JP4986781B2 - 記録材料 - Google Patents
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Description
また配送票を冷蔵品、冷凍品などに貼りつけて用いた場合、結露により配送票の表面の感熱記録材料に濡れが生じ、配送票を擬似接着面から剥離する際、配送票が破けることも発生している。こうしたことから、擬似接着面からの剥離に対して、擬似接着面に接する配送票のバック層を、マレイン酸樹脂とアクリル酸樹脂とで形成し良好な耐水性をもたせる対策が採られている(例えば、特許文献2参照)。
一方、高温高湿環境下においても不具合を生じさせないために、感熱発色層上に架橋剤、無機フィラー及び特定の離型剤〔(CH3SiO3/2)n(n>15)構造を有する球状粒子のシリコーン系化合物〕を含有する保護層を設けた感熱記録材料も知られている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この特許文献3には感熱記録材料の裏面に擬似擬似接着や、捺印性及び筆記性の機能を持たせることの対策は明らかにされていない。
本発明によればつぎの記録材料、感熱記録材料が提供される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の記録材料において、前記無機フィラーは炭酸カルシウムであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の記録材料において、前記多孔質架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の体積平均粒子径が1.0〜8.0μmであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の記録材料において、前記結着性樹脂がマレイン酸樹脂であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の記録材料において、前記結着性樹脂がマレイン酸樹脂とアクリル樹脂からなることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の記録材料において、擬似接着バック層上に、紫外線硬化型インクを用いた印刷層が形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、支持体の一つの面に、少なくとも感熱発色層、保護層を順次積層した感熱記録材料において、前記支持体の前記感熱発色層を有する側の反対側の面に、請求項1〜6のいずれかに記載の擬似接着バック層を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の感熱記録材料において、前記擬似接着バック層上の一部に、紫外線硬化型インクを用いた印刷層が形成されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の感熱記録材料において、前記支持体と前記感熱発色層の間に、熱可塑性樹脂からなる中空粒子を含有する中間層を有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれかに記載の感熱記録材料において、前記保護層上に、OPニス加工が施されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記無機フィラーは、炭酸カルシウムを用いることで、擬似接着性が向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、前記多孔質架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の体積平均粒子径が1.0〜8.0μmであることで、耐ブロッキング性が良好になる。
請求項4に記載の発明によれば、前記結着性樹脂が、マレイン酸樹脂を用いることで、耐水性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、前記結着性樹脂が、マレイン酸樹脂とアクリル樹脂を盛り入ることで、低温環境での剥離性が向上する。
請求項6に記載の発明によれば、前記擬似接着バック層上の一部に、紫外線硬化型インクを用いた印刷層が形成されているので、擬似接着面の擬似接着強度を調整することができる。
請求項7に記載の発明によれば、前記支持体の前記感熱発色層を有する側の反対側の面に、請求項1〜6のいずれかに記載のバック層を有するので、裏面は、耐水性に優れ、擬似接着性を有し、且つ捺印性を有した感熱記録材料を提供できる。
請求項8に記載の発明によれば、前記擬似接着バック層上の一部に、紫外線硬化型インクを用いた印刷層が形成されているので、擬似接着面の擬似接着強度を調整することができる。
請求項9に記載の発明によれば、前記支持体及び前記感熱発色層の間に熱可塑性樹脂からなる中空粒子を含有する中間層を有するので、断熱性が向上し、感度を向上させることができる。
請求項10に記載の発明によれば、前記保護層上に、OPニス加工が施されているので、感熱記録材料表面の光沢度、スティッキング抑制効果を向上させ、印字画像保存性を高めることができる
本発明でいう擬似接着は、一旦接着した後に剥離することが可能であり、その後は、再度加圧しても再び接着することはないが、基材を破ることなく剥離することが可能である。また、擬似接着加工は、擬似接着バック層上に感圧接着剤を含有する層を設けることであり、これにより擬似接着が行えるようになる。
