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JP4948906B2 - コイル巻装部品 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、デジタルカメラのストロボ発振トランス等のコイル巻装部品に関する。
プリント基板に面実装するノイズフィルタ、トランス、チョークコイル等のコイル巻装部品において、エナメル被覆導線等のコイルが巻装されるドラム型コアの下部に台座を設け、この台座に巻線処理端子を設けてコイルから導出されたコイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末を絡げることができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に示すコイル巻装部品は、Mn−Zn系フェライト等の磁性材料からなるコアが両端にフランジ部を有したドラム型であり、フランジ部間にコイルが巻装されるコイル巻装部が設けられている。このドラム型コアの下部の前記下部側のフランジ部にはフェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料からなる台座が接着され、この台座に巻線処理端子としての絡げ端子が設けられている。
そして、コイル巻装部に巻装されたコイルのコイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末をコイル層の下側を通してドラム型コアの外部に導き、絡げ端子に絡げた後、半田付けしている。
特開平7−201596号公報
しかしながら、特許文献1は、コイル巻装部を有したドラム型コアの下部に台座を設け、この台座にコイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末を絡げる絡げ端子を設けた構造である。したがって、コイル層の下側をコイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末が挿通するため、コイル層とコイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末が接触した状態となり、電位差が生じてエナメル被覆導線等のコイルの被膜が破壊されるという問題が生じる。また、ドラム型コアの下部に台座を設けた構造であり、高さ寸法が大きく大型化している。
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、ボビンのコイル巻装部に巻装したコイル層とコイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末との接触を防止し、コイルの絶縁被膜の破壊を防止すると共に、コイル巻装部に巻装したコイル層の巻き崩れを防止でき、しかも、コイル端末とこれが絡げられる巻線処理端子との接続の信頼性を向上できるコイル巻装部品を提供することにある。
前記目的を解決するために、請求項1のコイル巻装部品は、コイル巻装部及びこのコイル巻装部の両端に上部フランジ部及び下部フランジ部を有するボビンと、このボビンの両フランジ部の外側から前記ボビンに嵌合されたコアと、前記コイル巻装部に巻装されたコイル層と、前記ボビンに設けられ前記コイル層の巻き始め端末及び巻き終り端末が絡げられる複数個の巻線処理端子とからなり、前記上部フランジ部から離れる方向に突出する端子台を前記下部フランジ部の前部と後部に一体に形成し、これら端子台の下面両端部に実装端子を設け、前記巻線処理端子が前記実装端子に一体に形成されていると共に前記端子台の側面から突出されており、前記端子台の上面に、前記コイル巻装部に巻装されたコイル層を支持する平坦面を上面に有する単一の突出部を上方に突出して設けると共に、この突出部の両側に外方に向って下り勾配に形成され前記コイル層から導出されたコイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末を前記巻線処理端子に案内する傾斜面を設け、この傾斜面と前記コイル層との間が前記突出部と前記コイル層との接触部を除いて開放されており、前記平坦面と前記傾斜面の間の段差によって前記コイル層と前記コイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末とを離間させると共に、前記コイル巻き始め端末とコイル巻き終り端末とを前記突出部で隔離させ、前記巻線処理端子の端子板の一側部に絡げ凹部を設けるとともに、前記端子板に、前記絡げ凹部と反対側の角部を覆って樹脂製のコイル保護層を設け、このコイル保護層の外周面がR面で形成されていることを特徴としている。
請求項2のコイル巻装部品は、請求項1において、前記絡げ凹部の底部が前記端子板を薄肉にしたナイフエッジ部で形成されていることを特徴としている。
