出した。
なお、n型ZnO系半導体層21、活性層22及びp型ZnO系半導体層23としてMgZn(1−x)Oの結晶を用いる場合について説明した。この場合、
n型ZnO系半導体層21:MgZn(1−x)O (0≦x≦0.43)、
p型ZnO系半導体層23:MgZn(1−x)O (0≦x≦0.43)、
活性層22:MgZn(1−x)O/MgZn(1−y)
(0≦(x , y)≦0.43:y<x)
を用いることが可能である。
ここで、Mg結晶組成xは、層厚が0.5μm程度以下なら0.63以下で良く、0.5μm以上では0.43以下が良い。Mg組成が高くなると、MgZnO結晶中のMgOが相分離を起こすからである。
また、n型ZnO系半導体層21、活性層22及びp型ZnO系半導体層23の各々は、発光素子特性に合わせて多層構造とすることも可能である。また、活性層22としてMQW(Multi quantum well)構造を採用しても良い。特に、MQW活性層の場合では、結晶層(ウエル層、バリア層)の層厚の揺らぎが量子準位エネルギ、量子準位密度等を変化させ、発光波長、内部量子効率等に大きく影響するので、平坦性及び単結晶性に優れたZnO系半導体層12を用いる効果はさらに顕著である。
上記工程で製造したLED動作層付き基板25を微分干渉顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)により評価した。その結果、表面に凹凸やピットは見られず、巨視領域から微視領域にまで亘り、極めて平坦な鏡面であることが確認された。
[半導体発光素子の製造]
上記工程で製造したLED動作層付き基板25を用い、以下の工程により半導体発光素子(LED)を製造する。図10は、半導体発光素子(LED)30の素子上面図であり、図11は、LED30の断面図である。なお、図11には、2つのLED30及びこれらをブレーキングにより分離するための素子区画溝32が形成されていることが図示されている。
まず、フォトリソグラフィ技術を用いて、素子区画31内の領域(素子領域)を覆う形状のレジストマスクを形成した。次に、ウェットエッチングを用いて、素子区画31外の開口部のp型ZnO系半導体層23、活性層22及びn型ZnO系半導体層21の一部を所定深さまで除去した。最後にレジストを洗浄除去し、素子区画溝32を形成した。
本発明のLED動作層付き基板25の表面は、基板全体(例えば、2インチ基板)で平坦かつ鏡面なので、レジストを均一な厚みに塗布形成できる。また、表面に凹凸がないためフォトリソグラフィ工程において転写パターンの露光滲みがなく精度良く転写できる。
次に、フォトリソグラフィ及びEB(電子ビーム)蒸着等を用いて、p側電極33を形成した。p側電極33は、Ni(ニッケル)を0.3〜10nm、さらにAu(金)を5〜20nmの厚さで成膜し、RTA(ラピッド・サーマル・アニーラ)にて酸素10%雰囲気下で500℃、30秒の処理を行って透光性電極化した。
次に、p側電極33上に、EB蒸着によってNi/Pt/Au電極パッド材料をそれぞれ3〜10nm/100nm/1000nmの厚みでこの順に積層してp側接続電極34を形成した。
さらに、フォトリソグラフィを用いて、露出したn型ZnO系半導体層21の表面に、EB蒸着によってTi/Auをそれぞれ10〜100nm /1000nmの厚みでこの順に積層してn側接続電極35を形成した。
このように電極が形成された後、LED動作層側を保護基板に貼付け、裏面側の研削及び研磨を行い、厚さ100μmのウエハに成形した。次に、電極形成された表面側に保護シートを貼った後、スクライブ装置を用いて素子区画溝32の中央部に対応する裏面に互いに直交するスクライブ溝36を形成した。
ブレーキングにおいては、ナイフエッジ37をスクライブ溝36の対向面の素子区画溝32側より当て、ナイフエッジ37で荷重しスクライブ溝方向に劈開を行った。同様に、基板を90°回転させ、直交するスクライブ溝36方向にも劈開を行った。
本発明のLED動作層付き基板25の表面は凹凸がないので、素子区画溝32の底部も極めて平坦に形成でき、ナイフエッジ37によって正確に区画溝底面を加圧できた。従って、加圧劈開時に応力が均等に掛かるため、素子区画のチッピング、劈開面のズレ等による劈開不良の発生を低減することができ、劈開歩留まりが向上した。また、結晶面内に存在する潜在的結晶粒界(ドメイン)もなく、劈開時に粒界に由来する結晶層の欠けが減少し、分離歩留まりが向上した。
本発明のLED動作層付き基板25を用いて素子形成した場合、レジストパターン形成歩留まりは98%程度であった。また、劈開歩留まりも極めて良好で、98%程度であった。
以上、説明したように、結晶欠陥が少なく、単結晶性及び平坦性に優れた高品質の単結晶層が形成されたZnO系半導体層12上にLED動作層を成長するので、平坦で結晶性に優れたLED動作層を形成することができ、リーク電流や電流集中が抑制された発光効率が高く、素子寿命に優れた高性能LEDを製造することができる。さらに、リソグラフィ、エッチングの半導体プロセスにおいても高いプロセス精度が得られるとともに、劈開やブレーキング等における製造歩留まりも高い。
なお、上記した実施例においては、半導体発光素子(LED)に本発明を適用した場合を例に説明したが、これに限らない。例えば、半導体レーザ(LD:Laser Diode)、あるいは、表面弾性波デバイス、MOSFETなど、ZnO系半導体層を用いて形成できる光半導体素子、電子デバイスに適用することが可能である。