擬似接着に求められる擬似接着面としては、剥がす際に、きれいに剥離できることであり、さらに、帳票等においては、水に濡れても破けず、必要に応じて剥離できることが求められている。また、既述のように、帳票等では擬似接着面を一部使用し、その他に筆記、捺印、印刷等の使用も検討されているが、現時点では充分でないのが実情である。
擬似接着バック層は無機フィラー、有機フィラー、結着性樹脂を主成分として構成されている。
本発明において擬似接着バック層に使用される無機フィラーとしては、従来からフィラーとして用いられている公知の無機顔料を用いることができる。例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸亜鉛、無定形シリカ等のケイ酸塩や、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機顔料が挙げられる。
特に、炭酸カルシウム等の吸油量が大きなフィラーは、インクの吸収し、フィラー内部にインクを取り込めることができるために、筆記性、捺印性が向上すると考えられることから、炭酸カルシウム等の一次粒子の凝集体であることが好ましい。
これら無機フィラーの添加量としては、結着性樹脂に対して重量比で50〜400%であることが望ましく、さらに好ましくは80〜200%である。50%よりも少ないと捺印性が不充分となり、逆に400%よりも多くなるとバック層の結着力が低下して層ハガレや顔料の剥離が発生したり、ヘッド磨耗が大きくなる。
また、これら無機フィラーの体積平均粒子径としては、0.5〜5.0μmであることが好ましく、1.0〜2.5μmであることがより好ましい。平均粒子径が0.5μmより小さいと捺印性機能が小さくなり、平均粒子径が5.0μmより大きいとバック層の耐水性が低下する。なお、前記無機フィラーの体積平均粒子径は、レーザー散乱/回折型の粒径測定装置にて測定した値である。
本発明において擬似接着バック層を形成される場合に使用される球状粒子の有機フィラーとしては、(CH3SiO3/2)n構造を有するシリコーン化合物があり、球状粒子のシリコーン化合物として、信越化学(株)製のKMP−590、X−52−1621等が挙げられる。これの体積平均粒子径としては、1.0〜8.0μmが好ましく、1.5〜3.0μmがより好ましい。
さらに、本発明の擬似接着バック層を形成される場合に使用される球状粒子の有機フィラーとしては、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子が好ましい。この架橋ポリメタクリル酸メチルとは、ポリメタクリル酸メチルの線状高分子同士が三次元網目構造的に結合しているものである。このような架橋構造をとることにより、従来より優れた添加材料となる。
さらに、この架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の形状が多孔質若しくは凝集体形状をしていることは、捺印性を向上させるために好ましい。
本発明において擬似接着バック層を形成する場合に使用される結着性樹脂としては、従来公知の水溶性高分子及び水溶性高分子エマルジョンの少なくともいずれかを適宜用いることができる。これにより、耐水性の良好な擬似接着バック層を形成することができる。
これら結着性樹脂の具体例としては、ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、イタコン酸変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、殿粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、マレイン酸樹脂、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスなどが挙げられる。
これらの中でも、擬似接着バック層の耐水性に対しては、特に、マレイン酸樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
アクリル樹脂としては、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸エステルを共重合させた樹脂等が挙げられるが、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体であることが好ましい。マレイン酸樹脂に対するアクリル樹脂の重量比率は、30〜50%であることが好ましい。
また、擬似接着強度を調整するために、擬似接着バック層上の一部に紫外線硬化型インクを用いて印刷層を形成することもできる。なお、前記印刷層は擬似接着バック層の全体に形成されてもよいが、その場合、前記印刷層が擬似接着バック層を完全に被覆するように形成されていてはならない。印刷には、オフセット印刷方式、凸版印刷方式、その他の印刷方式が用いられる。
記録層は、電子写真方式で形成されるトナー画像、インクジェット記録方式で形成されるインク画像、感熱記録方式で形成される発色画像などの記録を担持できる層である。
感熱記録層は、発色剤(ロイコ染料)及び顕色剤を主成分として形成されるが、必要に応じて、この種の感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、填料、界面活性剤、滑剤、圧力発色防止剤などを併用することができる。
