JP5073531B2 - スラブの連続鋳造装置及びその連続鋳造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、溶鋼湯面の位置が電磁撹拌装置のコア中心からコア上端までの範囲内となるように、電磁撹拌装置を鋳型に設置し、鋳型内に流動を付与して鋳造を行う方法が開示されている。
また、特許文献2には、電磁撹拌装置により鋳型内に流動を付与して鋳造を行うに際し、浸漬ノズルの吐出口位置が電磁撹拌装置の電磁コイルの下端位置より低い位置となるように設置する方法が開示されている。
なお、特許文献3には、製造する鋳片がスラブと異なる丸鋳片(ブルームの一種)ではあるが、鋳型の外周全面に移動磁界方式の電磁コイルが配設され、しかもこの電磁コイルの下方には電磁遮蔽材が配置された連続鋳造装置が開示されている。
特許文献1の方法では、図7に示すように、電磁撹拌装置にて形成される溶鋼流動(以下、撹拌流ともいう)と、浸漬ノズルからの吐出流の向きが逆方向の部位では、流れの干渉が発生し、淀みにより気泡と介在物が鋳片に取り込まれたり、更には干渉域における溶鋼流の乱れによる湯面変動で鋳片のパウダー巻込みを生じさせる。このため、鋳片清浄性が劣化し、製品品質の低下を招く恐れがある。
また、溶鋼流動と吐出流の向きが同じ順方向の部位では、浸漬ノズルの吐出流の増大を招き、気泡と介在物の侵入深さを増大させ、その浮上阻害を招くため、鋳片の表面から奥深い位置で気泡と介在物が凝固シェルに付着し、製品欠陥を発生させる恐れがある。前記逆方向、順方向の課題が同時に鋳型内で発生し、いずれも製品品質の低下の原因となる。
そして、特許文献2の方法では、電磁コイルの下方まで磁場が形成されるため、前記した撹拌流と吐出流の流れの干渉及び吐出流の増大を招き、前記と同様に気泡と介在物の浮上分離を阻害させる恐れがある。
丸鋳片を製造する鋳型は、通常、鋳型の内径が300mm以下程度の大きさであり、スラブ(例えば、厚み:120〜300mm程度、幅:800〜1800mm程度)を製造する鋳型と比較して大幅に小さく、鋳型内の電磁撹拌による溶鋼流と浸漬ノズルからの吐出流の関係は全く異なる。
即ち、丸鋳片を製造する鋳型内の電磁撹拌流は、電磁撹拌に用いる電磁コイルが鋳型壁面の全周囲に沿って設置され旋回流を形成する(特許文献3の図2参照)。このため、浸漬ノズルからの溶鋼吐出流には、鋳型内の電磁撹拌による溶鋼流と浸漬ノズルからの吐出流の流れの干渉及び加速を招くという二つの問題が発生しない。これは、浸漬ノズルの吐出口が、特許文献3のように、真下になるように配置されていることによる。
また、丸鋳片を製造する鋳型は、電磁コイルが鋳型周囲に配設された構成であり、幅広の長片部材(鋳型2面)に電磁撹拌装置を対向配置させたようなスラブを製造するための設備とは、その構成が全く異なる。
更に、スラブの用途は薄板材であり、厚減比を大きくとった圧延がなされ、また自動車用外板に代表されるように、高品質が必要であるため、鋳片内のパウダー、気泡、及び介在物等の微小な異物が製品欠陥に結びつく。従って、丸鋳片に比べ、製品品質の要求レベルは非常に高い。
以上のことから、特許文献3の連続鋳造装置では、特許文献1、2の課題すら発生しないのみならず、その解決も図れない。
断面矩形状の空間部を有し、該空間部を形成する幅広の長片部材に対向配置された少なくとも一対の電磁撹拌装置が設けられた連続鋳造用鋳型を備え、
前記浸漬ノズルの前記吐出口を介して前記連続鋳造用鋳型内に溶融金属を供給し、該連続鋳造用鋳型内の溶融金属を前記電磁撹拌装置によって撹拌し凝固させながらスラブを製造する連続鋳造装置において、
前記浸漬ノズルの前記吐出口の上端位置は、前記電磁撹拌装置の下端位置以下の位置にあり、前記各電磁撹拌装置の下方位置には、該電磁撹拌装置によって発生する磁場による前記連続鋳造用鋳型内での溶融金属の流れの乱れを抑制する磁気遮蔽板が設けられ、しかも前記電磁撹拌装置のコアの高さ方向の厚みをhとした場合、前記磁気遮蔽板と前記電磁撹拌装置との間隔をh/5以上h以下の範囲内とする。