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、A面サファイア基板等の異材質基板上に、酸素を含まない有機金属化合物材料と、当該有機金属化合物材料との反応性が高いHO(水蒸気)を用いて、低成長温度かつ低成長圧力で結晶成長を行い、酸化亜鉛の単結晶層(第1の単結晶層)を成長することができる。また、低圧力(減圧)下、水蒸気雰囲気下において熱処理を行うことにより、成長層の単結晶性及び平坦性を一層向上することができる。当該単結晶層は平坦性及び単結晶性に優れ、結晶欠陥も少ない。さらに、MOCVD法を用いているので、大面積成長や多数枚成長も可能である。従って、量産性や製造コストにおいても優れている。
また、平坦性及び単結晶性に優れたZnO層(第1の単結晶層)11の上に、さらに高い平坦性及び結晶性を有するZnO系化合物半導体層を成長させることができる。ZnO系化合物半導体層(第2の単結晶層)12は、高い平坦性及び結晶性のみならず、素子製造への適用に十分な層厚を有するように成長することができる。従って、ZnO系半導体層12上に、直接、LED発光動作層や半導体レーザ素子におけるクラッド層、電子デバイスの素子層などを成長することができる。
ZnO系半導体層12上に、LED動作層を成長することにより、平坦で結晶性に優れたLED動作層を形成することができ、リーク電流や電流集中が抑制された発光効率が高く、高出力の高性能LEDを提供することができる。さらに、素子寿命に優れたLEDを製造することができる。さらに、半導体プロセスにおいても高い精度が得られるとともに、劈開やブレーキング等における製造歩留まりも高い。
本発明により基板上に成長された低成長温度結晶層及びZnO系半導体層を示す断面図である。 MOCVD法による結晶成長に用いられた結晶成長シーケンスを示す図である。 ZnO層の成長後、熱処理を行わなかった場合及び熱処理を行った場合のRHEED回折像を示す図である。 ZnO層(第2の単結晶層)の成長圧力に対するX線回折(10−10)ωロッキングカーブの半値幅(FWHM)を示す図である。 ZnO層(第2の単結晶層)の成長温度に対するX線回折(10−10)ωロッキングカーブの半値幅(FWHM)を示す図である。 ZnO系半導体層(高温成長単結晶層)の成長層厚に対するX線回折(0002)ωロッキングカーブの半値幅(FWHM)を示す図である。 ZnO層(第2の単結晶層)表面(成長層厚1.0μm)の走査型電子顕微鏡(SEM)像を、成長圧力が10kPa((a))及び80kPa((b))の場合について示す図である。 ZnO系半導体層(高温成長単結晶層)の成長開始方法を模式的に示す図である。 本発明により基板上に成長した半導体発光素子構造の断面図を模式的に示す図である。 半導体発光素子(LED)の素子上面図である。 半導体発光素子(LED)の断面図である。
符号の説明
10 基板
11 ZnO層(低温成長単結晶層)
12 ZnO系半導体層(高温成長単結晶層)
15 結晶成長層付き基板
20 LED動作層
21 n型半導体層
22 活性層
23 p型半導体層
25 LED動作層付き基板

Claims (15)

  1. MOCVD法により基板上に酸化亜鉛系半導体層を結晶成長する方法であって、
    酸素を含まない有機金属化合物と水蒸気を用い、
    (a)250℃〜450℃の範囲内の温度かつ1kPa〜30kPaの範囲内の低成長圧力で結晶成長を行って第1の単結晶層を形成するステップと、
    (b)700℃〜850℃の範囲内の温度かつ前記低成長圧力よりも高い圧力で結晶成長を行って前記第1の単結晶層上に第2の単結晶層を形成するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  2. 前記低成長圧力よりも高い圧力は、40kPa〜120kPaの範囲内の圧力であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の単結晶層を形成するステップは、前記第2の単結晶層の成長に先立って前記第1の単結晶層の熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記基板はα−サファイア単結晶であり、結晶成長面は{11−20}面であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1に記載の方法。
  5. 前記第1の単結晶層は酸化亜鉛(ZnO)層であり、前記第2の単結晶層は、MgZn(1−x)O(0≦x≦0.43)層であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1に記載の方法。
  6. 前記第1の単結晶層の層厚は5nm〜60nmの範囲内であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1に記載の方法。
  7. 前記第2の単結晶層の層厚は1.5μm以上であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1に記載の方法。
  8. 前記第1の単結晶層の成長速度は9nm/min以下であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. 前記第2の単結晶層の成長速度は60nm/min以下であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. 前記第2の単結晶層を形成するステップは、成長層厚が1μmを超えた後に不純物をドープすることを特徴とする請求項5ないしのいずれか1に記載の方法。
