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JP4801864B2 - 底部域にコードの集中しているタイヤ - Google Patents

底部域にコードの集中しているタイヤ Download PDF

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Description

【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明はタイヤに関する。より厳密には、本発明は、補強コードをサイドウォール及びビード部に配設することに関し、更に、ビード部におけるカーカスコードの係留、及びビード部又はサイドウォール各部の補強にも関する。
【0002】
(発明の背景)
タイヤのカーカス補強材は、現在では、1つ又はそれ以上のプライにより形成され、大抵の場合はラジアルプライであり、これらのプライは、ビード部に設けられた1つ又はそれ以上のビードワイヤの周りに巻かれている。ビード部は、タイヤをリムに固定できるようにする手段を構成している。こうして形成されたビードの剛性は非常に高い。
【0003】
例えばタイヤにかかる負荷が大きいか、又はタイヤが激しい衝撃にさらされるような、ある種の特定の用途に関しては、剛性、衝撃強度など、ある種の特性を強化できるのが望ましい場合がある。更に、タイヤ製造工程のある段階を自動化し易くするためには、ある構成要素の性質及び/又は配列を修正すると有効なことが分かっている。
【0004】
現在の技術では、サイドウォール及び/又はビード部の特性を意図通りに調整するのは非常に困難である。サイドウォールには高い柔軟性がなくてはならず、これとは対照的に、ビード部は剛性が高くなくてはならない。更に、タイヤのこの部分に配設される補強材は、常に不可避的に不連続性を有しており、即ち、カーカスの上向き反転部の半径方向上端のレベルには、カーカス上向き反転部の無い帯域への過渡状態のない通過帯が存在し、この帯域は必然的に剛性が低い。
【0005】
ここに「半径方向上方」又は「半径方向上側」とは、最大半径に向けてという意味である。ラジアルカーカスの場合、ビードワイヤまわりの上向き反転を回避することができる設計上の他の原理は既に周知である。一例を挙げると、米国特許第3,072,171号には、カーカスプライの上向き反転を省き、コード群を円周に沿って配設することを提案している。しかし、周知の構造では、カーカスコードを、円周方向に配設されたコードに十分な強度で確実に留めるのは困難であり、これはつまり、この提案が実用化されていないことを意味している。
【0006】
更に、EP0582196号の、カーカスプライの補強材をビード部に配設する方法からは、補強材に隣接して円周方向の繊条を設けることにより、全体を高弾性率の接続用ゴム内に埋設できることが分かる。本参考文献では幾つか配置が提案されている。全ての場合において、補強構造に関し、軸方向内側の補強コードの数は軸方向外側のコードよりも多くなっている。
【0007】
(発明の概要)
本発明の第1の目的は、これら様々な不都合を克服することにある。
本発明のもう1つの目的は、剛性や衝撃抵抗性等ある種の特性を強化できるようにするための、タイヤの各種構成要素の配置の型式を提案することである。
本発明の別の目的は、機械化された製造を容易にすることのできるタイヤ補強構造を提案することである。
本発明の別の目的は、運転中に、特に定格圧力において、ビード部の異なる帯域に生じる様々な機械的応力を考慮したタイヤ補強構造を提案することである。
本発明の別の目的は、タイヤのビード部に補強構造を効果的且つ耐久的に係留することのできる、タイヤの底部域の配置を提案することである。
【0008】
これを達成するために、本発明は、少なくとも1つのカーカス型補強構造をタイヤの両側においてビード部に係留して成るタイヤにおいて、前記ビードのベース部はリム受け座に取り付けられるように意図されており、各ビードは、サイドウォールによって半径方向外側に向かって伸張し、ビードのベース部と、前記タイヤが組み付けられるリムのフック部の半径方向縁位置に実質的に対応している本ビードの半径方向位置との間を実質的に伸張している軸方向ベアリング帯域を備えており、前記サイドウォールは、半径方向外側に向かいトレッドに連結しており、タイヤの外周上では、前記補強構造が、ビード部内に配設された前記構造の端部から前記サイドウォールに向けて伸張しており、主コード群の少なくとも1つの配列が、実質的に円周方向経路に沿って、前記端部に実質的に隣接して設けられ係留帯域を形成しており、前記配設のコード群の配列は、前記構造に関し軸方向内側に配設された主コードの数が、前記構造に関し軸方向外側に配設された主コードの数よりも多くなっており、前記主コード群は前記軸方向ベアリング帯域の内部まで実質的に半径方向に伸張していることを特徴とするタイヤを提供する。
【0009】
この対比は、ビードの帯域、即ち、例えば受け座から、リムフックに組み付けられる部分の上側即ち半径方向外側レベルにある帯域までの部分において、有効に成り立つ。この部分の半径方向外側にあるコード群は考慮しない。主コード群は、半径方向位置が、タイヤが取り付けられる個所であるリムのフックの最も外側の半径方向位置を越えて伸張しないように配設されており、主コード群が底部域の耐久性により有効に寄与できるようになっている。