本発明において、感熱記録層で用いられるロイコ染料は単独又は2種以上混合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用され、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フエノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリノフタリド系などの染料のロイコ化合物が、好ましく用いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
また、本発明の感熱記録層で用いられる顕色剤としては、前記ロイコ染料を接触時発色させる電子受容性の種々の化合物、例えばフェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸及びその金属塩等が好ましく適用され、その具体例としては以下に示すようなものが挙げられる。
4,4′−イソプロピリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(o−メチルフェノール)、4,4′−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4′−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(6−ターシャリーブチル−2−メチルフェノール)、4,4′−ジフェノールスルホン、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジフェノールスルホキシド、4−ヒドロキシ−4′−アリルオキシジフェニルスルホン、P−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、P−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,7−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3−オキサペンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−プロパン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2−ヒドロキシプロパン、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジ(m−クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、5−クロロ−サリチルアニリド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトエ酸の亜鉛、アルミニウム、カルシウム等の金属塩、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸塩、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛、2,4′−ジフェノールスルホン、3,3′−ジアリル−4,4′−ジフェノールスルホン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−α−メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、N−p−トリルスルホニル−N′−フェニルウレア、N−p−トルエンスルホニル−N′−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレア、下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン誘導体、下記一般式(2)で表されるウレアウレタン化合物誘導体等。
一般式(1)
一般式(2)
本発明の感熱記録材料を製造するために、ロイコ染料及び顕色剤を支持体上に結合支持させる場合、慣用の種々の結合剤を適宜用いることができる。
その具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、各種変性ポリビニルアルコール、殿粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロ−スなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどの水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体などのエマルジョンやスチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスなど。
本発明においては、感度向上剤として種々の熱可融性物質を併用することができる。その具体例としては以下に示すものが挙げられるが、これに限られるわけではない。
