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JP5055577B2 - 定量バルブ機構および、この定量バルブ機構を備えたエアゾール式製品 - Google Patents

定量バルブ機構および、この定量バルブ機構を備えたエアゾール式製品 Download PDF

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JP5055577B2
JP5055577B2 JP2007149572A JP2007149572A JP5055577B2 JP 5055577 B2 JP5055577 B2 JP 5055577B2 JP 2007149572 A JP2007149572 A JP 2007149572A JP 2007149572 A JP2007149572 A JP 2007149572A JP 5055577 B2 JP5055577 B2 JP 5055577B2
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Description

本発明は、エアゾール式製品に用いられる定量バルブ機構などに関し、特にエアゾール容器のハウジングの外側に定量室追加用の付加ユニットを設け、噴射操作ごとに容器外部空間に放出される内容物の量を規定する定量室として、ハウジングの内部空間域の外にこれと連通する当該付加ユニットの追加内部空間域を用いるようにしたものである。
また、操作ボタンを作動モード位置に移動させると定量室の入口側が閉じられる、すなわち定量室にいたる容器内部空間域が操作ボタンの噴射孔から遮断されるといった構造に必然的になってしまう定量バルブ機構におけるガス抜き経路を、簡単な操作で設定できるようにしたものである。
従来、エアゾール式製品の定量バルブ機構はエアゾール容器のハウジング内部に定量室用の空間域を設定している。
そして、このハウジングの内部空間域の一部(=当該内部空間域の全体からステムなどの占有スペースを除いたエリア)からなる定量室に収容された内容物の全体を一回の操作ごとに、その一部が定量室底面部分などに残留することなどなしに、効率的に容器外部空間に放出できるように工夫したものなどがある(特許文献1参照)。
特開2002−263531号公報
このようにエアゾール式製品の内容物放出用の定量室としてハウジングの内部空間域のみを用いる手法では、一回の操作で放出される内容物の量が必然的に当該ハウジングのいわば内部容量によって制約されることになる。
またハウジングの形状や大きさの設定に際しては、当該ハウジングの保持部材であるマウンティングキャップや当該ハウジング内部を移動するステムなどとの兼ね合いを考慮しなければならず、定量室の大きさを優先させたハウジングを設計することも難しい。
そのため従来のハウジング内部空間域のみからなる定量室を備えた定量バルブ機構は、エアゾール式製品の用途や容器内容物(放出対象内容物)の種類などの違いに応じた定量室容積を確保するという点において、改善の余地を残したものであった。
そこで本発明では、エアゾール容器のハウジングの外側に定量室形成用の付加ユニットを取り付け、この付加ユニットの内部空間域がハウジング内部の定量室空間域に追加される態様にして定量バルブ機構の定量室の容積設定に際しての自由度を担保し、これにより各種のエアゾール式製品に合致した量の内容物放出動作の実現化,確実化を図ることを目的とする。
また、必然的に、操作ボタンを作動モード位置に移動させると定量室の入口側が閉じられて容器内部空間域が操作ボタンの噴射孔から遮断される形になってしまう、定量バルブ機構におけるガス抜き動作を、簡単な操作で確実に行えることを目的とする。
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)エアゾール容器のハウジング(例えば後述のハウジング4)に設けられたステム(例えば後述のステム2'',ステム延長用部材3)の静止モード位置からの移動により定量室の内容物流入部(例えば後述の内容物流入口8'')が閉じられるとともに当該定量室と容器外部空間とが連通することにともない、当該定量室に流入済みの内容物が噴射剤の作用で当該容器外部空間に放出され、かつ、当該ハウジングの外側に定量室追加用の付加ユニットが取り付けられて、当該定量室は、当該ハウジングの内部空間域およびこれと連通する前記付加ユニットの追加内部空間域で形成される定量バルブ機構において、
前記付加ユニットは、
前記エアゾール容器の容器本体内部に通じる貫通部(例えば後述の貫通溝状部6j'')を備えて、前記ハウジングに取り付けられる上カバー体(例えば後述の上カバー体6'')と、
前記定量室の内容物流入部を形成する環状被シール部分(例えば後述の環状の被シール部分7b'')を備えて、当該上カバー体の下側に取り付けられる下カバー体(例えば後述の下カバー体7'')と、
当該上カバー体および当該下カバー体の間の内部空間域に設けられて上下方向に移動する定量室形成用のピストン(例えば後述のピストン12')と、
当該ピストンを上方向に付勢する弾性体(例えば後述のコイルスプリング13')と、からなり、
前記下カバー体と前記ピストンとの間に設定される下方空間域は、
前記追加内部空間域としての定量室空間域であり、
前記上カバー体と前記ピストンとの間に設定される上方空間域は、
前記貫通部を介して前記容器本体内部と通じる非定量室空間域であり、
前記内容物流入部が閉じて前記定量室と前記容器外部空間とが連通する定量噴射モードのとき、
