次に、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体チップ積層構造体の断面図である。
図3を参照するに、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10は、配線パターン11と、第1の半導体チップ12と、半導体チップ搭載時に接着性を有した樹脂である接着性樹脂13,19と、第1の封止樹脂14と、貫通電極16と、外部接続端子17と、第2の半導体チップ18とを有する。
図4は、図3に示す半導体チップ積層構造体に設けられた配線パターンの平面図である。
図3及び図4を参照するに、配線パターン11は、同一平面上に設けられたパッド22,24及び配線23を有する。配線パターン11は、第2の半導体チップ18と対向する側のパッド22,24の面及び配線23の面(これらの面が配線パターン11の面11B(第2の面)に相当する)が露出された状態で第1の封止樹脂14に設けられている。
パッド22は、第1及び第2の半導体チップ12,18に設けられた電極パッド26,32と対向するように配置されている。第1及び第2の半導体チップ12,18に設けられた電極パッド26,32は、面積は小さく、かつその配設間隔は非常に狭い。第1の半導体チップ12と対向する側のパッド22の面は、第1の半導体チップ12の電極パッド26に設けられたバンプ27と接触している。パッド22は、バンプ27を介して、第1の半導体チップ12と電気的に接続されている。第2の半導体チップ18と対向する側のパッド22の面は、第2の半導体チップ18の電極パッド32に設けられたバンプ33と接触している。パッド22は、バンプ33を介して、第2の半導体チップ18と電気的に接続されている。
配線23は、その一方の端部がパッド22と接続されており、他方の端部がパッド24と接続されている。これにより、パッド22とパッド24とは、配線23を介して電気的に接続されている。配線23は、パッド22,24と一体的に構成されている。
パッド24は、パッド22よりも面積が大きく、かつパッド22よりも配設間隔が大きくなるように配置されたパッドである。パッド24は、配線23を介して、パッド22と電気的に接続されている。第1の封止樹脂14が設けられた側のパッド24は、貫通電極16と接続されている。封止樹脂14に覆われていない部分のパッド24(貫通電極16が接続された側とは反対側のパッド24の面)は、第1及び第2の半導体チップ12,18の電気的検査(具体的には、第1及び第2の半導体チップ12,18がメモリー用半導体チップの場合、例えば、第1及び第2の半導体チップ12,18の書き込み検査や読み込み検査等の検査)を行う際に使用する。
このように、第1及び第2の半導体チップ12,18の電気的検査を行うためのパッド24を有すると共に、第1及び第2の半導体チップ12,18と電気的に接続された配線パターン11を設け、パッド24の一部を第1の封止樹脂14から露出させることにより、第1の封止樹脂14から露出された部分のパッド24を用いて配線パターン11と電気的に接続された第1の半導体チップ12の電気的検査を行い、この電気的検査工程において良品と判定された第1の半導体チップ12と電気的に接続された配線パターン11にのみ第2の半導体チップ18を電気的に接続することが可能となるため、半導体チップ積層構造体10の歩留まりを向上させることができる。
なお、第2の半導体チップ18の電気的検査(第2の半導体チップ18がメモリー用半導体チップの場合、書き込み検査や読み込み検査等の検査)は、第2の半導体チップ18と配線パターン11とを電気的に接続した後、第1の封止樹脂14から露出された部分のパッド24を用いて行う。
上記構成とされた配線パターン11としては、例えば、Au層(例えば、厚さ1μm)と、Ni層(例えば、厚さ8μm)と、Au層(例えば、厚さ1μm)とを順次積層させたAu/Ni/Au積層膜を用いることができる。また、配線パターン11としては、上記Au/Ni/Au積層膜以外に、Au/Ni/Cu/Ni/Au積層膜や他の積層膜を用いてもよい。
図3を参照するに、第1の半導体チップ12は、配線パターン11の面11A(第1の面)側に配置されており、第1の封止樹脂14により封止されている。第1の半導体チップ12は、電極パッド26を有する。第1の半導体チップ12は、電極パッド26に設けられたバンプ27により、配線パターン11のパッド22に対してフリップチップ接続されている。第1の半導体チップ12としては、例えば、メモリー用半導体チップを用いることができる。
このように、第1の半導体チップ12を配線パターン11に対してフリップチップ接続することにより、第1の半導体チップ12を配線パターン11に対してワイヤボンディング接続した場合と比較して、第1の封止樹脂14の厚さを薄くすることが可能となるため、半導体チップ積層構造体10の厚さ方向のサイズの小型化を図ることができる。
接着性樹脂13は、配線パターン11と第1の半導体チップ12との間に設けられている。配線パターン11間に設けられた部分の接着性樹脂13の面13Aは、配線パターン11の面11Bと略面一とされている。接着性樹脂13は、第1の半導体チップ12と配線パターン11とを接着することで、バンプ27と電極パッド26及びパッド22との接合強度を向上させるための樹脂である。接着性樹脂13としては、例えば、異方性導電性樹脂やアンダーフィル樹脂等を用いることができる。配線パターン11間に設けられた部分の接着性樹脂13の厚さは、例えば、35μmとすることができる。
第1の封止樹脂14は、配線パターン11の面11B及び接着性樹脂13の面13Aを露出した状態で、配線パターン11及び接着性樹脂13の一部と第1の半導体チップ12とを封止している。第1の封止樹脂14は、第1の半導体チップ12が配置された側のパッド24の面を露出する開口部29を有する。開口部29の直径は、例えば、70μmとすることができる。第1の封止樹脂14としては、例えば、モールド樹脂を用いることができる。
このように、第1の封止樹脂14により、配線パターン11の面11B(第2の半導体チップ18が配置された側の配線パターン11の面)を露出させた状態で、配線パターン11と電気的に接続された第1の半導体チップ12を封止することにより、第1の封止樹脂14が第1及び第2の半導体チップ12,18を支持する支持体として機能するため、従来、半導体チップ202〜204を載置するために必要であった配線基板201(図1参照)が不要となるので、半導体チップ積層構造体10の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