  11. 前記基板はサファイア、酸化ガリウム(Ga)、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、シリコン基板のいずれか1であることを特徴とする請求項1ないし、及びないしのいずれか1に記載の方法。
  12. MOCVD法により基板上に酸化亜鉛系半導体層を積層して半導体発光素子を製造する方法であって、
    酸素を含まない有機金属化合物と水蒸気を用い、
    (a)250℃〜450℃の範囲内の温度かつ1kPa〜30kPaの範囲内の低成長圧力で結晶成長を行って第1の単結晶層を形成するステップと、
    (b)700℃〜850℃の範囲内の温度かつ前記低成長圧力よりも高い圧力で結晶成長を行って前記第1の単結晶層上に第2の単結晶層を形成するステップと、
    (c)700℃〜850℃の範囲内の温度かつ前記低成長圧力よりも高い圧力で結晶成長を行って前記第2の単結晶層上に発光層を形成するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  13. 前記低成長圧力よりも高い圧力は、40kPa〜120kPaの範囲内の圧力であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記第2の単結晶層は、前記第1の単結晶層上に形成された少なくとも層厚1.0μmのアンドープ層を含むことを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
  15. 前記基板はA面サファイア基板であり、前記第1の単結晶層及び前記第2の単結晶層は、MgZn(1−x)O(0≦x≦0.43)層であることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1に記載の方法。
JP2008236923A 2008-09-16 2008-09-16 酸化亜鉛系半導体の成長方法及び半導体発光素子の製造方法 Expired - Fee Related JP5073624B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008236923A JP5073624B2 (ja) 2008-09-16 2008-09-16 酸化亜鉛系半導体の成長方法及び半導体発光素子の製造方法
US12/561,150 US8529699B2 (en) 2008-09-16 2009-09-16 Method of growing zinc-oxide-based semiconductor and method of manufacturing semiconductor light emitting device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008236923A JP5073624B2 (ja) 2008-09-16 2008-09-16 酸化亜鉛系半導体の成長方法及び半導体発光素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010073750A JP2010073750A (ja) 2010-04-02
JP5073624B2 true JP5073624B2 (ja) 2012-11-14

Family

ID=42205297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008236923A Expired - Fee Related JP5073624B2 (ja) 2008-09-16 2008-09-16 酸化亜鉛系半導体の成長方法及び半導体発光素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5073624B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5030909B2 (ja) * 2008-09-16 2012-09-19 スタンレー電気株式会社 酸化亜鉛単結晶層の成長方法
GB201006404D0 (en) * 2010-04-16 2010-06-02 Trw Ltd Motor control with voltage harmonic shaping
JP2011246787A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Fujifilm Corp 導電性酸化亜鉛膜および導電性酸化亜鉛膜を備えた光電変換素子
JP5559620B2 (ja) * 2010-07-07 2014-07-23 株式会社カネカ 透明導電膜付基板
JP5866815B2 (ja) * 2011-06-21 2016-02-24 株式会社アルバック 成膜方法
JP6389732B2 (ja) * 2014-10-24 2018-09-12 東ソー・ファインケム株式会社 第2族元素を含有する酸化亜鉛薄膜製造用組成物およびその製造方法
KR102201378B1 (ko) * 2017-10-18 2021-01-12 한양대학교 산학협력단 금속 산화물 트랜지스터 및 그 제조방법
US11015243B2 (en) 2017-10-18 2021-05-25 Iucf-Hyu (Industry-University Cooperation Foundation Hanyang University) Method and apparatus for forming layer, metal oxide transistor and fabrication method thereof