前記ピストンには、前記弾性体による上方向への付勢力と、前記非定量室空間域への入口となる前記貫通部を介した前記噴射剤の当該付勢力よりも大きな下方向への圧力と、が作用する、
ものを用いる。
(2)上記(1)において、
前記上カバー体は、
前記ハウジングに通じる中央筒状部(例えば後述の中央筒状部6a'')と、
当該中央筒状部の外方に形成された環状垂下部(例えば後述の環状垂下部6c'')と、を有し、
前記ピストンは、
前記中央筒状部の外周面および前記環状垂下部の内周面に案内され、
前記弾性体は、
前記ピストンと前記下カバー体との間に配設されている、
ものを用いる。
ものを用いる。
(3)上記(1),(2)において、
前記ハウジングを保持して、開口部を有するマウンティングキャップ(例えば後述のマウンティングキャップ9)と、
前記ハウジングと前記マウンティングキャップとの間に取り付けられて、前記ステムおよび当該ハウジングのシール作用を呈するステムガスケット(例えば後述のステムガスケット10)と、を備え、
前記ステムは、
少なくとも前記静止モード位置での、前記マウンティングキャップの開口部に対応する上側部が、噴射用通路を形成した本体部分(例えば後述の内筒状部2e'')と、これに取り外し可能な態様で設けられた外側部分(例えば後述の外筒状部2f'')とを有し、
前記本体部分は、
前記外側部分が取り外された状態で前記静止モード位置のまま横方向に押されて前記マウンティングキャップの開口部の範囲内で変位することにより、前記ステムガスケットとの間にガス流出路を形成する、
ものを用いる。
以上の構成からなる定量バルブ機構や、この定量バルブ機構を備えたエアゾール式製品を本発明の対象としている。
本発明は、このようにエアゾール容器のハウジングの外側に定量室形成用の付加ユニットを取り付け、この付加ユニットの内部空間域がハウジング内部の定量室空間域に追加される態様にして定量バルブ機構の定量室の容積設定に際しての自由度を確保している。
そのため、各種のエアゾール式製品に合致した量の内容物放出動作の実現化,確実化を図ることができる。
また、あくまでハウジングへの外付けという構成をとっているため、当該ハウジングや、その中のステムおよびその取付け相手であるマウンティングキャップなどの構成要素は既存のものを用いればよく、定量バルブ機構を作成する上での各構成部品の有効利用化,コストダウン化を図ることができる。
さらには、ステムの上側部分を内筒状部とその外筒状部とで構成し、当該外筒状部が取り外された状態でステムをマウンティングキャップの開口部の中で横方向に移動させることによりステム外側から当該開口部を経て外部空間にいたガス抜き経路を設定しているので、操作ボタンを作動モード位置に移動させると定量室の入口側が閉じられて容器内部空間域と噴射孔との間が遮断されてしまう定量バルブ機構におけるガス抜きを、簡単な操作で確実に行うことができる。
図3および図4を用いて本発明の実施形態を説明する。なお、図1および図2は本発明の実施形態に関連した定量バルブ機構を示している。
ここで、
図1は液化ガスの噴射剤を用いるエアゾール式製品のバルブ機構であり、(a)は定量噴射モード、(b)は静止モードをそれぞれ示し、
図2は圧縮ガスの噴射剤を用いるエアゾール式製品のバルブ機構であり、(a)は定量噴射(終了)モード、(b)は静止モードをそれぞれ示し、
図3は圧縮ガス・液化ガスの噴射剤を用いるエアゾール式製品のバルブ機構であり、(a)は定量噴射(終了)モード、(b)は静止モードをそれぞれ示し、
図4は図3のバルブ機構におけるガス抜きモードを示している。
なお、以下のアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば通路部分1a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えば操作ボタン1)の一部であることを示している。
図1の定量バルブ機構において、
1は利用者の押圧操作に基づき上下動するタイプの操作ボタン,
1aは内容物や噴射剤の通路部分,
1bは当該通路部分に続く噴射孔,
2は操作ボタン1と嵌合して上下方向に連動するステム,
2aは内容物や噴射剤の内部通路域,
2bは当該内部通路域と後述のハウジング4の定量室形成用の内部空間域とを連通させる孔部,
2cは当該孔部より下方の外周面に形成されて後述のコイルスプリング5を受ける環状段部(天井面部分),
3はステム2の下端面部分と係合(嵌合)したスティック状のステム延長用部材,
3aは後述の内容物流入口8に対する閉塞機能を備えたシール作用面(下端側外周面),
3bは当該シール作用面の上方外周面に形成された下側環状段部,
4はステム2を上下動可能な形で収容する筒状のハウジング,
4aは大径の上側筒状部,
4bは小径の下側筒状部,
4cは当該上側筒状部と当該下側筒状部との境界ともいえる内周面側の環状段部,
4dは当該下側筒状部の外周面の周方向に連続してまたは間歇的に形成された係合用の凸状部,
5はステム2の環状段部2cとハウジング4の環状段部4cとの間に配設されて当該ステムを上方向に付勢するコイルスプリング,
6はハウジング4に嵌合して付加ユニットを構成する上カバー体,
6aは中央筒状部,
6bは当該中央筒状部の上側内周面の周方向に連続してまたは間歇的に形成された係合用の凹状部(ハウジング4の凸状部4dに対応),
6cは当該中央筒状部の外方に形成された環状垂下部,
6dは当該環状垂下部の下側外周面の周方向に連続してまたは間歇的に形成された係合用の凸状部,
7は上カバー体6に嵌合して付加ユニットを構成する下カバー体,
7aは中央筒状部,
