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JP4973382B2 - 位置推定方法、及び位置推定システム - Google Patents

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JP4973382B2 JP2007212198A JP2007212198A JP4973382B2 JP 4973382 B2 JP4973382 B2 JP 4973382B2 JP 2007212198 A JP2007212198 A JP 2007212198A JP 2007212198 A JP2007212198 A JP 2007212198A JP 4973382 B2 JP4973382 B2 JP 4973382B2
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Description

本発明は、受信した無線信号を基に無線端末の位置を推定する位置推定方法、及び位置推定システムに関し、特に、位置推定の精度向上に関するものである。
従来の位置推定システムは、例えば、「位置が既知の装置(112−118、134−138、224−228)と位置が未知の装置(120−130,222)の間で送信する信号と、一組の位置が未知の装置(120−130,222)間と送信される信号とを測定し、複数の第一部分式と予測測定信号が実測定信号と等しい時極値を持つ複数の信号測定予測部分式とを有するグラフ関数に測定信号を入力し、グラフ関数を最適化することにより、複数の装置(112−130)の位置探索のためのシステム。」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、「…位置検出対象エリアを複数のサブエリアに分割して、無線送信機の位置検出に用いる係数の計算をサブエリアを単位にして実行するという構成を採る。…」ものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2005−507070号公報 特開2006−329688号公報
従来の位置推定システムは、アンカー端末とターゲット端末との間で無線信号を授受した際に得られる主に信号強度を利用し、ある伝搬係数や補正係数などの伝搬特性を示すパラメータを用いて信号強度から、単一のターゲット端末について複数のアンカー端末との距離を推定することで、ターゲット端末の位置を推定している。この伝搬特性を示すパラメータは、位置推定を行う全平面で同一であると仮定して位置推定を行っている。また、サブエリアを設定し、サブエリアごとに異なるパラメータを用いている。
しかしながら、このような伝搬特性を示すパラメータは、無線伝搬環境によって大きく変動する。屋内と屋外とで異なるだけではなく、屋内では部屋の広さ・形状、天井の高さ、壁・天井・床の材質、什器の設置などによって変動する。すなわち位置推定の対象領域が単一の部屋で均質な空間でない場合には仮定が成立しない。よって、位置推定を行う全平面で同一であると仮定した位置推定の精度は低下する。
また、従来の位置推定システムでは、位置推定の対象領域を複数のサブエリアに分割することで問題の一部を解決しようとしている。しかしながら、サブエリアごとに参照用の固定端末を設置する必要がありコストの増加を招いている。また、サブエリア全体が参照端末の設置箇所と同一の無線伝搬環境であり、サブエリア全体が均質な空間であると仮定していることに変わりはなく、問題の本質的な解決になっていない。さらに、無線端末がどのサブエリアに存在するかを推定する必要があり、計算処理量の増加を招く。
したがって、位置推定を行う領域の伝搬特性が変動する場合であっても、高精度な位置推定を可能とする位置推定方法、及び位置推定システムが望まれていた。
本発明に係る位置推定方法は、ターゲット端末と、既知の位置に複数配置されるアンカー端末とが無線信号を授受し、位置推定を行う領域の伝搬特性を示すパラメータを用いて前記ターゲット端末の位置を推定する位置推定方法であって、前記伝搬特性を示すパラメータは、無線信号から取得される前記位置推定に必要な情報から、当該無線信号を授受した前記ターゲット端末と前記アンカー端末との距離を導出するパラメータからなり、前記ターゲット端末と前記複数のアンカー端末とが授受した無線信号から取得される位置推定に必要な情報と、前記アンカー端末の位置とに基づき、前記伝搬特性を示すパラメータを用いて、前記アンカー端末と任意の位置における前記ターゲット端末との距離を変数とし、前記位置推定に必要な情報が得られる尤度を、位置推定を行う領域の各地点について求め、位置推定を行う領域のうち、最も前記尤度が高い位置を前記ターゲット端末の推定位置として求めるステップと、前記位置推定に必要な情報と、前記アンカー端末の位置と、前記ターゲット端末の推定位置とに基づき、前記アンカー端末と前記推定位置における前記ターゲット端末との距離を用いて、前記伝搬特性を示すパラメータを変数とし、前記位置推定に必要な情報が得られる尤度が最も高くなるパラメータを、当該推定位置における前記伝搬特性を示すパラメータとして推定するステップと、前記伝搬特性を示すパラメータを推定したとき、当該伝搬特性を示すパラメータを用いて、前記ターゲット端末の推定位置を再度求め、当該推定位置における前記伝搬特性を示すパラメータを再度推定し、所定の条件を満たすまで前記ターゲット端末の推定位置を繰り返し求めるステップとを有するものである。
また、本発明に係る位置推定システムは、無線信号を送受信するターゲット端末と、既知の位置に複数配置され、無線信号を送受信するアンカー端末と、位置推定を行う領域の伝搬特性を示すパラメータを用いて前記ターゲット端末の位置を推定する位置推定装置とを備え、前記伝搬特性を示すパラメータは、無線信号から取得される前記位置推定に必要な情報から、当該無線信号を授受した前記ターゲット端末と前記アンカー端末との距離を導出するパラメータからなり、前記位置推定装置は、前記ターゲット端末と前記複数のアンカー端末とが授受した無線信号から取得される位置推定に必要な情報と、前記アンカー端末の位置とに基づき、前記伝搬特性を示すパラメータを用いて、前記アンカー端末と任意の位置における前記ターゲット端末との距離を変数とし、前記位置推定に必要な情報が得られる尤度を、位置推定を行う領域の各地点について求め、位置推定を行う領域のうち、最も前記尤度が高い位置を前記ターゲット端末の推定位置として求め、前記位置推定に必要な情報と、前記アンカー端末の位置と、前記ターゲット端末の推定位置とに基づき、前記アンカー端末と前記推定位置における前記ターゲット端末との距離を用いて、前記伝搬特性を示すパラメータを変数とし、前記位置推定に必要な情報が得られる尤度が最も高くなるパラメータを、当該推定位置における前記伝搬特性を示すパラメータとして推定し、前記伝搬特性を示すパラメータを推定したとき、当該伝搬特性を示すパラメータを用いて、前記ターゲット端末の推定位置を再度求め、当該推定位置における前記伝搬特性を示すパラメータを再度推定し、所定の条件を満たすまで前記ターゲット端末の推定位置を繰り返し求めるものである。
本発明は、ターゲット端末と複数のアンカー端末とが授受した無線信号から取得される位置推定に必要な情報と、アンカー端末の位置とに基づき、所定の伝搬特性を示すパラメータを用いてターゲット端末の推定位置を求め、位置推定に必要な情報と、アンカー端末の位置と、ターゲット端末の推定位置とに基づき、当該推定位置における伝搬特性を示すパラメータを推定することにより、位置推定を行う領域の伝搬特性が変動する場合であっても、ターゲット端末の推定位置の精度を向上させることができる。
実施の形態1.
