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JP5070808B2 - 太陽電池の電極形成用組成物及び該電極の形成方法並びに該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池 - Google Patents

太陽電池の電極形成用組成物及び該電極の形成方法並びに該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池の電極を形成するための組成物と、この組成物を用いて電極を形成する方法並びにこの形成方法により得られた電極を用いた太陽電池に関するものである。
従来、この種の電極の形成方法として、0.03μm以下の粒径の金属超微粒子を100〜200程度の低分子量の有機溶媒に分散させた溶液を光電変換半導体層に塗布・焼成することにより下層電極層を形成し、金属超微粒子の含有重量濃度が下層電極層の形成に用いた溶液と同じか或いは下層電極層の形成に用いた溶液より高い濃度の溶液を光電変換半導体層に塗布・焼成することにより上層電極層を形成する太陽電池の金属電極形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この金属電極形成方法では、金属超微粒子を分散させかつ粘度を10000cps程度に調整した溶液をスクリーン印刷法等により光電変換半導体層に塗布した後に、100〜250℃、好ましくは250℃の温度に30分以上保持して焼成することにより、金属電極(下層電極層又は上層電極層)を形成する。
このように構成された太陽電池の金属電極形成方法では、金属超微粒子を有機溶媒に分散させた溶液を光電変換半導体層に塗布した後に、100〜250℃の低温で焼結することにより、高真空プロセスを用いずに、高い反射率及び導電率を有しかつ大きな面積の金属電極を得られるようになっている。
特許第3287754号(請求項1、段落[0024]、段落[0035])
上記従来の特許文献1に示された太陽電池の金属電極形成方法では、焼成後の金属電極中の金属超微粒子を安定化させるために、所定の導電性を確保しながら金属超微粒子を100〜200程度の低分子量の有機物で保護する必要がある。一方、有機溶媒に分散させた金属超微粒子を低温で焼結化させるために、この金属超微粒子のサイズを小さくすると、金属超微粒子の比表面積が増大し、上記有機物の占める割合が大きくなる。このため、上記従来の特許文献1に示された太陽電池の金属電極形成方法では、有機溶媒に分散させた金属超微粒子の低温焼結化は、上記有機物を熱により脱離、或いは分解(分離・燃焼)させなければ実現できず、特に有機溶媒に分散させた金属超微粒子を220℃以下で焼成して得られた金属電極について耐候性試験を行うと、具体的には、温度を100℃に保ちかつ湿度を50%に保った恒温恒湿槽に金属電極を1000時間収容すると、上記有機物が変質又は劣化して、導電性及び反射率が低下してしまう問題点があった。
本発明の目的は、長年使用しても高導電率及び高反射率を維持することができ、経年安定性に優れた電極を得ることができる、太陽電池の電極形成用組成物及び該組成物を用いた太陽電池用電極の形成方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、150〜200℃という低温の焼成プロセスにより、長年使用しても高導電率及び高反射率を維持することができ、経年安定性に優れた電極を得ることができる、太陽電池の電極の形成方法及び該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池を提供することにある。
請求項1に係る発明は、金属ナノ粒子が分散媒に分散した太陽電池の電極形成用組成物であって、金属ナノ粒子が76〜99重量%の銀ナノ粒子と1〜24重量%のNi、Sn、In、Zn、Cr又はからなる金属ナノ粒子を含有し、金属ナノ粒子はカルボニル基(-C=O)又はカルボニル基(-C=O)と水酸基(-OH)のいずれかを含む炭素骨格が炭素数の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾され、金属ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で71〜75%含有し、前記分散媒は前記電極形成用組成物を100重量%とするとき2〜10重量%の水と2〜63重量%エタノールとを含有することを特徴とする。
この請求項1に記載された組成物では、一次粒径10〜50nmとサイズの比較的大きな金属ナノ粒子を多く含むため、金属ナノ粒子の比表面積が減少し、保護剤の占める割合が小さくなるため、この組成物を用いて太陽電池の電極を形成すると、上記保護剤中の有機分子が焼成時の熱により脱離し又は分解し、或いは離脱しかつ分解することにより、実質的に有機物を含有しない銀を主成分とする電極が得られる。
請求項に係る発明は、請求項1記載の電極形成用組成物をシリコン、ガラス、ポリイミド又はPETフィルムのいずれかの基材上に、スプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法又はオフセット印刷法のいずれかの湿式塗工法で塗工して焼成後の厚さが0.3〜1.7μmの範囲内となるように成膜する工程と、前記上面に成膜された基材を150〜200℃で焼成する工程とを含む太陽電池の電極の形成方法である。
この請求項に記載された太陽電池の電極の形成方法では、150〜200℃という低温での焼成により、金属ナノ粒子の表面を保護していた分散媒中の有機分子が脱離し又は分解し、或いは離脱しかつ分解することにより、実質的に有機物を含有しない銀を主成分とする電極が得られる。
以上述べたように、本発明によれば、分散媒に分散された金属ナノ粒子が76〜99重量%の銀ナノ粒子と1〜24重量%のNi、Sn、In、Zn、Cr又はMnからなる金属ナノ粒子を含有し、カルボニル基(-C=O)又はカルボニル基(-C=O)と水酸基(-OH)のいずれかを含む炭素骨格が炭素数の有機分子主鎖の保護剤で金属ナノ粒子を化学修飾し、金属ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で71〜75%含有し、上記分散媒は前記電極形成用組成物を100重量%とするとき2〜10重量%の水と2〜63重量%のエタノールとを含有するので、この組成物中の金属ナノ粒子の比表面積が比較的減少し、保護剤の占める割合が小さくなる。この結果、この組成物を用いて太陽電池の電極を形成すると、上記保護剤中の有機分子が焼成時の熱により脱離し又は分解し、或いは離脱しかつ分解することにより、実質的に有機物を含有しない銀を主成分とする電極が得られる。従って、上記電極の形成された太陽電池を長年使用しても、有機物が変質又は劣化するということがなく、導電率及び反射率が高い状態に維持されるので、経年安定性に優れた電極を得ることができる。
また上記電極形成用組成物をシリコン、ガラス、ポリイミド又はPETフィルムのいずれかの基材上にスプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法又はオフセット印刷法のいずれかの湿式塗工法で塗工して焼成後の厚さが0.3〜1.7μmの範囲内となるように成膜し、この上面に成膜された基材を150〜200℃で焼成すれば、金属ナノ粒子の表面を保護していた保護剤中の有機分子が脱離し又は分解し、或いは離脱しかつ分解することにより、実質的に有機物を含有しない銀を主成分とする電極が得られる。この結果、上記と同様に、電極の形成された太陽電池を長年使用しても、導電率及び反射率が高い状態に維持されるので、経年安定性に優れた電極を得ることができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の組成物は、金属ナノ粒子が分散媒に分散した太陽電池の電極形成用組成物である。上記金属ナノ粒子は76〜99重量%の銀ナノ粒子を含有する。また金属ナノ粒子はカルボニル基(−C=O)又はカルボニル基(−C=O)と水酸基(−OH)のいずれかを含む炭素骨格が炭素数の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾される。更に金属ナノ粒子は一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で71〜75%含有する。ここで、銀ナノ粒子の含有量を全ての金属ナノ粒子100重量%に対して76〜99重量%の範囲に限定したのは、76重量%未満ではこの組成物を用いて形成された太陽電池の電極の反射率が低下してしまうからである。また金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数をの範囲に限定したのは、炭素数が4以上であると焼成時の熱により保護剤が脱離或いは分解(分離・燃焼)し難く、上記電極内に有機残渣が多く残り、変質又は劣化して電極の導電性及び反射率が低下してしまうからである。また一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子の含有量を、数平均で全ての金属ナノ粒子100%に対して71〜75%の範囲に限定したのは、71%未満では金属ナノ粒子の比表面積が増大して有機物の占める割合が大きくなり、焼成時の熱により脱離或いは分解(分離・燃焼)し易い有機分子であっても、この有機分子の占める割合が多いため、電極内に有機残渣が多く残り、この残渣が変質又は劣化して電極の導電性及び反射率が低下したり、或いは金属ナノ粒子の粒度分布が広くなり電極の密度が低下し易くなって、電極の導電性及び反射率が低下してしまうからである。更に上記金属ナノ粒子の一次粒径を10〜50nmの範囲内に限定したのは、統計的手法より一次粒径が10〜50nmの範囲内にある金属ナノ粒子が経時安定性(経年安定性)と相関しているからである。