ステアリン酸、ベヘン酸などの脂肪酸類、ステアリン酸アミド、パルチミン酸アミドなどの脂肪酸アミド類、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルチミン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩類、p−ベンジルビフェニル、ターフェニル、トリフェニルメタン、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、β−ベンジルオキシナフタレン、β−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチル、ジフェニルカーボネート、グレヤコールカーボネート、テレフタル酸ジベンシル、テレフタル酸ジメチル、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジエトキシナフタレン、1,4−ジベンジロキシナフタレン、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,4−ジフェノキシ−2−ブテン、1,2−ビス(4−メトキシフェニルチオ)エタン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジフェニルチオブタン、1,4−ジフェニルチオ−2−ブテン、1,3−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、p−(2−ビニルオキシエトキシ)ビフェル、p−アリールオキシビフェニル、p−プロパギルオキシビフェニル、ジベンゾイルオキシメタン、ジベンゾイルオキシプロパン、ジベンジルジスルフィド、1,1−ジフェニルエタノール、1,1−ジフェニルプロパノール、p−ベンジルオキシベンジルアルコール、1,3−フェノキシ−2−プロパノール、N−オクタデシルカルバモイル−p−メトキシカルボニルベンゼン、N−オクタデシルカルバモイルベンゼン、1,2−ビス(4−メトキシフェノキシ)プロパン、1,5−ビス(4−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタンなど。
填料としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー、カオリン、タルク、表面処理されたカルシウムやシリカなどの無機系微粉末の他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂などの有機系の微粉末を挙げることができる。
界面活性剤としては、例えば、脂肪酸の金属石鹸類、ポリカルボン酸型高分子活性剤類、高級アルコールの硫酸エステル塩類、アルキルポリエーテルの硫酸エステル塩類、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物類、アルキルアリールスルホン酸塩類、アルキルスルホン酸類、アリールスルホン酸類、リン酸エステル類、脂肪族リン酸エステル類、芳香族リン酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル類、ポリオキシエチレンアリール硫酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル類、ジアルキルスルホコハク酸エステル類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、アセチレングリコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物、アセチレングリコールのプロピレンオキサイド付加物、アセチレングリコールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
滑剤としては高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などがあげられる。
さらに、本発明で用いられる感熱記録材料には、支持体と感熱記録層の間に中空粒子を含む中間層(アンダー層)を設けることができる。
中空粒子は、中空率が50%以上のものが好ましく、70〜98%のものが、さらに好ましい。この中空度が50%未満のものは断熱性が不充分なため、サーマルヘッドからの熱エネルギーが支持体を通して感熱記録材料の外へ放出され、感度向上効果が小さい。
ここで言う中空率とは、中空粒子の外径と内径の比であり、下記式で表わされるものである。
中空率 =(中空粒子の内径)/(中空粒子の外径)×100(%)
この体積平均粒子径(粒子外径)が2μmより小さいものは、任意の中空率にすることが難しいなどの生産上の問題があり、逆に10μmより大きいものは、塗布乾燥後の表面の平滑性が低下するため、サーマルヘッドとの密着性が低下し、感度向上効果が低下する。したがって、このような粒子分布は粒子径が前記範囲にあると同時に、バラツキの少ない分布ピークの均一なものが好ましい。
支持体上にアンダー層を設けるには、前記の中空粒子を公知の水溶性高分子、水性高分子エマルジョンなどのバインダーと共に水に分散し、これを支持体表面に塗布し、乾燥することによって形成される。この場合、中空粒子の塗布量は、支持体1m2あたり、少なくとも1g、好ましくは2〜15g程度であり、又、バインダー樹脂の塗布量は、中間層を支持体に強く結合させるような量でよく、通常は、中空粒子とバインダー樹脂との合計量に対して2〜50重量%である。
その具体例としては、感熱記録層用のバインダーと一部重複するが、水溶性高分子として例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。また、水性高分子エマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体などのラテックスや酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル/アクリル酸共重合体、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂などのエマルジョンなどが挙げられる。
