JP5040074B2 - リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法およびリチウムイオン二次電池 Download PDFInfo
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(化1)
Li(1+x) Co(1-y) My O(2-z)
(化1において、Mはマグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),タングステン(W),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ニオブ(Nb),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種であり、x,yおよびzは、それぞれ−0.10≦x≦0.10、0≦y<0.50、−0.10≦z≦0.20の範囲内の値である。)
(化1)
Li(1+x) Co(1-y) My O(2-z)
(化1において、Mはマグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,ニッケル,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,タングステン,ジルコニウム,イットリウム,ニオブ,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種であり、x,yおよびzは、それぞれ−0.10≦x≦0.10、0≦y<0.50、−0.10≦z≦0.20の範囲内の値である。)
Li(1+x) Co(1-y) My O(2-z)
化1において、Mはマグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,ニッケル,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,タングステン,ジルコニウム,イットリウム,ニオブ,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種である。
図2は本実施の形態に係る製造方法により得られた正極活物質を用いた第1の二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、電極反応物質としてリチウムを用い、負極の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池である。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、一対の帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11の内部には、液状の電解質である電解液が注入されており、セパレータ23に含浸されている。電池缶11は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
図4は本実施の形態に係る製造方法により得られた正極活物質を用いた第2の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものであり、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
まず、平均組成がLi1.03Co0.98Al0.01Mg0.01O2.02、レーザー散乱法により測定した平均粒子径が13μm、比表面積が0.8m2 /gの複合酸化物粒子20質量部を、80℃の純水300質量部に1時間撹拌して分散させた。次いで、この分散溶液に、市販試薬の硝酸コバルト(Co(NO3 )2 ・6H2 O)を0.36質量部添加したのち、2規定の水酸化リチウム水溶液を30分間かけて水素イオン指数pHが12になるまで添加し、複合酸化物粒子の表面にコバルトを含む水酸化物の中間前駆層を析出させた(ステップS110;図1参照)。続いて、この分散溶液を濾過洗浄した。
実施例1と同一ロットの複合酸化物粒子20質量部を、80℃、2規定(水素イオン指数pH14.3)の水酸化リチウム水溶液300質量部に1時間撹拌して分散させた。次いで、市販試薬の硝酸コバルト(Co(NO3 )2 ・6H2 O)0.36質量部に純水を加えて2質量部とした水溶液を、複合酸化物粒子を分散させた水酸化リチウム水溶液に10分かけて添加したのち、80℃で1時間撹拌し、コバルトを含む水酸化物の中間前駆層を析出させた(ステップS110;図1参照)。硝酸コバルトの水溶液を添加した後の水酸化リチウム水溶液の水素イオン指数pHは14.2である。
硝酸コバルトの添加量を0.24質量部、硝酸ニッケルの添加量を3.20質量部、硝酸マンガンの添加量を3.30質量部とすると共に、硝酸ニッケルおよび硝酸マンガンを添加する際には、これらに純水を加えて20質量部とした水溶液を1時間かけて添加したことを除き、他は実施例2と同一の条件で正極活物質を作製した。なお、硝酸ニッケルおよび硝酸マンガンの水溶液を添加した後の水酸化リチウム水溶液の水素イオン指数pHは14.2である。また、中間前駆層および被覆前駆層を形成した複合酸化物粒子について金属元素のモル比を分析したところ、Li:Co:Ni:Mn:Al:Mg=1.03:0.88:0.05:0.05:0.01:0.01であった。
硝酸ニッケルおよび硝酸マンガンに、市販試薬の硝酸アルミニウム(Al(NO3 )3 ・9H2 O)0.86質量部を加え、更に、純水を加えて20質量部とした水溶液を添加して被覆前駆層を形成したことを除き、他は実施例3と同一の条件で正極活物質を作製した。中間前駆層および被覆前駆層を形成した複合酸化物粒子について金属元素のモル比を分析したところ、Li:Co:Ni:Mn:Al:Mg=1.03:0.88:0.05:0.05:0.02:0.01であった。