図1は実施の形態1における位置推定システムの構成を示す図である。図1において、位置推定システムは、無線信号を送受信するターゲット端末10と、既知の位置に複数配置され、無線信号を送受信するアンカー端末20と、ターゲット端末10の位置を推定する位置推定装置30とにより構成される。
アンカー端末20及びターゲット端末10は、無線信号を授受し、いずれか一方若しくは双方の端末において、位置推定に必要な情報として、例えば授受した無線信号の受信電力・遅延時間などの当該端末間の距離を推定することができる情報を取得し、取得した位置推定に必要な情報を位置推定装置30へ送信する。位置推定装置30は、ターゲット端末10又はアンカー端末20から取得した位置推定に必要な情報を利用して、後述する動作によりターゲット端末10の位置を推定する。尚、以下の説明においては、位置推定に必要な情報として、無線信号の受信電力を用いた場合について記載する。
図2は実施の形態1におけるアンカー端末及びターゲット端末の構成を示す図である。図2において、ターゲット端末10及びアンカー端末20は、アンテナ201、受信回路202、受信データ処理部203、送信回路204、送信データ生成部205、により構成されている。
アンテナ201は、無線信号を送受信するためのアンテナである。受信回路202は、アンテナ201により受信された無線信号が入力され、無線信号を処理しデジタル情報に変換し、受信データとして受信データ処理部203に出力する。また、受信回路202は、入力された無線信号をデジタル情報に変換する際に、無線信号の受信電力・遅延時間など、送信端末との距離を推定するために必要な物理量を測定し、測定した物理量の情報を受信データ処理部203に出力する。受信データ処理部203は、受信回路202より入力された受信データを処理し、送信データ生成部205に対して、受信回路202により測定された受信電力値の情報及び送信端末符号(後述)を含めた送信データ(情報信号)の作成を指示する。送信データ生成部205は、受信データ処理部203からの指示により受信データ処理部203から入力された物理量の情報及び送信端末符号、並びに当該端末固有の受信端末符号(後述)を含めた情報信号を生成し、送信回路204へ出力する。送信回路204は、送信データ生成部205で生成された情報信号(送信データ)を無線信号に変換しアンテナ201へ出力する。
図3は実施の形態1における位置推定装置の構成を示す図である。図3において、位置推定装置30は、アンテナ301、受信回路302、受信データ処理部303、位置推定処理部304により構成されている。アンテナ301は、無線信号を受信するためのアンテナである。受信回路302は、アンテナ301により受信された無線信号が入力され、無線信号を処理しデジタル情報に変換し、受信データとして受信データ処理部303に出力する。受信データ処理部303は、受信回路302より入力された受信データを処理し、受信データがアンカー端末20又はターゲット端末10から送られた情報信号の場合に、情報信号に含まれる情報を位置推定処理部304に出力する。位置推定処理部304は、受信データ処理部303から入力された情報に基づき、後述する動作により、ターゲット端末10の位置を推定する。
このように構成された位置推定システムの本実施の形態1における動作について次に説明する。尚、本実施の形態1の動作においては、アンカー端末20とターゲット端末10との間で授受した無線信号の受信電力値を用いた位置推定方式に、本発明を適応した例を記載するが、本発明は複数のアンカー端末20とターゲット端末10からなり、何らかの方法で位置を推定するシステムであり、各アンカー端末20とターゲット端末10との距離を何らかの方法で推定することが可能な全ての位置推定システムに適応可能である。
まず、各アンカー端末20は、当該アンカー端末20固有の識別符号(以下、「送信端末符号」という)と、必要に応じて送信する信号の送信電力の情報とを含めた位置推定用信号を周辺の端末に向けて送信する。
次に、ターゲット端末10は、各アンカー端末20から送信された位置推定用信号を受信し、受信した位置推定用信号の受信電力値を計測して、計測した受信電力値の情報、位置推定用信号を送信した送信端末符号、位置推定用信号を受信した当該ターゲット端末10固有の識別符号(以下、「受信端末符号」という)、及び必要に応じて送信電力の情報を含めた情報信号を位置推定装置30に送信する。
位置推定装置30は、情報信号を受信すると、受信回路302で復号処理を行い、受信データ処理部303で当該情報信号に含まれる情報を取り出す。この情報は位置推定処理部304に送られる。
次に位置推定装置30の位置推定動作の詳細について図4により説明する。
図4は実施の形態1における位置推定動作を示すフローチャートである。
位置推定装置の位置推定処理部304は、情報信号を受信すると位置推定を開始する。まず、位置推定計算で用いる位置推定を行う領域の伝搬特性を示すパラメータである伝搬路パラメータの初期値を設定する(S101)。つまり、初回は事前に設定された所定の初期パラメータを用いる。また、後述する動作により、位置推定を行った後の場合には、ステップS105において更新された伝搬路パラメータを初期パラメータとして用いることもできる。
ここで、伝搬路パラメータとは、受信電力値と端末間(ターゲット端末10とアンカー端末20間)の距離との関係を示す式中に存在するパラメータであり、環境によって異なる値を取るだけではなく、障害物の有無などによって同一空間においても時間の経過とともに変化するものである。一例を以下に示す。