なお、図3では、第1の半導体チップ12を覆うように第1の封止樹脂14を配設した場合を例に挙げて図示したが、電極パッド26が設けられた面とは反対側の第1の半導体チップ12の面を露出するように第1の封止樹脂14を設けてもよい。
貫通電極16は、第1の封止樹脂14に形成された開口部29に設けられている。貫通電極16は、その一方の端部がパッド24と接続されており、他方の端部(第1の封止樹脂14から露出された貫通電極16の端部)には外部接続端子17が配設されている。貫通電極16は、配線パターン11を介して、第1及び第2の半導体チップ12,18と電気的に接続されている。貫通電極16の材料としては、例えば、導電性ペースト(例えば、Agペースト、Cuペースト、はんだペースト等)を用いることができる。
このように、一方の端部がパッド24と接続され、他方の端部が第1の封止樹脂14から露出された貫通電極16を設けることにより、貫通電極16が接続された側とは反対側に位置するパッド24部分に他の半導体チップ積層構造体を積み重ね、半導体チップ積層構造体10に設けられた配線パターン11と他の半導体チップ積層構造体に設けられた配線パターンとを電気的に接続することができる。
外部接続端子17は、第1の封止樹脂14から露出された貫通電極16の端部に設けられている。外部接続端子17は、マザーボード等の実装基板(図示せず)と電気的に接続される端子である。外部接続端子17としては、例えば、はんだボールを用いることができる。
第2の半導体チップ18は、配線パターン11の面11Bと対向するように配置されている。第2の半導体チップ18は、電極パッド32を有する。第2の半導体チップ18は、電極パッド32に設けられたバンプ33により、配線パターン11のパッド22に対してフリップチップ接続されている。第2の半導体チップ18としては、例えば、メモリー用半導体チップを用いることができる。
このように、第2の半導体チップ18を配線パターン11に対してフリップチップ接続することにより、第2の半導体チップ18を配線パターン11に対してワイヤボンディング接続した場合と比較して、半導体チップ積層構造体10の厚さ方向のサイズの小型化することができる。
接着性樹脂19は、配線パターン11及び接着性樹脂13と第2の半導体チップ18との間に設けられている。接着性樹脂19は、第2の半導体チップ12と配線パターン11とを接着することで、バンプ33と電極パッド32及びパッド22との接合強度を向上させるための樹脂である。接着性樹脂19としては、例えば、異方性導電性樹脂やアンダーフィル樹脂等を用いることができる。接着性樹脂19の厚さは、例えば、35μmとすることができる。
本実施の形態の半導体チップ積層構造体によれば、第1の半導体チップ12と、第1の半導体チップ12と電気的に接続された配線パターン11と、第1の半導体チップ12と対向する配線パターン11の面11Aの反対側に位置する配線パターン11の面11Bを露出するように、第1の半導体チップ12を封止する第1の封止樹脂14と、配線パターン11の面11Bと対向するように配置され、配線パターン11と電気的に接続された第2の半導体チップ18と、設けることにより、第1の封止樹脂14から露出された部分のパッド24を用いて配線パターン11と電気的に接続された第1の半導体チップ12の電気的検査を行い、この電気的検査工程において良品と判定された第1の半導体チップ12と電気的に接続された配線パターン11にのみ第2の半導体チップ18を電気的に接続することが可能となるため、半導体チップ積層構造体10の歩留まりを向上させることができる。
また、第1の封止樹脂14により、配線パターン11の面11B(第2の半導体チップ18が配置された側の配線パターン11の面)を露出させた状態で、配線パターン11と電気的に接続された第1の半導体チップ12を封止することにより、第1の封止樹脂14が第1及び第2の半導体チップ12,18を支持する支持体として機能するため、従来、半導体チップ202〜204を載置するために必要であった配線基板201(図1参照)が不要となるので、半導体チップ積層構造体10の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
図5は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例に係る半導体チップ積層構造体の断面図である。図5において、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10と同一構成部分には同一符号を付す。
図5を参照するに、第1の実施の形態の第1変形例に係る半導体チップ積層構造体40は、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10の構成に、さらに導電部材41を設けた以外は半導体チップ積層構造体10と同様に構成される。
導電部材41は、貫通電極16が接続された側とは反対側に位置する部分のパッド24に設けられている。導電部材41は、第2の半導体チップ18よりも突出するような高さとされている。導電部材41としては、例えば、ワイヤボンディングにより形成したAuバンプを用いることができる。
このように、貫通電極16が接続された側とは反対側に位置する部分のパッド24に導電部材41を設けることにより、半導体チップ積層構造体40上に他の半導体チップ積層構造体(例えば、後述する図6に示す半導体チップ積層構造体45や図7に示す半導体チップ積層構造体50等)を積み重ね、半導体チップ積層構造体40に設けられた配線パターン11と他の半導体チップ積層構造体に設けられた配線パターンとを電気的に接続することができる。
なお、上記構成とされた半導体チップ積層構造体40は、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10と同様な効果を得ることができる。また、図5では、第1の半導体チップ12を覆うように第1の封止樹脂14を配設した場合を例に挙げて図示したが、電極パッド26が設けられた面とは反対側の第1の半導体チップ12の面を露出するように第1の封止樹脂14を設けてもよい。
図6は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例に係る半導体チップ積層構造体の断面図である。図6において、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10と同一構成部分には同一符号を付す。
図6を参照するに、第1の実施の形態の第2変形例に係る半導体チップ積層構造体45は、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10の構成から貫通電極16及び外部接続端子17を除いた以外は半導体チップ積層構造体10と同様に構成される。