実施例1〜4と同一ロットの複合酸化物粒子を、そのまま正極活物質とした。
中間前駆層を形成しなかったことを除き、比較例2は実施例1と同様に、比較例3は実施例2と同様に、比較例4は実施例3と同様に、比較例5は実施例4と同様にして、正極活物質をそれぞれ作製した。
Claims (10)
- 平均組成が化1で表される複合酸化物粒子の少なくとも一部に、リチウム(Li)と、ニッケルおよびマンガンのうちの少なくとも一方の被覆元素とを含む酸化物の被覆層を形成したリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であって、
前記複合酸化物粒子の少なくとも一部に、コバルト(Co)を含む水酸化物の中間前駆層を形成する工程と、
中間前駆層を形成したのち、前記複合酸化物粒子の少なくとも一部に、被覆元素を含む水酸化物の被覆前駆層を形成する工程と、
被覆前駆層を形成したのち、加熱処理することにより前記被覆層を形成する工程と
を含む、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
(化1)
Li(1+x) Co(1-y) My O(2-z)
(化1において、Mはマグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),タングステン(W),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ニオブ(Nb),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種であり、x,yおよびzは、それぞれ−0.10≦x≦0.10、0≦y<0.50、−0.10≦z≦0.20の範囲内の値である。) - 前記中間前駆層および前記被覆前駆層は、水素イオン指数pHが12以上の水溶液中において形成する、請求項1記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記中間前駆層は、前記複合酸化物粒子を分散させた水素イオン指数pHが12以上の水溶液にコバルト化合物を添加することにより形成し、
前記被覆前駆層は、前記複合酸化物粒子を分散させた水素イオン指数pHが12以上の水溶液に被覆元素の化合物を添加することにより形成する、請求項2記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記水溶液に水酸化リチウムを添加する、請求項2記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記中間前駆層におけるコバルトの量は、前記複合酸化物粒子の表面積1m2 当たり1.0×10-5mol以上1.0×10-2mol以下とする、請求項1記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記被覆層におけるニッケルとマンガンとの組成比は、ニッケル:マンガンのモル比で、100:0から30:70の範囲内とする、請求項1記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記被覆層は、更に、マグネシウム,アルミニウム,ホウ素,チタン,バナジウム,クロム,鉄,コバルト,銅,亜鉛,モリブデン,スズ,タングステン,ジルコニウム,イットリウム,ニオブ,カルシウムおよびストロンチウムからなる群のうちの少なくとも1種を含む酸化物により形成する、請求項1記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記被覆層の量は、前記複合酸化物粒子の0.5質量%以上50質量%以下とする、請求項1記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記リチウムイオン二次電池用正極活物質の平均粒子径を2.0μm以上50μm以下の範囲内とする、請求項1記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 正極および負極と共に、電解質を備え、
前記正極は、平均組成が化1で表される複合酸化物粒子の少なくとも一部に、リチウム(Li)と、ニッケルおよびマンガンのうちの少なくとも一方の被覆元素とを含む酸化物の被覆層を形成した正極活物質を含有し、
この正極活物質は、前記複合酸化物粒子の少なくとも一部に、コバルト(Co)を含む水酸化物の中間前駆層を形成したのち、被覆元素を含む水酸化物の被覆前駆層を形成し、加熱処理することにより得られたものである、リチウムイオン二次電池。
(化1)
Li(1+x) Co(1-y) My O(2-z)
(化1において、Mはマグネシウム(Mg),アルミニウム(Al),ホウ素(B),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),スズ(Sn),タングステン(W),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),ニオブ(Nb),カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)からなる群のうちの少なくとも1種であり、x,yおよびzは、それぞれ−0.10≦x≦0.10、0≦y<0.50、−0.10≦z≦0.20の範囲内の値である。)
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