【0010】
このような配設により、タイヤの底部域、特にビードのレベルにおける、機械的挙動を最適化することができるようになる。実際に、補強構造の両側に働く応力は概して対称ではない。本発明は、これらの状態をより適切に考慮に入れることができるようにする。このように、例えば、主コード群は、定格圧力で走行中に大きな引張応力を受けやすい帯域では数が多く、大きな圧縮応力を受けやすい帯域では数を減らすか全く設けないように有効に配設されている。このような配設はビードの反転傾向を低減することに寄与する。
補強構造の両側に働く応力は対称的ではないことが分かっている。本発明によると、ビードは、これら異なる応力に応じてタイヤの底部域の挙動を最適化するように設計されている。
【0011】
実際に、圧縮応力は、均一帯域では良好に支持され且つ良好に分散される。引張応力に関しては、コード群の存在により応力が緩和されるので、高応力帯域の機械的挙動の最適化に寄与する。
好ましくは、ビードが定位置に保持されるようにするために、回転の効果に対抗することが望ましい。
【0012】
主コード群は、カーカス型補強構造をビード内に係留する、及び/又はビードを締め付ける機能を構成するコード群であるため、これらコード群がなければ、係留及び/又は締め付け機能は保証できないか、又は確保さえもできない。
このように、主コード群は、金属製であり効果的である。主コード群は、高弾性率を有しており効果的である。これら主コード群は、連続しており効果的である。これらコードは高初期弾性率を有しているのが望ましい。
【0013】
2次コード群は、実質的に又は決定的に、カーカス型補強構造をビード内に係留する、及び/又はビードを締め付ける機能を構成しているコード群ではなく、従って、これらのコード群がなくても、係留及び/又は締め付け機能は重大な影響を受けない、即ち、係留及び/又は締め付け機能は主コード群により引き続き確保される。
このように、2次コード群は織物製であり効果的である。2次コード群は主コード群よりも弾性率が低く効果的である。
【0014】
本発明のこの第1の態様によれば、2次コード群はコード数を比較する場合には含まれない。
ある効果的な変型例によれば、主コード群の全配列は前記構造に関し軸方向内側にある。
別の効果的な変型例によれば、タイヤはまた、前記補強構造に関し軸方向外側に配設された少なくとも1つの2次コード群の配列を備えている。
【0015】
2次コード群は、タイヤの横剛性、特にリムフック上方の横剛性の最適化に寄与する。特定の帯域の特定の特性に応じて配設を変更することも可能となる。例えば、底部域の一部に2次コード群を1列だけ配設し、剛性を高め、又はタイヤの完全性に影響を及ぼす可能がある衝撃に対して保護するのが望ましい別の部分には2列又は3列にして配設することが考えられる。更には、2次コード群は、リムとの境界部分の磨耗に対する保護のために設けてもよい。
【0016】
2次コード群は非金属製なのが効果的であり、織物製であるのが望ましい。
カーカス型補強構造は単コード構造であるのが望ましい。
コード群と、これに隣接する構造部分は、高弾性率のゴム配合物、例えば25MPaより弾性率が高く、更に望ましくは40MPaより弾性率の高いゴム配合物に埋設されるのが望ましい。
【0017】
ある効果的な変型例によれば、補強構造は、ビード部のレベルに2つの構造部分を備え、その隣り合った部分の間に1次及び/又は2次コード群を介在させて構成される。
別の効果的な変型例によれば、補強構造は、ビード部のレベルに3つ又はそれ以上の構造部分を備え、その隣り合った部分の間に1次及び/又は2次コード群を介在させて構成される。
【0018】
高弾性率のゴム帯域は、効果的に、構造体の隣接する部分と部分との間に設けられている。
2次コード群は、効果的に、少なくとも1つの高弾性率のゴム配合物に接するように配設されている。配列を、第1の側では第1の配合物に、他方の側では第2の配合物に、取囲まれるようにすることもできる。
【0019】
ある効果的な変型例によれば、ビードの軸方向内側に位置する帯域は、少なくとも部分的には高弾性率のゴム配合物で形成されている。この帯域にこの種の材料を配すると、タイヤ底部域の挙動を確実に最適化することに寄与する。実際には、このような材料は引張応力に対する抵抗を高める。
【0020】
ある効果的な変型例によれば、ビードの軸方向外側に位置する帯域は、少なくとも部分的には低弾性率のゴム配合物で形成されている。この帯域にこの種の材料を配すると、タイヤの底部域の挙動を確実に最適化することに寄与する。