このように、貫通電極16が形成されていない開口部29を設けることにより、図5に示す半導体チップ積層構造体40上に半導体チップ積層構造体45を積み重ね、半導体チップ積層構造体45の開口部29を介して、導電部材41の端部41Aと半導体チップ積層構造体45のパッド24とを接続することができる。
なお、上記構成とされた半導体チップ積層構造体45は、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10と同様な効果を得ることができる。また、図6では、第1の半導体チップ12を覆うように第1の封止樹脂14を配設した場合を例に挙げて図示したが、電極パッド26が設けられた面とは反対側の第1の半導体チップ12の面を露出するように第1の封止樹脂14を設けてもよい。
図7は、本発明の第1の実施の形態の第3変形例に係る半導体チップ積層構造体の断面図である。図7において、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10と同一構成部分には同一符号を付す。
図7を参照するに、第1の実施の形態の第3変形例に係る半導体チップ積層構造体50は、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10の構成から貫通電極16及び外部接続端子17を取り除くと共に、貫通電極16が接続された側(開口部29が形成された側)とは反対側に位置する部分のパッド24に導電部材41を設けた以外は半導体チップ積層構造体10と同様に構成される。
このように、貫通電極16が形成されていない開口部29と、貫通電極16が接続された側とは反対側に位置する部分のパッド24に導電部材41とを設けることにより、図5に示す半導体チップ積層構造体40上に、半導体チップ積層構造体50と、図6に示す半導体チップ積層構造体45とを順次積み重ね、半導体チップ積層構造体40,50に設けられた導電部材41により、半導体チップ積層構造体40に設けられた配線パターン11、半導体チップ積層構造体45に設けられた配線パターン11、及び半導体チップ積層構造体50に設けられた配線パターン11を電気的に接続することができる。
なお、上記構成とされた半導体チップ積層構造体50は、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10と同様な効果を得ることができる。また、図7では、第1の半導体チップ12を覆うように第1の封止樹脂14を配設した場合を例に挙げて図示したが、電極パッド26が設けられた面とは反対側の第1の半導体チップ12の面を露出するように第1の封止樹脂14を設けてもよい。
図8は、本発明の第1の実施の形態の第4変形例に係る半導体チップ積層構造体の断面図である。図8において、第1の実施の形態の第2変形例に係る半導体チップ積層構造体45と同一構成部分には同一符号を付す。
図8を参照するに、第1の実施の形態の第4変形例に係る半導体チップ積層構造体55は、第1の実施の形態の第2変形例に係る半導体チップ積層構造体45の構成から開口部29を取り除いた以外は半導体チップ積層構造体45と同様に構成される。
上記構成とされた半導体チップ積層構造体55は、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10と同様な効果を得ることができる。また、図8では、第1の半導体チップ12を覆うように第1の封止樹脂14を配設した場合を例に挙げて図示したが、電極パッド26が設けられた面とは反対側の第1の半導体チップ12の面を露出するように第1の封止樹脂14を設けてもよい。
図9〜図14は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体チップ積層構造体の製造工程を示す図である。図9〜図14において、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10と同一構成部分には同一符号を付す。
図9〜図14を参照して、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10の製造方法について説明する。始めに、図9に示す工程では、導電性を有した支持体61の上面61Aに配線パターン11を形成する(配線パターン形成工程)。支持体61としては、例えば、金属箔や金属板等を用いることができる。支持体61となる金属箔及び金属板の材料としては、例えば、Cu、Al、ステンレスや他の金属を用いることができる。配線パターン11は、支持体61をエッチングで除去する際のエッチング液に溶解しない金属膜により構成するとよい。具体的には、支持体61の材料がCuの場合、配線パターン11としては、例えば、支持体61上にAu層(例えば、厚さ1μm)と、Ni層(例えば、厚さ8μm)と、Au層(例えば、厚さ1μm)とを順次積層させたAu/Ni/Au積層膜を用いることができる。配線パターン11は、例えば、支持体61上に配線パターン11の形成領域に対応する部分の支持体61の上面61Aを露出する開口部を有しためっきレジストパターンを設け、次いで、支持体61を給電層とした電解めっきにより、めっきレジストパターンの開口部から露出された部分の支持体61の上面61Aにめっき膜を析出成長させ、次いで、めっきレジストパターンを除去することで形成する。
次いで、図10に示す工程では、第1の半導体チップ12を配線パターン11の面11Aと対向配置して、第1の半導体チップ12の電極パッド26に設けられたバンプ27とパッド22とを接続(フリップチップ接続)すると共に、接着性樹脂13により配線パターン11と第1の半導体チップ12とを接着する(第1の半導体チップ接続工程)。このとき、第1の半導体チップ12と対向する部分の支持体61の上面61Aにも接着性樹脂13が形成される。第1の半導体チップ12としては、例えば、メモリー用半導体チップを用いることができる。接着性樹脂13としては、例えば、異方性導電性樹脂やアンダーフィル樹脂等を用いることができる。支持体61の上面61Aに設けられた部分の接着性樹脂13の厚さは、例えば、35μmとすることができる。
次いで、図11に示す工程では、パッド24の一部を露出する開口部29を有した第1の封止樹脂14により、配線パターン11、第1の半導体チップ12、及び接着性樹脂13を封止する(第1の封止工程)。第1の封止樹脂14としては、例えば、モールド樹脂を用いることができる。第1の封止樹脂14としてモールド樹脂を用いた場合、開口部29を有した第1の封止樹脂14は、例えば、金型を用いたトランスファーモールド法により形成することができる。この場合、第1の半導体チップ12上に形成される第1の封止樹脂14の厚さは、例えば、5μm〜10μmとすることができる。開口部29の直径は、例えば、70μmとすることができる。