一方、銀ナノ粒子を含む金属ナノ粒子の含有量は、金属ナノ粒子及び分散媒からなる組成物100重量%に対して35〜75重量%含有する。また分散媒は、前記電極形成用組成物を100重量%とするとき2〜10重量%の水と2〜63重量%エタノールとを含有する。更に保護剤、即ち金属ナノ粒子表面に化学修飾している保護分子は、カルボニル基(−C=O)又はカルボニル基(−C=O)と水酸基(−OH)のいずれかを含有する。ここで、銀ナノ粒子を含む金属ナノ粒子の含有量を金属ナノ粒子及び分散媒からなる組成物100重量%に対して35〜75重量%の範囲に限定したのは、35重量%未満では特に焼成後の電極の特性には影響はないけれども、必要な厚さの電極を得ることが難しく、75重量%を越えると組成物の湿式塗工時にインク或いはペーストとしての必要な流動性を失ってしまうからである。また前記電極形成用組成物を100重量%とするとき、水の含有量を電極形成用組成物に対して2〜10重量%の範囲に限定したのは、重量%未満では、組成物を湿式塗工法により塗工して得られた膜を低温で焼結し難く、また焼成後の電極の導電性と反射率が低下してしまい、エタノールの含有量を電極形成用組成物に対して2〜63重量%の範囲に限定したのは、重量%未満では、上記と同様に組成物を湿式塗工法により塗工して得られた膜を低温で焼結し難く、また焼成後の電極の導電性と反射率が低下してしまうからである。なお、水酸基(−OH)が銀ナノ粒子等の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤に含有されると、組成物の分散安定性に優れ、塗膜の低温焼結にも効果的な作用があり、カルボニル基(−C=O)が銀ナノ粒子等の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤に含有されると、上記と同様に組成物の分散安定性に優れ、塗膜の低温焼結にも効果的な作用がある。
一方、銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子は、Ni、Sn、In、Zn、Cr又はからなる金属ナノ粒子であり、この銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子は全ての金属ナノ粒子100重量%に対して1〜24重量%含有する。ここで、銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子の含有量を全ての金属ナノ粒子100重量%に対して1〜24重量%の範囲に限定したのは、重量%未満では特に大きな問題はないけれども、1〜24重量%の範囲内においては、耐候性試験(温度100℃かつ湿度50%の恒温恒湿槽に1000時間保持する試験)後の電極の導電性及び反射率が耐候性試験前より悪化しないという特徴があり、24重量%を越えると焼成直後の電極の導電性及び反射率が低下し、しかも耐候性試験後の電極が耐候性試験前の電極より導電性及び反射率が低下してしまうからである。
このように構成された太陽電池の電極形成用組成物の製造方法を説明する。
(a) 銀ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数を3とする場合
先ず硝酸銀を脱イオン水等の水に溶解して金属塩水溶液を調製する。一方、クエン酸ナトリウムを脱イオン水等の水に溶解させて得られた濃度10〜40%のクエン酸ナトリウム水溶液に、窒素ガス等の不活性ガスの気流中で粒状又は粉状の硫酸第一鉄を直接加えて溶解させ、クエン酸イオンと第一鉄イオンを3:2のモル比で含有する還元剤水溶液を調製する。次に上記不活性ガス気流中で上記還元剤水溶液を撹拌しながら、この還元剤水溶液に上記金属塩水溶液を滴下して混合する。ここで、金属塩水溶液の添加量は還元剤水溶液の量の1/10以下になるように、各溶液の濃度を調整することで、室温の金属塩水溶液を滴下しても反応温度が30〜60℃に保持されるようにすることが好ましい。また上記両水溶液の混合比は、金属塩水溶液中の金属イオンの総原子価数に対する、還元剤水溶液中のクエン酸イオンと第一鉄イオンのモル比がいずれも3倍モルとなるようにする。金属塩水溶液の滴下が終了した後、混合液の撹拌を更に10〜300分間続けて金属コロイドからなる分散液を調製する。この分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションや遠心分離法等により分離した後、この分離物に脱イオン水等の水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理し、更に引き続いてエタノールで置換洗浄して、金属(銀)の含有量を2.5〜50重量%にする。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、金属ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で71〜75%含有するように調製する、即ち数平均で全ての金属ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子の占める割合が71〜75%の範囲になるように調整する。なお、金属ナノ粒子と記載したが、この(a)の場合では、数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの範囲内の銀ナノ粒子の占める割合が71〜75%の範囲になるように調整している。
数平均の測定方法は、先ず、得られた金属ナノ粒子をTEM(Transmission Electron Microscope、透過型電子顕微鏡)により約50万倍程度の倍率で撮影する。次いで、得られた画像から金属ナノ粒子200個について一次粒径を測定し、この測定結果をもとに粒径分布を作成する。次に、作成した粒径分布から、一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子が全金属ナノ粒子で占める個数割合を求める。
これにより銀ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数が3である分散体(太陽電池の電極形成用組成物)が得られる。なお、この分散体100重量%に対する最終的な金属含有量(銀含有量)は33〜70重量とするとともに、溶媒の水及びエタノール電極形成用組成物に対してそれぞれ2〜10重量%及び2〜63重量%に調整する。
(b) 銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素 骨格の炭素数を3とする場合
銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を構成する金属としては、Ni、Sn、In、Zn、Cr又はMnが挙げられる。金属塩水溶液を調製するときに用いた硝酸銀を、塩化ニッケル、二塩化錫、硝酸インジウム、塩化亜鉛、硫酸クロム又は硫酸マンガンに替えること以外は上記(a)と同様にして分散体を調製する。これにより銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を化学修飾する保護剤の有機分子主鎖の炭素骨格の炭素数が3である分散体(太陽電池の電極形成用組成物)が得られる。
金属ナノ粒子として、銀ナノ粒子とともに、銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を含有させる場合には、上記(a)の方法で製造した銀ナノ粒子を含む分散体を第1分散体とし、上記(b)の方法で製造した銀ナノ粒子以外の金属ナノ粒子を含む分散体を第2分散体とすると、76〜99重量%の第1分散体と1〜24重量%の第2分散体とを第1及び第2分散体の合計含有量が100重量%となるように混合する。
このように製造された分散体(太陽電池の電極形成用組成物)を用いて電極を形成する方法を説明する。
先ず上記分散体(太陽電池の電極形成用組成物)を基材上に湿式塗工法で塗工する。この湿式塗工法での塗工は、焼成後の厚さが0.3〜1.7μmの範囲内となるように成膜する。上記基材は、シリコン、ガラス、ポリイミド又はPETフィルムのいずれかである。また基材は太陽電池素子又は透明電極付き太陽電池素子のいずれかであることが好ましい。透明電極としては、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、アンチモンドープ酸化錫(Antimony Tin Oxide:ATO)、ネサ(酸化錫SnO2)、IZO(Indium Zic Oxide)、AZO(アルミドープZnO)等などが挙げられる。上記分散体は太陽電池素子の光電変換半導体層の表面や、透明電極付き太陽電池素子の透明電極の表面に塗布される。更に上記湿式塗工法は、スプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法又はオフセット印刷法のいずれかであることが好ましい。スプレーコーティング法は分散体を圧縮エアにより霧状にして基材に塗布したり、或いは分散体自体を加圧し霧状にして基材に塗布する方法であり、ディスペンサコーティング法は例えば分散体を注射器に入れこの注射器のピストンを押すことにより注射器先端の微細ノズルから分散体を吐出させて基材に塗布する方法である。オフセット印刷法は、版に付けた分散体を直接基材に付着させず、版から一度ゴムシートに転写させ、ゴムシートから改めて基材に転移させる、インクの撥水性を利用した印刷方法である