【0021】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの補強構造をタイヤの両側においてビード部に係留して成るタイヤにおいて、前記ビードのベース部はリム受け座に取り付けられるように意図されており、各ビードは、サイドウォールによって半径方向外側に向かって伸張し、ビードのベース部と、前記タイヤが組み付けられるリムのフック部の半径方向縁位置に実質的に対応している本ビードの半径方向位置との間を実質的に伸張している軸方向ベアリング帯域を備えており、前記サイドウォールは、半径方向外側に向かいトレッドに連結しており、タイヤの外周上では、前記補強構造が、ビード部内に配設された前記構造の端部から前記サイドウォールに向けて伸張しており、前記構造は少なくとも端部において軸方向に少なくとも2つの部分に分離され、主コード群の少なくとも1つの配列が、実質的に円周方向経路に沿って、前記構造の少なくとも1つの部分に実質的に隣接して配置され係留帯域を形成し、前記配設のコード群の配列は、前記構造に関し軸方向内側に配設された主コード群の表面密度が、前記構造に関し軸方向外側に配設された主コード群の表面密度よりも高くなっており、前記主コード群は前記軸方向ベアリング帯域の内部まで実質的に半径方向に伸張していることを特徴とするタイヤを提供する。
【0022】
これに関連して、補強構造が、少なくともビード部のレベルにおいて、幾つかの部分に分割されている場合には、構造の部分と部分の間に配置が可能な配列は考慮に入れない。構造の軸方向内側にある配列と構造の軸方向外側にある配列だけを比較する、というのはつまり、考えられる構造内配列を備える構造部分は全体として捉えるということである。従って、両端の構造部分の両側に位置する主コード群の配列だけを比較することになる。
【0023】
ある効果的な変型例によれば、補強構造は、ビード部のレベルにおいて、2つの構造部分を備え、その隣り合った部分と部分の間に主コード群及び/又は2次コード群の内少なくとも1つの配列を介在させている。
【0024】
別の効果的な変型例によれば、補強構造は、ビード部のレベルにおいて、3つ又はそれ以上の構造部分を備え、その隣り合った部分と部分の間に主コード群及び/又は2次コード群の内少なくとも1つの配列を介在させている。
高弾性率のゴム帯域は、効果的に、構造体の隣接する部分と部分の間に設けられている。
【0025】
ある効果的な変型例によれば、主コード群の全配列は、前記構造に関し軸方向内側にある。ここでも、考えられる構造内配列を除外する。
別の効果的な変型例によれば、タイヤは、前記補強構造に関し軸方向外側に配設されている2次コード群の少なくとも1つの配列も備えている。
2次コード群は、非金属製なのが効果的で、織物製であるのが望ましい。
主コード群は、高弾性率を有するのが効果的である。
【0026】
主コード群の少なくとも1部と、これに隣接する構造部分は、効果的に、高弾性率のゴム配合物、例えば、弾性率が25MPaより高く、更に望ましくは40MPaより高いゴム配合物に埋設されている。
【0027】
2次コード群は、効果的に、少なくとも1つの高弾性率のゴム配合物に接するように配設されている。配列を、第1の側では第1の配合物に、他方の側では第2の配合物に、取囲まれるようにすることもできる。
【0028】
「2次コード」とは、弾性率が20,000daN/mm2より低く、望ましくは15,000daN/mm2より低いコードを指すものとご理解いただきたい。アラミド、芳香族ポレエステルをベースにしたコードなど、織物型のコードを使用してもよいし、或いは弾性率の低い、例えばPETやレーヨンなどをベースとする他の型式のコードを用いてもよい。
【0029】
円周方向に配設されるコードは、半径方向に配設されるコードと直接には接触しないようになっているのが望ましい。高応力にさらされるタイヤでは、補強構造のコード群部分と円周方向に配設されたコード群部分との間の良好な力の伝達を確保するために、円周方向に配設されたコード群と隣接するカーカスコード群の列との間に、高弾性率のゴム、例えばショアA硬度が70を超えるゴム配合物を介在させている。
【0030】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つのカーカス型補強構造をタイヤの両側においてビード部に係留して成るタイヤにおいて、前記ビードのベース部はリム受け座に取り付けられるように意図されており、各ビードは、サイドウォールによって半径方向外側に向かって伸張し、前記サイドウォールは半径方向外側に向かいトレッドに連結しており、タイヤの外周上では、前記補強構造が、ビード部内に配設された前記構造の端部から前記サイドウォールに向けて伸張しており、コード群の少なくとも1つの配列が、実質的に円周方向経路に沿って、前記端部に実質的に隣接して設けられ、前記構造に関し軸方向内側に配設された各コードはヤング率Ei及び表面積Siを有し、前記構造に関し軸方向外側に配設された各コードは、ヤング率Ee及び表面積Seを有するものとすれば、前記配設のコード群の配列は、Σ(Ei×Si)int>Σ(Ee×Se)extとなっていることを特徴とするタイヤを提供する。
【0031】
この実施形態によれば、合成内部剛性は、合成外部剛性よりも大きくなる。
なお、多繊条ケーブル、即ち多数のコードを有するケーブルの場合には、考察対象の断面は有効断面である。コードとコードの間の自由空間又は空き空間は考慮に入れない。
積E×Sの合計は、タイヤのビード部の帯域だけについて考察する。このように、例えば、織物製である場合が多い保護コードがサイドウォール及び/又はクラウンの部分に配設されている場合には、これらコードは等式では考慮に入れない。
【0032】
ある効果的な変型例によれば、Seの値はゼロである。
本発明のある効果的な変型例によれば、Σ(Ei×Si)int/Σ(Ee×Se)ext>1である。