P=T×C×R^α …(式1)
ここで、Pは受信電力、Tは送信電力、Rは端末間距離である。Cとαが伝搬路パラメータである。αは距離の変化に対する受信電力の変動を示すパラメータであり、一般に減衰係数と呼ばれる。Cは送受信端末間の距離を特定の距離で固定した場合の減衰量を示すパラメータである。また、位置推定用の授受信号(位置推定用信号)に遅延波が存在する場合には、遅延波数K、及び遅延プロファイルD(例えば遅延波毎の減衰係数)を推定することで、受信電力値と端末間距離とをより正確に推定することができる。また、非常に多くの無線信号が存在する場合には、平均的な特性を示すパラメータ(例えば受信電力の分散を示す係数σ)を用いることも可能である。
尚、以下で述べる伝搬路パラメータは、式1に示した2つのパラメータだけではなく、一般的に3つ以上の変数からなるパラメータの集合を指すものである。
次に、位置推定処理部304は、受信した情報信号に含まれる位置推定に必要な情報と、アンカー端末20の位置(アンカー端末20とターゲット端末10間の距離)とに基づき、設定された伝搬路パラメータを用いてターゲット端末10の位置を推定する(S102)。具体例を以下に示す。
上述した式1は、端末間の距離と受信電力値との平均的な特性を示しているにすぎない。実際にはマルチパスフェージングなどの影響を受けて受信電力は大きく変動している。変動には一定の特性があることが知られており、例えば以下の式で表される。
p(P|R)=1/Pave×exp(−P/Pave) …(式2)
ここで、Pは受信電力、Paveは距離をRに固定した場合における平均受信電力である。すなわち式2は、特定のアンカー端末20とターゲット端末10間の距離(以下、「送受信端末間距離R」という)における受信電力の分布は、平均受信電力を平均値とする指数分布となることを示している。
特定のアンカー端末20とターゲット端末10間の受信電力値Pを用いて、任意の送受信端末間距離Rを仮定して、「送受信端末間の距離がRであった場合に、受信電力値がPとなる尤度(確からしさ)」を式1,2から導出することができる。この際に式1に存在する伝搬路パラメータは、繰り返し演算の1回目には、ステップS101で設定したパラメータを用いるが、2回目以降の繰り返し演算時には、後述するステップS103で推定された伝搬路パラメータを用いる。
各アンカー端末20について上記演算を繰り返し行い、導出した尤度を掛け合わせることで、位置推定の対象領域にある全ての点において、ターゲット端末10が存在する確からしさを示す尤度を求めることができる。そして、全ての点の中から尤度が最も高い点を導出し、ターゲット端末10の推定位置とする。尚、導出に際しては全ての点を順番に探索する方法以外に、最尤推定法などのアルゴリズムを用いることもできる。
このような演算例を次に説明する。
位置推定の対象領域のある点にターゲット端末10が存在したと仮定する。そうすると任意のアンカー端末20との送受信端末間距離Rを導出することができる。
次に、この送受信端末間距離Rを前提としたときに、当該ターゲット端末10と当該アンカー端末20との間で授受された受信電力値が、情報信号から得られた受信電力値の実測値Pとなる確率を求める。このような演算を各アンカー端末20との送受信端末間距離Rについて行い、各アンカー端末20について得られた確率を全て掛け合わせることで、はじめに仮定したターゲット端末10の位置における尤度(仮定した位置にターゲット端末10が存在する確率)が求められる。
以上の演算を位置推定の対象となる領域すべての位置について行い、尤度の最も高い点をターゲット端末10の推定位置とする。
次に、導出されたターゲット端末10の推定位置を利用して、当該ターゲット端末10の推定位置における伝搬路パラメータの推定を行う(S103)。
上述したステップS102では、伝搬路パラメータを固定し、送受信端末間距離Rを変数とした空間において尤度が最大となる点を導出した。ここでは、同一の尤度を示す関数(例えば、上記式1,2)において、送受信端末間距離Rを固定し、伝搬路パラメータを変数とした空間において尤度が最大となる点を導出する。すなわち得られた受信電力値と、ステップS102で推定したターゲット端末10の位置とを前提とした場合に、最も尤度が高くなる伝搬路パラメータを推定する。
次に、位置推定処理部304は、所定の条件(後述)を満たすか否かを判断し(S104)、条件を満たさない場合は、ステップS102〜S103の処理を繰り返す。このとき、ステップS102でターゲット端末10の位置推定を再度行うときは、上記ステップS103で推定した伝搬路パラメータを用いて推定演算を行う。そして、再度求められたターゲット端末10の推定位置を前提として伝搬路パラメータを再度推定する。
ステップS104における所定の条件を満たすか否かの判断は、以下の少なくとも1つにより判断する。
(判断1)ターゲット端末10の推定位置と、伝搬路パラメータの推定結果とが収束したと判断した場合。例えば、前回ステップS102,S103を実行した際の結果を保持しておき、前回の結果と今回の結果との差分が一定以下に達した場合は終了する。
(判断2)ステップS102,S103の演算回数が、予め決められた繰り返し演算回数に到達した場合。
(判断3)尤度関数値が繰り返しによって減少したと判断した場合(関数の種類によっては増加の場合もある。このときは存在確率が減少した場合)。