本発明の記録材料は、記録材料は感熱記録層上に結着性樹脂による保護層が形成されているのが好ましい。保護層中には、架橋剤、無機フィラー、滑剤を含有させることが好ましい。
少なくとも反応性カルボニル基を含むポリビニルアルコールと、架橋剤として官能基が沸点が50〜110℃のケトン化合物でブロックされたヒドラジンまたはヒドラジド化合物を含有する塗工液を塗布、乾燥して形成させることで、低沸点化合物でブロックされたヒドラジン又はヒドラジド化合物は塗工液中では、官能基がブロックされている為、樹脂の官能基との耐水化反応が生起せず、塗工液の増粘化が進まない。しかしながら、乾燥させ水が蒸発すると平衡反応から架橋剤の官能基のブロックがはずれ樹脂との耐水化反応が生起する。通常乾燥温度が高い、又は長時間熱を加える工程ではブロックしていた化合物(例えばメチルイソブチルケトン)も同時に塗工膜内が蒸発するが、感熱記録材料では熱による地肌発色が発生する為、高温での乾燥はできなく、ブロック化合物が膜内に残ってしまい、保護層に使用した場合耐薬品性の低下が発生し使用が困難である。そこで検討したところブロック化合物として低沸点化合物、特に沸点が50〜110℃のものを使用することにより乾燥時に同時にブロック化合物を気化させ取り除くことが可能なことを見出した。これにより塗工液の経時増粘もなく、耐水性が良好でしかも耐薬品性の低下もなく地肌変色(発色)のない感熱記録材料を提案することが可能となった。さらに上記の擬似接着バック層との相性も良好で、高温高湿(40℃/90%RH)の環境下に保管してもブロッキングを発生しない。
本発明で使用する架橋剤は、沸点が50〜110℃のケトン化合物でブロックされたヒドラジンまたはヒドラジド化合物である。ヒドラジン、ヒドラジド化合物としては、例えばヒドラジン、カルボヒドラジド、蓚酸ジヒドラジド、蟻酸ヒドラジド、酢酸ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,7−ナフトエ酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド等が挙げられるがこれに限定されない。
また、該保護層中には無機フィラーを含有せしめるのが好ましい。該無機フィラーとしては、従来からフィラーとして用いられている公知の無機顔料を用いることができる。例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸亜鉛、無定形シリカ等のケイ酸塩や、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機顔料が挙げられる。
特に、二酸化ケイ素やカオリン、炭酸カルシウム等の吸油量が大きなフィラーがヘッド摩耗を低減するために一次粒子であることが好ましい。
また、これら無機フィラーの体積平均粒子径としては、0.6〜5.0μmが適当である。この体積平均粒子径は、レーザー散乱/回折型の粒径測定装置により測定することができる。
また、保護層中には、滑剤を含有せしめることができる。
滑剤としては感熱記録層用として記載したものと重複するが、モンタン酸ワックスやステアリン酸亜鉛、パラフィンワックス等の高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル、動物性、植物性、鉱物性又は石油系の各種ワックス類などを用いることができる。
また、本発明の感熱記録材料の保護層上にOPニス加工を施すことは、感熱記録材料表面の光沢度を向上して見た目を良くし、スティッキング抑制効果を向上させ、印字画像保存性を高める上で好ましく、捺印性を考慮すると、捺印をされる部分以外にOPニスを施すことが、さらに好ましい。このOPニス加工を施すための手段としては、紫外線硬化型樹脂や酸化重合型の無色透明インキをスクリーン印刷やオフセット印刷等の各種印刷方式によってベタ印刷、あるいは網点印刷することが行われる。
本発明に用いられる支持体は、格別の限定は無く、例えば、上質紙、再生紙、片艶紙、耐油紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、樹脂ラミネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成樹脂フィルムなどを適宜使用できる。
ここでいう再生紙とは、古紙含有率が10%以上の紙のことを指しているが、もちろん古紙含有率が10%未満の紙についても本発明に適用可能であることは言うまでもない。
本発明の感熱記録材料は、カレンダー処理によるサーマルヘッドとの密着性の向上が著しいので、擬似接着バック層、アンダー層、感熱記録層あるいは保護層へカレンダー処理を施すことは、非常に好ましい。また、本発明の記録材料(感熱記録材料以外の記録材料)においても擬似接着バック層、アンダー層、あるいは保護層へカレンダー処理を施すことは、非常に好ましい。
即ち、バック層、アンダー層、感熱記録層又は保護層へのカレンダーの圧力の大きさで表面の平滑度をコントロールすることにより、地肌かぶりが無く、しかも従来よりも高精細な記録材料を得ることができる。