本発明の別の効果的な変型例によれば、Σ(Ei×Si)int/Σ(Ee×Se)ext>1.5である。
本発明の別の効果的な変型例によれば、Σ(Ei×Si)int/Σ(Ee×Se)ext>10である。
【0033】
現在の技術では、カーカスの単一又は複数のプライは、ビードワイヤの周りで上向きに反転させることが知られている。ビードワイヤは、ここでカーカスを係留する機能を果たす、つまり、内圧が掛かっている状態でカーカスコードに生じる張力を受け取る。本出願に説明する構成では、カーカス型補強構造を係留する機能も確保される。
【0034】
また先行技術においては、同じビードワイヤが、更に、ビード部をリムに締め付ける機能を果たすということも周知である。本出願に述べる構成では、この締め付け機能も確保され、特に、受け座に最も近い円周方向のコード群の巻きにより確保されている。
【0035】
本発明は、幾つかの変型例に示すように、他の要素を、タイヤのビード部、或いは通常は底部域に加えて使用することのできることは論を待たない。同様に、本発明は、同じ型式の補強構造を増倍することにより、又は別の型式の補強構造を加えることによっても使用できる。
【0036】
本明細書で「コード」という用語は、広義に、単繊条と多重繊条の両方、又はケーブルや諸撚糸のような集合体、或いは代わりの同等種の集合体を指し、コードの材料及び処理は如何なるものでもよく、例えば、ゴムへの接着を促進するための表面処理又は表面コーティング又はプレサイジングなどが施されていてもよい。
【0037】
カーカス型の補強材又は補強構造は、そのコード群が90度で配設されている場合には、また専門用語に従えば90度に近い角度で配設されている場合は、ラジアルであると言える。
【0038】
本出願で「主コード」という用語は、弾性率の高い、即ち例えば20,000daN/mm2以上の弾性率を有するコードを指す。このような弾性率は、例えば鋼線などの金属製のコードで実現することができる。
【0039】
(好適な実施形態の詳細な説明)
図1から図10で補足しながら、以下に実施形態を詳しく説明する。
図1は、底部域、具体的には本発明による第1の実施形態のタイヤのビード部1を示している。ビード部1は、リムのフランジに対して配置されるように設けられ且つそのような形状になっている軸方向外側部2を備えている。外側部2の上側部、即ち半径方向外側部は、リムフックに沿わせる部分5を形成している。この部分は、図1及び図2に示すように、軸方向外側に向けて湾曲している場合が多い。外側部2は、半径方向および軸方向に、リム受け座に対して配置されるビードシート4の内部に向けて続いている。ビード部は、更に、シート4からサイドウォール6に向けて実質的に半径方向に伸張する軸方向内側部3も備えている。
【0040】
タイヤはまた、実質的にラジアル方向配列に効果的に形成されている補強材を備えたカーカス型の補強体又は補強構造10を備えている。この補強構造は、一方のビードから他方のビードへ、タイヤのサイドウォール及びクラウンを通り抜け連続的に配置してもよいし、又別のやり方で、2つ又はそれ以上の部分で構成し、例えば、クラウン全体を覆わずにサイドウォールに沿って配置してもよい。
【0041】
補強材をできる限り正確に位置づけるためには、タイヤを、剛体の支持体、例えば内部空洞の形状を呈する剛体のコアの上に組み立てるのが効果的である。このコアには、最終的な構成により要求される順序で、タイヤの構成要素全てが組み付けられるが、それらは直接その最終的な位置に配置されるので、構築中にタイヤの形状を修正する必要はない。
【0042】
円周コード21は、スタック22の形に配列するのが好ましく、主コード群20の配列を形成し、両ビード部に設けられる。これらのコードは金属製で、それもできれば黄銅で被覆されていることが好ましい。各スタック内で、コードは実質的に同心円状に、重ね合わせて配列されている。
【0043】
補強構造を完全確実に係留するため、層状の複合ビードが構成される。ビード部1内には、補強構造のコード列とコード列の間に円周方向を向いたコード群が配置されている。これらのコードは、図面にあるようにスタック状に配設されるか、又は複数の隣接したスタック状に、又はパケット状に、或いは、タイヤの型式及び/又は望ましい特性に応じて、何らかの適切な配列に配設される。
【0044】
補強構造10の半径方向内端部分は、ビード部と協働する。こうしてこれら部分の前記ビード部での係留を効果的に行い、タイヤの完全性を確保できるようにする。この係留を強固なものとするため、円周方向コード群と補強構造との間の空間には接続用のゴム配合物が充填される。複数の帯域を画定する、異なる特性を有する複数の配合物の使用に対応することも可能であり、配合物の組合せ及び合成的な配設には実質的に制限はない。しかしながら、コード群の配列と補強構造との間の交差帯域には、高弾性率の配合物を配するのが効果的である。この例に限定するわけではないが、このような配合物の弾性率は25MPaに達するか又はこれを越え、場合によっては40MPaに達するか又はこれを越えることもある。
【0045】
コード群の配列は、幾つかの様式で配設し製造することができる。例えば、スタックは、望ましくは最小直径から最大直径に向かって、螺旋状に幾重かに(実質的にはゼロ度で)巻かれた単一のコードで形成するのが効果的である。スタックは、複数の同心のコードを、直径が徐々に大きくなるように輪を重ねて形成してもよい。補強コード又はコードの円周方向巻線の植え込みを確実にするためにゴム配合物を加える必要はない。