7bは当該中央筒状部の内周面に形成された環状の被シール部分,
7cは当該中央筒状部の外方に形成された環鞘状部,
7dは当該環鞘状部の外側内周面の周方向に連続してまたは間歇的に形成された係合用の凹状部(上カバー体6の凸状部6dに対応),
7eは当該中央筒状部の上面内端側に形成された環状段部,
8は静止モードのときステム延長用部材3の下端側外周面と下カバー体7(シール作用部分7b)の内周面との間に形成される内容物流入口(環状空間域),
9は周知のエアゾール容器本体(図示省略)の開口端部側に取り付けられたマウンティングキャップ,
10はハウジング4の上側開口部分とマウンティングキャップ9の開口部側天井面との間に取り付けられて当該ハウジングの内部空間域のシール作用を呈するステムガスケット,
11は下カバー体7の中央筒状部7aに取り付けられた内容物流入用のチューブ,
Aは容器本体から定量室への内容物の概略的な流れ方向,
Bは定量室から容器外部空間への内容物の概略的な流れ方向,
をそれぞれ示している。
図2の定量バルブ機構ではステム,上カバー体,下カバー体,内容物流入口(環状空間域),定量室形成用のピストンおよび、当該ピストン付勢用のコイルスプリングに関して以下の新たな参照番号を用い、それ以外の構成要素については図1の参照番号をそのまま用いる。
すなわち図2において、
2’は後述の上カバー体6’に対するシール作用面2d’を備えていることなどが図1の場合とは異なっているステム,
2a’は内容物などの内部通路域,
2b’は当該内部通路域とハウジング内部空間域とを連通させる孔部,
2c’は当該孔部より下方の外周面に形成されてコイルスプリング5を受ける環状段部,
2d’は後述の内容物流入口8’に対する閉塞機能を備えたシール作用面(下端側の外周面),
6’は後述の内容物流入口8’の構成要素として作用する部分を備えたことなどが図1の場合とは異なっている上カバー体,
6a’は中央筒状部,
6b’は当該中央筒状部の上側内周面の周方向に連続してまたは間歇的に形成された係合用の凹状部(ハウジング4の凸状部4dに対応),
6c’は当該中央筒状部の外方に形成された環状垂下部,
6d’は当該環状垂下部の下側外周面の周方向に連続してまたは間歇的に形成された係合用の凸状部,
6e’は当該中央筒状部の内周面に形成された環状の被シール部分,
6f’は当該被シール部分の上方近傍に形成されてステム2’の下動位置(定量噴射モード位置)を規制する環状内側段部,
6g’は当該内側段部の外方に続く態様で周方向に間歇的に形成された定量室連通用の孔部,
6h’は当該孔部の外方に続く態様で形成されて後述のピストン12の上動位置(定量噴射終了位置)を規制する環状外側段部,
7’は後述のピストン12の下動位置を規制する複数の起立リブ状部を上面部分に備えたことなどが図1の場合と異なっている下カバー体,
7a’は中央筒状部,
7c’は当該中央筒状部の外方に形成された環鞘状部,
7d’は当該環鞘状部の外側内周面の周方向に連続してまたは間歇的に形成された係合用の凹状部(上カバー体6’の凸状部6d’に対応),
7f’は上カバー体の中央筒状部6a’の外周面下端部分と当接する態様で形成された複数の縦リブ状部,
7g’は上カバー体の中央筒状部6a’と環状垂下部6c’との間の天面部分にそれぞれ略径方向に形成された複数の横リブ状部,
8’は静止モードのときステム2’の下端側外周面と上カバー体のシール作用部分6e’の内周面との間に形成される内容物流入口(環状空間域),
12は上カバー体6’の中央筒状部6a’と環状垂下部6c’との間のエリアに設けられた定量室形成用のピストン,
12aは上カバー体6’の環状外側段部6h’と当接する上面部分にそれぞれ略径方向に形成された複数の溝状部,
12bは上カバー体6’の中央筒状部6a’の外周面に密接してシール作用を呈する逆スカート部,
12cは上カバー体6’の環状垂下部6c’の内周面に密接してシール作用を呈するスカート部,
13は上カバー体6’の天井部分とピストン12の底面部分との間に配設されて当該ピストンを図示下方向に付勢するコイルスプリング,
A’は容器本体から定量室への内容物の概略的な流れ方向,
B’は定量室から容器外部空間への内容物の概略的な流れ方向,
をそれぞれ示している。
図3(および図4)の定量バルブ機構ではステム,上カバー体,下カバー体,内容物流入口(環状空間域),定量室形成用のピストンおよび、当該ピストン付勢用のコイルスプリングに関して以下の新たな参照番号を用い、それ以外の構成要素については図1または図2の参照番号をそのまま用いる。
すなわち図3および図4において、
2’’は操作ボタン1とともにステム本体側から取り外すことが可能な(ガス抜きモード設定用の)外筒状部2f’’を備えていることなどが図1,図2の場合とは異なっているステム,
2a’’は内容物などの内部通路域,
2b’’は当該内部通路域とハウジング内部空間域とを連通させる孔部,
2c’’は当該孔部より下方の外周面に形成されてコイルスプリング5を受けるための環状段部,
2e’’は孔部2b’’よりも上側の内筒状部,
2f’’は当該内筒状部の外周面部分に取り外し可能な形で係合するとともに操作ボタン1と嵌合している外筒状部,
6’’は圧縮ガス(やこれの作用で噴射される内容物)の流入用の貫通溝状部6j’’を備えたことなどが図1の場合とは異なっている上カバー体,
6a’’は中央筒状部,
6b’’は当該中央筒状部の上側内周面の周方向に連続してまたは間歇的に形成された係合用の凹状部(ハウジング4の凸状部4dに対応),
6c’’は当該中央筒状部の外方に形成された環状垂下部,
6d’’は当該環状垂下部の下側外周面の周方向に連続してまたは間歇的に形成された係合用の凸状部,