本発明の記録材料の擬似接着バック層を被接着物に擬似接着するには、前記擬似接着バック層上に感圧接着剤を含有する層を設け(擬似接着加工)、この感圧接着剤含有層の面を被接着物に宛がった後、記録層側から加圧することによってなされる。なお擬似接着加工は、感圧接着剤含有層は当初から擬似接着バック層上に形成しておいてもよく、また、記録材料を被接着物に擬似接着する時に擬似接着バック層上に感圧接着剤含有層を設けるようにしてもよい。更には、被接着物に感圧接着剤を含有する塗液((感圧接着剤塗液)を塗布、乾燥して感圧接着剤含有層を形成し、この感圧接着剤含有層に記録材料の擬似接着バック層を宛がった後、記録層側から加圧することによってなされてもよい。
感圧接着剤含有層は、感圧接着剤の水溶液(感圧接着剤塗液)を塗工することで形成される。
感熱記録材料の作製:
(1)A液及びB液の調製
〔A液〕
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 20部
水 60部
をサンドグラインダーを用いて、体積平均粒子径が0.5μmになるまで分散させて、A液を調製した。
〔B液〕
4−イソプロポキシ−4‘-ヒドロキシジフェニルスルホン 15部
ポリビニルアルコールの10%水溶液 25部
シリカ(水澤化学社製、ミズカシル P−527) 10部
水 50部
をサンドグラインダーを用いて、体積平均粒子径が1.0μmになるまで分散させて、B液を調製した。
〔A液〕 20部
〔B液〕 60部
イタコン酸変性ポリビニルアルコールの10%水溶液 30部
(KL−318/クラレ社製)
を混合攪拌して、感熱記録層塗布液を調製した。
〔C液〕
水酸化アルミニウム(ハイジライト H−43M、昭和電工社製) 30部
水 70部
をサンドグラインダーを用いて、体積平均粒子径が1.0μmになるまで、分散させて、C液を調製した。
〔C液〕 50部
イタコン酸変性ポリビニルアルコールの10%水溶液 100部
(KL−318、クラレ社製)
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(固形分25%) 16部
水 14部
を混合攪拌して、保護層塗布液を調製した。
焼成カオリン 20部
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(固形分47.5%) 20部
水 60部
を混合攪拌して、中間層形成塗布液を調製した。
〔D液〕
体積平均粒子径2.0μmの球状シリコーン樹脂粒子 30部
(KMP−590、信越化学工業社製)
水 70部
を混合攪拌して、D液を調製した。
〔C液〕 33部
〔D液〕 33部
イタコン酸変性ポリビニルアルコールの10%水溶液 250部
(KL−318、クラレ社製)
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(固形分25%) 16部
水 20部
を混合攪拌して、擬似接着バック層塗工液を調製した。
支持体(坪量約60g/m2の上質紙)の一方の面上に、アンダーコート層形成液を用い乾燥塗布量が3.0g/m2になるように塗工し、乾燥した。このアンダーコート層上に、染料乾燥付着重量が0.6g/m2になるように感熱発色層塗工液を塗布、乾燥し、感熱発色層を形成した。更に、感熱発色層上に乾燥付着量が3g/m2になるように保護層塗工液を塗布し、60〜80℃で乾燥して保護層を順次形成した。支持体の他方の面上に乾燥付着重量が1.5g/m2になるように擬似接着バック層塗工液を塗布し、60〜80℃で乾燥して擬似接着バック層を設け、次いで両面キャレンダー処理して感熱記録材料を作製した。
実施例1の擬似接着バック層塗工液を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
<擬似接着バック層塗工液の調製>
(9)E液の調製
〔E液〕
炭酸カルシウム(カルライト-KT、白石中央研究所社製) 30部
水 70部
をサンドグラインダーを用いて、体積平均粒子径が2.0μmになるまで、分散させて、E液を調製した。
〔E液〕 33部
〔D液〕 33部
イタコン酸変性ポリビニルアルコールの10%水溶液 250部
(KL−318、クラレ社製)
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(固形分25%) 16部
水 20部
を混合攪拌して、擬似接着バック層塗工液を調製した。
実施例2の擬似接着バック層塗工液の炭酸カルシウムの体積平均粒子径を、0.5μmに変更した以外は実施例2と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例2の擬似接着バック層塗工液の炭酸カルシウムの体積平均粒子径を、5.0μmに変更した以外は実施例2と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例2の擬似接着バック層塗工液を下記のように変更した以外は実施例2と同様にして感熱記録材料を作製した。
<擬似接着バック層塗工液の調製>
(11)F液の調製
〔F液〕
体積平均粒子径約2μmの球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子 30部(GM-0105、ガンツ化成社製)
水 70部
を混合攪拌して、F液を調製した。
〔E液〕 33部
〔F液〕 33部
イタコン酸変性ポリビニルアルコールの10%水溶液 250部
(KL−318、クラレ社製)
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(固形分25%) 16部
水 20部
を混合攪拌して、擬似接着バック層塗工液を調製した。