【0046】
本発明によれば、主コード群は、ビードの軸方向内側に優先的に配設される。こうして、図1の例では、軸方向内側部は、2層の並列配置コード群から形成された主コード群の配列を備えている。これらは、補強構造に隣接して配設するのが効果的である。図1に示す構造は、特に簡素化されており製造が簡単である。補強構造に掛かる力は、適切な特性を有する配合物によりゼロ度巻き線に伝達される。
この実施形態は、一般的には乗用自動車用のタイヤに、或いは乗用車又は二輪車用の高い速度指数を有するタイヤに、特に適している。
【0047】
図2は、図1の実施形態の変型を示したものであり、この変型では、更に、望ましくは織物製の、2次コード群31の配列を備えている。この例では、2次コード群の配列は、補強構造10に沿ってビードの軸方向外側部2に配設されている。この配列は、単一コードを、望ましくは最小直径から最大直径に向かって螺旋状に(実質的にゼロ度で)巻いて形成するのが効果的である。スタックも、複数の同心のコードを重ねて形成してもよい。2次コード群31の配列30は、実質的には半径方向にサイドウォール又はサイドウォールの部分に沿って伸張している。本発明の範囲を逸脱することなく、2次コード群の1つ又はそれ以上の配列をタイヤの他の帯域内に設けることもできる。
【0048】
巻き線の数、半径方向の間隔、配列の半径方向位置については、無数の異なる可能性が考えらる。これらの特性は、剛性、耐磨耗性、耐久性など、タイヤの底部域に求められる品質に応じて規定される。
【0049】
同図では、アッセンブリが取り付けられるように、タイヤに適合させたリム90も示している。リムのフック92の最も外側の位置である点91は、係留帯域の主コード群21の限界半径位置の区切りとして有効に使われている。このように、主コード群21は、対応する線100の半径方向内側に配設されていることが分かる。
【0050】
図3は、図1の実施形態の別の変型を示しているが、これは図2に示すものとはわずかに異なる。例えば、2次コード群31の配列30は、補強構造10のベース部から実質的に半径方向に伸張している。主コード群21の配列20は、実質的に同様且つ並列であり、両スタックは高さが同じである。
【0051】
図4は、本発明の第2の実施形態を示したもので、主コード群の配列が、効果的に、ケーブル型又はユニタリーコード型となっていて、補強構造10の両側に設けられている。しかしながら、軸方向内側部3に配設された主コード21の数は、軸方向外側部2に配設された主コード21の数より多い。
【0052】
図示の別の例では、軸方向内側部3と軸方向外側部2は、効果的に、カーカス型構造10により画定されている。
軸方向内側部3に配設された主コード21の数は、軸方向外側部2に配設された主コード21の数より、少なくとも1.5倍多いのが効果的であるが、その2倍以上であるのが好ましい。
【0053】
図4に示す例では、軸方向内側部3に配設された主コード21の数は、軸方向外側部2に配設された主コード21の数の2倍以上になっている。
更に、図4に示す例では、コード群の配列20と、実質的に隣接する補強構造10の部分は、効果的に、高弾性率の帯域40に配設されている。このような帯域は、補強構造のビード内の係留を強化する。本例は、底部域に優れた剛性が要求されるバンや小型トラック用のタイヤに特に適している。
【0054】
図5は、本発明によるタイヤの別の実施形態の一例を示している。本実施形態は、主に、補強構造10が、少なくともタイヤの底部域のレベルでは二重になっている点で、先の実施形態とは区別される。このような構成には、主に2種類のタイヤ、即ち、補強構造を2つ備えたタイヤと、補強構造は1つだけだが、その一部、例えばタイヤの底部域では補強構造が二重になっているタイヤとが関係する。絶対的というのではないが大抵の場合、主コード群又は2次コード群の1つ又はそれ以上のスタックが、補強構造の部分と部分の間に配設される。
【0055】
本発明の範囲内では、補強構造の各側のコードの数を比較する場合、補強構造は全体として捉えられ、補強構造の部分の間に存在するコードのスタックは全て構造に含まれ、従ってコード数を比較する部分を形成しないものと見なされる。
【0056】
図5の例では、軸方向内側部3に配設されている主コード21の数は、軸方向外側部2に配設されている主コード21の数よりも多い。実際に、内側部にはコード7本のスタックがあるが、外側部2にはコードは存在しない。
【0057】
図6は、図5の実施形態の変型を示しており、ビードの外側部分2に配設され且つビード部を越えて半径方向外側に伸張する2次コード群31の配列30を備えている。この配列は、タイヤの横剛性に寄与する。コード群は、アラミド、ハイブリッド、PET又はPENから作られるのが効果的である。変型例として、補強構造の部分の間に配設された主コード群の一部又は全てを、例えば織物コードなどの2次コードに置き換えることもできる。本例は、乗用車、バン、小型トラック、及び二輪車用のタイヤに、特に適している。
【0058】