この発明によれば、ボビンのコイル巻装部に巻装したコイル層とコイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末との接触を防止し、電位差によるコイルの絶縁被膜の破壊を防止できる。しかも、コイル巻装部に巻装したコイル層を支持してコイル層の巻き崩れを防止できるという効果があるとともに、コイル端末とこれが絡げられる巻線処理端子との接続の信頼性を向上できるという効果がある
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3はコイル巻装部品としてストロボ発振トランスの第1の実施形態を示し、図1は全体の斜視図、図2はコイルを除いた状態のボビンとコアの分解斜視図、図3はコアを除いた状態のボビンの側面図である。
図1〜図3に示すように、ボビン10とコア11はMn−Zn MT30D等によって成形されており、ボビン10は、角筒状で、上下方向に貫通する貫通孔12を有するコイル巻装部13の両端上部フランジ部14と下部フランジ部15を設けている。上部フランジ部14は矩形状で、その上部における左右両側部には貫通孔12の幅と略同一幅の嵌合凹部16が設けられている。したがって、上部フランジ部14の上面には低部と高部との段差が形成され、その段差部にはコア11が嵌合される嵌合凹部16上部に向って開拡させる傾斜面17a形成されている。この傾斜面17aは上部フランジ部14の上面と嵌合凹部16との角部を鈍角としてボビン10の強度アップを図っている。
下部フランジ部15も矩形状で、その下部における左右両側部には貫通孔12の幅と略同一幅の嵌合凹部18が設けられている。下部フランジ部15の下面にも低部と高部との段差が形成され、その段差部傾斜面17b形成されている。この傾斜面17bは下部フランジ部15の下面と嵌合凹部18との角部を鈍角としてボビン10の強度アップを図っている。
さらに、下部フランジ部15の上面における前部及び後部には端子台19がボビン10と一体に設けられている。したがって、嵌合凹部18を挟んで前部及び後部に平行に端子台19が形成されている。これら端子台19は上面に外方に向って下り勾配の傾斜面20を有しており、その上面の一部には上方に突出し、後述するコイル層を支持する突出部21aが設けられ、この突出部21aの上面は平坦面21に形成されている。したがって、平坦面21と傾斜面20との両者間に段差部22が形成されている。突出部21aの両側に端子台19の前後方向(コイル巻装部13と端子台19の外側部との間)に亘ってコイル端末挿通部23a,23bが形成されている。
また、端子台19の下面における両端部にはトランスをプリント基板等に実装するための実装端子24が設けられ、前後の側面には実装端子24と一体に形成された複数個の巻線処理端子25が設けられている。実装端子24は端子台19の下面及び側面に沿ってL字状に折曲して形成されている。巻線処理端子25は、図4及び図5に示すように、端子台19の側面から外方に突出する端子板25aが矩形状で、その一側部には後述するコイルの巻き始め端末及び巻き終り端末を絡げる絡げ凹部26が設けられ、他側部(絡げ凹部26と反対側の角部)にはボビン10と一体に成形された樹脂からなるコイル保護層27が設けられている。なお、このコイル保護層27はボビン10と一体に成形することに限定されず、別部材を巻線処理端子25に固着してもよい。
絡げ凹部26はV字状もしくはU字状の切欠部であり、その底部は端子板25aを薄肉にしたナイフエッジ部28が設けられ、絡げ凹部26に絡げたコイル端末を簡単に切断できるように形成されている。また、コイル保護層27は、その外周面がR面27aに形成され、絡げ凹部26に絡げるコイル端末が端子板25aの角部に接触しないように保護するようになっている。
前記コア11は、ボビン10の上下方向から該ボビン10を挟持するように嵌合されている。コア11はEE型であり、両端脚部29はボビン10の両側部で互いに当接し、中央脚部30はボビン10の貫通孔12の内部で互いに当接している。そして、コア11の基部31はボビン10の嵌合凹部16,18に嵌合されている。
さらに、ボビン10のコイル巻装部13には、20μmφという極細のエナメル被覆導線で、例えば1次巻線と2次巻線からなるコイル層32が形成されている。このコイル層32のコイル巻き始め端末33a及びコイル巻き終り端末33bは突出部21aの両側部に形成されたコイル端末挿通部23a,23bを挿通し、巻線処理端子25の絡げ凹部26に絡げられ、半田付けによって巻線処理端子25に固定されている。