次に上面に成膜された基材を大気中で150〜200℃の温度に、10分間〜1時間、好ましくは15〜40分間保持して焼成する。ここで、基材上に形成された分散体の膜厚を、焼成後の厚さが0.3〜1.7μmの範囲内となるように限定したのは、0.3μm未満では太陽電池に必要な電極の表面抵抗値が不十分となり、1.7μmを越えると特性上の不具合はないけれども、材料の使用量が必要以上に多くなって材料が無駄になるからである。また基材上に形成された分散体の膜の焼成温度を150〜200℃の範囲に限定したのは、150℃未満では金属ナノ粒子同士の焼結が不十分になるとともに保護剤の焼成時の熱により脱離或いは分解(分離・燃焼)し難いため、焼成後の電極内に有機残渣が多く残り、この残渣が変質又は劣化して導電性及び反射率が低下してしまい、200℃を越えると低温プロセスという生産上のメリットを生かせない、即ち製造コストが増大し生産性が低下してしまうからである。更に基材上に形成された分散体の膜の焼成時間を10分間〜1時間の範囲に限定したのは、10分間未満では金属ナノ粒子同士の焼結が不十分になるとともに保護剤の焼成時の熱により脱離或いは分解(分離・燃焼)し難いため、焼成後の電極内に有機残渣が多く残り、この残渣が変質又は劣化して電極の導電性及び反射率が低下してしまい、1時間を越えると特性には影響しないけれども、必要以上に製造コストが増大して生産性が低下してしまうからである。
上記太陽電池の電極形成用組成物では、一次粒径10〜50nmとサイズの比較的大きい金属ナノ粒子を多く含むため、金属ナノ粒子の比表面積が減少し、保護剤の占める割合が小さくなる。この結果、上記組成物を用いて太陽電池の電極を形成すると、上記保護剤中の有機分子が焼成時の熱により脱離し又は分解し、或いは離脱しかつ分解することにより、実質的に有機物を含有しない銀を主成分とする電極が得られる。従って、上記電極の形成された太陽電池を長年使用しても、有機物が変質又は劣化するということがなく、電極の導電率及び反射率が高い状態に維持されるので、経年安定性に優れた電極を得ることができる。具体的には、上記電極を、温度を100℃に保ちかつ湿度を50%に保った恒温恒湿槽に1000時間収容した後であっても、波長750〜1500nmの電磁波、即ち可視光領域から赤外線領域までの電磁波を80%以上電極により反射できるとともに、電極の導電性、即ち電極の体積抵抗率を2×10-5Ω・cm(20×10-6Ω・cm)未満と極めて低い値に維持できる。このようにして形成された電極を用いた太陽電池は、長年使用しても高導電率及び高反射率を維持することができ、経年安定性に優れる。
次に本発明の実施例を参考例及び比較例とともに詳しく説明する。
参考例1
先ず硝酸銀を脱イオン水に溶解して金属塩水溶液を調製した。一方、クエン酸ナトリウムを脱イオン水に溶解させて得られた濃度26%のクエン酸ナトリウム水溶液に、温度35℃の窒素ガス気流中で粒状の硫酸第一鉄を直接加えて溶解させ、クエン酸イオンと第一鉄イオンを3:2のモル比で含有する還元剤水溶液を調製した。次に上記窒素ガス気流を温度35℃に保った状態で、マグネチックスターラーの撹拌子を100rpmの回転速度で回転させて上記還元剤水溶液を撹拌しながら、この還元剤水溶液に上記金属塩水溶液を滴下して混合した。ここで、金属塩水溶液の添加量は還元剤水溶液の量の1/10以下になるように、各溶液の濃度を調整することで、室温の金属塩水溶液を滴下しても反応温度が40℃に保持されるようにした。また上記両水溶液の混合比は、金属塩水溶液中の金属イオンの総原子価数に対する、還元剤水溶液中のクエン酸イオンと第一鉄イオンのモル比がいずれも3倍モルとなるようにした。金属塩水溶液の滴下が終了した後、混合液の撹拌を更に15分間続けて金属コロイドからなる分散液を得た。この分散液のpHは5.5であり、分散液中の金属粒子の化学量論的生成量は5g/リットルであった。この得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてメタノールで置換洗浄して、金属(銀)の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で71%含有するように調製した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの範囲内の銀ナノ粒子の占める割合が71%になるように調整した。この分散体を参考例1とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水、メタノール及び溶媒Aの混合割合を50.0重量%、2.5重量%、5.0重量%及び42.5重量%にそれぞれ調整した。ここで、溶媒Aとは、アセトンとイソプロピルグリコールとを重量比で1:1の割合で混合した混合液である。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。なお、硫酸第一鉄中の鉄はメタノールによる置換洗浄時等に除去された。
参考例2
参考例1と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてエタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように調製した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように調整した。この分散体を参考例2とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水、エタノール及び溶媒Aの混合割合を50.0重量%、4.0重量%、5.0重量%及び41.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例3
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で73%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が73%になるように遠心分離機により調整した。この分散体を参考例3とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水、エタノール及び溶媒Bの混合割合を50.0重量%、1.0重量%、5.0重量%及び44.0重量%にそれぞれ調整した。ここで、溶媒Bとは、シクロヘキサンとメチルエチルケトンとを重量比で1:1になるように混合した混合液である。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例4
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で75%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が75%になるように、遠心分離機により調整した。この分散体を参考例4とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水及びエタノールの混合割合を50.0重量%、48.0重量%及び2.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例5
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で75%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が75%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を塩化金酸に替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、金ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの金ナノ粒子を数平均で75%含有するように、即ち数平均で全ての金ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの金ナノ粒子の占める割合が75%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体95重量%と第2分散体5重量%とを混合した。この分散体を参考例5とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び金の合計)、水及びエタノールの混合割合を50.0重量%、3.5重量%及び46.5重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及び金ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及び金ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例6
参考例2と同様にして銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で71%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が71%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を塩化白金酸に替え、参考例2と同様にして白金ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの白金ナノ粒子を数平均で75%含有するように、即ち数平均で全ての白金ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの白金ナノ粒子の占める割合が75%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体95重量%と第2分散体5重量%とを混合した。この分散体を参考例6とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び白金の合計)、水、エタノール及び溶媒Aの混合割合を50.0重量%、3.5重量%、2.5重量%及び44.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及び白金ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及び白金ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例7