実施例5の擬似接着バック層塗工液の球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の体積平均粒子径を1.0μmに変更した以外は実施例5と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例5の擬似接着バック層塗布液中の〔F液〕に使用する体積平均粒子径2μmの球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の代わりに、体積平均粒子径8.0μmの球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を使用する以外は、実施例5と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例7の擬似接着バック層塗布液中の〔F液〕に使用する球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(体積平均粒子径8.0μm)の代わりに、多孔質架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(体積平均粒子径8.0μm)を使用する以外は、実施例7と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例8の擬似接着バック層塗工液を下記のように変更した以外は実施例8と同様にして感熱記録材料を作製した。
<擬似接着バック層塗工液の調整>
(13)バック層塗布液の調製
〔E液〕 33部
〔F液〕 33部
イソブチレン/N−フェニルマレイミド/無水マレイン酸共重合体アンモニウム塩の20%水溶液 125部
(イソバン 304、クラレ社製)
水 20部
を混合攪拌して、擬似接着バック層塗布液を調整した。
実施例9の擬似接着バック層塗工液を下記のように変更した以外は実施例9と同様にして感熱記録材料を作製した。
<擬似接着バック層塗工液の調製>
(14)バック層塗布液の調製
〔E液〕 33部
〔F液〕 33部
イソブチレン/N−フェニルマレイミド/無水マレイン酸共重合体アンモニウム塩の20%水溶液 75部
(イソバン 304、クラレ社製)
アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体の45%エマルジョン
22部
(ウォーターゾール W7−002、大日本インキ化学工業社製)
水 20部
を混合攪拌して、擬似接着バック層塗布液を調製した。
実施例10の中間層形成塗工液を下記のように変更した以外は実施例10と同様にして感熱記録材料を作製した。
<中間層形成塗工液の調製>
(15)中間層形成塗布液の調製
微小中空粒子分散体(塩化ビニリデン/アクリロニトリルを主体とする共重合樹脂(固形分32%、平均粒子径3.0μm、中空率92%)
62.5部
スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス(固形分47.5%) 20部
(スマーテックス PA−9159、日本エイアンドエル社製)
水 60部
を混合攪拌して、中間層形成塗布液を調整した。
実施例8と同様にして作製した感熱記録材料の保護層上に、熊谷理機工業社製RI−テスターで、UV硬化型インクであるニューZ OPニス(大日本インク社製)を10ml/m2の量で、印刷層を設けた。
実施例1の擬似接着バック層塗工液を下記のように変更した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
<擬似接着バック層塗工液の調製>
(16)バック層塗布液の調製
〔E液〕 66部
イタコン酸変性ポリビニルアルコールの10%水溶液 250部
(KL−318、クラレ社製)
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(固形分25%) 16部
水 20部
を混合攪拌して、擬似接着バック層塗布液を調整した。
比較例1の擬似接着バック層塗布液中の〔E液〕に使用する体積平均粒子径1.0μmの水酸化アルミニウムの代わりに、体積平均粒子径0.4μmの水酸化アルミニウムを使用する以外は、比較例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
比較例1の擬似接着バック層塗布液中の〔E液〕に使用する体積平均粒子径1.0μmの水酸化アルミニウムの代わりに、体積平均粒子径3.0μmの水酸化アルミニウムを使用する以外は、比較例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例5の擬似接着バック層塗布液中の〔F液〕に使用する体積平均粒子径約2μmの球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の代わりに、体積平均粒子径約0.8μmの球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を使用する以外は、実施例5と同様にして感熱記録材料を作製した。
実施例5の擬似接着バック層塗布液中の〔F液〕に使用する体積平均粒子径約2μmの球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の代わりに、体積平均粒子径約10.0μmの球状架橋ポリメタクリル酸メチル粒子を使用する以外は、実施例5と同様にして感熱記録材料を作製した。
各感熱記録材料の裏面(擬似接着バック層面)に対して、シャチハタ Xスタンパーで文字を捺印し、10秒後にティッシュでふき取り、捺印した文字が判別できるかについて、目視観察した。