上記ステップS104で条件を満たすと判断した場合は推定演算を終了し、最終的に得られた伝搬路パラメータを初期伝搬路パラメータとして保存する(S105)。そして、必要に応じて受信データ処理部303に推定結果の通知を行う。
尚、保存した伝搬路パラメータの値は、後に再度位置推定を実行するときに繰り返し演算の1回目(ステップS101)の初期パラメータに用いる。これは定期的に位置推定を行っている状況においては伝搬路パラメータの大幅な変動はないと予想されることによる。従って、前回得られた伝搬路パラメータを利用することで繰り返し演算回数の削減が可能となる。
以上のように本実施の形態1においては、ステップS102〜S104の処理を繰り返すことで、ターゲット端末10の推定位置を求め、この推定位置を用いて伝搬路パラメータを推定し、再度ターゲット端末の位置を推定し、さらに、この再度求められたターゲット端末10の推定位置を利用して伝搬路パラメータの推定を繰り返すことにより、ターゲット端末10の推定位置の精度を向上させることができ、ターゲット端末10の位置をより正確に推定することが可能となる。また、位置推定を行う領域において、レイアウトおよび周辺環境の変化などに対して、伝搬路パラメータの再設定作業などが不要であり、自動的に伝搬特性の変動に対応が可能となる。さらに、位置推定を行う周辺環境の一時的な伝搬特性の変化に対しても対応が可能となる。
また、従来の位置推定システムにおいて行われている、サブエリアに分割する方式と比較して以下の効果が得られる。
・参照用の端末が不要となる。
・エリアを分割する必要がない。
・伝搬路の特性が連続的に変化する状況においても対応が可能となる。
・位置推定対象領域のレイアウト変更などに伴う、エリアの再分割、再設定作業が不要となる。
尚、本実施の形態1では、ターゲット端末10が1つの場合を説明したが、本発明はこれに限るものでなく、複数のターゲット端末10において、各アンカー端末20と位置推定用信号を授受して同様の動作により各ターゲット端末10の位置を推定しても良い。
尚、本実施の形態1では、アンカー端末20が周辺の端末に対して位置推定用信号を送信し、当該位置推定用信号を受信したターゲット端末10が、受信電力値などの情報を含めた情報信号を位置推定装置30に送信する場合を説明したが、本発明はこれに限るものでなく、ターゲット端末10とアンカー端末20との間で信号をやりとりし、2つの端末との距離を推定することができる全てのシステムにおいて適応可能である。
例えば、ターゲット端末10が周辺の端末に対して位置推定用信号を送信し、アンカー端末20が情報信号を位置推定装置30に対して送信する用にしても良い。
また、ターゲット端末10が位置推定装置30の機能を有する構成とし、アンカー端末20が位置推定用信号を周辺のターゲット端末10に向けて送信し、ターゲット端末10が情報信号を送信することなく、自端末内部で自らの位置推定を実行する用にしても良い。
尚、位置推定装置30の受信データ処理部303において、受け取った情報信号に対して、以下の(1)、(2)のいずれか若しくは複数の任意の組み合わせの処理を行ってから位置推定処理部304に情報信号に含まれる情報(データ)を送る構成を取ることもできる。
(1)受信データ処理部303が過去に受け取った情報信号を保存する機能を持ち、新たに情報信号を受け取った際に、当該新たに受け取った情報信号に含まれる受信電力値などの端末間の距離を推定するためのデータが、同一のアンカー端末20、ターゲット端末10間でやりとりされた過去のデータと著しく異なる場合、例えば、当該2つのデータの差分が予め定めた閾値を超えている場合などは、位置推定処理部304にデータを送らない構成とする。これにより、授受情報に大きな誤差を含む場合に当該情報を位置推定演算から除外することができ、より位置推定の精度を向上させることができる。
(2)位置推定処理部304は、算出したターゲット端末10の推定位置を受信データ処理部303に通知する機能を有し、受信データ処理部303は、各ターゲット端末10の最新の推定位置を保持する機能を有し、受信データ処理部303が新たに情報信号を受け取った際に、当該新たに受け取った情報信号に含まれるアンカー端末20の位置とターゲット端末10の推定位置とを比較し、以下のいずれか若しくは複数の条件を満たす場合には、受信したデータを位置推定処理部304に送らない構成とする。
(a)アンカー端末20とターゲット端末10間の推定距離が一定値以上の場合。
(b)アンカー端末20とターゲット端末10が属する部屋・領域が異なる場合。
(c)アンカー端末20とターゲット端末10の推定距離から想定される受信電力値と情報信号に含まれる受信電力値との差分が一定値以上の場合。
これにより、授受情報に大きな誤差を含む場合に当該情報を位置推定演算から除外することができ、より位置推定の精度を向上させることができる。
尚、位置推定装置の受信データ処理部303において、過去に受け取った情報信号に含まれる情報を保存する機能を持ち、何らかの理由によって新たに情報信号が位置推定装置30に送られなかった場合に、保存した過去の情報を位置推定処理部304に送る機能を持つ構成を取ることもできる。
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、ターゲット端末10の位置を別個に推定したが、本実施の形態2では、複数のターゲット端末10の位置を同時に推定する。