図7及び8は、図6に示す例の変型であり、例えば図7では、2つの構造部の間に主コード群のスタックが1つあり、また図8では、2つのスタックを隣り合わせに並べて成る2次コード群の配列を備えている。2次コードの配列は、織物製であるのが望ましいが、縦横方向により高い剛性を提供する。これら配列のコード群のスタックは、ビード部からリムフック5を越えてサイドウォールへと実質的に半径方向に伸張している。
【0059】
図9及び図10は、図6に示す例の別の変型を示している。図9の変型例は、高弾性率のゴム配合物の帯域40を、補強構造10の2つの部分間の通路の少なくとも1部に配設して構成される。図示の例では、問題の帯域は、構造の部分の間に配設されているコード群のスタックを覆ってはいない。別の変型例(図示せず)によれば、本体域はコード群のこれらスタックも覆っている。この高弾性率帯域の存在は、タイヤの底部域の剛性を高めることに寄与する。
【0060】
この配合物40は、補強構造10の隣接部に直接接するように配設するのが効果的である。従来の構成では、カーカスプライ(ゴム配合物の層に植え込まれたコード)が用いられる。その結果、高弾性率の配合物と補強構造部分との間に、低弾性率の配合物から成る薄い中間層が存在することになる。直接接触させることにより、従って、この低弾性率の薄い配合物層が存在しないことにより、当該帯域に高弾性率の配合物が存在することの効果が増幅される。実際に、従来の低弾性率の薄い層は、エネルギーの損失をもたらし、機械的特性の低下を招くことにもなる。
【0061】
帯域40の厚さを変更することにより、及び/又は多かれ少なかれ高い弾性率の配合物を使用することにより、意図する用途にかなった所望の剛性を有するタイヤを得ることができる。本例は、乗用車、バン、小型トラック及び二輪車用のタイヤに、特に適している。
【0062】
図10は、2次コード群31の配列30が、それぞれが明確に異なる機械的特性、具体的には異なる弾性率を有する、異なる副帯域から構成される帯域に配設されている変型例を示している。
例えば、帯域40は高弾性率(例えば12MPaより高いなど)であり、帯域60は超高弾性率(例えば25MPaより高いなど)であり、そして帯域50は低弾性率(例えば12MPa以下など)である。
【0063】
このように帯域の分布を精緻化することにより、各帯域に対する異なる要求、例えばビードのベース部では硬度と剛性を最大にし、リムフックより上方に向かっては柔軟性が増すようにする等の要求を考慮に入れてビード部の特性を最適化することが可能となる。
これら数例を根幹として他の配列が提案できるが、例えば図9及び図10の、高弾性率の複数の帯域を同時に有する変型例を一例として挙げることができる。
【0064】
図11及び図12は、本発明によるタイヤの別の実施形態を示している。本実施形態では、補強構造の両側に、直径の異なる主コード群21の配列20が存在する。本発明によれば、前記配設のコード群の配列は、前記構造10の軸方向内側部3に配設された主コード群21の表面密度が、前記構造の軸方向外側部2に配設された主コード群21の表面密度よりも高くなるようになっている。図12の例では、後者の判定基準は、軸方向内側部3の主コード21の数が、軸方向外側2の主コード21の数よりも、たとえ少なくても満たされる。効果的な1つの例によれば、表面密度はコードプロフィール(コード、繊条、ケーブル、又は撚り糸の断面)の表面積の合計に対応している。例えば、限定された数の大直径のコードは、多数の概して小直径のコード、ケーブル、繊条、又は撚り糸などよりも占める面積が大きい。表面積の合計は重要である、というのは、それは同一又は非同一表面積の合計ということになる。
【0065】
説明し図示してきたそれぞれの例では、補強構造に実質的に隣接して配設された実質的に円周方向の経路に沿って少なくともコード群の1つの配列が存在し、前記配設のコード群の配列は、Σ(Ei×Si)ist>Σ(Ee×Se)estとなるようになっており、ここにEi及びSiは、それぞれ前記構造の軸方向内側に配設された各コードのヤング率と表面積を表し、Ee及びSeは、それぞれ前記構造の軸方向外側に配設された各コードのヤング率と表面積を表す。補強構造の両側の各コードの弾性率と有効表面積の積の合計は、信頼できる正確な尺度及び比較パラメータを構成する。この定式化により、どのような型式のコード又は繊条又はケーブルであっても、比較の際に考慮に入れることが更に可能となる。好適にも、この比較は、ビード帯域に、又は補強構造のビード内の係留帯域に配設されたコードによって決まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による第1の実施形態のタイヤのサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図2】 図1に示す実施形態の変型例のサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図3】 図1に示す実施形態の別の変型例のサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図4】 本発明による第2の実施形態のタイヤのサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図5】 