6j’’は圧縮ガスなどを当該上カバー体と後述のピストン12’との間の空間域に流入させるため上カバー体上面側に複数個(例えば三個)形成された環状の貫通溝状部,
6k’’は当該上カバー体の天井面の径方向に形成されて静止モードにおける後述のピストン12’の上面部分を受ける複数の横リブ状部
7’’は後述のコイルスプリング13を受ける環状の溝状部7h’’を備えたことなどが図1,図2の場合と異なっている下カバー体,
7a’’は中央筒状部,
7b’’は当該中央筒状部の内周面に形成された環状の被シール部分,
7c’’は当該中央筒状部の外方に形成された環鞘状部,
7d’’は当該環鞘状部の外側内周面の周方向に連続してまたは間歇的に形成された係合用の凹状部(上カバー体6’’の凸状部6d’’に対応),
7e’’は当該中央筒状部の上面内端側に形成された環状段部,
7f’’は上カバー体6’’の天面における中央筒状部6a’’の側に形成されて、後述のピストン12’の下動位置を規制するとともに定量噴射モードにおける内容物の通過域を設定するための複数の縦リブ状部,
7g’’は上カバー体の中央筒状部6a’’と環状垂下部6c’’との間の天面部分にそれぞれ略径方向に形成されて、後述のピストン12’の下動位置を規制するとともに定量噴射モードにおける内容物の通過域を設定するための複数の横リブ状部,
7h’’はこの縦リブ状部と横リブ状部との間の部分に形成されて後述のコイルスプリング13’を受けるための環状の溝状部,
8’’は静止モードのときステム延長用部材3の下端側外周面と下カバー体7’’(シール作用部分7b’’)の内周面との間に形成される内容物流入口(環状空間域),
12’は上カバー体6’’の中央筒状部6a’’と環状垂下部6c’’との間のエリアに設けられた定量室形成用のピストン,
12b’は上カバー体6’’の中央筒状部6a’’の外周面に密接してシール作用を呈する逆スカート部,
12c’は上カバー体6’’の環状垂下部6c’’の内周面に密接してシール作用を呈するスカート部,
13’はピストン12’の天井部分(環状凹状部)と下カバー体7’’の溝状部7h’’との間に配設されて当該ピストンを図示上方向に付勢するコイルスプリング,
14はステム2’’の外筒状部2f’’が取り外された後の内筒状部2e’’とマウンティングキャップ9(開口部)との間のクリアランス(隙間)に差し込み、当該内筒状部を横倒ししてガス抜きモードに保持するための棒状,筒状の治具,
A’’は容器本体から定量室への内容物の概略的な流れ方向,
B’’は定量室から容器外部空間への内容物の概略的な流れ方向,
Cは貫通溝状部6j’’を介してピストン12’に作用する圧縮ガスなどの概略的な流れ方向,
Dはガス抜きモードにおける残留ガスの概略的な流れ方向,
をそれぞれ示している。
ここで、操作ボタン1,ステム2,2’,2’’,ステム延長用部材3,ハウジング4,上カバー体6,6’,6’’,下カバー体7,7’,7’’,ピストン12,12’,チューブ11および治具14などはポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。
また、コイルスプリング5,13,13’は金属製やプラスチック製のものであり、マウンティングキャップ9は金属製のものであり、ステムガスケット10はプラスチック製やゴム製のものである。
図1〜図4で示される定量バルブ機構のそれぞれに共通する基本的特徴は、ステム2,2’,2’’を保持してそのステム占有空間以外の部分が略定量室用空間域となるハウジング4の外側に、定量室追加用の付加ユニットを取り付け、これにより例えば既存のハウジング,ステムやチューブなどを用いつつ、定量室の容積を比較的自由に設定できるようにしたことである。
ここで、
図1の定量バルブ機構は、上カバー体6および下カバー体7が付加ユニットの全体に相当し、
図2の定量バルブ機構は、上カバー体6’,下カバー体7’,ピストン12およびコイルスプリング13が付加ユニットの全体に相当し、
図3(および図4)の定量バルブ機構は、上カバー体6’’,下カバー体7’’,ピストン12’およびコイルスプリング13’が付加ユニットの全体に相当する。
図1の定量バルブ機構は液化ガスの噴射剤を用いるタイプのものである。
その静止モード(b)におけるステム2はコイルスプリング5の作用によってステムガスケット10と密接した被シール状態にあり、内容物流入口8は開状態になっている。
そのため容器本体の内容物は、噴射剤(液化ガス)の作用によりチューブ11を介した概略A方向の流れで付加ユニットの内部空間域(=上カバー体6,下カバー体7およびステム延長用部材3によって画定されるエリア)とハウジング4の内部空間域とからなる定量室に流入して、そこに収容される。
そして操作ボタン1が押圧されると、ステム2およびステム延長用部材3がコイルスプリング5の弾性力に抗しながら下動して定量噴射モード(a)に移行する。
すなわちステム延長用部材3(ステム2)の下動にともない、そのシール作用面3aが下カバー体7の被シール部分7bに密接して内容物流入口8を閉じ、かつ、それまでのステム2とステムガスケット10とのシール状態が解除される。
その結果、ハウジング4の内部空間域がステム2の孔部2b,内部通路域2aおよび操作ボタン1の通路部分1a,噴射孔1bを介して容器外部空間と連通する。
そしてハウジング4の内部空間域の上流側である付加ユニットの定量室空間域(内部空間域)も勿論、当該ハウジング内部空間域を介して容器外部空間と連通する。
この連通により、静止モードの定量室に入っていた所定量の内容物はそれといわば混在している液化ガスの作用により概略B方向の流れで噴射孔1bから外部に噴射される。