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を硝酸パラジウムに替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、パラジウムナノ粒子が一次粒径10〜50nmのパラジウムナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全てのパラジウムナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmのパラジウムナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体77重量%と第2分散体23重量%とを混合した。この分散体を参考例7とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びパラジウムの合計)、水、エタノール及び溶媒Aの混合割合を50.0重量%、1.5重量%、2.5重量%及び46.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及びパラジウムナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及びパラジウムナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例8
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を三塩化ルテニウムに替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、ルテニウムナノ粒子が一次粒径10〜50nmのルテニウムナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全てのルテニウムナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmのルテニウムナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に上記第1分散体76重量%と上記第2分散体24重量%とを混合した。この分散体を参考例8とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びルテニウムの合計)、水、エタノール及び溶媒Aの混合割合を75.0重量%、1.5重量%、2.0重量%及び21.5重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及びルテニウムナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及びルテニウムナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例1
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で73%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が73%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を塩化ニッケルに替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、ニッケルナノ粒子が一次粒径10〜50nmのニッケルナノ粒子を数平均で73%含有するように、即ち数平均で全てのニッケルナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmのニッケルナノ粒子の占める割合が73%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体76重量%と第2分散体24重量%とを混合した。この分散体を実施例1とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びニッケルの合計)、水、エタノール及び溶媒Aの混合割合を75.0重量%、2.2重量%、2.0重量%及び20.8重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子及びニッケルナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例9
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を硝酸第一銅に替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銅ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銅ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銅ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銅ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体76重量%と第2分散体24重量%とを混合した。この分散体を参考例9とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び銅の合計)、水、エタノール及び溶媒Bの混合割合を75.0重量%、4.0重量%、5.0重量%及び16.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及び銅ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及び銅ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例2
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を二塩化錫に替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、錫ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの錫ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての錫ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの錫ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体76重量%と第2分散体24重量%とを混合した。この分散体を実施例2とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び錫の合計)、水、エタノール及び溶媒Bの混合割合を75.0重量%、4.0重量%、5.0重量%及び16.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及び錫ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及び錫ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例3
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を硝酸インジウムに替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、インジウムナノ粒子が一次粒径10〜50nmのインジウムナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全てのインジウムナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmのインジウムナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体80重量%と第2分散体20重量%とを混合した。この分散体を実施例3とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びインジウムの合計)、水、エタノール及び溶媒Cの混合割合を75.0重量%、5.0重量%、5.0重量%及び15.0重量%にそれぞれ調整した。ここで、溶媒Cとは、トルエンとヘキサンとを重量比で1:1になるように混合した混合液である。また分散体中の銀ナノ粒子及びインジウムナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及びインジウムナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例4