本発明による別の実施形態のサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図6】 図5に示す実施形態の変型例のサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図7】 図6に示す例の変型例のサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図8】 図6に示す例の別の変型例のサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図9】 図6に示す例の別の変型例のサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図10】 図6に示す例の別の変型例のサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図11】 本発明による別の実施形態のタイヤのサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図12】 直径の異なる1次コードを備えている、図11に示す例の変型例のサイドウォール及びビード部を主に示す半径方向断面図である。
【図13】 図5に示す例の別の変型例のタイヤ半分を主に示す半径方向断面図である。

Claims (27)

  1. 少なくとも1つの補強構造(10)をタイヤの両側においてビード部(1)に係留して成るタイヤにおいて、前記ビード部のベース部はリム受け座に取り付けられるように意図されており、各ビード部(1)は、サイドウォール(6)によって半径方向外側に向かって延長されており、ビード部のベース部と、前記タイヤが組み付けられるリムのフック部の半径方向縁位置に実質的に対応しているこのビード部の半径方向位置との間で延びている軸方向ベアリング帯域を備えており、前記サイドウォール(6)は、半径方向外側に向かいトレッドを連結しており、タイヤの外周上で、前記補強構造(10)が、ビード部内に配設された前記補強構造の端部から前記サイドウォールに向けて延びており、主コード群(20)の少なくとも1つの配列が、実質的に円周方向経路に沿って、前記端部に実質的に隣接して設けられ係留帯域を形成しているタイヤにおいて、前記コード群の配列は、前記補強構造に対して軸方向内側に配列された主コード(21)の数が、前記補強構造に対して軸方向外側に配列された主コードの数よりも多くなるように配設されており、前記主コード群(20)は前記軸方向ベアリング帯域の半径方向内側で延びており、前記主コード群(20)の配列は、軸方向内側では第1の配合物により、軸方向外側では前記第1の配合物とは異なる第2の配合物により、取囲まれていることを特徴とするタイヤ。
  2. ビード部の軸方向内側部分(3)に配列された主コード(21)の数が、ビード部の軸方向外側部分(2)に配列された主コード(21)の数の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記主コード群(20)の全配列が、前記補強構造(10)に対して軸方向内側にあることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  4. 前記補強構造に対して軸方向外側に配列された2次コード群(31)の少なくとも1つの配列(30)をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記2次コード群(30)は非金属製であることを特徴とする請求項4に記載のタイヤ。
  6. 前記主コード群(20)は高弾性率を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ。
  7. 前記主コード群(20)の少なくとも一部分とこれらのコード群に隣接する構造部分とは、弾性率が25MPaより高いゴム配合物に埋め込まれていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイヤ。
  8. 前記補強構造(10)は、前記ビード部のレベルにおいて、少なくとも2つの構造部分を備え、隣接する前記少なくとも2つの部分の間に配列を介在させていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のタイヤ。
  9. 前記2次コード群の配列(31)は、少なくとも1つの高弾性率のゴム配合物に接するように配設されていることを特徴とする請求項4または5に記載のタイヤ。