ここで上カバー体6の中央筒状部6aはその下端部分が下カバー体7の定量室底面の近傍まで延びる形で設定されているため、当該中央筒状部とその外方の環状垂下部5cとの間の追加内部空間域(=定量室の主要空間域)の上側部分に収容されていた内容物は、必然的にいったん下降して中央筒状部6aの下端部分と下カバー体7の上面(定量室底面)との隙間部分を通ってから当該中央筒状部の内側域を上昇していくことになる。
そのため、一般にはステム2の孔部2bから遠くて内容物が容器外部空間に放出されずに残留したままとなりやすい上記定量室底面部分においても、そこの保持内容物は、この「下降−上昇」の流れにいわば引きずられる形で確実に噴射される。
なお、操作ボタン1の押圧操作の終了にともないステム2がコイルスプリング5の弾性力によって(b)の静止モード位置に復帰することは勿論である。
図2の定量バルブ機構の説明では圧縮ガスの噴射剤を用いるタイプを前提にしている。なお、このバルブ機構において液化ガスの噴射剤を用いることも可能である。
その静止モード(b)におけるステム2’はコイルスプリング5の作用によってステムガスケット10と密接した被シール状態にあり、内容物流入口8’は開状態になっている。
そのため、容器本体の内容物は噴射剤(圧縮ガス)の作用によりチューブ11,上カバー体6’の中央筒状部6a’の内部空間域や、当該中央筒状部の孔部6g’などを介して概略A’方向の流れで付加ユニットの内部空間域(=上カバー体6’,ピストン12およびステム2’によって画定されるエリア)とハウジング4の内部空間域とからなる定量室に流入してそこに収容される。
なお、図2の定量バルブ機構は図1のそれとは違って、内容物流入口8’がステム2’の下端側外周面と上カバー体6’(被シール部分6e’)の内周面との間に形成されている。
そのため、下カバー体7’とピストン12との間の内部エリア(当該ピストンの下方空間域)には、チューブ11,上カバー体6’の中央筒状部6a’の下端部分と下カバー体7’の上面(非定量室底面)との隙間部分,下カバー体7’の縦リブ状部7f’同士間の縦溝状部、および下カバー体7’の横リブ状部7g’同士間の横溝状部を介して、常に容器本体の内容物が流入している。
すなわちピストン12は、
(11)コイルスプリング13による下方向への付勢力f1
(12)自らの上方空間域(定量室空間域)に流入する内容物に基づく下方向への第1の噴射剤圧力f2
(13)自らの下方空間域(非定量室空間域)に流入する内容物に基づく上方向への第2の噴射剤圧力f3
の三つの力をそれぞれ受けることになる。
なお,これらの力f1,f2,f3の大きさの関係は「(f1+f2)>f3>f1」である。
(b)の静止モードの場合、ピストン12は「(f1+f2)−f3」の合力により下方に移動し、当該ピストンの下面部分が下カバー体7’の横リブ状部7g’に当接した状態になっている。
そして、操作ボタン1が押圧されると、ステム2’のシール作用面2d’が上カバー体6’の被シール部分6e’に密接して内容物流入口8’を閉じ、かつ、それまでの当該ステムとステムガスケット10とのシール状態が解除される。
その結果、図1の場合と同じように、ハウジング4の内部空間域がステム2’の孔部2b’,内部通路域2a’および操作ボタン1の通路部分1a,噴射孔1bを介して容器外部空間と連通する。
また、ハウジング内部空間域の上流側である付加ユニット内部の定量室空間域も勿論、当該ハウジング内部空間域や上カバー体6’の孔部6g’などを介して容器外部空間と連通する。
ここで内容物流入口8’が閉状態となることにより、上述の第1の噴射剤圧力f2がいわば消失してしまい、ピストン12には、
(21)コイルスプリング13による下方向への付勢力f1
(22)自らの下方空間域(非定量室空間域)に流入する内容物に基づく上方向への第2の噴射剤圧力f3
の二つの力がその後も継続して作用することになる。
そしてコイルスプリング13は「f3>f1」を満たす性状のものであり、ピストン12は当該噴射剤圧力f3の作用により上方向に移動する。
このピストン12の上動にともなってハウジング4および付加ユニットそれぞれの定量室空間域(内部空間域)の静止モードにおける収納済み内容物は、上カバー体6’の孔部6g’やステム2’の孔部2b’などを経て操作ボタン1の噴射孔1bから容器外部空間に噴射される。
ピストン12の上面部分が上カバー体6’の環状外側段部6h’に当接することにより定量室内容物の噴射動作は終了する。
そして操作ボタン1の押圧操作の解除にともないステム2’がコイルスプリング5の弾性力によって上動し、それまで閉じていた内容物流入口8’は開くことになる。
その結果、チューブ11を経た容器本体の内容物がこの内容物流入口8’やピストン12の溝状部12aを通過して、(a)の状態の当該ピストンと上カバー体6’との間の定量室空間域に流入する。
この流入にともない、ピストン12には上述の第1の噴射剤圧力f2が再び作用することになるため、当該ピストンは上記f1,f2,f3のトータルとしての下方向への力を受けて(b)の静止モード位置へ復帰する。
図3の定量バルブ機構は圧縮ガスまたは液化ガスの何れの噴射剤も用いることができるタイプのものである。
先ず圧縮ガスの噴射剤を用いる場合の動作について以下説明する。
静止モード(b)におけるステム2’’はコイルスプリング5の作用によってステムガスケット10と密接した被シール状態にあり、内容物流入口8’’は開状態になっている。また、上カバー体6’’の中央筒状部6a’’の下端部分と下カバー体7’’の上面内端側部分とは離間している。
そのため、容器本体の内容物は噴射剤(圧縮ガス)の作用によりチューブ11および内容物流入口8’’を介して概略A’’方向の流れで付加ユニットの内部空間域(=ピストン12’,下カバー体7’’および上カバー体6’’によって画定されるエリア)とハウジング4の内部空間域とからなる定量室に流入してそこに収容される。
なお、図3の定量バルブ機構は図1のそれと同じように、内容物流入口8’’がステム延長用部材3の下端側外周面と下カバー体7’’(被シール部分7b’’)の内周面との間に形成されている。
また、上カバー体6’’とピストン12’との間の上方空間域(非定量室空間域)には貫通溝状部6j’’を介して圧縮ガスや内容物などが流入する。
そのため、少なくとも静止モードのピストン12’は、
(31)コイルスプリング13’による上方向への付勢力f4
(32)自らの下方空間域(定量室空間域)に内容物流入口8’’から流入する内容物に基づく上方向への第1の噴射剤圧力f5
(33)自らの上方空間域(非定量室空間域)に貫通溝状部6j’’から流入する(流れ方向C参照)圧縮ガス,内容物に基づく下方向への第2の噴射剤圧力f6
の三つの力をそれぞれ受けることになる。
なお,これらの力f4,f5,f6の大きさの関係は「(f4+f5)>f6>f4」である。
(b)の静止モードの場合、ピストン12’は「(f4+f5)−f6」の合力により上方に移動し、当該ピストンの上面部分が上カバー体6’’の横リブ状部6k’’に当接した状態になっている。
そして、操作ボタン1が押圧されると、ステム延長用部材3のシール作用面3aが下カバー体7’’の被シール部分7b’’に密接して内容物流入口8’’を閉じ、かつ、それまでのステム2’’とステムガスケット10とのシール状態が解除される。
その結果、図1の場合と同じように、ハウジング4の内部空間域がステム2’’の孔部2b’’,内部通路域2a’’および操作ボタン1の通路部分1a,噴射孔1bを介して容器外部空間と連通する。
また、ハウジング内部空間域の上流側である付加ユニット内部の定量室空間域も勿論、上カバー体6’’の中央筒状部6a’’の内周面とステム延長用部材3の外周面との間の環状空間域,ハウジング内部空間域および、ステム2’’の孔部2b’’などを介して容器外部空間と連通する。
ここで内容物流入口8’’が閉状態となることにより、上述の第1の噴射剤圧力f5がいわば消失してしまい、ピストン12’’には、
(41)コイルスプリング13’による上方向への付勢力f4
(42)自らの上方空間域(非定量室空間域)に貫通溝状部6j’’を介して流入する圧縮ガスなどに基づく下方向への第2の噴射剤圧力f6
の二つの力がその後も継続して作用することになる。
そしてコイルスプリング13’は「f6>f4」を満たす性状のものであり、ピストン12’は当該噴射剤圧力f6の作用により下方向に移動する。
このピストン12’の下動にともなってハウジング4および付加ユニットそれぞれの定量室空間域(内部空間域)の静止モードにおける収納済み内容物は、ステム2’’の孔部2b’’を経て操作ボタン1の噴射孔1bから容器外部空間に噴射される。
ピストン12’の下面部分が下カバー体7’’の縦リブ状部7f’’および横リブ状部7g’’の各上面部分に当接することにより定量噴射動作は終了する。
そして操作ボタン1の押圧操作の解除にともないステム2’’およびステム延長用部材3がコイルスプリング5の弾性力によって上動することにより、それまで閉じていた内容物流入口8’’は開状態に移行する。
その結果、チューブ11を経た容器本体の内容物がこの内容物流入口8’’や、下カバー体7’’の縦リブ状部7f’’および横リブ状部7g’’それぞれの間部分通過して、(a)の状態の当該ピストンと下カバー体7’’との間のハウジング外の定量室空間域に流入する。また、内容物は勿論ハウジング4の内部にも流入する。
このハウジング外の定量室空間域への内容物流入にともない、ピストン12’には上述の第4の噴射剤圧力f5が再び作用することになるため、当該ピストンは上記f4,f5,f6のトータルとしての上方向への力を受けて(b)の静止モード位置へ復帰する。
なお、図1の下カバー体7の被シール部分7b,図2の上カバー体6’の被シール部分6e’および図3の下カバー体7’’の被シール部分7b’’は、それぞれステム延長用部材3のシール作用面3a(図1,図3の場合)およびステム2’のシール作用面2d’(図2の場合)の方への弾性力を備えている。
これらの被シール部分7b,6e’,7b’’はともに、図1〜図3の各定量噴射モード(a)における当該シール作用面との当接状態では、上記弾性力に抗する形で外方にいわば押し広げられて、シール作用面3a,2d’のそれぞれに密着している。
図3の定量バルブ機構の噴射剤として液化ガスを用いる場合、少なくとも図1の定量噴射のときと同じくいわば自噴動作するのは勿論であるが、これに加えて次のような特徴を有している。
すなわちピストン12’の下方に形成される(ハウジング外の)付加定量空間域の内部に流入済みの液化ガスの一部が気化して、当該付加定量空間域の上側部分に気化ガス溜りを生じる。
そして定量噴射モードにおけるピストン12’の下動の際に、この気化ガスも、付加定量空間域の(当該気化ガスよりも)下側に入っている内容物に対し、噴射剤として作用する。
この気化ガスの噴射作用もあいまって上記付加定量空間域の内容物の略全量を外部空間へ噴射させることができ、例えばムースなどの内容物の噴射も効率的に行える。
なお、図3の定量バルブ機構の噴射剤として液化ガスを用いる場合のピストン12’には、上述の圧縮ガス使用のときと同じように、
(51)コイルスプリング13’による上方向への付勢力f4’
(52)自らの下方空間域(定量室空間域)への流入内容物に基づく上方向への第1の噴射剤圧力f5’
(53)自らの上方空間域(非定量室空間域)への流入内容物に基づく下方向への第2の噴射剤圧力f6’
の三つの力をそれぞれ受けることになる。
そしてこれらf4’,f5’,f6’の大きさの関係も同じく「(f4’+f5’)>f6’>f4’」である。
そのためピストン12’は、
(61)静止モードでは、コイルスプリング13’の付勢力f4’などの作用により上動し、
(62)定量噴射モードでは、ステム2’’の孔部2b’’が開いて当該ピストンの下方空間域(定量室空間域)と外部空間域とが連通し、当該下方空間域の第1の噴射剤圧力f5’が低下して下動する。
図4は、図3の定量バルブ機構を用いたエアゾール式製品のガス抜きモードを示している。
この定量バルブ機構におけるガス抜き動作の基本的な特徴は、通常は単一部材からなるステム2’’の上側部分(マウンティングキャップ9とのクリアランスが生じる範囲を含む上側部分)が、図3で示すように、噴射対象の内容物などの内部通路域部分を備えた内筒状部2e’’と、これに取り外し可能な形で取り付けられた外筒状部2f’’と、から構成されていることである。
そしてこの構成により、
(71)ガス抜きモードに設定されていない状態(静止モードや定量噴射モード)では内筒状部2e’’およびこれと一体の外筒状部2f’’により通常のステム形態(図3参照)をとり、
(72)ガス抜きモードへの移行に際しては、先ず操作ボタン1およびこれと強めに嵌合している外筒状部2f’’の一体物を内筒状部2e’’から図示上方にいわば引き抜くことにより、外筒状部2f’’が捨象されてマウンティングキャップ9の中央開口縁部とのクリアランス(隙間)が大きくなったガス抜き準備モードのステム形態(図示省略)とし、
(73)次に、このクリアランス部分に治具14を差し込んで内筒状部2aの部分をマウンティングキャップ9の中央開口部の中で横倒しにし、この状態を保持している。
また、この横倒し状態では、ステム2’’(ステム延長用部材3)の上下方向位置は静止モードのそれと同じであり、上記定量室の入力弁(流入弁)として作動するステム延長用部材3のシール作用面3aと下カバー体7’’の被シール部分7b’’とは離間している。すなわち定量室入口側の開口域8’’は閉塞されずに開放されている。
そのため容器本体内部の残留ガスなどは、矢印Dで示されるように「チューブ12−開口域8’’−ステム延長用部材3の外周面と中央筒状部6a’’(上カバー体6’’)の内周面との間の環状域−ハウジング4の内部空間−横倒し状態の内筒状部2a’’(ステム2’’)とステムガスケット10との間に形成されるガス流出路」の流れによって、外部空間に放出される。ここで筒状の治具11を用いる場合、残留ガスはこの治具内部空間も通過する。
ピストン12’と下カバー体7’’との間の定量室部分の残留ガスも勿論「ステム延長用部材3の外周面と中央筒状部6a’’(上カバー体6’’)の内周面との間の環状域−ハウジング4の内部空間−横倒し状態の内筒状部2a’’(ステム2’’)とステムガスケット10との間に形成されるガス流出路」の流れによって、外部空間に放出される。
なお、図1および図2の定量バルブ機構においても、ステム2,2’の上側部分をそれぞれ図3と同様に内筒状部および外筒状部で構成すれば、図4のガス抜き動作を行うことができる。
本発明が以上の実施形態に限定されないこと勿論であり、例えば、
(81)ステム延長用部材3の下側環状段部3bと下カバー体7,7’’の環状段部7e,7e’’との間に当該延長用部材を図示上方向に付勢してステム2,2’’と一体化させるためのコイルスプリングを設ける(この場合、ステム2,2’’とステム延長用部材3との積極的な嵌合用の凹凸状部は省略してもよい)、
(82)図1の下カバー体7と図2の下カバー体7’とを共通形状のものにする、例えば図1の下カバー体7には縦リブ状部7f’および横リブ状部7g’を、図2の下カバー体7’には環状の被シール部分7bをそれぞれ設ける、
(83)図1,図3のステム2,2’’とステム延長用部材3とを一体化する、
(84)図2のステム2’を、図1,図3と同じように上側の本体部分と下側のステム延長用部材とで構成する、
(85)図2の定量バルブ機構において液化ガスの噴射剤を用いる、
ようにしてもよい。
本発明が適用されるエアゾール式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
容器本体に収納する内容物は、液状,クリーム状,ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などが挙げられる。なお、内容物がクリーム状やゲル状などの粘度が高い場合や金属への腐食性が高い場合は、容器本体の内部に合成樹脂製の内袋を備えた二重構造のエアゾール容器を用いることが好ましい。
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
エアゾール式製品における内容物噴射用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
液化ガスの噴射剤を用いるエアゾール式製品の定量バルブ機構であり、(a)は定量噴射モード、(b)は静止モードをそれぞれ示している。 圧縮ガスの噴射剤を用いるエアゾール式製品の定量バルブ機構であり、(a)は定量噴射終了モード、(b)は静止モードをそれぞれ示している。 圧縮ガス・液化ガスの噴射剤を用いるエアゾール式製品の定量バルブ機構であり、(a)は定量噴射終了モード、(b)は静止モードをそれぞれ示している。 図3の定量バルブ機構を用いたエアゾール式製品のガス抜きモードを示している。