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で74%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が74%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を塩化亜鉛に替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、亜鉛ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの亜鉛ナノ粒子を数平均で74%含有するように、即ち数平均で全ての亜鉛ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの亜鉛ナノ粒子の占める割合が74%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体80重量%と第2分散体20重量%とを混合した。この分散体を実施例4とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び亜鉛の合計)、水及びエタノールの混合割合を75.0重量%、10.0重量%及び15.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及び亜鉛ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及び亜鉛ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例5
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で75%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が75%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を硫酸クロムに替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、クロムナノ粒子が一次粒径10〜50nmのクロムナノ粒子を数平均で75%含有するように、即ち数平均で全てのクロムナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmのクロムナノ粒子の占める割合が75%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体95重量%と第2分散体5重量%とを混合した。この分散体を実施例5とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びクロムの合計)、水及びエタノールの混合割合を75.0重量%、5.0重量%及び20.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及びクロムナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及びクロムナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例6
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を硫酸マンガンに替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、マンガンナノ粒子が一次粒径10〜50nmのマンガンナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全てのマンガンナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmのマンガンナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体95重量%と第2分散体5重量%とを混合した。この分散体を実施例6とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びマンガンの合計)、水及びエタノールの混合割合を75.0重量%、3.0重量%及び22.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及びマンガンナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及びマンガンナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例10
参考例1と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてエチレングリコール及びエタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で71%含有するように調製した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が71%になるように調整した。この分散体を参考例10とした。なお、分散体100%に対する最終的な金属(銀)、水、エチレングリコール及びエタノールの混合割合を35.0重量%、2.0重量%、1.0重量%及び53.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有しなかった。
参考例11
参考例1と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてブタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で73%含有するように調製した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100重量%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が73%になるように調整した。この分散体を参考例11とした。なお、分散体100%に対する最終的な金属(銀)、水、ブタノール及び溶媒Aの混合割合を35.0重量%、1.5重量%、50.0重量%及び13.5重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有したけれども、カルボニル基(−C=O)を含有しなかった。
参考例12
参考例1と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてプロピレングリコール及びエタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように調製した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100重量%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように調整した。この分散体を参考例12とした。なお、分散体100%に対する最終的な金属(銀)、水、プロピレングリコール及びエタノールの混合割合を35.0重量%、2.0重量%、1.0重量%及び62.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有したけれども、カルボニル基(−C=O)を含有しなかった。
参考例13
還元剤水溶液の調製時にクエン酸ナトリウムに替えてりんご酸ナトリウムを用いたこと以外は参考例1と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてジエチレングリコール及びエタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように調製した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように調整した。この分散体を参考例13とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水、ジエチレングリコール及びエタノールの混合割合を35.0重量%、5.0重量%、1.0重量%及び59.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数2の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例14
還元剤水溶液の調製時にクエン酸ナトリウムに替えてりんご酸ナトリウムを用いたこと以外は参考例1と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてグリコール及びエタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように調製した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように調整した。この分散体を参考例14とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水、グリセロール及びエタノールの混合割合を35.0重量%、35.0重量%、1.0重量%及び29.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数2の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例15
還元剤水溶液の調製時にクエン酸ナトリウムに替えてグリコール酸ナトリウムを用いたこと以外は参考例1と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてジエチレングリコール及びエタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で73%含有するように調製した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が73%になるように調整した。この分散体を参考例15とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水及びエタノールの混合割合を35.0重量%、10.0重量%及び55.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数1の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)を含有しなかったけれども、カルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例16
還元剤水溶液の調製時に参考例1と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてエリトリトール及びエタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で73%含有するように調製した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が73%になるように調整した。この分散体を参考例16とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水、エリトリトール、エタノール及び溶媒Bの混合割合を35.0重量%、5.0重量%、1.0重量%、24.0重量%及び35.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数2の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例17
還元剤水溶液の調製時にクエン酸ナトリウムに替えてりんご酸ナトリウムを用いたこと以外は参考例1と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてイソボニルヘキサノール及びエタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で75%含有するように調整した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が75%になるように調整した。この分散体を参考例17とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水、イソボニルヘキサノール及びエタノールの混合割合を35.0重量%、1.0重量%、1.0重量%及び63.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数2の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例18
還元剤水溶液の調製時にクエン酸ナトリウムに替えてりんご酸ナトリウムを用いたこと以外は参考例1と同様にして得られた分散液を室温で放置し、沈降した金属ナノ粒子の凝集物をデカンテーションにより分離した。この分離物に脱イオン水を加えて分散体とし、限外ろ過により脱塩処理した後、更に引き続いてメタノールで置換洗浄して、金属の含有量を50重量%にした。その後、遠心分離機を用いこの遠心分離機の遠心力を調整して粗粒子を分離することにより、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で75%含有するように調製した、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が75%になるように調整した。この分散体を参考例18とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水及びメタノールの混合割合を35.0重量%、30.0重量%及び35.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数2の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例7
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で71%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が71%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を塩化ニッケルに替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、ニッケルナノ粒子が一次粒径10〜50nmのニッケルナノ粒子を数平均で71%含有するように、即ち数平均で全てのニッケルナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmのニッケルナノ粒子の占める割合が71%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体98重量%と第2分散体2重量%とを混合した。この分散体を実施例7とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びニッケルの合計)、水及びエタノールの混合割合を35.0重量%、5.0重量%及び60.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及びニッケルナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及びニッケルナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例19
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で71%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が71%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を硝酸第一銅に替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銅ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銅ナノ粒子を数平均で71%含有するように、即ち数平均で全ての銅ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銅ナノ粒子の占める割合が71%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体98重量%と第2分散体2重量%とを混合した。この分散体を参考例19とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び銅の合計)、水及びエタノールの混合割合を35.0重量%、5.0重量%及び60.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及び銅ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及び銅ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例8
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を二塩化錫に替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、錫ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの錫ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての錫ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの錫ナノ粒子の占める割合が72重量%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体98重量%と第2分散体2重量%とを混合した。この分散体を実施例8とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び錫の合計)、水及びエタノールの混合割合を35.0重量%、2.0重量%及び63.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及び錫ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及び錫ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例9
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を塩化亜鉛に替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、亜鉛ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの亜鉛ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての亜鉛ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの亜鉛ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体98重量%と第2分散体2重量%とを混合した。この分散体を実施例9とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び亜鉛の合計)、水及びメタノールの混合割合を35.0重量%、2.0重量%及び63.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及び亜鉛ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及び亜鉛ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例10