第1の発明に係るスラブの連続鋳造装置において、前記磁気遮蔽板の高さ方向の長さを50mm以上200mm以下の範囲内とし、その厚みを10mm以上とすることが好ましい。
第1の発明に係るスラブの連続鋳造装置において、前記浸漬ノズルの前記吐出口の内幅dと該浸漬ノズルの内幅Dとの比(d/D)を、1.0以上1.7以下の範囲内に設定していることが好ましい。
第2の発明に係るスラブの連続鋳造方法において、前記スラブの鋳造速度は1.0m/分以上であることが好ましい。
特に、請求項2記載のスラブの連続鋳造装置は、浸漬ノズルの吐出口に対する磁気遮蔽板の設置位置を規定するので、撹拌流と吐出流との干渉、及び吐出流の流速の加速の影響を更に軽減できる。
請求項4記載のスラブの連続鋳造装置は、浸漬ノズルの内幅Dと吐出口の内幅dとの比(d/D)を規定することで、吐出口からの吐出流の速度が過剰に速くなることを抑制しながら、吐出口から鋳型内へ溶融金属を安定に供給できる。これにより、従来発生していた撹拌流と吐出流との干渉、及び吐出流の流速の加速の影響を軽減でき、連続鋳造用鋳型内での溶融金属の流れの乱れを抑制し、製品疵の少ない良好な品質のスラブを製造できる。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係るスラブの連続鋳造装置に使用する連続鋳造用鋳型の側断面図、図2は同スラブの連続鋳造用鋳型の平面図である。
また、吐出口13の軸心の向きは、水平方向、即ち0度(好ましくは、水平方向に対して下向き15度)から水平方向に対して下向きに60度(好ましくは40度)までの範囲内に設定する。ここで、吐出口の軸心を、水平方向に対して下向きに60度を超える領域内に設定した場合、即ち、下方(真下も含む)へ向ける場合は、介在物と気泡がスラブの内部へ侵入し、内部欠陥が形成される。また、吐出口の軸心の向きを、水平方向に対して上向きに設定した場合には、強い上昇流を形成させ、パウダー巻込みを助長する。
一方、比(d/D)が1.7を超える場合、吐出口13の内幅dに対して、筒体18の内幅Dが小さくなり、吐出口13からの吐出流の流速が遅くなるため、磁気遮蔽板16による目立った効果が現れにくくなる。
以上のことから、吐出口13の内幅dと筒体18の内幅Dとの比(d/D)を、1.0以上1.7以下の範囲内としたが、上限を1.5、更には1.3とすることが好ましい。
これにより、内側には、断面矩形状(長方形)の空間部23が形成される。なお、この空間部23は、平断面の短辺の長さが、例えば、120〜300mm程度、長辺の長さが、例えば、800〜1800mm程度であり、長片部材21、22に対して短片部材19、20を摺動させ、その間隔を可変にもできるが、固定のものでもよい。
この電磁撹拌装置15は、多数枚の電磁鋼板を積層したコア24に、電磁コイル25を巻き、これを金属製(例えば、ステンレス)のケーシング(図示しない)内に配置したものである。従って、電磁撹拌装置15の下端とは、ケーシングの下端を意味する。この電磁撹拌装置15は、各長片部材21、22に少なくとも一個ずつ(即ち一対)設けられていればよい。ここで、各電磁撹拌装置に2個以上ずつ(即ち2対以上ずつ)設ける場合は、長片部材の幅方向に配置される。
なお、電磁撹拌装置15のコア24の高さ方向の厚みhは、例えば、100mm以上300mm以下(ここでは、200mm)程度である。
この連続鋳造用鋳型12の空間部23内に、吐出口13が短片部材19、20と対向するように浸漬ノズル11を配置(このとき、浸漬ノズル11の吐出口13の上端位置を、電磁撹拌装置15の下端位置以下の位置に配置)し、この浸漬ノズル11の吐出口13を介して鋳型12内に溶鋼14を供給し、鋳型12内の溶鋼を電磁撹拌装置15によって撹拌する。これにより、鋳型12内に、浸漬ノズル11を中心として時計回り又は反時計回りに溶鋼流動、即ち撹拌流を形成し、溶鋼を凝固させながらスラブを製造する。
そこで、この影響を積極的に軽減すべく、電磁撹拌装置15の下方位置に電磁撹拌装置15と幅方向に同じ長さ以上の磁気遮蔽板16を配置するとともに、その設置位置を最適化することで、製品疵の少ない良好な鋳片を製造する。
この磁気遮蔽板16は、例えば、磁場を通さない電磁鋼板で構成できるが、鉄もしくは一般炭素鋼で構成してもよい。なお、鉄もしくは一般炭素鋼で構成する場合は、電磁撹拌装置の誘導加熱により発熱するので、水冷構造とする。
なお前記した、浸漬ノズル11の吐出口13の上端位置を、電磁撹拌装置15の下端位置以下の位置に配置とする理由は下記の通りである。
吐出口軸心の向きが水平から水平に対して下向き60度の範囲としているため、吐出口13の上端位置を電磁攪拌装置15の下端位置より上に配置すると、磁気遮蔽板を設置しても、抑制し難い干渉や加速が起こるためである。
ここで、磁気遮蔽板16と電磁撹拌装置15との間隔sがh/5未満の場合、磁気遮蔽板16と電磁撹拌装置15、即ちコア24との距離が近くなり過ぎ、撹拌が必要な領域における必要撹拌力が、磁気遮蔽板16により低減して、目的とする製品品質を確保できない。
一方、間隔sがhを超える場合、磁気遮蔽板16と電磁撹拌装置15との距離が遠くなり過ぎ、前記した必要撹拌力は確保できるものの、吐出流と撹拌流の干渉及び吐出流の加速を防止できず、やはり目的とする製品品質を確保できない。
以上のことから、磁気遮蔽板16と電磁撹拌装置15との間隔をh/5以上h以下としたが、上限を4h/5、更には3h/5とすることが好ましい。
ここで、磁気遮蔽板の長さxが50mm未満の場合、磁気遮蔽板の下方への漏洩磁場の残存影響が大きくなる。一方、磁気遮蔽板の長さxが200mmを超える場合、磁気遮蔽板の下方からの漏洩磁場が少なくなり、磁気遮蔽板による撹拌流の改善効果は低位になる。
以上のことから、磁気遮蔽板の高さ方向の長さxを50mm以上200mm以下の範囲内に設定したが、下限を70mmとすることが好ましく、上限を170mm、更には150mmとすることが好ましい。
また、磁気遮蔽板の厚みを10mm(好ましくは20mm)以上とすることで、電磁撹拌装置15から発生した磁場の調整ができるため、その上限値については規定していないが、例えば、長片部材21、22への取付け時の作業性、及び経済性を考慮すれば100mm以下とすることが好ましい。
ここで、磁気遮蔽板の上端位置を、吐出口の上端位置を超える上位置、即ち吐出口の上端より上位置に磁気遮蔽板を配置した場合、浸漬ノズルの吐出口からの流れが直接作用しない領域に磁気遮蔽板を設置することになり、撹拌流との干渉と加速という課題が発生しないばかりか、磁気遮蔽板の上端から一定の間隔をもって配置される電磁撹拌装置による撹拌領域を逆に縮小してしまうことになり、かえってスラブの表面品質を悪化させてしまうことになる。
また、磁気遮蔽板の下端位置を、吐出口の下端位置を超える上位置とする場合、吐出流と撹拌流の悪影響を低減する方法として、浸漬ノズルの鋳型内への浸漬深さを深くすることが考えられるが、この場合、浸漬ノズルの筒体の長さを過剰に長くする必要があり、浸漬ノズルに関する鋳造準備作業が実用的でないだけでなく、他の鋳型周辺装置との干渉等の問題も発生する。
以上のことから、磁気遮蔽板の上端位置を、浸漬ノズルの吐出口の上端位置以下の位置とし、しかも磁気遮蔽板の下端位置を、吐出口の下端位置以下の位置としたが、磁気遮蔽板の上端位置は浸漬ノズルの吐出口の上端位置に極力近づけて配置することが望ましい。
スラブの製造に際しては、タンディッシュ(図示しない)に溶鋼を供給し、このタンディッシュから浸漬ノズル11を介して、連続鋳造用鋳型12へ溶鋼が供給される。そして、連続鋳造用鋳型12内の溶鋼14を、電磁撹拌装置15によって撹拌し凝固させながら、製造したスラブを下流側へ送り出す。
このとき、スラブの鋳造速度(引き抜き速度)は、通常0.8m/分以上であるが、本発明の効果を顕著に得るためには1.0m/分以上、好ましくは1.2m/分以上、更には1.4m/分以上とすることが好ましい。これにより、スラブの生産効率を従来よりも向上できる。
なお、スラブの鋳造速度の上限値については規定していないが、現状可能な上限値としては、例えば、2.5m/分程度である。
まず、電磁撹拌装置と磁気遮蔽板との距離sが、鋳型内の溶鋼流に及ぼす影響について、図3(A)、(B)を参照しながら説明する。この図3(A)は、電磁撹拌装置、浸漬ノズル、及び磁気遮蔽板の相対位置関係と、そのときの鋳型内の溶鋼の流れについて示している。ここでは、浸漬ノズルの吐出口の上端位置と、電磁撹拌装置の下端位置を一致させている。また、(B)は、このときに製造したスラブの清浄性評点について示している。この清浄性評点とは、鋳造後のスラブの欠陥(例えば、介在物、パウダー、及び気泡等)の数を評価したものであり、詳細には、スラブ表面から1mmごとに研磨したサンプルを作製し、光学顕微鏡で欠陥の数を数え、欠陥個数(個/cm2)に比例する数値を表したものである。即ち、清浄性評点が高くなれば製品品質が悪く、逆に低ければ製品品質が良好であることを意味する(以下、同様)。
図3(A)から明らかなように、電磁撹拌装置と磁気遮蔽板との間隔sを狭くする(磁気遮蔽板を上方へ動かす)に伴い、溶鋼の流動が変化することが分かる。また、間隔sを広くする(磁気遮蔽板を下方に動かす)に伴い、溶鋼の流動の変化が小さくなることが分かる(図3(A)中の実線と点線との関係)。
詳しくは、図3(B)から明らかなように、電磁撹拌装置と磁気遮蔽板の間隔sを狭くし(磁気遮蔽板を上方へ動かす)、コア厚みhの1/5未満の距離にした場合、電磁撹拌装置前面の流速に影響し、必要な撹拌力を付与することができなくなる。
次に、電磁撹拌装置と磁気遮蔽板の間隔sをh/5以上h以下にした場合、電磁撹拌装置前面に必要な撹拌力を得ながら、電磁撹拌装置下方の撹拌力を低減することができ、浸漬ノズルの吐出口からの吐出流との干渉及び加速を防止できる。
最後に、電磁撹拌装置と磁気遮蔽板の間隔sをコア厚みhを超えるようにした場合、電磁撹拌装置下方の撹拌力を低減することができず、浸漬ノズルの吐出口からの吐出流との干渉及び加速を防止できない。
即ち、電磁撹拌装置の下方位置に磁気遮蔽板を有し、電磁撹拌装置と磁気遮蔽板の間隔sを上記した適正範囲に設置することで、製品品質に影響を及ぼすスラブ表面の清浄性を改善するに必要な箇所を必要な撹拌力以上で、ピンポイントに撹拌して、清浄性評点を改善できることを確認した。
なお、試験条件は、電磁撹拌装置と磁気遮蔽板との間隔sを2/5hとし、筒体の内幅Dを70mm、d/Dを1.0、吐出口の軸心を水平(0度)、磁気遮蔽板の長さを100mm、厚みを30mmに固定し、スラブの鋳造速度Vcを1.4m/分にした。
図4(A)、(B)に示す実施例1から明らかなように、磁気遮蔽板の上端位置を浸漬ノズルの吐出口の上端位置より下方(磁気遮蔽板の上端の上方40mmの位置に吐出口の上端)に配置した場合、吐出流と撹拌流の干渉、及び撹拌流による吐出流の加速が一部発生し、清浄性評点を磁気遮蔽板がない場合の清浄性評点である3未満とすることはできたものの、浸漬ノズルの吐出口に付着物(例えば、介在物又は反応生成物)が堆積することにより、吐出口の軸心が変動し、清浄性評点が安定しない。
通常、浸漬ノズルの浸漬深さは、200〜300mm程度であるが、実施例3においては、浸漬ノズルの浸漬深さが400〜500mm以上となり、その結果、鋳型上端から浸漬ノズル先端までの長さが600〜700mm程度になる。このため、浸漬ノズルの重量が非常に重くなるとともに、浸漬ノズルをタンディッシュに装着した状態で、連続鋳造の開始作業と終了作業を行うには、浸漬ノズルと鋳型等の周辺装置との衝突防止のため、タンディッシュの昇降ストロークを大きくとり、浸漬ノズルを過剰に上昇させて回避させて搬送する必要が生じるので、実操業では実用的ではない。
また、試験条件は、電磁撹拌装置と磁気遮蔽板との間隔sを2/5hとし、磁気遮蔽板の厚みを10mmに固定した。