図5は実施の形態2における位置推定システムの構成を示す図である。図5に示すように、本実施の形態2の位置推定システムは、上記実施の形態1の構成に加え、位置推定の対象となるターゲット端末10を複数備える構成である。そして、本実施の形態2におけるターゲット端末10及びアンカー端末20の構成は上記実施の形態1における構成(図2)と同様である。本実施の形態2における位置推定装置30は、上記実施の形態1の構成に加え、推定した複数のターゲット端末10の推定位置の情報、及び伝搬路パラメータの情報を保存する機能を有する。その他の構成は上記実施の形態1における構成(図3)と同様である。
このように構成された本実施の形態2の動作について次に説明する。尚、本実施の形態2の動作においても、アンカー端末20とターゲット端末10間で授受した無線信号の受信電力値を用いた位置推定方式に、本発明を適応した例を記載するが、本発明は複数のアンカー端末20とターゲット端末10からなり、何らかの方法で位置を推定するシステムであり、各アンカー端末20とターゲット端末10との距離を何らかの方法で推定することが可能な全ての位置推定システムに適応可能である。
上述した実施の形態1と同様の動作により、各アンカー端末20は周辺の端末に対して位置推定用信号を送信し、これを受信したターゲット端末10は、受信電力値などの情報を含めた情報信号を位置推定装置30に送信する。位置推定装置30は、情報信号を受信する。
次に本実施の形態2における位置推定動作の詳細について図6により説明する。
図6は実施の形態2における位置推定動作を示すフローチャートである。
位置推定装置30の位置推定処理部304は、まず、上述した実施の形態1と同様に位置推定計算で用いる伝搬路パラメータの初期値を設定する(S201)。そして、情報信号を受信し(S202)、後述する選択方法により、以下の設定1〜3の何れかの伝搬路パラメータを選択して、当該選択した伝搬路パラメータを設定する(S203)。
(設定1)当該ターゲット端末10の過去の位置推定時に同時に推定された伝搬路パラメータを設定する。
(設定2)他のターゲット端末10の位置推定時に同時に推定された伝搬路パラメータを設定する。
(設定3)初期伝搬路パラメータを設定する。
上記伝搬路パラメータの選択方法としては、例えば以下の方法がある。
(選択条件1)当該ターゲット端末10の推定位置がすでに存在する。
(選択条件2)一定範囲内に他のターゲット端末10の推定位置が存在し、当該ターゲット端末10の推定時間よりも後に推定されている。
上記選択条件1及び2のいずれの条件も満たす場合には、選択条件2の条件を満たしている他のターゲット端末10の位置推定時に得られた伝搬路パラメータを用いる。
選択条件1の条件のみを満たす場合には、当該ターゲット端末10の前回の位置推定時に得られた伝搬路パラメータを利用する。
いずれの条件も満たさない場合で、他のターゲット端末10の推定結果が存在している場合には、他のターゲット端末10の推定結果のうち、最も現在時刻に近い推定演算時の伝搬路パラメータを用いる。尚、現在時刻から一定の時間内に複数のデータが存在する場合には、伝搬路パラメータの平均値を用いる構成を取ることも可能である。そして、他のターゲット端末10の推定結果が存在しない場合には、初期伝搬路パラメータを用いる。
尚、このほかに、過去の位置推定時の尤度関数値を用いる方法もある。
次に、位置推定処理部304は、ステップS203で設定された伝搬路パラメータを用いて、上述した実施の形態1のステップS102と同様の動作により、ターゲット端末10の位置を推定する(S204)。位置推定演算の動作は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。尚、ステップ204の初回実行時は、ステップS203で設定された伝搬路パラメータを用いる。また、後述する動作により、位置推定を行った後の場合には、ステップS205において更新された伝搬路パラメータを用いる。
次に、導出されたターゲット端末10の推定位置を利用して、当該ターゲット端末10の推定位置における伝搬路パラメータの推定を行う(S205)。伝搬路パラメータ推定の動作は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
次に、位置推定処理部304は、所定の条件を満たすか否かを判断し(S206)、条件を満たさない場合は、ステップS204〜S205の処理を繰り返す。このとき、ステップS204でターゲット端末10の位置推定を再度行うときは、上記ステップS205で推定した伝搬路パラメータを用いて推定演算を行う。そして、再度求められたターゲット端末10の推定位置を前提として伝搬路パラメータを再度推定する。尚、ステップS206における所定の条件を満たすか否かの判断は、実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
上記ステップS206で条件を満たすと判断した場合は推定演算を終了し、以後の推定時に利用するために、最終的に得られたターゲット端末10の推定位置及び伝搬路パラメータを、当該ターゲット端末10の識別符号及び推定時間とともに保存する(S207)。尚、必要により併せて推定時の尤度関数値を保存しても良い。そして、必要に応じて受信データ処理部303に推定結果の通知を行う。