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004099412A (ja) * 2002-09-12 2004-04-02 Inst Of Physical & Chemical Res ZnO薄膜を有する材料及びその製造方法
JP4544898B2 (ja) * 2004-04-08 2010-09-15 エア・ウォーター株式会社 ZnO膜の成膜方法
JP4391871B2 (ja) * 2004-04-09 2009-12-24 スタンレー電気株式会社 ZnO半導体単結晶層製造方法
JP2007251027A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Stanley Electric Co Ltd ZnO系化合物半導体、それを用いた発光素子及びそれらの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010073750A (ja) 2010-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101066135B1 (ko) Ⅲ족 질화물 화합물 반도체 적층 구조체
US6852161B2 (en) Method of fabricating group-iii nitride semiconductor crystal, method of fabricating gallium nitride-based compound semiconductor, gallium nitride-based compound semiconductor, gallium nitride-based compound semiconductor light-emitting device, and light source using the semiconductor light-emitting device
JP4189386B2 (ja) 窒化物半導体結晶層の成長方法および窒化物半導体発光素子の製法
JP5073624B2 (ja) 酸化亜鉛系半導体の成長方法及び半導体発光素子の製造方法
US7183578B2 (en) Semiconductor apparatus, method for growing nitride semiconductor and method for producing semiconductor apparatus
US20110163349A1 (en) Method for manufacturing group iii nitride semiconductor light emitting element, group iii nitride semiconductor light emitting element and lamp
US5923950A (en) Method of manufacturing a semiconductor light-emitting device
TWI471913B (zh) Production method of gallium nitride based compound semiconductor
JP2001160627A (ja) Iii族窒化物系化合物半導体発光素子
KR20090057453A (ko) Ⅲ족 질화물 화합물 반도체 발광 소자의 제조 방법, 및 ⅲ족 질화물 화합물 반도체 발광 소자, 및 램프
KR20150054785A (ko) 질화 알루미늄 기판 및 iii족 질화물 적층체
JP4724901B2 (ja) 窒化物半導体の製造方法
JP4734786B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体基板、及びその製造方法
CN102067286B (zh) 氮化物半导体的晶体生长方法和半导体装置的制造方法
JP5030909B2 (ja) 酸化亜鉛単結晶層の成長方法
JP4131618B2 (ja) フォトニックデバイス用基板の製造方法
US8529699B2 (en) Method of growing zinc-oxide-based semiconductor and method of manufacturing semiconductor light emitting device
JP2015056483A (ja) 窒化物半導体混晶の製造方法及びその製造方法によって作製された窒化物半導体多層構造
JP6242238B2 (ja) 窒化物半導体多元混晶の製造方法
JP5073623B2 (ja) 酸化亜鉛系半導体の成長方法及び半導体発光素子の製造方法
JP2008098224A (ja) Iii族窒化物化合物半導体積層構造体の成膜方法
JP2007103955A (ja) 窒化物半導体素子および窒化物半導体結晶層の成長方法
JP2005210091A (ja) Iii族窒化物半導体素子およびそれを用いた発光素子
KR20060112685A (ko) Ⅲ족 질화물 반도체 다층구조물
US20200144451A1 (en) Nitride semiconductor crystal and method of fabricating the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5073624

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees