JP4851333B2 - グルコース測定モジュールとインシュリンポンプの組み合わせ - Google Patents

Description

本発明は、着脱式可搬型グルコースセンサモジュールからのグルコースの読みを、モジュールが搭載されているインシュリンポンプに無線で送出することができる装置及び方法に関する。

糖尿病と診断される事例の数は、米国で、また、世界中で増加し続けており、経済上及び公衆衛生上の膨大な影響が生じている。そのため、糖尿病患者の生活の質を改善する装置及び治療は、患者にとってだけでなく、社会全体にとって重要である。最近開発された技術により看護の水準を改善することができた１つのエリアは、血液グルコースレベルに対する厳格な制御の維持においてであった。糖尿病患者の血液グルコース値が、約８０ミリグラム／デシリットル（ｍｇ／ｄＬ）〜約１２０ｍｇ／ｄＬの比較的狭く、且つ、正常な範囲に維持されることができる場合、未検査の糖尿病についての生理的に有害な影響を最小に抑えることができる。血液グルコース情報がよくなるにつれて、糖尿病患者は、節食、運動、及び投薬を含む種々の手段を通して、自分達の血液グルコースレベルの厳格な制御をよりよく行うことができる。こうした理由で、血液グルコースを測定する、一層好都合且つ正確な方法を糖尿病患者母集団に提供する大きな産業が発達してきた。多くの形態のこれら測定装置が存在し、１つの一般的なタイプは、酵素ベースの「 試験ストリッ
プ」 を介して血液サンプルを受け取る手持ち式電子計量器によって示される。これらシ
ステムの使用時に、患者は、血液サンプルを得るために、指又は代替の体の部位を切開し、ストリップを計量器ハウジング内の試験ストリップ開口部に挿入し、サンプルが試験ストリップに付き、計量器内の電子回路が、試験ストリップ内での酵素反応によって発生する電流を血液グルコース値に変換する。

一部の糖尿病患者は、自分のグルコースレベルを所望の範囲内に維持するために、糖尿病処置用のインシュリンを必要とする。これらの「インシュリンに依存する」糖尿病患者は、従来、皮下注射器を介して、又は、「インシュリンペン」として知られる特製注射器によって自分自身にインシュリン１回分を投与してきた。これらの注入方法は、適切な時に、且つ、適切な全投薬量でインシュリンを送出することができるが、送出の単一ボーラスの態様は、体内でのインシュリン産出の生理的分布と異なり、より長い時間経過にわたって、低いレートのインシュリンが血流内に入ることを必要とする。ごく最近利用可能になった技術は、インシュリンポンプによって示される。これらの装置は、インシュリンをより生理的な方法で送出し、複数回の測定された量のインシュリンが、長い期間にわたってゆっくりと注入されるため、大きな治療的価値を提供する。さらに、１日の間に、ユーザに一層優れたグルコース制御を与えるために、標準又は個々に修正されたプロトコルに従うように、インシュリンが送出されるレートがプログラムされることができる。インシュリンポンプは、サイズが小さくなるように、商業的に発展してきており、それが、より容易な可搬性及び非閉塞性を提供し、電子工学の進歩によって、インシュリンポンプは、より十分な性能を持つように発展してきており、それによって、性能向上が可能である。健康管理の質及びユーザの利便性の点おける、これらの種々の利点は、インシュリンポンプ市場の成長を支えてきた。

糖尿病患者及び特にインシュリンポンプのユーザは、通常、ストリップと計量器のグルコース試験キットを常に携帯するため、自分自身の血液グルコースレベルを１日の間に確認することができる。インシュリン投与のより新しい技術とグルコース測定のより新しい技術を組み合わせることにより、ユーザに利便性を提供することができることが認識されてきた。こうした一体化した組み合わせは、特許文献１に示されており、血液グルコース
を測定する機構を、インシュリンポンプのハウジング内に構築することができることを教示する。この特許はさらに、組み合わせ式のグルコース測定とポンプシステムにより、ユーザが、（１）グルコース値を得ること、（２）グルコース値を、ポンプハウジング内のマイクロプロセッサベースの電気回路に入力すること、（３）デフォルトのプロトコル又は目下使用中のインシュリン送出プロトコルに対する推奨される修正を計算するように電気回路に指示すること、及び、（４）新しく推奨されたプロトコルか、元のデフォルトのインシュリン送出プロトコルのいずれかを選択することを可能にすることができることを教示する。

こうしたグルコース測定／インシュリンポンプの組み合わせの利点は、長年にわたって、特許文献において知られてきたが、実際には、こうした装置は市販されてこなかった。この考えが市場において実現されないままである１つの基本的な理由は、ポンプのユーザがポンプを取り外すことなくシャワーを浴び、且つ泳ぐことを可能にする、今や標準であり、期待された、ポンプの防水機能を必要とするためである。一方、グルコースストリップ試験装置の耐水性は、ストリップポート自体が、グルコース検知装置内の空間と外部環境との間の必要な開口のある接続であるため、もともと問題がある。そのため、グルコースストリップ試験機能をインシュリンポンプに完全に一体化することにより、ポンプの望ましい防水性機能が取り除かれることになる。こうしたことは、特許文献１に示されるタイプによる装置の場合に当てはまり、水気のある環境に曝される場合、ポンプハウジング内の試験ストリップ開口を通して水が入ることが可能であり、水は、ポンプの電子回路及び／又は機械部分に損傷を与える可能性がある。

他の実用的な要素もまた、組み合わせ装置が市場に出ることをできなくさせる一因となる場合がある。インシュリンポンプは、費用がかかるが、市場において十分に立証されつつある。ポンプユーザは、自分達の初期選択に忠実であろうとする傾向がある。対照的に、グルコース計量器は、取得するのにあまり費用がかからず（グルコース計量器は、無料でユーザに提供されることが多い）、ユーザは、計量器の銘柄を交換することがかなり多い。そのため、こうした一体式組み合わせ装置の設計時に、ポンプ製造業者は、ポンプ製品の通常の寿命中に、技術が、競合力をなくすか、又は、旧式にさえなる可能性があるという懸念と直面しながら、特定の血液グルコース測定技術に委ねる必要があるであろう。最後に、ポンプ製造業者は、ポンプユーザが小さく且つ目立たないポンプに関心があることを非常によく知っている。明らかに、２つの装置を組み合わせることは、ポンプハウジングのサイズを増加させるにすぎず、そのため、小さいほど良いという考えを採用してきた市場では、ポンプがおそらくは魅力のないものになる。
米国特許第５，６６５，０６５号

治療装置及び市場の考察に関連する、こうした種々の技術的要素を考慮すると、物理的一体化に関連する現実的な欠点をそれでも回避する構成で、グルコース測定装置とインシュリンポンプを機能的に組み合わせたものの利益及び性能を、インシュリンポンプユーザに提供することが望ましいであろう。

［発明の概要］
２つの主要な構成要素、グルコース測定モジュール及びインシュリンポンプが、迅速取り付け及び離脱機構によって一緒に保持される、組み合わせ式のグルコース測定及びインシュリンポンプ装置が提供される。グルコース測定モジュールとインシュリンポンプの間の通信は無線モダリティによる。グルコース測定モジュールは、サンプル中のグルコースレベルを決定し、データをインシュリンポンプに無線送信し、データは、メモリに記憶さ
れ、インシュリンポンプ上でのビジュアル表示のために、また、ポンプによる患者へのインシュリン注入レートについての適切なプロトコルの選択に組み入れるために利用可能である。

本発明の特徴は、好ましくは、血液サンプル中のグルコースの酵素電気化学的検出用のグルコース測定回路を含むグルコース測定モジュールである。モジュールは、ユーザがインシュリンポンプハウジングからモジュールをすぐに取り付け及び取り外しすることを可能にする迅速取り付け及び離脱留め具を含む。モジュールはさらに、モジュール内で決定されたグルコース値に関連するデータを、取り付けられたインシュリンポンプに、たとえば、赤外放射によって無線送信する回路を含む。モジュールは、ディスプレイ又は制御ボタンを含む必要がないため、安く製造することができるが、代わりに、インシュリンポンプ上の制御部及びディスプレイに依存することができる。

次に、本発明を、図を参照することによって述べる。図では、同じ参照符号及び名称は、いくつかの図を通して対応する構造を示す。

［詳細な説明］
本発明は、グルコース測定装置とインシュリンポンプの機能的組み合わせから得られる装置であり、装置及びポンプは、迅速取り付け及び離脱機構によって接続される。図の概要として、図１Ａ〜図１Ｅは、グルコース測定装置部分又はモジュール部分の組み合わせを種々の図で示し、図２は、両者を一緒に取り付けるために配置される時の、互いに対して位置合わせされた、グルコース測定構成要素とインシュリンポンプ構成要素装置を示し、図３Ａ〜図３Ｃは、互いに取り付けられるか、又は、結合された構成の、２つの主要な装置構成要素、グルコースセンサ及びインシュリンポンプハウジングを種々の図で示す。

本発明では、グルコース測定装置は、ユーザのグルコースレベル（通常、血液サンプルからの）を決定し、その情報をインシュリンポンプへ無線送信する。インシュリンポンプは、次に、無線送信されたデータを受け取り、マイクロプロセッサを通して、記憶用のメモリ内にデータを入れ、メモリから、データがディスプレイに送出されることができる、且つ／又は、ポンプ性能を制御する時に利用されることができる。本発明に対する設計要件及び制約に言及すると、本発明のグルコース測定装置部分は、できる限り小さく、測定装置とポンプの組み合わせのサイズを最小にするように特別に形作られることが重要である。好ましい実施形態において、測定装置がディスプレイを含む必要がないことは、本発明の範囲内である。こうして、装置は、より安価に製造され、そのサイズを最小にすることができる。しかしながら、ポンプとの組み合わせにおいて、測定装置からポンプへ送出されるデータは、既存のポンプディスプレイ上に表示されることができる。モジュールが、大きい又は高価なディスプレイを含む必要はないが、モジュールが「スタンドアローン」ユニットとして使用される時に、決定されるグルコースレベルをユーザに通知する一部の能力を含むことがそれでも有利である場合がある。たとえば、モジュールは、非常に低価格で小さい３デジットＬＣＤディスプレイを含み得る。別法として、モジュールは、ＬＥＤインジケータ光を含み得る（たとえば、所望の範囲外について赤、所望の範囲内について緑）。

図１Ａ〜図１Ｅは、グルコースセンサハウジング１１及び迅速取り付け／迅速離脱留め具１２を備えるグルコース測定モジュール１０を示す。留め具は、金属又はプラスチックを含む種々の材料又は両方を含む部品ででき得る。好ましい形態では、留め具１２は、インシュリンポンプハウジング（図２及び図３に示す）の上部にわたってその部分が延びる伸張部１３及びリップ／コネクタ部１４を含む。

図１Ａは、側面図でグルコース測定装置を示し、ハウジング１１の肉細の外形を強調する。試験ストリップポート１７もまた、モジュールの底部に見ることができる。留め具１２は、この実施形態では、グルコースセンサハウジング１１と一体で、且つ、隣接すするのが見られる。別法として、留め具１２の全て又は一部は、インシュリンポンプハウジングの部品を形成し、それでも、モジュール１０とインシュリンポンプハウジングが一緒にされると、ハウジング１１との接続部を形成することができる。本発明のさらに別の形態では、留め具１２は、モジュールハウジング１１とインシュリンポンプハウジングの両方から離れているが、両方に取り付けられた部品であることができる。

グルコースセンサハウジング１１は、小さく、且つ、好ましくは肉細の外形に嵌合するように構成することができる、当該技術分野でよく知られるタイプの任意のグルコース検知システムを収容する。こうしたシステムは、たとえば、ＦｒｅｅＳｔｙｌｅ（登録商標）の銘柄の下で、カルフォルニア州アラメダ(Alameda, California) のテラセンスインコーポレーション(TheraSense, Inc.)によって販売される電気化学グルコースストリップ及び計量検知システム、又は他のストリップ及び計量グルコース測定システムを含むことができる。そのため、ハウジングは、センサ電子回路、及び試験ストリップポート１７を介してアクセスされるストリップコネクタ（図示せず）を包含する。ハウジング１１は、通常、電池扉１５を介してアクセスされる１つ又は複数の電池も含むであろう。本発明の好ましい形態では、ハウジング１１は、無線データ送信ポート１６を含む。電池扉１５及びデータ送信ポート１６は、図１Ｂ（及び、図１Ａの外形）に示すように、ハウジングの一致表面と平坦に位置合わせされる外部表面を有するため、ハウジング１１は、ハウジング１１が取り付けられることになるインシュリンポンプハウジングと位置合わせされるように嵌合する。

本発明の組み合わせは、赤外放射の送信用のポートを含むことが必要であり、たとえば、グルコース検知モジュールからポンプまで送出されるデータは、ブルートゥース(BlueTooth) 、ＩＥＥＥ８０２．１１ｂなどの他の知られている通信プロトコル、又は他の無線プロトコルによって送信されることができる。しかしながら、本発明において、ポンプハウジング内のおそらくは水がアクセス可能な開口を有する必要が無いように、モジュールとポンプハウジング間での「ハード」接続部又は有線接続部を有することを回避する方法で、データが送出されることが重要である。すなわち、本発明は、ハウジングが、少なくとも防水性、好ましくは、耐水性であるという意味で、「 閉じている」 ハウジングを有するポンプと共に最も有利に使用される。

以下で詳細に述べるように、ハウジング１１内のグルコース検知システムは、試験ストリップポート１７を介したグルコース試験ストリップのグルコース検知システムへの接続によって電子的に作動される。別法として、検知システムは、グルコース計量器の場合に一般的であるように、ハウジング内に組み込むことができるオン／オフボタンによって作動することができる。しかしながら、図１〜図３に示す好ましい実施形態は、グルコース検知モジュールハウジング上に手動制御ボタンを有さない。そのため、この実施形態では、グルコース検知モジュールの機能の制御は、ポンプ及びモジュールマイクロプロセッサと連携して、ポンプハウジング上のユーザがアクセス可能な制御ボタンを介して行われる。

グルコース測定モジュール１０の正面図（図１Ｂ）において、ハウジング１１の相対幅及び全幅が明らかである。ハウジング１１の内面又は正面には、電池扉１５及び無線データ送信ポート１６が示される。この実施形態の無線送信モードは赤外（ＩＲ）である。グルコース測定モジュール１０の背面図（図１Ｃ）において、ハウジング１１と、迅速取り付け及び離脱留め具１２の伸張部１３との形状が示される。モジュール１０の図１Ｄの底面図は、ハウジング１１に対するストリップポート開口１７の位置を示す。図１Ｅは、セ
ンサハウジング１１が伸張部１３と接続する時の、センサハウジング１１の上側局面を示す。

留め具１２は、グルコース測定モジュール１０をインシュリンポンプハウジング２０に着脱式に結合する迅速取り付け及び離脱タイプである（以下の図２を参照されたい）。「
迅速取り付け及び離脱」 と同意の用語は、「 迅速接続」 、「 スナップオン」 、「
スナップフィット」 、及び「 クリックオン」 を含む。留め具１２によって与えられる
接続部は、２つの構成要素装置が、通常の使用中に結合したままにすることを確実にするのに十分であり、且つ、モジュールのデータ送信ポート１６とインシュリンポンプのＩＲデータ受信機ポート２１との間のＩＲ無線接続の安定性及びアライメントを維持するのに十分である機械的安定性を有する。留め具を介したこれらの構成要素の取り付け及び取り外しは、作用する指の力以外にはツールも手の使用も必要としない、迅速で且つ単純な性質を有する。さらに、好ましくは、接続及び取り外しステップは、実際に、それぞれ単一動作であり、接続の後に固定するステップが続いて起こる必要もなく、取り外しの前に必要とされるあらゆる固定離脱ステップも起こらない。

今述べて示している実施形態において、留め具１２は、一体式にグルコースセンサモジュール１１と連結し、インシュリンポンプハウジング２０を能動的に留める。しかしながら、述べたように、留め具は、代わりに、ポンプハウジング２０と一体式に連結することができ、その位置から、留め具はモジュール１１を留める。別法として、留め具は、グルコースセンサモジュールにもインシュリンポンプにも一体式に連結しないスタンドアローン部品であることができるが、２つの構成要素装置を一緒に留め、且つ、結合することが可能である。示す留め具の実施形態及び示す代替形態は、当該技術分野でよく知られている、迅速取り付け及び離脱機構の多数の変形の例に過ぎず、本明細書で示し、述べる例と機能的に等価であることになる。たとえば、モジュール／留め具の係合のために、ポンプハウジング２０上の突出部を使用することが有益である場合がある。特に、インシュリン注入セット及び電池キャップ（それぞれ、図３の２６及び２７として示す）のための取り付け具の一方又は両方は、こうした係合のためのアンカーとして使用されてもよい。

順に図を参照すると、図２は、分解された、斜視図の、組み合わせ式のグルコース測定装置とインシュリンポンプを示し、ポンプの内部機構及び電子回路は、明確にするために示されない。この図において、インシュリンポンプハウジングは、ハウジングの背面から前方に分解して示され、後壁の内部が露呈している。グルコースセンサモジュール１０及び例示的なインシュリンポンプハウジング２０の一実施形態は、正面から斜めに示され、互いに取り付けられた構成で位置合わせされているが、互いから外側に分解されている。この正面斜視図から、伸張部１３及びリップ部１４を有する留め具１２だけでなく、グルコースモジュール１０の電池レセプタクル扉１５及びＩＲ送信ポート１６が見える。インシュリンポンプハウジング２０は、後壁２２及び前面壁２３を含む。この図は、後壁２２の内部の局面を露出させるために、互いから離れて分解した後壁及び前壁を示し、そのため、その内部に収容される無線データ受信機ポート２１の位置を示す。グルコースセンサモジュール１０、及びインシュリンポンプハウジング２０上の無線データ受信機ポート２１は、グルコースセンサモジュールとインシュリンポンプが組み合わせ式装置の構成で一緒に留められて２つの無線ポートが互いに真正面で面するように物理的に位置合わせされることが図２でさらに示される。こうした真正面のアライメントは、ＩＲスペクトル範囲のデータのロバストな無線送受信をサポートするのに適している。

ハウジング２０の前面壁には、視覚画面２４及びポンプ制御ボタン２５が見える。これらの制御ボタンはまた、モジュールがハウジングに留められ、ＩＲ通信のためアライメントをとった状態にある時、グルコースセンサモジュールをも管理するのに使用される。無線通信は、こうしたアライメントを必要としない手段（ブルートゥースなど）を介して達
成することができるが、本実施形態は、こうしたアライメントを確実にする留め具を有さなければならない。これは、モジュールの取り付け具が、アライメント状態が存在する位置にのみあることを可能にするために、モジュール１０のリップ１４が係合する、ハウジング２０上のリップ係合部２８の幅に対する制限点すなわち「 停止部」 （図示せず）を含むことによって達成することができる。

インシュリンポンプハウジング２０は、好ましくは、内部機構及び電子回路を水の損傷作用から防護するために「 防水性」 である。「防水」は、種々の条件の水暴露下で水が物品又は機器の部品に浸入するのを防護することを言う。防水の程度を定量化するために、日本工業規格及び英国規格は共に、「０」〜「８」の範囲の尺度を使用し、両方のシステムの各レベルの定義は、互いに非常に似ている。明確にするために、定量化されるものは、水暴露のレベルであり、水が遮断される（これは絶対的である）程度ではない。インシュリンポンプハウジングの防水は、好ましくは、日本規格と英国規格の両方のレベル８に従う。そのため、「ＪＩＳ８」（日本工業規格）及び「ＩＰＸ８」（英国規格協会、水浸入規格(British Standards Institute, Water Intrusion Standards)) は、水没状況における防水を定義する。すなわち、製造業者によって指定された期間の間、深さ又は圧力において、機器が水中に連続して水没し（すなわち、浸され）ながら、水を遮断する。インシュリンポンプハウジングの防水についての典型的なレベル８仕様は、たとえば、３０分間８フィートの深さ、又は、３分間１２フィートの深さに水没した時の防水である。

図３Ａ〜図３Ｃは、組み合わされたグルコース測定モジュール及びインシュリンポンプを正面図（図３Ａ）、側面図（図３Ｂ）、及び背面図（図３Ｃ）で示す。正面図は、インシュリンポンプの機能表面又は対話式表面を示し、視覚画面２４及び制御ボタン２５が配置される。これらのディスプレイ及び制御要素は、装置ユーザインタフェースを表し、糖尿病患者が、グルコースセンサ情報を閲覧し、インシュリンポンプ及びグルコース検知システムの性能を制御することができる。この実施形態では、ポンプの一方の側面上には、よく知られているインシュリン注入ライン用の取り付け具２６及びねじタイプ電池カバー２７がある。正面図及び側面図には、リップ係合部２８が見える。側面図（図３Ｂ）は、グルコース測定モジュール１０に関する図１Ａに重複するが、インシュリンポンプハウジング２０並びに、取り付けられた、又は、結合した形態の組み合わせ式のグルコースモジュールとインシュリンポンプとを示す。背面図（図３Ｃ）は、グルコース測定モジュール１０の背面を前景に、インシュリンポンプ２０の背面を背景に示す。グルコースセンサモジュール１０、モジュールのストリップポート１７、及びグルコース測定装置の留め具部は、図１Ｃに既に示したように明らかである。この背面図において、ポンプハウジング２０の左側には、図３Ａにも示した、インシュリン注入ライン用の取り付け具２６並びに電池カバー２７が見える。

上述した、グルコース測定モジュール１０とインシュリンポンプ間の無線通信に関して、モダリティは、好ましくは、ＩｒＤＡデータプロトコルを使用して伝送される赤外（ＩＲ）光である。このモダリティは、高速、短距離、見通し線、ポイント−ツー−ポイント無線データ転送に適する。赤外データ伝送の特徴は、赤外データ協会(Infrared Data Association) のウェブサイト上に完全に述べられている（http://www.irda.org/）。ＩｒＤＡデータは、相互使用可能なユニバーサル２方向無線ＩＲ伝送ポートの規格を規定する。この技術は、普及しており、３億を超える電子装置内にインストールされており、その多くは、デルテックインコーポレーション(Deltec, Inc.)（ミネソタ州セントポール(St. Paul, MN)）によって製造されたＤｅｌｔｅｃ Ｃｏｚｍｏ（商標）ポンプなどのインシュリンポンプを含む、可搬型又は手持ち式の種類である。

本発明に関して、概説すると、無線データは、グルコース測定モジュールのデータ送信ポート１６と、インシュリンポンプのデータ受信機ポート２１との間で転送され、これら
ポートは、グルコース測定モジュールとインシュリンポンプが本発明の構成で一緒に取り付けられると、接近した並置状態で位置合わせされる。これらのデータポートは、２方向送受信機であり、グルコース測定モジュールからインシュリンポンプにかけての信号の流れの主要な方向があるために、ポートは、「 送信」 （グルコース測定モジュールポートの場合）及び「 受信」 （インシュリンポンプの場合）と呼ばれる。しかしながら、実際には、インシュリンポンプからグルコース測定モジュールへ戻る一部の情報の送信が存在し、その送信は、個々のコンポーネント間においてセキュアで、相互の、特定の認識を確立する時に特に重要である。

実際には、本発明の組み合わせ式のグルコース測定及びインシュリンポンプ装置は、ここで手短に述べる方法で動作する。本発明の通常のユーザは、インシュリン注入ポンプを使用し、自分の血液グルコースレベルを１日当たり複数回チェックするインシュリンに依存する糖尿病患者であるであろう。最初に、患者は、グルコース測定装置とインシュリンポンプを互いに適切に取り付けるか、又は、結合させることを確実にし、その後、グルコース試験ストリップをグルコース測定モジュール１０のストリップポート１７内に挿入する。グルコース測定モジュール内で、ストリップとグルコースストリップコネクタ（図示せず）との電気接続は、ストリップとモジュールの内部電子回路との間の電気接続を提供する。グルコースストリップとグルコースストリップコネクタとの間でこうして接触すると（ストリップの導電部とコネクタの導電部の間での接続を介した特定のユーザ相互作用が無い状態か、ポンプ上の制御ボタン２５を手動で使用する状態のいずれかで）、モジュール及びポンプ内のソフトウェアが作動して、グルコース試験ストリップから電気データを受け取る準備ができる。グルコース測定モジュールの作動によって、モジュール内の電子回路が、無線送信ポート１６を通して信号を送信し、信号は、次に、インシュリンポンプのデータ受信機ポート２１を通して受信され、こうした作動は、ポンプの画面２４上に示される。グルコースストリップの対向する端部は、グルコースモジュールから外に突出したままである。

次に、患者は、皮膚穿刺装置又はランセットを使用して小容積の血液サンプルを得る。ランセットの操作及びグルコースレベル決定手法の詳細は、参照により本明細書に援用される、米国特許第６，１４３，１６４号及び第６，３３８，７９０号に完全に記載される。患者は、その後、グルコース試験ストリップの露出した縁部を、ランセット穿刺部位に現れる血液滴と接触させ、血液は、グルコースストリップ内のサンプル室内に移動する。試験ストリップ内の電子機構は、サンプル室内に十分なサンプル容積が収容されると検知し、信号が、上述したように、グルコース測定モジュールからインシュリンポンプへ無線送信され、この十分な容積の通知が、その後、インシュリンポンプのディスプレイ上に現れる。グルコース試験ストリップ内の電気化学プロセスは、その後、サンプル内のグルコースレベルを決定することに進み、こうしたデータは、次に、グルコースモジュールからインシュリンポンプへ無線送信され、インシュリンポンプにおいて、データは、電子メモリに記憶され、インシュリンポンプディスプレイ上に表示され、後で取り出すために利用可能である、且つ／又は、インシュリンポンプの機能を制御する他の電子プロセスに入力するために利用可能である。ポンプディスプレイ上に現れる情報が、データ転送が完了したことを示すと、ユーザは、グルコース試験ストリップを取り出し、廃棄する。ポンプのタイプ及び製造業者の詳細並びに特定のポンプ使用方法に従って、ユーザは、自分の医療介護のより大きな状況内でグルコースデータを利用することに進むことができる。

本発明は、種々の特定の、且つ、好ましい実施形態及び技法を参照して述べられた。しかしながら、本発明の精神及び範囲内に留まりながら、多くの変形及び変更が行われてもよいことが、当業者には明らかになるであろう。

本発明のグルコース測定モジュールの側面図。 本発明のグルコース測定モジュールの正面図。 本発明のグルコース測定モジュールの背面図。 本発明のグルコース測定モジュールの底面図。 本発明のグルコース測定モジュールの上面図。 インシュリンポンプハウジングから離れているが、それに関連付けられているグルコース測定モジュールの正面図。 組み合わせ式のグルコース測定モジュールとインシュリンポンプハウジングの組み合わせの正面図。 組み合わせ式のグルコース測定モジュールとインシュリンポンプハウジングの組み合わせの側面図。 組み合わせ式のグルコース測定モジュールとインシュリンポンプハウジングの組み合わせの背面図。

Claims (13)

1. グルコース検知及びインシュリン送出システムであって、
   グルコースセンサモジュールと、
   視覚画面を含むインシュリンポンプと、
   前記グルコースセンサモジュールと前記インシュリンポンプを着脱式に結合させる迅速取り付け及び離脱機構と、
   前記グルコースセンサモジュールと前記インシュリンポンプの間でデータを送信する無線データ通信システムとを備える、グルコース検知及びインシュリン送出システム。
2. 前記迅速取り付け及び離脱機構は、前記グルコースセンサモジュールと一体に形成される、請求項１に記載のグルコース検知及びインシュリン送出システム。
3. 前記無線データ通信システムは、前記モジュール内に赤外送信機／受信機、並びに、前記インシュリンポンプ内に赤外送信機／受信機を備える、請求項１に記載のグルコース検知及びインシュリン送出システム。
4. 前記視覚画面が単一視覚画面である、請求項１に記載のグルコース検知及びインシュリン送出システム。
5. 前記モジュールは、視覚画面を有しない、請求項１に記載のグルコース検知及びインシュリン送出システム。
6. 前記インシュリンポンプはハウジングを備え、該ハウジングは、その上に制御ボタンを搭載する、請求項１に記載のグルコース検知及びインシュリン送出システム。
7. 前記グルコースモジュールの動作を制御する制御手段を備え、該制御手段は、前記インシュリンポンプ上に搭載された制御ボタンを備える、請求項１に記載のグルコース検知及びインシュリン送出システム。
8. 前記インシュリンポンプは、防水性ハウジングを備える、請求項１に記載のグルコース検知及びインシュリン送出システム。
9. グルコースセンサモジュールであって、
   グルコースセンサモジュールハウジングと、該ハウジング内の、
   グルコース試験ストリップコネクタと、
   該コネクタを介してグルコース試験ストリップからのデータを受け取り、前記ストリップ内のサンプルに基づくグルコース値に関連するデータを決定するマイクロプロセッサ手段と、
   前記データを受け取るために前記マイクロプロセッサと通信し、前記モジュールから前記データを無線で送信する無線データ伝送システムと、
   インシュリンポンプとの、前記モジュールの取り外し可能な取り付けを可能にするように形作られた機械式留め具と、
   前記ハウジング内のグルコース試験ストリップポート開口とを備える、グルコースセンサモジュール。
10. ビジュアルディスプレイを備える、請求項９に記載のグルコースセンサモジュール。
11. 前記無線データ伝送システムは、赤外送信機／受信機と短距離無線周波数送信機／受信機のうちの一方を備える、請求項９に記載のグルコースセンサモジュール。
12. 前記グルコース試験ストリップは、電気化学酵素バイオセンサである、請求項９に記載のグルコースセンサモジュール。
13. モジュール式のグルコース測定モジュールとインシュリンポンプの組み合わせを使用して、糖尿病のグルコースレベルを測定する方法であって、
    （ａ）迅速取り付け及び離脱機構を備える機械式留め具を使用して、血液サンプル中のグルコースを測定する手段を備えるグルコース測定モジュールを、防水性インシュリンポンプハウジングに取り付けるステップと、
    （ｂ）前記モジュール内にグルコース試験ストリップを挿入するステップと、
    （ｃ）該グルコース試験ストリップを血液サンプルに接触させるステップと、
    （ｄ）前記モジュール内のマイクロプロセッサを使用して、前記サンプルに基づくグルコース値に関連するデータを決定するステップと、
    （ｅ）該データを、前記モジュールから前記インシュリンポンプへ無線で送信し、且つ、前記ポンプ内のマイクロプロセッサを使用して、前記データをグルコース値に変換するステップと、
    （ｆ）前記グルコース値を、前記ポンプ上のディスプレイ上に表示するステップと、
    （ｇ）前記ポンプハウジングから前記留め具及び前記モジュールを外すステップとを備える、糖尿病のグルコースレベルを測定する方法。

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