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を硫酸クロムに替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、クロムナノ粒子が一次粒径10〜50nmのクロムナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全てのクロムナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmのクロムナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体99重量%と第2分散体1重量%とを混合した。この分散体を実施例10とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びクロムの合計)、水及びエタノールの混合割合を35.0重量%、2.0重量%及び63.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及びクロムナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及びクロムナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
実施例11
参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第1分散体を得た。一方、参考例2の硝酸銀を硫酸マンガンに替え、参考例2と同様にしてエタノールで置換洗浄された分散体を、マンガンナノ粒子が一次粒径10〜50nmのマンガンナノ粒子を数平均で72%含有するように、即ち数平均で全てのマンガンナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmのマンガンナノ粒子の占める割合が72%になるように、遠心分離機により調整して第2分散体を得た。次に第1分散体99重量%と第2分散体1重量%とを混合した。この分散体を実施例11とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びマンガンの合計)、水及びエタノールの混合割合を35.0重量%、2.0重量%及び63.0重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子及びマンガンナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子及びマンガンナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例20
参考例1と同様にしてメタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で100%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が100%になるように、遠心分離機により調整して分散体を得た。この分散体を参考例20とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水及びメタノールの混合割合を3.5重量%、1.0重量%及び95.5重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
参考例21
参考例1と同様にしてメタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で100%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が100%になるように、遠心分離機により調整して分散体を得た。この分散体を参考例21とした。なお、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水及びメタノールの混合割合を90.0重量%、9.8重量%及び0.2重量%にそれぞれ調整した。また分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数3の有機分子主鎖の保護剤でそれぞれ化学修飾された。更に銀ナノ粒子を化学修飾している保護剤は水酸基(−OH)及びカルボニル基(−C=O)を含有した。
<比較例1>
メタノールで置換洗浄された分散体を、銀ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子を数平均で68%含有するように、即ち数平均で全ての銀ナノ粒子100%に対する一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合が68%になるように、遠心分離機により調整した。また分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水及びメタノールの混合割合を50.0重量%、2.5重量%及び47.5重量%にそれぞれ調整した。上記以外は参考例1と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例1とした。
<比較例2>
還元剤水溶液の調製時にクエン酸ナトリウムに替えてメバロン酸ナトリウムを用い、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水及びエタノールの混合割合を50.0重量%、4.0重量%及び46.0重量%にそれぞれ調整したこと以外は参考例2と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例2とした。なお、分散体中の銀ナノ粒子は炭素骨格が炭素数4の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾された。
<比較例3>
分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水、エタノール及び溶媒Aの混合割合を50.0重量%、0.7重量%、30.0重量%及び19.3重量%にそれぞれ調整したこと以外は、参考例3と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例3とした。
<比較例4>
分散体100重量%に対する最終的な金属(銀)、水、エタノール及び溶媒Bの混合割合を50.0重量%、40.0重量%、1.0重量%及び9.0重量%にそれぞれ調整したこと以外は、参考例4と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例4とした。
<比較例5>
プロパノールで置換洗浄し、第1分散体73重量%と第2分散体27重量%とを混合し、更に分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び金)、水、プロパノール及び溶媒Cの混合割合を50.0重量%、3.5重量%、30.0重量%及び16.5重量%にそれぞれ調整したこと以外は、参考例5と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例5とした。
<比較例6>
第1分散体74重量%と第2分散体26重量%とを混合し、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び白金)、水及びエタノールの混合割合を75.0重量%、3.5重量%及び21.5重量%にそれぞれ調整したこと以外は、参考例6と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例6とした。
<比較例7>
第1分散体73重量%と第2分散体27重量%とを混合し、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びパラジウム)、水及びエタノールの混合割合を75.0重量%、2.2重量%及び22.8重量%にそれぞれ調整したこと以外は、参考例7と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例7とした。
<比較例8>
第1分散体74重量%と第2分散体26重量%とを混合し、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びルテニウム)、エタノール及び溶媒Aの混合割合を75.0重量%、15.0重量%及び10.0重量%にそれぞれ調整したこと以外は、参考例8と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例8とした。
<比較例9>
第1分散体74重量%と第2分散体26重量%とを混合し、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びニッケル)、水、エタノール及び溶媒Bの混合割合を75.0重量%、2.2重量%、12.8重量%及び10.0重量%にそれぞれ調整したこと以外は、実施例1と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例9とした。
<比較例10>