したがって、コイル巻き始め端末33aとコイル巻き終り端末33bは突出部21aによって隔離され、電気的に短絡しないように構成されている。しかも、コイル巻き始め端末33aとコイル巻き終り端末33bは、傾斜面20を有するコイル端末挿通部23a,23bを挿通して端子台19の外部に導かれるため、コイル層32の下面32aとコイル巻き始め端末33a(コイル巻き終り端末33b)との間に隙間gができるようになっている。すなわち、コイル層32とコイル巻き始め端末33a及びコイル巻き終り端末33bとが非接触状態となり、電位差が生じないため、コイルの絶縁被膜の破壊を防止できる。
また、端子台19の上面に傾斜面20を形成すると、コイル巻装部13に巻装されたコイル層32の下部を支持することができず、コイル層32の巻き崩れの虞があるが、傾斜面20の上面に突出部21aを設け、この突出部21aの上面を平坦面21に形成したから、コイル層32を平坦面21で支持でき、コイル層32の巻き崩れを防止できる。
また、コイル巻き始め端末33a(コイル巻き終り端末33b)は巻線処理端子25の絡げ凹部26に2〜3回(反)巻き付けた後、コイル端末の中途部が絡げ凹部26の底部に押付けられるようにしてコイル巻き始め端末33a(コイル巻き終り端末33b)を引張って切断するが、絡げ凹部26の底部にはナイフエッジ部28が形成されているため、コイル巻き始め端末33a(コイル巻き終り端末33b)をナイフエッジ部28で簡単かつ確実に切断でき、コイルの余剰端末が巻線処理端子25からヒゲ状に延びることはなく、隣り合う巻線処理端子25やコイル巻き始め端末33a(コイル巻き終り端末33b)に接触する電気的短絡を防止できる。
また、絡げ凹部26に絡げたコイル巻き始め端末33a(コイル巻き終り端末33b)はコイル保護層27の外周面のR面27aに接触した状態に絡げられるため、コイル巻き始め端末33a(コイル巻き終り端末33b)が端子板25aの角部に接触することはない。したがって、コイル絡げ部を半田付けする際に、半田溶解熱が端子板25aに加わってもコイル巻き始め端末33a(コイル巻き終り端末33b)が断線(溶断)することはなく、信頼性を向上できる。
なお、コイル巻装部品としてストロボ発振トランスについて説明したが、トリガーコイル、チョークコイル等のコイル巻装部品にも適用できる。
なお、この発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合わせてもよい。
この発明の第1の実施形態のストロボ発振トランスを示す全体の斜視図。 同実施形態を示し、コイルを除いた状態のボビンとコアの分解斜視図。 同実施形態を示し、コアを除いた状態のボビンの側面図。 同実施形態を示し、ボビンの一部を示す斜視図。 同実施形態を示し、(a)は巻線処理端子の斜視図、(b)は巻線処理端子の縦断側面図。
符号の説明
10…ボビン、11…コア、13…コイル巻装部、14…上部フランジ部、15…下部フランジ部、20…傾斜面、21a…突出部、21…平坦面、22…段差部、23a,23b…コイル端末挿通部24…実装端子、25…巻線処理端子、25a…端子板、26…絡げ凹部、27…コイル保護層、27a…R面、32…コイル層、33a…コイル巻き始め端末、33b…コイル巻き終り端末

Claims (2)

  1. コイル巻装部及びこのコイル巻装部の両端に上部フランジ部及び下部フランジ部を有するボビンと、このボビンの両フランジ部の外側から前記ボビンに嵌合されたコアと、前記コイル巻装部に巻装されたコイル層と、前記ボビンに設けられ前記コイル層の巻き始め端末及び巻き終り端末が絡げられる複数個の巻線処理端子とからなり、
    前記上部フランジ部から離れる方向に突出する端子台を前記下部フランジ部の前部と後部に一体に形成し、これら端子台の下面両端部に実装端子を設け、前記巻線処理端子が前記実装端子に一体に形成されていると共に前記端子台の側面から突出されており、
    前記端子台の上面に、前記コイル巻装部に巻装されたコイル層を支持する平坦面を上面に有する単一の突出部を上方に突出して設けると共に、この突出部の両側に外方に向って下り勾配に形成され前記コイル層から導出されたコイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末を前記巻線処理端子に案内する傾斜面を設け、この傾斜面と前記コイル層との間が前記突出部と前記コイル層との接触部を除いて開放されており、
    前記平坦面と前記傾斜面の間の段差によって前記コイル層と前記コイル巻き始め端末及びコイル巻き終り端末とを離間させると共に、前記コイル巻き始め端末とコイル巻き終り端末とを前記突出部で隔離させ、
    前記巻線処理端子の端子板の一側部に絡げ凹部を設けるとともに、前記端子板に、前記絡げ凹部と反対側の角部を覆って樹脂製のコイル保護層を設け、このコイル保護層の外周面がR面で形成されていることを特徴とするコイル巻装部品。
  2. 前記絡げ凹部の底部が前記端子板を薄肉にしたナイフエッジ部で形成されていることを特徴とする請求項1記載のコイル巻装部品。
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