JP4902428B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents
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Description
(1)圧側行程の通常動作では、シリンダチューブに進入したピストンロッドの体積分の油がピストン側油室からサブタンク室に排出されるとともに、ピストン側油室の油の一部がロッド側油室に補給される。しかしながら、サブピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力がメインピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力より小さいとき、ピストン側油室からロッド側油室に補給されるべき油の一部がサブタンク室に排出されてしまい、ロッド側油室に油が充填されないことに加え、サブタンク室からのオイルブロー機能(サブタンク室からシリンダチューブの外部への余分なオイルの排出機能)によってシリンダチューブの内部の油が不足してしまう。このため、サブピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力を低減することの自由度が少ない。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかの発明において更に、前記チェックバルブがバルブスプリングによりバックアップされ、このバルブスプリングにより開弁圧を設定されるようにしたものである。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において更に、前記チェックバルブがロッド側油室からサブタンク室への油の流れを阻止するようにしたものである。
(a)圧側行程の通常動作で、シリンダチューブに進入したピストンロッドの体積分の油がピストン側油室からサブタンク室に排出されるとともに、ピストン側油室の油の一部がロッド側油室に補給されるに際し、サブピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力がメインピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力より小さいとき、ピストン側油室からロッド側油室に補給されるべき油の一部がサブタンク室に排出されても、サブタンク室の油が送油路を介してロッド側油室に導かれ、ロッド側油室に油を充填できる。また、サブタンク室からのオイルブロー機能によってサブタンク室からシリンダチューブの外部へ徒らにオイルを排出することがなく、シリンダチューブの内部の油が不足することもない。従って、サブピストンの圧側バルブで生ずる圧側減衰力の設定の自由度が増大し、当該圧側減衰力を低減できる。
(f)上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端にエンドシール部を設け、上内側シリンダと下内側シリンダの他方の先端に設けたジョイント面を、上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端のエンドシール部に当て、上内側シリンダと下内側シリンダが揺動自在となるように、上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端と、上内側シリンダと下内側シリンダの他方の先端との間にガタを設けた。従って、上内側シリンダと下内側シリンダが互いに揺動してずれても、上内側シリンダと下内側シリンダの間のシール性を損なわない。
(g)外側シリンダが、車体側チューブに連結される大径の上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される小径の下外側シリンダとからなり、上外側シリンダと内側シリンダの間の空間にチェックバルブを配置することにより、大径の上外側シリンダが内側シリンダとの間に形成する大空間にチェックバルブを簡易に組込みできる。
(h)外側シリンダが、車体側チューブに連結される大径の上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される小径の下外側シリンダとからなり、下外側シリンダと車軸側チューブの間の環状空間に、懸架スプリングを配置することにより、小径の下外側シリンダが車軸側チューブとの間に成形する大空間に懸架スプリングを簡易に組込みできる。
フロントフォーク10(油圧緩衝器)は、図1〜図4に示す如く、車体側チューブ(アウタチューブ)11内に車軸側チューブ(インナチューブ)12を摺動自在に挿入し、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装している。
ピストンバルブ装置40は、ダンパシリンダ14A(内側シリンダ16)に挿入されているピストンロッド20の先端部にピストンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41にメインピストン42を装着している。メインピストン42は、ダンパシリンダ14Aの内部をピストンロッド20が収容されないピストン側油室43Aとピストンロッド20が収容されるロッド側油室43Bとに区画し、該ダンパシリンダ14A(内側シリンダ16)の内部を摺動する。メインピストン42は、伸側バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側バルブ45Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側流路45とを備える。
ベースバルブ装置50は、前述のフォークボルト11Bにガイドパイプ51(支持軸)を螺着し、ガイドパイプ51の先端部にハウジングホルダ51Aを螺着し、このハウジングホルダ51Aにナット51B等によりサブピストン52を保持している。サブピストン52はダンパシリンダ14A(内側シリンダ16)の内部でメインピストン42に相対配置され、内側シリンダ16の内周部に液密に接し、前述のピストン側油室43Aの上方にサブタンク室53を区画形成する。サブピストン52は、圧側バルブ54Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする圧側流路54と、伸側バルブ55Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする伸側流路55(不図示)とを備える。また、ハウジングホルダ51Aは、圧側流路54と伸側流路55とをバイパスしてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とするバイパス路56を備える。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、ベースバルブ装置50において、サブピストン52のニードル58A或いは圧側バルブ54Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40において、メインピストン42の圧側バルブ45Aを流れる油により、必要に応じた設定の圧側減衰力を生じる。