第1分散体72重量%と第2分散体28重量%とを混合し、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び銅)、水、エタノール及び溶媒Cの混合割合を75.0重量%、4.0重量%、11.0重量%及び10.0重量%にそれぞれ調整したこと以外は、参考例9と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例10とした。
<比較例11>
第1分散体73重量%と第2分散体27重量%とを混合し、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び錫)、水及びメタノールの混合割合を35.0重量%、4.0重量%及び61.0重量%にそれぞれ調整したこと以外は、実施例2と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例11とした。
<比較例12>
第1分散体74重量%と第2分散体26重量%とを混合し、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びインジウム)、水及びエタノールの混合割合を35.0重量%、30.0重量%及び35.0重量%にそれぞれ調整したこと以外は、実施例3と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例12とした。
<比較例13>
第1分散体74重量%と第2分散体26重量%とを混合し、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及び亜鉛)、水、エタノール及び溶媒Aの混合割合を35.0重量%、10.0重量%、20.0重量%及び35.0重量%にそれぞれ調整したこと以外は、実施例4と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例13とした。
<比較例14>
第1分散体73重量%と第2分散体27重量%とを混合し、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びクロム)、水、エタノール及び溶媒Bの混合割合を35.0重量%、5.0重量%、20.0重量%及び40.0重量%にそれぞれ調整したこと以外は、実施例5と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例14とした。
<比較例15>
第1分散体74重量%と第2分散体26重量%とを混合し、分散体100重量%に対する最終的な金属(銀及びマンガン)、水、エタノール及び溶媒Cの混合割合を35.0重量%、3.0重量%、20.0重量%及び42.0重量%にそれぞれ調整したこと以外は、実施例6と同様にして分散体を調製した。この分散体を比較例15とした。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜11、参考例1〜21及び比較例1〜15の分散体を基材上に、焼成後の厚さが次の表3及び表4に示される膜厚となるように塗布した後に、次の表3及び表4に示される温度で焼成することにより、基材上に電極を形成した。基材としては、ITO膜付き太陽電池、ITO膜なし太陽電池、シリコン基板、ガラス板、ポリイミド板、PETフィルム又はITO膜付きガラス板を用いた。これらの電極を形成した基材について、耐候性試験を行う前に、各基材に形成された電極の反射率及び導電性を測定するとともに、耐候性試験を行った後に、各基材に形成された電極の反射率及び導電性を測定した。その結果を、表3及び表4に示す。
なお、耐候性試験は、電極の形成された基材を、温度を100℃に保ち湿度を50%に保った恒温恒湿槽に1000時間収容することにより行った。
また、反射率は、波長750〜1500nmの電磁波(赤外線及び可視光線)を電極に照射し、反射した電磁波を紫外可視分光光度計(V−570:日本分光社製)を用いて測定し、全照射量に対する反射量の割合(%)を算出して求めた。
また、金属ナノ粒子の一次粒径は、FE−TEM(電界放出型透過電子顕微鏡:日本電子社製)を用いて計測し、一次粒径10〜50nmの銀ナノ粒子の占める割合は、上記FE−TEMを用いて撮影した金属ナノ粒子の一次粒径の写真から画像処理により粒子径の数を計測して評価した。
また導電性は、四端子法により測定し算出した体積抵抗率(Ω・cm)として求めた。具体的には、電極の体積抵抗率は、先ず焼成後の電極の厚さをSEM(電子顕微鏡S800:日立製作所社製)を用いて電極断面から電極の厚さを直接計測し、次に四端子法による比抵抗測定器(ロレスタ:三菱化学社製)を用い、この測定器に上記実測した電極の厚さを入力して測定した。
更に水酸基(−OH)、カルボニル基(−C=O)の有無は、XPS(Quantum 2000:PHI社製のX線光電子分光分析装置)、TOF−SIMS(TOF-SIMS IV:ION-TOF社製の飛行時間型二次イオン質量分析装置)、FTIR(NEXUS 670:Nicolet社製のフーリエ変換赤外分光光度計)及びTPD−MS(5973N:Agilent社製の昇温熱脱離・質量分析装置)を用いた機器分析を併用して存在を確認した。
一方、表1及び表2に、実施例1〜11、参考例1〜21及び比較例1〜15の分散体における一次粒径10〜50nmの金属ナノ粒子の占める割合と、有機分子主鎖の炭素数と、水酸基(−OH)の有無と、カルボニル基(−C=O)の有無と、分散体(組成物)の種類及び混合割合と、異種金属(銀以外の金属)の種類及び含有率(銀と銀以外の金属の合計を100重量%としたときの異種金属の含有率)とを示した。また表3及び表4には、反射率、導電性(体積抵抗率)及び耐候性とともに、基材の種類、膜厚及び焼成温度を示した。更に表3及び表4の耐候性の欄において、『良好』とは、反射率が80%以上でありかつ体積抵抗率が20×10-6Ω・cm未満であった場合を示し、『不良』とは反射率が80%未満でありかつ体積抵抗率が20×10-6Ω・cm未満であるか、又は反射率が80%以上でありかつ体積抵抗率が20×10-6Ω・cmを越えるか、或いは反射率が80%未満でありかつ体積抵抗率が20×10-6Ω・cmを越えた場合を示す。
なお、表1及び表2のアルコール類の欄において、『ME』はメタノールを示し、『ET』はエタノールを示し、『EG』はエチレングリコールを示し、『BU』はブタノールを示し、『PG』はプロピレングリコールを示し、『DEG』はジエチレングリコールを示し、『GL』はグリセロースを示し、『ER』はエリトリトールを示し、『IH』はイソボニルヘキサノールを示し、『PR』はプロパノールを示す。
また、表1及び表2の他の溶媒の欄において、『A』はアセトンとイソプロピルグリコールとを重量比で1:1に混合した混合液を示し、『B』はシクロヘキサンとメチルエチルケトンとを重量比で1:1に混合した混合液を示し、『C』はトルエンとヘキサンとを重量比で1:1に混合した混合液を示す。
Figure 0005070808
Figure 0005070808
Figure 0005070808
Figure 0005070808
表3及び表4から明らかなように、比較例1及び3では、焼成直後、即ち耐候性試験前の電極の反射率は80%以上でありかつ体積抵抗率は20×10-6Ω・cm未満であり、初期特性は十分に満足するものであったけれども、耐候性試験を行った後は、電極の反射率及び体積抵抗率が低下(経年劣化)して不良となった。その他の比較例では、耐候性試験前の電極の反射率又は体積抵抗率のいずれか一方又は両方において不十分であり、耐候性試験後の電極の反射率及び体積抵抗率も不良となった。これらに対し、実施例では、耐候性試験前及び耐候性試験後のいずれであっても、電極の反射率が80%以上でありかつ体積抵抗率が20×10-6Ω・cm未満であり、耐候性試験前の初期特性も耐候性も十分に満足するものとなった。

Claims (4)

  1. 金属ナノ粒子が分散媒に分散した太陽電池の電極形成用組成物であって、
    前記金属ナノ粒子が76〜99重量%の銀ナノ粒子と1〜24重量%のNi、Sn、In、Zn、Cr又はからなる金属ナノ粒子を含有し、
    前記金属ナノ粒子はカルボニル基(-C=O)又はカルボニル基(-C=O)と水酸基(-OH)のいずれかを含む炭素骨格が炭素数の有機分子主鎖の保護剤で化学修飾され、
    前記金属ナノ粒子が一次粒径10〜50nmの範囲内の金属ナノ粒子を数平均で71〜75%含有し、
    前記分散媒は前記電極形成用組成物を100重量%とするとき2〜10重量%の水と2〜63重量%エタノールとを含有する
    ことを特徴とする太陽電池の電極形成用組成物。
  2. 請求項1記載の電極形成用組成物をシリコン、ガラス、ポリイミド又はPETフィルムのいずれかの基材上に、スプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法又はオフセット印刷法のいずれかの湿式塗工法で塗工して太陽電池用電極を形成する方法。
  3. 請求項1記載の電極形成用組成物をシリコン、ガラス、ポリイミド又はPETフィルムのいずれかの基材上に、スプレーコーティング法、ディスペンサコーティング法又はオフセット印刷法のいずれかの湿式塗工法で塗工して焼成後の厚さが0.3〜1.7μmの範囲内となるように成膜する工程と、
    前記上面に成膜された基材を150〜200℃で焼成する工程と
    を含む太陽電池の電極の形成方法。
  4. 請求項2又は3記載の電極の形成方法により形成した、耐候性試験前及び耐候性試験後のいずれであっても、電極の反射率が80%以上でありかつ体積抵抗率が20×10 -6 Ω・cm未満である電極を用いたことを特徴とする太陽電池。
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