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JP4848956B2 - 露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、投影光学系を介して基板を露光する露光装置及びデバイス製造方法に関するものである。
本願は、2004年11月1日に出願された特願2004−318017号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
半導体デバイスや液晶表示デバイス等のマイクロデバイスの製造工程の一つであるフォトリソグラフィ工程では、マスク上に形成されたパターンの像を感光性の基板上に投影する露光装置が用いられる。この露光装置は、マスクを支持するマスクステージと基板を支持する基板ステージとを有し、マスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながらマスクのパターンの像を投影光学系を介して基板に投影するものである。また、このような露光装置には、スループットの向上等を目的として、投影光学系の像面側で互いに独立して移動可能な2つのステージを備えたものもある。マイクロデバイスの製造においては、デバイスの高密度化のために、基板上に形成されるパターンの微細化が要求されている。この要求に応えるために露光装置の更なる高解像度化が望まれている。その高解像度化を実現するための手段の一つとして、下記特許文献1に開示されているような、投影光学系と基板との間を液体で満たして液浸領域を形成し、その液浸領域の液体を介して露光処理を行う液浸露光装置が案出されている。
国際公開第99/49504号パンフレット
液浸露光装置においては、例えばメンテナンス時など、液浸領域の液体を全て回収したい場合がある。そのような場合、液体が回収しきれずに残留すると、残留した液体が露光装置を構成する各種機器に飛散してその機器に影響を及ぼす虞がある。また、残留した液体により、露光装置の置かれている環境(湿度等)が変動し、露光精度や計測精度に影響を及ぼす虞がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、液体の残留を抑制して所望の性能を維持できる露光装置、及びデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す図1〜図15に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、投影光学系(PL)を介して基板(P)を露光する露光装置において、投影光学系(PL)の像面側において像面とほぼ平行な2次元平面内(XY平面内)で、基板(P)を保持して移動可能な第1ステージ(ST1)と、投影光学系(PL)の像面側において像面とほぼ平行な2次元平面内(XY平面内)で、第1ステージ(ST1)とは独立して移動可能な第2ステージ(ST2)と、第1ステージ(ST1)及び第2ステージ(ST2)の少なくとも一方のステージの上面(F1、F2)に液体(LQ)の液浸領域(LR)を形成する液浸機構(12など)とを備え、第2ステージ(ST2)の上面(F2)又はその近傍に、液体(LQ)を回収可能な回収口(51)が設けられている露光装置(EX)が提供される。
本発明の第1の態様によれば、投影光学系の像面側に配置された第2ステージの上面又はその近傍に、液体を回収する回収口を設けたので、液体を良好に回収することができ、液体が残留することを抑制できる。
本発明の第2の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、所望の性能を維持した露光装置で、デバイスを製造することができる。
本発明によれば、液体の残留を抑制し、精度良く露光処理及び計測処理することができる。
第1の実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。 基板ステージの断面図である。 基板ステージの平面図である。 計測ステージの断面図である。 計測ステージの平面図である。 基板ステージ及び計測ステージを上方から見た平面図である。 基板ステージ及び計測ステージの動作を説明するための図である。 基板ステージ及び計測ステージの動作を説明するための図である。 基板ステージ及び計測ステージの動作を説明するための図である。 基板ステージ及び計測ステージの動作を説明するための図である。 液浸領域を移動している状態を説明するための図である。 液浸領域の液体を回収している状態を説明するための図である。 第2の実施形態に係る露光装置を示す図である。 第3の実施形態に係る露光装置を示す図である。 第4の実施形態に係る露光装置を示す図である。 第5の実施形態に係る露光装置を示す図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
符号の説明
1…液浸機構、10…液体供給機構、12…供給口、20…液体回収機構、22…回収口、50…回収機構、51…回収口、52…流路、53…真空系、54…凹部、55…溝部、56…撥液性部材、57…液体回収部材、70…ノズル部材、CONT…制御装置、EX…露光装置、F1…上面、F2…上面、H1…オーバーハング部(凸部)、LQ…液体、LR…液浸領域、P…基板、PH…基板ホルダ、PH1…第1保持部、PH2…第2保持部、PL…投影光学系、SD…駆動機構、ST1…基板ステージ、ST2…計測ステージ、T…プレート部材
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態に係る露光装置を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージMSTと、基板Pを保持して移動可能な基板ステージST1と、露光処理に関する計測を行う計測器を搭載して移動可能な計測ステージST2と、マスクステージMSTに保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板ステージST1に保持されている基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。基板ステージST1及び計測ステージST2のそれぞれは、ベース部材BP上に移動可能に支持され、互いに独立して移動可能となっている。基板ステージST1の下面U1には、ベース部材BPの上面BTに対して基板ステージST1を非接触支持するための気体軸受141が設けられている。同様に、計測ステージST2の下面U2にも、ベース部材BPの上面BTに対して計測ステージST2を非接触支持するための気体軸受142が設けられている。基板ステージST1及び計測ステージST2のそれぞれは、投影光学系PLの像面側において、その像面とほぼ平行な2次元平面内(XY平面内)で互いに独立して移動可能となっている。
本実施形態の露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、投影光学系PLの像面側に液体LQの液浸領域LRを形成するための液浸機構1を備えている。液浸機構1は、投影光学系PLの像面側近傍に設けられ、液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22を有するノズル部材70と、ノズル部材70に設けられた供給口12を介して投影光学系PLの像面側に液体LQを供給する液体供給機構10と、ノズル部材70に設けられた回収口22を介して投影光学系PLの像面側の液体LQを回収する液体回収機構20とを備えている。ノズル部材70は、投影光学系PLの像面側先端部を囲むように環状に形成されている。液浸機構1は、少なくともマスクMのパターン像を基板P上に投影している間、液体供給機構10から供給した液体LQにより投影光学系PLの投影領域ARを含む基板P上の一部に、投影領域ARよりも大きく且つ基板Pよりも小さい液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。具体的には、露光装置EXは、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子LS1の下面LSAと、投影光学系PLの像面側に配置された基板P上面の一部との間の光路空間を液体LQで満たす局所液浸方式を採用し、液浸領域LRを形成する液体LQと投影光学系PLとを介してマスクMを通過した露光光ELを基板Pに照射することによってマスクMのパターンを基板Pに投影露光する。
また、液浸機構1は、基板Pの上面のみならず、基板ステージST1の上面F1及び計測ステージST2の上面F2の少なくとも一方に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成することができる。そして、計測ステージST2には、液浸領域LRの液体LQの少なくとも一部を回収可能な回収口51が設けられている。
なお、液浸機構1は、本実施形態に開示されたものに限られず、種々の形態を採用することができる。例えば、米国特許公開第2004/0160582号公報に開示されているような液浸機構を採用することができる。
本実施形態では、露光装置EXとしてマスクMと基板Pとを走査方向における互いに異なる向き(逆方向)に同期移動しつつマスクMに形成されたパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)を使用する場合を例にして説明する。以下の説明において、水平面内においてマスクMと基板Pとの同期移動方向(走査方向)をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向(非走査方向)、X軸及びY軸方向に垂直で投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。なお、ここでいう「基板」は半導体ウエハ等の基材上に感光材(レジスト)を塗布したものを含み、「マスク」は基板上に縮小投影されるデバイスパターンを形成されたレチクルを含む。
基板ステージST1及び計測ステージST2のそれぞれは、リニアモータ等を含む駆動機構SDの駆動によって移動可能となっている。制御装置CONTは、駆動機構SDを制御することで、投影光学系PLの直下を含む所定領域内で、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2とが近接又は接触した所定状態を維持しつつ、それら基板ステージST1と計測ステージST2とをXY平面内で一緒に移動することができる。制御装置CONTは、基板ステージST1と計測ステージST2とを一緒に移動することによって、基板ステージST1の上面F1及び計測ステージST2の上面F2のうち少なくとも一方と投影光学系PLとの間で液体LQを保持した状態で、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2との間で液浸領域LRを移動することができる。
また、基板ステージST1の+Y側には、計測ステージST2に向かって突出する凸部(オーバーハング部)H1が設けられ、計測ステージST2の−Y側には、オーバーハング部H1に対応する凹部54が設けられている。なお、オーバーハング部H1は、基板ステージST1の−Y側にも設けられている。そして、基板ステージST1の上面のうち+Y側の領域と、計測ステージST2の上面のうち−Y側の領域とが近接又は接触するようになっている。本実施形態においては、基板ステージST1の+Y側にはオーバーハング部H1が設けられ、計測ステージST2の−Y側には凹部54が設けられているため、基板ステージST1の上面のオーバーハング部H1近傍の領域と、計測ステージST2の上面の凹部54近傍の領域とが、互いに近接又は接触する。そして、回収口51は、計測ステージST2の基板ステージST1の上面と近接又は接触する領域の近傍、具体的には、凹部54の内側に設けられている。
ここで、基板ステージST1と計測ステージST2とが「近接した状態」とは、液浸領域LRを基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2との間で移動したときに、基板ステージST1と計測ステージST2との間から液体LQが漏れ出ない程度に近接した状態を言い、両ステージST1、ST2の間隔の許容値は、両ステージの材質や表面処理、あるいは液体LQの種類等により異なる。
照明光学系ILは、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、及び露光光ELによるマスクM上の照明領域を設定する視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。本実施形態においてはArFエキシマレーザ光が用いられる。
本実施形態においては、液体LQとして純水が用いられている。純水は、ArFエキシマレーザ光のみならず、例えば、水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。
マスクステージMSTは、マスクMを保持して移動可能である。マスクステージMSTは、マスクMを真空吸着(又は静電吸着)により保持する。マスクステージMSTは、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含む駆動機構MDの駆動により、マスクMを保持した状態で、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微少回転可能である。マスクステージMST上には移動鏡31が設けられている。また、移動鏡31に対向する位置にはレーザ干渉計32が設けられている。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置、及びθZ方向の回転角(場合によってはθX、θY方向の回転角も含む)はレーザ干渉計32によりリアルタイムで計測される。レーザ干渉計32の計測結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計32の計測結果に基づいて駆動機構MDを駆動し、マスクステージMSTに保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターンを所定の投影倍率βで基板Pに投影するものであって、複数の光学素子で構成されており、それら光学素子は鏡筒PKで保持されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4、1/5、あるいは1/8の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。投影光学系PLを構成する複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い第1光学素子LS1は、鏡筒PKより露出している。
基板ステージST1は、基板Pを保持する基板ホルダPHと、その基板ホルダPHに保持されたプレート部材Tとを有し、その基板ホルダPHを投影光学系PLの像面側で移動可能である。基板ホルダPHは、例えば真空吸着等により基板Pを保持する。基板ステージST1は、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含む駆動機構SDの駆動により、基板Pを基板ホルダPHを介して保持した状態で、投影光学系PLの像面側において、投影光学系PLの像面とほぼ平行なXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。更に基板ステージST1は、Z軸方向、θX方向、及びθY方向にも移動可能である。したがって、基板ステージST1に保持された基板Pの上面は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。基板ステージST1の側面には移動鏡33が設けられている。また、移動鏡33に対向する位置にはレーザ干渉計34が設けられている。基板ステージST1上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計34によりリアルタイムで計測される。また、露光装置EXは、例えば特開平8−37149号公報に開示されているような、基板ステージST1に支持されている基板P上面の面位置情報を検出する斜入射方式のフォーカス・レベリング検出系(不図示)を備えている。フォーカス・レベリング検出系は、基板P上面の面位置情報(Z軸方向の位置情報、及び基板PのθX及びθY方向の傾斜情報)を検出する。なお、フォーカス・レベリング検出系は、静電容量型センサを使った方式のものを採用してもよい。レーザ干渉計34の計測結果は制御装置CONTに出力される。フォーカス・レベリング検出系の検出結果も制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、フォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて、駆動機構SDを駆動し、基板Pのフォーカス位置(Z位置)及び傾斜角(θX、θY)を制御して基板P上面を投影光学系PLの像面に合わせ込むとともに、レーザ干渉計34の計測結果に基づいて、基板PのX軸方向、Y軸方向、及びθZ方向における位置制御を行う。
計測ステージST2は、露光処理に関する計測を行う各種計測器(計測用部材を含む)を搭載して投影光学系PLの像面側で移動可能である。この計測器としては、例えば特開平5−21314号公報などに開示されているような、複数の基準マークが形成された基準マーク板、例えば特開昭57−117238号公報に開示されているように照度ムラを計測したり、特開2001−267239号公報に開示されているように投影光学系PLの露光光ELの透過率の変動量を計測するためのムラセンサ、特開2002−14005号公報に開示されているような空間像計測センサ、及び特開平11−16816号公報に開示されているような照射量センサ(照度センサ)が挙げられる。計測ステージST2の上面F2は、基板ステージST1の上面F1と同様、平坦面(平坦部)となっている。
本実施形態では、投影光学系PLと液体LQとを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光が行われるのに対応して、露光光ELを用いる計測に使用される上記のムラセンサ、空間像計測センサ、照射量センサなどでは、投影光学系PL及び液体LQを介して露光光ELを受光する。なお、各センサは、例えば光学系の一部だけが計測ステージST2に搭載されていてもよいし、センサ全体が計測ステージST2に配置されるようにしてもよい。
計測ステージST2は、制御装置CONTにより制御されるリニアモータ等を含む駆動機構SDの駆動により、計測器を搭載した状態で、投影光学系PLの像面側において、投影光学系PLの像面とほぼ平行なXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。更に計測ステージST2は、Z軸方向、θX方向、及びθY方向にも移動可能である。すなわち、計測ステージST2も、基板ステージST1と同様、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。計測ステージST2の側面には移動鏡37が設けられている。また、移動鏡37に対向する位置にはレーザ干渉計38が設けられている。計測ステージST2の2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計38によりリアルタイムで計測される。
投影光学系PLの先端近傍には、基板P上のアライメントマークと基準マーク板上の基準マークとを検出するオフアクシス方式のアライメント系ALGが設けられている。本実施形態のアライメント系ALGでは、例えば特開平4−65603号公報に開示されているような、基板P上の感光材を感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標(アライメント系ALG内に設けられた指標板上の指標パターン)の像とを撮像素子(CCD等)を用いて撮像し、それらの撮像信号を画像処理することでマークの位置を計測するFIA(フィールド・イメージ・アライメント)方式が採用されている。
また、マスクステージMSTの近傍には、投影光学系PLを介してマスクM上のアライメントマークと対応する基準マーク板上の基準マークとを同時に観察するための露光波長の光を用いたTTR方式のアライメント系からなる一対のマスクアライメント系RAa、RAbがY軸方向に所定距離隔てて設けられている。本実施形態のマスクアライメント系では、例えば特開平7−176468号公報に開示されているような、マークに対して光を照射し、CCDカメラ等で撮像したマークの画像データを画像処理してマーク位置を検出するVRA(ビジュアル・レチクル・アライメント)方式が採用されている。
次に、液浸機構1の液体供給機構10及び液体回収機構20について説明する。液体供給機構10は、液体LQを投影光学系PLの像面側に供給するためのものであって、液体LQを送出可能な液体供給部11と、液体供給部11にその一端部を接続する供給管13とを備えている。供給管13の他端部はノズル部材70に接続されている。ノズル部材70の内部には、供給管13の他端部と供給口12とを接続する内部流路(供給流路)が形成されている。液体供給部11は、液体LQを収容するタンク、加圧ポンプ、及び液体LQ中の異物を取り除くフィルタユニット等を備えている。液体供給部11の液体供給動作は制御装置CONTにより制御される。なお、タンク、加圧ポンプ、フィルタユニット等は、その全てを露光装置EXの液体供給機構10が備えている必要はなく、その少なくとも一部を、露光装置EXが設置されている工場等の設備で代用することもできる。
液体回収機構20は、投影光学系PLの像面側の液体LQを回収するためのものであって、液体LQを回収可能な液体回収部21と、液体回収部21にその一端部を接続する回収管23とを備えている。回収管23の他端部はノズル部材70に接続されている。ノズル部材70の内部には、回収管23の他端部と回収口22とを接続する内部流路(回収流路)が形成されている。液体回収部21は例えば真空ポンプ等の真空系(吸引装置)、回収された液体LQと気体とを分離する気液分離器、及び回収した液体LQを収容するタンク等を備えている。なお、タンク、真空系、気液分離器等は、その全てを露光装置EXの液体回収機構20が備えている必要はなく、その少なくとも一部を露光装置EXが設置されている工場等の設備で代用することもできる。
液体LQを供給する供給口12及び液体LQを回収する回収口22はノズル部材70の下面70Aに形成されている。ノズル部材70の下面70Aは、基板P上面、及びステージST1、ST2の上面F1、F2と対向する位置に設けられている。ノズル部材70は、第1光学素子LS1の側面を囲むように設けられた環状部材であって、供給口12は、ノズル部材70の下面70Aにおいて、投影光学系PLの第1光学素子LS1(投影光学系PLの光軸AX)を囲むように複数設けられている。また、回収口22は、ノズル部材70の下面70Aにおいて、第1光学素子LS1に対して供給口12よりも外側に離れて設けられており、第1光学素子LS1及び供給口12を囲むように設けられている。
そして、制御装置CONTは、液体供給機構10を使って基板P上に液体LQを所定量供給するとともに、液体回収機構20を使って基板P上の液体LQを所定量回収することで、基板P上に液体LQの液浸領域LRを局所的に形成する。液体LQの液浸領域LRを形成する際、制御装置CONTは、液体供給部11及び液体回収部21のそれぞれを駆動する。制御装置CONTの制御のもとで液体供給部11から液体LQが送出されると、その液体供給部11から送出された液体LQは、供給管13を流れた後、ノズル部材70の供給流路を介して、供給口12より投影光学系PLの像面側に供給される。また、制御装置CONTのもとで液体回収部21が駆動されると、投影光学系PLの像面側の液体LQは回収口22を介してノズル部材70の回収流路に流入し、回収管23を流れた後、液体回収部21に回収される。
次に、図2及び図3を参照しながら、基板ステージST1(基板ホルダPH)について説明する。図2は基板P及びプレート部材Tを吸着保持した状態の基板ホルダPHの側断面図、図3は基板ステージST1を上方から見た平面図である。
図2において、基板ホルダPHは、基材PHBと、基材PHBに形成され、基板Pを吸着保持する第1保持部PH1と、基材PHBに形成され、第1保持部PH1に保持された基板Pの周囲に、基板Pの上面Paとほぼ面一の上面Taを形成するプレート部材Tを脱着可能に保持する第2保持部PH2とを備えている。プレート部材Tは、基材PHBとは別の部材であって、基板ホルダPHの基材PHBに対して脱着(交換)可能に設けられている。また、図3に示すように、プレート部材Tは略環状部材であって、その中央部には、基板Pを配置可能な略円形状の穴部THが形成されている。そして、第2保持部PH2に保持されたプレート部材Tは、第1保持部PH1に保持された基板Pの周囲を囲むように配置される。本実施形態においては、基材PHBにプレート部材Tが吸着保持された状態を基板ステージST1と称する。
プレート部材Tは、液体LQに対して撥液性を有している。プレート部材Tは、例えばポリ四フッ化エチレン(テフロン(登録商標))等のフッ素系樹脂やアクリル系樹脂等の撥液性を有する材料によって形成されている。なお、プレート部材Tを金属等で形成し、その表面にフッ素系樹脂などの撥液性材料を被覆するようにしてもよい。
図2において、プレート部材Tの上面Ta及び下面Tbのそれぞれは平坦面(平坦部)となっている。また、プレート部材Tは基板Pとほぼ同じ厚さである。そして、第2保持部PH2に保持されたプレート部材Tの上面(平坦面)Taと、第1保持部PH1に保持された基板Pの上面Paとはほぼ面一となる。すなわち、第2保持部PH2に保持されたプレート部材Tは、第1保持部PH1に保持された基板Pの周囲に、その基板Pの上面Paとほぼ面一の平坦面Taを形成する。本実施形態においては、基板ステージST1の上面は、基板Pを保持したとき、保持した基板Pの上面Paを含めて、ほぼ全域において平坦面(フルフラット面)になるように形成されている。
プレート部材Tの外形は平面視矩形状に形成されており、基材PHBの外形よりも大きく形成されている。すなわち、第2保持部PH2に保持されたプレート部材Tの周縁部は、基材PHBの側面よりも外側に向かって突出したオーバーハング部(凸部)H1となっている。オーバーハング部H1のうち+Y側の領域は、計測ステージST2に向かって突出する凸部を形成している。本実施形態においては、オーバーハング部H1の上面を含むプレート部材Tの上面Taが、基板ステージST1の上面F1を形成している。そして、基板ステージST1の上面F1のうち+Y側の領域、すなわち+Y側のオーバーハング部H1の上面F1(Ta)と、計測ステージST2の上面F2のうち−Y側の領域とが近接又は接触するようになっている。
本実施形態においては、移動鏡33は、オーバーハング部H1の下側の領域に設けられている。これにより、液体LQが上面F1(Ta)から流出しても、オーバーハング部H1によって、移動鏡33に液体LQが付着することを防止できる。
図2及び図3に示すように、基板ホルダPHの第1保持部PH1は、基材PHB上に形成された凸状の第1支持部46と、第1支持部46の周囲を囲むように基材PHB上に形成された環状の第1周壁部42とを備えている。第1支持部46は、基板Pの下面Pbを支持するものであって、第1周壁部42の内側において複数一様に形成されている。本実施形態においては、第1支持部46は複数の支持ピンを含む。第1周壁部42は基板Pの形状に応じて平面視略円環状に形成されており、その第1周壁部42の上面42Aは基板Pの下面Pbの周縁領域(エッジ領域)に対向するように形成されている。第1保持部PH1に保持された基板Pの下面Pb側には、基材PHBと第1周壁部42と基板Pの下面Pbとで囲まれた第1空間131が形成される。
第1周壁部42の内側の基材PHB上には第1吸引口41が形成されている。第1吸引口41は基板Pを吸着保持するためのものであって、第1周壁部42の内側において基材PHBの上面のうち第1支持部46以外の複数の所定位置にそれぞれ設けられている。本実施形態においては、第1吸引口41は第1周壁部42の内側において複数一様に配置されている。第1吸引口41のそれぞれは流路45を介して第1真空系40に接続されている。第1真空系40は、基材PHBと第1周壁部42と基板Pの下面Pbとで囲まれた第1空間131を負圧にするためのものであって、真空ポンプを含む。上述したように、第1支持部46は支持ピンを含み、本実施形態における第1保持部PH1は所謂ピンチャック機構の一部を構成している。第1周壁部42は、第1支持部46を含む第1空間131の外側を囲む外壁部として機能しており、制御装置CONTは、第1真空系40を駆動し、基材PHBと第1周壁部42と基板Pとで囲まれた第1空間131内部のガス(空気)を吸引してこの第1空間131を負圧にすることによって、基板Pを第1支持部46に吸着保持する。
基板ホルダPHの第2保持部PH2は、第1保持部PH1の第1周壁部42を囲むように基材PHB上に形成された略円環状の第2周壁部62と、第2周壁部62の外側に設けられ、第2周壁部62を囲むように基材PHB上に形成された環状の第3周壁部63と、第2周壁部62と第3周壁部63との間の基材PHB上に形成された凸状の第2支持部66とを備えている。第2支持部66は、プレート部材Tの下面Tbを支持するものであって、第2周壁部62と第3周壁部63との間において複数一様に形成されている。本実施形態においては、第2支持部66も、第1支持部46同様、複数の支持ピンを含む。第2周壁部62は第1空間131に対して第1周壁部42の外側に設けられており、第3周壁部63は第2周壁部62の更に外側に設けられている。また、第2周壁部62は、プレート部材Tの穴部THの形状に応じて平面視略円環状に形成されている。第3周壁部63は、プレート部材Tの外側のエッジ部よりも内側において、平面視略矩形に形成されている。第2周壁部62の上面62Aは、プレート部材Tの下面Tbのうち、穴部TH近傍の内縁領域(内側のエッジ領域)に対向するように形成されている。第3周壁部63の上面63Aは、プレート部材Tの下面Tbのうち、外縁領域(外側のエッジ領域)よりもやや内側の領域に対向するように形成されている。第2保持部PH2に保持されたプレート部材Tの下面Tb側には、基材PHBと第2、第3周壁部62、63とプレート部材Tの下面Tbとで囲まれた第2空間132が形成される。
第2周壁部62と第3周壁部63との間における基材PHB上には第2吸引口61が形成されている。第2吸引口61はプレート部材Tを吸着保持するためのものであって、第2周壁部62と第3周壁部63との間において、基材PHBの上面のうち第2支持部66以外の複数の所定位置にそれぞれ設けられている。本実施形態においては、第2吸引口61は第2周壁部62と第3周壁部63との間において複数一様に配置されている。
第2吸引口61のそれぞれは、流路65を介して第2真空系60に接続されている。第2真空系60は、基材PHBと第2、第3周壁部62、63とプレート部材Tの下面Tbとで囲まれた第2空間132を負圧にするためのものであって、真空ポンプを含む。上述したように、第2支持部66は支持ピンを含み、本実施形態における第2保持部PH2も、第1保持部PH1同様、所謂ピンチャック機構の一部を構成している。第2、第3周壁部62、63は、第2支持部66を含む第2空間132の外側を囲む外壁部として機能しており、制御装置CONTは、第2真空系60を駆動し、基材PHBと第2、第3周壁部62、63とプレート部材Tとで囲まれた第2空間132内部のガス(空気)を吸引してこの第2空間132を負圧にすることによって、プレート部材Tを第2支持部66に吸着保持する。
なお、本実施形態においては、基板Pの吸着保持にはピンチャック機構を採用しているが、その他のチャック機構を採用してもよい。同様にして、プレート部材Tの吸着保持にはピンチャック機構を採用しているが、その他のチャック機構を採用してもよい。また、本実施形態においては、基板P及びプレート部材Tの吸着保持に真空吸着機構を採用しているが、少なくとも一方を静電吸着機構などの他の機構を用いて保持するようにしてもよい。
第1空間131を負圧にするための第1真空系40と、第2空間132を負圧にするための第2真空系60とは互いに独立している。制御装置CONTは、第1真空系40及び第2真空系60それぞれの動作を個別に制御可能であり、第1真空系40による第1空間131に対する吸引動作と、第2真空系60よる第2空間132に対する吸引動作とをそれぞれ独立して行うことができる。また、制御装置CONTは、第1真空系40と第2真空系60とをそれぞれ制御し、第1空間131の圧力と第2空間132の圧力とを互いに異ならせることもできる。
図2及び図3に示すように、第1保持部PH1に保持された基板Pの外側のエッジ部と、その基板Pの周囲に設けられたプレート部材Tの内側(穴部TH側)のエッジ部との間には、0.1〜1.0mm程度のギャップAが形成されている。本実施形態においては、ギャップAは0.3mm程度である。また、図3に示すように、本実施形態における基板Pには、位置合わせのための切欠部であるノッチ部NTが形成されている。ノッチ部NTにおける基板Pとプレート部材Tとのギャップも0.1〜1.0mm程度に設定されるように、基板Pの外形(ノッチ部NTの形状)に応じて、プレート部材Tの形状が設定されている。具体的には、プレート部材Tには、基板Pのノッチ部NTの形状に対応するように、穴部THの内側に向かって突出する突起部150が設けられている。これにより、ノッチ部NTを含む基板Pのエッジ部の全域とプレート部材Tとの間に、0.1〜1.0mm程度のギャップAが確保されている。また、第2保持部PH2の第2周壁部62及びその上面62Aには、プレート部材Tの突起部150の形状に応じた凸部62Nが形成されている。また、第1保持部PH1の第1周壁部42及びその上面42Aには、第2周壁部62の凸部62N及び基板Pのノッチ部NTの形状に応じた凹部42Nが形成されている。第1周壁部42の凹部42Nは、第2周壁部62の凸部62Nと対向する位置に設けられており、凹部42Nと凸部62Nとの間には所定のギャップが形成されている。
なおここでは、基板Pの切欠部としてノッチ部NTを例にして説明したが、切欠部が無い場合や、切欠部として基板Pにオリエンテーションフラット部が形成されている場合には、プレート部材T、第1周壁部42、及び第2周壁部62のそれぞれを、基板Pの外形に応じた形状にし、基板Pとその周囲のプレート部材Tとの間において所定のギャップAを確保するようにすればよい。
次に、図4及び図5を参照しながら計測ステージST2について説明する。上述のように、計測ステージST2は、露光処理に関する計測を行う計測器を搭載したものであって、上面F2は平坦面となっている。図5には、計測器(計測用部材)の一例として、複数の基準マークが形成された基準マーク板FM、ムラセンサ300、空間像計測センサ400が模式的に示されている。
計測ステージST2は、液体LQを回収可能な回収機構50を備えている。回収機構50は、計測ステージST2に設けられ、液体LQを回収可能な回収口51と、その回収口51に接続された流路52とを有し、流路52は真空系53に接続されている。なお回収口51と真空系53との間の流路52の途中には、回収された液体LQと気体とを分離する気液分離器(不図示)が設けられている。回収機構50は、真空系53を駆動することにより、回収口51を介して液体LQを回収可能である。回収口51より回収された液体LQは、流路52を流れた後、不図示のタンクに収容される。
計測ステージST2は、基板ステージST1のオーバーハング部H1に対応する凹部54を有している。凹部54は、計測ステージST2の上面のうち、基板ステージST1と近接又は接触する領域(−Y側の領域)に形成されており、計測ステージST2の上面F2の−Y側の一部を切り欠いて形成されている。更に、計測ステージST2の凹部54の内側には、X軸方向に延びる溝部55が形成されている。回収口51は、凹部54に形成された溝部55の内側に設けられている。図5に示すように、回収口51は平面視略円形状であり、溝部55の底面55Bにおいて、X軸方向に複数並んで設けられている。そして、それら複数の回収口51のそれぞれが、流路52を介して真空系53に接続されている。ここで、溝部55の底面55Bは+Z側を向く平面である。
凹部54(溝部55)は、計測ステージST2の上面のうち、基板ステージST1と近接又は接触する領域(−Y側の領域)に形成されているので、その凹部54(溝部55)の内側に形成された回収口51は、計測ステージST2の基板ステージST1と近接又は接触する領域の近傍に設けられている。
計測ステージST2の上面F2のうち、基板ステージST1(プレート部材T)のオーバーハング部H1と近接又は接触する領域は、撥液性部材56によって形成されている。撥液性部材56は、例えばポリ四フッ化エチレン(テフロン(登録商標))等のフッ素系樹脂あるいはアクリル系樹脂など、液体LQに対して撥液性を有する材料によって形成されている。また、撥液性部材56は、凹部54の内側の−Y側を向く壁面も形成している。撥液性部材56は、計測ステージST2に対して脱着(交換)可能となっている。
図6は基板ステージST1及び計測ステージST2を上方から見た図である。図6において、基板ステージST1及び計測ステージST2を駆動するため駆動機構SDは、リニアモータ80、81、82、83、84、85を備えている。駆動機構SDは、Y軸方向に延びる一対のY軸リニアガイド91、93を備えている。Y軸リニアガイド91、93のそれぞれは、X軸方向に所定間隔を隔てて配置されている。Y軸リニアガイド91、93のそれぞれは、例えばY軸方向に沿って所定間隔で且つ交互に配置されたN極磁石及びS極磁石の複数の組からなる永久磁石群を内蔵する磁石ユニットによって構成されている。一方のY軸リニアガイド91上には、2つのスライダ90、94が、非接触状態でY軸方向に移動可能に支持されている。同様に、他方のY軸リニアガイド93上には、2つのスライダ92、95が、非接触状態でY軸方向に移動可能に支持されている。スライダ90、92、94、95のそれぞれは、例えばY軸に沿って所定間隔で配置された電機子コイルをそれぞれ内蔵するコイルユニットによって構成されている。すなわち、本実施形態では、コイルユニットからなるスライダ90、94と磁石ユニットからなるY軸リニアガイド91とによって、ムービングコイル型のY軸リニアモータ82、84のそれぞれが構成されている。同様に、スライダ92、95とY軸リニアガイド93とによって、ムービングコイル型のY軸リニアモータ83、85のそれぞれが構成されている。
Y軸リニアモータ82、83を構成するスライダ90、92は、X軸方向に延びるX軸リニアガイド87の長手方向の一端部及び他端部のそれぞれに固定されている。また、Y軸リニアモータ84、85を構成するスライダ94、95は、X軸方向に延びるX軸リニアガイド89の長手方向の一端部及び他端部のそれぞれに固定されている。したがって、X軸リニアガイド87は、Y軸リニアモータ82、83によってY軸方向に移動可能であり、X軸リニアガイド89は、Y軸リニアモータ84、85によってY軸方向に移動可能である。
X軸リニアガイド87、89のそれぞれは、例えばX軸方向に沿って所定間隔で配置された電機子コイルを内蔵するコイルユニットによって構成されている。X軸リニアガイド89は、基板ステージST1に形成された開口部に挿入状態で設けられている。この基板ステージST1の開口部の内部には、例えばX軸方向に沿って所定間隔で且つ交互に配置されたN極磁石及びS極磁石の複数の組からなる永久磁石群を有する磁石ユニット88が設けられている。この磁石ユニット88とX軸リニアガイド89とによって、基板ステージST1をX軸方向に駆動するムービングマグネット型のX軸リニアモータ81が構成されている。同様に、X軸リニアガイド87は、計測ステージST2に形成された開口部に挿入状態で設けられている。この計測ステージST2の開口部には、磁石ユニット86が設けられている。この磁石ユニット86とX軸リニアガイド87とによって、計測ステージST2をX軸方向に駆動するムービングマグネット型のX軸リニアモータ80が構成されている。
そして、一対のY軸リニアモータ84、85(又は82、83)のそれぞれが発生する推力を僅かに異ならせることで、基板ステージST1(又は計測ステージST2)のθZ方向の制御が可能である。また、図では、基板ステージST1及び計測ステージST2のそれぞれは単一のステージとして示されているが、実際には、Y軸リニアモータによってそれぞれ駆動されるXYステージと、そのXYステージの上部にZレベリング駆動機構(例えばボイスコイルモータなど)を介して搭載され、XYステージに対してZ軸方向及びθX、θY方向に相対的に微小駆動されるZチルトステージとを備えている。そして、基板Pを保持する基板ホルダPH(図1参照)は、Zチルトステージに支持される。
以下、基板ステージST1と計測ステージST2とを用いた並行処理動作について、図6〜図8Bを参照しながら説明する。
図6に示すように、基板Pの液浸露光を行うとき、制御装置CONTは、計測ステージST2を、基板ステージST1と衝突しない所定の待機位置にて待機させる。そして、制御装置CONTは、基板ステージST1と計測ステージST2とを離した状態で、基板ステージST1に支持されている基板Pに対するステップ・アンド・スキャン方式の液浸露光を行う。基板Pの液浸露光を行うとき、制御装置CONTは、液浸機構1を使って、基板ステージST1上に液体LQの液浸領域LRを形成する。
制御装置CONTは、基板ステージST1において基板Pに対する液浸露光を終了した後、駆動機構SDを使って基板ステージST1及び計測ステージST2の少なくとも一方を移動し、図7Aに示すように、基板ステージST1の上面F1に対して計測ステージST2の上面F2を接触(又は近接)させる。より詳細には、基板ステージST1の上面F1(プレート部材T)の+Y側の直線エッジと、計測ステージST2の上面F2(撥液性部材56)の−Y側の直線エッジとを接触(又は近接)させる。
次に、制御装置CONTは、基板ステージST1と計測ステージST2とのY軸方向における相対的な位置関係を維持しつつ、駆動機構SDを使って、基板ステージST1と計測ステージST2とを−Y方向に同時に移動する。すなわち、制御装置CONTは、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2とを接触(又は近接)した所定状態を維持しつつ、投影光学系PLの直下の位置を含む所定領域内で、−Y方向に一緒に移動する。
制御装置CONTは、基板ステージST1と計測ステージST2とを一緒に移動することによって、投影光学系PLの第1光学素子LS1と基板Pとの間に保持されている液体LQを、基板ステージST1の上面F1から計測ステージST2の上面F2へ移動する。投影光学系PLの第1光学素子LS1と基板Pとの間に形成されていた液体LQの液浸領域LRは、基板ステージST1及び計測ステージST2の−Y方向への移動に伴って、基板P上面、基板ステージST1の上面F1、計測ステージST2の上面F2の順に移動する。そして、液体LQの液浸領域LRが、基板ステージST1の上面F1から計測ステージST2の上面F2で移動する途中においては、図7Bに示すように、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2とに跨っている。
図7Bの状態から、更に基板ステージST1及び計測ステージST2が一緒に−Y方向に所定距離移動すると、図8Aに示すように、投影光学系PLの第1光学素子LS1と計測ステージST2との間に液体LQが保持された状態となる。すなわち、液体LQの液浸領域LRが計測ステージST2の上面F2に配置される。
次いで、制御装置CONTは、駆動機構SDを使って基板ステージST1を所定の基板交換位置に移動するとともに、基板Pの交換を行う。また、これと並行して、計測ステージST2を使った所定の計測処理を必要に応じて実行する。この計測としては、アライメント系ALGのベースライン計測が一例として挙げられる。具体的には、制御装置CONTでは、計測ステージST2上に設けられた基準マーク板FM上の一対の第1基準マークとそれに対応するマスクM上のマスクアライメントマークとを上述のマスクアライメント系RAa、RAbを用いて同時に検出し、第1基準マークとそれに対応するマスクアライメントマークとの位置関係を検出する。これと同時に、制御装置CONTは、基準マーク板FM上の第2基準マークをアライメント系ALGで検出することで、アライメント系ALGの検出基準位置と第2基準マークとの位置関係を検出する。そして、制御装置CONTは、上記第1基準マークとそれに対応するマスクアライメントマークとの位置関係と、アライメント系ALGの検出基準位置と第2基準マークとの位置関係と、既知の第1基準マークと第2基準マークとの位置関係とに基づいて、投影光学系PLによるマスクパターンの投影中心とアライメント系ALGの検出基準位置との距離(位置関係)、すなわち、アライメント系ALGのベースライン情報を求める。図8Bには、このときの状態が示されている。
なお、マスクアライメント系による第1基準マークの検出、及びアライメント系ALGによる第2基準マークの検出は、必ずしも同時に実行される必要はなく、時系列的に実行してもよいし、第1基準マークの検出時の計測ステージST2の位置と第2基準マークの検出時の計測ステージST2の位置とが異なっていてもよい。
そして、上述した両ステージST1、ST2上における処理が終了した後、制御装置CONTは、例えば計測ステージST2の上面F2と基板ステージST1の上面F1とを接触(又は近接)させ、その相対的な位置関係を維持した状態で、XY平面内で移動し、交換後の基板Pに対してアライメント処理を行う。具体的には、制御装置CONTは、アライメント系ALGによって交換後の基板P上のアライメントマークの検出を行い、基板P上に設けられた複数のショット領域それぞれの位置座標(配列座標)を決定する。
その後、制御装置CONTは、先ほどとは逆に、基板ステージST1と計測ステージST2とのY軸方向の相対的な位置関係を維持しつつ、両ステージST1、ST2を+Y方向に一緒に移動して、基板ステージST1(基板P)を投影光学系PLの下方に移動した後、計測ステージST2を所定の位置に退避させる。これにより、液浸領域LRが基板ステージST1の上面F1に配置される。計測ステージST2の上面F2から基板ステージST1の上面F1へ液体LQの液浸領域LRを移動するときにも、液浸領域LRは、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2とに跨っている。
その後、制御装置CONTは、基板Pに対してステップ・アンド・スキャン方式の液浸露光動作を実行し、基板P上の複数のショット領域のそれぞれにマスクMのパターンを順次転写する。なお、基板P上の各ショット領域のマスクMに対する位置合わせは、上述の基板アライメント処理の結果得られた基板P上の複数のショット領域の位置座標と、直前に計測したベースライン情報とに基づいて行われる。
なお、アライメント処理は、基板ステージST1と計測ステージST2とが離れた状態で実行してもよいし、アライメント処理の一部の処理を基板ステージST1と計測ステージST2とが離れた状態で実行し、残りの処理を基板ステージST1と計測ステージST2とが接触(又は近接)した状態で実行するようにしてもよい。また、計測動作としては、上述のベースライン計測に限らず、計測ステージST2を使って、照度計測、照度ムラ計測、空間像計測などを、例えば基板交換と並行して行い、その計測結果に基づいて、例えば投影光学系PLのキャリブレーション処理を行う等、その後に行われる基板Pの露光に反映させるようにしてもよい。
本実施形態においては、1つの基板Pの露光終了後に、液体LQの全回収、再度の供給といった工程を経ることなく、次の基板Pの露光を開始することができるので、スループットの向上を図ることができる。また、基板ステージST1の基板交換動作中に、計測ステージST2で各種計測動作を実行し、その計測結果を、その後の基板Pの露光動作に反映させることができるので、計測動作に伴うスループットの低下を招くことなく、高精度の露光動作を実行することができる。また、投影光学系PLの像面側には、液体LQが常に存在するので、液体LQの付着跡(所謂ウォーターマーク)が発生することを効果的に防止できる。
図9は、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2とが近接(又は接触)した第1状態を維持しつつ、基板ステージST1と計測ステージST2とを一緒に移動している状態を示す図である。基板ステージST1と計測ステージST2とが図9に示す状態(第1状態)にあるときは、計測ステージST2の凹部54上に基板ステージST1のオーバーハング部H1が配置される。これにより、第1状態においては、凹部54の内側に設けられている回収口51は、オーバーハング部H1で塞がれた状態となる。また、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2とが互いに近接(又は接触)する領域の近傍は、それぞれプレート部材T及び撥液性部材56によって形成されており、撥液性を有している。したがって、基板ステージST1(プレート部材T)の上面F1と計測ステージST2(撥液性部材56)の上面F2との間のギャップG1上に液浸領域LRの液体LQが配置された場合であっても、液体LQの表面張力によって、ギャップG1を介して液体LQが漏出する不都合の発生を抑制できる。なお、プレート部材Tや撥液性部材56は交換可能に設けられているので、使用する液体LQの種類(物性)に応じて、ギャップG1から液体LQが漏出しないように、最適な物性を有する材料からなるプレート部材T及び撥液性部材56をステージST1、ST2に設けることができる。また、各部材の撥液性能が劣化した場合にも交換することができる。
また、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2とを近接(又は接触)した所定状態において、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2とはほぼ面一となるため、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2との間で液体LQの液浸領域LRを良好に移動することができる。
そして、制御装置CONTは、回収口51をオーバーハング部H1で塞いだ状態で、基板ステージST1と計測ステージST2とを一緒に移動することによって、基板ステージST1の上面F1及び計測ステージST2の上面F2の少なくとも一方と投影光学系PLとの間で液体LQを保持した状態で、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F1との間で液浸領域LRの移動を行う。
また、第1状態で液浸領域LRを移動するときに、ギャップG1から液体LQが漏出した場合においても、ギャップG1の下側には、溝部55が設けられているため、漏出した液体LQは溝部55で捕集される。したがって、液体LQがステージST1、ST2の外側やベース部材BP上に流出する不都合の発生を防止できる。また、溝部55の内側には回収機構50の回収口51が設けられているので、ギャップG1から漏出した液体LQを、回収口51を介して回収することができる。
図10は、回収口51を介して液体LQを回収している状態(第2状態)を示す図である。例えば露光装置EXのメンテナンス等を行うときなど、液浸領域LRの液体LQを全て回収する場合には、制御装置CONTは、基板ステージST1と計測ステージST2との相対的な位置関係を、図10に示すような、第1状態とは異なる第2状態にする。すなわち、制御装置CONTは、駆動機構SDの駆動を制御し、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2との間に、ギャップG2を形成し、溝部55及びその内側に設けられている回収口51を露出させる。このとき、オーバーハング部H1(プレート部材T)の下面Tbの一部は、計測ステージST2の凹部54の一部の領域である溝部55の上方の上面58と重なるように配置される。プレート部材Tの下面Tbと上面58との間には所定のギャップG3が形成される。そして、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2との間にギャップG2を形成して回収口51を露出させた第2状態で、基板ステージST1と計測ステージST2とを一緒に移動しながら、計測ステージST2の回収口51で、液体LQの回収を行う。基板ステージST1及び計測ステージST2を移動し、投影光学系PLの下方にギャップG2を配置することにより、投影光学系PLの下に保持されている液体LQは、重力の作用により、ギャップG2を介して溝部55に流入し、回収口51を介して回収される。また、ギャップG2を形成して液体LQを回収するとき、プレート部材Tの下面Tbと上面58との間に形成された所定のギャップG3により、液体LQの表面張力によって、ギャップG2から流入する液体LQがギャップG3を介して流出することが抑制される。なお、図10の状態で、基板ステージST1と計測ステージST2とを停止させた状態で回収機構50による液体LQの回収を行ってもよい。
また、制御装置CONTは、計測ステージST2に設けられた回収口51による液体LQの回収動作と、液浸機構1のノズル部材70の回収口22による回収動作とを並行して行う。例えば、液浸領域LRが基板ステージST1の上面F1又は計測ステージST2の上面F2にあるときには、制御装置CONTは、ノズル部材70の回収口22による液体LQの回収を行いつつ、駆動機構SDを使ってステージST1、ST2を移動することで、液浸領域LRをギャップG2まで移動する。そして、液浸領域LRの液体LQが溝部55に対して流入し始めたとき(あるいは流入する前、あるいは流入し始めてから所定時間経過後)、制御装置CONTは、回収機構50を駆動し、計測ステージST2に設けられた回収口51による液体LQの回収動作を開始する。このとき、液浸機構1のノズル部材70の回収口22による液体回収動作は継続されている。液浸機構1の回収口22は、計測ステージST2の上方から液体LQの回収を行う。液浸領域LRの液体LQは、重力の作用によって溝部55に流入して、計測ステージST2の回収口51を介して回収されるとともに、計測ステージST2の上方に設けられた液浸機構1の回収口22を介して回収される。
以上説明したように、計測ステージST2に設けられた回収口51によって液体LQを良好に回収することができる。投影光学系PLの像面側に配置された計測ステージST2に回収口51を設けることにより、重力の作用によって、液体LQを迅速に且つ良好に回収することができる。また、計測ステージST2に回収口51を設けたので、液体LQを回収するときに基板ステージST1に与える影響を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2との間で液浸領域LRを移動する状態と、回収口51を使って液体LQを回収する状態との切り替えは、基板ステージST1と計測ステージST2との相対的な位置関係を変更するだけでよく、簡易な構成で液体LQの漏出を防止しつつ、迅速に回収することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態ついて図11を参照しながら説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
第2の実施形態の特徴的な部分は、溝部55の内側に液体回収部材57が配置されている点にある。液体回収部材57は、回収口51の上に配置されている。液体回収部材57は、例えばセラミックス製の多孔質部材や、合成樹脂からなるスポンジ状部材によって構成される。このように、液体回収部材57を配置することで、液体LQを良好に保持することができる。また、溝部55に液体回収部材57を配置した場合には、回収口51を含む回収機構50を省略することも可能である。回収機構50を省略しても、液体LQは、液体回収部材57で保持されるので、液体LQがベース部材BP上などに流出する不都合を防止できる。また、液体回収部材57を交換可能とすることで、液体LQを保持した液体回収部材57や汚染した回収部材57を新たなものと交換することができる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態ついて図12を参照しながら説明する。第3の実施形態の特徴的な部分は、回収口51が計測ステージST2の上面F2に設けられている点にある。すなわち、本実施形態においては、回収口51は凹部54の内側に形成されていない。なお、計測ステージST2の上面のうち、−Y側の領域には、基板ステージST1のオーバーハング部H1に対応する凹部54が形成されている。なお、第3の実施形態においても、回収口51は、X方向に沿って複数設けることができる。
液体LQを回収するときには、制御装置CONTは、液浸領域LRを計測ステージST2の上面F2に配置し、その上面F2に形成された回収口51を介して液体LQを回収する。本実施形態においては、回収口51と液体LQとが直接的に接触するので、液体LQを良好に回収することができる。なお、第3の実施形態においては、基板ステージST1のオーバーハング部(凸部)H1及び計測ステージST2の凹部54を省略することもできる。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態ついて図13を参照しながら説明する。第4の実施形態の特徴的な部分は、基板ステージST1から計測ステージST2に向かって突出する凸部H1’は、基板ステージST1の側面のうちZ軸方向に関して略中央部分に設けられている点にある。すなわち、本実施形態においては、凸部H1’は、基板ステージST1の上面F1を形成していない。また、計測ステージST2には、凸部H1’に対応する凹部54’が形成されている。
<第5の実施形態>
図14は第5の実施形態を示す図である。図14に示すように、計測ステージST2の側面のうちZ軸方向に関して略中央部分に凸部H1’を設けるとともに、基板ステージST1に凹部54’を設けてもよい。そして、凸部H1’に溝部55を形成し、その溝部55の内側に回収口51を設けるようにしてもよい。また、本実施形態において、基板ステージST1の上面F1と計測ステージST2の上面F2との間で液浸領域LRを移動するときには、基板ステージST1と計測ステージST2とを近づけて凹部54’の内側に凸部H1’を配置すればよい。
なお、上述の第2〜第5の実施形態においても、液体LQの全てを回収する場合に、液浸機構1の回収口22を併用することができる。
また、上述の第1及び第2の実施形態においては、計測ステージST2の溝部55は、計測ステージST2のX軸方向の一端から他端まで連続的に形成されているが、X軸方向に関して一部に設けられているだけでもよいし、断続的に形成されていてもよい。
また、上述の第1及び第5の実施形態においては、回収口51は溝部55の底面に配置されているが、底面に回収口を形成するかわりに、回収口となる微小孔を有する少なくとも一本の細チューブを溝部55内に配置してもよい。この場合、細チューブ自身が流路52の一部となる。
また、上述の第1、第2、第5の実施形態において、溝部55の底面は平面であるが、XY平面に対して傾斜していてもよい。この場合、その傾いた底面の下方付近に少なくとも一つの回収口51を配置すればよい。また、その傾いた底面の表面を撥液性にしておくことで、より確実に溝部55内の液体を回収することができる。
また、上述の第1〜第5の実施形態において、計測ステージST2の回収口の数や配置は適宜変更することができる。
また、上述の第1〜第5の実施形態において、回収口51をZ軸方向に移動可能にすることもできる。
また、上述の第1〜第5の実施形態において、回収口51は親液性の材料(例えばチタンなどの金属)で形成することができる。
また、上述の第1〜第5の実施形態において、X軸方向に沿って複数の回収口51を設けた場合には、複数の回収口51が形成されている溝部55の底面やステージ上面F2に、隣り合う回収口をつなぐように親液性の細溝(例えば、幅0.5mm程度)を形成してもよい。この場合、毛細管現象によりその細溝内に液体を集めて、回収口51から効率良く液体を回収することができる。
また、上述の第1〜第5の実施形態において、投影光学系PLの像面側の光路空間の液体を回収口51(溝部55)から回収するときに、回収口51(溝部55)を移動することによって、より確実に液体の回収を行うことができる。例えば、計測ステージST2(基板ステージST1)を+Y方向と−Y方向とに交互に移動しながら回収口51(溝部55)から液体の回収を行うことができる。
また、上述の第1〜第5の実施形態においては、基板ステージST1のプレート部材Tは脱着可能に構成されているが、必ずしも脱着可能である必要はなく、基材PHBと一体的に形成してもよい。
また、上述の第1〜第5の実施形態においては、計測ステージST2に回収口51を設けているが、計測ステージST2のかわりに、基板ステージST1に回収口を設けるようにしてもよいし、二つのステージのそれぞれに回収口を設けてもよい。
また、上述の第1〜第5の実施形態において、液体回収機構20の回収口22と真空系(吸気系)との間の回収管23の途中や、回収口51と真空系(吸気系)53との間の流路52の途中に、所定の容積を有するバッファ空間を設けておくことが望ましい。このようなバッファ空間を設けておくことによって、停電などによって真空系による吸気(排気)動作が停止したとしても、そのバッファ空間が負圧になっているので、回収管23内や溝部55(流路52)内の液体の吸引(回収)を所定時間だけ続けることができる。
また、上述の各実施形態は、例えば特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているような、基板Pを保持して移動可能な複数(例えば2つ)の基板ステージを有する、所謂マルチステージ型の露光装置にも適用可能である。
上述したように、本実施形態における液体LQは純水である。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上のフォトレジストや光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの上面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。なお工場等から供給される純水の純度が低い場合には、露光装置が超純水製造器を持つようにしてもよい。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
上述の実施形態の投影光学系は、先端の光学素子の像面側の光路空間を液体で満たしているが、国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、先端の光学素子のマスク側の光路空間も液体で満たす投影光学系を採用することもできる。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がFレーザである場合、このFレーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはFレーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P表面に塗布されているフォトレジストに対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。この場合も表面処理は用いる液体LQの極性に応じて行われる。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
また、露光装置EXとしては、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第1パターンの縮小像を投影光学系(例えば1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系)を用いて基板P上に一括露光する方式の露光装置にも適用できる。この場合、更にその後に、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第2パターンの縮小像をその投影光学系を用いて、第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光するスティッチ方式の一括露光装置にも適用できる。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図15に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する処理を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。

Claims (30)

  1. 投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    前記投影光学系の像面側において前記像面とほぼ平行な2次元平面内で、前記基板を保持して移動可能な第1ステージと、
    前記投影光学系の像面側において前記像面とほぼ平行な2次元平面内で、前記第1ステージとは独立して移動可能な第2ステージと、
    前記第1ステージ及び第2ステージの少なくとも一方のステージの上面に液体の液浸領域を形成する液浸機構と
    前記第1ステージ及び前記第2ステージの少なくとも一方に配置され、前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面との間のギャップからの液体を回収する回収口と、を備える露光装置。
  2. 前記回収口は、流路を介して真空系に接続される請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記回収口は、前記液体を気体とともに回収する請求項1に記載の露光装置。
  4. 前記回収口から回収された前記液体と気体とを分離する気液分離器を備える請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記回収口は、流路を介して真空系に接続され、
    前記気液分離器は、前記回収口と前記真空系との間の前記流路に設けられる請求項4に記載の露光装置。
  6. 前記第1ステージと前記第2ステージとを一緒に移動しながら、前記回収口で前記ギャップからの液体を回収する請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面とが互いに近接又は接触する請求項1〜6のいずれか一項に記載の露光装置。
  8. 前記投影光学系の直下の位置を含む所定領域内で、前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面とが近接又は接触した状態を維持しつつ、前記第1ステージと前記第2ステージとを一緒に移動する駆動機構を備えた請求項1〜7のいずれか一項に記載の露光装置。
  9. 前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面とが近接又は接触した状態において、前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面とはほぼ面一である請求項8に記載の露光装置。
  10. 前記第1ステージ及び第2ステージの少なくとも一方の上面と前記投影光学系との間で液体を保持した状態で、前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面との間で液浸領域の移動を行う請求項8又は9に記載の露光装置。
  11. 前記第1ステージ及び第2ステージの少なくとも一方のうち、前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面とが互いに近接又は接触する領域の近傍は、撥液性を有する請求項10のいずれか一項記載の露光装置。
  12. 前記第1ステージ及び前記第2ステージの一方は、他方のステージに向かって突出する凸部を有し、
    前記他方のステージは、前記凸部に対応する凹部を有し、
    前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面とが近接又は接触する状態は、前記凹部に前記凸部が配置された状態を含む請求項11のいずれか一項記載の露光装置。
  13. 前記凸部は、前記一方のステージの上面を形成する請求項12記載の露光装置。
  14. 前記凸部は、平坦な上面及び下面を有する請求項12又は13に記載の露光装置。
  15. 前記一方のステージは、干渉計用の移動鏡を備え、
    前記移動鏡は、前記凸部の下側の領域に配置される請求項12〜14のいずれか一項に記載の露光装置。
  16. 前記凹部に前記回収口が設けられている請求項12〜15のいずれか一項に記載の露光装置。
  17. 前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面との間に第1のギャップが形成される第1状態においては、前記第1ステージと前記第2ステージとを一緒に移動することによって、前記第1ステージ及び第2ステージの少なくとも一方の上面と前記投影光学系との間で液体を保持した状態で、前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面との間で液浸領域の移動を行い、
    前記第1状態と異なる第2状態においては、前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面との間に前記第1のギャップよりも大きい第2のギャップが形成され、前記回収口で前記第2のギャップからの液体の回収を行う請求項16のいずれか一項記載の露光装置。
  18. 前記回収口は、前記第1状態において、前記第1ギャップからの液体を回収する請求項17記載の露光装置。
  19. 前記第1ステージは、前記基板を保持する第1保持部と、前記第1保持部に保持された前記基板の周囲に、前記基板上面とほぼ面一の上面を形成するプレート部材を脱着可能に保持する第2保持部とを備え、
    前記プレート部材は、前記第1ステージの上面を形成している請求項1〜18のいずれか一項記載の露光装置。
  20. 前記第1ステージは、前記第2ステージに向かって突出するオーバーハング部を有し、
    前記プレート部材の上面は、前記オーバーハング部の上面を含む請求項19に記載の露光装置。
  21. 前記第1ステージは、前記第2ステージに向かって突出するオーバーハング部を有し、
    前記第1ステージの上面は、前記オーバーハング部の上面を含む請求項1〜19のいずれか一項記載の露光装置。
  22. 前記回収口は、前記少なくとも一方のステージに形成された溝部の内側に設けられている請求項1〜21のいずれか一項記載の露光装置。
  23. 前記回収口に液体吸収部材が配置されている請求項1〜22のいずれか一項記載の露光装置。
  24. 前記第2ステージは、露光処理に関する計測を行う計測器を搭載している請求項1〜23のいずれか一項記載の露光装置。
  25. 前記少なくとも一方のステージに設けられた回収口による液体の回収動作と、前記液浸機構の回収口による液体回収動作との少なくとも一部を並行して行う請求項1〜24のいずれか一項記載の露光装置。
  26. 前記液浸機構の回収口は、前記回収口を有する前記少なくとも一方のステージの上方から前記液体の回収を行う請求項25記載の露光装置。
  27. 前記液浸機構は、前記基板上の一部に液浸領域を形成し、
    前記液浸領域を形成する液体と前記投影光学系とを介して前記基板上に露光光を照射することによって前記基板を露光する請求項1〜26のいずれか一項記載の露光装置。
  28. 請求項1〜請求項27のいずれか一項記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
  29. 投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
    前記投影光学系の像面側において前記像面とほぼ平行な2次元平面内で、前記基板を保持可能な第1ステージを移動することと、
    前記投影光学系の像面側において前記像面とほぼ平行な2次元平面内で、前記第1ステージとは異なる第2ステージを移動することと、
    前記第1ステージ及び第2ステージの少なくとも一方のステージの上面に液体の液浸領域を形成することと、
    前記液浸領域が前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面とに跨って形成されるように、前記第1ステージと前記第2ステージを移動することと、
    前記第1ステージ及び前記第2ステージの少なくとも一方に配置された回収口を用いて、前記第1ステージの上面と前記第2ステージの上面との間のギャップからの液体を回収することと、を含む露光方法。
  30. 請求項29に記載の露光方法を用いるデバイス製造方法。
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