図5(B)から明らかなように、磁気遮蔽板の長さが長くなるに伴って、電磁力が小さくなることが確認された。特に、磁気遮蔽板の長さを50mm以上200mm以下の範囲内とすることで、磁気遮蔽板による効果を経済的に得ながら、吐出流と撹拌流の干渉、及び撹拌流による吐出流の加速を防止できることを確認できた。
なお、試験条件は、電磁撹拌装置の下端位置に浸漬ノズルの吐出口の上端位置を配置し、筒体の内幅Dを70mm、d/Dを1.0、吐出口の軸心を水平(0度)、磁気遮蔽板の長さを100mm、厚みを30mmに固定した。
図6(A)に示すように、浸漬ノズルの一方側の吐出口からの吐出流は、鋳造速度の増加に伴って増加する。その結果、撹拌流と吐出流とが干渉する領域においては、流速のばらつきが発生し、例えば、パウダーの巻き込みと湯面の乱れが助長され、製鋼に起因した製品欠陥が増加する結果となる。
また、浸漬ノズルの他方側の吐出口からの吐出流も、鋳造速度の増加に伴い増加する。その結果、加速領域では、介在物の侵入深さが一層深くなり(浮上効果が得られなくなり)、製鋼に起因した製品欠陥が増加する結果となる。
特に、スラブの鋳造速度を1.0m/分、1.4m/分、更には1.6m/分と上昇させることで、本発明の効果がより顕著に現れる結果が得られた。
更に、浸漬ノズルの吐出口の内幅dと流路の内幅Dとの比(d/D)についても試験を行ったところ、比(d/D)を1.0以上1.7以下の範囲内とすることで、磁気遮蔽板による効果が得られることを確認できた。
以上のことから、本発明により、連続鋳造用鋳型内での溶鋼の流れの乱れを抑制し、製品疵の少ない良好な品質のスラブを製造できることを確認できた。
Claims (6)
- 溶融金属の流路を形成する筒体の下部の両側側方に吐出口が設けられ、しかも該吐出口の軸心を水平方向から水平方向に対して下向きに60度の範囲内とした浸漬ノズルと、
断面矩形状の空間部を有し、該空間部を形成する幅広の長片部材に対向配置された少なくとも一対の電磁撹拌装置が設けられた連続鋳造用鋳型を備え、
前記浸漬ノズルの前記吐出口を介して前記連続鋳造用鋳型内に溶融金属を供給し、該連続鋳造用鋳型内の溶融金属を前記電磁撹拌装置によって撹拌し凝固させながらスラブを製造する連続鋳造装置において、
前記浸漬ノズルの前記吐出口の上端位置は、前記電磁撹拌装置の下端位置以下の位置にあり、前記各電磁撹拌装置の下方位置には、該電磁撹拌装置によって発生する磁場による前記連続鋳造用鋳型内での溶融金属の流れの乱れを抑制する磁気遮蔽板が設けられ、しかも前記電磁撹拌装置のコアの高さ方向の厚みをhとした場合、前記磁気遮蔽板と前記電磁撹拌装置との間隔をh/5以上h以下の範囲内とすることを特徴とするスラブの連続鋳造装置。 - 請求項1記載のスラブの連続鋳造装置において、前記磁気遮蔽板の上端位置を、前記浸漬ノズルの前記吐出口の上端位置以下の位置とし、前記磁気遮蔽板の下端位置を、前記浸漬ノズルの前記吐出口の下端位置以下の位置とすることを特徴とするスラブの連続鋳造装置。
- 請求項1又は2記載のスラブの連続鋳造装置において、前記磁気遮蔽板の高さ方向の長さを50mm以上200mm以下の範囲内とし、その厚みを10mm以上とすることを特徴とするスラブの連続鋳造装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラブの連続鋳造装置において、前記浸漬ノズルの前記吐出口の内幅dと該浸漬ノズルの内幅Dとの比(d/D)を、1.0以上1.7以下の範囲内に設定していることを特徴とするスラブの連続鋳造装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のスラブの連続鋳造装置を用いて前記スラブを製造することを特徴とするスラブの連続鋳造方法。
- 請求項5記載のスラブの連続鋳造方法において、前記スラブの鋳造速度は1.0m/分以上であることを特徴とするスラブの連続鋳造方法。
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