次いで、図12に示す工程では、図11に示す構造体に設けられた支持体61をエッチングにより除去(支持体除去工程)し、その後、検査装置(例えば、プローブ装置)の端子を第1の封止樹脂14から露出された部分のパッド24に接触させて、第1の半導体チップ12の電気的検査(第1の半導体チップ12としてメモリー用半導体チップを用いた場合、第1の半導体チップ12の書き込み検査や読み込み検査等の検査)を行う(第1の電気的検査工程)。
支持体除去工程では、例えば、配線パターン11を構成する複数の金属層のうち、最下層に配置された金属層(支持体61と接触する金属層)としてAu層を用いた場合、支持体61の材料としてはCuを用いるとよい。これにより、Cuよりなる支持体61を除去する際に配線パターン11がエッチングされることを防止できる。
第1の電気的検査工程では、配線パターン11と電気的に接続された第1の半導体チップ12が良品であるか否かの判定を行う。第1の半導体チップ検査工程において、第1の半導体チップ12が良品と判定された図12に示す構造体のみ、続く、図13に示す工程の処理へと進む。
なお、図12では、図11に示す構造体に設けられた支持体61をエッチングにより除去した後、支持体61が除去された構造体の上下を反転させた状態で図示している。
次いで、図13に示す工程では、第2の半導体チップ18を配線パターン11の面11Bと対向配置させ、第2の半導体チップ18の電極パッド32に設けられたバンプ33とパッド22とを接続(フリップチップ接続)すると共に、接着性樹脂19により配線パターン11と第2の半導体チップ18とを接着する(第2の半導体チップ接続工程)。第2の半導体チップ18としては、例えば、メモリー用半導体チップを用いることができる。接着性樹脂19としては、例えば、異方性導電性樹脂やアンダーフィル樹脂等を用いることができる。接着性樹脂19の厚さは、例えば、35μmとすることができる。
その後、検査装置(例えば、プローブ装置)の端子を第1の封止樹脂14から露出された部分のパッド24に接触させて、第2の半導体チップ18の電気的検査(第2の半導体チップ18としてメモリー用半導体チップを用いた場合、第2の半導体チップ18の書き込み検査や読み込み検査等の検査)を行う(第2の電気的検査工程)。第2の電気的検査工程では、配線パターン11と電気的に接続された第2の半導体チップ18が良品であるか否かの判定を行う。第2の電気的検査工程において、第2の半導体チップ18が良品と判定された図13に示す構造体のみ、続く、図14に示す工程の処理へと進む。なお、第2の電気的検査工程において、第2の半導体チップ18が不良と判定された場合、第2の半導体チップ18をリペアしてから図14に示す工程へと進む。
このように、第1の電気的検査工程において良品と判定された第1の半導体チップ12と電気的に接続された配線パターン11にのみ第2の半導体チップ18を電気的に接続することにより、不良品と判定された第1の半導体チップ12と電気的に接続された配線パターン11に第2の半導体チップ18が電気的に接続されることがなくなるため、半導体チップ積層構造体10の歩留まりを向上させることができる。
次いで、図14に示す工程では、周知の手法により、開口部29に貫通電極16を形成し、その後、第1の封止樹脂14から露出された貫通電極16の端部に外部接続端子17を形成する。これにより、半導体チップ積層構造体10が製造される。貫通電極16は、例えば、印刷法により、開口部29を導電性ペースト(例えば、Agペースト、Cuペースト、はんだペースト等)で充填することで形成する。外部接続端子17としては、例えば、はんだボールを用いることができる。
本実施の形態の半導体チップ積層構造体の製造方法によれば、配線パターン11と電気的に接続された第1の半導体チップ12を第1の封止樹脂14により封止した後、第1の封止樹脂14から露出された部分のパッド24(配線パターン11の一部)を用いて、第1の半導体チップ12の電気的検査を行い、この電気的検査において良品と判定された第1の半導体チップ12と電気的に接続された配線パターン11にのみ第2の半導体チップ18を電気的に接続することにより、半導体チップ積層構造体10の歩留まりを向上させることができる。
また、第1の配線パターン11及び第1の半導体チップ12を封止する第1の封止樹脂14を形成することにより、第1の封止樹脂14が第1及び第2の半導体チップ12,18を支持する支持体として機能するため、従来、半導体チップ202〜204を載置するために必要であった配線基板201(図1参照)が不要となるので、半導体チップ積層構造体10の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。図15において、先に説明した図5に示す半導体チップ積層構造体40及び図8に示す半導体チップ積層構造体55と同一構成部分には同一符号を付す。
図15を参照するに、第1の実施の形態の半導体装置65は、半導体チップ積層構造体40(図5参照)と、半導体チップ積層構造体55(図8参照)と、第2の封止樹脂66とを有する。半導体装置65の構成要素である半導体チップ積層構造体40,55は、予め電気的検査工程において良品と判定された半導体チップ積層構造体である。
半導体チップ積層構造体55は、半導体チップ積層構造体55に設けられた第2の半導体チップ18が半導体チップ積層構造体40に設けられた第2の半導体チップ18と接触するように、半導体チップ積層構造体40上に配置されている。半導体チップ積層構造体55に設けられたパッド24は、半導体チップ積層構造体40に設けられた導電部材41の端部41Aと接続されている。つまり、半導体チップ積層構造体40に設けられた配線パターン11は、導電部材41を介して、半導体チップ積層構造体55に設けられた配線パターン11と電気的に接続されている。
第2の封止樹脂66は、第1の封止樹脂14から露出された貫通電極16の端部及び外部接続端子17を露出した状態で、積み重ねられた半導体チップ積層構造体40,55を封止している。第2の封止樹脂66は、外部接続端子17が配設される側の第1の封止樹脂14の面を露出するように設けられている。
このように、第2の封止樹脂66により、積み重ねられた半導体チップ積層構造体40,55を封止することで、半導体チップ積層構造体55に設けられたパッド24と半導体チップ積層構造体40に設けられた導電部材41との接続部分の強度を向上させることができる。
第2の封止樹脂66としては、例えば、モールド樹脂を用いることができる。第2の封止樹脂66としてモールド樹脂を用いた場合、第2の封止樹脂66は、例えば、トランスファーモールド法により形成することができる。
本実施の形態の半導体装置によれば、予め電気的検査工程において良品と判定された半導体チップ積層構造体40,55を用いることにより、半導体装置65の歩留まりを向上させることができる。
また、厚さ方向のサイズが小型化された半導体チップ積層構造体40,55を積み重ねることにより、半導体装置65の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
なお、図15では、半導体チップ積層構造体40に設けられた第2の半導体チップ18の背面と半導体チップ積層構造体55に設けられた第2の半導体チップ18の背面とを接触させた場合を例に挙げて図示したが、半導体チップ積層構造体40に設けられた第2の半導体チップ18の背面と半導体チップ積層構造体55に設けられた第2の半導体チップ18の背面とは接触していなくてもよい。
図16は、本発明の第1の実施の形態の第1変形例に係る半導体装置の断面図である。図16において、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10及び図8に示す半導体チップ積層構造体55と同一構成部分には同一符号を付す。
図16を参照するに、第1の実施の形態の第1変形例に係る半導体装置67は、第1の実施の形態の半導体装置65に設けられた第2の封止樹脂66を半導体チップ積層構造体40と半導体チップ積層構造体55との間のみに設けた以外は半導体装置65と同様に構成される。
このような構成とされた半導体装置67は、第1の実施の形態の半導体装置65と同様な効果を得ることができる。
なお、図16では、半導体チップ積層構造体40に設けられた第2の半導体チップ18の背面と半導体チップ積層構造体55に設けられた第2の半導体チップ18の背面とを接触させた場合を例に挙げて図示したが、半導体チップ積層構造体40に設けられた第2の半導体チップ18の背面と半導体チップ積層構造体55に設けられた第2の半導体チップ18の背面とは接触していなくてもよい。
図17は、本発明の第1の実施の形態の第2変形例に係る半導体装置の断面図である。図17において、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10及び図8に示す半導体チップ積層構造体55と同一構成部分には同一符号を付す。
図17を参照するに、第1の実施の形態の第2変形例に係る半導体装置70は、半導体チップ積層構造体10(図3参照)と、半導体チップ積層構造体55(図8参照)と、導電部材71と、第2の封止樹脂66とを有する。半導体装置70の構成要素である半導体チップ積層構造体10,55は、予め電気的検査工程において良品と判定された半導体チップ積層構造体である。
半導体チップ積層構造体55は、半導体チップ積層構造体55に設けられた第2の半導体チップ18が半導体チップ積層構造体10に設けられた第2の半導体チップ18と接触するように、半導体チップ積層構造体10上に配置されている。
導電部材71は、半導体チップ積層構造体10に設けられたパッド24と半導体チップ積層構造体55に設けられたパッド24との間に配置されている。導電部材71は、その一方の端部が半導体チップ積層構造体10に設けられたパッド24と接続されており、他方の端部が半導体チップ積層構造体55に設けられたパッド24と接続されている。つまり、半導体チップ積層構造体10に設けられた配線パターン11は、導電部材71を介して、半導体チップ積層構造体55に設けられた配線パターン11と電気的に接続されている。導電部材71としては、例えば、はんだバンプを用いることができる。
第2の封止樹脂66は、第1の封止樹脂14から露出された貫通電極16の端部及び外部接続端子17を露出した状態で、積み重ねられた半導体チップ積層構造体10,55を封止している。第2の封止樹脂66は、外部接続端子17が配設される側の第1の封止樹脂14の面を露出するように設けられている。
このような構成とされた半導体装置70は、第1の実施の形態の半導体装置65と同様な効果を得ることができる。
なお、図17では、半導体チップ積層構造体10に設けられた第2の半導体チップ18の背面と半導体チップ積層構造体55に設けられた第2の半導体チップ18の背面とを接触させた場合を例に挙げて図示したが、半導体チップ積層構造体10に設けられた第2の半導体チップ18の背面と半導体チップ積層構造体55に設けられた第2の半導体チップ18の背面とは接触していなくてもよい。
また、半導体装置70に設けられた第2の封止樹脂66を半導体チップ積層構造体10と半導体チップ積層構造体55との間のみに設けてもよい。
図18は、本発明の第1の実施の形態の第3変形例に係る半導体装置の断面図である。図18において、先に説明した図5〜図7に示す半導体チップ積層構造体40,45,50と同一構成部分には同一符号を付す。
図18を参照するに、第1の実施の形態の第3変形例に係る半導体装置75は、第1の実施の形態の半導体装置65に設けられた半導体チップ積層構造体55の代わりに、半導体チップ積層構造体40上に半導体チップ積層構造体50(図7参照)と、半導体チップ積層構造体45(図6参照)とを順次積み重ね、積み重ねられた半導体チップ積層構造体40,45,50を第2の封止樹脂66で封止した以外は半導体装置65と同様に構成される。第2の封止樹脂66は、外部接続端子17が配設される側の第1の封止樹脂14の面を露出するように配設されている。
半導体装置75の構成要素である半導体チップ積層構造体40,45,50は、予め電気的検査工程において良品と判定された半導体チップ積層構造体である。
半導体チップ積層構造体40に設けられた導電部材41の端部41Aは、半導体チップ積層構造体50に設けられ、開口部29から露出された部分のパッド24と接続されている。半導体チップ積層構造体50に設けられた導電部材41の端部41Aは、半導体チップ積層構造体45に設けられ、開口部29から露出された部分のパッド24と接続されている。つまり、半導体チップ積層構造体40,45,50に設けられた配線パターン11は、導電部材41により電気的に接続されている。
このような構成とされた半導体装置75は、第1の実施の形態の半導体装置65と同様な効果を得ることができる。
なお、半導体装置75に設けられた第2の封止樹脂66は、半導体チップ積層構造体45と半導体チップ積層構造体50との間、及び半導体チップ積層構造体40と半導体チップ積層構造体50との間のみに設けてもよい。
図19〜図21は、本発明の第1の実施の形態の第3変形例に係る半導体装置の製造工程を示す図である。図19〜図21において、第1の実施の形態の第2変形例に係る半導体装置75と同一構成部分には同一符号を付す。
図19〜図21を参照して、第1の実施の形態の第2変形例に係る半導体装置75の製造方法について説明する。始めに、図19に示す工程では、電気的検査工程において、良品と判定された半導体チップ積層構造体40,45,50を準備する(半導体チップ積層構造体準備工程)。
次いで、図20に示す工程では、半導体チップ積層構造体40上に、半導体チップ積層構造体50と、半導体チップ積層構造体45とを順次積み重ね、半導体チップ積層構造体40に設けられた導電部材41の端部41Aと半導体チップ積層構造体50のパッド24と接続すると共に、半導体チップ積層構造体50に設けられた導電部材41の端部41Aと半導体チップ積層構造体45のパッド24とを接続する(半導体チップ積層構造体接続工程)。
次いで、図21に示す工程では、第1の封止樹脂14から露出された貫通電極16の端部及び外部接続端子17を露出した状態で、積み重ねられた半導体チップ積層構造体40,45,50を第2の封止樹脂66で封止する(第2の封止工程)。これにより、半導体装置75が製造される。
なお、半導体装置75に設けられた外部接続端子17は、第2の封止樹脂66を形成後に形成してもよい。
(第2の実施の形態)
図22は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体チップ積層構造体の断面図である。図22において、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10(図3参照)と同一構成部分には同一符号を付す。
図22を参照するに、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80は、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10に設けられた第2の半導体チップ18の代わりに第2の半導体チップ82,83を設けると共に、さらに配線パターン81を設けた以外は半導体チップ積層構造体10と同様に構成される。
配線パターン81は、同一平面上に設けられたパッド85,86及び配線87を有する。配線パターン81は、配線パターン11間に配置された部分の接着性樹脂13に設けられている。配線パターン81の面81A(第1の半導体チップ12と対向する配線パターン81の面)及び配線パターン81の側面は、接着性樹脂13により覆われている。配線パターン81の面81B(面81Aの反対側の面)は、接着性樹脂13から露出されている。配線パターン81の面81Bは、配線パターン11の面11B及び接着性樹脂13の面13Aと略面一とされている。
パッド85は、バンプ92を介して、第2の半導体チップ82と電気的に接続されている。パッド86は、バンプ95を介して、第2の半導体チップ83と電気的に接続されている。配線87は、その一方の端部がパッド85と接続されており、他方の端部がパッド86と接続されている。これにより、パッド85とパッド86は、電気的に接続されている。配線87は、パッド85,86と一体的に構成されている。
上記構成とされた配線パターン81は、第2の半導体チップ82と第2の半導体チップ83とを電気的に接続するためのものである。配線パターン81としては、例えば、Au層(例えば、厚さ1μm)と、Ni層(例えば、厚さ8μm)と、Au層(例えば、厚さ1μm)とを順次積層させたAu/Ni/Au積層膜を用いることができる。また、配線パターン81としては、上記Au/Ni/Au積層膜以外に、Au/Ni/Cu/Ni/Au積層膜や他の積層膜を用いてもよい。
第2の半導体チップ82は、配線パターン11,81の面11B,81Bと対向するように配置されている。第2の半導体チップ82は、電極パッド91A,91Bを有する。電極パッド91Aは、電極パッド91Aに設けられたバンプ92を介して、パッド22と電気的に接続されている。電極パッド91Bは、電極パッド91Bに設けられたバンプ92を介して、パッド85と電気的に接続されている。つまり、第2の半導体チップ82は、配線パターン11,81に対して、フリップチップ接続されている。接着性樹脂13及び配線パターン11,81と第2の半導体チップ82との間には、第2の半導体チップ82と配線パターン11,81とを接着させることにより、電極パッド91A,91B及びパッド22,85とバンプ92との接合強度を向上させるための接着性樹脂19が設けられている。第2の半導体チップ82としては、例えば、メモリー用半導体チップを用いることができる。
第2の半導体チップ83は、配線パターン11,81の面11B,81Bと対向するように配置されている。第2の半導体チップ83は、電極パッド94A,94Bを有する。電極パッド94Aは、電極パッド94Aに設けられたバンプ95を介して、パッド22と電気的に接続されている。電極パッド94Bは、電極パッド94Bに設けられたバンプ95を介して、パッド86と電気的に接続されている。つまり、第2の半導体チップ83は、配線パターン11,81に対して、フリップチップ接続されている。接着性樹脂13及び配線パターン11,81と第2の半導体チップ83との間には、第2の半導体チップ83と配線パターン11,81とを接着させることにより、電極パッド94A,94B及びパッド22,86とバンプ95との接合強度を向上させるための接着性樹脂19が設けられている。第2の半導体チップ83としては、例えば、メモリー用半導体チップを用いることができる。
上記構成とされた半導体チップ積層構造体80は、第1の実施の形態の半導体チップ積層構造体10と同様な手法により製造することができる。
本実施の形態の半導体チップ積層構造体によれば、第1の半導体チップ12と、第1の半導体チップ12と電気的に接続された配線パターン11,81と、第1の半導体チップ12と対向する配線パターン11,81の面11A,81Aの反対側に位置する配線パターン11,81の面11B,81Bを露出するように、第1の半導体チップ12を封止する第1の封止樹脂14と、配線パターン11,81の面11B,81Bと対向するように配置され、配線パターン11,81と電気的に接続された第2の半導体チップ82,83(複数の半導体チップ)と、設けることにより、第1の封止樹脂14から露出された部分のパッド24を用いて配線パターン11,81と電気的に接続された第1の半導体チップ12の電気的検査を行い、この電気的検査工程において良品と判定された第1の半導体チップ12と電気的に接続された配線パターン11,81にのみ第2の半導体チップ82,83を電気的に接続することが可能となるため、半導体チップ積層構造体80の歩留まりを向上させることができる。
また、第1の封止樹脂14により、配線パターン11の面11B及び配線パターン81の面81B(第2の半導体チップ82,83が配置された側の配線パターン11,81の面)を露出させた状態で、配線パターン11と電気的に接続された第1の半導体チップ12を封止することにより、第1の封止樹脂14が第1及び第2の半導体チップ12,82,83を支持する支持体として機能するため、従来、半導体チップ202〜204を載置するために必要であった配線基板201(図1参照)が不要となるので、半導体チップ積層構造体80の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
さらに、配線パターン11,81の面11B,81B側に複数の半導体チップ(本実施の形態の場合、第2の半導体チップ82,83)を設けることにより、半導体チップ積層構造体80の実装密度を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、配線パターン11,81の面11B,81B側に2つの第2の半導体チップ(第2の半導体チップ82,83)を設けた場合を例に挙げて説明したが、配線パターン11,81の面11B,81B側に3つ以上の第2の半導体チップを設けてもよい。また、配線パターン11,81の面11A,81A側に複数の第1の半導体チップ12を設けてもよい。
なお、図22では、第1の半導体チップ12を覆うように第1の封止樹脂14を配設した場合を例に挙げて図示したが、電極パッド26が設けられた面とは反対側の第1の半導体チップ12の面を露出するように第1の封止樹脂14を設けてもよい。
図23は、本発明の第2の実施の形態の第1変形例に係る半導体チップ積層構造体の断面図である。図23において、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80と同一構成部分には同一符号を付す。
図23を参照するに、第2の実施の形態の第1変形例に係る半導体チップ積層構造体100は、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80の構成に、さらに導電部材41を設けた以外は半導体チップ積層構造体80と同様に構成される。導電部材41は、貫通電極16が接続された側とは反対側に位置する部分のパッド24に設けられている。
このように、貫通電極16が接続された側とは反対側に位置する部分のパッド24に導電部材41を設けることにより、半導体チップ積層構造体100上に他の半導体チップ積層構造体(例えば、後述する半導体チップ積層構造体105又は半導体チップ積層構造体110(図24及び図25参照))を積み重ね、半導体チップ積層構造体100に設けられた配線パターン11と他の半導体チップ積層構造体に設けられた配線パターンとを電気的に接続することができる。導電部材41としては、例えば、ワイヤボンディングにより形成したAuバンプを用いることができる。
また、上記構成とされた半導体チップ積層構造体100は、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80と同様な効果を得ることができる。
なお、図23では、第1の半導体チップ12を覆うように第1の封止樹脂14を配設した場合を例に挙げて図示したが、電極パッド26が設けられた面とは反対側の第1の半導体チップ12の面を露出するように第1の封止樹脂14を設けてもよい。
図24は、本発明の第2の実施の形態の第2変形例に係る半導体チップ積層構造体の断面図である。図24において、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80と同一構成部分には同一符号を付す。
図24を参照するに、第2の実施の形態の第2変形例に係る半導体チップ積層構造体105は、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80の構成から貫通電極16及び外部接続端子17を除いた以外は半導体チップ積層構造体80と同様に構成される。
このように、貫通電極16が形成されていない開口部29を設けることにより、図23に示す半導体チップ積層構造体100上に半導体チップ積層構造体105を積み重ね、半導体チップ積層構造体105の開口部29を介して、半導体チップ積層構造体100に設けられた導電部材41の端部41Aと半導体チップ積層構造体105のパッド24とを接続することができる。
なお、上記構成とされた半導体チップ積層構造体105は、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80と同様な効果を得ることができる。
なお、図24では、第1の半導体チップ12を覆うように第1の封止樹脂14を配設した場合を例に挙げて図示したが、電極パッド26が設けられた面とは反対側の第1の半導体チップ12の面を露出するように第1の封止樹脂14を設けてもよい。
図25は、本発明の第2の実施の形態の第3変形例に係る半導体チップ積層構造体の断面図である。図25において、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80と同一構成部分には同一符号を付す。
図25を参照するに、第2の実施の形態の第3変形例に係る半導体チップ積層構造体110は、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80の構成から貫通電極16及び外部接続端子17を取り除くと共に、貫通電極16が接続された側(開口部29が形成された側)とは反対側に位置する部分のパッド24に導電部材41を設けた以外は半導体チップ積層構造体80と同様に構成される。
このように、貫通電極16が形成されていない開口部29と、貫通電極16が接続された側とは反対側に位置する部分のパッド24に導電部材41とを設けることにより、図23に示す半導体チップ積層構造体100上に、半導体チップ積層構造体110と、図24に示す半導体チップ積層構造体105とを順次積み重ね、半導体チップ積層構造体100,110に設けられた導電部材41により、半導体チップ積層構造体100,105,110に設けられた配線パターン11を電気的に接続することができる。
また、上記構成とされた半導体チップ積層構造体110は、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80と同様な効果を得ることができる。
なお、図25では、第1の半導体チップ12を覆うように第1の封止樹脂14を配設した場合を例に挙げて図示したが、電極パッド26が設けられた面とは反対側の第1の半導体チップ12の面を露出するように第1の封止樹脂14を設けてもよい。
図26は、本発明の第2の実施の形態の第4変形例に係る半導体チップ積層構造体の断面図である。図26において、第2の実施の形態の第2変形例に係る半導体チップ積層構造体105(図24参照)と同一構成部分には同一符号を付す。