符号の説明
1:操作ボタン
1a:通路部分
1b:噴射孔
2,2’,2’’:ステム
2a,2a’,2a’’:内部通路域
2b,2b’,2b’’:孔部
2c,2c’,2c’’:環状段部
2d’:シール作用面(下端側の外周面)
2e’’:内筒状部
2f’’:外筒状部
3:ステム延長用部材
3a:シール作用面(下端側外周面)
3b:下側環状段部
4:ハウジング
4a:大径の上側筒状部
4b:小径の下側筒状部
4c:環状段部
4d:凸状部
5:コイルスプリング
6,6’,6’’:上カバー体
6a,6a’,6a’’:中央筒状部,
6b,6b’,6b’’:凹状部(ハウジング4の凸状部4dに対応)
6c,6c’,6c’’:環状垂下部
6d,6d’,6d’’:凸状部
6e’:環状の被シール部分
6f’:環状内側段部
6g’:定量室連通用の孔部
6h’:環状外側段部
6j’’:貫通溝状部
6k’’:横リブ状部
7,7’,7’’:下カバー体
7a,7a’,7a’’:中央筒状部,
7b,7b’’:環状の被シール部分
7c,7c’,7c’’:環鞘状部
7d,:凹状部(上カバー体6の凸状部6dに対応)
7d’:凹状部(上カバー体6’の凸状部6d’に対応),
7d’’:凹状部(上カバー体6’’の凸状部6d’’に対応),
7e,7e’’:環状段部
7f’,7f’’:縦リブ状部
7g’,7g’’:横リブ状部
7h’’:溝状部
8,8’,8’’:内容物流入口(環状空間域)
9:マウンティングキャップ
10:ステムガスケット
11:チューブ
12,12’:定量室形成用のピストン
12a:溝状部
12b,12b’:逆スカート部
12c,12c’:スカート部
13,13’:コイルスプリング
14:ガス抜きモード設定用の治具
A,A’,A’’:容器本体から定量室への内容物の概略的な流れ方向
B,B’,B’’:定量室から容器外部空間への内容物の概略的な流れ方向
C:ピストン12’の上面部分に作用する圧縮ガスなどの概略的な流れ方向
D:ガス抜きモードにおける残留ガスの概略的な流れ方向

Claims (4)

  1. エアゾール容器のハウジングに設けられたステムの静止モード位置からの移動により定量室の内容物流入部が閉じられるとともに当該定量室と容器外部空間とが連通することにともない、当該定量室に流入済みの内容物が噴射剤の作用で当該容器外部空間に放出され、かつ、当該ハウジングの外側に定量室追加用の付加ユニットが取り付けられて、当該定量室は、当該ハウジングの内部空間域およびこれと連通する前記付加ユニットの追加内部空間域で形成される定量バルブ機構において、
    前記付加ユニットは、
    前記エアゾール容器の容器本体内部に通じる貫通部を備えて、前記ハウジングに取り付けられる上カバー体と、
    前記定量室の内容物流入部を形成する環状被シール部分を備えて、当該上カバー体の下側に取り付けられる下カバー体と、
    当該上カバー体および当該下カバー体の間の内部空間域に設けられて上下方向に移動する定量室形成用のピストンと、
    当該ピストンを上方向に付勢する弾性体と、からなり、
    前記下カバー体と前記ピストンとの間に設定される下方空間域は、
    前記追加内部空間域としての定量室空間域であり、
    前記上カバー体と前記ピストンとの間に設定される上方空間域は、
    前記貫通部を介して前記容器本体内部と通じる非定量室空間域であり、
    前記内容物流入部が閉じて前記定量室と前記容器外部空間とが連通する定量噴射モードのとき、
    前記ピストンには、前記弾性体による上方向への付勢力と、前記非定量室空間域への入口となる前記貫通部を介した前記噴射剤の当該付勢力よりも大きな下方向への圧力と、が作用する、
    ことを特徴とする定量バルブ機構。
  2. 前記上カバー体は、
    前記ハウジングに通じる中央筒状部と、
    当該中央筒状部の外方に形成された環状垂下部と、を有し、
    前記ピストンは、
    前記中央筒状部の外周面および前記環状垂下部の内周面に案内され、
    前記弾性体は、
    前記ピストンと前記下カバー体との間に配設されている、
    ことを特徴とする請求項記載の定量バルブ機構。
  3. 前記ハウジングを保持して、開口部を有するマウンティングキャップと、
    前記ハウジングと前記マウンティングキャップとの間に取り付けられて、前記ステムおよび当該ハウジングのシール作用を呈するステムガスケットと、を備え、
    前記ステムは、
    少なくとも前記静止モード位置での、前記マウンティングキャップの開口部に対応する上側部、噴射用通路形成した本体部分と、これに取り外し可能な態様で設けられた外側部分とを有し
    前記本体部分は、
    前記外側部分が取り外された状態で前記静止モード位置のまま横方向に押されて前記マウンティングキャップの開口部の範囲内で変位することにより、前記ステムガスケットとの間にガス流出路を形成する、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の定量バルブ機構。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の定量バルブ機構を備え、かつ、噴射剤および内容物を収容した、
    ことを特徴とするエアゾール式製品。
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