◎:カスレがなく、文字の判読が明瞭。
〇:多少、文字のズレはあるが文字の解読は可能。
△:文字のズレがあり、文字の解読がしにくい。
×:文字の解読が不可能。
水にサンプルを常温で、15時間及び48時間の2条件にて浸水後取り出し指にて10回擦り状態を観察した。
◎:全く剥離がない。
○:剥離はないが表面がややべとつく(実用上問題なし)。
△:やや剥離する。
×:保護層が溶解している。
(疑似接着層用塗液の調製)
感圧接着剤として固形分濃度40%のエチレン−酢酸ビニル系共重合体ラテックス100部、二次凝集の平均粒子径が2.4μmの無定形シリカ100部、ポリアクリル酸ナトリウムの40%水溶液3部および水200部からなる組成物を混合攪拌して疑似接着層用塗液を得た。
他の支持体(坪量80g/m2 の上質紙)に、前記の疑似接着層用塗液を乾燥後の塗布量が30g/m2 となるように塗布乾燥して疑似接着層を形成し、感圧擬似接着用紙を作成した。この感圧疑似接着用紙の擬似接着面と実施例1〜8及び比較例1〜5に記載の感熱記録紙の裏面とを合わせ、金属製の圧着ロールを用いたシーラー(商品名:ドライシーラー6860、トッパンフォームズ社製)を用い、シーラーギャップを総厚みの50%として処理して擬似接着感熱記録体を得た。
上記のようにして得た擬似接着感熱記録体を22℃/60%RH環境と0℃Dry環境下に24時間した後、その環境下において、180度剥離評価を実施し、剥離面に対して下記の指標で評価を実施した。
ランク5:抵抗なく、剥離することができる。
ランク4:やや抵抗感はあるが、剥離することができる。
ランク3:剥離時、抵抗感があり、剥離面に毛羽立ちがみられる。
ランク2:一部に破けが発生する。
ランク1:剥離が不可能である。
感熱記録材料を10cm×10cmの試験片にカットし、感熱記録材料の表面と裏面が向い合せになるように重ね、荷重200g/cm2になるように重りをのせて、40℃/90%RHの環境下に24時間放置した後、試験片のブロッキングの度合いを下記の指標で評価を実施した。
ランク6:持ち上げただけで、剥がれる。
ランク5:無音でサッと剥がれ、ブロッキングなし
ランク4:剥すとき、音は発生するが、ブロッキングなし
ランク3:サンプルの耳部又はその周辺で若干ブロッキングあり
ランク2:全面に弱いブロッキングが起こる。又は部分的に強いブロッキングが起こる。
ランク1:全面に強いブロッキングが起こる。
各感熱記録材料について、スーパーカレンダーを用いて15kg/cm2の圧力にてカレンダー処理した後、大倉電機社製の感熱印字装置TH−PMDを用いて京セラ(株)製サーマルヘッド(KJT−256−8MGF1)にて、ヘッド電力0.45W/dot条件下で、0.1msec毎に印加エネルギーのパルス巾0.1〜1.2msecに印字し、印字濃度をマクベス濃度計RD−914にて測定した結果から、印字濃度が1.00となるのに必要な印加エネルギー(パルス巾)を計算した。
比較例1を基準とし、(比較例1のパルス巾)/(測定した感熱記録材料のパルス巾)=感度倍率として計算する。この感度倍率の値が大きいほど印字濃度1.00を得るのに必要なエネルギーが小さいので、発色感度(熱応答性)が良好である。
Claims (10)
- 支持体の一方の面に記録層を有し、前記支持体の他方の面に擬似接着バック層を有する記録材料であって、前記擬似接着バック層が結着性樹脂と、体積平均粒子径0.5〜5.0μmの無機フィラーと、球状粒子の有機フィラーとを主成分として形成され、かつ該球状粒子の有機フィラーが多孔質架橋ポリメタクリル酸メチル粒子であることを特徴とする記録材料。
- 前記無機フィラーは、炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の記録材料。
- 前記多孔質架橋ポリメタクリル酸メチル粒子の体積平均粒子径が1.0〜8.0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録材料。
- 前記結着性樹脂がマレイン酸樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の記録材料。
- 前記結着性樹脂がマレイン酸樹脂とアクリル樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の記録材料。
- 前記擬似接着バック層上の一部に、紫外線硬化型インクを用いた印刷層が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の記録材料。
- 支持体の一方の面に、少なくとも感熱発色層、保護層を順次積層した感熱記録材料において、前記支持体の他方の面に、請求項1〜6のいずれかに記載の擬似接着バック層を有することを特徴とする感熱記録材料。
- 前記擬似接着バック層上の一部に、紫外線硬化型インクを用いた印刷層が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の感熱記録材料。
- 前記支持体と前記感熱発色層との間に、熱可塑性樹脂からなる中空粒子を含有する中間層を設けたことを特徴とする請求項7又は8に記載の感熱記録材料。
- 前記保護層上に、OPニス加工が施されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の感熱記録材料。
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