図26を参照するに、第2の実施の形態の第4変形例に係る半導体チップ積層構造体115は、第2の実施の形態の第2変形例に係る半導体チップ積層構造体105の構成から開口部29を取り除いた以外は半導体チップ積層構造体105と同様に構成される。
上記構成とされた半導体チップ積層構造体115は、第2の実施の形態の半導体チップ積層構造体80と同様な効果を得ることができる。
なお、図26では、第1の半導体チップ12を覆うように第1の封止樹脂14を配設した場合を例に挙げて図示したが、電極パッド26が設けられた面とは反対側の第1の半導体チップ12の面を露出するように第1の封止樹脂14を設けてもよい。
図27は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。図27において、図23に示す半導体チップ積層構造体100及び図26に示す半導体チップ積層構造体115と同一構成部分には同一符号を付す。
図27を参照するに、第2の実施の形態の半導体装置120は、半導体チップ積層構造体100(図23参照)と、半導体チップ積層構造体115(図26参照)と、第2の封止樹脂66とを有する。半導体装置120の構成要素である半導体チップ積層構造体100,115は、予め電気的検査工程において良品と判定された半導体チップ積層構造体である。
半導体チップ積層構造体115は、半導体チップ積層構造体115に設けられた第2の半導体チップ82,83が半導体チップ積層構造体100に設けられた第2の半導体チップ82,83と接触するように、半導体チップ積層構造体100上に配置されている。半導体チップ積層構造体115に設けられたパッド24は、半導体チップ積層構造体100に設けられた導電部材41の端部41Aと接続されている。つまり、半導体チップ積層構造体100に設けられた配線パターン11は、導電部材41を介して、半導体チップ積層構造体115に設けられた配線パターン11と電気的に接続されている。
第2の封止樹脂66は、第1の封止樹脂14から露出された貫通電極16の端部及び外部接続端子17を露出した状態で、積み重ねられた半導体チップ積層構造体100,115を封止している。第2の封止樹脂66は、外部接続端子17が配設される側の第1の封止樹脂14の面を露出するように配設されている。第2の封止樹脂66としては、例えば、モールド樹脂を用いることができる。第2の封止樹脂66としてモールド樹脂を用いた場合、第2の封止樹脂66は、例えば、トランスファーモールド法により形成することができる。
このように、第2の封止樹脂66により、積み重ねられた半導体チップ積層構造体100,115を封止することで、半導体チップ積層構造体115に設けられたパッド24と半導体チップ積層構造体100に設けられた導電部材41との接続部分の強度を向上させることができる。
本実施の形態の半導体装置によれば、予め電気的検査工程において良品と判定された半導体チップ積層構造体100,115を用いて半導体装置120を構成することにより、半導体装置120の歩留まりを向上させることができる。
また、厚さ方向のサイズが小型化された半導体チップ積層構造体100,115を積み重ねることにより、半導体装置120の厚さ方向のサイズを小型化することができる。
なお、導電部材41の代わりに図17で説明した導電部材71を設けて、導電部材71により、半導体チップ積層構造体100に設けられたパッド24と半導体チップ積層構造体115に設けられたパッド24とを電気的に接続してもよい。
また、図27では、半導体チップ積層構造体100に設けられた第2の半導体チップ82,83の背面と半導体チップ積層構造体115に設けられた第2の半導体チップ82,83の背面とを接触させた場合を例に挙げて図示したが、半導体チップ積層構造体100に設けられた第2の半導体チップ82,83の背面と半導体チップ積層構造体115に設けられた第2の半導体チップ82,83の背面とは接触していなくてもよい。
また、第2の封止樹脂66は、半導体チップ積層構造体100と半導体チップ積層構造体115との間にのみ設けてもよい。
図28は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る半導体装置の断面図である。図28において、図23に示す半導体チップ積層構造体100、図24に示す半導体チップ積層構造体105、及び図25に示す半導体チップ積層構造体110と同一構成部分には同一符号を付す。
図28を参照するに、第2の実施の形態の変形例に係る半導体装置130は、第2の実施の形態の半導体装置120に設けられた半導体チップ積層構造体115の代わりに、半導体チップ積層構造体100上に、半導体チップ積層構造体110(図25参照)と、半導体チップ積層構造体105(図24参照)とを順次積み重ね、積み重ねられた半導体チップ積層構造体100,105,110を第2の封止樹脂66で封止した以外は半導体装置120と同様に構成される。第2の封止樹脂66は、外部接続端子17が配設される側の第1の封止樹脂14の面を露出するように配設されている。
半導体装置130の構成要素である半導体チップ積層構造体100,105,110は、予め電気的検査工程において良品と判定された半導体チップ積層構造体である。
半導体チップ積層構造体100に設けられた導電部材41の端部41Aは、半導体チップ積層構造体110に設けられ、開口部29から露出された部分のパッド24と接続されている。半導体チップ積層構造体110に設けられた導電部材41の端部41Aは、半導体チップ積層構造体105に設けられ、開口部29から露出された部分のパッド24と接続されている。つまり、半導体チップ積層構造体100,105,110に設けられた配線パターン11は、導電部材41により電気的に接続されている。
このような構成とされた半導体装置130は、第2の実施の形態の半導体装置120と同様な効果を得ることができる。
なお、半導体チップ積層構造体100と半導体チップ積層構造体105との間に、予め電気的検査工程において良品と判定された複数の半導体チップ積層構造体110を積み重ねてもよい。
また、第2の封止樹脂66は、半導体チップ積層構造体100と半導体チップ積層構造体110との間、及び半導体チップ積層構造体105と半導体チップ積層構造体110との間にのみ設けてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、第1の実施の形態で説明した半導体チップ積層構造体10,40,45,50,55と、第2の実施の形態で説明した半導体チップ積層構造体80,100,105,110,115とを組み合わせて半導体装置を構成してもよい。