  10. 少なくとも1つの補強構造(10)をタイヤの両側においてビード部(1)に係留して成るタイヤにおいて、前記ビード部のベース部はリム受け座に取り付けられるように意図されており、各ビード部は、サイドウォール(6)によって半径方向外側に向かって延長されており、前記ビード部のベース部と、前記タイヤが組み付けられるリムのフック部の半径方向縁位置に実質的に対応しているこのビードの半径方向位置との間で実質的に延びている軸方向ベアリング帯域を備えており、前記サイドウォール(6)は、半径方向外側に向かいトレッドを連結しており、タイヤの外周上で、前記補強構造が、ビード部内に配設された前記補強構造の端部から前記サイドウォールに向けて延びており、前記補強構造は少なくとも端部において軸方向に少なくとも2つの部分に分離され、主コード群(20)の少なくとも1つの配列が、実質的に円周方向経路に沿って、前記補強構造の少なくとも1つの部分に実質的に隣接して配置され係留帯域を形成しているタイヤにおいて、前記配設のコード群(20)の配列は、前記補強構造に対して軸方向内側に配設された主コード群の表面密度が、前記補強構造に対して軸方向外側に配設された主コード群の表面密度よりも高くなるように配設されており、前記主コード群(20)は、前記軸方向ベアリング帯域の半径方向内側で延びており、前記主コード群(20)の配列は、軸方向内側では第1の配合物により、軸方向外側では前記第1の配合物とは異なる第2の配合物により、取囲まれていることを特徴とするタイヤ。
  11. 前記主コード群(20)の全配列が、前記補強構造に対して軸方向内側にあることを特徴とする請求項10に記載のタイヤ。
  12. 前記補強構造に対して軸方向外側に配設された2次コード群(31)の少なくとも1つの配列をさらに備えていることを特徴とする請求項10又は11に記載のタイヤ。
  13. 前記2次コード群(31)は非金属製であることを特徴とする請求項12に記載のタイヤ。
  14. 前記主コード群(20)は高弾性率を有することを特徴とする請求項の何れか10〜13のいずれか1項に記載のタイヤ。
  15. 前記主コード群(20)の少なくとも一部分とこれらコード群に隣接する構造部分とは、弾性率が25MPaより高いゴム配合物に埋め込まれていることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載のタイヤ。
  16. 前記補強構造は、前記ビード部のレベルにおいて、少なくとも2つの軸方向に離間した構造部分を備え、隣接する前記少なくとも2つの部分の間に配列を介在させていることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載のタイヤ。
  17. 前記2次コード群(31)の配列は、少なくとも1つの高弾性率のゴム配合物に接するように配設されていることを特徴とする請求項12または13に記載のタイヤ。
  18. 少なくとも1つのカーカス型補強構造をタイヤの両側においてビード部(1)に係留して成るタイヤにおいて、前記ビードのベース部はリム受け座に取り付けられるように意図されており、各ビード部(1)は、サイドウォール(6)によって半径方向外側に向かって延長されており、ビード部のベース部と、前記タイヤが組み付けられるリムのフック部の半径方向縁位置に実質的に対応しているこのビードの半径方向位置との間で実質的に延びている軸方向ベアリング帯域を備えており、前記サイドウォールは半径方向外側に向かいトレッドを連結しており、タイヤの外周上では、前記補強構造が、ビード部内に配設された前記構造の端部から前記サイドウォールに向けて延びており、主コード群(20)の少なくとも1つの配列が、実質的に円周方向経路に沿って、前記端部に実質的に隣接して設けられ、前記補強構造に対して軸方向内側に配設された各コードはヤング率Ei及び表面積Siを有するタイヤにおいて、前記補強構造に対して軸方向外側に配設された各コードは、ヤング率Ee及び表面積Seを有するものとすれば、前記コード群の配列は、Σ(Ei×Si)int>Σ(Ee×Se)extとなるように配設されており、前記主コード群(20)は前記軸方向ベアリング帯域の半径方向内側で延びており、前記主コード群(20)の配列は、軸方向内側では第1の配合物により、軸方向外側では前記第1の配合物とは異なる第2の配合物により、取囲まれていることを特徴とするタイヤ。
  19. Σ(Ei×Si)int/Σ(Ee×Se)ext>1.5であることを特徴とする請求項18に記載のタイヤ。
  20. 積E×Sの合計は、前記タイヤのビードの帯域内でのみ考慮されることを特徴とする請求項18または19に記載のタイヤ。
  21. 前記Seの値は、実質的にはゼロであることを特徴とする請求項1820のいずれか1項に記載のタイヤ。
  22. 前記主コード群(20)の全配列が、前記補強構造に対して軸方向内側にあることを特徴とする請求項1821のいずれか1項に記載のタイヤ。
  23. 前記補強構造に対して軸方向外側に配設された2次コード群(31)の少なくとも1つの配列をさらに備えていることを特徴とする請求項1822のいずれか1項に記載のタイヤ。
  24. 前記2次コード群(31)は非金属製であることを特徴とする請求項23に記載のタイヤ。
  25. 前記主コード群(20)は高弾性率を有することを特徴とする請求項1824のいずれか1項に記載のタイヤ。
  26. 前記主コード群(20)の少なくとも一部分とこれらのコード群に隣接した構造部分とは、弾性率が25MPaより高いゴム配合物に埋め込まれていることを特徴とする請求項1825のいずれか1項に記載のタイヤ。
  27. 前記補強構造は、前記ビード部(1)のレベルにおいて、少なくとも2つの軸方向に離間した構造部分を備え、隣接する前記少なくとも2つの部分の間に配列を介在させていることを特徴とする請求項1826のいずれか1項に記載のタイヤ。
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