以上のように本実施の形態2においては、上記実施の形態1の効果に加え、位置推定の対象となっているターゲット端末10における過去の位置推定時に得られた伝搬路パラメータを利用することにより、又は他のターゲット端末の位置推定時に得られた伝搬路パラメータを利用することにより、繰り返し演算回数の削減が可能となる。
また、過去に得られた複数の伝搬路パラメータから、最も確からしい伝搬路パラメータを用いて位置推定を行うことができるため、ターゲット端末10の推定位置の精度を向上させることができる。
尚、位置推定処理部304は、上述したステップS207でターゲット端末10の推定位置と伝搬路パラメータとを更新、保存する際に、推定時の尤度関数値(推定の確からしさを示す尤度)を併せて保存する構成を取ることも可能である。この保存した尤度関数値を用いて、例えばステップS203における伝搬路パラメータを以下のように選択することができる。
(1)当該ターゲット端末10の過去の推定位置の情報が存在する場合
以下の(a),(b)双方の条件を満たすデータから、尤度関数値が最も大きいデータに含まれている伝搬路パラメータを利用する。
(a)位置推定実行時から一定範囲の時間のデータ
(b)過去の推定位置から一定範囲の領域と推定されたデータ
(2)当該ターゲット端末10の過去の推定位置が存在しない場合
位置推定実行時から一定範囲の時間のデータから、尤度関数値が最も大きいデータに含まれている伝搬路パラメータを利用する。
尚、位置推定動作において、ステップS203で設定する伝搬路パラメータの得られ方、若しくはステップS204で推定したターゲット端末10の推定位置に応じて、ステップS205,S206の動作を省略し、ステップS204でターゲット端末10の位置を推定すると、すぐにステップS207で推定位置と伝搬路パラメータとの更新を行う構成を取ることも可能である。具体的には、推定位置が前回の推定位置と変化していない場合、他のターゲット端末10の位置推定時に推定した伝搬路パラメータを利用し、当該ターゲット端末10の位置を推定した結果、他のターゲット端末10の推定位置と同じ位置を得た場合などが挙げられる。
実施の形態3.
上記実施の形態1,2においては、ターゲット端末10の位置を推定する際に、当該ターゲット端末10と周辺のアンカー端末20との間で授受された情報を全て利用したが、本実施の形態3では、全ての情報を利用しないことによって、より正確にターゲット端末10の位置を推定する。
本実施の形態3の位置推定システムは、上記実施の形態1又は2と同様の構成(図1又は図5)である。そして、本実施の形態2におけるターゲット端末10、アンカー端末20、及び位置推定装置30の構成は上記実施の形態1における構成(図2,図3)と同様である。
次に本実施の形態3の動作について次に説明する。
尚、本実施の形態3の動作においても、アンカー端末20とターゲット端末10間で授受した無線信号の受信電力値を用いた位置推定方式に、本発明を適応した例を記載するが、本発明は複数のアンカー端末20とターゲット端末10からなり、何らかの方法で位置を推定するシステムであり、各アンカー端末20とターゲット端末10との距離を何らかの方法で推定することが可能な全ての位置推定システムに適応可能である。
尚、本実施の形態3は、上記実施の形態1,2のいずれに対しても適応可能であるが、以下ではより一般的な記述とするために上記実施の形態2に対して適応した動作について説明する。
まず、上述した実施の形態2と同様の動作により、各アンカー端末20は周辺の端末に対して位置推定用信号を送信し、これを受信したターゲット端末10は、受信電力値などの情報を含めた情報信号を位置推定装置30に送信する。位置推定装置30は、情報信号を受信する。
次に本実施の形態3における位置推定動作の詳細について図7により説明する。
位置推定装置30の位置推定処理部304は、上述した実施の形態2のステップS201〜S207と同様の動作により、伝搬路パラメータの初期値を設定し(S301)、情報信号を受信し(S302)、伝搬路パラメータを設定した後(S303)、設定された伝搬路パラメータを用いて、ターゲット端末10の位置を推定する(S304)。そして、導出されたターゲット端末10の推定位置を利用して、当該ターゲット端末10の推定位置における伝搬路パラメータの推定を行い(S305)、所定の条件を満たすか否かを判断し(S306)、条件を満たさない場合は、ステップS304〜S305の処理を繰り返す。そして、ステップS306で条件を満たすと判断した場合は、得られたターゲット端末10の推定位置及び伝搬路パラメータを保存する(S307)。
尚、ステップS307においては、後述する動作により、不使用端末(後述)の情報を削除してターゲット端末10の位置を推定した際の尤度関数値の変化を、ステップS308で利用するために、過去の推定位置、伝搬路パラメータ及び尤度関数値を保存する機能が加わった構成を取ることもできる。
次に、位置推定処理部304は、不使用端末(後述)の情報を削除するか否かの判断をし(S308)、条件を満たさない場合は、ステップS309により不使用端末(後述)の情報を削除した後、ステップS304〜S308の処理を繰り返す。
ステップS308における判断は、以下の少なくとも1つを満たすか否かにより判断する。
(判断1)不使用端末として選択したアンカー端末20の数が規定数に達した場合。
(判断2)不使用端末以外のアンカー端末20(利用するアンカー端末20)の数が規定数に達した場合。
(判断3)ターゲット端末10の位置推定時の尤度関数値を、位置推定に用いたアンカー端末20の数で正規化した数値が減少に転じた場合。
(判断4)ターゲット端末10の推定位置の変化が一定値を下回る場合。例えば、前回の推定位置の結果と、今回の推定位置の結果との差分が一定以下に達した場合。
ステップS308で条件を満たさないと判断した場合は、例えば以下のアルゴリズムを用いて、複数のアンカー端末20のうち、1つのアンカー端末20を位置推定に用いない端末である不使用端末として選択する。そして、取得した又は保存した情報信号に含まれる情報のうち、不使用端末として選択したアンカー端末20に関する情報を削除する(S309)。尚、情報の削除に換えて、当該情報を識別する識別子(フラグ)等を付加し、以降の処理で当該識別子が付加された情報を利用しないようにしても良い。
不使用端末選択の詳細を以下に説明する。
ステップS306までに得られたターゲット端末10の位置推定結果(以下、「ターゲット端末10の推定位置」という)から、各アンカー端末20とターゲット端末10の推定位置との間の距離(以下、この距離をDとする)を求めることができる。一方で、端末間で授受された情報(例えば受信電力値)から、各アンカー端末20とターゲット端末10との間の最も確からしい距離(以下、この距離をRとする)を求めることができる。
そして、例えば、|R−D|が最大となるアンカー端末20を不使用端末として選択する。
尚、不使用端末の選択数は、1つに限らず複数のアンカー端末20を不使用端末として選択しても良い。また、一旦、不使用端末として選択したアンカー端末20を変更し、不使用端末と不使用端末以外のアンカー端末20(利用するアンカー端末20)との組み合わせを変更して、再度位置推定を行うようにしても良い。
上記ステップS308で条件を満たすと判断した場合は演算を終了し、必要に応じて、直前の位置推定の結果を最終的な推定位置として出力する。
以上のように本実施の形態3においては、アンカー端末20のうち、1又は複数のアンカー端末20を不使用端末として選択し、不使用端末以外のアンカー端末20に関する情報を利用して推定を繰り返すことにより、ターゲット端末10とアンカー端末20との間の距離を推定する授受情報に大きな誤差を含んだアンカー端末20を位置推定演算から除外することが可能となり、より高精度の位置推定を実現することができる。このような授受情報に大きな誤差を含む例を、授受情報に受信信号電力を用いた場合を例に挙げて以下の例1〜3に述べる。
(例1)ターゲット端末10を取り付けた位置推定対象物が障害物となっている場合。
(例2)ターゲット端末10の位置によって特定のアンカー端末20との間に障害物が存在する状況。例えば位置推定平面内に柱が立っている場合などが考えられる。
(例3)特定のターゲット端末10の送信出力が何らかの原因で想定している出力と異なる場合。
実施の形態1における位置推定システムの構成を示す図である。 実施の形態1におけるアンカー端末及びターゲット端末の構成を示す図である。 実施の形態1における位置推定装置の構成を示す図である。 実施の形態1における位置推定動作を示すフローチャートである。 実施の形態2における位置推定システムの構成を示す図である。 実施の形態2における位置推定動作を示すフローチャートである。 実施の形態3における位置推定動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10 ターゲット端末、20 アンカー端末、30 位置推定装置、201 アンテナ、202 受信回路、203 受信データ処理部、204 送信回路、205 送信データ生成部、301 アンテナ、302 受信回路、303 受信データ処理部、304 位置推定処理部。

Claims (11)

  1. ターゲット端末と、既知の位置に複数配置されるアンカー端末とが無線信号を授受し、位置推定を行う領域の伝搬特性を示すパラメータを用いて前記ターゲット端末の位置を推定する位置推定方法であって、
    前記伝搬特性を示すパラメータは、無線信号から取得される前記位置推定に必要な情報から、当該無線信号を授受した前記ターゲット端末と前記アンカー端末との距離を導出するパラメータからなり、
    前記ターゲット端末と前記複数のアンカー端末とが授受した無線信号から取得される位置推定に必要な情報と、前記アンカー端末の位置とに基づき、前記伝搬特性を示すパラメータを用いて、前記アンカー端末と任意の位置における前記ターゲット端末との距離を変数とし、前記位置推定に必要な情報が得られる尤度を、位置推定を行う領域の各地点について求め、位置推定を行う領域のうち、最も前記尤度が高い位置を前記ターゲット端末の推定位置として求めるステップと、
    前記位置推定に必要な情報と、前記アンカー端末の位置と、前記ターゲット端末の推定位置とに基づき、前記アンカー端末と前記推定位置における前記ターゲット端末との距離を用いて、前記伝搬特性を示すパラメータを変数とし、前記位置推定に必要な情報が得られる尤度が最も高くなるパラメータを、当該推定位置における前記伝搬特性を示すパラメータとして推定するステップと
    前記伝搬特性を示すパラメータを推定したとき、当該伝搬特性を示すパラメータを用いて、前記ターゲット端末の推定位置を再度求め、当該推定位置における前記伝搬特性を示すパラメータを再度推定し、所定の条件を満たすまで前記ターゲット端末の推定位置を繰り返し求めるステップと
    を有することを特徴とする位置推定方法。
  2. 無線信号を送受信するターゲット端末と、
    既知の位置に複数配置され、無線信号を送受信するアンカー端末と、
    位置推定を行う領域の伝搬特性を示すパラメータを用いて前記ターゲット端末の位置を推定する位置推定装置と
    を備え、
    前記伝搬特性を示すパラメータは、無線信号から取得される前記位置推定に必要な情報から、当該無線信号を授受した前記ターゲット端末と前記アンカー端末との距離を導出するパラメータからなり、
    前記位置推定装置は、
    前記ターゲット端末と前記複数のアンカー端末とが授受した無線信号から取得される位置推定に必要な情報と、前記アンカー端末の位置とに基づき、前記伝搬特性を示すパラメータを用いて、前記アンカー端末と任意の位置における前記ターゲット端末との距離を変数とし、前記位置推定に必要な情報が得られる尤度を、位置推定を行う領域の各地点について求め、位置推定を行う領域のうち、最も前記尤度が高い位置を前記ターゲット端末の推定位置として求め、
    前記位置推定に必要な情報と、前記アンカー端末の位置と、前記ターゲット端末の推定位置とに基づき、前記アンカー端末と前記推定位置における前記ターゲット端末との距離を用いて、前記伝搬特性を示すパラメータを変数とし、前記位置推定に必要な情報が得られる尤度が最も高くなるパラメータを、当該推定位置における前記伝搬特性を示すパラメータとして推定し、
    前記伝搬特性を示すパラメータを推定したとき、当該伝搬特性を示すパラメータを用いて、前記ターゲット端末の推定位置を再度求め、当該推定位置における前記伝搬特性を示すパラメータを再度推定し、所定の条件を満たすまで前記ターゲット端末の推定位置を繰り返し求める
    ことを特徴とする位置推定システム。
  3. 前記位置推定装置は、
    前記ターゲット端末の推定位置を所定回数繰り返し求めた場合、前記ターゲット端末の推定位置が収束したと判断した場合、及び、前記ターゲット端末の推定位置の確からしさを示す尤度が減少したと判断した場合、の少なくとも1つを満たしたと判断したとき、前記所定の条件を満たしたと判断することを特徴とする請求項記載の位置推定システム。
  4. 前記位置推定装置は、
    前記伝搬特性を示すパラメータを推定する度に、該伝搬特性を示すパラメータの情報を保存し、
    保存した前記伝搬特性を示すパラメータを用いて、前記ターゲット端末の位置を推定することを特徴とする請求項2又は3記載の位置推定システム。
  5. 前記位置推定装置は、
    前記ターゲット端末の推定位置の情報又は前記位置推定に必要な情報を保存し、当該保存された情報を用いて、新たに取得した前記位置推定に必要な情報を前記ターゲット端末の位置推定に利用するか否かを判断することを特徴とする請求項2〜の何れかに記載の位置推定システム。
  6. 前記位置推定装置は、
    新たに取得した前記位置推定に必要な情報に基づき求めた前記ターゲット端末の推定位置と、保存された前記ターゲット端末の推定位置又は保存された前記位置推定に必要な情報に基づき求めた前記ターゲット端末の推定位置との距離差が、所定値以上のとき、
    新たに取得した当該位置推定に必要な情報を前記ターゲット端末の位置推定に利用しないことを特徴とする請求項記載の位置推定システム。
  7. 前記位置推定装置は、
    前記位置推定に必要な情報を取得する度に保存し、任意の前記アンカー端末又は前記ターゲット端末からの前記位置推定に必要な情報が得られないとき、保存された前記位置推定に必要な情報を用いて、前記ターゲット端末の位置を推定することを特徴とする請求項2〜記載の位置推定システム。
  8. 前記ターゲット端末を複数備え、
    前記位置推定装置は、
    前記複数のターゲット端末のうち、任意のターゲット端末の推定位置を求め、当該推定位置における前記伝搬特性を示すパラメータを推定して、該伝搬特性を示すパラメータの情報を保存し、
    保存した前記伝搬特性を示すパラメータの情報を用いて、当該ターゲット端末以外の他のターゲット端末の推定位置を求めることを特徴とする請求項2〜の何れかに記載の位置推定システム。
  9. 前記位置推定装置は、
    前記ターゲット端末の推定位置を求めたとき、当該推定位置の推定の確からしさを示す尤度を保存し、
    保存した前記尤度を用いて、保存された前記伝搬特性を示すパラメータの情報を選択し、
    選択した当該伝搬特性を示すパラメータの情報を用いて、前記ターゲット端末の推定位置を求めることを特徴とする請求項記載の位置推定システム。
  10. 前記位置推定装置は、
    前記複数のアンカー端末のうち、1又は複数のアンカー端末を不使用端末として選択し、
    前記選択した不使用端末以外の前記複数のアンカー端末と前記ターゲット端末とが授受した無線信号から取得される位置推定に必要な情報を利用して、前記ターゲット端末の推定位置を求めることを特徴とする請求項2〜の何れかに記載の位置推定システム。
  11. 前記位置推定装置は、
    前記不使用端末の選択を変更し、前記不使用端末と当該不使用端末以外の前記アンカー端末との組み合わせを変更して、所定の条件を満たすまで前記ターゲット端末の推定位置を繰り返し求めることを特徴とする請求項10記載の位置推定システム。
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