フロントフォーク10の伸長時には、ピストンバルブ装置40において、メインピストン42のニードル47A或いは伸側バルブ44Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、ベースバルブ装置50では殆ど減衰力を生じない。
(a)圧側行程の通常動作で、ダンパシリンダ14Aに進入したピストンロッド20の体積分の油がピストン側油室43Aからサブタンク室53に排出されるとともに、ピストン側油室43Aの油の一部がロッド側油室43Bに補給されるに際し、サブピストン52の圧側バルブ54Aで生ずる圧側減衰力がメインピストン42の圧側バルブ45Aで生ずる圧側減衰力より小さいとき、ピストン側油室43Aからロッド側油室43Bに補給されるべき油の一部がサブタンク室53に排出されても、サブタンク室53の油が送油路90を介してロッド側油室43Bに導かれ、ロッド側油室43Bに油を充填できる。また、サブタンク室53からのオイルブロー機能によってサブタンク室53からダンパシリンダ14Aの外部へ徒らにオイルを排出することがなく、ダンパシリンダ14Aの内部の油が不足することもない。従って、サブピストン52の圧側バルブ54Aで生ずる圧側減衰力の設定の自由度が増大し、当該圧側減衰力を低減できる。
実施例2が実施例1と異なる点は、フロントフォーク10において、ピストンロッド20への曲率の集中を一層回避するため、上内側シリンダ16Aと下内側シリンダ16Bを揺動自在に連結したことに加え、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bも揺動自在に連結したことにある。
(a)外側シリンダ15が、車体側チューブ11に連結される上外側シリンダ15Aと、上外側シリンダ15Aの下端部に連結される下外側シリンダ15Bを含み、上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bを揺動自在に連結した。従って、二重管構造のフロントフォーク10の全体が外力を受けて曲がるとき、ダンパシリンダ14Aの剛性が二重管の故に極めて高いものの、高い剛性の上外側シリンダ15Aと下外側シリンダ15Bが互いに揺動して屈曲し、ピストンロッド20への曲率の集中を回避する。これにより、ピストンロッド20の作動性(メインピストン42のフリクション)を改善し、ダンパシリンダ14Aと懸架スプリング13等の外装部品とが干渉する不具合を回避する。
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
13 懸架スプリング
14A ダンパシリンダ(シリンダチューブ)
15 外側シリンダ
15A 上外側シリンダ
15B 下外側シリンダ
16 内側シリンダ
16A 上内側シリンダ
16B 下内側シリンダ
20 ピストンロッド
42 メインピストン
43A ピストン側油室
43B ロッド側油室
44 伸側流路
44A 伸側バルブ
45 圧側流路
45A 圧側バルブ
52 サブピストン
53 サブタンク室
54 圧側流路
54A 圧側バルブ
55 伸側流路
55A 伸側バルブ
61 フリーピストン
67 環状溝(連通路)
90 送油路
91 チェックバルブ
94 バルブスプリング
114 エンドシール部
115 ジョイントピース
115A ジョイント面
Claims (6)
- 車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、
車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側バルブと圧側バルブを設け、
シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に伸側バルブと圧側バルブを設け、
シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対するフリーピストンを移動自在に設け、フリーピストンが所定位置まで移動したときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室を、シリンダチューブの外部に連通する連通路を設けてなる油圧緩衝器において、
シリンダチューブが外側シリンダと内側シリンダからなり、内側シリンダの内部にメインピストンとサブピストンを配置し、外側シリンダと内側シリンダの間にサブタンク室の油をロッド側油室に導く送油路を設けるとともに、この送油路にチェックバルブを設け、このチェックバルブは設定された開弁圧に相当するサブタンク室の油圧により開いて該サブタンク室の油をロッド側油室に導き、ロッド側油室からサブタンク室への油の流れを制限し、
内側シリンダが、外側シリンダに支持される上内側シリンダと、上内側シリンダの下端部に連結される下内側シリンダを含み、上内側シリンダと下内側シリンダを揺動自在に連結したことを特徴とする油圧緩衝器。 - 前記上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端にエンドシール部を設け、
上内側シリンダと下内側シリンダの他方の先端に設けたジョイント面を、上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端のエンドシール部に当て、
上内側シリンダと下内側シリンダが揺動自在となるように、上内側シリンダと下内側シリンダの一方の先端と、上内側シリンダと下内側シリンダの他方の先端との間にガタを設けてなる請求項1に記載の油圧緩衝器。 - 前記外側シリンダが、車体側チューブに連結される大径の上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される小径の下外側シリンダとからなり、上外側シリンダと内側シリンダの間の空間にチェックバルブを配置した請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
- 前記外側シリンダが、車体側チューブに連結される大径の上外側シリンダと、上外側シリンダの下端部に連結される小径の下外側シリンダとからなり、下外側シリンダと車軸側チューブの間の環状空間に、懸架スプリングを配置した請求項1〜3のいずれかに記載の油圧緩衝器。
- 前記チェックバルブがバルブスプリングによりバックアップされ、このバルブスプリングにより開弁圧を設定される請求項1〜4のいずれかに記載の油圧緩衝器。
- 前記チェックバルブがロッド側油室からサブタンク室への油の流れを阻止する請求項1〜5のいずれかに記載の油圧緩衝器。
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